JP2005116938A - キャビティ付き多層セラミック基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】焼成収縮が少なく形状および寸法精度の高いキャビティ付き多層セラミック基板およびこれを確実に得るための製造方法を提供する。
【解決手段】複数のセラミック層S1〜S3を積層したベースセラミック部分BSと、かかるベースセラミック部分BSの表面3上に形成され且つ内側に表面1と裏面との間を貫通するキャビティCを有する表層セラミック部分HSとからなり、平面方向の焼成収縮を抑制されて焼結されたキャビティ付きセラミック基板において、上記ベースセラミック部分BSのうち少なくとも上記キャビティCの底面3を形成するセラミック層S3とこれに隣接するセラミック層S2との間に、上記キャビティCの底面3の面積と同じか、あるいはその底面3の面積よりも広い内層焼成収縮抑制セラミック層YSが形成されている、キャビティ付き多層セラミック基板K1。
【選択図】 図1
【解決手段】複数のセラミック層S1〜S3を積層したベースセラミック部分BSと、かかるベースセラミック部分BSの表面3上に形成され且つ内側に表面1と裏面との間を貫通するキャビティCを有する表層セラミック部分HSとからなり、平面方向の焼成収縮を抑制されて焼結されたキャビティ付きセラミック基板において、上記ベースセラミック部分BSのうち少なくとも上記キャビティCの底面3を形成するセラミック層S3とこれに隣接するセラミック層S2との間に、上記キャビティCの底面3の面積と同じか、あるいはその底面3の面積よりも広い内層焼成収縮抑制セラミック層YSが形成されている、キャビティ付き多層セラミック基板K1。
【選択図】 図1
Description
本発明は、焼成収縮が少なく形状および寸法精度の高いキャビティ付き多層セラミック基板およびその製造方法に関する。
ガラス粉末およびアルミナ粉末を含む複数の第1のシート層と、それらの間に第1のシート層よりも焼結温度が高い第2のシート層とを積層し、上記第1のシート層の焼結温度で焼結することにより、平面方向の寸法精度が高いキャビティ付き複合積層体とその製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記キャビティ付き複合積層体の製造方法では、複数の第1のシート層間の全てに第2のシート層を配置するため、積層工程が煩雑になり、且つ積層体全体の厚みが変化すると共に、キャビティの底面に露出する未焼結の第2のシート層のみを除去する困難な工程が必要となる、という問題があった。
しかしながら、上記キャビティ付き複合積層体の製造方法では、複数の第1のシート層間の全てに第2のシート層を配置するため、積層工程が煩雑になり、且つ積層体全体の厚みが変化すると共に、キャビティの底面に露出する未焼結の第2のシート層のみを除去する困難な工程が必要となる、という問題があった。
また、ガラスセラミック・グリーンシートを積層して凹部(キャビティ)を有する積層体を作製し、かかる凹部に拘束用無機組成物を充填し、この積層体の両面に密着剤層を介在して難焼結性無機材料および有機バインダを含む拘束グリーンシートをそれぞれ積層し、得られた積層体を焼成した後、上記拘束用無機組成物と拘束グリーンシートとを除去する、という工程、からなるガラスセラミック基板の製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
上記拘束用無機組成物は、ペースト状または粉体状のものであり、例えばペースト状の拘束用無機組成物を印刷法により前記凹部に充填した場合、かかる組成物と凹部の内面との間には、密着が不十分で隙間を生じることがある。かかる隙間があると、凹部の底面を形成する前記グリーンシートに対する前記焼成工程での拘束が不十分になるため、当該グリーンシートにクラックを生じる、という問題があった。
上記拘束用無機組成物は、ペースト状または粉体状のものであり、例えばペースト状の拘束用無機組成物を印刷法により前記凹部に充填した場合、かかる組成物と凹部の内面との間には、密着が不十分で隙間を生じることがある。かかる隙間があると、凹部の底面を形成する前記グリーンシートに対する前記焼成工程での拘束が不十分になるため、当該グリーンシートにクラックを生じる、という問題があった。
一方、キャビティに予め所定形状および寸法に成形した無機成形物を挿入する方法もあるが、当該キャビティに見合った高い寸法精度の無機成形物でないと、そのキャビティが変形することがある。しかも、キャビティの寸法や形状が変更される度に上記無機成形物の成形型を変更する必要があるため、製造上の負担が大きくなる、という問題があった。
本発明は、以上において説明した背景技術の問題点を解決し、焼成収縮が少なく形状および寸法精度の高いキャビティ付き多層セラミック基板およびこれを確実に得るための製造方法を提供する、ことを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するため、キャビティの底面を形成するセラミック層の少なくとも直下に焼成収縮を抑制する内層焼成収縮抑制セラミック層を配置する、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明のキャビティ付き多層セラミック基板(請求項1)は、複数のセラミック層を積層したベースセラミック部分と、かかるベースセラミック部分の表面上に形成され且つ内側に表面と裏面との間を貫通するキャビティを有する表層セラミック部分とからなり、平面方向の焼成収縮を抑制されて焼結されたキャビティ付きセラミック基板において、上記ベースセラミック部分のうち少なくとも上記キャビティの底面を形成するセラミック層とこれに隣接するセラミック層との間に、上記キャビティの底面の面積と同じか、あるいはその底面の面積よりも広い内層焼成収縮抑制セラミック層が形成されている、ことを特徴とする。
即ち、本発明のキャビティ付き多層セラミック基板(請求項1)は、複数のセラミック層を積層したベースセラミック部分と、かかるベースセラミック部分の表面上に形成され且つ内側に表面と裏面との間を貫通するキャビティを有する表層セラミック部分とからなり、平面方向の焼成収縮を抑制されて焼結されたキャビティ付きセラミック基板において、上記ベースセラミック部分のうち少なくとも上記キャビティの底面を形成するセラミック層とこれに隣接するセラミック層との間に、上記キャビティの底面の面積と同じか、あるいはその底面の面積よりも広い内層焼成収縮抑制セラミック層が形成されている、ことを特徴とする。
これによれば、上記ベースセラミック部分のうち、キャビティの底面を形成するセラミック層とこれに隣接するセラミック層との間に、当該キャビティの底面の面積と同じの内層焼成収縮抑制セラミック層か、あるいはその底面の面積よりも広い内層焼成収縮抑制セラミック層が形成されている。このため、ベースセラミック部分および表層セラミック部分の焼成時において、キャビティの底面付近における焼成収縮が抑制され且つクラックが生じていないため、高い形状・寸法精度を有するキャビティが確保できる。しかも、比較的少ない内層焼成収縮抑制セラミック層で良いため、製造も容易となり、ベースセラミック部分を含む基板全体の厚み精度も安定する。
尚、上記内層焼成収縮抑制セラミック層は、キャビティの底面を形成するセラミック層とこれに隣接するセラミック層との間のほか、その直下などのセラミック層間にも併設するよう、2層または3層に形成しても良い。また、内層焼成収縮抑制セラミック層の面積は、少なくともキャビティの底面の面積と同じとすることを要するが、かかる面積よりも広い形態にすると、キャビティの形状・寸法精度およびベースセラミック部分全体の厚み精度を確保する上で望ましい。
尚、上記内層焼成収縮抑制セラミック層は、キャビティの底面を形成するセラミック層とこれに隣接するセラミック層との間のほか、その直下などのセラミック層間にも併設するよう、2層または3層に形成しても良い。また、内層焼成収縮抑制セラミック層の面積は、少なくともキャビティの底面の面積と同じとすることを要するが、かかる面積よりも広い形態にすると、キャビティの形状・寸法精度およびベースセラミック部分全体の厚み精度を確保する上で望ましい。
また、本発明には、前記表層セラミック部分は、複数のセラミック層からなり且つ前記キャビティにはかかる複数のセラミック層間の段部が形成されていると共に、上記複数のセラミック層のうち下層側のセラミック層と表層側のセラミック層との間で且つ前記キャビティ寄りの位置に枠形の内層焼成収縮抑制セラミック層が更に形成されている、キャビティ付き多層セラミック基板(請求項2)も含まれる。これによれば、表層セラミック部分のうち、キャビティの側面に段部を形成するセラミック層間に平面視で矩形(正方形または長方形)を呈する枠形の内層焼成収縮抑制セラミック層が形成されている。このため、焼成時における上記段部の下層側を形成するセラミック層の収縮が抑制されているので、側面に形状・寸法精度の高い段部を有するキャビティを確保することができる。
更に、本発明には、前記内層焼成収縮抑制セラミック層および前記枠形の内層焼成収縮抑制セラミック層は、アルミナのみ、あるいはアルミナとガラスとの混合物を焼成したものである、キャビティ付き多層セラミック基板(請求項3)も含まれる。これによれば、内層焼成収縮抑制セラミック層および枠形の内層焼成収縮抑制セラミック層は、ベースセラミック部分および表層セラミック部分を形成するセラミック層の焼結温度よりも高く且つガラス含有量が少ないため、焼成時において隣接するセラミック層から軟化したガラス成分が浸透して緻密化している。従って、キャビティの底面や側面の段部を形成するセラミック層の焼成時における焼成収縮を確実に抑制しているため、高い形状および寸法精度を有するキャビティを確保することができる。
加えて、本発明には、前記内層焼成収縮抑制セラミック層および前記枠形の内層焼成収縮抑制セラミック層の前記ガラス含有量は、前記ベースセラミック部分のセラミック層および前記表層セラミック部分またはかかる表層セラミック基板を構成するセラミック層のガラス含有量よりも少ない、キャビティ付き多層セラミック基板(請求項4)も含まれる。
これによれば、上記内層焼成収縮抑制セラミック層のガラス含有量は、ベースセラミック部分および表層セラミック部分を形成するセラミック層のガラス含有量よりも少ないため、焼成時において隣接するセラミック層から軟化したガラス成分が確実に浸透して緻密化している。従って、キャビティの底面や側面の段部を形成するセラミック層の焼成時における焼成収縮を確実に抑制しているため、高い形状および寸法精度を有するキャビティが確保できる。
これによれば、上記内層焼成収縮抑制セラミック層のガラス含有量は、ベースセラミック部分および表層セラミック部分を形成するセラミック層のガラス含有量よりも少ないため、焼成時において隣接するセラミック層から軟化したガラス成分が確実に浸透して緻密化している。従って、キャビティの底面や側面の段部を形成するセラミック層の焼成時における焼成収縮を確実に抑制しているため、高い形状および寸法精度を有するキャビティが確保できる。
尚、上記ガラス含有量が、上記セラミック層のガラス含有量を越えると、隣接するセラミック層から上記内層焼成収縮抑制セラミック層へのガラス成分の浸透量が過少になるため、かかる内層焼成収縮抑制セラミック層の収縮抑制効果が得られにくくなる。このため、上記ガラス含有量としたものである。
また、内層収縮抑制層におけるガラスの含有量は、当該抑制層を構成するセラミック層中のガラスの含有量の50〜85wt%であることが望ましい。係るガラスの含有量が85wt%を越えると、内層収縮抑制層の軟化温度が低くなって、その収縮抑制が少なくなり、一方、上記ガラスの含有量が50wt%未満になると、セラミック層の組成がずれて、その電気的特性に影響を与え得るためである。
付言すれば、上記内層焼成収縮抑制セラミック層は、本発明のキャビティ付き多層セラミック基板を厚み方向に沿ってスキャニングした際、ガラス成分の含有量が相対的に少ないセラミック層として検出することが可能である。
また、内層収縮抑制層におけるガラスの含有量は、当該抑制層を構成するセラミック層中のガラスの含有量の50〜85wt%であることが望ましい。係るガラスの含有量が85wt%を越えると、内層収縮抑制層の軟化温度が低くなって、その収縮抑制が少なくなり、一方、上記ガラスの含有量が50wt%未満になると、セラミック層の組成がずれて、その電気的特性に影響を与え得るためである。
付言すれば、上記内層焼成収縮抑制セラミック層は、本発明のキャビティ付き多層セラミック基板を厚み方向に沿ってスキャニングした際、ガラス成分の含有量が相対的に少ないセラミック層として検出することが可能である。
一方、本発明のキャビティ付き多層セラミック基板の製造方法(請求項5)は、表面および裏面を有する複数のグリーンシートと、かかる複数のグリーンシートの表面上方に配置され、且つ表面および裏面を有し、内側にかかる表面と裏面との間を貫通する貫通孔を有する単数または複数の貫通孔付きグリーンシートと、上記複数のグリーンシートのうち少なくとも上記貫通孔の底面に露出するグリーンシートとこれに隣接するグリーンシートとの間で且つ上記貫通孔の底面と同じかこの底面よりも広く焼結温度が上記グリーンシートよりも高い内層焼成収縮抑制層と、を積層する工程を、含む、ことを特徴とする。
これによれば、所要数のグリーンシートおよび最小数の内層焼成収縮抑制層によって、前記キャビティの底面を形成するセラミック層の焼成収縮を抑制し且つかかる底面におけるクラックの発生を防いで、高い形状および寸法精度のキャビティを有する多層セラミック基板を容易に製造することが可能となる。
尚、上記内層焼成収縮抑制層は、焼結温度が上記グリーンシートよりも高いアルミナ、またはアルミナおよびガラスを主成分とするペースト状の無機組成物であるか、あるいは上記主成分のセラミックシートの形態のものが用いられる。
尚、上記内層焼成収縮抑制層は、焼結温度が上記グリーンシートよりも高いアルミナ、またはアルミナおよびガラスを主成分とするペースト状の無機組成物であるか、あるいは上記主成分のセラミックシートの形態のものが用いられる。
また、本発明には、前記積層工程の後に、前記内層収縮抑制層を含む複数のグリーンシートと貫通孔付きグリーンシートとの積層体の両面に、これらのグリーンシートの焼成温度よりも高い焼結温度の焼成収縮抑制シートを積層する工程と、上記複数のグリーンシート、貫通孔付きグリーンシート、および両面の焼成収縮抑制シートからなる複合積層体を、上記グリーンシートの焼結温度で焼成する工程と、焼成後の上記複合積層体の両面に位置する未焼結の焼成収縮抑制シートを除去する工程と、を有する、キャビティ付き多層セラミック基板の製造方法(請求項6)も含まれる。
これによれば、内層収縮抑制層を含む複数のグリーンシートおよび貫通孔付きグリーンシートの積層体を平面方向の焼成収縮を抑制できるため、寸法精度の高いベースセラミック部分および表層セラミック部分を含むキャビティ付き多層セラミック基板を確実に製造することができる。
これによれば、内層収縮抑制層を含む複数のグリーンシートおよび貫通孔付きグリーンシートの積層体を平面方向の焼成収縮を抑制できるため、寸法精度の高いベースセラミック部分および表層セラミック部分を含むキャビティ付き多層セラミック基板を確実に製造することができる。
更に、本発明には、前記貫通孔付きグリーンシートは、複数のグリーンシートからなり且つ前記貫通孔にはかかる複数のグリーンシート間の段部が形成されていると共に、上記複数のグリーンシートのうち下層側のグリーンシートと表層側のグリーンシートとの間で且つ上記貫通孔寄りの位置に枠形の内層焼成収縮抑制層が更に配置されている、キャビティ付き多層セラミック基板の製造方法(請求項7)も含まれる。これによれば、追って形成される表層セラミック部分のキャビティの側面に段部を形成するセラミック層間に配置される枠形の内層焼成収縮抑制層が、かかるセラミック層の焼成工程における焼成収縮を確実に抑制する。このため、側面に接続配線を配置するための段部を有するキャビティを形状・寸法精度良く形成したキャビティ付き多層セラミック基板を提供することができる。
また、本発明には、前記グリーンシートは、アルミナおよびガラスを含み、前記焼成内層収縮抑制層または枠形の内層焼成収縮抑制層は、アルミナのみ、あるいはアルミナおよびガラスを含み且つかかるガラス含有量は上記グリーンシートのガラス含有量よりも少ない、キャビティ付き多層セラミック基板の製造方法(請求項8)も含まれる。
これによれば、上記2つの内層焼成収縮抑制層のガラス含有量は、ベースセラミック部分および表層セラミック部分を形成するグリーンシートのガラス含有量よりも少ないため、前記焼成工程において隣接するグリーンシートから軟化したガラス成分が、内層焼成収縮抑制層に確実に浸透してこれを緻密化する。従って、キャビティの底面や側面の段部を形成するセラミック層の焼成時における焼成収縮を確実に抑制できるため、高い形状および寸法精度を有するキャビティを確実に形成できる。
これによれば、上記2つの内層焼成収縮抑制層のガラス含有量は、ベースセラミック部分および表層セラミック部分を形成するグリーンシートのガラス含有量よりも少ないため、前記焼成工程において隣接するグリーンシートから軟化したガラス成分が、内層焼成収縮抑制層に確実に浸透してこれを緻密化する。従って、キャビティの底面や側面の段部を形成するセラミック層の焼成時における焼成収縮を確実に抑制できるため、高い形状および寸法精度を有するキャビティを確実に形成できる。
更に、本発明には、前記焼成内層収縮抑制層または枠形の内層焼成収縮抑制層は、30μm以下の厚みである、キャビティ付き多層セラミック基板の製造方法(請求項9)も含まれる。これによれば、何れの焼成内層収縮抑制層も、その内部にまで隣接するクリーンシートのガラス成分が焼成工程にて浸透して緻密化されると共に、前記ベースセラミック部分や前記表層セラミック部分を、平面方向の寸法および厚みの精度良く製造できすることができる。
尚、上記焼成内層収縮抑制層の厚みが30μmを越えると、隣接するグリーンシートからのガラス成分の浸透が不足してアルミナ粉末部分が残り、且つ基板全体の厚みも不安定となる。これを防ぐため、上記厚みの範囲としたものである。
尚、上記焼成内層収縮抑制層の厚みが30μmを越えると、隣接するグリーンシートからのガラス成分の浸透が不足してアルミナ粉末部分が残り、且つ基板全体の厚みも不安定となる。これを防ぐため、上記厚みの範囲としたものである。
以下において、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明における1形態のキャビティ付き多層セラミック基板K1の断面を示す。かかる基板K1は、図1に示すように、複数のセラミック層S1〜S3を積層したベースセラミック部分BSと、かかるベースセラミック部分BSの表面(3)上に形成され且つ内側に表面1と裏面との間を貫通する平面視で正方形を呈するキャビティCを有するセラミック層S4〜S6を積層した表層セラミック部分HSとからなる。上記セラミック層S1〜S6は、重量比でほぼ60:40のホウケイ酸系ガラスおよびアルミナを主成分とし、約150μmの厚みである。
図1に示すように、ベースセラミック部分BSのうち、キャビティCの底面3を形成するセラミック層S3の裏面4とこれに隣接するセラミック層S2の表面5との間には、キャビティCの底面3の面積よりもやや広い面積で厚みが30μm以下の内層焼成収縮抑制セラミック層YSが形成されている。
図1は、本発明における1形態のキャビティ付き多層セラミック基板K1の断面を示す。かかる基板K1は、図1に示すように、複数のセラミック層S1〜S3を積層したベースセラミック部分BSと、かかるベースセラミック部分BSの表面(3)上に形成され且つ内側に表面1と裏面との間を貫通する平面視で正方形を呈するキャビティCを有するセラミック層S4〜S6を積層した表層セラミック部分HSとからなる。上記セラミック層S1〜S6は、重量比でほぼ60:40のホウケイ酸系ガラスおよびアルミナを主成分とし、約150μmの厚みである。
図1に示すように、ベースセラミック部分BSのうち、キャビティCの底面3を形成するセラミック層S3の裏面4とこれに隣接するセラミック層S2の表面5との間には、キャビティCの底面3の面積よりもやや広い面積で厚みが30μm以下の内層焼成収縮抑制セラミック層YSが形成されている。
上記セラミック層YSは、アルミナおよびガラスを含むが、かかるガラスの含有量は、上記セラミック層S1〜S6におけるガラスの含有量よりも少ない。従って、かかるセラミック層YSは、キャビティ付き多層セラミック基板K1を厚み方向に沿ってスキャニングした際に、ガラス成分の濃度差で検出できる。
図1に示すように、表層セラミック部分HSの表面1とベースセラミック部分BSの裏面2とには、配線(表層電極)13,14が形成され、且つセラミック層S1〜S6間には、所定パターンの配線層8〜12が形成されている。かかる配線層8〜12や配線13,14は、Agなどを主成分とする導体で、約15μmの厚みである。上記配線13、配線層8〜12、および配線14間は、セラミック層S1〜S6を個別に貫通するビア導体vを介して接続されている。かかるビア導体vは、直径が約150μmのほぼ円柱体で且つAgなどを主成分とする。
図1に示すように、表層セラミック部分HSの表面1とベースセラミック部分BSの裏面2とには、配線(表層電極)13,14が形成され、且つセラミック層S1〜S6間には、所定パターンの配線層8〜12が形成されている。かかる配線層8〜12や配線13,14は、Agなどを主成分とする導体で、約15μmの厚みである。上記配線13、配線層8〜12、および配線14間は、セラミック層S1〜S6を個別に貫通するビア導体vを介して接続されている。かかるビア導体vは、直径が約150μmのほぼ円柱体で且つAgなどを主成分とする。
表層セラミック部分HSおよびベースセラミック部分BSを形成するセラミック層S1〜S6は、後述するように、それらに対応するグリーンシートを焼成する際に、表面1と裏面2とに隣接して積層した焼成収縮抑制シートにより平面方向における焼成収縮を予め抑制されている。しかも、かかる焼成時に、セラミック層S2,S3となるグリーンシート間に前記面積で上記グリーンシートの焼結温度よりも高い焼結温度で且つガラス含有量の少ない内層焼成収縮抑制層が、上記セラミック層S2,S3から浸透したガラス成分を受け入れて、内層焼成収縮抑制セラミック層YSとなっている。従って、キャビティ付き多層セラミック基板K1は、平面方向の寸法精度に優れたセラミック層S1〜S6からなる表層セラミック部分HSおよびベースセラミック部分BSと、高い形状・寸法精度のキャビティCと、を備えている。このため、ビア導体vを介して、配線13、配線層8〜12、および配線14間の導通が確実に取れると共に、キャビティCに実装される図示しないICチップ(電子部品)と表面1の配線13との間を、ワイヤなどを介して接続することも容易に行うことが可能である。
図2は、前記基板K1の応用形態であるキャビティ付き多層セラミック基板K2の断面を示す。かかる基板K2は、前記と同じセラミック層S1〜S6からなる表層セラミック部分HSおよびベースセラミック部分BSと、キャビティCと、配線13、配線層8〜12、配線14、およびビア導体vと、を備えている。
図2に示すように、ベースセラミック部分BSのうち、キャビティCの底面3を形成するセラミック層S3の裏面4とこれに隣接するセラミック層S2の表面5との間、およびかかるセラミック層S2の裏面6とセラミック層S1の表面7間には、前記と同じで2層の内層焼成収縮抑制セラミック層YSが個別に形成されている。
図2に示すように、ベースセラミック部分BSのうち、キャビティCの底面3を形成するセラミック層S3の裏面4とこれに隣接するセラミック層S2の表面5との間、およびかかるセラミック層S2の裏面6とセラミック層S1の表面7間には、前記と同じで2層の内層焼成収縮抑制セラミック層YSが個別に形成されている。
図3は、前記基板K1の変形形態であるキャビティ付き多層セラミック基板K3の概略断面を示す。この基板K3も、前記と同じセラミック層S1〜S6からなる表層セラミック部分HSおよびベースセラミック部分BSと、キャビティCと、図示せぬ配線13、配線層8〜12、配線14、ビア導体vと、を備えている。
図3に示すように、ベースセラミック部分BSのうち、キャビティCの底面3を形成するセラミック層S3の裏面4とこれに隣接するセラミック層S2の表面5との間には、前記キャビティ付き多層セラミック基板K1,K2のセラミック層YSよりも面積が広い内層焼成収縮抑制セラミック層YSが形成されている。
図3に示すように、ベースセラミック部分BSのうち、キャビティCの底面3を形成するセラミック層S3の裏面4とこれに隣接するセラミック層S2の表面5との間には、前記キャビティ付き多層セラミック基板K1,K2のセラミック層YSよりも面積が広い内層焼成収縮抑制セラミック層YSが形成されている。
図4は、異なる形態のキャビティ付き多層セラミック基板K4の概略断面を示す。かかる基板K4も、前記と同じセラミック層S1〜S6からなる表層セラミック部分HSおよびベースセラミック部分BSと、キャビティCと、図示しない配線13、配線層8〜12、配線14、ビア導体vと、を備えている。
図4に示すように、ベースセラミック部分BSのうち、キャビティCの底面3を形成するセラミック層S3の裏面4とこれに隣接するセラミック層S2の表面5との間には、これらの全面にわって内層焼成収縮抑制セラミック層YSが形成されている。このため、ベースセラミック部分BS全体の厚みが均一である。
図4に示すように、ベースセラミック部分BSのうち、キャビティCの底面3を形成するセラミック層S3の裏面4とこれに隣接するセラミック層S2の表面5との間には、これらの全面にわって内層焼成収縮抑制セラミック層YSが形成されている。このため、ベースセラミック部分BS全体の厚みが均一である。
以上のようなキャビティ付き多層セラミック基板K2〜K4も、前記基板K1と同様に、平面方向の寸法精度に優れたセラミック層S1〜S6からなる表層セラミック部分HSおよびベースセラミック部分BSと、高い形状・寸法精度のキャビティCとを備えている。このため、ビア導体vを介して、配線13、配線層8〜12、および配線14間の導通が確実に取れ、キャビティCに実装される図示しないICチップと表面1の配線13とのワイヤを介した接続も容易に行うことが可能である。
ここで、前記キャビティ付き多層セラミック基板K1の製造方法を説明する。
図5は、表面および裏面を有し且つかかる表面と裏面との間を貫通する貫通孔cを有するグリーンシートs4〜s6と、表面および裏面を有するグリーンシートs1〜s3と、内層焼成収縮抑制層YSとの断面を示す。グリーンシートs1〜s6は、重量比がほぼ60:40のホウケイ酸系ガラスとアルミナとを主成分とし、これらの粉末に有機バインダおよび可塑剤成分を添加して混合し、得られたセラミックスラリをドクターブレード法によりシート化したもので、それぞれ約150μmの厚みを有する。グリーンシートs4〜s6の貫通孔cは、平面視で正方形(例えば3mm×3mm)を呈する。
図5は、表面および裏面を有し且つかかる表面と裏面との間を貫通する貫通孔cを有するグリーンシートs4〜s6と、表面および裏面を有するグリーンシートs1〜s3と、内層焼成収縮抑制層YSとの断面を示す。グリーンシートs1〜s6は、重量比がほぼ60:40のホウケイ酸系ガラスとアルミナとを主成分とし、これらの粉末に有機バインダおよび可塑剤成分を添加して混合し、得られたセラミックスラリをドクターブレード法によりシート化したもので、それぞれ約150μmの厚みを有する。グリーンシートs4〜s6の貫通孔cは、平面視で正方形(例えば3mm×3mm)を呈する。
また、内層焼成収縮抑制層YSは、アルミナ粉末、またはアルミナ粉末およびグリーンシートs1〜s6のガラス含有量よりも少ないガラス粉末に有機バインダおよび可塑剤成分を添加し、上記同様の方法により30μm以下の厚みにシート化したもので、グリーンシートs1〜s6よりも高い焼結温度を有する。かかる内層焼成収縮抑制層YSは、図5に示すように、グリーンシートs3の裏面4とグリーンシートs2の表面5との間で、且つグリーンシートs4〜s6の貫通孔cの直下であって当該貫通孔cの面積よりもやや広い面積を有する。尚、内層焼成収縮抑制層YSは、同じ成分で上記厚みとなるペーストを用いても良い。
図5に示すように、グリーンシートs1〜s6の表面および裏面の少なくとも一方には、配線(表層電極)13,14または所定パターンの配線層8〜12が形成されている。配線・配線層8〜14は、厚みが約15μmのAg粉などを含む導電性ペーストからなる。上記配線・配線層8〜14には、グリーンシートs1〜s6の表面と裏面との間を個別に貫通する直径約150μmのビア導体vが接続され、かかるビア導体vもAg粉などを含む導電性ペーストからなる。尚、グリーンシートs1〜s6は、多数個取り用の大版のグリーンシートとしても良い。
次に、図5に示すように、グリーンシートs1〜s6と内層焼成収縮抑制層YSとをそれらの順序で積層して圧着する。
次に、図5に示すように、グリーンシートs1〜s6と内層焼成収縮抑制層YSとをそれらの順序で積層して圧着する。
その結果、図6に示すように、積層されたグリーンシートs1〜s6からなり、且つ内層焼成収縮抑制層YSがグリーンシートs3の裏面4とグリーンシートs2の表面5との間で挟持されると共に、表面1に開口するキャビティCを有するキャビティ付きグリーンシート積層体ssが形成される。かかるキャビティCの底面3には、グリーンシートs3の表面(3)が露出し、その直下に底面3よりも広い面積の内層焼成収縮抑制層YSが位置する。同時に、前記配線・配線層8〜14間は、ビア導体vを介して接続される。また、上記積層体ssの表面1と裏面2とには、配線13,14が位置する。尚、上記キャビティCは、平面視で一辺3mmの正方形を呈し、その深さは約0.5mmである。
次いで、図7に示すように、キャビティ付きグリーンシート積層体ssの表面1および裏面2(両面)に、焼成収縮抑制シートy1,y2を圧着し且つ積層して複合積層体fs1を形成する。焼成収縮抑制シートy1,y2は、アルミナ粉末に有機バインダおよび可塑剤成分を添加して得たセラミックスラリをドクターブレード法により、厚さ約250μmにシート化したものである。
尚、図8に示すように、焼成収縮抑制シートy1に替えて、前記同様の貫通孔cを内側に有する焼成収縮抑制シートy3を上記グリーンシート積層体ssの表面1上に積層し、上記貫通孔cの底面にキャビティCの開口部を位置させた複合積層体fs2を形成しても良い。
尚、図8に示すように、焼成収縮抑制シートy1に替えて、前記同様の貫通孔cを内側に有する焼成収縮抑制シートy3を上記グリーンシート積層体ssの表面1上に積層し、上記貫通孔cの底面にキャビティCの開口部を位置させた複合積層体fs2を形成しても良い。
更に、複合積層体fs1,fs2を図示しない焼成炉に挿入し、グリーンシートs1〜s6の焼結温度(800〜1000℃)で所要時間にわたり加熱して焼成する。この際、前記配線層8などやビア導体vも同時に焼結される。この際、焼成後において、グリーンシートs1〜s6が焼結したセラミック層は、未焼結の焼成収縮抑制シートy1,y2に表面1と裏面2で拘束されるため、平面方向の焼成収縮を抑制される。更に、キャビティCの底面を形成するグリーンシートs3が焼結して得られるセラミック層は、そのガラス成分が隣接する内層焼成収縮抑制層YSに浸透してこれを緻密化し、且つこの内層焼成収縮抑制層YSにより拘束されるため、平面方向の焼成収縮およびクラックの発生を抑制される。
尚、内層焼成収縮抑制層YSは、焼成時において隣接していたグリーンシートs2,s3からガラス成分が浸透するため、かかるガラス成分により緻密化された内層焼成収縮抑制セラミック層YSとなる。
尚、内層焼成収縮抑制層YSは、焼成時において隣接していたグリーンシートs2,s3からガラス成分が浸透するため、かかるガラス成分により緻密化された内層焼成収縮抑制セラミック層YSとなる。
そして、焼成後の複合積層体fs1,fs2の表・裏面1,2から未焼結の焼成収縮抑制シートy1(y3),y2を除去する。この除去工程は、焼成後の複合積層体fs1,fs2を例えば25℃に30分以上保持した後、10℃またはこれ以下の冷水(冷却媒体)中に浸漬し、焼成収縮抑制シートy1,y2中の焼結時の残留応力を瞬時に開放する熱衝撃によって迅速に行うことができる。尚、焼成収縮抑制シートy1,y2などの除去工程は、水とアルミナなどの硬質粒子との混合物を吹き付ける方法により行っても良い。
その結果、前記図1に示したように、前記グリーンシートs1〜s6が焼結したセラミック層S1〜S6からなるベースセラミック部分BSおよび表層セラミック部分HS、前記導電性ペーストが焼結した配線13,14や所定パターンの配線層8〜12、表面1に開口するキャビティCを有するキャビティ付き多層セラミック基板K1を得ることができる。
その結果、前記図1に示したように、前記グリーンシートs1〜s6が焼結したセラミック層S1〜S6からなるベースセラミック部分BSおよび表層セラミック部分HS、前記導電性ペーストが焼結した配線13,14や所定パターンの配線層8〜12、表面1に開口するキャビティCを有するキャビティ付き多層セラミック基板K1を得ることができる。
以上のような工程を経る製造方法によれば、平面方向の焼成収縮が抑制されたセラミック層S1〜S6および底面にクラックがなく且つ形状や寸法精度の高いキャビティCを有するキャビティ付き多層セラミック基板K1を確実に製造することができる。
尚、前述した多数個取り用の大版のグリーンシートを用いて、前記積層体ssの形成工程、複合積層体fs1,fs2の形成工程、焼成工程、および焼成収縮抑制シートy1などの除去工程を行っても良い。この場合、上記除去工程の後、大版の多層セラミック基板の集合体を、例えばダイシング加工によって個別のキャビティ付き多層セラミック基板K1に分割する。また、内層焼成収縮抑制層YSの層数を増やしたり、その面積を広げることによって、前記図2〜4に示したキャビティ付き多層セラミック基板K2〜K4を製造することもできる。
尚、前述した多数個取り用の大版のグリーンシートを用いて、前記積層体ssの形成工程、複合積層体fs1,fs2の形成工程、焼成工程、および焼成収縮抑制シートy1などの除去工程を行っても良い。この場合、上記除去工程の後、大版の多層セラミック基板の集合体を、例えばダイシング加工によって個別のキャビティ付き多層セラミック基板K1に分割する。また、内層焼成収縮抑制層YSの層数を増やしたり、その面積を広げることによって、前記図2〜4に示したキャビティ付き多層セラミック基板K2〜K4を製造することもできる。
ここで本発明の具体的な実施例について比較例と併せて説明する。
ケイ酸、アルミナ、およびB2O3を主成分とするホウケイ酸系ガラス粉末とアルミナ粉末とを、重量比が60:40で且つ総重量1kgに秤量して、アルミナ製のポットに投入した。上記アルミナ粉末は、平均粒径:3μm、比表面積:1.0m2/gである。
上記ポット中に、アクリル樹脂系バインダ:120gと、適当なスラリ粘度およびシート強度を与えるのに必要な量の溶剤(MEK:メチルエチルケトン)と可塑剤(DOP:ジ・オクチル・フタレート)とを添加した後、5時間にわたり混合することで、セラミックスラリを得た。かかるスラリをドクターブレード法によって、厚みが150μmで且つ縦・横200mmずつの大版のグリーンシートに形成した。かかるグリーンシートを複数枚用意した。
ケイ酸、アルミナ、およびB2O3を主成分とするホウケイ酸系ガラス粉末とアルミナ粉末とを、重量比が60:40で且つ総重量1kgに秤量して、アルミナ製のポットに投入した。上記アルミナ粉末は、平均粒径:3μm、比表面積:1.0m2/gである。
上記ポット中に、アクリル樹脂系バインダ:120gと、適当なスラリ粘度およびシート強度を与えるのに必要な量の溶剤(MEK:メチルエチルケトン)と可塑剤(DOP:ジ・オクチル・フタレート)とを添加した後、5時間にわたり混合することで、セラミックスラリを得た。かかるスラリをドクターブレード法によって、厚みが150μmで且つ縦・横200mmずつの大版のグリーンシートに形成した。かかるグリーンシートを複数枚用意した。
また、前記と同じアルミナ粉末のみからなる2組のアルミナ粉末と、アルミナ粉末および30wt%または50wt%の前記と同じ種類のガラス粉末からなる複数組の混合粉末と、を用意した。上記アルミナ粉末または混合粉末に、前記同様のアクリル樹脂系バインダを個別に添加して、4種類のペーストおよび4種類のシートの焼成収縮抑制層を用意した。このうち、ペーストは印刷法により、所定の面積および厚みとし、シートは所定の面積として、それぞれ所要層数を用意した。
更に、前記と同じアルミナ粉末に、アクリル樹脂系バインダ、溶剤(MEK)、および可塑剤(DOP)を前記同様に添加し且つ混合してセラミックスラリを得ると共に、かかるスラリをドクターブレード法により、厚みが250μmの焼成収縮抑制シートを複数枚形成した。
更に、前記と同じアルミナ粉末に、アクリル樹脂系バインダ、溶剤(MEK)、および可塑剤(DOP)を前記同様に添加し且つ混合してセラミックスラリを得ると共に、かかるスラリをドクターブレード法により、厚みが250μmの焼成収縮抑制シートを複数枚形成した。
前記大版のグリーンシートのうち、一部について縦・横:3mm×3mmの貫通孔を縦方向と横方向とにそれぞれ6個ずつ合計36個穿孔した。かかる貫通孔付きのグリーンシート3枚と、貫通孔のないグリーンシート4枚とを積層して、9組の多数個取り用のキャビティ付きグリーンシート積層体を形成した。この際、キャビティの底面を形成するグリーンシートとこれに隣接するグリーンシートとの間あるいはその下方のグリーンシート間にペーストまたはシートの焼成収縮抑制層を所要層数で挟持した。
各組の内層焼成収縮抑制層の広さ、層数、形態、ガラス含有量、および厚みによって、表1に示すように、実施例1〜5および比較例1〜4に区分した。尚、表1中で、「内層の全面」とは、グリーンシートの面積と同じものである。
各例の3mm×3mmのキャビティ付きグリーンシート積層体の両面に、焼成収縮抑制シートをそれぞれ圧着して積層し、各例ごとに複合積層体を得た。
各例の複合積層体を図示しない焼成炉に入れ、前記グリーンシートの焼結温度(約900℃)で焼成した。焼成後の各例の複合積層体を25℃に30分以上保持した後、10℃の冷水中に浸漬して、未焼成の焼成収縮抑制シートを除去し、各例ごとにキャビティ付き多層セラミック基板(大版)を得た。
各例の3mm×3mmのキャビティ付きグリーンシート積層体の両面に、焼成収縮抑制シートをそれぞれ圧着して積層し、各例ごとに複合積層体を得た。
各例の複合積層体を図示しない焼成炉に入れ、前記グリーンシートの焼結温度(約900℃)で焼成した。焼成後の各例の複合積層体を25℃に30分以上保持した後、10℃の冷水中に浸漬して、未焼成の焼成収縮抑制シートを除去し、各例ごとにキャビティ付き多層セラミック基板(大版)を得た。
各例の上記多層セラミック基板について、36個のキャビティ全てを目視で観察した上、それらの底面にクラックが1箇所も発見されなかったものを「○なし」とし、1箇所でもクラックが発見されたものを「×有」として、表1に示した。
また、各例の上記多層セラミック基板を厚み方向に沿って切断し、内層焼成収縮抑制層がガラスの浸透を受けて内層焼成収縮抑制セラミック層となっていたものを「○良好」とし、内層焼成収縮抑制層中にアルミナ粉末が残っていたものを「×不良」として、表1に示した。
また、各例の上記多層セラミック基板を厚み方向に沿って切断し、内層焼成収縮抑制層がガラスの浸透を受けて内層焼成収縮抑制セラミック層となっていたものを「○良好」とし、内層焼成収縮抑制層中にアルミナ粉末が残っていたものを「×不良」として、表1に示した。
表1によれば、実施例1〜5のキャビティ付き多層セラミック基板は、キャビティの底面にクラックがなく、内層焼成収縮抑制層がガラスの浸透を受けて内層焼成収縮抑制セラミック層となっていた。これは、内層焼成収縮抑制層の面積がキャビティの底面とおなじか、これにより広く、厚みが全て30μm以下であったため、全てのキャビティでクラックが発生しなかった。また、実施例1〜5の内層焼成収縮抑制層は、ガラスを含まないか、グリーンシート中のガラス含有量よりも少なかったため、隣接するグリーンシートのガラスの一部が浸透し緻密化して、内層焼成収縮抑制セラミック層となった。この結果、形状および寸法精度が高いキャビティ付き多層セラミック基板を得ることができた。
一方、表1によれば、比較例1のキャビティ付き多層セラミック基板は、内層焼成収縮抑制層がなかったため、キャビティの底面にクラックが発生していた。
また、表1に示すように、比較例4のキャビティ付き多層セラミック基板は、内層焼成収縮抑制層の面積がキャビティの底面よりも狭かったため、キャビティの底面の内隅に沿ってにクラックが発生していた。
更に、表1に示すように、比較例2,3のキャビティ付き多層セラミック基板は、内層焼成収縮抑制層の厚みが100μmまたは50μmと厚肉であったため、焼成後の内層焼成収縮抑制層中のアルミナ粉末が残留していた。
以上のような実施例1〜5の結果により、本発明のキャビティ付き多層セラミック基板およびその製造方法における作用および効果が容易に理解されよう。
また、表1に示すように、比較例4のキャビティ付き多層セラミック基板は、内層焼成収縮抑制層の面積がキャビティの底面よりも狭かったため、キャビティの底面の内隅に沿ってにクラックが発生していた。
更に、表1に示すように、比較例2,3のキャビティ付き多層セラミック基板は、内層焼成収縮抑制層の厚みが100μmまたは50μmと厚肉であったため、焼成後の内層焼成収縮抑制層中のアルミナ粉末が残留していた。
以上のような実施例1〜5の結果により、本発明のキャビティ付き多層セラミック基板およびその製造方法における作用および効果が容易に理解されよう。
図9は、更に異なる形態のキャビティ付き多層セラミック基板K5の断面を示す。かかる基板K5は、図9に示すように、前記同様のセラミック層S1〜S3を積層したベースセラミック部分BSと、セラミック層S4,S7,S8を積層し、それらの内側で且つ各側面に段部d1,d2が階段状に位置するキャビティC′を有する表層セラミック部分HSと、を備えている。
上記ベースセラミック部分BSのうち、セラミック層S3の裏面24とセラミック層S2の表面25との間には、キャビティC′の底面23の面積よりも広いく且つ厚みが30μm以下の焼成収縮抑制セラミック層YSが挟持されている。
上記ベースセラミック部分BSのうち、セラミック層S3の裏面24とセラミック層S2の表面25との間には、キャビティC′の底面23の面積よりも広いく且つ厚みが30μm以下の焼成収縮抑制セラミック層YSが挟持されている。
また、図9に示すように、上記表層セラミック部分HSのうち、中層のセラミック層S7と下層のセラミック層S4との間で且つキャビティC′寄りの位置には、平面視で正方形または長方形を呈する枠形の焼成収縮抑制セラミック層YS′が挟持されている。更に、表層セラミック部分HSのセラミック層S4とベースセラミック部分BSのセラミック層3との間で且つキャビティC′寄りの位置にも、上記同様の枠形の焼成収縮抑制セラミック層YS′が挟持されている。かかる焼成収縮抑制セラミック層YS′の面積は、段部d1,d2を形成するセラミック層S4,S7間やセラミック層S7,S8間における水平方向の長さの差よりも長い幅寸法に基づいて設定されている。
図9に示すように、表層セラミック部分HSの表面21とベースセラミック部分BSの裏面22とには、前記同様の配線(表層電極)28,36が形成され、セラミック層S1〜S4,S7,S8間には、所定パターンの配線層29,31,33〜35が形成されている。配線28、配線層29,31,33〜35、および配線36間は、セラミック層S1〜S4,S7,S8を個別に貫通する前記同様のビア導体vを介して接続されている。尚、配線層29,31からは、段部d2,d1の上面に沿って配線(接続配線)30,32が延びている。
表層セラミック部分HSとベースセラミック部分BSを形成するセラミック層S1〜S4,S7,S8は、次述するように、それらに対応するグリーンシートを焼成する際に、表面21と裏面22とに隣接して積層した焼成収縮抑制シートにより平面方向における焼成収縮を予め抑制されている。また、上記焼成時に、セラミック層S2,S3となるグリーンシート間に前記面積で上記グリーンシートの焼結温度よりも高い焼結温度でガラス含有量の少ない内層焼成収縮抑制層YSが、上記セラミック層S2,S3から浸透したガラス成分を受け入れて、上記内層焼成収縮抑制セラミック層YSとなる。更に、セラミック層S7,S4,S3となるグリーンシート間に上記と同様で枠形の内層焼成収縮抑制層YS′が、ガラス成分を受け入れ、2つの内層焼成収縮抑制セラミック層YS′となる。
このため、平面方向の寸法精度に優れたセラミック層S1〜S4,S7,S8からなる表層セラミック部分HSおよびベースセラミック部分BSと、高い形状・寸法精度のキャビティC′とを備えたキャビティ付き多層セラミック基板K5となっている。従って、配線28、配線層29,31,33〜35、および配線36間の導通がビア導体vを介して確実に取れると共に、キャビティC′に実装する図示しないICチップと表面21の配線28、段部d1,d2上の配線30,32との間も、ワイヤなどを介して容易に接続可能となる。
図10は、前記キャビティC′を有するキャビティ付きグリーンシート積層体ssおよび複合積層体fsを得るための概略断面を示す。この積層体ssは、大きな貫通孔c1を有するグリーンシートs4、これよりもやや小さな貫通孔c2を有するグリーンシートs7、および最も小さな貫通孔c3を有するグリーンシートs8を、前記と同じグリーンシートs1〜s3の表面(23)上に積層するものである。尚、グリーンシートs7,s8も前記同様の材料および厚みを有する。
図10に示すように、グリーンシートs1〜s4,s7,s8の表面および裏面の少なくとも一方には、前記同様の導電性ペーストからなる配線層29,31,33〜35が所定パターンで形成され、且つ追って形成される上記積層体ssの表面21と裏面22とには、導電性ペーストからなる配線28,36が前記同様に配置されると共に、これらには導電性ペーストからなるビア導体vが接続されている。また、配線層29,31から追って段部d1,d2となるグリーンシートs4,s7の表面上に接続端子となる複数の配線30,32が延びている。
図10に示すように、グリーンシートs1〜s4,s7,s8の表面および裏面の少なくとも一方には、前記同様の導電性ペーストからなる配線層29,31,33〜35が所定パターンで形成され、且つ追って形成される上記積層体ssの表面21と裏面22とには、導電性ペーストからなる配線28,36が前記同様に配置されると共に、これらには導電性ペーストからなるビア導体vが接続されている。また、配線層29,31から追って段部d1,d2となるグリーンシートs4,s7の表面上に接続端子となる複数の配線30,32が延びている。
また、図10に示すように、グリーンシートs2の表面25とグリーンシートs3の裏面24との間には、グリーンシートs4の貫通孔c1、即ち前記キャビティC′の底面23よりも広い面積で且つ厚みが30μm以下のシート状の焼成収縮抑制層YSが配置される。更に、グリーンシートs4の表面27とグリーンシートs7の裏面26との間で且つ後者の貫通孔c2寄りの位置、およびグリーンシートs3の表面23とグリーンシートs4の裏面との間で且つ前者の貫通孔c1寄りの位置には、前記幅寸法を有し且つ厚みが30μm以下であるシート状の枠形の焼成収縮抑制層YS′がそれぞれ配置される。尚、焼成収縮抑制層YS,YS′は、ペーストでも良く、グリーンシートs2,s4の表面25,27上の所定位置に印刷法で形成しても良い。
更に、グリーンシートs1〜s4,s7,s8および焼成収縮抑制層YS,YS′を、図10に示す順序で積層して、キャビティ付きグリーンシート積層体ssを形成し、その表面21および裏面22(両面)に図10に示す焼成収縮抑制層y1,y2を積層して、前記図7に示したと同様な複合積層体fsを形成する。
更に、グリーンシートs1〜s4,s7,s8および焼成収縮抑制層YS,YS′を、図10に示す順序で積層して、キャビティ付きグリーンシート積層体ssを形成し、その表面21および裏面22(両面)に図10に示す焼成収縮抑制層y1,y2を積層して、前記図7に示したと同様な複合積層体fsを形成する。
そして、得られた複合積層体fsを前記同様に焼成した後、その表面21と裏面22とに位置する未焼結の焼成収縮抑制層y1,y2を前記同様にして除去する。その結果、前記図9に示したキャビティ付き多層セラミック基板K5を得ることができる。
尚、前述した多数個取り用の大版のグリーンシートを用いて、前記積層体ssの形成工程、複合積層体fsなどの形成工程、焼成工程、および焼成収縮抑制シートy1などの除去工程を行っても良い。この場合、上記除去工程の後、大版の多層セラミック基板の集合体を、例えばダイシング加工によって個別のキャビティ付き多層セラミック基板K5に分割する。また、内層焼成収縮抑制層YS,YS′の層数を増やしたり、その面積を広げることもできる。
尚、前述した多数個取り用の大版のグリーンシートを用いて、前記積層体ssの形成工程、複合積層体fsなどの形成工程、焼成工程、および焼成収縮抑制シートy1などの除去工程を行っても良い。この場合、上記除去工程の後、大版の多層セラミック基板の集合体を、例えばダイシング加工によって個別のキャビティ付き多層セラミック基板K5に分割する。また、内層焼成収縮抑制層YS,YS′の層数を増やしたり、その面積を広げることもできる。
本発明は、以上において説明した各形態に限定されるものではない。
例えば、前記配線層8などやビア導体vは、W、Mo、Cuなどの金属、またはAg−Cu、Cu−W、Ag−Pd、Ag−Ptなどの合金としても良く、前記各製造方法では、これらの金属粉末または合金粉末を含む導電性ペーストを用いる。
また、キャビティ付き多層セラミック基板K1〜K5の裏面2,22に位置する表層電極の配線14,36には、NiメッキおよびAuメッキした表面に、ハンダボールまたは導体ピンなどをハンダ付けしても良い。
更に、前記キャビティ付き多層セラミック基板K1〜K5には、複数のキャビティC,C′を形成しても良く、この場合、前記グリーンシートs4〜s6またはグリーンシートs4,s7,s8に複数の貫通孔cなどを予め開設しておく。
例えば、前記配線層8などやビア導体vは、W、Mo、Cuなどの金属、またはAg−Cu、Cu−W、Ag−Pd、Ag−Ptなどの合金としても良く、前記各製造方法では、これらの金属粉末または合金粉末を含む導電性ペーストを用いる。
また、キャビティ付き多層セラミック基板K1〜K5の裏面2,22に位置する表層電極の配線14,36には、NiメッキおよびAuメッキした表面に、ハンダボールまたは導体ピンなどをハンダ付けしても良い。
更に、前記キャビティ付き多層セラミック基板K1〜K5には、複数のキャビティC,C′を形成しても良く、この場合、前記グリーンシートs4〜s6またはグリーンシートs4,s7,s8に複数の貫通孔cなどを予め開設しておく。
1,21…………………表面
2,22…………………裏面
3,23…………………キャビティの底面/ベースセラミック部分の表面
s1〜s8………………グリーンシート
c,c1〜c3…………貫通孔
ss………………………キャビティ付きグリーンシート積層体(積層体)
C,C′…………………キャビティ
BS………………………ベースセラミック部分
HS………………………表層セラミック部分
YS,YS′……………内層焼成収縮抑制セラミック層/内層焼成収縮抑制層
d1,d2………………段部
y1〜y3………………焼成収縮抑制シート
fs1,fs2,fs…複合積層体
K1〜K5………………キャビティ付き多層セラミック基板
2,22…………………裏面
3,23…………………キャビティの底面/ベースセラミック部分の表面
s1〜s8………………グリーンシート
c,c1〜c3…………貫通孔
ss………………………キャビティ付きグリーンシート積層体(積層体)
C,C′…………………キャビティ
BS………………………ベースセラミック部分
HS………………………表層セラミック部分
YS,YS′……………内層焼成収縮抑制セラミック層/内層焼成収縮抑制層
d1,d2………………段部
y1〜y3………………焼成収縮抑制シート
fs1,fs2,fs…複合積層体
K1〜K5………………キャビティ付き多層セラミック基板
Claims (9)
- 複数のセラミック層を積層したベースセラミック部分と、かかるベースセラミック部分の表面上に形成され且つ内側に表面と裏面との間を貫通するキャビティを有する表層セラミック部分とからなり、平面方向の焼成収縮を抑制されて焼結されたキャビティ付きセラミック基板において、
上記ベースセラミック部分のうち少なくとも上記キャビティの底面を形成するセラミック層とこれに隣接するセラミック層との間に、上記キャビティの底面の面積と同じか、あるいはその底面の面積よりも広い内層焼成収縮抑制セラミック層が形成されている、ことを特徴とするキャビティ付き多層セラミック基板。 - 前記表層セラミック部分は、複数のセラミック層からなり且つ前記キャビティにはかかる複数のセラミック層間の段部が形成されていると共に、
上記複数のセラミック層のうち下層側のセラミック層と表層側のセラミック層との間で且つ前記キャビティ寄りの位置に枠形の内層焼成収縮抑制セラミック層が更に形成されている、請求項1に記載のキャビティ付き多層セラミック基板。 - 前記内層焼成収縮抑制セラミック層および前記枠形の内層焼成収縮抑制セラミック層は、アルミナとガラスとの混合物が緻密化したものである、
請求項1または2に記載のキャビティ付き多層セラミック基板。 - 前記内層焼成収縮抑制セラミック層および前記枠形の内層焼成収縮抑制セラミック層の前記ガラス含有量は、前記ベースセラミック部分のセラミック層および前記表層セラミック部分またはかかる表層セラミック基板を構成するセラミック層のガラス含有量よりも少ない、
請求項1乃至3の何れか一項に記載のキャビティ付き多層セラミック基板。 - 表面および裏面を有する複数のグリーンシートと、かかる複数のグリーンシートの表面上方に配置され、且つ表面および裏面を有し、内側にかかる表面と裏面との間を貫通する貫通孔を有する単数または複数の貫通孔付きグリーンシートと、上記複数のグリーンシートのうち少なくとも上記貫通孔の底面に露出するグリーンシートとこれに隣接するグリーンシートとの間で且つ上記貫通孔の底面と同じかこの底面よりも広く焼結温度が上記グリーンシートよりも高い内層焼成収縮抑制層と、を積層する工程を、含む、
ことを特徴とするキャビティ付き多層セラミック基板の製造方法。 - 前記積層工程の後に、
前記内層収縮抑制層を含む複数のグリーンシートと貫通孔付きグリーンシートとの積層体の両面に、これらのグリーンシートの焼成温度よりも高い焼結温度の焼成収縮抑制シートを積層する工程と、
上記複数のグリーンシート、貫通孔付きグリーンシート、および両面の焼成収縮抑制シートからなる複合積層体を、上記グリーンシートの焼結温度で焼成する工程と、
焼成後の上記複合積層体の両面に位置する未焼結の焼成収縮抑制シートを除去する工程と、を有する、
請求項5に記載のキャビティ付き多層セラミック基板の製造方法。 - 前記貫通孔付きグリーンシートは、複数のグリーンシートからなり且つ前記貫通孔にはかかる複数のグリーンシート間の段部が形成されていると共に、上記複数のグリーンシートのうち下層側のグリーンシートと表層側のグリーンシートとの間で且つ上記貫通孔寄りの位置に枠形の内層焼成収縮抑制層が更に配置されている、
請求項5または6に記載のキャビティ付き多層セラミック基板の製造方法。 - 前記グリーンシートは、アルミナおよびガラスを含み、前記焼成内層収縮抑制層または枠形の内層焼成収縮抑制層は、アルミナのみ、あるいはアルミナおよびガラスを含み且つかかるガラス含有量は上記グリーンシートのガラス含有量よりも少ない、
請求項5乃至7の何れか一項に記載のキャビティ付き多層セラミック基板の製造方法。 - 前記焼成内層収縮抑制層または枠形の内層焼成収縮抑制層は、30μm以下の厚みである、
請求項5乃至8の何れか一項に記載のキャビティ付き多層セラミック基板の製造方法。
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