JP4290229B2 - 2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフランの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、2−メチル−2−プロペン−1−オール(メタリルアルコール)をロジウム化合物の存在下に水素および一酸化炭素と反応させて2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフランを製造する方法に関する。本発明によって得られる2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフランは、医薬、農薬など、各種のファインケミカルズの合成中間体として有用であり、例えば、還元することにより、ポリエステル等の高分子化合物の原料や有機化合物の合成中間体として有用な2−メチル−1,4−ブタンジオールに変換することができる。
【0002】
【従来の技術】
オレフィン性不飽和有機化合物を水素および一酸化炭素と反応させてアルデヒドを製造する方法は、ヒドロホルミル化反応あるいはオキソ反応とよばれており、工業的に有用な合成法である。ヒドロホルミル化反応では、触媒として通常コバルト化合物やロジウム化合物が用いられている。中でもロジウム化合物は、ヒドロホルミル化反応に対する触媒活性、アルデヒド選択性においてコバルト触媒より一段と優れている。かかるロジウム化合物としては、ロジウムと一酸化炭素との錯体であるロジウムカルボニル化合物が一般的に使用されるが、ロジウムカルボニル化合物自体は反応性に富む不安定な化合物であるため、通常、リン、ヒ素、アンチモンなどを含む配位子によって修飾して安定化した形の化合物として使用される。この際、配位子としてトリフェニルホスフィン等の有機リン化合物が好んで用いられている。
【0003】
アリル系のアルコールをヒドロホルミル化してテトラヒドロフラン類を製造することは公知であり、数多くの例が報告されている。例えば、特公昭53−19563号公報にはアリルアルコールをヒドロホルミル化して2−ヒドロキシテトラヒドロフランを合成する方法が開示されている。該公報に記載された方法によれば、触媒としてロジウム化合物を使用し、これを修飾する配位子としてトリフェニルホスフィンを用い、4kg/cm2以下の低い圧力で反応を行い、高いヒドロホルミル化選択率が達成されている。
また、文献〔J. Prakt. Chem., 314, 840-850(1972) 〕には、置換基を有するアリルアルコールをトリフェニルホスフィンで修飾されたロジウム化合物であるRhCl(CO)(PPh3)2を用いてヒドロホルミル化し、次いで還元することにより1,4−ブタンジオール類を製造する方法が記載されているが、この際、中間体であるヒドロホルミル化生成物として2−ヒドロキシテトラヒドロフラン類が生成することが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、各種のファインケミカルズの合成中間体として有用な2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフランを工業的に製造すべく、出発物質として2−メチル−2−プロペン−1−オールを用いて上記文献に記載された合成法の実施を試みたところ、以下の問題点が存在することを認めた。すなわち、2−メチル−2−プロペン−1−オールのヒドロホルミル化を、触媒として従来から工業的に最も好んで用いられているトリフェニルホスフィンを配位子にもつロジウム化合物を使用し、4kg/cm2以下の低い圧力で実施すると、その反応速度は極めて小さい。このため、2−メチル−2−プロペン−1−オールのヒドロホルミル化を工業的に実施するためにはロジウム触媒の濃度を高くせざるを得ない。しかしロジウム化合物は極めて高価であるので、触媒として使用するにあたっては長期に亘って循環使用しなければ経済性が損なわれてしまう。一方、反応圧力を例えば100kg/cm2まで高めるとヒドロホルミル化の反応速度は大きくなるが、それでもなお経済的に満足できるほどにロジウム化合物の使用量を減らすことはできない。
【0005】
従って、2−メチル−2−プロペン−1−オールのヒドロホルミル化によって2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフランを工業的に有利に製造するためには、トリフェニルホスフィンを配位子として使用した場合よりも反応速度が大きくなるような配位子を使った触媒系を構築することが重要な課題となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、2−メチル−2−プロペン−1−オールのヒドロホルミル化を行う際に特定のリン化合物を反応系に共存させると、触媒であるロジウム化合物の濃度が低くても反応速度を大きくすることができ、工業的に有利に実施しうる反応系となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、ロジウム化合物、およびロジウム1グラム原子に対して110〜1000モル倍のエレクトロニックパラメーター(Electronic Parameter:ν−Values)が2080〜2090cm−1であり、かつステリックパラメーター(Steric Parameter:θ−Values)が135〜190°である下記一般式(1)
【0008】
【化2】
【0009】
(式中R1、R2およびR3はそれぞれ炭素数が7以上の置換アリール基を表す)で示されるトリス(置換アリール)ホスファイトの存在下に、2−メチル−2−プロペン−1−オールを水素および一酸化炭素と反応させることを特徴とする2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフランの製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明における上記2種のパラメーターは、文献〔C.A.Tolman, Chem. Rev.,77, 313(1977)〕の記載に従って定義された値であり、エレクトロニックパラメーターとはジクロルメタン中で測定されたNi(CO)3L(Lはリン配位子)のCOのA1赤外吸収スペクトルの振動数で定義されるものであり、またステリックパラメーターとはリン原子の中心から2.28オングストロームの位置でリンに結合している基の最も外側にある原子のファンデルワールス半径を囲むように描いた円錐の頂角で定義されるものである。
【0011】
本発明で使用するトリス(置換アリール)ホスファイトは、エレクトロニックパラメーターが2080〜2090cm-1であり、かつステリックパラメーターが135〜190°であることが必要である。トリス(置換アリール)ホスファイトとしてエレクトロニックパラメーターまたはステリックパラメーターのいずれか一方がこの範囲外にあるものを使用すると、2−メチル−2−プロペン−1−オールのヒドロホルミル化反応において大きな反応速度と2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフランへの高い選択率を同時に達成することはできない。
【0012】
上記一般式(1)におけるR1、R2およびR3はそれぞれ炭素数が7以上の置換アリール基を表す。R1、R2およびR3の炭素数の上限については特に制限はない。また、かかる置換アリール基は、ヒドロホルミル化反応を阻害しない限りいかなる置換基を有していてもよい。このような置換アリール基としては、例えば、トリル基、キシリル基、t−ブチルフェニル基などが挙げられる。
【0013】
ここで、本発明で使用されるトリス(置換アリール)ホスファイトの具体例を示せば、トリス(2−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジメチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−イソプロピルフェニル)ホスファイト、トリス(2−フェニルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−5−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2−メチルフェニル)(2−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2−t−ブチルフェニル)(2−メチルフェニル)ホスファイトなどが挙げられるが、これらの中でもトリス(2−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−5−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトが本発明を工業的に実施する上で好ましい。
なお、トリス(置換アリール)ホスファイトは、1種類の化合物を使用してもよいし、2種以上の化合物を併用してもよい。
【0014】
また、本発明において用いられるロジウム化合物としては、ヒドロホルミル化触媒能を有するかまたはヒドロホルミル化反応条件下にヒドロホルミル化触媒能を有するように変化する任意のロジウム化合物が使用できる。かかるロジウム化合物の具体例としては、例えば、Rh4(CO)12、Rh6(CO)16、Rh(acac)(CO)2、酸化ロジウム、塩化ロジウム、アセチルアセトナトロジウム、酢酸ロジウムなどが挙げられる。
【0015】
上記のロジウム化合物は極めて高活性な触媒作用を示すため、本発明に従うヒドロホルミル化反応を行うに際しては、ロジウム化合物の濃度は、ロジウム原子換算で0.005〜0.03ミリグラム原子/リットルの低濃度の濃度範囲に設定することが望ましい。
【0016】
本発明にあっては、トリス(置換アリール)ホスファイトをロジウム1グラム原子に対して110〜1000モル倍の範囲で使用する。トリス(置換アリール)ホスファイトの使用量が、ロジウム1グラム原子に対して110モル倍未満では、ヒドロホルミル化反応における選択率が低下すると同時に、反応混合液から生成物を蒸発分離する際に触媒の熱劣化が促進されて触媒活性の低下を引き起こす傾向がある。また、トリス(置換アリール)ホスファイトの使用量が、ロジウム1グラム原子に対して1000モル倍を超えると、ヒドロホルミル化反応の速度が低下する傾向にあり好ましくない。
【0017】
本発明に従うヒドロホルミル化反応は、通常60〜150℃の範囲内の温度、好ましくは80〜130℃の範囲内の温度で実施される。反応温度が60℃未満の場合には、反応速度が小さくなり、一方、反応温度が150℃を超える場合には触媒として存在するロジウム化合物の安定性を維持しにくくなる傾向にある。
【0018】
反応に用いられる水素と一酸化炭素の混合ガスにおいて、水素/一酸化炭素のモル比は、入りガス組成として通常1/5〜5/1の範囲から選ばれる。なお、反応系中にヒドロホルミル化反応に対して不活性なガス、例えばメタン、エタン、プロパン、窒素、ヘリウム、アルゴンなどが少量存在しても差支えない。
【0019】
反応圧力は反応温度にもよるが、一般に60〜150気圧の範囲内から選ばれる。反応圧力が60気圧未満の場合には、ヒドロホルミル化反応における選択率が低下する傾向にある。一方、反応に使用する装置および操作性の観点から、反応圧力を150気圧以下に保持して反応を実施することが工業的に有利である。反応は攪拌型反応槽または気泡塔型反応槽中で連続方式またはバッチ方式で行うことができる。
【0020】
本発明におけるヒドロホルミル化反応は、溶媒の不存在下に実施することもできるが、反応系中で不活性な溶媒の存在下に行なってもよい。かかる溶媒としては、例えば、エタノール、ブタノール、エチレングリコール等のアルコール類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の飽和脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、プソイドクメン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、フタル酸ジオクチル等のエステル類;テトラヒドロフラン等のエーテル類などを挙げることができる。
【0021】
また、本発明におけるヒドロホルミル化反応では、第3級アミンを反応系に添加することにより、2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフランのアセタール化反応を抑制し、副生物の生成を防止して2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフランの収率を高めることができる。第3級アミンの濃度は、反応液1リットルに対して100ミリモル以下とすることが好ましく、反応液1リットルに対して20ミリモル以下とすることがより好ましい。第3級アミンの濃度が反応液1リットルに対して100ミリモルを超えると、反応速度が低下する傾向にある。
【0022】
かかる第3級アミンの具体例としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン等の脂肪族アミン;N,N,N´,N´−テトラメチル−1,2−ジアミノエタン、N,N,N´,N´−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン等のアルキル置換ジアミン;N,N−ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン等の脂環式アミン;ピリジン、ルチジン等の環状不飽和アミンなどが挙げられる。
【0023】
ヒドロホルミル化反応によって生成する2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフランは、例えば、反応混合液を減圧下に約130℃以下の温度で蒸発させることにより、触媒と分離することができる。そして蒸発により得られた2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフランを含む留分を蒸留などの公知の手段を用いて精製することにより、2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフランを単離することができる。
なお、蒸発残渣中に含まれるロジウム化合物の全部または一部を再びヒドロホルミル化反応に循環して再使用することも可能である。ロジウム化合物は極めて高価であるため、ロジウム化合物の循環再使用は工業上有利である。
【0024】
かくして得られた2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフランは、水素化触媒の存在下に水素と接触させることにより、2−メチル−1,4−ブタンジオールに変換することができる。
水素化の原料としては、ヒドロホルミル化反応によって得られた反応混合液から蒸発によって取得した2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフランを含む留分を使用してもよいし、該留分から単離した2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフランを使用してもよい。
【0025】
水素化触媒としては、アルデヒドの水素化に用いられる公知の触媒を使用することができ、例えば、ラネーニッケル、ラネーコバルト、パラジウム黒、銅クロマイト触媒などが挙げられる。また、これらの金属を、活性炭、ケイソウ土、アルミナ等に担持させたニッケルケイソウ土、パラジウムアルミナ、ルテニウム炭素なども使用できる。これらの触媒は、部分的にモリブデン、タングステン、鉄、レニウム、マンガン、タングステンなどで変性されていてもよい。
【0026】
水素化触媒の使用量は、反応を液相懸濁式で行う場合には、反応混合液に対して金属換算で0.01〜10重量%であることが好ましい。
【0027】
2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフランの水素化は、20〜150℃の範囲の温度で行うことが好ましく、50〜150℃の範囲の温度で行うことがより好ましい。水素圧力は、1〜100気圧の範囲であることが好ましく、5〜100気圧の範囲であることがより好ましい。
【0028】
2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフランの水素化は、溶媒の不存在下に実施することもできるが、反応に不活性な溶媒の存在下に実施してもよい。かかる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の飽和脂肪族炭化水素類;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類などが挙げられる。
【0029】
2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフランの水素化は、液相中に触媒を懸濁させた状態で攪拌式または気泡塔型の反応器で行うこともできるし、担持触媒を充填した固定床型の反応器で行うこともできる。また、連続方式またはバッチ方式のいずれの方式で行うこともできる。
【0030】
2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフランの水素化生成物である2−メチル−1,4−ブタンジオールは、反応混合物から濾過、遠心分離等により触媒を分離し、次いで蒸留などの公知の手段を用いて単離することができる。
【0031】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
【0032】
実施例1
ガス導入口およびサンプリング口を備えた内容量300mlの電磁攪拌式オートクレーブにジカルボニルアセチルアセトナトロジウム0.31mg(0.0012ミリモル)、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト〔エレクトロニックパラメーター:ν=2085.6cm−1、ステリックパラメーター:θ=175°〕646mg(1ミリモル)、2−メチル−2−プロペン−1−オール100ml(25℃、1.19モル)およびトリエタノールアミン149mg(1ミリモル)を空気に触れないようにして仕込み、オートクレーブ内を水素/一酸化炭素=3/1(モル比)の混合ガスで90kg/cm2の圧力に保った。水素/一酸化炭素=3/1(モル比)の混合ガスを供給し、かつオフガスを30リットル/hで流しながら1000rpmで攪拌を開始し、オートクレーブ内の温度を30分かけて90℃に上げた。この状態で2.5時間反応させた。得られた反応混合物をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、原料である2−メチル−2−プロペン−1−オールの転化率は90%、ヒドロホルミル化選択率は87%であった。
【0033】
反応終了後、オ−トクレーブから内容物を取出し、分子蒸留装置を用いて2.0mmHgの減圧下、125℃にて生成物と触媒を分離したところ、110gの蒸発成分が得られた。
この蒸発成分110gをさらに減圧下に蒸留することにより、2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフランを86g(0.84モル)得た。
【0034】
比較例1
実施例1において、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト646mgに代えてトリフェニルホスフィン〔エレクトロニックパラメーター:ν=2068.9cm-1、ステリックパラメーター:θ=145°〕262mg(1ミリモル)を用たこと以外は実施例1と同様の操作により2−メチル−2−プロペン−1−オールのヒドロホルミル化反応を実施したところ、原料の転化率は29%に止まった。なお、ヒドロホルミル化選択率は89%であった。
【0035】
実施例2
ガス導入口およびサンプリング口を備えた内容量300mlの電磁攪拌式オートクレーブにジカルボニルアセチルアセトナトロジウム0.181mg(0.0007ミリモル)、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト226mg(0.35ミリモル)、2−メチル−2−プロペン−1−オール100ml(25℃、1.19モル)およびトリエタノールアミン75mg(0.5ミリモル)を空気に触れないようにして仕込み、オートクレーブ内を水素/一酸化炭素=1/1(モル比)の混合ガスで60kg/cm2の圧力に保った。水素/一酸化炭素=1/1(モル比)の混合ガスを供給し、かつオフガスを10リットル/hで流しながら1000rpmで攪拌を開始し、オートクレーブ内の温度を30分かけて90℃に上げた。この状態で6時間反応させた。得られた反応混合物をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、原料の転化率は84%、ヒドロホルミル化選択率は85%であった。
【0036】
比較例2
実施例2において、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトの仕込み量を45.2mg(0.07ミリモル)としたこと以外は実施例2と同様の操作により2−メチル−2−プロペン−1−オールのヒドロホルミル化反応を実施したところ、原料の転化率は89%、ヒドロホルミル化選択率は57%であった。
【0037】
実施例3
ガス導入口およびサンプリング口を備えた内容量300mlの電磁攪拌式オートクレーブにジカルボニルアセチルアセトナトロジウム0.516mg(0.002ミリモル)、トリス(2−t−ブチル−5−メチルフェニル)ホスファイト〔エレクトロニックパラメーター:ν=2085.6cm−1、ステリックパラメーター:θ=175°〕520mg(1ミリモル)および2−メチル−2−プロペン−1−オール100ml(25℃、1.19モル)を空気に触れないようにして仕込み、オートクレーブ内を水素/一酸化炭素=1/1(モル比)の混合ガスで120kg/cm2の圧力に保った。水素/一酸化炭素=1/1(モル比)の混合ガスを供給し、かつオフガスを10リットル/hで流しながら1000rpmで攪拌を開始し、オートクレーブ内の温度を30分かけて90℃に上げた。この状態で3時間反応させた。得られた反応混合物をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、原料の転化率は91%、ヒドロホルミル化選択率は90%であった。
【0038】
参考例
ガス導入口およびサンプリング口を備えた内容量1リットルの電磁攪拌式オートクレーブに、実施例1で得られた蒸発成分100g、メタノール250gおよびラネーニッケル5gを仕込み、オートクレーブ内を水素ガスで置換した後、水素ガスで50kg/cm2の圧力に保った。1000rpmで攪拌を開始し、オートクレーブ内の温度を80℃に昇温した。オートクレーブ内の圧力を50kg/cm2に保ったまま、80℃で3時間反応させ、さらに100℃に昇温して同温度で3時間反応させたところ、仕込んだ原料はすべて水素化されていた。得られた反応混合物85gを蒸留により精製し、2−メチル−1,4−ブタンジオールを70g(0.67モル)得た。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、2−メチル−2−プロペン−1−オールのヒドロホルミル化反応を実施する際に、使用するロジウム触媒が低濃度であっても工業的に満足し得る反応速度が達成され、良好な収率で2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフランを得ることができる。
Claims (2)
- 第3級アミンを反応液1リットルに対して100ミリモル以下の濃度範囲で添加することを特徴とする請求項1に記載の2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフランの製造方法。
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