JPH072732B2 - 2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピランの製造法 - Google Patents

2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピランの製造法

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JPH072732B2
JPH072732B2 JP61241091A JP24109186A JPH072732B2 JP H072732 B2 JPH072732 B2 JP H072732B2 JP 61241091 A JP61241091 A JP 61241091A JP 24109186 A JP24109186 A JP 24109186A JP H072732 B2 JPH072732 B2 JP H072732B2
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D309/00Heterocyclic compounds containing six-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom, not condensed with other rings
    • C07D309/02Heterocyclic compounds containing six-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom, not condensed with other rings having no double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D309/08Heterocyclic compounds containing six-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom, not condensed with other rings having no double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピラ
ンの製造法に関するものであり、さらに詳しくは3−メ
チル−3−ブテン−1−オールを特定の条件下にヒドロ
ホルミル化反応させて2−ヒドロキシ−4−メチルテト
ラヒドロピラン(以下、MHPと略記する)を製造するた
めの改良された製造法に関するものである。
〔従来の技術〕
オレフインをロジウム触媒の存在下に水素および一酸化
炭素と反応させてアルデヒド化合物を得る反応はヒドロ
ホルミル化反応として一般によく知られた反応である。
しかしながら、同一反応条件下に同一触媒を使用してヒ
ドロホルミル化反応を実施しても種々のオレフインやオ
レフイン性化合物の間には反応性に大きな差が存在する
ことが認められている。例えば、分岐状のオレフインは
直鎖状のα−オレフインに比べて反応速度は数十倍も遅
かつたり(Chem・Ber.,1969,102)、アリルアルコール
や酢酸ビニル等の官能基を保有したオレフイン性化合物
では二重結合と官能基がロジウムに対してキレート的に
配位しうるため官能基を保有しないオレフインとは著る
しく違つた反応性を示すことが知られている(J.Molecu
lar Cat.,18(1983)381およびibid.,16(1982)19
5)。また、同一反応条件下に同一オレフインをヒドロ
ホルミル化反応させる場合でも、触媒の配位子の違いに
よつて反応性に大きな差が生じることが認められてい
る。例えば、ロジウム触媒の存在下に1−オクテンのよ
うなα−オレフインをヒドロホルミル化反応する際、配
位子としてトリフエニルホスフインやトリフエニルホス
フアイトを用いた場合に比べてトリス(2−フエニルフ
エニル)ホスフアイトやトリス(2.6−ジメチルフエニ
ル)ホスフアイトを用いた場合には反応速度および直鎖
アルデヒドへの選択率は著るしく低い(J.Org.Chem.,34
(1969)327)。一方、ロジウム触媒の存在下に2−メ
チル−1−ヘキセンのような分岐オレフインのヒドロホ
ルミル化反応では、配位子としてトリス(2,6−ジメチ
ルフエニル)ホスフアイトを用いた場合には1−オクテ
ンと同様の傾向を示し、反応性はさらに低くまつたく反
応しない。しかしながら、配位子としてトリス(2−フ
エニルフエニル)ホスフアイトを用いた場合には、1−
オクテンの場合とは逆にトリフエニルホスフインを用い
た場合に比べて高い反応速度を示すことが知られている
(特開昭57−123134号公報)。このように、ヒドロホル
ミル化反応はオレフイン又はオレフイン性化合物の種類
と配位子の種類によつて著るしく反応性に大きな差を生
じることが知られている。ロジウム触媒の存在下にヒド
ロホルミル化反応を工業的に有利に実施する場合、オレ
フイン又はオレフイン性化合物と配位子との最適の組み
合わせは一義的に決め難いと言える。
一方、オレフイン性化合物の一例であり、本発明の製造
法で用いられる3−メチル−3−ブテン−1−オール
(以下、IPEAと略記する)のヒドロホルミル化反応に関
しては、トリフエニルホスフインで代表される有機第3
級ホスフインを配位子としたロジウム触媒を用いてヒド
ロホルミル化反応を行なうことが知られているだけであ
る(特開昭50−106910号公報)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
特開昭50−106910号公報によれば、トリフエニルホスフ
インを配位子に使用したIPEAのヒドロホルミル化反応に
おいて満足すべき反応速度を得るためには、ロジウム触
媒を高濃度で使用すべきであるということが記載されて
おり、しかも反応圧力は250気圧という高圧下でヒドロ
ホルミル化反応が実施されている。
IPEAのヒドロホルミル化反応を工業的な見地から見た場
合、高価なロジウム触媒を高濃度で使用すればする程、
触媒は長期に亘つて回収再使用できなければ経済的なも
のとは言いがたい。しかしながら、IPEAのヒドロホルミ
ル化生成物は極めてアセタール化しやすい化合物である
ため、長期に亘つてロジウム触媒の触媒活性を維持した
まま循環再使用しようとしても触媒は熱あるいは高沸物
の蓄積によつて劣化してゆくが、このような工業的問題
点に関しては今だ解決されていない。また、反応圧力は
高い程反応装置上の問題点が多いことは言うまでもない
が、上記反応系において反応圧力を低くしようとすれば
ロジウム触媒を安定に保つためにトリフエニルホスフイ
ンをロジウムに対して多量に使用しなければならない。
しかしながら、低圧においてトリフエニルホスフインを
ロジウムに対して大過剰に使用すると反応速度が極端に
低下し、もはやほとんど反応しないという別の問題が生
じる。
一方、特開昭57−123134号公報によれば2−メチル−1
−ヘキセンのようなある種の官能基を保存しないオレフ
インは、トリフエニルホスフインを配位子に使用した場
合に比べトリス(2−t−ブチルフエニル)ホスフアイ
トを使用した場合に高い反応性を示すことが報告されて
いる。
しかしながら、特開昭57−123134号公報に開示された条
件に従つて、分子内にロジウムに対して配位能力のある
二重結合と水酸基を保有する本願発明で使用するIPEAを
オレフインとしてヒドロホルミル化反応を実施した場合
には、反応速度が低いのみならず、目的とする反応生成
物への選択率も極めて低く、到底工業的に有利に実施す
ることができないことが明らかとなつた。
従つて、本発明の目的は、比較的低圧下で実施すること
のできるIPEAのヒドロホルミル化反応によるMHPの製造
法を提供することにある。
又、本発明の別の目的は、工業的に有利な低濃度のロジ
ウム触媒で実施することのできるIPEAのヒドロホルミル
化反応によるMHPの製造法を提供することにある。
さらに本発明の別の目的は、高い反応速度と高いMHPへ
の選択率を得ることのできるIPEAのヒドロホルミル化反
応によるMHPの製造法を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、IPEAのヒドロホルミル化反応を工業的に
有利な方法で実施すべく鋭意検討を重ね、本発明に至つ
た。すなわち本発明の目的は、IPEAをロジウム化合物の
存在下に水素および一酸化炭素の混合ガスと反応させて
MHPを製造するに際し、ロジウムをロジウム原子換算で
0.01〜0.1ミリグラム原子/lの濃度で使用し、かつエレ
クトロニツクパラメーター(Electronic Parameter;ν
−values)が2080〜2090cm-1であり、かつステリツクパ
ラメーター(Steric Parameter;θ−values)が135〜19
0°である式P(OR)3(式中Rは置換アリール基を示し、
3個のRは同一でも異なつていてもよい)で示されるト
リス(置換アリール)ホスフアイトをロジウム1グラム
原子に対して110〜500モル倍共存させて反応を行なうこ
とにより達成される。
本発明において用いられるトリス(置換アリール)ホス
フアイトはエレクトロニツクパラメーター(ν−value
s)が2080〜2090cm-1、かつステリツクパラメーターが1
35〜190°であることが必要であり、これらパラメータ
ーのいずれか一方がこの範囲外にあるものはIPEAのヒド
ロホルミル化反応において高い反応速度とMHPへの高い
選択率は得られない。
ここにエレクトロニツクパラメーター(ν−values)お
よびステリツクパラメーター(θ−values)とは、C.A.
Tolman(Chem.Rev.,177(1977)313)により定義された
値であつて、ν−valuesはCH2Cl2中で測定されたNi(CO)
3L(Lはリン配位子)のCOのA1赤外吸収スぺクトルの振
動数であり、θ−valuesはリン原子の中心から2.28Åの
位置でリンに結合している基の最も外側にある原子のフ
アンデアワールス(van der waals)半径を囲むように
描いた円錐の角度で定義されるものである。
本発明の製造法に用いられるトリス(置換アリール)ホ
スフアイトは、式P(OR)3で示されるホスフアイトであ
り、Rは置換アリール基を示し、3個のRは同一でも異
なつていてもよい。また、置換基はヒドロホルミル化反
応を阻害しなければ如何なる置換基であつてもよい。こ
のようなホスフアイトの具体例としては、トリス(2−
メチルフエニル)ホスフアイト、トリス(2,6−ジメチ
ルフエニル)ホスフアイト、トリス(2−イソプロピル
フエニル)ホスフアイト、トリス(2−フエニルフエニ
ル)ホスフアイト、トリス(2−t−ブチルフエニル)
ホスフアイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフエニ
ル)ホスフアイト、トリス(2−メチル−4−クロルフ
エニル)ホスフアイト、ジ(2−メチルフエニル)(2
−t−ブチルフエニル)ホスフアイト、ジ(2−t−ブ
チルフエニル)(2−メチルフエニル)ホスフアイトま
たはこれらの混合物があげられるが、なかでもトリス
(2−メチルフエニルホスフアイト、トリス(2−t−
ブチルフエニル)ホスフアイト、トリス(2,4−ジ−t
−ブチルフエニル)ホスフアイトまたはこれらの混合物
はIPEAのヒドロホルミル化反応において、高い反応速度
と高いMHP選択率を得ることができるうえ、比較的入手
容易であり本発明の製造法を工業的に実施する上で特に
好適なホスフアイトである。
次に掲げるA表は数種の代表的なリン配位子のν−valu
esとθ−valuesを示したものである。
A表からトリス(2−メチルフエニル)ホスフアイト、
トリス(2,6−ジメチルフエニル)ホスフアイト、トリ
ス(2,4−ジ−t−ブチルフエニル)ホスフアイト等は
本発明で使用する好ましいホスフアイトであることが明
らかであるが、このようなホスフアイト、特にトリス
(2,6−ジメチルフエニル)ホスフアイトが2−メチル
−1−ヘキセンのような官能基のない分岐状オレフイン
に対して不活性であることは驚くべきことである。
本発明におけるロジウム化合物としてはヒドロホルミル
化触媒能を有するかまたはヒドロホルミル化反応系内で
触媒能を有するように変化する化合物であつて、具体的
には酸化ロジウム;塩化ロジウム;酢酸ロジウム;プロ
ピオン酸ロジウム等の有機カルボン酸ロジウム;Rh4(C
O)12、Rh6(CO)16、〔Rh(CO)2Cl〕等のロジウムカルボ
ニル化合物;二量化シクロペンタジエニルロジウムクロ
リド;二量化シクロオクタジエニルロジウムクロリド;
ロジウムアセチルアセトナート、ロジウムニカルボニル
アセチルアセトナート等があげられる。活性炭などに担
持された金属ロジウムも使用することができる。これら
ロジウム化合物の中でも高酸価状態にあるロジウム化合
物は反応系内または反応系外で適当な還元剤たとえば一
酸化炭素・水素・水素化ホウ素ナトリウム・ホルムアル
デヒド等の還元剤で処理して使用することができる。本
発明においてはロジウム化合物は極めて高活性な触媒作
用を示し、反応混合液中でのロジウム化合物の濃度はロ
ジウム原子換算で0.01〜0.1ミリグラム原子/lの低濃度
で使用することができる。ロジウムが0.01ミリグラム原
子/l以下では反応速度が工業的に満足されるものではな
く、0.1ミリグラム原子/l以上では反応速度が早すぎて
コントロール困難となる上、触媒コストが高くなり経済
的ではない。
トリス(置換アリール)ホスフアイトの使用量は、とく
に反応速度及びMHPへの選択率を高める上で重要であ
り、本発明においてホスフアイトはロジウム化合物に対
してロジウム1グラム原子あたり110〜500モル倍、好ま
しくは150〜300モル倍使用する必要がある。ホスフアイ
トの使用量がロジウム1グラム原子あたり110モル倍よ
り少ないと反応速度及びMHPへの選択率が低下するのみ
ならず触媒の熱安定性が悪くなる。また、500モル倍よ
り多いと反応速度が低下する傾向にあり、経済的でな
い。
本発明におけるヒドロホルミル化の反応温度は60〜150
℃、好ましくは90〜130℃の範囲内である。反応温度が6
0℃未満の場合には反応速度が遅くなり、また反応温度
が150℃を越える場合には触媒として存在するロジウム
化合物の安定性を維持しにくい傾向にある。反応圧力
は、用いる反応温度にもよるが、実用的には通常約30〜
150気圧、好ましくは60〜120気圧の範囲で用いられる。
反応圧力が30気圧未満では反応の選択率が低下するので
好ましくない。また、反応圧力は150気圧より高くても
勿論遂行することが可能であるが、装置および操作の面
から150気圧以下に保持するのが工業上有利である。
原料ガスである水素ガスおよび一酸化炭素ガスの比率
は、反応器への入りガスの水素/一酸化炭素のモル比と
して約3/1〜1/3の範囲で実施するのが好ましい。なお、
反応系中にヒドロホルミル化反応に対して不活性なガ
ス、例えばメタン、エタン、プロパン、窒素、ヘリウ
ム、アルゴン、炭酸ガス、ジメチルエーテル等が反応系
中に少量共存しても何ら差しつかえない。ヒドロホルミ
ル化反応は溶媒の不存在下で行うことが望ましいが、反
応系中で不活性な溶媒の存在下に行うことも可能であ
る。かかる溶媒としてはエタノール、ブタノール、3−
メチルブタノール、3−メチルペンタン−1,5−ジオー
ル等のアルコール類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、
オクタン、ノナン、デカン等の飽和脂肪族炭化水素類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、アルキルナフタレン等
の芳香族炭化水素類;およびテトラヒドロフラン等のエ
ーテル類等を挙げることができる。
また、本発明においては、原料中あるいは反応中に生じ
る微量の酸によつてより生成しやすい傾向にあるMHPの
アセタール化反応を抑制するのに有機第3級アミンをロ
ジウム1グラム原子あたり1モルないし100モルの範囲
で添加するのが好ましい。この目的のために使用するこ
とのできる有機第3級アミンの具体例としては、トリエ
チルアミン、トリブチルアミン、トリ−n−オクチルア
ミン、N,N−ジメチル−2−エチルヘキシルアミン、な
どの脂肪族アルキル第三級アミン類、N,N,N′,N′−テ
トラメチル−1,2−ジアミノエタン、N,N,N′,N′−テト
ラメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N′,N′−テト
ラメチル−1,4−ジアミノブタン等のアルキル置換三級
ジアミン類、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリエ
タノールアミン等の第三級アルカノールアミン類、N−
メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチル
モルホリン等の脂環式第三級アミン類、ピリジン、ピコ
リン、ルチジン等の環状不飽和第三級アミン類などがあ
げられる。
本発明のヒドロホルミル化反応においてIPEAは転化率が
100%になるまで反応させることもできるし、100%以下
に抑えることもできる。IPEAの転化率が100%よりも低
い場合には副生成物としてIPEAの異性化によつて生じる
プレノールをさらに異性化が進んだイソバレラールより
多く取得することもできる。
ヒドロホルミル化反応により得られた反応混合液は約13
0℃以下の温度で蒸留され主生成物のMHPなどを蒸留分離
することができる。130℃以下で蒸留された蒸留残渣中
に含まれるロジウム触媒は反応系外に抜き出して回収す
ることもできるが、その全部または一部を再びヒドロホ
ルミル化反応の反応器に循環して再使用することもでき
る。いずれの方法を採用するにしても本発明の方法にお
いてはロジウム濃度が極めて低いため工業的には有利で
ある。
以下、本発明を実施例で具体的に説明するが本発明はこ
れら実施例に限定されるものではない。
〔実施例〕
実施例1 内容300mlのステンレス製の電磁攪拌式オートクレーブ
中に、水素および一酸化炭素混合ガス(モル比1:1)雰
囲気下でRh4(CO)12およびトリス(2−t−ブチルフエ
ニル)ホスフアイトをIPEA100mlにそれぞれ23.37mg(0.
0312ミリモル)および11.95g(25ミリモル)を溶解した
溶液を2mlおよびIREA98mlを仕込んだ(仕込みIPEAは0.9
4モルであり、仕込みIPEA中のロジウム濃度はロジウム
原子換算で0.025ミリグラム原子/lであり、ホスフアイ
トは5ミリモル/lである)。
次に、上記と同一組成のオキソガスでオートクレーブ内
の圧力を90気圧に保ちながら、反応混合液を攪拌下に加
熱し30分間で内温を120℃に上げた。内温を120℃に維持
して3時間反応を行なつた。反応中、オートクレーブ内
の圧力は常に90気圧に保たれるように圧力調整弁を通じ
て水素および一酸化炭素の混合ガス(モル比1:1)を連
続的に供給し、オートクレーブからの出ガス流量が約5l
/hrとなるように調整した。反応終了後、反応混合液を
サンプリング口から取り出しガスクロマトグラフイーで
分析した結果、未反応IPEAは10%であり、反応したIPEA
基準でイソバレラール8.5%、プレノール8.6%およびMH
P82.0%がそれぞれ生成していた。
実施例2、比較例1〜3 内容100mlのステンレス製の電磁攪拌式オートクレーブ
を使用し、水素及び一酸化炭素混合ガス(モル比1:1)
雰囲気下、Rh(CO)2(アセチルアセトナート)、トリス
(2−t−ブチルフエニル)ホスフアイトの存在下に第
1表に示す条件でIPEA及び2−メチル−1−ヘキセンの
ヒドロホルミル化反応を行つた。第1表において、P/Rh
比はリン化合物とロジウム化合物の原子比を示す。
反応結果を第2表に示すが、オレフイン転化率及び選択
率は各々下記式に従つて計算した。
オレフイン転化率(モル%)= (反応で消費されたオレフイン量/仕込みオレ
フイン量)×100 選択率(モル%)=(目的生成物量/全生成物量)×10
0 又、第2表において、実施例1及び比較例1の選択率は
MHPへの選択率を、比較例2及び比較例3の選択率は3
−メチルヘプタナールへの選択率を各々表わす。
この結果より特開昭57−123134号公報に従つてロジウム
1グラム原子あたり10モル倍程度のホスフアイトを使用
してIPEAのヒドロホルミル化反応を行つた場合には、反
応速度、選択率とも極めて低く、又オレフインとして官
能基を有さない分岐オレフインである2−メチル−1−
ヘキセンを用い、本発明のようにホスフアイトをロジウ
ム1グラム原子あたり120モル倍使用してヒドロホルミ
ル化反応を行つた場合には全く反応しないことがわか
る。又、比較例2、3の場合には、ロジウム触媒の使用
量が多く、以上の点から本願発明の方法が工業的に優れ
ている方法であることは明らかである。
実施例3および比較例4〜5 実施例1と同一の反応装置を使用し、実施例1と同様の
操作によつてIPEA0.94モル、Rh4(CO)12をロジウム原子
換算で0.025ミリグラム原子/lおよびトリス(2−t−
ブチルフエニル)ホスフアイトを第3表に示す条件でそ
れぞれ仕込み、反応圧力60気圧、反応温度120℃で実施
例1と同様にして反応を行つた(実施例3)。結果を第
3表に示す。P/Rh比はリン化合物とロジウムの原子比を
示す。
又、P/Rh比を各々100及び600で行つた場合(各々比較例
4及び5)の結果も併せて第3表に示す。この結果か
ら、本願発明の効果は明らかである。
実施例4 実施例1においてトリス(2−t−ブチルフエニル)ホ
スフアイトに変えてトリス(2,4−ジ−t−ブチルフエ
ニル)ホスフアイトを同一モル濃度で使用すること以外
は実施例1と同一の反応を行なつた。得られた反応混合
液をガスクロマトグラフイーで分析した結果、未反応IP
EAは10%であり、反応したIPEA基準でイソバレラール8.
2%、プレノール8.8%およびMHP82.0%がそれぞれ生成
していた。
実施例5 実施例1において反応圧力を40気圧に保つ以外は同一の
実験を行なつた結果、未反応IPEAは24%であり、反応し
たIPEA基準でイソバレラール8.0%、プレノール12.5%
およびMHP76.0%がそれぞれ生成していた。
実施例6 実施例1においてトリス(2−t−ブチルフエニル)ホ
スフアイトにかえてトリス(2−メチルフエニル)ホス
フアイトを同一モル濃度で使用し、さらにトリエタノー
ルアミンを30mg(仕込み液中濃度として2ミリモル/l)
添加したこと以外は実施例1と同一の反応を行なつた。
得られた反応混合液をガスクロマトグラフィーで分析し
た結果、未反応IPEAは18%であり、反応したIPEA基準で
イソバレラール3.2%、プレノール7.3%およびMHP87.2
%がそれぞれ生成していた。
実施例7 実施例1においてトリス(2−t−ブチルフエニル)ホ
スフアイトにかえてトリス(2−イソプロピルフエニ
ル)ホスフアイトを同一モル濃度使用し、反応温度を11
0℃にして4時間反応させたこと以外は実施例1と同一
の反応を行なつた。得られた反応混合液をガスクロマト
グラフイーで分析した結果、未反応IPEAは14%であり、
反応したIPEA基準でイソバレラール4.8%、プレノール
7.8%およびMHP86.0%がそれぞれ生成していた。
比較例6 実施例7においてホスフアイトをトリス(2−イソプロ
ピルフエニル)ホスフアイトにかえてトリフエニルホス
フインを同一モル濃度で使用したこと以外は実施例7と
同一の実験を行なつた。得られた反応混合液をガスクロ
マトフラフイーで分析した結果、未反応IPEAは86%であ
り、ほとんど反応しなかつた。
比較例7 実施例7においてトリス(2−イソプロピルフエニル)
ホスフアイトにかえてトリス(2−メチルフエニル)ホ
スフインを同一モル濃度で使用したこと以外は実施例7
と同一の実験を行なつた。得られた反応混合液をガスク
ロマトグラフイーで分析した結果、未反応IPEAは71%で
あり、反応したIPEA基準でイソバレラール6.3%、プレ
ノール20.0%およびMHP71.4%が生成していた。
比較例8 実施例7においてトリス(2−イソプロピルフエニル)
ホスフアイトにかえてトリフエニルホスフアイトを同一
モル濃度で使用したこと以外は実施例7と同一の実験を
行なつた。得られた反応混合液をガスクロマトグラフイ
ーで分析した結果、未反応IPEAは66%であり、反応した
IPEA基準でイソバレラール1.0%、プレノール9.1%およ
びMHP86.0%が生成していた。
実施例8 実施例1と同一の装置中に、水素および一酸化炭素混合
ガス(モル比1:1)雰囲気下でRh2(O2CCH3)4およびトリ
ス(2,6−ジメチルフエニル)ホスフアイトをIPEA100ml
にそれぞれ27.58mg(0.0624ミリモル)および9.85g(25
ミリモル)を溶解した後、水素化ホウ素ナトリウム3.8m
g(0.1ミリモル)を攪拌下に加えて調整した溶液2mlお
よびIPEA98mlを仕込んだ(仕込みIPEAは0.94モルであ
り、仕込みIPEA中のロジウム濃度はロジウム原子換算で
0.025ミリグラム原子/lであり、ホスフアイトは5ミリ
モル/lである)。
次に、上記と同一組成のオキソガスでオートクレーブ内
の圧力を120気圧に保ちながら120℃で3時間実施例1と
同様にして反応させた。得られた反応混合液をガスクロ
マトグラフイーで分析した結果、未反応IPEAは22%であ
り、反応したIPEA基準でイソバレラール8.2%、プレノ
ール16.0%およびMHP74.3%が生成していた。
実施例9 実施例1と同一の実験を行ない、得られた反応混合液を
サンプリング口を通じて空気にふれないよう注意して蒸
留装置に移した。蒸留装置内の反応混合液は留出温度約
70℃で約97%を留出させた。蒸留残渣にIPEA98mlを加え
たのち再びオキソガス雰囲気下でオートクレーブ中に仕
込み1回目と同一の反応を行なつた。このようにして計
4回のくり返し実験を行なつた結果、触媒は循環使用し
うることがわかつた。くり返し実験における各回の反応
結果を第4表に示す。
実施例10 実施例7において仕込みIPEA中のロジウム濃度をロジウ
ム原子換算で0.0125ミリグラム原子/lとし、反応温度を
135℃とした以外は同一の実験を行なつた。得られた反
応混合液をガスクロマトグラフイーで分析したところ、
未反応IPEAは7%であり、反応したIPEA基準でイソバレ
ラール11.3%、プレノール7.0%およびMHP80.2%がそれ
ぞれ生成していた。
実施例11 実施例1と同一の装置にIPEA100ml(0.94モル)、Rh4(C
O)12をロジウム原子換算で0.0625ミリグラム原子/l、ト
リス(2−t−ブチルフエニル)ホスフアイトを30ミリ
モル/l仕込み、水素/一酸化炭素=1/1(モル比)の混
合ガスを用いて内圧を90気圧に保ちながら反応温度80℃
で5時間反応させた以外は実施例1と同様に実験した。
反応終了後反応混合液をガスクロマトグラフイーで分析
した結果、未反応IPEAは22%であり、反応したIPEA基準
でイソバレラール2.9%、プレノール9.4%およびMHP87.
0%がそれぞれ生成していた。
〔発明の効果〕
本発明の製造法によれば、比較的温和な操作条件でIPEA
のヒドロホルミル化反応を実施することができ、しかも
極めて低濃度のロジウム触媒を使用してヒドロホルミル
化反応を実施しても高い反応速度と高いMHPへの選択率
を得ることができる。このためポリエステルやポリウレ
タンの原料となりうる3−メチル−1,5−ペンタンジオ
ールおよびβ−メチル−δ−バレロラクトンの原料とし
て有用なMHPを工業的に有利に製造することができ、産
業上の有用性が極めて大きい。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3−メチル−3−ブテン−1−オールをロ
    ジウム化合物の存在下に水素および一酸化炭素の混合ガ
    スと反応させて2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒド
    ロピランを製造するに際し、ロジウムをロジウム原子換
    算で0.01〜0.1ミリグラム原子/lの濃度で使用し、かつ
    エレクトロニツクパラメーター(Electronic Paramete
    r;ν−values)が2080〜2090cm-1であり、かつステリツ
    クパラメーター(Steric Parameter;θ−values)が135
    〜190゜である式P(OR)3(式中Rは置換アリール基を示
    し、3個のRは同一でも異なつていてもよい)で示され
    るトリス(置換アリール)ホスフアイトをロジウム1グ
    ラム原子に対して110〜500モル倍共存させて反応を行な
    うことを特徴とする2−ヒドロキシ−4−メチルテトラ
    ヒドロピランの製造法。
  2. 【請求項2】該トリス(置換アリール)ホスフアイトの
    使用量がロジウム1グラム原子あたり150〜300モル倍で
    ある特許請求の範囲第(1)項記載の製造法。
  3. 【請求項3】該トリス(置換アリール)ホスフアイトが
    トリス(2−メチルフエニル)ホスフアイト、トリス
    (2−t−ブチルフエニル)ホスフアイト、トリス(2,
    4−ジ−t−ブチルフエニル)ホスフアイトまたはこれ
    らの混合物である特許請求の範囲第(1)項記載の製造
    法。
  4. 【請求項4】該反応の圧力が30〜150気圧である特許請
    求の範囲第(1)項、第(2)項または第(3)項記載
    の製造法。
  5. 【請求項5】該反応の圧力が60〜120気圧である特許請
    求の範囲第(1)項、第(2)項または第(3)項記載
    の製造法。
  6. 【請求項6】該反応の温度が60〜150℃である特許請求
    の範囲第(1)項、第(2)項、第(3)項、第(4)
    項または第(5)項記載の製造法。
  7. 【請求項7】さらに有機第三級アミンをロジウム1グラ
    ム原子あたり1〜100モル添加する特許請求の範囲第
    (1)項、第(2)項、第(3)項、第(4)項、第
    (5)項または第(6)項記載の製造法。
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