JP2008231006A - アルデヒドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】医農薬の合成中間体や各種化学品の原料などとして有用なアルデヒドを効率良く且つ高選択的に製造する方法を提供する。
【解決手段】
ロジウム化合物、第三級有機リン化合物および酸性水溶液の存在下に、一般式(I)


Figure 2008231006

で示されるアリルエーテル化合物を反応させることを特徴とする、一般式(II)


Figure 2008231006

で示されるアルデヒドの製造方法(式中、Rは置換基を有していてもよい炭素数2〜9のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜9のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、ベンジル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基を表す)。
【選択図】 なし

Description

本発明はアルデヒドの製造方法に関する。本発明により得られるアルデヒドは、医農薬の合成中間体や、各種化学品の原料などとして有用である。
従来、アリルエーテル化合物をアルデヒドに変換する方法としては、(1)1−ブトキシ−2−ブテンを、ルテニウム触媒および水の存在下に反応させる方法(例えば、特許文献1参照)、(2)アリルエチルエーテルまたは9−メトキシ−7−ノネン酸メチルを、ジコバルトオクタカルボニル、水、一酸化炭素および水素の存在下に反応させる方法(例えば、特許文献2参照)が挙げられる。
特表平9−508109号公報、例12 米国特許第4788325号明細書
しかしながら、特許文献1では、はじめに起こる異性化反応において、末端一置換オレフィンであるホモアリルエーテルの生成よりも、熱力学的に安定なビニルエーテルの生成が有利となる、炭素数4のアリルエーテルを基質とする反応例が記載されているのみである。しかし、炭素数5以上の長鎖のアリルエーテルを原料として用いた場合、異性化反応において目的とするビニルエーテルだけでなく、ホモアリルエーテルが副生する恐れがあるにもかかわらず、特許文献1ではこのことについて何ら言及されていない。また、一段階の操作でアルデヒドを生成しているものの、原料の転化率が低いという根本的な問題があり、さらなる改良の余地がある。特許文献2に記載の方法では、反応温度が170℃と極めて高く、生成物であるアルデヒドの縮合反応が起こって高沸点化合物が副生し易いという問題がある。
しかして、本発明の目的は、上記問題を解決し、炭素数5以上のアリルエーテルに異性化および加水分解を併発させることにより、アルデヒドを高選択的且つ工業的に有利に製造し得る方法を提供することにある。
本発明によれば、上記の目的は、
[1]ロジウム化合物、第三級有機リン化合物および酸性水溶液の存在下に、一般式(I)
Figure 2008231006
(式中、Rは置換基を有していてもよい炭素数2〜9のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜9のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、ベンジル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基を表す。)
で示されるアリルエーテル化合物[以下、アリルエーテル化合物(I)と称する。]を反応させることを特徴とする、一般式(II)
Figure 2008231006
(式中、Rは前記定義の通りである。)
で示されるアルデヒド[以下、アルデヒド(II)と称する。]の製造方法、および[2]一酸化炭素および/または水素雰囲気下に実施する前記[1]に記載のアルデヒド(II)の製造方法を提供することにより達成される。
本発明によれば、アリルエーテル化合物(I)を、効率良く且つ高選択的にアルデヒド(II)に変換することができる。
一般式中、Rが表わす炭素数2〜9のアルキル基としては、例えばエチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基などが挙げられる。炭素数3〜8のアルケニル基としては、例えば2−プロペニル基、3−ブテニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基、6−ヘプテニル基、7−オクテニル基などが挙げられる。炭素数3〜8のシクロアルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などが挙げられる。これらはいずれも置換基を有していてもよく、かかる置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基などの好ましくは炭素数1〜4のアルコキシル基;ホルミル基;アセチル基などの好ましくは炭素数2〜4のカルボニル基などが挙げられる。
一般式中、Rが表わす炭素数1〜4のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などが挙げられる。炭素数3〜8のシクロアルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などが挙げられる。炭素数6〜10のアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。かかるアリール基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基などの好ましくは炭素数1〜5のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基などの好ましくは炭素数1〜4のアルコキシル基;ホルミル基;アセチル基などの好ましくは炭素数2〜4のカルボニル基などが挙げられる。
本発明は、ロジウム化合物、第三級有機リン化合物および酸性水溶液の存在下にアリルエーテル化合物(I)を反応させることによりアルデヒド(II)を製造する方法である。
ロジウム化合物としては、例えばRh(acac)(CO)、Rh(acac)、RhCl(CO)(PPh、RhCl(PPh、RhBr(CO)(PPh、Rh(CO)12、Rh(CO)16などが挙げられる。
ロジウム化合物の使用量は、反応混合液1リットル当たり、金属原子換算で0.001〜100モル%の範囲であるのが好ましく、0.01〜10モル%の範囲であるのがより好ましい。ロジウム化合物の使用量が反応混合液1リットルあたり0.001モル%未満であると、反応速度が極めて小さくなる傾向にあり、また反応混合液1リットルあたり100モル%を超えてもそれに見合う効果を得られず、触媒コストが増大するだけで不利である。
第三級有機リン化合物としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリt−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン、(2−ヒドロキシカルボニルフェニル)ジフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィノベンゼン−m−モノスルホン酸リチウム、ジフェニルホスフィノベンゼン−m−モノスルホン酸ナトリウム、ジフェニルホスフィノベンゼン−m−モノスルホン酸カリウム、ジフェニルホスフィノベンゼン−p−モノスルホン酸リチウム、トリス(3−スルホナトフェニル)ホスフィン三ナトリウム、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどが挙げられる。第三級有機リン化合物は、1つを使用してもよいし、2つ以上を併用してもよい。
第三級有機リン化合物の使用量は、ロジウム化合物中のロジウム1モルに対して、リン原子換算で1〜1000モルの範囲であるのが好ましく、1〜300モルの範囲であるのがより好ましい。
また、反応系内に一酸化炭素および/または水素を存在させることにより、これらが上記第三級有機リン化合物と同じように配位子として作用することがある。本発明を一酸化炭素および/または水素雰囲気下に実施する場合、一酸化炭素および水素の分圧の合計は、0.01〜30MPa(ゲージ圧)の範囲であるのが好ましく、0.1〜10MPa(ゲージ圧)の範囲であるのがより好ましい。
本発明で使用する酸性水溶液とは、常温でpH7未満である水溶液を指し、pH0.1〜4の範囲の水溶液であるのが好ましく、生成物の安定性および反応速度の観点からは、pH1〜3の範囲の水溶液であるのがより好ましい。
かかる酸性水溶液に含まれる酸としては、例えば炭酸、リン酸、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸;酢酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸などの有機酸が挙げられる。pH測定の方法に特に制限は無く、公知の方法を用いることができるが、中でも簡便性の観点から、pH試験紙を水溶液に浸して、発色を標準色と比べる方法が好ましい。
酸性水溶液の使用量は、そのpHにもよって異なるが、通常、アリルエーテル化合物(I)に対して1〜100倍質量の範囲であるのが好ましく、容積効率の観点からは、1〜10倍質量の範囲であるのがより好ましい。
本工程は、溶媒の存在下または不存在下に実施できる。かかる溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロヘキサンなどの飽和脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、o−エチルトルエン、m−エチルトルエン、p−エチルトルエンなどの芳香族炭化水素;ジメチルエーテル、エチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ブチルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジブチルエーテル、エチルフェニルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジグライム、トリグライム、テトラグライムなどのエーテル;ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性極性溶媒などが挙げられる。これらの溶媒は1つを単独で使用してもよいし、2つ以上を併用してもよい。溶媒を使用する場合、溶媒の使用量に特に制限はないが、反応混合液全体に対して、通常、1〜90質量%の範囲であるのが好ましい。
本発明は、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下に実施してもよいが、収率の観点から、一酸化炭素および/または水素雰囲気下に実施するのがより好ましい。
本発明において、反応温度は、50〜200℃の範囲であるのが好ましく、反応速度の観点からは、80〜200℃の範囲であるのがより好ましい。反応圧力は、0.1〜20MPa(ゲージ圧)の範囲であるのが好ましい。また、反応時間は、通常、0.5〜20時間の範囲であり、生産性および生成物の安定性の観点からは、0.5〜5時間の範囲であるのが好ましい。
本発明は、攪拌型反応槽、循環型反応槽、気泡塔型反応槽などを用いて、バッチ方式または連続方式で行なうことができる。バッチ方式では、例えば、反応器へアリルエーテル化合物(I)、ロジウム化合物、第三級有機リン化合物、酸性水溶液および必要に応じて溶媒を仕込み、反応器を不活性ガスあるいは一酸化炭素および/または水素で置換し、所定圧力、所定温度で所定時間反応させる。連続方式では、例えば、所定圧力および所定温度で、不活性ガスあるいは一酸化炭素および/または水素雰囲気下、反応器へアリルエーテル化合物(I)、ロジウム化合物、第三級有機リン化合物、酸性水溶液および必要に応じて溶媒をそれぞれ反応器へ連続的または断続的に導入すると共に、生成するアルデヒド(II)を連続的または断続的に抜き取りながら反応させる。
上記方法により得られたアルデヒド(II)の精製方法に特に制限はなく、通常の有機化合物の精製に用いられる方法で実施できる。例えば、バッチ方式で反応を実施した場合は、反応終了後の反応混合液を炭酸水素ナトリウム水溶液などの塩基性水溶液で中和した後、水層を除去し、有機層を蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどに付すことにより、純度の高いアルデヒド(II)が得られる。一方、連続法式で反応を実施した場合には、反応器から抜き取った反応混合液から水層を分離除去し、アルデヒド(II)を含有する有機層を、蒸留などに付すことにより高純度のアルデヒド(II)を得ることができる。
本発明の原料のアリルエーテル化合物(I)の内、特にホルミル基を有するアリルエーテル化合物は、例えば末端に二重結合を有するアリルエーテル化合物を、ロジウム化合物および第三級有機リン化合物の存在下にヒドロホルミル化反応することにより得ることができる。かかるヒドロホルミル化反応によって得られる反応混合液から未反応の原料および溶媒などの低沸点成分を留去し、得られたアリルエーテル化合物(I)、ロジウム化合物および第三級有機リン化合物を含有する残留物をそのまま、本発明におけるアリルエーテル化合物(I)からアルデヒド(II)を製造する際に使用するアリルエーテル化合物(I)、ロジウム化合物および第三級有機リン化合物として利用することができる(以下の実施例中の参考例2参照)。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はかかる実施例により何ら制限されるものではない。なお、本実施例において、ガスクロマトグラフィー分析は以下の条件で行なった。
[ガスクロマトグラフィー分析条件]
分析機器:GC−17A(株式会社島津製作所製)
検出器:FID(水素炎イオン化型検出器)
使用カラム:DB−23(60m)(J&W Scientific社製)
分析条件:injection temp.250℃、detection temp.250℃
昇温条件:100℃(3分保持)→(5℃/分で昇温)→250℃(5分保持)
<実施例1>
ガス導入口およびサンプリング口を備えた内容積100mlの電磁攪拌式オートクレーブに、窒素雰囲気下、9−メトキシ−7−ノネナール40ml(33.2g、195.3mmol)、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン608mg(2mmol)、「Rh(acac)(CO)」5.2mg(0.02mmol)および10mmol/Lのリン酸水溶液(pH1.8)20mlを仕込み、オートクレーブ内を一酸化炭素:水素=8:2(モル比)の混合ガスで10MPa(ゲージ圧)に加圧した後、攪拌しながら120℃に昇温し、5時間反応させた。得られた反応混合液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、9−メトキシ−7−ノネナールの転化率は96%、1,9−ノナンジアールの選択率は91%であった。
<実施例2>
実施例1において、温度を120℃から140℃に、10mmol/Lのリン酸水溶液(pH1.8)20mlを2mmol/Lのリン酸水溶液(pH2.5)20ml、反応時間5時間から2時間とした以外は実施例1と同様に反応・分析を行なった。9−メトキシ−7−ノネナールの転化率は94%、1,9−ノナンジアールの選択率は92%であった。
<実施例3>
実施例1において、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン608mg(2mmol)をトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト1.296g(2mmol)とした以外は実施例1と同様に反応・分析を行なった。9−メトキシ−7−ノネナールの転化率は98%、1,9−ノナンジアールの選択率は90%であった。
<実施例4>
実施例1において、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン608mg(2mmol)を(2−ヒドロキシカルボニルフェニル)ジフェニルホスフィン12.2mg(0.04mmol)とした以外は実施例1と同様に反応・分析を行なった。9−メトキシ−7−ノネナールの転化率は98%、1,9−ノナンジアールの選択率は90%であった。
<実施例5>
実施例1において、オートクレーブ内を一酸化炭素:水素=8:2(モル比)の混合ガスで10MPa(ゲージ圧)にする代わりに、一酸化炭素のみで5MPa(ゲージ圧)とした以外は実施例1と同様に反応・分析を行なった。9−メトキシ−7−ノネナールの転化率は92%、1,9−ノナンジアールの選択率は94%であった。
<比較例1>特許文献2に準じた方法
ガス導入口およびサンプリング口を備えた内容積100mlの電磁攪拌式オートクレーブに、窒素雰囲気下、9−メトキシ−7−ノネナール11.54g(67.9mmol)、水2.7g(150mmol)、テトラヒドロフラン30gおよび「Co(CO)」0.116g(0.34mmol)を仕込み、オートクレーブ内を水素ガスで0.3MPa(ゲージ圧)に加圧した後、一酸化炭素でさらに加圧し、全圧を4.3MPa(ゲージ圧)とした。攪拌しながら170℃に昇温し、0.5時間反応させた。得られた反応混合液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、9−メトキシ−7−ノネナールの転化率は99%、得られた1,9−ノナンジアールの選択率は58%であった。
実施例1〜5および比較例1からわかるように、本発明の方法によると、従来の方法に準じて実施するよりも高い選択率を得ることができ、高収率でアルデヒド(II)を製造することができる。
<参考例1>異性化反応のみを行なった場合
ガス導入口およびサンプリング口を備えた内容積100mlの電磁攪拌式オートクレーブに、窒素雰囲気下、9−メトキシ−7−ノネナール40ml(33.2g、195.3mmol)、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン608mg(2mmol)および「Rh(acac)(CO)」5.2mg(0.02mmol)を仕込み、オートクレーブ内を一酸化炭素:水素=8:2(モル比)の混合ガスで10MPa(ゲージ圧)に加圧した後、攪拌しながら120℃に昇温し、5時間反応させた。得られた反応混合液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、9−メトキシ−8−ノネナール(ビニルエーテル体)の収率は65%、9−メトキシ−6−ノネナール(ホモアリルエーテル体)の収率は25%であり、原料である9−メトキシ−7−ノネナールは10%残存していた。
参考例1より、異性化反応のみを行ない、異性化反応と加水分解反応を併発する方法をとらなかった場合、副生成物である9−メトキシ−6−ノネナール(ホモアリルエーテル体)の生成量が増大し、目的生成物である9−メトキシ−8−ノネナール(ビニルエーテル体)の収率が減少してしまうことがわかる。その結果、ビニルエーテル体を加水分解させて得られる1,9−ノナンジアールの収率も減少してしまう。これより、ロジウム化合物の存在下に異性化反応と加水分解反応を併発させる本発明は、ホモアリルエーテル体の副生を抑制して、目的生成物であるビニルエーテル体の収率を高めることができ、有用である。
<参考例2>
一酸化炭素:水素=1:1(モル比)の混合ガス雰囲気下、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト33.0mg(0.051mmol)および「Rh(acac)(CO)」20.6mg(0.08mmol)をトルエン20mlに溶解させた溶液を調製し、かかる溶液の1mlを、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト49.9mg(0.077mmol)をトルエン4mlに溶解させた溶液に25℃で添加し、ロジウム原子:リン原子=1:20(モル比)の混合溶液(以下、触媒液Aと称する。)を得た。
ガス導入口およびサンプリング口を備えた内容積100mlの電磁攪拌式オートクレーブに、窒素雰囲気下、触媒液A2.5ml[「Rh(acac)(CO)」0.002mmol相当、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト0.04mmol相当、反応系内のロジウム化合物濃度=0.04mmol/L]および1−メトキシ−2,7−オクタジエン47.5ml(282mmol)を加え、オートクレーブ内を一酸化炭素:水素=1:1(モル比)の混合ガスで3MPa(ゲージ圧)とした後、攪拌しながら120℃に昇温し、2時間反応させた。なお、反応中は、一酸化炭素:水素=1:1(モル比)の混合ガスを常時オートクレーブ内へ供給し、反応系内の圧力を一定に保った。得られた反応混合液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、1−メトキシ−2,7−オクタジエンの転化率は70%であった。
得られた反応混合液から未反応の1−メトキシ−2,7−オクタジエンなどの低沸点成分を留去(80℃/2.66kPa)し、残留物33.7g(9−メトキシ−7−ノネナールの含有量:89%、1−メトキシ−2,7−オクタジエン基準の収率:63%)を得た。該残留物をそのまま以下の反応に用いた。
ガス導入口およびサンプリング口を備えた内容積100mlの電磁攪拌式オートクレーブに上記の残留物、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン60.8mg(0.2mmol)および10mmol/Lのリン酸水溶液(pH1.8)20mlを仕込み、オートクレーブ内を一酸化炭素:水素=8:2(モル比)の混合ガスで10MPa(ゲージ圧)とした後、攪拌しながら120℃に昇温し、5時間反応させた。得られた反応混合液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、9−メトキシ−7−ノネナールの転化率は96%、1,9−ノナンジアールの収率は91%(9−メトキシ−7−ノネナール基準)であった。
実施例6のように、ヒドロホルミル化反応により得られた9−メトキシ−7−ノネナールを、該ヒドロホルミル化反応で使用したロジウム化合物および第三級有機リン化合物をそのまま用い、リン酸水溶液の存在下に反応させることによっても、1,9−ノナンジアールを簡便に効率良く製造することができた。

Claims (2)

  1. ロジウム化合物、第三級有機リン化合物および酸性水溶液の存在下に、一般式(I)
    Figure 2008231006
    (式中、Rは置換基を有していてもよい炭素数2〜9のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜9のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、ベンジル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基を表す。)
    で示されるアリルエーテル化合物を反応させることを特徴とする、一般式(II)
    Figure 2008231006
    (式中、Rは前記定義の通りである。)
    で示されるアルデヒドの製造方法。
  2. 一酸化炭素および/または水素雰囲気下に実施する、請求項1に記載のアルデヒドの製造方法。
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