JP4890107B2 - 2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピランの製造方法 - Google Patents

2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピランの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピラン(以下、MHPと称する。)の製造方法に関する。本発明によって得られるMHPは、さらに水素化反応に付すことにより、ポリエステルやポリウレタンなど、各種ポリマーの原料として有用な3−メチル−1,5−ペンタンジオール(以下、MPDと称する。)へと変換することができる。また、MHPをアンモニアやアルキルアミンなどのアミン化合物の存在下に還元アミノ化反応に付すことにより、ポリウレタン製造時の反応性触媒や医薬品中間体などとして有用なアミノアルコール化合物へと変換することができる。
従来のMHPの製造方法としては、例えば、3−メチル−3−ブテン−1−オール(以下、IPEAと称する。)をロジウム化合物の存在下に一酸化炭素および水素と反応させる方法(特許文献1参照)、IPEAをロジウム化合物および有機リン化合物の存在下に一酸化炭素および水素と反応させる方法(特許文献2参照)、IPEAをロジウム化合物およびトリス(置換アリール)ホスファイト配位子の存在下に一酸化炭素および水素と反応させる方法(特許文献3参照)などが知られている。
特開昭60−202835号公報 特開昭55−045642号公報 特開昭62−201881号公報
本発明者らは、特許文献1〜3に記載の方法により、MHPの製造試験を実施したところ、高い転化率および選択率が得られ、MHPを効率良く製造できることを確認した。しかしながら、得られたMHPを蒸留により精製すると、MHPの分解や副反応などに起因すると考えられる下記式(I)
Figure 0004890107
で示される化合物(以下、MPEと称する。)が生成し、MHPの最終的な収率が低下してしまうという問題が生じた。すなわち、せっかくMHPを製造する際の転化率および選択率が良好であっても、蒸留時にMHPの収率が低下してしまうという問題が生じ、その上、この問題は蒸留時の温度や圧力の変更などでは解決できないことが判明した。
しかして、本発明の目的は、MHPの工業的な製造方法において、蒸留時における、MHPの分解や副反応などに起因すると考えられるMPEの生成を抑制し、MHPの最終的な収率を効果的に向上させる方法を提供することにある。
本発明によれば、上記の目的は、[1]ロジウム化合物の存在下、3−メチル−3−ブテン−1−オールを水素および一酸化炭素と反応させて2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピランを含有する反応混合液を得、得られた反応混合液を無機塩基性化合物の存在下に蒸留することを特徴とする2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピランの製造方法、および[2]ロジウム化合物の存在下、3−メチル−3−ブテン−1−オールを水素および一酸化炭素と反応させて2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピランを含有する反応混合液を得、得られた反応混合液から触媒成分を分離除去した後、残留液を無機塩基性化合物の存在下に蒸留することを特徴とする2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピランの製造方法を提供することにより達成される。
本発明により、MHPの工業的な製造方法において、蒸留時におけるMHPの分解や副反応などを抑制し、MHPの最終的な収率を向上させ、工業的に有利にMHPを製造することが可能となる。
本発明は、IPEAをロジウム化合物の存在下に水素および一酸化炭素と反応(以下、ヒドロホルミル化反応と称する。)させて得られる反応混合液を、無機塩基性化合物の存在下に蒸留することを特徴とするMHPの製造方法である。
ヒドロホルミル化反応で使用するロジウム化合物としては、オレフィンのヒドロホルミル化反応に用いられる公知のロジウム化合物を使用することができ、例えばドデカカルボニルテトラロジウム、ヘキサデカカルボニルヘキサロジウム、ジカルボニルアセチルアセトナトロジウム、トリアセチルアセトナトロジウム、酸化ロジウム、塩化ロジウム、酢酸ロジウムなどが挙げられる。ロジウム化合物の使用量に特に制限は無いが、触媒活性および経済的な観点から、通常、反応混合液1リットルに対して、ロジウム原子換算で0.001〜10ミリモルの範囲であるのが好ましく、0.005〜2ミリモルの範囲であるのがより好ましい。
ヒドロホルミル化反応においては、ロジウム化合物の安定性の観点から、第三級有機リン化合物を添加するのが好ましい。かかる第三級有機リン化合物としては公知の化合物でよく、例えばトリフェニルホスファイト、トリス(2−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−エチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−イソプロピルフェニル)ホスファイト、トリス(2−フェニルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−5−メチルフェニル)ホスファイト、ビス(2−メチルフェニル)(2−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2−t−ブチルフェニル)(2−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどのホスファイト;下記式
Figure 0004890107
Figure 0004890107
などで示されるビスホスファイト;トリフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−n−オクチルホスフィンなどのホスフィン;1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタンなどのビスホスフィンなどが挙げられる。これらの中でも、トリス(2−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトを使用するのが好ましい。これらは1つを単独で使用してもよいし、2つ以上を併用してもよい。
第三級有機リン化合物の使用量は、通常、ロジウム化合物中のロジウム1モルに対し、リン原子換算で1〜500モルの範囲であるのが好ましく、触媒活性および経済性の観点からは、5〜50モルの範囲であるのがより好ましい。ロジウム1モルに対して第三級有機リン化合物が500モルを超えると、反応活性が低下したり、MHPの選択率が低減したりする傾向があり、一方、ロジウム1モルに対して第三級有機リン化合物が1モル未満では、ロジウム化合物の反応系中における触媒活性成分としての安定性が損なわれる傾向がある。
ヒドロホルミル化反応は、溶媒の存在下または不存在下に実施する。かかる溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない限り特に制限はなく、例えばトルエン、ベンゼン、ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテルなどが挙げられる。これらの溶媒は1つを単独で使用してもよいし、2つ以上を併用することもできる。溶媒を使用する場合、その使用量は、反応混合液全量に対して、通常、1〜70質量%の範囲である。
水素と一酸化炭素の使用割合は、通常、水素:一酸化炭素=1:5〜5:1(モル比)であり、1:2〜2:1(モル比)であるのが好ましい。
反応温度は、通常、50〜200℃の範囲であり、80〜120℃の範囲であるのが好ましい。また、反応圧力は、通常、0〜20MPa(ゲージ圧)の範囲であり、0.1〜10MPa(ゲージ圧)の範囲であるのが好ましい。
反応時間(滞留時間)は、通常、2〜24時間の範囲であるのが好ましい。
ヒドロホルミル化反応は、バッチ法、セミバッチ法、連続法のいずれでも実施できる。
バッチ法は、例えば、IPEA、ロジウム化合物並びに必要に応じて第三級有機リン化合物および溶媒を一括して反応器に仕込み、一酸化炭素および水素の混合ガス雰囲気下で、所定温度および所定圧力で所定時間反応させることにより実施できる。
セミバッチ法は、例えば、ロジウム化合物並びに必要に応じて第三級有機リン化合物および溶媒を反応器に仕込み、一酸化炭素および水素の混合ガス雰囲気下、所定温度および所定圧力にて混合する。そこに、まず一部のIPEAを供給して反応を開始させる。その後、時間を追って、さらに残りのIPEAを連続的または断続的に反応器に供給しながら所定時間反応させることにより実施できる。この場合、反応時間は、追加で供給するIPEAの供給速度により制御することができる。
連続法は、例えば、所定温度および所定圧力の一酸化炭素および水素の混合ガス雰囲気下にて、IPEA、ロジウム化合物並びに必要に応じて第三級有機リン化合物および溶媒を連続的に反応器に導入しながら所定時間攪拌し、且つ、反応中、得られた反応混合液を例えば反応器の上方部の取り出し口から連続的に抜き取りながら反応させることにより実施できる。なお、反応器の容量および全原料の供給速度を規定することにより、反応器の容量を超えた反応混合液がオーバーフローしていく形で滞留時間を制御することができる。
こうして得られる反応混合液から、薄膜蒸発器を用いて触媒成分(ロジウム化合物および第三級有機リン化合物)を濃縮液の状態で分離回収した後、かかる触媒成分をヒドロホルミル化反応に再使用するのが好ましい。
本発明では、上述した通り、ヒドロホルミル化反応により得られた反応混合液(薄膜蒸発器を用いて触媒成分を分離回収した場合は、触媒成分を分離除去した後の混合液を指す。)を、無機塩基性化合物の存在下に蒸留する。
かかる無機塩基性化合物としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩またはアルカリ金属炭酸水素塩;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物;ナトリウムメトキシドなどのアルカリ金属アルコキシドなどが挙げられる。これらの中でも、取り扱い易さおよび価格の観点からは、水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウムを使用するのが好ましい。無機塩基性化合物の使用量は、反応混合液全量(ヒドロホルミル化反応を連続法で実施した場合には、反応器から抜き取った反応混合液の全量)に対して10ppm〜2000ppm(質量比)の範囲であるのが好ましく、50ppm〜1000ppm(質量比)の範囲であるのがより好ましい。無機塩基性化合物の使用量が反応液全量に対して10ppm未満であると、MPEの副生を抑制する効果が小さくなる傾向にある。一方、2000ppmを超えると、アルドール反応などの副反応を引き起こす恐れがあり、またMPEの生成を抑制する効果も頭打ちになる。
無機塩基性化合物は、固体状態のものはそのまま反応混合液に添加することもできるが、局所的に高濃度となることを避けるため、例えば溶媒に溶解してから反応混合液に添加するのが好ましい。かかる溶媒としては、塩基性化合物が充分に溶解し、且つ、反応に悪影響を与えない限り特に限定はなく、通常、例えば水や、メタノール、エタノール、2−プロパノール、MPDなどのアルコールなどが挙げられる。固体状態の無機塩基性化合物を溶媒に溶解して使用する場合、その濃度は、取り扱い易さの観点から、通常、5〜70質量%の範囲であるのが好ましい。
蒸留の温度は60〜200℃の範囲であるのが好ましく、60〜160℃の範囲であるのがより好ましい。また、蒸留時の圧力は1〜10kPaの範囲であるのが好ましい。蒸留工程における温度および圧力がこの範囲にある場合、蒸留工程における副反応をいたずらに増加させない。
蒸留の方法に特に制限は無く、公知の方法を用いることができる。例えば単蒸留、多段蒸留、薄膜蒸留などが挙げられ、回分式、半回分式、連続式などのいずれの方式でも実施できる。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はかかる実施例により何ら制限されるものではない。なお、各実施例および比較例におけるガスクロマトグラフィー分析は、以下の手順で実施した。
[ガスクロマトグラフィー分析]
分析機器:株式会社島津製作所製 GC−14A
使用カラム:J&W Scientific社製 CBP−20(長さ50m)
分析条件:injection temp.240℃、detection temp.240℃、昇温条件:80℃(0分保持)→(8℃/分で昇温)→220℃(10分保持)
<参考例1>
100mL三口フラスコを窒素で十分に置換した後に、ジカルボニルアセチルアセトナトロジウム5mg(19.4μmol)、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト267.5mg(0.413mmol)および窒素置換したトルエン62.5mLを入れて内容物をよく攪拌し、完全に溶解させて触媒液を調製した。
ガス導入口、サンプリング口および電磁攪拌装置を備えた内容量100mLのオートクレーブに、上記の触媒液2.5ml、トルエン2.5mlおよびIPEA50g(0.58mol)を仕込み、系内を一旦窒素で置換した後、一酸化炭素:水素=1:1(モル比)の混合ガスで置換した。一酸化炭素:水素=1:1(モル比)の混合ガスを10L/時で流通させながら攪拌し、内温を100℃に昇温後、前記した混合ガスでオートクレーブ内の圧力を8.5MPaとし、8時間反応を行なった。得られた反応混合液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、反応混合液の組成(トルエンを除く)は、未反応IPEA9.3質量%、MHP76.6質量%、3−メチル−2−ブテン−1−オール(IPEAの異性体)6.9質量%、3−メチルブタナール(IPEAの異性体)5.1質量%、3−メチルブタン−1−オール(IPEAの水素化体)0.5質量%、MPE1.3質量%であった。
該反応混合液から、減圧下(80℃/3.3kPa)、薄膜蒸発器により触媒成分[ジカルボニルアセチルアセトナトロジウムおよびトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト]を分離し、MHP96.3質量%、MPE1.2質量%、その他(下記式(II)
Figure 0004890107
で示される化合物および他の低沸点化合物)2.5質量%の混合液(以下、混合液Aと称する。)を得た。
<実施例1、2および比較例1>
試験管に、参考例1で得られた混合液Aおよび所定量(表1参照)の5%水酸化ナトリウム水溶液を添加した後、封管して130℃で8時間加熱し、得られた試験液をガスクロマトグラフィーで分析した。結果を表1に示す。
Figure 0004890107
表1より、ヒドロホルミル化反応で得られた反応混合液から触媒成分を除去して得られた混合液Aに無機塩基性化合物を添加しておくことで、蒸留を想定した加熱処理を施した時に、試験液中のMPEの生成を抑制できたことがわかる。
<実施例3、4>
実施例1において、25%水酸化ナトリウム水溶液に替えて炭酸ナトリウム(固体)を用い、炭酸ナトリウム濃度が質量比で以下の表2に示す値になるよう調製した以外は実施例1と同様の実験および分析を行なった。結果を表2に示す。
Figure 0004890107
表2より、ヒドロホルミル化反応で得られた反応混合液から触媒成分を除去して得られた混合液Aに無機塩基性化合物を添加することにより、蒸留を想定した加熱処理を施した時に、試験液中のMPEの生成を抑制できたことがわかる。
<比較例2〜4>
実施例1において、25%水酸化ナトリウム水溶液に替えてトリエタノールアミンを用い、トリエタノールアミン濃度が質量比で以下の表3に示す値になるよう調製した以外は実施例1と同様の実験および分析を行なった。結果を表3に示す。
Figure 0004890107
表3より、ヒドロホルミル化反応で得られた反応混合液から触媒成分を除去して得られた混合液Aにトリエタノールアミンなどの有機塩基性化合物を添加して同様の加熱処理をした場合、添加するトリエタノールアミンの量を増加させてもMPEの生成抑制効果が頭打ちになり、前記した無機塩基性化合物に比べて十分な効果を発現しないことがわかる。
<実施例5>
図1に示す製造設備を用いて、本発明を連続法にて実施した。
内容積1mの反応器1に、ジカルボニルアセチルアセトナトロジウム、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(ロジウム1molに対して35mol)およびトルエンからなる触媒液を、反応液1Lに対してロジウム濃度が0.1mmolとなるように約5L/時、そしてIPEAを85L/時で連続的に供給し、得られた反応混合液を連続的に約92〜93L/時で抜き取った(反応混合液の反応器1内における滞留時間:9.3時間)。この際、内温は100℃に保ち、また、一酸化炭素:水素=1:1(モル比)の混合ガスを連続的に供給することにより、内圧を8.5MPaに維持した。なお、定常状態での反応混合液の組成をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、未反応のIPEA5.2質量%、MHP76.8質量%、3−メチル−2−ブテン−1−オール(IPEAの異性体)2.1質量%、3−メチルブタナール(IPEAの異性体)5.8質量%、3−メチル−1−ブタノール(IPEAの水素化体)0.5質量%、MPE6.0質量%、ロジウム濃度0.1mmol/L、リン濃度3.3mmol/Lであった。
なお、反応器1から抜き取った反応混合液は薄膜蒸発器2へ供給し、100℃/4kPaで蒸留することにより、触媒成分[ジカルボニルアセチルアセトナトロジウムおよびトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト]を分離回収し、前記した触媒液の成分として再使用した。薄膜蒸発器2で蒸発させた留分(以下、留分Bと称する。)の組成は、未反応のIPEA7.4質量%、MHP77.7質量%、3−メチル−2−ブテン−1−オール(IPEAの異性体)3.6質量%、3−メチルブタナール(IPEAの異性体)5.1質量%、3−メチル−1−ブタノール(IPEAの水素化体)0.7質量%、MPE3.3質量%であった。
該留分Bに、25%水酸化ナトリウム水溶液を30mL/時(水酸化ナトリウムの反応混合液中での濃度:約80ppm)で添加しながら蒸留塔3に供給し、塔底温度130℃(塔頂温度80℃)/3.3kPaで低沸点成分を塔頂から除去し、塔底からMHPを主成分とする溶液(該溶液には、添加した水酸化ナトリウム水溶液がほぼ全て含まれている。)を得た。かかる溶液をさらに蒸留塔4で塔底温度約150℃(塔頂温度約100℃)/3.3kPaで精製した。
蒸留塔4の塔頂から得られた留出液量は88L/時であり、留出液の組成は、MHP95.5質量%、MPE2.0質量%であった。一方、蒸留塔4の塔底から抜き取ったMPE量は1.5L/時であった。また、蒸留時の加熱により生成するMPEの量を0.29L/時に抑えることができた。
この結果より、蒸留塔3における蒸留の前に無機塩基性化合物を添加しておくことにより、蒸留時の加熱によるMPEの生成を効果的に抑制できたと言える。
<比較例5および実施例6、7>
実施例5において、25%水酸化ナトリウム水溶液の添加量を、質量比で以下の表4に示す値になるように調節した以外は実施例5と同様の実験および分析を行なった。蒸留時に生成したMPEの量を表4に併せて示す。
Figure 0004890107
表4から、水酸化ナトリウム水溶液を添加すると(実施例6および7)、添加しない場合(比較例5)に比べ、蒸留時の加熱によるMPEの生成を効果的に抑制できていることがわかる。また、例えば、実施例7では比較例5に比べて、1時間当たり1.46L、つまり1日では約35L、1年で約400LのMPEの生成を抑制できており、スケールを10倍にすれば年間4,000L、50倍にすれば年間20,000LものMPEの生成の抑制ができることになる。これがそのままMHPの収率の向上につながるわけであり、本発明は、工業的に実施する上で、非常に有利な方法であるといえる。
実施例5で用いた反応装置の概要を示す図である。
符号の説明
1:反応器
2:薄膜蒸発器
3、4:蒸留塔

Claims (2)

  1. ロジウム化合物の存在下、3−メチル−3−ブテン−1−オールを水素および一酸化炭素と反応させて2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピランを含有する反応混合液を得、得られた反応混合液をアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属水酸化物およびアルカリ金属アルコキシドから選ばれる無機塩基性化合物の存在下に蒸留することを特徴とする、2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピランの製造方法。
  2. ロジウム化合物の存在下、3−メチル−3−ブテン−1−オールを水素および一酸化炭素と反応させて2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピランを含有する反応混合液を得、得られた反応混合液から触媒成分を分離除去した後、残留液をアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属水酸化物およびアルカリ金属アルコキシドから選ばれる無機塩基性化合物の存在下に蒸留することを特徴とする、2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピランの製造方法。
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