JPH0692951A - α−メチル−γ−ブチロラクトンの製造方法 - Google Patents

α−メチル−γ−ブチロラクトンの製造方法

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JPH0692951A
JPH0692951A JP4244861A JP24486192A JPH0692951A JP H0692951 A JPH0692951 A JP H0692951A JP 4244861 A JP4244861 A JP 4244861A JP 24486192 A JP24486192 A JP 24486192A JP H0692951 A JPH0692951 A JP H0692951A
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methyl
reaction
hydrogen
formyl
tris
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JP4244861A
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Tomoyasu Tsuda
智康 津田
Noriaki Yoshimura
典昭 吉村
Kenichi Hino
憲一 日野
Susumu Matsunaga
進 松永
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
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    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 (1) メタクリル酸メチルを、ロジウム化合物
およびエレクトロニックパラメ−タ−(ν-values)が2
080〜2090cm↑-1であり、かつステリックパラ
メ−タ−(θ-values)が135〜190°であるトリス
(置換アリ−ル)ホスファイトの存在下、反応温度10
0〜150℃で、圧力20〜90kg/cm2を有する水
素および一酸化炭素の混合ガスと反応させることによっ
て3−ホルミル−2−メチルプロピオン酸メチルを合成
し、水素化触媒の存在下に水素で還元することによって
4−ヒドロキシ−2−メチル酪酸メチルに変換し、酸触
媒またはアルカリ触媒の存在下に脱メタノ−ル化反応さ
せる。 【効果】 メタクリル酸メチルより効率よくα−メチル
−γ−ブチロラクトンを製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はメタクリル酸メチルから
のα−メチル−γ−ブチロラクトンの製造方法に関す
る。本発明により得られるα−メチル−γ−ブチロラク
トンは、溶剤として有用であるばかりでなく、ポリウレ
タンの原料として有用である2−メチル−1,4−ブタ
ンジオ−ルおよび3−メチルテトラヒドロフランに誘導
することができる(特開昭63−235320号公報お
よび特開平2−160819号公報参照)。
【0002】
【従来の技術】従来、α−メチル−γ−ブチロラクトン
の製造方法として、3−ブテン−1−オールと一酸化炭
素とを触媒の存在下に反応させる方法が知られており、
その触媒として、プロトン酸と(a)パラジウム、ロジ
ウム、ルテニウム、イリジウムおよびコバルト金属の少
なくとも1種、並びに(b)銅、モリブデンおよび鉄金
属の少なくとも1種とからなり、金属(a)と(b)が
元素金属またはそれらの化合物の形である触媒(特開昭
61−93174号公報参照;以下、これを従来法1と
称する)、(イ)パラジウム化合物と(ロ)ホスフィ
ン、アルシンまたはスチビンと(ニ)2未満のpKaを
有するプロトン酸とを組合せて得られる触媒(特開平2
−11582号公報;以下、これを従来法2と称する)
が使用されている。また、α位がメチル置換されたアシ
ル酢酸エステルをハロゲン化アルカリ、ハロゲン化アン
モニウム、ハロゲン化ホスホニウム、燐酸アルカリまた
は炭酸アルカリの存在下にエチレンオキシドと反応させ
る方法が提案されている(特開昭62−277375号
公報参照;以下、これを従来法3と称する)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来法1〜3に
おいて原料として使用する3−ブテン−1−オールおよ
びα位がメチル置換されたアシル酢酸エステルは工業的
に入手することは難しい。また従来法2ではα−メチル
−γ−ブチロラクトンへの選択率が低く、δ−バレロラ
クトンが大量に副生する。
【0004】しかして、本発明の目的は、入手容易な原
料を用いてα−メチル−γ−ブチロラクトンを効率よく
製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、入手容易
な原料を用いてα−メチル−γ−ブチロラクトンを効率
よく製造する方法について鋭意検討した結果、国内で大
量生産され入手容易なメタクリル酸メチルをヒドロホル
ミル化反応に付し、得られるヒドロホルミル化生成物を
低圧で水素還元したのち、反応生成物を酸触媒またはア
ルカリ触媒の存在下に加熱することによりα−メチル−
γ−ブチロラクトンを効率よく製造し得ることを見出だ
し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明によれば、上記の目的は、
(1) メタクリル酸メチルを、ロジウム化合物およびエレ
クトロニックパラメ−タ−(Electronic Parameter;ν-
values)が2080〜2090cm↑-1であり、かつス
テリックパラメ−タ−(StericParameter;θ-values)が
135〜190°である下記一般式
【0007】
【化2】
【0008】(式中、R↑1 、R↑2 およびR↑3 はそ
れぞれ置換アリ−ル基を表す。)で示されるトリス(置
換アリ−ル)ホスファイトの存在下、反応温度100〜
150℃で、圧力20〜90kg/cm↑2 を有する水
素および一酸化炭素の混合ガスと反応させることによっ
て3−ホルミル−2−メチルプロピオン酸メチルを合成
し、(2)得られる3−ホルミル−2−メチルプロピオン
酸メチルを水素化触媒の存在下に水素で還元することに
よって4−ヒドロキシ−2−メチル酪酸メチルに変換
し、(3)得られる4−ヒドロキシ−2−メチル酪酸メチ
ルを酸触媒またはアルカリ触媒の存在下に脱メタノ−ル
化反応させることを特徴とするα−メチル−γ−ブチロ
ラクトンの製造方法を提供することによって達成するこ
とができる。
【0009】本発明において使用するエレクトロニック
パラメ−タ−(Electronic Parameter;ν-values)および
ステリックパラメ−タ−(Steric Parameter;θ-values)
は、C.A.Tolmanによりケミカル・レビュウ
(Chemical Review)、77巻、313
頁(1977年)で定義されたものであり、ν-values
はCH↓2Cl↓2中で測定されたNi(CO)↓3L
(Lはリン配位子を表す)のCOのA↓1赤外吸収スペ
クトルの振動数を意味し、θ-valuesはリン原子の中心
から2.28オングストロームの位置でリンに結合して
いる基の最も外側にある原子のファンデアワ−ルス(Va
n Der Waals)半径を囲むように描いた円錐の角度を意味
する。
【0010】本発明で用いられるトリス(置換アリ−
ル)ホスファイトはエレクトロニックパラメ−タ−が2
080〜2090cm↑-1であり、かつステリックパラ
メ−タ−が135〜190°であることが重要であり、
これらパラメーターの範囲外にあるものを使用する場合
には、メタクリル酸メチルのヒドロホルミル化反応にお
いて高い反応速度は得られない。上記一般式においてR
↑1 、R↑2 およびR↑3 がそれぞれ表す置換アリ−ル
基における置換基としては、ヒドロホルミル化反応を阻
害しなければ如何なる置換基であってもよい。エレクト
ロニックパラメ−タ−およびステリックパラメ−タ−が
上記の範囲にある上記一般式で示されるトリス(置換ア
リ−ル)ホスファイトとしては、例えば、トリス(2−
メチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジメ
チルフェニル)ホスファイト、トリス(2−イソプロピ
ルフェニル)ホスファイト、トリス(2−フェニルフェ
ニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジt−ブチルフ
ェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチルフェニ
ル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−4−メチ
ルフェニル)ホスファイト、トリス(2−シクロヘキシ
ルフェニル)ホスファイト、トリス(2−メチル−4−
クロロフェニル)ホスファイト、ジ(2−メチルフェニ
ル)(2−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどが挙
げられる。これらのトリス(置換アリ−ル)ホスファイ
トは単独で、または混合物で使用される。本発明におけ
るヒドロホルミル化工程(1) では、特にトリス(2,4
−ジt−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−
t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、トリ
ス(2−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス
(2−シクロヘキシルフェニル)ホスファイトを使用す
るのが好ましい。
【0011】次に、代表的なリン配位子のν-valueおよ
びθ-valueを表1に示す。
【0012】
【表1】
【0013】表1から明らかなように、トリフェニルホ
スフィンおよびトリフェニルホスファイトはエレクトロ
ニックパラメ−タ−またはステリックパラメ−タ−のい
ずれか一方が本発明において定義する範囲外にあり、こ
れらを本発明におけるヒドロホルミル化工程(1) におい
て使用したとしても高い反応速度は得られない。
【0014】ロジウム化合物としては、ヒドロホルミル
化触媒能を有するかまたはヒドロホルミル化反応系内で
触媒能を有するロジウム化合物に変化する任意の公知の
ロジウム化合物が使用され、具体的には酸化ロジウム、
塩化ロジウム、酢酸ロジウム、プロピオン酸ロジウムな
どの有機カルボン酸ロジウム、Rh↓4 (CO)↓12、
Rh↓6 (CO)↓16、[Rh(CO)↓2 Cl]↓2
などのロジウムカルボニル化合物、二量化シクロペンタ
ジエニルロジウムクロライド、二量化シクロオクタジエ
ニルロジウムクロライド、ロジウムアセチルアセトナ−
ト、ロジウムジカルボニルアセチルアセトナ−トなどが
挙げられる。活性炭などに担持された金属ロジウムも使
用することができる。これらロジウム化合物の中でも高
酸価状態にあるロジウム化合物は反応系内または反応系
外で適当な還元剤、例えば一酸化炭素、水素、水素化ホ
ウ素ナトリウム、ホルムアルデヒドなどで還元処理して
使用することができる。かかる還元処理に使用する水素
化ホウ素ナトリウムのような還元性試薬の量は、還元に
必要な化学量論量ないしは5モル倍量の範囲である。
【0015】反応混合液中でのロジウム化合物の濃度は
ロジウム原子換算で0.005〜0.1ミリグラム原子
/lの範囲が好ましく、0.01〜0.05ミリグラム
原子/lの範囲がより好ましい。トリス(置換アリ−
ル)ホスファイトの使用量はロジウム化合物に対してロ
ジウム1グラム原子当り約10〜500モル倍の範囲の
量で使用するのが好ましく、特にロジウム化合物の熱安
定性および3−ホルミル−2−メチルプロピオン酸メチ
ルへの選択率の観点からロジウム1グラム原子当り約1
00モル倍以上の量で使用するのがより好ましい。
【0016】ヒドロホルミル化反応は100〜150℃
の範囲の温度で実施する。反応温度が100℃未満の温
度では反応速度および選択率が低下し、150℃を越え
る温度では触媒の熱安定性が低下し、循環使用が困難に
なる傾向にある。反応は水素および一酸化炭素の混合ガ
スの圧力が20〜90kg/cm↑2 の範囲で行う。か
かる圧力が20kg/cm↑2 未満の場合には反応速度
の低下と触媒の安定性の低下を招き、また90kg/c
m↑2 を越える場合には反応の選択率が低下する。
【0017】原料ガスである水素と一酸化炭素の使用比
率は、反応器への入りガスの水素/一酸化炭素のモル比
として約3/1〜1/3の範囲であるのが好ましい。
【0018】ヒドロホルミル化反応に際し、反応系に反
応に不活性なガス、例えばメタン、エタン、プロパン、
窒素、ヘリウム、炭酸ガス、ジメチルエ−テルなどが少
量混在していても何等差支えない。ヒドロホルミル化反
応は溶媒の不存在下に実施するのが生産性を高める上で
望ましいが、不活性な溶媒の存在下で実施することもで
きる。かかる溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ンなどの炭化水素;エタノ−ル、ブタノ−ル、3−メチ
ルブタノ−ル、オクタノ−ルなどのアルコ−ル;テトラ
ヒドロフラン、ジオキサンなどのエ−テル;アセトニト
リル、スルホランなどが使用される。
【0019】ヒドロホルミル化反応はバッチ式または連
続式で実施されるが、工業的には連続式で行うのが望ま
しい。
【0020】ヒドロホルミル化工程(1) で得られる反応
混合物を蒸発させることにより、生成した3−ホルミル
−2−メチルプロピオン酸メチルを触媒と分離すること
ができる。蒸発により得られた3−ホルミル−2−メチ
ルプロピオン酸メチルを含む混合液をそのまま水素還元
工程(2) に供することもできるし、さらに該混合液を蒸
留精製して得られた3−ホルミル−2−メチルプロピオ
ン酸メチルを水素還元工程(2) に供することもできる。
触媒との蒸発分離を約130℃以下の温度で行うことに
より、蒸発残査中に含まれるロジウム化合物の全部また
は一部を再びヒドロホルミル化工程(1)に循環して使用
することができる。ヒドロホルミル化工程(1) において
は使用するロジウム化合物の濃度が低いため、かかるロ
ジウム化合物の循環使用が工業上有利となる。
【0021】3−ホルミル−2−メチルプロピオン酸メ
チルの水素還元は水素化触媒の存在下に行われる。水素
化触媒としては、アルデヒド基の水素還元に用いられる
公知の触媒を使用することができ、なかでもニッケル系
触媒またはルテニウム系触媒を使用するのが好ましい。
好ましい水素化触媒としては、例えばラネーニッケル触
媒、変性ラネーニッケル触媒、担持ニッケル触媒、担持
ルテニウム触媒などが挙げられる。変性に使用される金
属としてはCr、Mn、Mo、Co、Feなどが例示さ
れる。担持触媒の担体としては、例えば活性炭、シリ
カ、シリカアルミナ、アルミナ、ケイソウ土などを挙げ
ることができる。水素化触媒の使用量は、懸濁反応にお
ける反応混合液に対して1〜20重量%の範囲であるの
が好ましい。
【0022】水素還元反応は室温〜約170℃の範囲の
温度で行うのが好ましく、約50〜150℃の範囲の温
度で行うのがより好ましい。水素圧力は約1〜80kg
/cm↑2の範囲であるのが適当であり、約5〜40k
g/cm↑2の範囲であるのが最適である。水素還元反
応は通常生成物に溶媒の役目を兼ねさせて行うが、反応
に不活性な溶媒を併用しても差支えない。溶媒として
は、例えばメタノ−ル、ブタノ−ル、オクタノ−ルなど
のアルコ−ル;酢酸メチル、酢酸ブチルなどのエステ
ル;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンな
どの飽和炭化水素が挙げられる。
【0023】水素還元反応は、液相中に触媒を懸濁させ
た状態で撹拌式または気泡塔型の反応器で行うこともで
きるし、担持触媒を充填した固定床型の反応器中で行う
こともできる。
【0024】水素還元工程(2) で得られる反応混合物
は、通常、濾過または遠心分離による触媒分離操作後
に、脱メタノール化工程(3) に供される。なお、該反応
混合物より4−ヒドロキシ−2−メチル酪酸メチルを蒸
留分離して脱メタノール化工程(3) に供することもでき
る。
【0025】脱メタノ−ル化反応は分子内エステル交換
反応であり、安定な5員環を形成し易いため、微量の酸
触媒またはアルカリ触媒の存在下に容易に進行する。酸
触媒としては、例えば塩酸、硫酸、燐酸などの鉱酸;パ
ラトルエンスルホン酸などの有機酸;活性白土、陽イオ
ン交換樹脂などの固体酸;塩化亜鉛、塩化スズ、塩化
鉄、チタンイソプロポキサイドなどのルイス酸が使用さ
れ、またアルカリ触媒としては、例えば水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カル
シウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水
酸化物;酸化マグネシウム、酸化カルシウムなどのアル
カリ土類金属酸化物;陰イオン交換樹脂などの塩基が使
用される。これら触媒の使用量は反応混合液に対して
0.001〜5重量%の範囲が好ましい。
【0026】脱メタノ−ル化反応は蒸留装置内でメタノ
ールを留去しながら行うことができる。反応温度は約8
0〜180℃の範囲であるのが好ましく、反応圧力は約
300〜50Torrの範囲であるのが好ましい。反応
はバッチ式または連続式で実施されるが、工業的には連
続式で行うのが望ましい。
【0027】脱メタノール化工程(3) で生成するα−メ
チル−γ−ブチロラクトンは、反応後の残留液を抜き取
って蒸留することにより取得することができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらによって何ら制限されるものでは
ない。
【0029】実施例1 温度計、電磁攪拌装置、ガス吹き込み口およびサンプリ
ング口を備えた内容量300mlのステンレス製オート
クレーブに、ロジウムジカルボニルアセチルアセトナー
ト0.003mmolとトリス(2,4−ジt−ブチル
フェニル)ホスファイト0.6mmolとを予め混合溶
解したトルエン溶液60mlおよびメタクリル酸メチル
60ml(0.56モル)を、水素および一酸化炭素の
混合ガス(モル比:1対1)雰囲気下で仕込んだ。触媒
濃度はロジウム原子換算で0.025mmol/lであ
る。次いで、水素および一酸化炭素の混合ガス(モル
比:1対1)をオートクレーブに導入し、この混合ガス
によってオートクレーブ内の圧力を30kg/cm↑
2、出ガス流速を10 l/hrに調節し、攪拌下に内
温を120℃まで30分で昇温した。内温を120℃に
維持し、3時間反応を行った。反応終了後、サンプリン
グ口から反応混合液を取り出し、ガスクロマトグラフィ
ーで分析したところ、メタクリル酸メチルの転化率は仕
込基準で90%であり、3−ホルミル−2−メチルプロ
ピオン酸メチルおよび2−ホルミル−2−メチルプロピ
オン酸メチルへの選択率はそれぞれ84.7%および
7.8%であり、また水素化生成物であるイソ酪酸メチ
ルへの選択率は7.5%であった。薄膜蒸発装置を用い
て、反応混合物より120℃、10Torrで触媒成分
を分離し、続いて減圧蒸留で3−ホルミル−2−プロピ
オン酸メチル(純度99.5%、沸点:89℃/30T
orr)39mlを得た。
【0030】温度計、電磁撹拌装置、ガス吹き込み口お
よびサンプリング口を備えた内容100mlのステンレ
ス製オートクレーブに、上記で得られた3−ホルミル−
2−メチルプロピオン酸メチル39mlをラネーニッケ
ル1gと共に仕込んだ。次いで、水素ガスをオートクレ
ーブに導入し、オートクレーブ内の圧力が8kg/cm
↑2となるように調節し、撹拌下に内温を100℃に昇
温し、2時間反応を行った。反応後、サンプリング口か
ら反応液を取り出し、ガスクロマトグラフィーで分析し
たところ、3−ホルミル−2−メチルプロピオン酸メチ
ルの転化率は99.3%であり、4−ヒドロキシ−2−
メチル酪酸メチルへの選択率は94.9%であり、α−
メチル−γ−ブチロラクトンへの選択率は2.2%であ
った。反応液からラネーニッケルを濾過分離し、次い
で、反応液を温度計、冷却管および受器を備え付けた内
容100mlの三口フラスコに仕込んだ。次に、フラス
コに水酸化ナトリウム1000ppmを添加し、反応圧
力100Torr、反応温度130℃に調整して、生成
するメタノールを留去しながら反応を行った。反応開始
後1.5時間後に、フラスコ内の反応液をガスクロマト
グラフィーで分析したところ、4−ヒドロキシ−2−メ
チル酪酸メチルの転化率は95.6%であり、α−メチ
ル−γ−ブチロラクトンへの選択率は98%であった。
【0031】実施例2〜4および比較例1〜3 実施例1においてリン配位子、反応温度および反応圧力
を表2に示すように変化させ、かつロジウム濃度および
リン配位子濃度を次のように調整した以外は同様にして
ヒドロホルミル化反応を行った。実施例2〜4において
は、ロジウム濃度を0.025mmol/l、リン配位
子濃度を5mmol/lになるように調整し、また比較
例1〜3においては、ロジウム濃度を0.1mmol/
l、リン配位子濃度を20mmol/lになるように調
整した。結果を表2に示す。なお、表2中、MMA、i
−体、n−体および水素化体は次を意味する。MMA:
メタクリル酸メチル、i−体:2−ホルミル−2−メチ
ルプロピオン酸メチル、n−体:3−ホルミル−2−メ
チルプロピオン酸メチル、水素化体:イソ酪酸メチル。
【0032】
【表2】
【0033】本発明の範囲外ではメタクリル酸メチルの
転化率および所望する3−ホルミル−2−メチルプロピ
オン酸メチルへの選択率が低いことは明らかである。
【0034】実施例5 温度計、電磁攪拌装置、ガス吹き込み口およびサンプリ
ング口を備えた内容量5 lのステンレス製オートクレ
ーブに、ロジウムジカルボニルアセチルアセトナート
0.05mmolとトリス(2,4−ジt−ブチルフェ
ニル)ホスファイト10mmolとを予め混合溶解した
トルエン溶液1000mlおよびメタクリル酸メチル1
000mlを、水素および一酸化炭素の混合ガス(モル
比:1対1)雰囲気下で仕込んだ。次いで、水素および
一酸化炭素の混合ガス(モル比:1対1)をオートクレ
ーブに導入し、この混合ガスによってオートクレーブ内
の圧力を30kg/cm↑2、出ガス流速を10 l/
hrに調節し、攪拌下に内温を120℃まで30分間で
昇温した。内温を120℃に維持し、4時間反応を行っ
た。反応終了後、サンプリング口から反応混合液を取り
出し、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、メタ
クリル酸メチルの転化率は仕込基準で96%であり、3
−ホルミル−2−メチルプロピオン酸メチルおよび2−
ホルミル−2−メチルプロピオン酸メチルへの選択率は
それぞれ82.8%および9.1%であった。薄膜蒸発
装置を用いて、反応混合物より120℃、10Torr
で触媒成分を分離し、続いて減圧蒸留で3−ホルミル−
2−プロピオン酸メチル(純度99.5%)650ml
を中間留分として得た。
【0035】温度計、電磁撹拌装置、ガス吹き込み口お
よびサンプリング口を備えた内容1lのステンレス製オ
ートクレーブに、上記で得られた3−ホルミル−2−メ
チルプロピオン酸メチル400ml(2.92モル)を
ラネーニッケル10gと共に仕込んだ。次いで、水素ガ
スをオートクレーブに導入し、オートクレーブ内の圧力
が8kg/cm↑2となるように調節し、撹拌下に内温
を100℃に昇温し、2時間反応を行った。反応後、サ
ンプリング口から反応液を取り出し、ガスクロマトグラ
フィーで分析したところ、3−ホルミル−2−メチルプ
ロピオン酸メチルの転化率は99.6%であり、4−ヒ
ドロキシ−2−メチル酪酸メチルへの選択率は94.3
%であり、α−メチル−γ−ブチロラクトンへの選択率
は2.4%であった。反応液からラネーニッケルを濾過
分離し、次いで、反応液を温度計、冷却管および受器を
備え付けた内容1 lの三口フラスコに仕込んだ。次
に、フラスコに水酸化ナトリウム1000ppmを添加
し、反応圧力100Torr、反応温度130℃に調整
して、生成するメタノールを留去しながら反応を行っ
た。反応開始後2時間後に、フラスコ内の反応液をガス
クロマトグラフィーで分析したところ、4−ヒドロキシ
−2−メチル酪酸メチルの転化率は95%であり、α−
メチル−γ−ブチロラクトンへの選択率は98%であっ
た。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、メタクリル酸メチルよ
り効率よくα−メチル−γ−ブチロラクトンを製造する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松永 進 茨城県鹿島郡神栖町東和田36番地 株式会 社クラレ内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1) メタクリル酸メチルを、ロジウム化
    合物およびエレクトロニックパラメ−タ−(Electronic
    Parameter;ν-values)が2080〜2090cm↑-1
    であり、かつステリックパラメ−タ−(Steric Paramete
    r;θ-values)が135〜190°である下記一般式 【化1】 (式中、R↑1 、R↑2 およびR↑3 はそれぞれ置換ア
    リ−ル基を表す。)で示されるトリス(置換アリ−ル)
    ホスファイトの存在下、反応温度100〜150℃で、
    圧力20〜90kg/cm↑2 を有する水素および一酸
    化炭素の混合ガスと反応させることによって3−ホルミ
    ル−2−メチルプロピオン酸メチルを合成し、(2)得ら
    れる3−ホルミル−2−メチルプロピオン酸メチルを水
    素化触媒の存在下に水素で還元することによって4−ヒ
    ドロキシ−2−メチル酪酸メチルに変換し、(3)得られ
    る4−ヒドロキシ−2−メチル酪酸メチルを酸触媒また
    はアルカリ触媒の存在下に脱メタノ−ル化反応させるこ
    とを特徴とするα−メチル−γ−ブチロラクトンの製造
    方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015124190A (ja) * 2013-12-26 2015-07-06 株式会社クラレ α−メチル−γ−ブチロラクトンの製造方法

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