JP5034660B2 - セラミック基板の製造方法、セラミック基板、および電子装置 - Google Patents

セラミック基板の製造方法、セラミック基板、および電子装置 Download PDF

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Description

本発明はセラミック基板の製造方法、セラミック基板、および電子装置、詳しくは、セラミック基板本体に配設された抵抗がオーバーコートガラスで覆われた構造を有するセラミック基板の製造方法、該製造方法により製造されるセラミック基板、および該セラミック基板に電子部品を実装することにより形成される電子装置に関する。
例えば、多層セラミック基板を製造する方法の1つとして、未焼成のセラミック積層体の上下両主面側に、該未焼成のセラミック積層体を焼成する温度では実質的に焼結しないセラミック材料からなる収縮抑制用グリーンシートを積層圧着し、得られた複合積層体を焼成することにより、セラミック積層体が平面方向に収縮することを抑制して、寸法精度が高く、信頼性の高い多層セラミック基板を得る方法(無収縮工法)がある。
また、セラミック基板には、基板表面に抵抗を配設し、この抵抗をオーバーコートガラスで被覆した構造を有するセラミック基板がある。
そして、このような抵抗をオーバーコートガラスで被覆した構造を有するセラミック基板の製造方法として、以下に説明するような方法が提案されている(特許文献1参照)
この方法は、
(1)ガラスセラミックグリーンシートの複数枚を積層した積層体の表面または裏面に、導体パターン、抵抗パターンおよびオーバーコートガラスパターンを形成する工程、
(2)積層体の両面に難焼結性無機材料とガラスとを含む拘束グリーンシート(収縮抑制用グリーンシート)を積層する工程、
(3)積層体から有機成分を除去し、次に焼成して拘束シートを保持したガラスセラミックス焼結体を形成する工程、
(4)焼結体から拘束シートを除去する工程
を備えた方法であって、オーバーコートガラスに含まれるガラス成分の軟化温度を、抵抗およびガラスセラミックグリーンシートに含まれるガラス成分の軟化温度よりも高くするようにしたことを特徴としている。
この方法によれば、確かに、オーバーコートガラスに含まれるガラス成分の軟化温度を、抵抗体およびガラスセラミックグリーンシートに含まれるガラス成分の軟化温度よりも高くしているので、通常は、オーバーコートガラスの収縮開始温度が抵抗体の収縮開始温度よりも高くなり、収縮開始のタイミングも、オーバーコートガラスの方が後になるので、基板を構成する基材用セラミック層に接している抵抗体の周辺の基材用セラミック層へのクラックや空孔の発生を抑制する効果を得ることができる。
しかしながら、特許文献1の場合、抵抗温度特性を調整するために、抵抗形成用の抵抗ペーストに添加される添加剤や、RuO2などの配合割合などの影響で、熱挙動が変動し、例えば、オーバーコートガラスに用いるガラスペースト中のガラス成分の軟化温度が、抵抗ペースト中のガラス成分の軟化温度よりも高くても、オーバーコートガラスに用いるガラスペーストの軟化点が、抵抗ペーストの軟化点よりも低くなってしまう場合があり、必ずしも確実に上記問題点を解決することができず、場合によっては、基材用セラミック層に接している抵抗ペーストが収縮して、抵抗ペーストの周辺の基材用セラミック層に空孔やクラックが発生するという問題点がある。
また、オーバーコートガラスのガラス成分の軟化温度を、グリーンシートおよび抵抗を構成するガラス成分の軟化温度よりも高くした場合、形成されるオーバーコートガラスは、緻密性が不十分で、表面が粗くなりやすく、めっき付き性や抵抗のトリミング性の劣化などの問題が生じやすくなる傾向がある。さらには、緻密性が低く、めっき液を透過させやすいため、めっき耐性が不十分になりやすいという問題点がある。
特開2005−39164号公報
本発明は、上記課題を解決するものであり、基板表面に形成された抵抗がオーバーコートガラスで確実に被覆され、かつ、抵抗の周囲領域に、製品の特性を損なうような空隙やクラックが生じず、信頼性の高いセラミック基板を確実に製造することが可能なセラミック基板の製造方法、該セラミック基板の製造方法により製造することが可能な信頼性の高いセラミック基板、および該セラミック基板を用いた電子装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本願請求項1のセラミック基板の製造方法は、
セラミック層が積層された積層構造を有するセラミック基板本体と、前記セラミック基板本体の少なくとも一方主面に配設された抵抗と、前記抵抗を覆うように配設された第1のオーバーコートガラスと、前記第1のオーバーコートガラスを覆うように配設された第2のオーバーコートガラスとを備えたセラミック基板の製造方法であって、
(a)複数のセラミックグリーンシートを積層することにより形成された積層体であって、一方主面には抵抗膜が形成され、
前記抵抗膜を覆うように、焼成工程における収縮開始温度が、前記抵抗膜の収縮開始温度より高い第1のガラス膜が形成され、
前記第1のガラス膜を覆うように、前記第1のガラス膜を構成するガラス材料よりめっき耐性が大きいガラス材料を含み、かつ、焼成工程における収縮開始温度が、前記第1のガラス膜よりも低い第2のガラス膜が形成され、かつ、
少なくとも前記一方主面に前記セラミックグリーンシートを焼成する温度では実質的に焼結しないセラミック材料からなる収縮抑制用グリーンシートが配置された積層体を準備する工程と、
(b)前記積層体を、前記セラミックグリーンシートが焼結し、前記収縮抑制用グリーンシートが実質的に焼結しない温度で焼成する工程と、
(c)焼成工程が終了した後、前記収縮抑制用グリーンシートが実質的に焼結することなく残った収縮抑制層を除去する工程と
を備えていることを特徴としている。
また、請求項2のセラミック基板の製造方法は、請求項1の発明の構成において、前記セラミックグリーンシートがガラス材料を含有し、かつ、前記セラミックグリーンシートに含まれるガラス材料が、前記第1のガラス材料を構成するガラスと同じ系のガラス材料であることを特徴としている。
また、請求項3のセラミック基板の製造方法は、請求項1または2の発明の構成において、前記積層体を準備する工程において、前記第2のガラス膜を、前記第1のガラス膜全体を覆うように形成することを特徴としている。
また、請求項4のセラミック基板の製造方法は、請求項1〜3のいずれかの発明の構成において、前記第1のガラス材料が、ホウケイ酸系ガラスを含むものであり、かつ、前記第2のガラス材料が、SiO2−B23−K2Oを含むものであることを特徴としている。
また、請求項5のセラミック基板の製造方法は、請求項1〜4のいずれかの発明の構成において、前記積層体が、前記抵抗膜に接続されるターミネート電極用の一対の電極膜を備え、かつ、前記第1のガラス膜が、少なくとも前記抵抗膜および前記抵抗膜と前記一対の電極膜との接続部を覆い、第2のガラス膜が、前記第1のガラス膜の全体を覆うように形成されていることを特徴としている。
また、請求項6のセラミック基板の製造方法は、請求項1〜5のいずれかの発明の構成において、
前記(a)の前記積層体を準備する工程が、
前記積層体の表面に導体膜を形成する工程と、
前記(c)の前記収縮抑制層を除去する工程の後に、前記導体膜が焼結することにより形成された導体部の表面にめっき膜を形成する工程と
を備えることを特徴としている。
また、請求項7のセラミック基板は、
複数のセラミックグリーンシートを積層した積層体を焼成することにより形成されたセラミック基板本体と、
抵抗膜を焼成することにより、前記セラミック基板本体の一方主面に形成された抵抗と、
前記抵抗膜の収縮開始温度よりも収縮開始温度の高い第1のガラス膜を焼成することにより形成され、前記抵抗を覆うように配設された第1のオーバーコートガラスと、
前記第1のオーバーコートガラスを構成するガラス材料よりめっき耐性が大きいガラス材料を含み、かつ、焼成工程における収縮開始温度が、前記第1のガラス膜よりも低い第2のガラス膜を焼成することにより形成され、前記第1のオーバーコートガラスを覆うように配設された第2のオーバーコートガラスと
を備えたセラミック基板であって、
前記セラミック基板本体と、前記抵抗と、前記第1のオーバーコートガラスと、前記第2のオーバーコートガラスとが、全体を同時焼成することにより形成されたものであること
を特徴としている。
また、請求項8の電子装置は、請求項7に記載のセラミック基板と、前記セラミック基板に実装された電子部品とを具備することを特徴としている。
本願請求項1のセラミック基板の製造方法においては、第1のガラス膜として、抵抗膜の収縮開始温度よりも、収縮開始温度が高いガラス膜を用いるようにしているので、収縮抑制用グリーンシートによる収縮抑制効果とともに、オーバーコートガラスによる収縮抑制効果を得ることが可能になり、セラミック基板本体の抵抗の周囲の領域に空孔やクラックなどが発生することを防止することができる。
さらに、第1のオーバーコートガラス膜を覆うように、第1のオーバーコートガラスを構成するガラス材料よりめっき耐性が大きいガラス材料を含み、かつ、焼成工程における収縮開始温度が、第1のガラス膜よりも低い第2のオーバーコートガラスを形成するようにしているので、オーバーコートガラスのめっき耐性を向上させることが可能になり、信頼性の高いセラミック基板を確実に製造することが可能になる。
なお、第2のオーバーコートガラスに含まれる、第1のオーバーコートガラスを構成するガラス材料よりめっき耐性が大きいガラス材料とは、例えば、SiO2−B23−K2Oを含むガラスなど、軟化温度がそれほど高くなく、焼成後に形成されるガラス層として、第1のオーバーコートガラスとの密着性、緻密性などに優れ、めっき液を透過させないようなガラス層を形成することが可能なガラス材料を意味するものであり、そのような機能を有する種々の材料を用いることが可能である。
そして、そのようなガラス材料を含む第2のオーバーコートガラスを、第1のオーバーコートガラスを覆うように形成することにより、オーバーコートガラスのめっき耐性や、表面の緻密性、平滑性などに関し、第1のオーバーコートガラスの特性を補完して、めっき耐性に優れ、抵抗の周辺に空孔やクラックの発生がなく、信頼性の高いセラミック基板を確実に製造することが可能になる。
すなわち、第1のオーバーコートガラスに、抵抗膜よりも収縮開始温度が高い第1のガラス膜を用いた場合、焼成により形成されるオーバーコートガラスの緻密性が不十分で、表面が粗くなりやすく、めっき付き性やトリミング性の劣化などの問題を生じる。さらには、収縮開始温度が高い第1のガラス膜を用いて形成した第1のオーバーコートガラスは緻密性が低く、めっき液を透過させやすいため、めっき耐性が悪いという問題がある。これに対し、第2のオーバーコートガラスに、第1のガラス膜を構成するガラス材料よりめっき耐性が大きいガラス材料を含む第2のガラス膜を用いることにより、第2のオーバーコートガラスに、第1のオーバーコートガラスの、緻密性、めっき付き性、めっき耐性などの特性を補完する機能を果たさせることが可能になり、上述のような問題点のない信頼性の高いセラミック基板を得ることが可能になる。
また、請求項2のセラミック基板の製造方法の場合、セラミックグリーンシートがガラス材料を含有していることから、低温で焼結させることが可能になるとともに、セラミックグリーンシートに含まれるガラス材料が、第1のガラス材料を構成するセラミックに含まれているガラスと同じ系のガラス材料であることから、セラミック基板本体との密着性が良好なオーバーコートガラスを備えたセラミック基板を得ることが可能になる。
また、請求項3のセラミック基板の製造方法のように、第2のガラス膜膜を、第1のガラス膜全体を覆うように形成することにより、第2のオーバーコートガラスにより、第1のオーバーコートガラス全体が覆われた、より信頼性の高いセラミック基板を得ることが可能になる。
また、請求項4のセラミック基板の製造方法のように、第1のガラス材料として、ホウケイ酸系ガラスを含むものを用い、第2のガラス材料として、SiO2−B23−K2Oを含むものを用いることにより、収縮開始温度が高く、セラミック基板本体との密着性が良好であるが、めっき耐性が低くなりやすい第1のオーバーコートガラスの特性を、めっき耐性が大きい第2のオーバーコートガラスにより確実に補完して、セラミック基板本体への密着性が良好で、メッキ耐性の大きいオーバーコートガラスを備えたセラミック基板を確実に製造することができる。
また、請求項5のセラミック基板の製造方法のように、積層体を、抵抗膜に接続される一対のターミネート電極用の一対の電極膜を備えた構成とし、第1のガラス膜で、少なくとも抵抗膜および抵抗膜と一対の電極膜との接続部を覆うとともに、第2のガラス膜で、第1のガラス膜の全体を覆うようにしているので、抵抗、および、それと接続する一対のターミネート電極を備えたセラミック基板であって、セラミック基板本体への密着性が良好で、メッキ耐性の大きいオーバーコートガラスを備えた、信頼性の高いセラミック基板を確実に製造することができる。
また、請求項6のセラミック基板の製造方法のように、積層体を準備する工程において、積層体の表面に導体膜形成しておき、焼成後に収縮抑制層を除去した後、導体膜が焼結することにより形成された導体部の表面にめっき膜を形成するようにした場合、導体部のめっき付き性が良好で、導通信頼性に優れたセラミック基板を得ることが可能になる。なお、このセラミック基板においては、オーバーコートガラスが高いめっき耐性を備えているため、めっき工程でめっき液の浸透などによる特性の劣化を引き起こすことがない。
また、請求項7のセラミック基板は、上述のように、セラミック基板本体と、セラミック基板本体の一方主面に配設された抵抗と、抵抗を覆うように配設された第1のオーバーコートガラス、第1のオーバーコートガラスを構成するガラス材料よりめっき耐性が大きいガラス材料を含み、かつ、焼成工程における収縮開始温度が、前記第1のガラス膜よりも低い第2のガラス膜を焼成することにより形成され、第1のオーバーコートガラスを覆うように配設された第2のオーバーコートガラスとを備えており、第1のオーバーコートガラスの作用効果と、第1のオーバーコートガラスの特性を補完するように配設された第2のオーバーコートガラスの作用効果により、抵抗の周辺に空孔やクラックの発生がなく、めっき耐性に優れ、緻密性、めっき付き性、抵抗のトリミング性などの特性に優れたセラミック基板を提供することができる。
また、請求項8の電子装置は、本発明のセラミック基板上に、電子部品を搭載したものであり、本発明によれば、信頼性の高い電子装置を提供することが可能になる。
以下に本発明の実施例を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
図1は、本願発明の一実施例にかかるセラミック基板を示す断面図、図2は、図1のセラミック基板に電子部品(表面実装部品)を実装することにより形成された電子装置の構成を示す断面図である。
この実施例のセラミック基板は、図1に示すように、セラミック基板本体1の内部に、回路形成用の面内導体21、および、面内導体21を層間接続するためのビアホール導体22を備えている。
また、セラミック基板本体1の下面(一方主面)1aには、一対のターミネート電極24a,24bと導通するように抵抗15が配設されているとともに、セラミック基板本体1の上面1bには表面導体23が配設されている。そして、抵抗15は、第1のオーバーコートガラス11,および第2のオーバーコートガラス12により被覆されている。なお、複数のビアホール導体22のうち、一部のビアホール導体22(サーマルビアホール導体22a)はセラミック基板本体1の上面1bから下面1aにまで貫通するように配設されており、放熱機能を果たすように構成されている。
また、本発明の電子装置は、図2に示すように、図1のセラミック基板を構成するセラミック基板本体1の上面1b側に、表面導体23と接続するように表面実装部品25a,25b,25cを配設することにより形成されている。
次に、このセラミック基板の製造方法について説明する。
[セラミック基板の作製]
(1)SiO2、Al23、B23、およびCaOを混合した結晶化ガラス粉末と、アルミナ粉末を等重量比率で混合して混合粉末を得た。
(2)それから、得られた混合粉末100重量部に、ポリビニルブチラール15重量部、イソプロピルアルコール40重量部、およびトロール20重量部を加え、ボールミルで24時間混合してスラリーとした。
(3)このスラリーをドクターブレード法により延ばして厚さ120μmのセラミック基板本体用のセラミックグリーンシートを作製した。なお、セラミックグリーンシートとしては厚みが100〜300μmの範囲のものを用いることが望ましい。
なお、セラミック基板本体用のセラミックグリーンシートを構成するガラス粉末としては、上記のSiO2−Al23−B23−CaO系ガラスの他にも、SiO2−MgO−Al23系ガラス、SIO2−BaO−Al23系ガラスなど、一般的にセラミック多層基板に用いられる種々のガラス材料を用いることが可能である。
また、セラミック基板本体用のセラミックグリーンシートに用いられるセラミック粉末として、この実施例では上述のようにアルミナ粉末を用いているが、セラミック粉末は、アルミナ粉末に限らず、ムライト、スピネル、石英、ジルコニア等、一般的にセラミック多層基板として用いられる種々のセラミック粉末を用いることが可能である。
また、この実施例では、ガラス粉末とセラミック粉末の混合比を1:1としているが、ガラス粉末とセラミック粉末の混合比は、所定の焼成温度にて焼結させることが可能な範囲で、任意の混合比とすることができる。ただし、ガラス粉末の割合が多すぎると、収縮抑制層との反応層が広がり、焼成後に収縮抑制層が除去できなくなる場合がある。また、セラミック粉末の割合が多すぎると、所定温度での焼成で焼結不良となり、得られるセラミック基板の機械的強度が低下したり、絶縁耐圧が低下する場合がある。したがって、ガラス粉末とセラミック粉末の混合比は、セラミック基板本体用のセラミックグリーンシートの固形分として用いられるガラス粉末およびセラミック粉末の種類によって制約されることになる。
また、セラミック基板本体用のセラミックグリーンシートに用いることが可能なバインダ(樹脂)としては、ブチラール系樹脂、アクリル系樹脂、その他一般的にセラミックグリーンシートを作製する際に用いられる種々の樹脂を用いることが可能である。
(4)それから、上記(3)の工程で作製したセラミックグリーンシートの各層に、必要に応じて層間接続用の貫通孔の形成加工、および該貫通孔への導体ペースト(導電性ペースト)の充填を行うとともに、セラミックグリーンシートの表面に、面内導体となる導体ペーストを、スクリーン印刷法により印刷した。
上記の貫通孔に充填する導体ペーストおよび面内導体用の導体ペーストとしては、いずれも、Ag粉末83重量%、プロピレングリコールフェニルエーテル・テキサノール15重量%、エチルセルロース2重量%を混合することにより作製した導体ペーストを用いた。ただし、貫通孔に充填する導体ペーストと面内導体用の導体ペーストを異なる種類のものとすることも可能である。
なお、面内導体は、厚みが20μmとなるようにした。
(5)また、ランド電極となる表面導体を形成すべき、表層用のセラミックグリーンシートについては、必要に応じて層間接続用の貫通孔の形成加工、および該貫通孔への導体ペーストの充填を行った後、表面に、表面導体形成用の導体ペーストをスクリーン印刷法により印刷した。なお、導体ペーストとしては、上記(4)の工程で用いた導体ペーストと同じ導体ペーストを用いた。
ただし、上記(4)の工程で用いた導体ペーストと異なる種類の導体ペーストを用いることも可能である。
また、表層用のセラミックグリーンシートについても、貫通孔に充填される導体ペーストと面内導体用の導体ペーストを、異なる種類のものとすることも可能である。
なお、表面導体は、導体ペーストを用いて形成する場合に限られるものではなく、例えば金属箔を用いて形成したり、インクジェット法により導体材料を吹き付けて形成したりすることも可能である。
(6)また、抵抗が形成される表層用のセラミックグリーンシートについても、必要に応じて層間接続用の貫通孔の形成加工、および該貫通孔への導体ペーストの充填を行った。
そして、図3に示すように、積層体を構成する表層用のセラミックグリーンシート110の表面に、抵抗ペーストを塗布して抵抗パターン(抵抗膜)115を形成した。
抵抗パターン115は、焼成後に形成される抵抗15の厚みが8μmとなるように調整した。なお、焼成後の抵抗15の厚みは、通常5〜12μmとすることが好ましい。厚みが5μm未満の場合、全体を同時焼成した場合に、セラミック基板本体用のセラミックグリーンシートからのガラス拡散の影響を受けやすく、抵抗値変動が大きくなる。また、焼成後の抵抗の厚みが12μmを超えると、レーザーによるトリミングが困難になり、また、後述のオーバーコートガラスの厚みにも影響する。
なお、抵抗ペーストには、特に制約はないが、通常、RuO2粉末とガラス粉末を配合したものにバインダーを添加して混練したものなどが好ましい材料として例示される。なお、MnO、TiO2、CuOなどを添加して抵抗の温度特性を調整することも可能であるが、その添加量は、無機粉末(RuO2粉末とガラス粉末の合計量)100重量部に対して、MnOは1〜15重量部の範囲、TiO2は1.5重量部以下、CuOは3〜10重量部の範囲とすることが好ましい。
また、バインダとしてエチルセルロースを用いることができるが、その添加量は、上述の無機粉末100重量部に対して10〜13重量部であることが好ましい。
(7)それから、図3に示すように、各抵抗パターン115の一部から表層用のセラミックグリーンシート110に至るように、導体ペーストをスクリーン印刷法により印刷して、ターミネート電極用の一対の電極パターン(電極膜)124a,124bを形成した。
ターミネート電極形成用の導体ペーストとしては、金属粉末(Ag粉末)85重量%、プロピレングリコールフェニルエーテル・テキサノール13重量部、エチルセルロース2重量部を配合したものを用いた。この導体ペーストは、面内導体や表面導体、ビアホール導体などを形成するための導体ペーストと同じものであってもよく、また、異なるものであってもよい。
(8)次に、図3に示すように、上記抵抗膜115を覆うように、焼成工程における収縮開始温度が、抵抗ペーストの収縮開始温度より高い第1のガラスペーストを塗布することにより、第1のオーバーコートガラス11となる第1のガラス膜111を形成した。
さらに、図3に示すように、第1のガラス膜111を覆うように、第1のオーバーコートガラスを構成するガラス材料よりめっき耐性が大きいガラス材料を含む第2のガラスペーストを塗布することにより、第1のガラス膜111上に、第2のオーバーコートガラス12となる第2のガラス膜112を形成した。
この実施例では、焼成後の第1のオーバーコートガラス11の厚みが8μm、焼成後の第2のオーバーコートガラスの12の厚みが7μmとなるように、第1および第2のガラス膜111,112を形成した。
なお、第1のオーバーコートガラス11となるガラス膜111の膜厚は、焼成後に形成される第1のオーバーコートガラス11の厚みが5μm以上となるような膜厚とすることが望ましい。
第1のオーバーコートガラス11の厚みが5μm以上であると、オーバーコートガラス11中のポアが少なくなり好ましい。
また、第1のオーバーコートガラスの厚みは、後述の第2のオーバーコートガラスの厚みと合計で20μm以下であることが好ましい。20μm以下であると、焼成後のレーザーによるトリミングを容易に行うことができる。
また、第1のオーバーコートガラスとなるガラス膜に用いられる第1のガラス材料としては、平均粒径(D50)が、0.7〜5.0μmの範囲のものを用いることが望ましい。
また、第2のオーバーコートガラス12となるガラス膜112は、焼成後に形成される第2のオーバーコートガラス12の厚みが5〜10μmとなるような膜厚とすることが望ましい。第2のオーバーコートガラス12の厚みが5μm以上であると、より確実にめっき耐性を得ることができる。
また、第2のオーバーコートガラスの厚みは、上述のとおり、第1のオーバーコートガラスの厚みと合計で20μm以下であることが好ましい。20μm以下であると、焼成後のレーザーによるトリミングを容易に行うことができる。
また、第2のオーバーコートガラスとなる第2のガラス材料としては、平均粒径(D50)が、0.7〜5.0μmの範囲のものを用いることが望ましい。
なお、第1のオーバーコートガラスに用いられる第1のガラス材料としては、例えば、SiO2−B23−CaO−Al23系ガラス(ホウケイ酸系ガラス)を用いることができるが、その場合、SiO2:25〜55重量%、B203:15重量%以下、CaO:20重量%以下、Al2O3:12重量%以下のものを用いることが望ましい。
また、第2のオーバーコートガラスに用いられる第2のガラス材料としては、SiO2−B23−K2O系ガラスや、SiO2−B23−CaO−Al23−K2O系ガラスなどのガラス材料を用いることが望ましい。
また、第2のオーバーコートガラスとして、第1のオーバーコートガラスと同じ系のガラスを用いる場合、第2のオーバーコートガラスの成膜性およびめっき耐性を高める見地から、特にCaの割合が少ないものを用いることが望ましい。
また、第2のオーバーコートガラス12は、図3に示すように、第1のオーバーコートガラス11の主面全面を覆うのが好ましい。
なお、図4に示すように、第2のオーバーコートガラス12を、第1のオーバーコートガラス11の表面(主面)および側面も含めた全体を覆うように(すなわち、第1のオーバーコートガラス11の主面からターミネート電極24a,24bの表面にまで達するように)形成することにより、めっき耐性をより確実に向上させることができて好ましい。
(9)それから、上記加工を施したセラミックグリーンシートを適宜組み合わせて積層し、積層数が10層の積層体を形成した後、圧力50MPa、温度60℃で加圧密着させて未焼成の積層体(セラミック積層体)100(図5)を形成した後、図5に示すように、この未焼成の積層体100の両主面に、セラミックグリーンシートの焼成温度では実質的に焼結しないセラミック材料からなる収縮抑制用グリーンシート102を配置して圧着し、900℃、1時間の条件で、積層体100を、その主面に平行な方向への収縮を防止しつつ焼成した。
なお、収縮抑制用グリーンシート102としては、例えば、難焼結性のセラミック材料であるAl23粉末(100重量部)に対して水50重量部、ポリビニルアルコール20重量部、ポリカルボン酸系分散剤1重量部を混合して作製したスラリーをドクターブレード法などの方法によりシート状に成形した、厚さ300μm程度のグリーンシートなどが用いられる。
また、収縮抑制用グリーンシートを構成する難焼結性のセラミック材料としては、セラミック基板本体用のセラミックグリーンシートの焼成温度では焼結せず、かつ、焼成工程でセラミック多層基板の平面方向における収縮を抑制することが可能で、焼成後にセラミック基板から剥離しやすい種々の材料を用いることが可能であり、通常は、この実施例で用いたアルミナ粉末や、ジルコニア粉末などが用いられる。
収縮抑制用グリーンシートに用いることが可能なバインダ(樹脂)としては、ブチラール系樹脂、アクリル系樹脂、その他一般的にセラミックグリーンシートを作製する際に用いられる種々の樹脂を用いることが可能である。
(10)そして、収縮抑制用グリーンシートが実質的に焼結することなく残った収縮抑制層を除去した後、表面導体23、ターミネート電極24a,24bの表面に、厚みが最小で4μmのNiめっきを施し、さらにその上にAu、もしくはPd+Auのめっきを施すことにより、図1に示すように、多層構造を有し、表面に抵抗15が配設され、抵抗15上に第1および第2の2層のオーバーコートガラス11,12が形成されたセラミック基板1を得た。
得られたセラミック基板の、オーバーコートガラスと、抵抗の周囲を観察したところ、
(a)抵抗15の周囲の空孔やクラック認められず、
(b)第2のオーバーコートガラス12の表面は緻密であること
が確認された。
また、このセラミック基板について、−55℃までの冷却と+150℃までの加熱を1000サイクル繰り返す負荷試験を行った後、レッドチェック浸透液によるチェック、および、断面観察を行ったところ、抵抗15と第1のオーバーコートガラス11との界面、および抵抗15と第2の一方のオーバーコートガラス12との界面に亀裂の発生は認められなかった。
これは、表面が緻密で、かつめっき耐性に優れた第2のオーバーコートガラスで、第1のオーバーコートガラスを覆うことにより、ガラス層全体としての厚みをそれほど大きくすることなく、表面の平滑性に優れ、ピンホールがなく、めっき液が浸透しにくいオーバーコートガラス層が形成されることによるものである。
そして、図1のセラミック基板に、表面導体23と接続するように表面実装部品25a,25b,25c(図2)を実装することにより、図2に示すように、表面実装部品が実装された電子装置が得られる。
[評価]
表1に示すような割合で、RuO2、ガラス粉末、添加剤(MnO2、CuO)、およびエチルセルロースを配合して抵抗ペーストを作製した。
なお、添加剤とエチルセルロースの添加割合は、無機粉末(RuO2粉末とガラス粉末の合計量)100重量部に対する割合(重量部)である。
また、抵抗ペーストを構成するガラス粉末の組成を表2に示す。
Figure 0005034660
Figure 0005034660
なお、表1に示すように、各抵抗ペーストの収縮開始温度は、
R1 : 578℃
R2 : 612℃
R3 : 623℃
R4 : 640℃
R5 : 650℃
R6 : 733℃
である。
また、表3に示すような割合で、各成分を配合して、第1のオーバーコートガラス用のガラスペースト(第1のガラスペースト)を作製した。
Figure 0005034660
なお、表3に示すように、この第1のガラスペーストの収縮開始温度は、675℃である。
また、第2のオーバーコートガラス用のガラスペースト(第2のガラスペースト)として、各成分を表4および5に示すような割合で配合して、OG2−A(表4)と、OG2−B(表5)の2種類のガラスペーストを作製した。なお、この第2のガラスペーストを構成するガラス材料(OG2−A(表4)、OG2−B(表5))は、第1のガラスペーストを構成するガラス材料よりも、めっき耐性に優れたガラス材料である。
Figure 0005034660
Figure 0005034660
なお、表4および5に示すように、2種類の第2のガラスペーストの収縮温度は、
OG2−A : 580℃、
OG2−B : 540℃
である。
そして、これらの材料を用いて、SiO2、Al23、B23、およびCaOを混合した結晶化ガラス粉末と、アルミナ粉末とを等重量比率で混合し、得られた混合粉末100重量部に、ポリビニルブチラール15重量部、イソプロピルアルコール40重量部、およびトロール20重量部を配合した材料からなるセラミックグリーンシートを積層した積層体に対して、抵抗膜、ターミネート電極用の導体膜およびガラス膜を形成し、その両主面に収縮抑制用グリーンシートを配設して焼成することにより、抵抗、ターミネート電極、および抵抗を覆うように配設されたオーバーコートガラスを備えたセラミック基板を作製した。
なお、セラミック基板としては、以下の(a),(b)の構成を有するセラミック基板を作製した。
(a)表1の各抵抗ペーストを用いて形成した抵抗を覆うように、表3の第1のガラスペーストを用いて形成した第1のオーバーコートガラスを備えているが、第2のオーバーコートガラスを備えていないセラミック基板。
(b)表1の各抵抗ペーストを用いて形成した抵抗を覆うように、表3の第1のガラスペーストを用いて形成した第1のオーバーコートガラスと、表4および5の第2のガラスペーストを用いて形成した第2のオーバーコートガラスを備えたセラミック基板。
また、抵抗、第1および第2のオーバーコートガラスの厚みは、それぞれ以下の通りとした。
抵抗の厚み :8μm、
第1のオーバーコートガラスの厚み:8μm
第2のオーバーコートガラスの厚み:7μm
(ただし、上記(a)のセラミック基板では、第2のオーバーコートガラスは形成せず。)
上述のようにして作製したセラミック基板について、抵抗の周囲の空孔の発生状態、オーバーコートガラスの表面の緻密性、およびめっき耐性について評価を行った。
その結果、前記(a)の第1のオーバーコートガラスのみを備え、第2のオーバーコートガラスを備えていないセラミック基板について、収縮開始温度が抵抗ペーストの収縮開始温度より低いガラスペーストを用いた場合、セラミック基板の抵抗の周囲領域に空孔やクラックが発生した。
一方、第1のガラスペーストとして、収縮開始温度が、抵抗ペーストの収縮開始温度より高いガラスペーストを用いた場合、セラミック基板本体の抵抗の周囲領域に空孔やクラックの発生は認められなかったが、オーバーコートガラスの表面の緻密性が不十分で、めっき液の侵入を確実に阻止することができず、必ずしも十分なめっき耐性を確保できないことが確認された。
これに対し、前記(b)の第1のオーバーコートガラスと、第2のオーバーコートガラスの両方を備えたセラミック基板について、収縮開始温度が抵抗ペーストの収縮開始温度より低いガラスペーストを用いた場合、セラミック基板の抵抗の周囲領域に空孔やクラックが発生した。
一方、第1のガラスペーストとして、収縮開始温度が、抵抗ペーストの収縮開始温度より高いガラスペーストを用いた場合、セラミック基板本体の抵抗の周囲領域に空孔やクラックの発生は認められず、また、オーバーコートガラスの表面は十分に緻密で、めっき液の侵入を確実に阻止することが可能であって十分なめっき耐性を確保できることが確認された。
なお、上記実施例では、セラミック基板本体用のセラミックグリーンシートに抵抗やターミネート電極を形成したセラミックグリーンシートを、他の所定のセラミックグリーンシートと積層して積層体を形成した後、積層体の両主面に収縮抑制用グリーンシートを配設して焼成するようにしているが、例えば、図6に示すように、収縮抑制用グリーンシート102に、第2のオーバーコートガラス12(第2のガラス膜112)、第1のオーバーコートガラス11(第1のガラス膜111)、抵抗15(抵抗膜115)、ターミネート電極24a,24b(電極膜124a,124b)を形成し、これをセラミック基板本体用のセラミックグリーンシートの積層体100に転写するように構成することも可能である。
さらに、図6の収縮抑制用グリーンシート102の代わりに、別途用意した転写用シート(102a)を用い、第2のオーバーコートガラス12(第2のガラス膜112)、第1のオーバーコートガラス11(第1のガラス膜111)、抵抗15(抵抗膜115)、ターミネート電極24a,24b(電極膜124a,124b)を形成し、これをセラミック基板本体用のセラミックグリーンシートの積層体に転写した後、収縮抑制用グリーンシートを配設するように構成することも可能である。その場合、第1および第2のオーバーコートガラス、抵抗、および電極を一括して転写するようにしてもよく、また、転写すべき対象を逐次転写するように構成することも可能である。
また、上記実施例では、第1および第2のガラスペースト、電極形成用の導体ペースト、抵抗形成用の抵抗ペーストをスクリーン印刷法により印刷した場合を例にとって説明したが、ガラス膜、電極膜、抵抗膜は、スクリーン印刷法に限らず、インクジェットその他の方法により形成することが可能である。
なお、ガラス膜、電極膜、抵抗膜をペーストの印刷により行う場合、第1および第2のガラスペースト、電極形成用の導体ペースト、抵抗形成用の抵抗ペーストは、セラミックグリーンシート側に印刷するようにしてもよく、また、収縮抑制用グリーンシートあるいは転写用シートに印刷して転写するよう構成してもよい。
なお、本願発明は、その他の点においても、上記実施例に限定されるものではなく、セラミック基板本体を構成するセラミック材料の種類、導体部の形状や構成材料、第1および第2のオーバーコートガラスを構成するガラス材料の種類や組成などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
上述のように、本願発明によれば、セラミック基板本体の表面に形成された抵抗を、抵抗膜の収縮開始温度よりも、収縮開始温度が高いガラス膜を用いた第1のオーバーコートガラスにより被覆し、さらに、第1のオーバーコートガラス膜を覆うように、第1のオーバーコートガラスを構成するガラス材料よりめっき耐性が大きいガラス材料を含む第2のオーバーコートガラスを形成するようにしているので、第2のオーバーコートガラスにより、第1のオーバーコートガラスの特性を補完して、より信頼性の高いセラミック基板を確実に製造することが可能になる。
したがって、本願発明はセラミック基板や、その製造技術の分野、セラミック基板を用いた電子装置の分野などに広く利用することが可能である。
本願発明の一実施例にかかるセラミック基板の構成を示す断面図である。 図1のセラミック基板に電子部品(表面実装部品)を実装することにより製造された電子装置の構成を示す断面図である。 本願発明のセラミック基板を製造する製造工程において、抵抗を覆うように、第1のオーバーコートガラス(第1のガラス膜)を形成し、その上に第2のオーバーコートガラス(第2のガラス膜)を形成した状態を示す図である。 第2のオーバーコートガラス(第2のガラス膜)の配設態様の変形例を示す図である。 図1のセラミック基板を製造する工程を説明する図であって、セラミックグリーンシートの積層体の両主面に収縮抑制用グリーンシートを配設した状態を示す図である。 本願発明のセラミック基板の製造方法の変形例を示す断面図である。
符号の説明
1 セラミック基板本体
1a セラミック基板本体の下面
1b セラミック基板本体の上面
11 第1のオーバーコートガラス
12 第2のオーバーコートガラス
15 抵抗
21 面内導体
22 層間接続用のビアホール導体
22a サーマルビアホール導体
23 表面導体
24a,24b ターミネート電極
25a,25b,25c 表面実装部品
100 積層体
102 収縮抑制用グリーンシート
102a 転写用シート
110 セラミックグリーンシート
111 第1のガラス膜
112 第2のガラス膜
115 抵抗パターン(抵抗膜)
124a,124b 電極パターン(電極膜)

Claims (8)

  1. セラミック層が積層された積層構造を有するセラミック基板本体と、前記セラミック基板本体の少なくとも一方主面に配設された抵抗と、前記抵抗を覆うように配設された第1のオーバーコートガラスと、前記第1のオーバーコートガラスを覆うように配設された第2のオーバーコートガラスとを備えたセラミック基板の製造方法であって、
    (a)複数のセラミックグリーンシートを積層することにより形成された積層体であって、一方主面には抵抗膜が形成され、
    前記抵抗膜を覆うように、焼成工程における収縮開始温度が、前記抵抗膜の収縮開始温度より高い第1のガラス膜が形成され、
    前記第1のガラス膜を覆うように、前記第1のガラス膜を構成するガラス材料よりめっき耐性が大きいガラス材料を含み、かつ、焼成工程における収縮開始温度が、前記第1のガラス膜よりも低い第2のガラス膜が形成され、かつ、
    少なくとも前記一方主面に前記セラミックグリーンシートを焼成する温度では実質的に焼結しないセラミック材料からなる収縮抑制用グリーンシートが配置された積層体を準備する工程と、
    (b)前記積層体を、前記セラミックグリーンシートが焼結し、前記収縮抑制用グリーンシートが実質的に焼結しない温度で焼成する工程と、
    (c)焼成工程が終了した後、前記収縮抑制用グリーンシートが実質的に焼結することなく残った収縮抑制層を除去する工程と
    を備えていることを特徴とするセラミック基板の製造方法。
  2. 前記セラミックグリーンシートがガラス材料を含有し、かつ、前記セラミックグリーンシートに含まれるガラス材料が、前記第1のガラス材料を構成するガラスと同じ系のガラス材料であることを特徴とする、請求項1記載のセラミック基板の製造方法。
  3. 前記積層体を準備する工程において、前記第2のガラス膜を、前記第1のガラス膜全体を覆うように形成することを特徴とする、請求項1または2記載のセラミック基板の製造方法。
  4. 前記第1のガラス材料が、ホウケイ酸系ガラスを含むものであり、かつ、前記第2のガラス材料が、SiO2−B23−K2Oを含むものであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のセラミック基板の製造方法。
  5. 前記積層体が、前記抵抗膜に接続されるターミネート電極用の一対の電極膜を備え、かつ、前記第1のガラス膜が、少なくとも前記抵抗膜および前記抵抗膜と前記一対の電極膜との接続部を覆い、第2のガラス膜が、前記第1のガラス膜の全体を覆うように形成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のセラミック基板の製造方法。
  6. 前記(a)の前記積層体を準備する工程が、
    前記積層体の表面に導体膜を形成する工程と、
    前記(c)の前記収縮抑制層を除去する工程の後に、前記導体膜が焼結することにより形成された導体部の表面にめっき膜を形成する工程と
    を備えることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のセラミック基板の製造方法。
  7. 複数のセラミックグリーンシートを積層した積層体を焼成することにより形成されたセラミック基板本体と、
    抵抗膜を焼成することにより、前記セラミック基板本体の一方主面に形成された抵抗と、
    前記抵抗膜の収縮開始温度よりも収縮開始温度の高い第1のガラス膜を焼成することにより形成され、前記抵抗を覆うように配設された第1のオーバーコートガラスと、
    前記第1のオーバーコートガラスを構成するガラス材料よりめっき耐性が大きいガラス材料を含み、かつ、焼成工程における収縮開始温度が、前記第1のガラス膜よりも低い第2のガラス膜を焼成することにより形成され、前記第1のオーバーコートガラスを覆うように配設された第2のオーバーコートガラスと
    を備えたセラミック基板であって、
    前記セラミック基板本体と、前記抵抗と、前記第1のオーバーコートガラスと、前記第2のオーバーコートガラスとが、全体を同時焼成することにより形成されたものであること
    を特徴とするセラミック基板。
  8. 請求項7記載のセラミック基板と、前記セラミック基板に実装された電子部品とを具備することを特徴とする電子装置。
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