JP2005118150A - 炊飯器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 炊飯から保温の一連の動作を行う自動炊飯器において、炊飯容器に米がある場合、炊飯動作を開始しない炊飯器を提供する。
【解決手段】 センサ65により本体17に炊飯容器4が収容されているか否かを検出し、炊飯容器4が収容されていると、カメラ66を作動する。その映像データに基づいて炊飯容器4内のご飯残量を判別する。ご飯残量がゼロであると判定された場合、炊飯を開始する。一方、炊飯容器4が収容されていないと判別された場合、あるいは炊飯容器4が収容されている状態であってもカメラ66の映像データによって炊飯容器4内にご飯が残っていると判定された場合、炊飯動作要求があってもキャンセルされ、炊飯動作は開始しない。
【選択図】 図1
【解決手段】 センサ65により本体17に炊飯容器4が収容されているか否かを検出し、炊飯容器4が収容されていると、カメラ66を作動する。その映像データに基づいて炊飯容器4内のご飯残量を判別する。ご飯残量がゼロであると判定された場合、炊飯を開始する。一方、炊飯容器4が収容されていないと判別された場合、あるいは炊飯容器4が収容されている状態であってもカメラ66の映像データによって炊飯容器4内にご飯が残っていると判定された場合、炊飯動作要求があってもキャンセルされ、炊飯動作は開始しない。
【選択図】 図1
Description
本発明は、炊飯機能と保温機能を備えた炊飯器に関する。
従来から、鍋に洗米した米を投入し、この米に見合う最適量の水を投入した後、炊飯器本体に備えた炊飯機能によって炊飯および保温を自動的に行う全自動の炊飯器が知られているが、近年は特許文献1で示すように、米と水の計量を自動で行った後、炊飯および保温を自動的に行う全自動の炊飯器が種々提案されている。
特開2002−238741号
しかし、こうした炊飯器は、炊飯を開始する際、鍋内にご飯が残っていると、残ったご飯上に生米や水が投入されることになる。特に、近年では、通信手段によって、家庭用電気機器を遠隔操作し得る技術が開発され、このように通信手段などによって炊飯器の炊飯操作を遠隔操作する場合、ご飯の残量を直接、目視して確認できないため、残ったご飯上に生米や水が投入された場合、出来上がったご飯が食べられなくなるといった問題があった。
さらに、近年は、炊いたご飯を高圧殺菌してレトルト容器内に密封したレトルト米飯や高圧殺菌の変わりに無菌状態で容器に入れて密閉した無菌米飯など種々の調理済米飯が商品化されている。こうした調理済米飯は、電子レンジで加熱するかお湯で温めるなどして短時間で食べることができる。すなわち、一般的な炊飯器でご飯を炊く場合、まず洗米(無洗米は不用)し、米を炊飯器に入れて水を入れて水加減を調整してからスイッチを入れて30分ないし60分炊飯するのに対し、電子レンジで加熱する場合であれば1分程度で温かいご飯を食すことができる。また、炊飯器で使用した鍋を洗う手間もかからず便利であるとともに、常温保存が可能であるから、調理済米飯は、単身者や少人数家庭にとっては便利である。しかし、多人数家庭では、食事毎に人数分の調理済米飯を用意しなければならず、大量の調理済米飯が必要である。また、単身者や少人数家庭の場合でも、休日などで時間があるときや友人、家族が来訪した場合には、炊飯器で炊く場合が多い。また、電子レンジなどで再加熱する場合、直ぐに食べる場合は問題ないが、多少時間が経ってから食べる場合、冷めてしまい食味が低下する難点がある。さらに、電子レンジを使用した場合、1パック程度の量が少ない場合は問題ないが、同時に2個とか3個といった多くの米飯を温めると加熱ムラの原因となる。
このため、レトルト容器内に密封したレトルト米飯や無菌状態で容器に入れて密閉した無菌米飯を炊飯器により保温することが考えられる。しかし、従来の炊飯器は、保温中の73℃前後のご飯を再加熱する機能は付加されているが、臭いや腐敗、焦げなどの原因になるので冷や飯の温めができないものが主であり、保存用のレトルト米飯や無菌米飯の温めには不向きであった。また、通常の炊飯機能で温めることも可能であるが、鍋底が、100℃を超えた高温となり、米飯を密封する容器の溶けや、容器からの臭いの発生の原因となる点で好ましくない。さらに、浸し炊き蒸らしの再加熱に必要がない加熱工程を行うので無用に時間がかかり、調理時間が長くなるという問題もある。
そこで、本発明は、上記問題を解決して、鍋内にご飯が残っている状態で生米や水が投入されることを防止することができる炊飯器を提供することを第1の目的とする。
また、レトルト米飯や無菌米飯などの調理済米を加熱ムラなく温めることができる炊飯器を提供することを第2の目的とする。
本発明の請求項1の炊飯器は、本体から鍋が引き出されている場合は、食事のため鍋内のご飯をよそっているか、また、食事後、鍋を洗っているときである。一方、本体に鍋が収容されている状態は、ご飯の保温中あるいは空の鍋で炊飯の準備状態かのいずれかであって、鍋が収容されている状態ではご飯残量に変化はないので、収容直前に撮影した撮影手段からの映像データに基づいて判定された鍋内のご飯残量が最新のご飯残量として判別される。このとき、撮影手段から送られる鍋内の映像データにより、ご飯の「白い画像面積」と鍋の「黒い画像面積」との割合でご飯残量を判定し、残量検出手段により「白い画像面積」がある場合に、炊飯容器4内にご飯が残っていると判定され、「白い画像面積」がない場合に、ご飯残量がゼロであると判定される。そして、炊飯動作要求が成された時、本体に鍋が収容されていると判別された状態で、撮影手段から送られる鍋内の映像データによってご飯残量がゼロであると判定された場合、炊飯を開始する。一方、本体に鍋が収容されていないと判別された場合、あるいは本体に炊飯容器が収容されている状態であっても鍋内にご飯が残っていると判定された場合、炊飯動作要求があっても判定手段によって炊飯動作要求がキャンセルされ、炊飯動作は開始しない。
本発明の請求項2の炊飯器は、炊飯機能を用いれば炊飯動作が開始する。一方、レトルト米飯、無菌米飯などの常温保存可能な調理済米の温め機能を選択すれば温め加熱を開始する。このとき、タイマー機能により温め加熱の出来上がり時刻を設定できるとともに、その温め加熱完了時刻になると温め加熱完了後、保温動作に切り替わる。温め加熱コースにおける炊飯ヒータの加熱量や鍋底の温度管理といった制御は、任意であるが、鍋底の温度が75℃未満だと温かさが不足し、また120℃を超えると焦げや調理済米を密封した収容容器の溶けなどによる臭いの発生原因となるので80〜100℃程度に設定するのが好ましい。
本発明の請求項1の炊飯器によれば、撮影手段の映像に炊飯容器内にご飯が残っていると判定された場合、炊飯動作要求があっても炊飯動作要求がキャンセルされ、炊飯動作は開始しないから、ご飯を無駄にすることがない。
本発明の請求項2の炊飯器によれば、1台の炊飯器で炊飯と、調理済米を温めの両方を行うことができる。また、加熱ムラや調理済米を密封した収容容器の焦げや溶けなどによる臭いも防止することができる。さらに、温めた調理済米を保温することで、調理済米を温めた後、食べるまで時間がたっても冷めることもない。
以下、添付図1〜図6を参照して本発明の好ましい炊飯器の第1実施例を説明する。炊飯器の全体図を示す図1において、1は炊飯器本体1であり、この炊飯器本体1は、ほぼ筒状の外枠2と、この外枠2の下面開口部を覆って設けられた底板3により外殻が形成される。4は、米や水などの被炊飯物を収容する鍋としての炊飯容器であり、これは炊飯器本体1に形成した凹状の容器収容部5に着脱自在に収容される。
前記炊飯容器4は有底筒状で、熱伝導性のよいアルミニウムを主材料とした容器本体6と、この容器本体6の外面の側面下部から底面部にかけて接合されるフェライト系ステンレスなどの磁性金属板からなる発熱体7とにより構成される。炊飯器4の側面中央から上部に発熱体7を設けないのは、炊飯器4の軽量化を図るためである。また、容器本体4の上端周囲には、外周側に延出する円環状のフランジ部8が形成される。
前記容器収容部5の外面には、炊飯容器4の発熱体7に対応する部位に容器加熱手段としての加熱コイル11が設けられ、この加熱コイル11と炊飯容器4などにより、被炊飯物を炊飯および保温する炊飯装置12が構成される。炊飯装置12の容器加熱手段としては、例えば電熱式ヒータやマイクロ波を利用した高周波過熱によるものでもよい。勿論、ガス火炎により炊飯容器4を加熱するガス式の容器加熱手段でもよい。そして、加熱コイル11に高周波を供給すると、この加熱コイル11から発生する交番磁界によって発熱体7が発熱し、炊飯容器4ひいては炊飯容器4の被炊飯物が加熱されるようになっている。なお、炊飯器本体1にはその他に、炊飯容器4の温度を検出する温度検出手段しての温度センサ15と、加熱コイル11による加熱調節などの制御を行なう加熱基板16などが配設される。
17は本体であり、前記炊飯器本体1を収容する収容部18を備えている。この収容部18の上面部には前記炊飯器本体1の上部に位置して炊飯容器4の内部に米を投入する本体側投入孔21が設けられる。また、炊飯器本体1の上部には米投入装置22が可動可能に設けられている。この米投入装置22は、炊飯器本体1側に対向して開口形成された投入装置側投入孔23と、この投入装置側投入孔23の上部に連通して、米を例えば0.5合(約70〜80グラム)を定量的に収容する内容積に形成された円筒状の容器部24とを備えて構成される。さらに、米投入装置22の上部には、例えば市販の無洗米を容器部24の内容積よりも大きい任意量(例えば0.5〜2リットル)収容する米収容部27が配設される。米収容部27は下端側に向かうに従い平面状の開口面積が小さくなるすり鉢状を有しており、米収容部27の下端には容器部24に米を投入する米収容部投入孔28が設けられている。そして、米収容部投入孔28と容器部24が連通した状態で、米収容部投入孔28を通して容器部24に定量の米を投入する構成になっている。なお、米収容部27の米がそのまま炊飯容器4に投入されることを防ぐために、米収容部投入孔28と本体側投入孔21は異なる垂直軸上にそれぞれ配置される。
米投入装置22は、炊飯器本体1の上部に設けた平坦な基台29の上面に当接しながら、回転軸30を中心に回動する。この回転軸30には、減速機構を備えた駆動源としてのギア式モータ31が設けられる。また米投入装置22には、炊飯器本体1の上部に位置して、前記本体側投入孔21を閉鎖する孔閉鎖装置(図示しない)が設けられる。この孔閉鎖装置33は、スプリングなどの弾性体やソレノイド、若しくは弁などの本体側投入孔21を強制的に閉鎖する付勢装置34を備えており、炊飯時に本体側投入孔21から米投入装置22側へ蒸気が侵入しないように確実に閉鎖できる構造を有している。そして、回転軸30を中心に米投入装置22を回動させる途中で、米収容部27の米収容部投入孔28に容器部24が連通し、または本体側投入孔21に容器部24下端の投入装置側投入孔23が連通し、または本体側投入孔21に孔閉鎖装置33が合致するように、容器部24,投入装置側投入孔23および本体側投入孔21がそれぞれ米投入装置22に配置される。
41は、炊飯容器4内に投入された炊飯量に見合う所定量の水を供給する注水装置である。この注水装置41は、例えば炊飯量が3合の場合、米重量の1.4倍程度の水を供給するもので、給水用に備えた電動ポンプ42の動作時間を管理することで、所定量の水を炊飯容器4に供給するようになっている。43は炊飯器本体1の上部にある水を蓄えられる所定容量のタンクであり、このタンク43への給水は市販のペットボトルから直接給水できる構成となっている。電動ポンプ42およびタンク43からなる注水装置41と、炊飯器本体1内部の炊飯装置12との間を接続する注水路44は、注水装置41から炊飯装置12に至る途中で、注水装置41の上方に配置される折返し部45が形成され、そこから注水装置41の下方にある炊飯器本体1の孔46に連結される。また、折返し部45には、上方に開口部47を備えた蒸気排出路48が接続され、炊飯中に炊飯装置12から発生する蒸気を、注水路44の一部を兼用して蒸気排出路48の開口部47から外部に放出する構成となっている。
51は、炊飯器本体1の上方に位置して、前記米投入装置22と注水装置41で構成される米投入側本体部52の下面53に着脱自在に設けられた内蓋である。この内蓋51は、炊飯器本体1の収納時に炊飯容器4の上面に対向する位置にあり、炊飯容器4に米や水を供給する開口部55と、炊飯時に蒸気を外部に放出する前記孔46と、内蓋51と炊飯容器4の上端とを密閉して、蒸気の外漏れを防止するパッキン56とをそれぞれ備えている。なお、本実施例では水を供給する開口部55と蒸気を放出する孔46が兼用して設けられているが、これは別々に設けられていてもよい。
61は、炊飯装置12を含む炊飯器の外殻を前記本体17の器枠17Aの前方より出し入れするための炊飯部移動装置であり、炊飯器本体1を載せる平坦な載置台63備え、器枠17A側には載置台63を前後方向に沿わせて案内する案内手段(図示せず)が設けられており、図示しない電動モータなどの駆動手段によって炊飯器本体1と共に炊飯部移動装置61を自動的に移動できるよう構成している。また、前記収容部18の内面側には、本体17の収容部18に炊飯容器4が収容されているか否かを検出する鍋収納検出手段たるマイクロスイッチなどからなるセンサ65が設けられているとともに、前記収容部18の前内側上部には、収容部18から引き出された炊飯容器4内の映像を撮影する映像撮影手段としてのCCD型カメラ66が設けられている。
71は、前記炊飯装置12,米投入装置22、注水装置41,および炊飯部移動装置61の動作を管理する制御手段としてのマイクロコンピュータ(以下、単にマイコンと称す)であり、図2に示すように、入力側には、器枠17Aの図示しない操作パネルに設けた炊飯(タイマー炊飯を含む)や保温の他に、炊飯部移動装置61の出し入れや、米投入装置22による米の投入や、注水装置41による注水などを指示するスイッチから成る操作手段72や、炊飯器本体1に炊飯容器4が収容されているか否かを検出するセンサ65、パソコンや携帯電話などの情報端末(図示せず)とを相互通信可能な通信手段73が設けられている。一方、マイコン71の出力側には、炊飯容器4の加熱コイル11や各部の動作状況を示す例えばLCDやLEDなどの表示部74が接続された。
また、マイコン71は、自身が保有するプログラムの機能的な構成として、炊飯容器4内の被加熱物を炊き上げる炊飯動作を制御する炊飯制御手段75と、炊飯容器4内のご飯を一定温度に保持する保温動作を制御す保温制御手段76と、前記カメラ66からの映像を解析して炊飯容器4内のご飯残量を検出する残量検出手段77を備えている。また、炊飯制御手段75には、前記残量検出手段75からの信号に基づいて炊飯開始要求をキャンセルする判定手段78を備えている。
次に、上記構成につき本実施例における全自動の炊飯器の炊飯時における動作を図3および図4のフローチャートに基づいて詳述する。先ず、ステップS1において、センサ65により本体17に炊飯容器4が収容されているか否かを検出する。すなわち、本体17に炊飯容器4が収容されている場合、炊飯器本体1がセンサ65を構成するマイクロスイッチと接触し、収容部17から炊飯容器4を含む炊飯器本体1を取り出すことによって炊飯器本体1からセンサ65(マイクロスイッチ)が離れ、センサ65からマイコン71に検知信号が出力される。このように、本体17から炊飯器本体1が取り出されるとマイコン71からの指令によりカメラ66が作動し、本体17から引き出された炊飯容器4の内部を撮影する(ステップS2)。このカメラ66から送られる映像データに基づいて炊飯容器4内のご飯残量を判別する(ステップS3)。
すなわち、本体17から炊飯容器4が引き出されている場合は、食事のため炊飯容器4内のご飯をよそっているか、また、食事後、炊飯容器4を洗っているときである。一方、本体17に炊飯器本体4が収容されている状態は、ご飯の保温中あるいは空の炊飯容器4で炊飯の準備状態かのいずれかであって、炊飯容器4が収容されている状態ではご飯残量に変化はないので、収容直前に撮影したカメラ66からの映像データに基づいて判定された炊飯容器4内のご飯残量が最新のご飯残量として判別される。このとき、カメラ66から送られる炊飯容器4内の映像データにより、図4及び図5で示すように、ご飯の「白い画像面積」と炊飯容器4の「黒い画像面積」との割合でご飯残量を判定し、図4(b)に示すように、「白い画像面積」がある場合に、炊飯容器4内にご飯が残っていると判定され、他方、図5(b)に示すように、「白い画像面積」がない場合に、ご飯残量がゼロであると判定される。
次にステップS4において、センサ65によって本体17に炊飯容器4が収容されたか否かを判別する。
そして、図4のステップ1において、操作手段72のスイッチ(図示せず)あるいは通信手段73により遠隔操作して炊飯動作要求が成された時、前記図3のステップ4においてセンサ65によって本体17に炊飯容器4が収容されていると判別された状態で、前記カメラ66から送られる炊飯容器4内の映像データによってご飯残量がゼロであるか否かを判別し(ステップ2)、ご飯残量がゼロであると判定された場合、米投入装置22により炊飯装置12に指定量の米を投入し、その後、注水装置41にて米量に応じた所定量の水を炊飯装置12に注水し、その後、炊飯装置12により指定された炊上がり時刻に基づいて炊飯を開始(ステップ3)して、炊飯開始確認信号を情報端末に送信する。これにより情報端末の保有者は、炊飯が正しく開始したことを確認できる。その後、制御装置71は、炊飯終了後に保温を行なうと、そこで炊飯終了信号を情報端末に送信する。これにより情報端末の保有者は、炊飯が正しく終了したことを確認できる。一方、前記センサ65によって本体17に炊飯容器4が収容されていないと判別された場合、あるいは本体17に炊飯容器4が収容されている状態であってもカメラ66から送られる炊飯容器4内の映像データによって炊飯容器4内にご飯が残っていると判定された場合、炊飯動作要求があっても判定手段78によって炊飯動作要求がキャンセルされ、炊飯動作は開始しない。
したがって、本体17に炊飯容器4が収容されていない場合、あるいは、炊飯容器4内にご飯が残っている場合、米の計量や米に計量をはじめとする炊飯動作を行わないので、ご飯を無駄にすることがない。特に、通信手段73により遠隔操作して炊飯動作要求を開始する場合は、炊飯容器4内にご飯が残っているか否かや炊飯本体17に炊飯容器4がセットされているか否かを直接確認することができないため、本体17に炊飯容器4が収容されていない場合や炊飯容器4内にご飯が残っている状態では炊飯動作を行わないので便利である。
次に図7〜図9を参照して本発明の第2実施例について説明する。炊飯器全体を示す図7において、炊飯器本体80は、その外郭を形成するプラスチック製の外枠81と、この外枠81内に着脱自在に収納される鍋としての炊飯容器82とを備えている。外枠81の上部には、図示しないヒンジバネにより開閉可能な蓋83が回動自在に設けてある。
炊飯容器82は、アルミニウム材料を主体にして上面を開口した有底筒状に形成されており、被炊飯物である米および水が内部に収容されるものである。また、外枠81の内底面周辺部には、前記炊飯容器82を加熱する加熱手段たるシーズヒータなどの炊飯ヒータ84が設けられているとともに、外枠81の内底面ほぼ中央には、炊飯容器82の外面温度を検出する温度検出手段たる鍋センサ85が図示しないスプリングを介して上下動自在にかつ上方へ付勢して設けられる。この鍋センサ85は、炊飯容器82の外面温度を検出するための負温度サーミスタなどからなる感熱素子を内蔵し、前記炊飯容器82の外底面に弾発的に接触するものである。
前記外枠81の前面上部には、使用者が指で触れることができる操作部としての操作パネル86が設けられ、その内側には、炊飯や保温などの加熱工程を制御する制御基板87が設けられている。
制御基板87は、図示はしないが周知のマイクロコンピュータを構成する制御装置及び演算装置の他、ROMやRAMなどの記憶装置、タイマー装置など備えて構成される。前記操作パネル86には、複数の機能(メニュー)の中から所望する設定を選択するための選択手段が設けられており、本実施例においては、前記選択手段がダイヤル回転式の選択スイッチ90によって構成されている。また、本実施例の炊飯器の機能(コース)は、通常の白米の炊飯機能、無洗米、おかゆ、雑炊の各炊飯コースの他にもレトルト米飯、無菌米飯などの常温保存可能な調理済米の温めコースを備え、選択スイッチ90により好みコースを選択する。また、この選択スイッチ90は押すことにより設定された動作を開始するスタートスイッチも兼用している。また、操作パネル86には、予約、炊飯、保温の各動作の工程を表示する表示ランプ91,92,93、予約動作の開始を指示する予約スイッチ94,現在時間または予約時刻を表示する時計表示部95,複数のメニューを呼び出すメニュースイッチ96,精米度を表示する精米度表示部97,機器への通電累積時間を表示する通電累積時間表示部98、選択スイッチ90で選択された各コースを表示するコース表示部99が設けられている。
そして、炊飯器の使用に際し、先ず、使用者は、メニュースイッチ96を操作し、複数ある設定の中から所望する設定を行う。メニュースイッチ96は押す毎に炊飯コース→精米度→時計を経て再び炊飯コースに順時切り換るようになっている。また、炊飯コースを選択した場合、白米に対応したコース表示部99が点滅し、選択スイッチ90を下側に回転することによって、コース表示部99の点滅が白米→無洗米→おかゆ→雑炊→温めと切り換り、温めから再び白米に戻る。なお、選択スイッチ90を逆に上側に回転すると、逆回りでコース選択が切り換わる。
メニュースイッチ96により精米度を選択した場合、精白を示す精米度表示部97が点滅し、選択スイッチ90を回転することにより、精白→7分→5分→3分→玄米と精米度表示部97の点滅が移動し、再び精白へと戻る。一方、時計を選択した場合には、時計表示部95が点滅し、選択スイッチ90を上側に回転することによって時間が進み、下側に回転することによって時間が戻るようになっている。また、予約スイッチ94を押すと予約を示す表示ランプ91が点滅し、時計表示部95は予約時間表示になる。この時、選択スイッチ90を上側に回転すると時計表示部95で示す予約時間が10分単位で進み、下側に回転すると予約時間が10分単位で戻るようになっている。
このようにして、メニュースイッチ96と選択スイッチ90により所望のコースを設定した後、選択スイッチ90を押すことにより、設定内容に従った動作を開始する。例えば、白米、精米を選んで選択スイッチ90を押すと、白米を示すコース表示部99と精白を示す精米度表示部97は点滅から点灯に切り換わるとともに炊飯の表示ランプ92が点灯し、炊飯動作が開始する。炊飯動作が終わると、保温動作へと移行し、保温の表示ランプ93が点灯する。
一方、レトルト米飯、無菌米飯などの常温保存可能な調理済米の温めコースを選択して選択スイッチ90を押すと、温め加熱を開始する。なお、調理済米を炊飯容器82に入れる際、調理済米を密封した収容容器のまま炊飯容器82内に入れて温めても収容容器を破って調理済米のみを炊飯容器82内に収容して温めてもよい。また、温めコースを選んで予約スイッチ94を押すと、タイマー機能により温め加熱の出来上がり時刻を設定できるとともに、その温め加熱完了時刻になると温め加熱完了後、保温動作に切り替わり、保温の表示ランプ93が点灯する。
ここで、温め加熱動作について図9のグラフに基づき説明する。なお、図9の上段のグラフは、鍋センサ85の温度データを示し、以下、炊飯ヒータ84の通断電パターンを示している。
温め加熱コースを選択した場合、炊飯ヒータ84は約900Wの電力でオン・オフを繰り返す。この動作は、最低1〜10分程度以内で鍋底の温度が100℃に達する程度に設定するようにすることが望ましい。そして、鍋底の温度が80〜100℃に達したら炊飯ヒータ84を約600W程度の電力に減じて1〜5分程度、鍋底の温度を約90℃前後に維持させる。これら温め加熱コースにおける炊飯ヒータ84の加熱量やオン・オフ時間及び温度の設定は、任意であるが、鍋底の温度が75℃未満だと温かさが不足し、また120℃を超えると焦げや調理済米を密封した収容容器の溶けなどによる臭いの発生原因となるので80〜100℃程度に設定するのが好ましい。そして、温め加熱が完了した場合、保温工程では、通常の炊飯コースと同様、73℃程度に設定される。なお、温め加熱を開始してからで出来上がりまでの時間は5分ないし10分以内に、米飯の食味に適した60℃以上、好ましくは70〜100℃になるように加熱量、加熱構成を設定することが望ましい。また、加熱を開始から出来上がりまでの残時間を時計表示部95で表示するようにすれば便利である。
以上のように、本実施例の炊飯器においては、炊飯機能の他にもレトルト米飯、無菌米飯などの常温保存可能な調理済米を温める温め機能が備えられているから、大家族家庭で来客などの緊急時にあるいはたまに調理済米を食する場合、単身者や小人数家族でたまにご飯を炊く場合、1台の炊飯器で炊飯と、調理済米を温めの両方を行うことができる。また、電子レンジなどで同時に2、3パックの調理済米を温める場合、加熱ムラが生じるが、本実施例においては、調理済米を炊飯容器82内に収容して温める本実施例においては、加熱ムラなく温めることができる。また、温め加熱コースにおいて鍋底の温度を120℃以下に制御することにより、調理済米を密封した収容容器をそのまま保温する場合、収容容器の焦げや溶けなどによる臭いも防止することができる。さらに、温め加熱が完了した後、調理済米を保温することで、調理済米を温めた後、食べるまで時間がたっても冷めることもない。
図10〜図13は本発明の第3実施例を示すものであり、前記第2実施例と同一機能を有する部分には同一符号を付し、重複する部分の説明を省略し、異なる部分について説明する。本実施例においては、図10に示すように、炊飯器本体80の外郭を構成する外枠81にしゃもじSを着脱自在に挿入するしゃもじ受け部100を備えている。また、前記外枠81の側部前面側には、前記しゃもじ受け部100を取り付けるコ字状の取付枠101が一体形成されている。前記しゃもじ受け部100を備えている。しゃもじ受け部100は背面側を開放した矩形枠状を成し、その上壁面100aにしゃもじSを挿入する開口部102を形成している。また、上壁面100aの後縁部に弾性変形可能なフック103が一体的に垂設されている。このフック103の先端には前記取付枠101の下端部に係止する係合突部103aが形成されるとともに、しゃもじ受け部100の前面側には、フック103を操作するための開口窓104が形成されている。なお、100bは補強用リブである。
以上のように構成される本実施例においては、外枠81にしゃもじSを支持するしゃもじ受け部100が設けられ、そのしゃもじ受け部100は外枠81の前面側に位置しているため、しゃもじSを着脱する際、取り出しやすい。すなわち、図13に示すように、外枠81の背面(奥側)にしゃもじ受け部100がある場合、手を伸ばさなければしゃもじ受け部100にしゃもじSを出し入れすることができないが、外枠81の前面側にしゃもじ受け部100を備える本実施例においては、しゃもじSを着脱する際、手を伸ばすことなく、簡単にしゃもじSを取り出したり、装着することができる。このように、しゃもじSを着脱する際、手を伸ばす必要がないから、炊飯器本体80を置くスペースの小さくて済むから省スペース化も可能となる。
また、しゃもじ受け部100は、外枠81に一体形成する取付枠101に取り付けられているが、その取り付けは、しゃもじ受け部100のフック103に形成する係合突部103aを取付枠101の下端に段発的に係止させているため、しゃもじ受け部100の取り付けも確実である。このため、しゃもじ受け部100からしゃもじSを取り出す際、それに連れて取付枠101からしゃもじ受け部100が外れることもない。また、前面の開口窓104から指先を挿入し、フック103を奥側に押せば、フック103に形成する係合突部103aと取付枠101との係合を簡単に解除することができ、例えば、しゃもじ受け部100を洗う際などおいて、しゃもじ受け部100を簡単に取り外すことができ、便利である。
図14及び図15は本発明の第3実施例を示すものであり、同図において、105は回路基板であり、例えば炊飯器本体内に組み込まれている。この回路基板105にはトランジスタやダイオードなどの各種の電子部品106が放熱器107に熱的に接触した状態で実装されている。さらに、放熱器107の近傍にはフィルムコンデンサ108とコイル109が間隔をおいて実装され、さらにフィルムコンデンサ108の両側に抵抗110が実装されている。なお、前記フィルムコンデンサ108は、両側下端部が湾曲しており、フィルムコンデンサ108の両側に実装される抵抗110は、フィルムコンデンサ108の両側下端部に形成する湾曲部108aと回路基板105との隙間に実装されている。すなわち、フィルムコンデンサ108は、両側下端部に湾曲部108aが形成され、左右方向から力が加わると簡単に倒れてしまうが、フィルムコンデンサ108に形成する湾曲部108aと回路基板105との隙間に抵抗110を実装することにより、フィルムコンデンサ108の傾きを防止することができる。したがって、放熱器107やコイル109との間に不安定なフィルムコンデンサ108を実装する場合、フィルムコンデンサ108の倒れを規制することができるため、フィルムコンデンサ108と他の放熱器107やコイル109との干渉を防止することができ、特に、発熱する放熱器107やコイル109とフィルムコンデンサ108との接触を防止することができるため、熱により悪影響を抑制できるとともに、回路基板105に実装される電子部品間の間隔の小さくて済むから、回路基板105の小型化も可能となる。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。
1 炊飯器本体
4,81 炊飯容器(鍋)
66 カメラ(撮影手段)
75 残量検出手段
78 判定手段
4,81 炊飯容器(鍋)
66 カメラ(撮影手段)
75 残量検出手段
78 判定手段
Claims (2)
- 鍋と、収納検出手段と、前記鍋が本体から出されている場合に映像を撮影する撮影手段と、映像から残量を検出する残量検出手段と、残量がゼロでない場合にキャンセルする判定手段とを具備したことを特徴とする炊飯器。
- 炊飯機能と、調理物又は包装した包装物を所定値に加熱する温め機能と、時間を設定するタイマー機能と、保温機能とを備えるとともに、動作時に温度を所定値内に制御するように構成してなることを特徴とする炊飯器。
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