JP4820149B2 - 導電性ペーストの製造方法および配線基板の製造方法 - Google Patents

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本発明は、いわゆる収縮焼成抑制プロセスに好適な導電性ペーストの製造方法およびこれにより得られた導電性ペーストを用いる配線基板の製造方法に関する。
低温焼成セラミックの一種であるガラス−セラミックの基板本体に、AgやCuなどからなる内部配線やビア導体などを形成した多層構造の配線基板は、ほぼ1000℃以下の比較的低温帯で焼成できると共に、内部配線などの導電率が高いなどの利点がある。
ところで、低温焼成可能で多層構造の配線基板は、焼成時に平面方向および厚み方向に沿って数%〜10数%の焼成収縮を生じる。このため、ビア導体や配線パターンを所定の位置に形成したガラス−セラミックからなる複数のグリーンシートを積層し、得られたグリーンシート積層体の両面に、上記ガラス−セラミックの焼成温度では焼成しない焼成収縮抑制シートを更に積層した状態で焼成する、いわゆる収縮焼成抑制プロセスが行われている。
しかし、前記収縮焼成抑制プロセスによる場合、複数の前記グリーンシートの平面方向に沿った収縮はある程度抑制できるが、上記グリーンシートを厚み方向に貫通するビアホールに充填した導電性ペーストの焼成収縮が大きいと、得られるビア導体と焼成されたガラス−セラミックの絶縁層との間に隙間が生じることがある。このため、かかるビア導体と内部配線との接続不良を招くことがある。
上記接続不良を防ぐため、Ag粉末およびフレーク状フィラを含有するビア導体用の導電ペーストを用いるガラスセラミック多層配線基板の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、全体の95wt%以上が平均粒径が3〜10μmのAg粉末がである導体粉末と、有機ビヒクルとを含み、且つガラスフリットを含まない導体ペーストも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平9−69687号公報(第1〜6頁) 特開2000−285731号公報(第1〜6頁、図1)
しかしながら、前記特許文献1,2に開示されている導電ペーストや導体ペーストを収縮焼成抑制プロセスに用いて、ガラス−セラミックの配線基板を製造しても、グリーンシートの厚み方向に沿った収縮が十分に抑制できない。このため、焼成後のガラス−セラミックからなる絶縁層同士の間に、導電ペーストを焼成したビア導体おける軸方向の端部に突出する、いわゆる突き上げが生じる。この結果、かかるビア導体の突き上げによって、内部配線が厚み方向に変位するため、隣接する内部配線との間で短絡を生じたり、内部配線そのものが断線する、などのおそれがあつた。
本発明は、背景技術で説明した問題点を解決し、いわゆる収縮焼成抑制プロセスに好適で、グリーンシートの厚みに沿った収縮を抑制し、且つ焼成後のビア導体の突き上げが生じにくい導電性ペーストの製造方法、およびこれにより得られる導電性ペーストを用いる配線基板の製造方法を提供する、ことを課題とする。
課題を解決するための手段および発明の効果
本発明は、前記課題を解決するため、グリーンシートの厚み方向に貫通して充填する導電性ペーストの軸方向に沿った焼成収縮を、当該グリーンシートの厚み方向に沿った焼成収縮に近似させる、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明の導電性ペーストの製造方法(請求項1)は、ガラス−セラミックからなる複数のグリーンシートごとの厚み方向に沿って貫通して充填されると共に、かかる複数のグリーンシートを積層し且つこれらの両面にかかるグリーンシートの焼成温度では焼成しない焼成収縮抑制シートを積層して焼成される導電性ペーストの製造方法であって、タップ密度が5g/cm 以上の第1のAg粉末と、タップ密度が1〜4g/cm の第2のAg粉末とからなる2種類のAg粉末を配合する工程を含む、ことを特徴とする。
これによれば、導電性ペーストは、例えば平均粒径が異なる2種類のAg粉末が配合されて製造されている。このため、グリーンシートを貫通するビアホール内に上記2種類のAg粉末を含む導電性ペーストを充填し且つ焼成すると、前記収縮焼成抑制プロセスによって、平面方向の焼成収縮が抑制されているグリーンシートが、その厚み方向に沿った収縮が始まるまでは、上記Ag粉末の焼結は遅延される。
しかも、タップ密度が異なる2種類のAg粉末を配合されているため、これらAg粉末同士の間に空隙が形成され易くなる。そのため、グリーンシートのビアホール内に上記導電性ペーストを充填し且つ焼成すると、平面方向の焼成収縮が抑制されているグリーンシートの厚み方向に沿った収縮が始まるまでは、上記Ag粉末の焼結が遅延されると共に、グリーンシートの厚み方向に沿った焼成収縮に追随して収縮し易くなる。この結果、焼成後のビア導体が、その軸方向に沿って隣接するガラス−セラミックの絶縁層との境界側に突出する前記「突き上げ」を確実に抑制することができる。
従って、突き上げによって内部配線が厚み方向に変位したり、隣接する内部配線との間で短絡を生じにくくでき、且つビア導体と内部配線との導通を確保することが容易になる
尚、前記導電性ペーストは、前記2種類のAg粉末のほか、バインダ樹脂、可塑剤、および溶剤が適量ずつ配合されて製造される
尚、第1のAg粉末のタップ密度を5g/cm以上としたのは、これよりも低いと平均粒径が第2のAg粉末のタップ密度の上限値の4g/cmに接近し過ぎるためである。かかる第1のAg粉末のタップ密度の上限値は、例えば約10g/cm程度である。一方、第2のAg粉末のタップ密度を1g/cm以上としたのは、これよりも低いと平均粒径が大きくなって、過大な空隙が形成されるのを防ぐためであり、4g/cm以下としたのは、空隙の形成を確保し且つ第1のAg粉末との差を確保するためである。
更に、本発明には、100重量部の前記第1のAg粉末に対し、前記第2のAg粉末は、10〜70重量部が配合される、導電性ペーストの製造方法(請求項)も含まれる。
これによれば、タップ密度が異なる2種類のAg粉末が所定範囲の割合で配合して製造されているため、これらAg粉末同士の間に空隙が形成され易くなり、前述したビアホール内に充填された上記導電性ペーストが、グリーンシートの厚み方向に沿った焼成収縮に追随して一層軸方向に沿って収縮し易くなる。
尚、100重量部の第1のAg粉末に対する第2のAg粉末の配合量が、10重量部未満となったり、あるいは70重量部を越えると、かかる2種類のAg粉末間における空隙が形成されにくくなるため、これらを除いた前記範囲とした。
一方、本発明の配線基板の製造方法(請求項)は、前記導電性ペーストの製造方法により得られた導電性ペーストをガラス−セラミックからなる複数のグリーンシートごとの厚み方向に沿って貫通して充填する工程と、上記グリーンシートを積層してグリーンシート積層体を形成する工程と、かかるグリーンシート積層体の両面に、上記グリーンシートの焼成温度では焼成しない焼成収縮抑制シートをそれぞれ積層して、複合積層体を形成する工程と、かかる複合積層体を、上記グリーンシートの焼成温度で焼成する工程と、を含む、ことを特徴とする。
これによれば、ビア導体となる前記導電性ペーストの軸方向に沿った焼成収縮が、これを含むグリーンシートの厚み方向の焼成収縮に追随するため、焼成後のビア導体に突き上げが生じにくくなる。従って、突き上げによる内部配線の厚み方向の変位が抑制され、隣接する内部配線との間で短絡を生じにくくなると共に、ビア導体と内部配線との導通を容易に確保できる配線基板を得ることができる。
尚、本発明には、前記焼成工程の後に、前記焼成収縮抑制シートを除去する工程を有する、配線基板の製造方法も含まれる。
以下において、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明の目的とする導電性ペーストは、タップ密度が5g/cm以上である第1のAg粉末:100重量部に対し、タップ密度が1〜4g/cmの範囲にある第2のAg粉末を10〜70重量部にして配合し且つ混合する工程と、かかるAg粉末の混合物にバインダ樹脂、可塑剤、および溶剤を適量ずつ配合する工程と、によって製造される。尚、上記タップ密度は、100gのAg粉末を100mlのメスシリンダに入れ、これに振動を50回加えることで測定した。
上記バインダ樹脂には、5〜15重量部のエチルセルロール系樹脂を、上記可塑剤には、0.1〜5重量部のジオクチルフタレートを、上記溶剤には、5〜20重量部のターピネオールを用い、これらを配合したものである。
次に、本発明による配線基板の製造方法について説明する。
図1の模式的部分断面図で示すように、主にガラス−アルミナ(セラミック)からなるグリーンシートs1〜s3を用意する。これらは、ホウケイ酸系ガラス粉末、平均粒径が数μmのアルミナ粉末、樹脂バインダ、可塑剤、および溶剤を混合して得たセラミックスラリを、ドクターブレード法により厚みが約100〜約200μmのシートに成形したものである。
次いで、グリーンシートs1〜s3における所定の位置に、これらの表面と裏面との間を貫通する内径が約150μmのビアホールh1〜h3を打ち抜き加工によって形成する。このうち、ビアホールh2,h3は、グリーンシートs2,s3の積層時に同軸心となる。
次に、図2に示すように、グリーンシートs1のビアホールh1内に、追ってビア導体となる前記方法により製造された導電性ペーストv1を、図示しないスキージを用いて充填する。更に、かかる導電性ペーストv1の上端面を含むグリーンシートh1の表面に、スクリーン印刷により、Ag粉末またはCu粉末を含む配線パターンpを形成する。
更に、予め積層したグリーンシートs2,s3において、互いに連通するビアホールh2,h3内に追ってビア導体となる本発明により得られた導電性ペーストv2を、上記と同様にして充填する。かかる導電性ペーストv2の下端面は、グリーンシートh1との積層時に、上記配線パターンpと接触可能な位置にある。尚、導電性ペーストv2は、ビアホールh2,h3内に個別に充填した後、グリーンシートs2,s3を積層する順序で形成しても良い。
前記導電性ペーストv1,v2は、タップ密度が5g/cm以上である第1のAg粉末:100重量部に対し、タップ密度が1〜4g/cmの範囲にある第2のAg粉末を10〜70重量部にして配合し且つ混合すると共に、更にバインダ樹脂、可塑剤、および溶剤を適量ずつ配合したものである。
更に、図3に示すように、グリーンシートh1の上に、グリーンシートs2,s3を積層・圧着して、グリーンシート積層体GSを形成する。この際、配線パターンpにおける右端側の上に、導電性ペーストv2の下端面が接触するようにする。尚、導電性ペーストv2の下端側は、配線パターンpの厚み分に応じて軸方向に若干短縮されることになる。
次いで、図4に示すように、グリーンシート積層体GSの表面および裏面(両面)に、焼成収縮抑制シートy1,y2を個別に積層・圧着して、複合積層体ZSを形成する。かかる焼成収縮抑制シートy1,y2は、例えば、アルミナを主成分とする厚さが約300μmのセラミックシートであり、且つグリーンシートs1〜s3の焼成温度では焼成しないものである。
更に、上記複合積層体ZSを図示しない焼成炉に挿入し、例えば100〜800℃の温度帯に加熱して前記有機バインダなどの有機成分を除去した後、更に約800〜1000℃の温度帯に加熱して、グリーンシートs1〜s3および導電性ペーストv1,v2を焼成する。
かかる焼成工程においては、以下のような現象を生じていると予想される。
グリーンシートs1〜s3は、平面方向と厚み方向との双方に沿って焼成収縮し、導電性ペーストv1,v2は、径方向(上記平面方向)と軸方向(上記厚み方向)との双方に沿って焼成収縮しようとする。
しかし、一対の焼成収縮抑制シートy1,y2の間に挟まれているグリーンシートs1〜s3は、平面方向の焼成収縮を抑制されるため、厚み方向の焼成収縮を生じる。かかるグリーンシートs1〜s3の厚み方向に沿った焼成収縮が開始されるまでの間に、導電性ペーストv1,v2は、バインダ樹脂などが揮発・除去されるが、タップ密度の異なる前記第1および第2のAg粉末同士間の隙間は残存している。
このため、グリーンシートs1〜s3が厚み方向に沿って焼成収縮し始めると、これに追随して、第1および第2のAg粉末がそれらの隙間を埋めるべく接近し合うため、導電性ペーストv1,v2も軸方向に沿って焼成収縮する。
一方、焼成収縮抑制シートy1,y2によって、グリーンシートs1〜s3の平面方向に沿った焼成収縮が抑制されているため、これに応じて導電性ペーストv1,v2の径方向に沿った焼成収縮も抑制される。
焼成工程の終了に、前記焼成収縮抑制シートy1,y2をサンドブラスト法によって剥離・除去する。尚、かかる焼成収縮抑制シートy1,y2の除去は、その他の化学的処理または物理的処理方法によって除去・剥離しても良い。
図5は、本発明の製造方法により製造した配線基板1の断面図である。
配線基板1は、図5に示すように、グリーンシートs1〜s3が厚み方向に沿って焼成収縮したガラス−セラミックの絶縁層S1〜S3を備え、これらを貫通して前記導電性ペーストv1,v2を焼成収縮したビア導体V1,V2が形成されている。かかるビア導体V1,V2は、導電性ペーストv1,v2の軸方向に沿った焼成収縮がグリーンシートs1〜s3の厚み方向に沿った焼成収縮に追随しているため、ガラス−セラミックの絶縁層S1,S2の境界を越えた突き上げを生じていないと共に、配線パターンpが焼成された内部配線Pに変位を与えていない。また、ビア導体V1,V2は、配線基板1の表面2および裏面3にも突出していない。尚、平面方向に沿った焼成収縮量の差に応じて、ビア導体V1,V2の外周面とガラス−セラミック層S1〜S3との間には、極く僅かの隙間が形成されている。
従って、本発明により製造される導電性ペーストv1,v2を用いることで、内部のビア導体V1,V2に突き上げがなく、且つ内部配線Pが変位していないため、これらの導通が確実に取れる配線基板1を製造することができる。
ここで、本発明の具体的な実施例について、比較例と併せて説明する。
タップ密度が5g/cm以上である第1のAg粉末:100重量部に対し、タップ密度が1〜4g/cmの範囲にある第2のAg粉末を0〜100重量部に変化させて配合する且つ混合するか、第2のAg粉末のみを用いる共に、かかる第1および第2Ag粉末の全体に対し、同じバインダ樹脂、可塑剤、および溶剤を10〜30重量部に変化させて配合し、複数種の導電性ペーストを製造した。
そのうち、バインダ樹脂、可塑剤、および溶剤の全体を20重量部とし、且つ第1および第2Ag粉末全体を80重量部として得た導電性ペーストを選択して、表1に示すように、実施例1〜6および比較例1〜4の導電性ペーストとした。
Figure 0004820149
同じ組成のガラス−アルミナからなり且つ厚みが200μmのグリーンシートs1〜s3を複数組用意し、前記図1に示したように、内径が150μmのビアホールh1,h2を形成した。次いで、各組ごとのビアホールh1,h2に各例の導電性ペーストを個別に充填すると共に、各組ごとのグリーンシートs1の表面に、前記図2に示したように、共通する配線パターンpを形成した。
次に、各組ごとのグリーンシートs1〜s3を積層・圧着し、得れたグリーンシート積層体GSごとに各例ごとの導電性ペーストを用いて、前記図3に示したグリーンシート積層体GSを形成した。かかる積層体GSごとの両面にアルミナを主成分とする同じ組成と厚みの収縮抑制シートy1,y2を積層・圧着して複合積層体ZSを形成した後、各例ごとの複合積層体ZSを形成した。
更に、各例ごとの複合積層体ZSを図示しない焼成炉に挿入して、900℃×30分加熱する焼成工程を行った。
そして、未焼成の収縮抑制シートy1,y2を剥離して、焼成されたガラス−セラミックの絶縁層S1〜S3を基板本体とする各例の配線基板を得た。
各例の配線基板を切断した後、目視観察により、焼成後のビア導体V1,V2の突き上げ量tが20μm未満を○、20μm以上を×として、表1に示した。
また、上記切断した各例の配線基板において、焼成後のビア導体V1,V2の周面とガラス−セラミックの絶縁層S1〜S3との間に位置する最大の隙間xが50μm未満を◎、50μm以上を×として、表1に示した。
表1によれば、タップ密度が5g/cm以上である100重量部の第1のAg粉末に対し、タップ密度が1〜4g/cmの範囲の第2のAg粉末を10〜70重量部で配合して製造した導電性ペーストv1,v2を用いた実施例1〜6の配線基板1では、全て突き上げ量tが20μm未満で且つ隙間xが50μm未満となった。
かかる実施例1〜6の結果は、内部に適度の隙間を有する導電性ペーストv1,v2が焼成収縮したビア導体V1,V2は、それらの軸方向に沿った焼成収縮がグリーンシートs1〜s3の厚み方向に沿った焼成収縮に追随したため、ガラス−セラミック層S1,S2の境界を越える突き上げを生じていなかった。また、上記導電性ペーストv1,v2がグリーンシートs1〜s3の平面方向に沿った焼成収縮にも追随できたため、隙間xが小さくなった、ものと推測される。
一方、表1によれば、比較例1,2の導電性ペーストv1,v2は、第2のAg粉末がないか、過少で内部の隙間が小さかった。このため、これらを用いた比較例1,2の配線基板k2では、図7に示すように、焼成時にビア導体V1,V2が軸方向にあまり収縮せず、それらの端部に大きな突き上げt1,t2を生じた、ものと推測される。これに応じて、配線パターンpが焼成された内部配線Pの両端付近に変位Pa,Pbが形成され、ビア導体V1,V2の外周面とガラス−セラミックS1〜S2との間に、ほぼ円筒形の隙間x3,x4が形成された、ものと推測される。かかる配線基板k2で、上記突き上げt1,t2や隙間x3,x4を生じたのは、導電性ペーストv1,v2は、比較的平均粒径が小さい第1のAg粉末のみから、あるいは殆どが第1のAg粉末によって製造され、第1のAg粉末同士の間に形成される隙間が比較的小さいため、軸方向および径方向の収縮が小さくなったため、と推定される。
また、比較例3の導電性ペーストv1,v2は、第2のAg粉末が過多であったため、却って第1および第2のAg粉末が互いに混合し易くなり、内部の隙間がやや小さくなった。このため、比較例3の配線基板では、前記図7の配線基板k2と同様にして比較的目立つ突き上げt1,t2を生じた。また、比較例3の導電性ペーストv1,v2は、グリーンシートs1〜s3の平面方向に沿った焼成収縮にも追随できなかったため、隙間xも大きくなつた、ものと推測される。
更に、比較例4の導電性ペーストv1,v2は、タップ密度の低い第2のAg粉末のみから製造されているため、焼成されたビア導体V1,V2は、軸方向の収縮がグリーンシートs1〜s3の厚み方向に沿った焼成収縮に追随して収縮する。しかし、グリーンシートs1〜s3の平面方向に沿った焼成収縮に対し、導電性ペーストv1,v2は、径方向にも収縮するため、内部の隙間が大きくなる。この結果、これを用いた比較例4の配線基板k1では、図6に示すように、ビア導体V1,V2の突き上げが小さくなつた。反面、グリーンシートs1〜s3の平面方向に沿った焼成収縮にも追随できなり、ビア導体V1,V2の周囲に大きな隙間x1,x2が生じた、ものと推測される。
以上の結果から、本発明による製造される実施例1〜6の導電性ペーストv1,v2、およびこれらを用いて製造した配線基板1の優位性が裏付けされた。
更に、本発明による第1および第2のAg粉末を所定の割合で配合して製造した導電性ペーストv1,v2を用い、且つ配線パターンpを含むグリーンシートS1〜S2のグリーンシート積層体GSを、一対の焼成収縮抑制シートy1,y2間に挟んで焼成する本発明による配線基板1の製造方法の優位性が容易に理解できた。
本発明は、以上のような実施の形態と実施例とに限定されるものではない。
本発明の導電性ペーストの製造方法に用いる第1および第2のAg粉末は、純Agに限らず、Ag−Au系、Ag−Cu系、Ag−Pd系などの合金でも良く、且つこれらAg粉末のアスペクト比は約1〜2の範囲であれば良い。
また、上記導電性ペーストの製造方法に用いる第1および第2のAg粉末は、それぞれのタップ密度に対応する平均粒径の分布範囲および両者の配合比によって規定することも可能である。
更に、上記導電性ペーストの製造に用いるバインダ樹脂、可塑剤、および溶剤は、第1および第2のAg粉末の合計に対し、約10〜22重量部にして配合すれば良い。
本発明による配線基板の一製造工程を示す模式的部分断面図。 図1に続く製造工程を示す模式的部分断面図。 図2に続く製造工程を示す模式的部分断面図。 図3に続く製造工程を示す模式的部分断面図。 本発明の製造方法により得られた配線基板を示す模式的部分断面図。 比較例の製造方法で得られた配線基板を示す模式的部分断面図。 異なる比較例の製造方法で得られた配線基板を示す模式的部分断面図。
符号の説明
1……………配線基板
s1〜s3…グリーンシート
y1,y2…焼成収縮抑制シート
v1,v1…導電性ペースト
GS…………グリーンシート
ZS…………複合積層体

Claims (3)

  1. ガラス−セラミックからなる複数のグリーンシートごとの厚み方向に沿って貫通して充填されると共に、かかる複数のグリーンシートを積層し且つこれらの両面にかかるグリーンシートの焼成温度では焼成しない焼成収縮抑制シートを積層して焼成される導電性ペーストの製造方法であって、
    タップ密度が5g/cm 以上の第1のAg粉末と、タップ密度が1〜4g/cm の第2のAg粉末とからなる2種類のAg粉末を配合する工程を含む、
    ことを特徴とする導電性ペーストの製造方法。
  2. 100重量部の前記第1のAg粉末に対し、前記第2のAg粉末は、10〜70重量部が配合される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の導電性ペーストの製造方法。
  3. 請求項1,2の製造方法により得られた導電性ペーストをガラス−セラミックからなる複数のグリーンシートごとの厚み方向に沿って貫通して充填する工程と、
    上記グリーンシートを積層してグリーンシート積層体を形成する工程と、
    上記グリーンシート積層体の両面に、かかるグリーンシートの焼成温度では焼成しない焼成収縮抑制シートをそれぞれ積層して、複合積層体を形成する工程と、
    上記複合積層体を、複数の上記グリーンシートの焼成温度で焼成する工程と、を含む、
    ことを特徴とする配線基板の製造方法。
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