JP4420136B2 - セラミック成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セラミック基板をはじめとするセラミック成形体の製造方法に関し、詳しくは、被焼成体に拘束層を配設し、被焼成体の平面方向の収縮を抑制しつつ焼成を行う、いわゆる拘束焼成の工程を経て製造されるセラミック基板などのセラミック成形体の製造方法に関する。
セラミック電子部品の中でも、高い平面寸法精度が要求されるセラミック基板などにおいては、焼成工程における平面方向の焼成収縮や、該収縮のばらつきなどが製品の品質に大きく影響する。
そこで、このような焼成工程における収縮を抑制しつつ、セラミック成形体を焼成する方法として、例えば、図4に示すように、セラミック成形体51の両主面に、セラミック成形体51の焼成温度では実質的に焼結しない、アルミナなどの難焼結性材料を主たる成分とする層(拘束層)52a,52bを形成した状態で焼成(拘束焼成)を行うことにより、実質的に、平面方向の焼成収縮が生じないように焼成を行うことができるようにした焼成方法が提案されている(特許文献1参照)。
そして、上記従来の焼成方法において、拘束層が発揮する拘束力を高めるためには難焼結性材料の粒径を小さくすることが必要になる。
しかしながら、粒径を小さくすると、基材層と拘束層とが強固に接着されるため、焼成後に拘束層を除去することが困難になり、基材層表面及び電極にダメージを与えるという問題点がある。例えば、セラミック層や電極層の薄層化、多層化を図った多層セラミック基板を製造するような場合、拘束層の除去工程において、基板に割れが発生したり、電極が剥離したりするというような問題点がある。
特開平4−243978号公報
本発明は、上記課題を解決するものであり、焼成工程が終了した後に、拘束層を容易に除去することが可能で、拘束層を除去する工程において被焼成体にダメージを与えることなく、寸法精度の高いセラミック成形体を確実に、しかも効率よく製造することが可能なセラミック成形体の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本願請求項1のセラミック成形体の製造方法は、
セラミック粉末とガラス材料とを含有する基材層と、
大気よりも酸素分圧が低い雰囲気である低酸素雰囲気で焼成した場合には焼失しないが、前記低酸素雰囲気よりも酸素分圧を高くして焼成した場合には焼失するカーボン粉末と、前記基材層の焼結温度では焼結しないセラミック粉末とを含有し、前記基材層の少なくとも一方主面に接するように配置された拘束層と、
を備える未焼成積層体を作製する積層体作製工程と、
前記未焼成積層体を焼成して前記基材層を焼結させる焼成工程と、
前記拘束層を除去する工程と、を備え、
前記焼成工程は、
前記低酸素雰囲気において、前記拘束層を備えた状態で焼成を行って前記基材層を焼結させる第1焼成工程と、
前記第1焼成工程より酸素分圧の高い条件で焼成を行って前記拘束層を構成する前記カーボン粉末を焼失させる第2焼成工程と、を含むこと
を特徴としている。
また、請求項2のセラミック成形体の製造方法は、前記セラミック成形体がセラミック基板であることを特徴としている。
また、請求項3のセラミック成形体の製造方法は、前記第1焼成工程において、前記基材層に含まれる前記ガラス材料が前記拘束層に浸透するように焼成を行うことを特徴としている。
また、請求項4のセラミック成形体の製造方法は、前記カーボン粉末の粒径が、前記拘束層に含まれるセラミック粉末の粒径よりも大きいことを特徴としている。
また、請求項のセラミック成形体の製造方法は、前記拘束層に含まれるセラミック粉末が、前記基材層に含まれるセラミック粉末と同一材質であることを特徴としている。
また、請求項のセラミック成形体の製造方法は、前記焼成工程における前記第1焼成工程の前に前記基材層に含まれる前記バインダを除去する脱バインダ工程を備え、前記脱バインダ工程は、酸素含有雰囲気中で、かつ、前記カーボン粉末が焼失しない温度で実施されることを特徴としている。
また、請求項のセラミック成形体の製造方法は、前記積層体作製工程において、前記拘束層は、前記カーボン粉末と前記セラミック粉末を含有するシートを、前記基材層の少なくとも一方主面に接するように配置することにより形成されていることを特徴としている。
また、請求項のセラミック成形体の製造方法は、前記積層体作製工程において、前記拘束層は、前記カーボン粉末と前記セラミック粉末を含有するペーストを、前記基材層の少なくとも一方主面に塗布することにより形成されていることを特徴としている。
また、請求項のセラミック成形体の製造方法は、前記基材層が、前記セラミック粉末と前記ガラス材料とを含有する層を複数備えた複数層構造を有していることを特徴としている。
また、請求項10のセラミック成形体の製造方法は、前記基材層が、少なくとも一方の主面に配線パターンを備えていることを特徴としている。
また、請求項11のセラミック成形体の製造方法は、前記焼成工程で焼成された後の基材層の外表面上に電子部品を実装する工程をさらに備えることを特徴としている。
本願請求項1のセラミック成形体の製造方法においては、拘束層として、大気よりも酸素分圧が低い雰囲気である低酸素雰囲気で焼成した場合には焼失しないが、該低酸素雰囲気よりも酸素分圧を高くして焼成した場合には焼失する焼失材料としてのカーボン粉末と、基材層の焼結温度では焼結しないセラミック粉末とを含有する拘束層が用いられていることから、第1焼成工程において、カーボン粉末が焼失することのない低酸素雰囲気下で拘束焼成を行い、基材層を平面方向に収縮させることなく焼結させた後、第2焼成工程で、第1焼成工程より酸素分圧の高い条件で焼成を行い、拘束層を構成するカーボン粉末を焼失させることにより、拘束層中のカーボン粉末が焼失した部分にポアを生じさせて、拘束層を除去しやすい状態とすることが可能になる。その結果、被焼成体に割れや欠けなどのダメージを与えるおそれの少ない穏やかな方法で、効率よく拘束層を除去することが可能になる。
したがって、本発明によれば、複雑な製造工程を必要とすることなく、寸法精度の高いセラミック成形体を、歩留まりよく製造することができる。
なお、本発明のセラミック成形体の製造方法では、第1焼成工程(拘束焼成工程)において、拘束層は基材層に対して、平面方向(主面と平行な方向)の収縮を抑制する拘束力を発揮する。そして、この拘束力により、基材層の平面方向における焼結収縮が抑制され、被焼成体は実質的に厚み方向にのみ焼結収縮することになるため、平面方向の寸法精度の高いセラミック成形体を確実に製造することができる。
また、本発明において、低酸素雰囲気とは、大気などに比べて酸素分圧が相当に低い雰囲気を指すものであり、具体的には、常圧下で酸素分圧が、10-2atm程度以下(すなわち、雰囲気中の酸素濃度が1vol%程度以下)であるような雰囲気が例示される。
この低酸素雰囲気のより好ましい条件としては、例えば、常圧下で酸素分圧が、10-3〜10-6atm(酸素濃度0.1〜0.0001vol%)というような条件が例示される。
また、第2焼成工程における、第1焼成工程より酸素分圧の高い条件とは、上記カーボン粉末を燃焼させて焼失させることができるような酸素分圧の雰囲気を指すものであり、具体的には、常圧下で酸素分圧が10-1atm以上(すなわち、雰囲気中の酸素濃度が10vol%以上)であるような雰囲気が例示される。
なお、焼失材料として用いられているカーボン粉末は、第1焼成工程で、低酸素雰囲気において焼成した場合、燃焼せず、しかも収縮もしないため、基材層の焼成収縮を抑制する機能を十分に発揮し、また、第2焼成工程で、酸素分圧の高い条件で焼成を行った場合は、燃焼して焼失するため、残留するセラミックを主成分とする拘束層中にポアを形成させ、拘束層を崩壊しやすく、除去しやすい状態とすることができる。また、カーボン粉末の粒径を適切に選択することにより、拘束層用セラミック粉末の粒径を小さくした場合にも、拘束層の構成材料全体としての平均比表面積の増大を抑制することが可能になり、使用する有機バインダ量を減らすことができる。
また、請求項2のように、本発明はセラミック成形体の中でも、平面方向の寸法精度および形状精度が高いことが望ましいセラミック基板の製造方法に適用するのに好適な発明であり、本発明を用いることにより、寸法精度が高いセラミック基板を効率よく製造することができる。
また、請求項3のセラミック成形体の製造方法の場合、第1焼成工程において、基材層に含まれるガラス材料が拘束層に浸透し、浸透層が形成される。そして、この浸透層を介して拘束層と基材層とが強く接合されるとともに、浸透層により第1焼成工程における基材層の平面方向の収縮が確実に抑制、防止される。
なお、拘束力をより確実に得るためには、基材層のガラス材料が確実に拘束層に浸透することが望ましい。そして、そのためには、拘束層は基材層に密着するように配設することが望ましい。
また、請求項4のセラミック成形体の製造方法のように、カーボン粉末の粒径を、拘束層に含まれるセラミック粉末の粒径よりも大きくすることにより、拘束層をセラミック粉末とバインダのみで構成した従来の場合と比較して、拘束層に含有させる有機バインダの量を減らすことが可能になり、脱バインダが容易になる。
なお、カーボン粉末としては、粒径が1〜5μmの範囲のものを用いることが望ましい。これは、粒径が5μmを超えると拘束力が不十分になること、すなわち、粒径が5μm以下の場合、大きな拘束力が得られること、また、粒径を1μm以上とすることにより、第1焼成工程で焼失してしまうことを防止できる一方で、第2焼成工程における焼失しやすさを確保できることによる。
また、請求項のように、拘束層に含まれるセラミック粉末として、基材層に含まれるセラミック粉末と同一材質のものを用いることにより、基材層から拘束層にガラスが浸透しやすくなり、拘束力を向上させることが可能になる。
また、請求項のセラミック成形体の製造方法では、第1焼成工程の前に脱バインダ工程が、酸素含有雰囲気中で、かつ、前記カーボン粉末が焼失しない温度で実施されることから、基材層に含まれるバインダを確実に除去して、その後の拘束焼成を行う第1焼成工程、および、拘束層を構成するカーボン粉末を焼失させる第2焼成工程を、円滑に実施することが可能になる。
なお、脱バインダ工程を行う場合の酸素含有雰囲気とは、大気雰囲気や、不活性ガスに大気を導入した雰囲気などが例示される。通常は、大気雰囲気のような、酸素分圧の高い条件下で実施する方が効率よく脱バインダを行うことができる。
また、本発明においては、拘束層を形成する方法として、請求項のように、カーボン粉末とセラミック粉末を含むシートを予め作製しておき、基材層の少なくとも一方主面に接するように配置する方法や、請求項のように、カーボン粉末とセラミック粉末を含むペーストを、基材層の少なくとも一方主面に塗布する方法などが挙げられる。これらの方法を用いることにより、基材層の少なくとも一方主面に効率よく拘束層を配設することができる。
なお、拘束力を確実に得るためには、上述のように、基材層のガラス材料が確実に拘束層に浸透して浸透層が形成されるように、拘束層が基材層に密着していることが望ましい。そして、そのためには、例えば、複数枚の拘束層用シートを積層して拘束層を形成する場合に、複数枚の拘束層用シートを基材層に圧着しながら積層して拘束層を形成したり、拘束層用ペーストを塗布して拘束層を形成する場合に、一定の圧力をかけて拘束層用ペーストを基材層に密着させながら塗布したりすることが望ましい。
また、請求項のセラミック成形体の製造方法のように、基材層を複数層構造とすることにより、平面形状精度に優れた、セラミック基板をはじめとする種々のセラミック成形体を効率よく製造することができる。
また、請求項10のセラミック成形体の製造方法においては、基材層の少なくとも一方の主面に配線パターンが形成されるため、この方法で製造されるセラミック成形体を用いることにより、請求項11のように、焼成工程で焼成された後の基材層に電子部品を実装して、外表面上に電子部品が搭載された構造を有する、セラミック基板をはじめとするセラミック成形体を効率よく製造することができる。
本発明の実施例(実施例1)にかかるセラミック成形体(セラミック基板)の製造方法により製造されたセラミック基板(多層セラミック基板)を示す図である。 図1のセラミック基板に実装部品を搭載した状態を示す図である。 図1および図2のセラミック基板を製造する工程で作製した、拘束層を備えた未焼成積層体を示す図である。 従来の、難焼結性材料を主たる成分とする拘束層を用いてセラミック成形体を拘束焼成する方法を示す図である。
1 絶縁性セラミック層
1a 基板用セラミックグリーンシート
2 導体部
3a,3b 実装電子部品
12 貫通孔
21 表面導体(外部導体)
21a 未焼結の外部導体
22 層間導体(内部導体)
22a 未焼結の内部導体
23 ビアホール導体
23a 未焼結のビアホール導体
31 拘束層
32 未焼成積層体
A セラミック基板(多層セラミック基板)
A’ 基材層(未焼成のセラミック基板)
B セラミック基板(多層セラミック基板)
以下、本発明の実施例を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
(1)セラミック粉末とガラス材料とを含有する基材層の作製
セラミック基板の主要部を構成する基材層を形成するにあたっては、まず、セラミック粉末とガラス材料とを混合した混合粉末に、バインダ、分散剤、可塑剤および有機溶剤などを各々適量添加し、これらを混合することにより、セラミックスラリーを作製する。
セラミック粉末としては、種々のものを用いることが可能であるが、好ましい材料の一例として、アルミナ(Al23)粉末が挙げられる。
ガラス材料は、当初からガラス粉末として含有されていても、焼成工程においてガラス質を析出するものであってもよい。また、このようなガラス材料は、焼成工程の少なくとも最終段階において、結晶質を析出させ、それによって結晶化するものであってもよい。ガラス材料として、たとえば、フォルステライト、アケルマナイトまたはディオプサイトといった誘電損失の小さい結晶質を析出させ得るホウケイ酸ガラス系のガラス粉末を有利に用いることができる。
次いで、このセラミックスラリーをドクターブレード法などの方法によってシート状に成形し、基材層用のグリーンシート(基板用セラミックグリーンシート)1a(図3)を作製する。
なお、より具体的には、ガラス粉末として、CaO:l0〜55重量%、SiO2:45〜70重量%、Al23:0〜30重量%、不純物:0〜10重量%、B23:5〜20重量%の割合で含有する組成のガラス粉末(平均粒径1.5μm)50〜64重量%と、セラミック粉末として、Al23粉末(平均粒径1.0μm)35〜50重量%とを混合し、この混合物を有機溶剤、可塑剤などからなる有機ビヒクル中に分散させてスラリーを調製する。それからこのスラリーをドクターグレード法やキャスティング法でシート状に成形することにより、基板用セラミックグリーンシートを作製する。なお、セラミック粉末としてのAl23粉末は、不純物を0〜10重量%含有するものであってもよい。
また、基板(基材層)は、通常、複数枚のセラミックグリーンシートを積層することにより形成されるが、一枚のセラミックグリーンシートで構成してもよい。また、基板用セラミックグリーンシートは、上述したシート成形法により形成したセラミックグリーンシートであることが好ましいが、厚膜印刷法により形成した未焼結の厚膜印刷層であってもよい。また、セラミック粉末には上述した絶縁体材料のほか、フェライトなどの磁性体材料、チタン酸バリウムなどの誘電体材料を使用することもできる。
また、基板用セラミックグリーンシートとしては、1050℃以下の温度で焼結する低温焼結セラミックグリーンシートを用いることが好ましい。そして、そのためには、上述したガラス粉末として、750℃以下の軟化点を有するものを用いることが望ましい。
(2)拘束層
本発明のセラミック成形体の製造方法において、拘束層は、
(a)基材層を構成する低温焼結セラミック材料が焼結するまでは、すなわち、低酸素雰囲気において焼成を行う第1焼成工程では、基材層の収縮を抑制する拘束層本来の機能を果たし、
(b)その後の、第1焼成工程よりも酸素分圧の高い条件で焼成を行う第2焼成工程では、焼失材料であるカーボン粉末が焼失するとともに、カーボン粉末が焼失した部分にポアが形成され、拘束層がポーラスで除去の容易な状態となる
という2つの性質を備えていることが必要である。
上記の性質を備えた拘束層として、本発明では、低酸素雰囲気で焼成した場合には焼失しないが、低酸素雰囲気よりも酸素分圧を高くして焼成した場合には焼失するカーボン粉末と、基材層の焼結温度では焼結しないセラミック粉末とを主たる成分として含有するものを用いる。
この拘束層の好ましい例としては、上述のカーボン粉末を含み、基材層の焼結温度では焼結しないセラミック粉末としてアルミナ粉末を含むものが例示される。
具体的には、上記基板用セラミックグリーンシートの焼成温度では実質的に焼結しないアルミナ粉末などのセラミック粉末とカーボン粉末の混合粉末を有機バインダ、有機溶剤、可塑剤などからなる有機ピヒクル中に分散させてスラリーを調製し、得られたスラリーをシート状に成形して、拘束層用セラミックグリーンシートを作製し、これを必要に応じて積層して拘束層とする。
アルミナ粉末は、性状や特性の安定した粉末を得ることが容易で、基材層の焼結温度では焼結せず、拘束力を発揮するセラミック粉末として、望ましい条件を備えている。
なお、アルミナ粉末とカーボン粉末を用いた拘束層用セラミックグリーンシートの焼結温度は1400〜1600℃であり、基板用セラミックグリーンシートの焼結温度では実質的に焼結することはない。
なお、この拘束層も、上述の拘束層用セラミックグリーンシート一枚で構成してもよいが、複数枚の拘束層用セラミックグリーンシートを積層することにより構成してもよい。
セラミック粉末としては平均粒径が0.1〜5.0μmのものを用いることが好ましい。セラミック粉末の平均粒径が0.1μm未満であると、基材層であるセラミック層の表層近傍に含有しているガラスと焼成中に激しく反応して、焼成後にセラミック層と拘束層が密着し、焼成後に拘束層の除去ができなくなったり、小粒径のためにシート中のバインダなどの有機成分が焼成工程で分解飛散しにくく、基材層中にデラミネーションが発生したりする場合がある。他方、5.0μmを超えると焼成収縮の抑制力が低下し、基材層が必要以上に平面方向(xy方向)に収縮したりうねったりし易くなる。
なお、拘束層を構成するセラミック粉末は、基材層の焼成工程で実質的に焼結しないセラミック粉末であればよく、アルミナの他にも、ジルコニアやマグネシアなどの種々のセラミック粉末を使用することが可能である。ただし、基材層の表層領域にガラスを多く存在させるためには、基材層と拘束層がある程度の親和性を有し、基材層の表層と拘束層の接触している境界で、基材層の表層のガラスが拘束層を適度に濡らすことが望ましい。そして、そのためには、拘束層を構成するセラミック粉末として、基材層を構成するセラミック粉末と同種のセラミック粉末を用いることが好ましい。
また、焼失材料としてのカーボン粉末は大気中でも燃焼速度が遅く、酸素分圧によっては基材層の焼成温度域でも焼失することがないため、無収縮焼成用の拘束層材料として使用することが可能である。したがって、カーボン粉末は、焼成工程で基材層の収縮が終了する時点まで(すなわち、第1焼成工程が終了するまで)は焼失せず拘束機能を維持し、収縮終了後には燃焼、焼失させることができる。そして、カーボン粉末を焼失させることにより、残留するセラミックを主たる成分とする拘束層中にポアを生じさせて、拘束層を崩壊しやすく、除去しやすい状態とすることができる。また、カーボン粉末の粒径を適当に選択することにより、拘束層用のセラミック粉末の粒径を小さくしても、平均比表面積の増大を抑制することが可能になり、拘束層の構成材料全体としての平均比表面積の増大を抑制することができる。
そして、そのためには、カーボン粉末として、拘束層に使用するアルミナなどのセラミック粉末よりも粒径が大きく、かつ粒径が2〜20μmの範囲にあるものを用いることが好ましい。
カーボン粉末の粒径がセラミック粉末の粒径より小さく、かつ、2μm未満になると、使用する有機バインダの量が、拘束層をセラミック粉末とバインダのみで構成した従来の場合(カーボン粉末を含有させない場合)よりも多くなって脱バインダ工程に要する時間が長くなり、また、カーボン粉末の比表面積が大きくなって、基材層の収縮が終了する前に燃焼・消失して拘束力の低下を招くため好ましくない。
また、カーボン粉末の粒径が20μmを超えると拘束層の表面の平滑性が悪くなり、基材層(基板)の表面にその凹凸が転写されてしまうため好ましくない。
また、拘束層中のカーボン粉末の割合は10〜50vol%の範囲とすることが好ましい。これは、カーボン粉末の割合が10vol%より少ないと拘束層の除去を容易にする効果が小さく、50vol%より多いと焼成工程における拘束力が低下することによる。
すなわち、拘束層の基本的な拘束力は、粒径の小さいアルミナ粉末などのセラミック粉末によって確保される一方、カーボン粉末は基材層の収縮が終了するまで拘束層中に無機材料として存在するため、収縮終了時まで拘束層が緻密に保たれ、拘束力が低下することはない。そして、収縮終了後にカーボンを焼失させることにより拘束層中にポアが生じるため、セラミック粉末として粒径の小さいものが用いられている場合にも、焼成後の拘束層はポーラスになり、除去することが容易になる。また、セラミック粉末よりも粒径の大きいカーボン粉末を用いることにより平均比表面積が小さくなり、粒径の小さいセラミック粉末を使用した場合にも、使用する有機バインダ量を少なくすることが可能になり、脱バインダ工程を速やかに終了させることができる。
また、拘束層の厚みは25〜500μmであることが好ましい。これは、厚みが25μm未満になると、焼成収縮の抑制力が小さくなって基板が必要以上に平面方向(xy方向)に収縮したり、うねったりする場合があり、また、500μmを超えると、基板用セラミックグリーンシート中のバインダなどの有機成分が焼成中に分解、飛散しにくくなり、基板中にデラミネーションが発生するなどの問題が生じる場合があることによる。
(3)基材層に形成する導体およびそれに用いる導電材料について
基材層には、未焼成の段階で、ビアホール導体、スルーホール導体、外部導体および内部導体となる導体パターンなどが形成されるが、それに用いられる導電材料としては、低抵抗で難酸化性材料の金属材料(例えば、Ag)を主成分とするものを用いることが好ましい。
ただし、導電材料としては、他の材料を用いることも可能であり、例えば、Ag−Pd、Au、Ptなどを用いることもできる。
また、セラミックとの接合強度が必要な場合には、導電材料にAl23などの添加物を1種類以上添加することも可能である。
また、上記の主成分(導電材料)に対して、所定の割合で有機ビヒクルを加え、撹拌、混練することにより導体性ペーストを作製し、これを用いてビアホール導体、スルーホール導体、外部導体および内部導体となる導体パターンなどを形成することができる。
ただし、導電性ペーストを構成する主成分、添加成分、有機ビヒクルなどの種類や配合割合には特別の制約はない。
また、有機ビヒクルは、バインダ樹脂と溶剤を混合したものであり、バインダ樹脂としては、例えばエチルセルロース、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、メタクリル樹脂などを使用することが可能である。また、溶剤としては、例えばターピネオール、ジヒドロターピネオール、ジヒドロターピネオールアセテート、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、アルコール類などを使用することが可能である。さらに、必要に応じて、各種の分散剤、可塑剤、活性剤などを添加してもよい。
また、導体性ペーストの粘度は、印刷性を考慮して、50〜700Pa・sとすることが望ましい。
さらに、基材層の表面の導体パターンには、上下の層間の導体パターンどうしを接続するためのビアホール導体やスルーホール導体などの貫通導体が表面に露出した部分も含まれる。これら貫通導体は、パンチング加工などによりガラスセラミックグリーンシートに形成した貫通孔に、上記ペーストを印刷により埋め込むなどの方法によって形成することができる。
(4)脱バインダ工程
脱バインダ工程は、通常、大気中で室温からバインダの分解または燃焼温度まで昇温し、一定時間保持することにより実施する。
例えば、大気中で、室温から400℃に昇温し、60分間保持することにより脱バインダを行うことができる。
なお、本発明のセラミック成形体の製造方法において、脱バインダ工程は、大気中などの酸素分圧の高い雰囲気中で行うことが、高い効率を得る上で望ましい。ただし、大気よりも酸素分圧が低い条件下でも脱バインダを行うことが可能であり、場合によっては、大気よりもかなり酸素分圧の低い低酸素雰囲気で行うことも可能である。
(5)焼成条件
(a)第1焼成工程は、脱バインダ工程後に窒素を導入して基材層の焼結温度、例えば、400℃から950℃まで昇温することにより行う。
本発明において、第1焼成工程における低酸素雰囲気とは大気よりも酸素分圧が低い雰囲気を指すが、特に酸素分圧を10-3〜10-6atmとした場合、拘束層中のカーボン粉末が焼失することなく、確実に基材層を拘束することができるため好ましい。
(b)第2焼成工程は、第1焼成工程より酸素分圧の高い条件で実施し、拘束層中のカーボン粉末を焼失させて、その後の拘束層の除去性を向上させる。
例えば、第1焼成工程の終了後に、大気を導入して、常圧下、酸素分圧0.21atm、950℃の条件下で10分間保持して、拘束層中のカーボンを焼失させる。
なお、第1焼成工程と、第2焼成工程は、上記のように同じ焼成温度で実施してもよいが、第1焼成工程と第2焼成工程における温度を異ならせることも可能である。また、第1焼成工程と、第2焼成工程とは連続して行ってもよく、また、第1焼成工程を行った後、一旦炉から取り出し、再度炉に入れて第2焼成工程を行ってもよい。
以下に本発明の実施例を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
図1は、本発明の実施例(実施例1)にかかるセラミック基板の製造方法により製造されたセラミック基板(多層セラミック基板)を示す図、図2は、図1のセラミック基板に実装部品を搭載した状態を示す図、図3は、図1および図2のセラミック基板を製造する工程で作製した、拘束層を備えた未焼成積層体を示す図である。
図1に示すセラミック基板Aは、セラミック粉末とガラス材料とを含有する低温焼結セラミック原料組成物を焼成してなる絶縁性セラミック層1と、絶縁性セラミック層1に配設された導体部2とを備えている。なお、この実施例1のセラミック基板Aは、絶縁性セラミック層1が複数枚積層された複数層構造を有する多層基板となっている。
絶縁性セラミック層1を構成する低温焼結セラミック組成物としては、アルミナ系のセラミック粉末と、ホウケイ酸ガラス系のガラス粉末を配合した低温焼結セラミック組成物が用いられている。
また、導体部2は、セラミック基板Aの表面に位置する表面導体(外部導体)21、互いに接合された複数の絶縁性セラミック層1,1の間に配設された層間導体(内部導体)22と、層間導体22どうし、あるいは、表面導体21と層間導体22とを接続するビアホール導体23とから構成されている。
表面導体21,層間導体22は、導電性ペースト(例えば、銀系導電性ペースト)を印刷することにより形成した外部導体膜および内部導体膜を焼成することにより形成されている。また、ビアホール導体23は、例えば、貫通孔に導電性ペーストや導体粉末を充填し、焼成することによって形成されている。
また、図2の電子部品を搭載したセラミック基板(多層セラミック基板)Bは、図1のセラミック基板(多層セラミック基板)Aに半導体素子やチップコンデンサなどの実装電子部品3a,3bを配設することにより形成されている。
次に、この多層セラミック基板AおよびBの製造方法について説明する。
以下、図1〜図3を参照しつつ、説明を行う。
(1)まず、セラミック粉末とガラス材料とを混合した混合粉末に、バインダ、分散剤、可塑剤および有機溶剤などを各々適量添加し、これらを混合することにより、セラミックスラリーを作製した。
(2)次いで、このセラミックスラリーをドクターブレード法などの方法によってシート状に成形し、基板用セラミックグリーンシート1a(図3)を作製した。
なお、ここでは、
(a)ガラス粉末として、CaOを43重量%、SiO2を44重量%、Al23を7重量%、B23を6重量%の割合で含有する組成のガラス粉末50重量%と、
(b)セラミック粉末として、Al23粉末50重量%と、
を混合し、この混合物を有機溶剤、可塑剤などからなる有機ビヒクル中に分散させてスラリーを調製した。
それからこのスラリーをドクターブレード法やキャスティング法でシート状に成形することにより、基板用セラミックグリーンシートを作製した。なお、この基板用セラミックグリーンシートの焼結温度は1050℃以下である。
(3)次いで、得られた基板用セラミックグリーンシート1aに、必要に応じて、ビアホール導体を形成するための貫通孔12(図3)を形成し、この貫通孔12に、導電性ペーストまたは導体粉末を充填することにより未焼結のビアホール導体23a(図3)を形成した(なお、この実施例1では、貫通孔12にAgを導電成分とする導電性ペーストを充填した)。
(4)また、基板用セラミックグリーンシート1a上に、必要に応じて、例えば、銀系導電性ペーストを印刷することにより、未焼結の外部導体21a、内部導体22aを形成した(図3参照)。
(5)また、拘束層を形成するための拘束層用セラミックグリーンシートを以下の手順で作製した。まず、上記基板用セラミックグリーンシートの焼成温度では実質的に焼結しないセラミック粉末(この実施例1ではアルミナ粉末)とカーボン粉末の混合粉末を有機バインダ、有機溶剤、可塑剤などからなる有機ピヒクル中に分散させてスラリーを調製した。
そして、得られたスラリーをシート状に成形して、拘束層用セラミックグリーンシートを作製した。
なお、この実施例1では、スラリー中のカーボン粉末の割合を20vol%とした。また、セラミック粉末として平均粒径が1μmのアルミナ粉末を用い、カーボン粉末として平均粒径が3μmのカーボン粉末を使用した。
この拘束層用セラミックグリーンシートの焼結温度は、1400〜1600℃であり、基板用セラミックグリーンシートの焼結温度では実質的に焼結しないものである。
なお、この実施例1では、十分な拘束力を確保することができるように、拘束層セラミックグリーンシートの厚みを300μmとした。
(6)次に、図3に示すように、複数の基板用セラミックグリーンシート1aを所定の順序に積層するとともに、拘束層31を、基板用セラミックグリーンシート1aを積層することにより形成される複数層構造を有する基材層(未焼成のセラミック基板)A'の両主面に配置して積層し、静水圧プレスなどの方法により、例えば、5〜200MPaの圧力でプレスして圧着した。これによって、基材層(未焼成のセラミック基板)A'の上下両側に、拘束層31が配設された構造を有する未焼成積層体32を作製した(図3参照)。
この実施例1では、基材層(未焼成のセラミック基板)A'の厚みが300μm、拘束層31の厚みが300μmとなるようにした。
なお、必要に応じて、この未焼成積層体32を適当な大きさに切断してもよい。
また、この実施例1では複数の基板用セラミックグリーンシート1aを積層して、複数層構造の基材層A'を作製するようにしているが、基板用セラミックグリーンシート1aの枚数を一枚として、単層構造の基材層を作製し、単板型のセラミック基板を製造することも可能である。
また、この実施例1では基材層(未焼成のセラミック基板)A'の上下両側に拘束層31を配設するようにしているが、拘束層31は基材層(未焼成のセラミック基板)A'の一方主面にのみ配設するように構成することも可能である。
また、拘束層31は拘束層用セラミックグリーンシートを複数枚積層することにより形成してもよく、また、一枚の拘束層用セラミックグリーンシートから形成してもよい。
(7)次に、この未焼成積層体32を、大気中で、低温の脱脂温度(例えば、400℃程度の温度)で熱処理を行いバインダなどの有機物を除去した。
その後、基材層(未焼成のセラミック基板)A'は焼結するが、拘束層31を構成するセラミック粉末は焼結せず、かつ、拘束層31を構成するカーボン粉末が焼失しない条件、すなわち、この実施例1では、酸素濃度1vol%以下の低酸素雰囲気中で850〜950℃に昇温して焼成し、基材層(未焼成のセラミック基板)A'を焼結させた(第1焼成工程)。
このとき、拘束層3を構成するセラミック粉末は焼結せず、かつ、カーボン粉末も焼失せずに残るので、拘束層31は基材層A'の平面方向の収縮を抑制する機能を十分に果たす。
(8)その後、第1焼成工程より酸素分圧の高い条件(この実施例1では酸素濃度10vol%)で焼成を行い(第2焼成工程)、拘束層31を構成するカーボン粉末を焼失させた。これにより、拘束層中のカーボン粉末が焼失した部分にポアが形成され、拘束層がポーラスで除去の容易な状態となる。
(9)それから、ポーラスな状態の拘束層31を除去することにより、図1に示すような構造を有するセラミック基板Aを得た。
なお、この実施例1の方法によれば、焼成後の複合積層体において、拘束層は実質的に焼結しておらず、また、焼成前に含まれていたカーボン粉末が焼失し、ポーラスな状態となっているため、従来のカーボン粉末を含まないセラミック粉末とバインダからなる拘束層を用いた場合に比べて、例えば、サンドブラスト法やウェットブラスト法を用いる場合の吐出圧力を低くすることが可能になるとともに、拘束層の除去に要する時間を短くすることが可能になる。
その結果、基板表面及び電極表面の平滑性を損なうことなく拘束層の除去を行って、寸法精度の高いセラミック成形体を、歩留まりよく製造することができる。
上記実施例1により、拘束力の高い、セラミック粉末(実施例1ではアルミナ粉末)を用いて、収縮抑制用の拘束層を構成した場合にも、カーボン粉末を配合することにより、拘束力を確保しつつ、焼成後における拘束層の除去容易性を確保できることが確認された。
また、副次効果として、カーボン粉末を混合することにより、拘束層用グリーンシートが着色され、基板用セラミックグリーンシートとの区別が容易になり、両者を取り違えるミスを防止して、製造工程の信頼性を向上させることができるという効果が得られる。なお、通常、セラミックグリーンシートを着色する場合、遷移金属元素を用いることが多く、基材層側に拡散して、基材が着色されてしまうことになるが、本発明によれば、基材層が着色されることはなく、外観品質が劣化することはない。
なお、上記実施例1では、セラミック成形体としてセラミック基板を製造する場合を例にとって説明したが、本発明は、セラミック基板に限らず、セラミックコイル部品、セラミックLC複合部品などのセラミック電子部品をはじめとする種々のセラミック成形体の製造方法に適用することが可能である。
本発明はさらにその他の点においても、上記実施例1に限定されるものではなく、基材層を構成するセラミック粉末およびガラス材料の具体的な種類や配合割合、拘束層を構成するカーボン粉末及びセラミック粉末の具体的な種類、第1および第2の焼成工程における具体的な条件、脱バインダ工程における処理条件などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることができる。
上述のように、本発明によれば、焼成工程における収縮抑制効果を十分に確保しつつ、焼成工程の終了後に拘束層を容易に除去することが可能で、拘束層の除去工程においてセラミック成形体にダメージを与えることなく、寸法精度の高いセラミック成形体を確実に、しかも効率よく製造することが可能になる。
したがって、本発明は、焼成工程を経て製造されるセラミック成形体の製造分野に広く利用することが可能である。

Claims (11)

  1. セラミック粉末とガラス材料とを含有する基材層と、
    大気よりも酸素分圧が低い雰囲気である低酸素雰囲気で焼成した場合には焼失しないが、前記低酸素雰囲気よりも酸素分圧を高くして焼成した場合には焼失する焼失材料としてのカーボン粉末と、前記基材層の焼結温度では焼結しないセラミック粉末とを含有し、前記基材層の少なくとも一方主面に接するように配置された拘束層と、
    を備える未焼成積層体を作製する積層体作製工程と、
    前記未焼成積層体を焼成して前記基材層を焼結させる焼成工程と、
    前記拘束層を除去する工程と、を備え、
    前記焼成工程は、
    前記低酸素雰囲気において、前記拘束層を備えた状態で焼成を行って前記基材層を焼結させる第1焼成工程と、
    前記第1焼成工程より酸素分圧の高い条件で焼成を行って前記拘束層を構成する前記カーボン粉末を焼失させる第2焼成工程と、を含むこと
    を特徴とする、セラミック成形体の製造方法。
  2. 前記セラミック成形体がセラミック基板であることを特徴とする請求項1記載のセラミック成形体の製造方法。
  3. 前記第1焼成工程において、前記基材層に含まれる前記ガラス材料が前記拘束層に浸透するように焼成を行うことを特徴とする、請求項1または2記載のセラミック成形体の製造方法。
  4. 前記カーボン粉末の粒径が、前記拘束層に含まれるセラミック粉末の粒径よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセラミック成形体の製造方法。
  5. 前記拘束層に含まれるセラミック粉末が、前記基材層に含まれるセラミック粉末と同一材質であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のセラミック成形体の製造方法。
  6. 前記基材層がバインダを含み、かつ、
    前記焼成工程における前記第1焼成工程の前に前記基材層に含まれる前記バインダを除去する脱バインダ工程を備え、
    前記脱バインダ工程は、酸素含有雰囲気中で、かつ、前記カーボン粉末が焼失しない温度で実施されること
    を特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のセラミック成形体の製造方法。
  7. 前記積層体作製工程において、前記拘束層は、前記カーボン粉末と前記セラミック粉末を含有するシートを、前記基材層の少なくとも一方主面に接するように配置することにより形成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のセラミック成形体の製造方法。
  8. 前記積層体作製工程において、前記拘束層は、前記カーボン粉末と前記セラミック粉末を含有するペーストを、前記基材層の少なくとも一方主面に塗布することにより形成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のセラミック成形体の製造方法。
  9. 前記基材層が、前記セラミック粉末と前記ガラス材料とを含有する層を複数備えた複数層構造を有していることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のセラミック成形体の製造方法。
  10. 前記基材層が、少なくとも一方の主面に配線パターンを備えていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のセラミック成形体の製造方法。
  11. 前記焼成工程で焼成された後の基材層の外表面上に電子部品を実装する工程をさらに備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のセラミック成形体の製造方法。
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