JP2005108924A - 多層プリント配線板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 モールドを用いたインプリント法によって、層間絶縁層内にバイアホールを含んだ微細な配線パターンを容易かつ正確に転写でき、かつ層間絶縁層内に埋設形成された微細化配線パターン間の絶縁性や層間接続性に優れた多層プリント配線板とその製造方法を提供する。
【解決手段】 コア基板1上に形成された層間絶縁材12を軟化させ、次いで、配線パターン形成用の凹部およびバイアホール形成用の凹部にそれぞれ相当する凸部を有するモールド20を軟化した層間絶縁層に圧入して、配線パターン形成用の溝14およびバイアホール形成用の溝16を転写する。これらの転写された溝の形状が崩れない程度に加熱あるいは冷却した後、モールドを層間絶縁層から取り外す。その後、転写された溝内にめっき処理等によって導体を充填させることによって、配線パターンおよびバイアホールが形成される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、インプリント法を用いて形成される多層プリント配線板とその製造方法に関するものである。
一般に、プリント配線板の製造プロセスにおいて、微細加工が要求されるパターンの形成には、パターンを光学的に転写する方法が用いられている。例えば、感光性レジスト上に光マスクを直接的もしくは間接的に載せ、光マスクの背後から光を照射して光の透過部分のレジストを選択的に感光させることにより、光マスクのパターンを感光性レジストに転写する方法などがある。
従来のこのようなパターン形成方法は、光の回折性の影響により、光マスクパターンと1:1のパターン形成をすることができないという問題や、スプレー現像時の圧力でレジストが飛んでしまうため、微細化には限界があるというなどがある。
これに対し、S.Y.Chou等は、インプリント法と呼ばれる非常に簡易であるが大量生産に向き、上記従来方法よりも微細なパターンを転写しうる技術を提案している(非特許文献1および特許文献1を参照)。
上記S.Y.Chou等の提案しているインプリント法について、図11を用いて説明する。
(1) まず、表面にシリコン酸化膜104を形成してなるシリコン基板102を用意し、そのシリコン膜104の部分に、転写すべきパターンの鏡像に対応する反転パターンを形成する。例えば、シリコン酸化膜104へのパターンニングには、例えば、通常の電子ビーム転写法の技術などを用いることができる。こうして、表面に転写すべきパターンの鏡像に対応する凹凸103を設けてなるモールド100を形成する(図11(a))。
(2) 次に、パターン形成しようとするシリコン基板110上に、PMMA(ポリメチルメタクリレート)などの絶縁材料を塗布し、硬化させることによって、該シリコン基板110上に絶縁層112を形成する。さらに、絶縁層112を形成したシリコン基板110を約200℃程度に加熱し、絶縁層112を軟化させる。
(3) 上記シリコン基板110の絶縁層112の表面(塗布面側)に、上記(1)で形成したモールド100の凹凸103形成面側が対向するように重ね合わせた後、前記モールド100をシリコン基板110面に140気圧程度の圧力で押し付ける(図11(b))。
(4) 次いで、シリコン基板110にモールド100を圧着した状態で温度を約105℃程度まで降温して絶縁層112を硬化させ、その後、モールド100を取り除く。これにより、シリコン基板110上の絶縁層112には、モールド100の凹凸103パターンに対応する鏡像パターン、すなわちシリコン基板上に形成しようとするパターン114が形成される(図11(c))。
Applied Physics Letters, Vol. 67, No. 21, P3114-3116 (1995) 米国特許第5,772,905号明細書
しかしながら、上記インプリント法は、これを多層プリント配線板のパターン形成プロセスに適用する場合、以下のような問題があった。
その第1は、多層プリント配線板を形成する層間絶縁層の材料として、上記インプリント法で用いられているPMMAなどの熱可塑性樹脂を用いて多層化しようとすると、多層化時のパターン形成工程において、下層の層間絶縁材料も同時に軟化してしまい、パターンの位置、形状および層間絶縁層の厚みを保持できず、多層化ができないという問題である。
例えば、第1層目の層間絶縁層にパターン形成する工程では、配線パターンやバイアホールを何らの問題もなく形成することができるが、第2層目の層間絶縁層を形成し、その第2層目の層間絶縁層に配線パターンを形成するには、その第2層目の層間絶縁層を軟化する工程が必要である。しかしながら、その第2層目の層間絶縁層のみを加熱することは困難であり、同時に第1層目の層間絶縁層もこの第2層目の層間絶縁層と同じ温度にまで温められてしまう。そうすると、第1層目の層間絶縁層も軟化することになる。
その結果として、第1層目の層間絶縁層は、第2層目の層間絶縁層の配線パターン形成時に加えられる圧力によって流動することになり、同時に、第1層目の層間絶縁層内に形成された配線パターンも動き、上層とのアライメントがずれたり、隣り合うパターン間でショートしたり、さらには圧力によって層間絶縁層が押し潰されて、層間の絶縁信頼性が低化するという問題があった。
第2の課題としては、層間絶縁層にモールドによって転写された配線パターン形成用の溝およびバイアホール形成用の溝の形状を、モールドを取り除いた後も保持することが難しいということが挙げられる。
それは、モールド除去後の工程に、層間絶縁層が軟化するような熱処理工程が存在するからである。とくに、このような熱処理工程で層間絶縁層が軟化すると、層間絶縁層に転写された溝形状が台形化し、配線パターン形成用溝およびバイアホール形成用溝に充填される導体間の間隔が狭くなり、絶縁信頼性の観点から配線パターンの微細化が困難になる。
第3の課題としては、上述したインプリント法では、熱可塑性樹脂からなる層間絶縁層と配線パターンとの間の良好な密着性を確保する工夫がなされていないということである。そのため、上記インプリント法をそのまま多層プリント配線板の作製に適用した場合、信頼性の高い多層プリント配線板を製造することができない。
例えば、モールドによって転写形成された配線パターン形成用の溝およびバイアホール形成用の溝の側壁及び底壁が平坦である場合、それらの溝内に充填される導体と層間絶縁層との密着力が十分でないという問題がある。さらに、配線パターンが微細になればなるほど、導体(銅など)と樹脂間の熱膨張係数の不整合に起因する導体剥離が生じたり、導体と樹脂の側壁からクラックが生じることがあり、信頼性に優れた多層プリント配線板を製造することができないという問題もある。
第4の課題としては、上記インプリント法をそのまま多層プリント配線板のパターン形成プロセスに適用した場合、層間絶縁層を軟化させるために、200℃程度まで加熱する工程が必要であり、モールドをこのような高い温度と常温との間で繰り返し使用すると、モールドの形状が復元しないという問題がある。
また、モールドを高温で使用するために発生する別の問題としては、モールドの寸法精度を出すのが極めて難しいということが挙げられる。すなわち、モールドの形状を層間絶縁層に転写するのは、200℃以上の高温領域であるが、モールドは常温で形成されるので、そのモールド形状を形成する際には、高温領域での熱膨張を考慮する必要があった。このようなモールドの形成工程における形状補正には、難易度の非常に高い工程が不可欠であり、更に、そのようにして形成されたモールドは、繰り返して何度も使うことができないため、非常に高価なものとなるという問題があった。
本発明は、従来技術が抱える上記課題を解決するためになされたものであり、その目的するところは、モールドを用いたインプリント法によって、層間絶縁層内にバイアホールを含んだ微細な配線パターンを容易にかつ正確に転写形成でき、かつ層間絶縁層内に埋設形成された配線パターン間の絶縁性および層間接続性に優れた多層プリント配線板とそれの製造方法を提供することにある。
発明者は、上記目的の実現に向け鋭意研究を重ねた結果、以下の内容を要旨構成とする発明に想到した。すなわち、本発明は、
(イ) コア基板上の層間絶縁層に埋設状態で形成された導体およびバイアホールとが、これらと鏡像関係にある凸部を有するモールドを用いたインプリント法で形成されてなる多層プリント配線板において、
前記層間絶縁層が、熱硬化性樹脂、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合樹脂、感光性を付与した熱硬化性樹脂、感光性を付与した熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合樹脂および感光性樹脂から選ばれる少なくとも1の樹脂によって形成されていることを特徴とする多層プリント配線板である。
上記多層プリント配線板における層間絶縁層は、それを形成する樹脂に粒子が混合されてなることが望ましく、その粒子の長さは、0.005〜10μmであることが望ましく、その粒子の厚みは、0.001〜2μmであることが望ましく、そしてその粒子のアスペクト比(粒子の長さ/粒子の厚み)は、20〜500であることが望ましい。
上記多層プリント配線板における層間絶縁層は、粗化液に可溶性である樹脂粒子、エラストマー粒子、無機粒子から選ばれる少なくとも1種の粒子が、上記樹脂群から選ばれる少なくとも1の樹脂からなる樹脂マトリックス中に分散されたものにて形成されたものでもよい。
また、本発明は、
(ロ) 絶縁基板上の層間絶縁層に埋設状態で形成された導体層およびバイアホールを有する多層プリント配線板の製造に当たり、その製造工程の中に少なくとも下記(1)〜(5)の工程、すなわち、
(1)熱硬化性樹脂、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合樹脂、感光性を付与した熱硬化性樹脂、感光性を付与した熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合樹脂および感光性樹脂から選ばれる少なくとも1の樹脂からなる液状タイプあるいはドライフィルムタイプの層間絶縁材料を、前記絶縁基板上に塗布し、あるいは貼付して層間絶縁層を形成する工程、
(2)前記層間絶縁層を軟化させ、次いで、前記導体層およびバイアホールと鏡像関係にある凸部を有するモールドを軟化後の前記層間絶縁層に対して圧入することにより、導体層用およびバイアホール用の凹部を形成する工程、
(3)層間絶縁層に形成された前記凹部の形状を保持できる程度に、該層間絶縁層の温度を降下あるいは上昇させ、その後、前記モールドを層間絶縁層から取り外す工程、
(4)前記層間絶縁層を加熱処理するか紫外線照射した後に加熱処理することによって硬化させる工程、
(5)層間絶縁層に形成された前記凹部内に導電材料を充填することによって、導体層およびバイアホールを形成する工程、
を含むことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法である。
上記(ロ)の製造方法において、前記層間絶縁材料は、樹脂に粒子を混合させたものであることが望ましく、また、工程(4)と工程(5)との間に、凹部を形成してなる層間絶縁層の表面を粗化液によって粗化して、層間絶縁層表面に粗化層を形成する工程、を介在させることが望ましい。
(ハ) 絶縁基板上の層間絶縁層に埋設状態で形成された導体層およびバイアホールを有する多層プリント配線板の製造に当たり、その製造工程の中に少なくとも下記(1)〜(6)の工程、すなわち、
(1)粗化液に可溶性である樹脂粒子、エラストマー粒子、無機粒子から選ばれる少なくとも1種の粒子を、熱硬化性樹脂、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合樹脂、感光性を付与した熱硬化性樹脂、感光性を付与した熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合樹脂および感光性樹脂から選ばれる少なくとも1の樹脂からなる樹脂マトリックス中に分散させてなる、液状タイプあるいはドライフィルムタイプの層間絶縁材料を、前記絶縁基板上に塗布し、あるいは貼付して層間絶縁層を形成する工程、
(2)前記層間絶縁層を軟化させ、次いで、前記導体層およびバイアホールと鏡像関係にある凸部を有するモールドを軟化後の前記層間絶縁層に対して圧入することにより、導体層用およびバイアホール用の凹部を形成する工程、
(3)層間絶縁層に形成された前記凹部の形状を保持できる程度に、該層間絶縁層の温度を降下あるいは上昇させ、その後、前記モールドを層間絶縁層から取り外す工程、
(4)前記層間絶縁層を加熱処理するか紫外線照射した後に加熱処理することによって硬化させる工程、
(5)凹部を形成してなる前記層間絶縁層の表面を粗化液によって粗化して、層間絶縁層表面に粗化層を形成する工程、
(6)層間絶縁層に形成された前記凹部内に導電材料を充填することによって、導体層およびバイアホールを形成する工程、
を含むことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法であり、
(二) 絶縁基板上の層間絶縁層に埋設状態で形成された導体層およびバイアホールを有する多層プリント配線板の製造に当たり、その製造工程の中に少なくとも下記(1)〜(5)の工程、すなわち、
(1)熱硬化性樹脂、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合樹脂、感光性を付与した熱硬化性樹脂、感光性を付与した熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合樹脂および感光性樹脂から選ばれる少なくとも1の樹脂からなる、液状タイプあるいはドライフィルムタイプの層間絶縁材料を、前記絶縁基板上に塗布し、あるいは貼付して層間絶縁層を形成する工程、
(2)前記層間絶縁層を軟化させ、次いで、前記導体層およびバイアホールと鏡像関係にある凸部を有し、かつ少なくともその凸部の表面に微細な凹凸を有するモールドを、軟化後の前記層間絶縁層に対して圧入することにより、その表面にアンカーが形成されてなる導体層用およびバイアホール用の凹部を形成する工程、
(3)層間絶縁層に形成された前記凹部の形状を保持できる程度に、該層間絶縁層の温度を降下あるいは上昇させ、その後、前記モールドを層間絶縁層から取り外す工程、
(4)前記層間絶縁層を加熱処理するか紫外線照射した後に加熱処理することによって硬化させる工程、
(5)前記アンカーが形成された層間絶縁層の凹部内に導電材料を充填することによって、導体層およびバイアホールを形成する工程、
を含むことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法である。
本発明にかかる多層プリント配線板は、主に熱硬化樹脂からなる層間絶縁層に対し、配線パターンやバイアホールに対応する凸部を設けてなるモールドを用いるインプリント法によって、熱硬化性樹脂層を主体とする層間絶縁層の表面に、配線パターンやバイアホールに相当する凹部を容易にしかも正確に転写し、その転写された凹部にめっき等によって導体層を埋設するようにしたので、配線パターン間の絶縁性や層間接続性に優れた微細な配線パターンやバイアホールを形成することができる。
また、本発明の多層プリント配線板の製造方法によれば、配線パターンやバイアホールを光学的な転写方法や煩雑なエッチング処理に頼ることなく、単にインプリント法で用いるモールドを、熱硬化性樹脂を主体とする軟化状態の樹脂層に圧入して形成することで、配線パターンやバイアホールに対応する凹部を容易にしかも正確に形成することができる。しかもその後は、加熱処理または紫外線照射と加熱処理の併用によって樹脂を完全に硬化させた後、めっき等によって埋設するだけであるから、配線パターンやバイアホールの形状を正確に転写でき、配線パターンの微細化が実現できると共に、絶縁信頼性や層間接続性に優れた多層プリント配線板を、極めて容易にしかも低コストで製造することができる。
発明を実施するための最良な形態
本発明にかかる多層プリント配線板は、コア基板上の層間絶縁層に埋設状態で形成された導体およびバイアホールを、これらと鏡像関係にある凸部を有するモールドを用いたインプリント法によって形成する際に、コア基板上の前記層間絶縁層を熱硬化性樹脂、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合樹脂、感光性を付与した熱硬化性樹脂、感光性を付与した熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合樹脂および感光性樹脂から選ばれる少なくとも1の樹脂を用いて形成したものである。
上記層間絶縁層を構成する材料として熱硬化性樹脂に着目した理由は、この樹脂は温度を上げていくと一旦軟化し、さらに熱を加えて温度を上げると、完全に硬化し、一度、熱硬化すると再度軟化することはないという特徴を有しており、このような特徴を有する熱硬化性樹脂あるいは少なくともこの樹脂を含んだ混合樹脂を、インプリント法を適用する際の層間絶縁層の形成に用いれば多層化が容易になる。
即ち、本発明ではまず、コア基板上に塗布または貼付した層間絶縁材からなる層(層間絶縁層)を加熱して軟化させた状態で、配線パターン形成用の凹部およびバイアホール形成用の凹部(以下、これらの凹部を「溝」と言う)にそれぞれ対応する凸部を有するモールドを、前記層間絶縁層中に押し込み(圧入して)、配線パターン形成用の溝およびバイアホール形成用の溝を形成する。そして、これらの溝が形成された層間絶縁層を、その表面に形成された凹部の形状が崩れない程度に温度を降下させ、あるいは上昇させ、その後、前記インプリント用モールドを層間絶縁層から取り外し、その後、さらに加熱して完全に硬化させるかあるいは層間絶縁層に紫外線照射したのち加熱して完全に硬化させる。このような硬化処理の後に、転写された溝内にめっき処理等によって導体を充填することによって、配線パターンおよびバイアホールを形成する。
なお、上記の方法において、多層化するには、バイアホールを含む配線パターンを有する上記層間絶縁層上に、他の層間絶縁材を塗布あるいは貼付して上層の層間絶縁層を形成し、その層間絶縁層を再度、加熱して軟化させ、その後、上述したと同様にして、上層の層間絶縁層にモールドを押し込み、その層間絶縁層に第2の配線パターン形成用の溝およびバイアホール形成用の溝を転写する。このとき、下層の層間絶縁層にも熱は加わるが、この部分はすでに、熱硬化あるいは光硬化していることから完全硬化しており、再び軟化するようなことはない。従って、下層の配線パターン位置、パターン形状及び層間絶縁層の厚みは、そのまま保持されるので、正確な配線パターンをもつ多層化が可能となる。
本発明にかかる多層プリント配線板を製造する際に用いるインプリント用「モールド」とは、「層間絶縁層を形成する絶縁樹脂材料に、配線パターンに相当する溝およびバイアホール形成用の溝を転写ための溝に相当する凸部を有する型」である。このモールドを形成する材料としては、金属またはセラミックを用いることができる。例えば、金属製のモールドとしては、ニッケル、銅、クロム等が、またセラミック製のモールドとしては、ガラス、シリコン、カーボン、窒化アルミニウム等を用いることができる。
上記層間絶縁層を形成する熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂や尿素樹脂などのアミノ樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ変成ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂などが挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種類以上の混合樹脂を用いてもよい。
上記熱硬化性樹脂には硬化剤を用いるが、その硬化剤としては、例えば、ポリフェノール系硬化剤、ポリアミン系硬化剤、カルボン酸ヒドラジド類、ジアミノマレオニトリル類、ジシアンジアミド、イミダゾール類ポリアミンのナイロン塩及びリン酸塩、ルイス酸及びそのアミン錯体などの使用が可能である。これらの硬化剤は、単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明にかかる多層プリント配線板において、上記層間絶縁層には、少なくとも一部に熱硬化性樹脂を用いることを条件として、この熱硬化性樹脂の他に、他の樹脂との複合樹脂からなる層としてもよい。例えば、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を混合した樹脂であることが望ましい。このような複合樹脂中には、熱硬化性樹脂を含有しているので、熱硬化後に再軟化することはなく、熱硬化性樹脂と同様に上述したような利点を具えるからである。
熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の混合樹脂は、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを、必要に応じて溶剤に溶解させ均一混合することによって調製される。
このような溶剤としては、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF )や塩化メチレン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ノルマルメチルピロリドン(NMP )などが使用できる。また、硬化開始温度未満の温度にて、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを加熱溶融させて混合させたものであってもよい。
上記複合樹脂に置いて、熱可塑性樹脂の混合割合は、上記複合樹脂における熱可塑性樹脂の含有量は、固形分で10〜70wt%程度が好ましく、15〜50wt%の場合がより好適である。その理由は、10wt%未満では、熱可塑性樹脂を混合することで期待される強靭化の効果を奏することができないからであり、70wt%を越えると、熱可塑が支配的になり、インプリント法に適しない層間絶縁層となってしまうからである。
上記熱可塑性樹脂の例としては、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオキシベンゾエート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアセタール、ポリカーボネートなどが有利に用いられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
本発明にかかる多層プリント配線板において、上記層間絶縁層を構成する熱硬化性樹脂以外の樹脂としては、感光性を付与した熱硬化性樹脂を用いることが望ましい。このような樹脂もまた、熱硬化成分と光硬化成分を含有しているので、熱硬化後あるいは光硬化後に再軟化することはなく、熱硬化性樹脂と同様に多層化が可能となるからである。
上記の感光性を付与した熱硬化型樹脂の例としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂や尿素樹脂などのアミノ樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ変成ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂などの熱硬化性樹脂の熱硬化に寄与する官能基の一部を感光基で置換したものなどが使用できる。
例えば、感光性を示す熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂の20〜80%アクリル化物、好ましくは20〜50%アクリル化物などが用いられる。その理由は、アクリル化率が20%未満だと、光硬化が不十分で、後の熱処理で層間絶縁材が軟化してしまうからであり、逆に80%を超えると、熱硬化が不十分となるからである。
上記の感光性を付与された熱硬化型樹脂は、単独で用いてもよいし、2種類以上を複合して用いたものでもよい。
本発明にかかる多層プリント配線板において、上記層間絶縁層を構成するさらに他の樹脂例としては、感光性を付与された熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合樹脂または感光性樹脂であってもよい。
上記感光性樹脂としては、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル系樹脂や熱硬化性樹脂の官能基を 100%アクリル化したものが好適である。ここで、この感光性樹脂の光硬化因子として重要である光開始剤としては、ベンゾイソブチルエーテル,ベンジルジメチルケタール,ジエトキシアセトフェノン,アシロキシムエステル,塩素化アセトフェノン,ヒドロキシアセトフェノン等の分子内結合開裂型、ベンゾフェノン,ミヒラーケトン,ジベンゾスベロン,2−エチルアンスラキノン,イソブチルチオキサンソン等の分子内水素引抜型のいずれか1種以上が好適に用いられる。光開始助剤としては、トリエタノールアミン,ミヒラーケトン,4,4-ジエチルアミノベンゾフェノン,2−ジメチルアミノエチル安息香酸,4−ジメチルアミノ安息香酸エチル,4−ジメチルアミノ安息香酸(n-ブトキシ)エチル,4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル,4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル,重合性3級アミン等のいずれか1種以上が用いられる。なお、この樹脂に用いられる増感剤としては、ミヒラーケトンやイルガキュア651 ,イソプロピルチオキサンソンなどが好適であり、上記光開始剤のなかには、増感剤として作用するものが好適である。
上記光開始剤と増感剤の組成比は、例えば、感光性樹脂100 重量部に対して、ベンゾフェノン/ミヒラーケトン=5重量部/0.5 重量部、イルガキュア184 /イルガキュア651 =5重量部/0.5 重量部、イルガキュア907 /イソプロピルチオキサンソン=5重量部/0.5 重量部が好適な組合せである。
また、感光性樹脂を構成する感光性モノマーあるいは感光性オリゴマーとしては、エポキシアクリレートやエポキシメタクリレート,ウレタンアクリレート,ポリエステルアクリレート,ポリスチリルメタクリレートなどが好適に用いられる。
上記層間絶縁材として、熱硬化性樹脂単独、あるいは熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の混合樹脂を用いて、微細な配線パターンを形成しようとする場合、上述した第2の課題が顕著になる。即ち、層間絶縁材は、モールドによって、配線パターン形成用の溝およびバイアホール形成用の溝が転写された後、熱硬化されるが、その際、最低溶融粘度を示す温度を通過する場合がある。例えば、モールド形状を層間絶縁材に転写する工程と熱硬化工程が別装置で行なわれるような場合である。このような場合には、層間絶縁層は一旦冷却された後に、加熱されることになり、最低溶融粘度を示す温度を通過する時に、層間絶縁層は軟化するので、転写された配線パターン形成用の溝およびバイアホール形成用の溝の形状が崩れる惧れがある。
しかしながら、層間絶縁材として、上記感光性を付与した熱硬化性樹脂や、感光性を付与した熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の混合樹脂、感光性樹脂を用いる場合には、層間絶縁材が光硬化成分を含有しているので、光硬化させることが可能となる。つまり、モールド除去後に層間絶縁層に光を照射すれば、層間絶縁層は、光硬化するので、その後の熱処理により形状を保持できない程度まで軟化することはない。従って、本発明では、より微細な配線パターンを形成することが可能となる。
上述した層間絶縁層に転写された配線パターン形成用の溝およびバイアホール形成用の溝の形状を、モールド取り除いた後も良好に保持するためには、層間絶縁材として、熱硬化性樹脂、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合樹脂、感光性を付与した熱硬化性樹脂、感光性を付与した熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合樹脂、感光性樹脂から選ばれる少なくとも1の樹脂に、下記の如き粒子が混合されたものを用いることが望ましい。
その理由としては、層間絶縁材に粒子を混合してなる層間絶縁層は、粒子間で摩擦力等の力が働くため、層間絶縁層が軟化する温度であっても、樹脂が自由に動くことが難しくなる(以下、この効果を「立体拘束効果」という)。そのため、外的に力を加えなければ、最低溶融粘度を示す温度を通過しても、層間絶縁層に転写された配線パターン形成用の溝およびバイアホール形成用の溝の形状が崩れ難くなるからである。
上記樹脂に混合される粒子としては、無機粒子または有機粒子、例えば、エポキシ粒子、BTレジン粒子、ポリイミド粒子、PES粒子等の有機系粒子、ガラス粒子、珪酸塩類粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子等の無機系粒子を用いることができる。これらの粒子は、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
樹脂中に混合される上記粒子の長さは、0.005〜10μm程度のものが好ましく、さらには、0.01〜1μm程度のものがより好適である。その理由は、0.005μm未満だと、粒子が微細すぎて立体拘束の効果が発揮されないからであり、一方、10μmを超えると、微細なパターンの形成が難しくなると共に、モールドを圧入してバイアホールに相当する溝を形成する時に、粒子が大きすぎてモールドによって押しのけることができずにバイアホールの底部に残留することになるため、層間接続不良を引き起こすからである。
また、上記粒子の厚みは、0.001〜2μm程度のものが好ましく、より好ましくは、0.005〜1μm程度のものがよい。その理由は、0.001μm未満だと、粒子厚みが薄いために、工程中に割れてしまい、立体拘束効果が発揮できなくなり、逆に、2μmを超えると、粒子のアスペクト比が小さくなり、立体拘束の効果が発揮されないからである。
上記粒子はまた、アスペクト比(粒子の長さ/粒子の厚み)が、20〜500程度のものが好ましく、50〜200程度がより好適である。その理由は、20未満だと、立体拘束の効果が小さすぎ、一方、500を超えると、逆に立体拘束の効果が大きすぎて、モールドを押し込む際の圧力が高くなるからである。
さらに、上記粒子の量は、樹脂100重量部に対して、5〜150重量部であることが好ましく、より好ましくは20〜100重量部である。その理由は、5重量部未満だと、立体拘束の効果が発揮されないからであり、一方、150重量部を越えると、樹脂が脆くなり機械的強度が低下したり、最低溶融粘度が高くなったり、またバイアホールの底部に粒子が押しのけられずに残存して層間接続不良を引き起こすおそれがあるからである。
上記立体拘束効果を有する粒子は、粗化液に溶解したり、樹脂が粗化液に溶解する際に樹脂層から脱落してアンカーを形成するので、導体と樹脂との間の密着強度を向上させる作用も有する。
上記層間絶縁層形成用材料として、粗化液に可溶性の樹脂粒子やエラストマー粒子、無機粒子から選ばれる少なくとも1種の粒子が、熱硬化性樹脂、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合樹脂、感光性を付与した熱硬化性樹脂、感光性を付与した熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合樹脂、感光性樹脂から選ばれる少なくとも1の樹脂からなる樹脂マトリックス中に分散されてなるものを用いてもよい。その理由は、層間絶縁層と導体間の密着強度を良好に確保することができるからである。
上記粗化液とは、酸やアルカリ、酸化剤、水、有機溶剤などであり、これらの液の化学作用により、粒子状物質が溶解、分解を生じせしめるような液体である。このような粗化液としては、酸としては、硫酸、フッ酸、塩酸、ギ酸等が挙げられる。アルカリとしては、カセイソーダ、炭酸ソーダ、水酸化カリウム等が用いることができる。また、酸化剤としては、過マンガン酸、クロム酸、クロム硫酸等が挙げられる。有機溶剤としては、アセトン、DMF等を用いることができる。
上記粗化液に可溶性の樹脂粒子としては、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂のなかから選ばれるいずれか少なくとも1種が使用される。なかでも、前記エポキシ樹脂は、特性的にも優れており最も好適である。
上記粗化液に可溶性のエラストマー粒子としては、ポリブタジエンゴム、ブタジエンスチレンゴム、ブタジエンアクリロニトリルゴム、ポリクロロプレンゴム、ポリイソプレンゴム、アクリルゴム、多硫系合成ゴム、ウレタンゴム、ふっ素ゴム、シリコーンゴムやABS樹脂などのゴム系樹脂、ポリエステルエラストマー、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン(SBS)熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマー、などのエラストマーを用いることができる。このようなエラストマー粒子を用いる理由は、層間絶縁材が低弾性となり、応力を吸収する効果が発生し、耐ヒートサイクル特性を向上させるからである。
また、上記粗化液に可溶性の無機粒子としては、シリカ、アルミナ、ジルニア、酸化亜鉛、マグネシア、コージェライト、チタニアなどの酸化物、炭化ケイ素、炭化硼素などの炭化物、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素などの窒化物、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムなどの炭酸塩、硫酸バリウムなどの硫酸塩、タルクなどを用いることができる。このような無機粒子を用いる理由は、層間絶縁層の熱膨張率を低減させる効果があり、耐ヒートサイクル特性を向上させることができるからである。
特に、炭化ケイ素や窒化アルミニウムなどのように高熱伝導率の無機粒子を使用すると、接着剤層の熱伝導率を向上させることができる。
上記樹脂マトリックス中に分散される粒子の形状は、球形状、中空形状、解砕片状などの形状のものを使用することができ、その平均粒径は0.05〜10μmのものが望ましく、0.1μm〜5μmがより望ましい大きさである。その理由は、平均粒径10μmを超えると、アンカーが深くなりすぎて、100μm以下の、いわゆるファインパターンを転写できなくなるからであり、一方、0.05μm未満になると、導体と層間絶縁材間の密着強度を十分に確保できなくなるため、導体が層間絶縁層から剥離したり、層間絶縁層にクラックが発生するからである。
上記粒子の配合量は、層間絶縁材の樹脂固形分100 に対して、重量比で5〜100 の割合であることが望ましく、10〜70がより望ましい範囲である。その理由は、重量比で5未満の場合は、アンカーを形成することができず、100 を超える場合は、混練が難しくなること、また相対的に耐熱性樹脂マトリックスの量が減り、接着剤層の強度が低下してしまうためである。
上記層間絶縁層表面の粗化処理は、層間絶縁層に配線パターン形成用の溝およびバイアホール形成用の溝を転写した後に行うことが望ましい。その理由は、層間絶縁層表面に形成された配線パターン形成用の溝およびバイアホール形成用の溝の底壁だけでなく側壁をも粗化することができるためであり、それらの粗化面のアンカー効果により、層間絶縁層と導体との間の密着強度が増加し、導体の側壁もしくは角部等を起点とするクラックを防止することができるからである。
上記層間絶縁層と導体との密着強度を上げる他の方法としては、配線パターン形成用の溝およびバイアホール形成用の溝とそれぞれ鏡像関係にあるような凸部を有するモールドの表面に、アンカー形成用の微細な凹凸を形成することである。
その凹凸の大きさとしては、0.05〜10μm程度が望ましい。その理由は、10μmを超えると、アンカーが深くなり、100 μm以下の微細な配線パターンを転写できなくなるからであり、0.05μm未満になると導体と層間絶縁層との間の十分な密着強度を確保できないため、導体が層間絶縁層から剥離したり、層間絶縁層にクラックが発生するからである。
上述したように、本発明にかかる多層プリント配線板の特徴は、層間絶縁層を、従来のインプリント法で用いていた熱可塑性樹脂単独の絶縁材ではなく、熱硬化性樹脂、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合樹脂、感光性を付与した熱硬化性樹脂、感光性を付与した熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合樹脂および感光性樹脂から選ばれる少なくとも1の樹脂を用いることにあり、これらの熱硬化性樹脂あるいは感光性樹脂を含む樹脂は、いずれも比較的に低温で軟化するため、高温にしないとモールドを押し込むことができないという、従来のインプリント法における課題を有利に解決することができる。
本発明に用いられる上記樹脂の軟化温度は、60〜130℃の間で最低溶融粘度を示すような樹脂を用いることが望ましい。その理由は、60℃未満では、層間絶縁材を基板に塗布あるいは貼付した後の熱処理工程で軟化してしまうからであり、逆に、130℃を越えると、モールドの形状が劣化するからである。
以下、本発明にかかる多層プリント配線板を、層間絶縁材として熱硬化性樹脂単独、あるいは熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の混合樹脂を用いて製造する具体的な方法の一例を説明する。
(1) 先ず、導体回路が形成されたコア基板上に、熱硬化性樹脂単独、あるいは熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合樹脂からなる液状あるいはドライフィルムの層間絶縁材を塗布あるいは貼付して、層間絶縁層を形成する。
(2) 上記基板を、層間絶縁材が最低溶融粘度を示す温度±20℃まで昇温する。最低溶融粘度を示す温度±10℃が好適範囲である。このような温度設定は、低い圧力でモールドを押し込むために有利である。
(3) 前記コア基板上に形成した層間絶縁層に、導体回路およびバイアホールと鏡像関係にある凸部を有するモールドを、位置合わせした後、押し込んで、層間絶縁層表面に圧入させ、導体回路形成用およびバイアホール形成用の溝を形成する。
(4) 溝が形成された前記層間絶縁層を、その最低溶融粘度を示す温度+5℃以上の温度で仮硬化させ、その後、層間絶縁層から前記モールドを取り外す。
(5) 次に、層間絶縁層の温度を上昇させ、上記樹脂を完全に熱硬化させる。
このような工程で、層間絶縁層に導体回路形成用およびバイアホール形成用の溝を形成して、層間絶縁層を硬化させれば、モールドが圧入されていない状態で層間絶縁層の最低溶融粘度を通過することがないので、溝形状をいつまでも適正に維持することができる。
(6) 前記溝が形成された層間絶縁層の表面に触媒を付与した後、無電解銅めっき処理を施すことによって、底面や側面を含んだ表面全体に無電解銅めっき層を形成する。
(7) 前記無電解銅めっき層上に、電解銅めっき処理を施すことによって、層間絶縁層に形成した溝に完全に銅めっきを充填すると同時に、層間絶縁層の表面全体も銅めっきによって被覆された状態とする。
(8) 前記層間絶縁層の表面が露出するまで銅めっき層を研磨することによって、層間絶縁層に形成された導体回路形成用溝およびバイアホール形成用溝内に銅めっきが充填されてなる導体回路およびバイアホールを形成する。
なお、上述した例では、溝内にめっきを充填して導体回路およびバイアホールを形成したが、そのめっきに限定されるべきではなく、例えば、導電ペーストや半田等を印刷によって、導体回路形成用溝およびバイアホール形成用溝に充填させてもよいし、スパッタや蒸着等の物理的手法で溝内に導体を充填形成してもよい。また、物理的手法とめっきの組み合わせによって形成してもよい。
また、モールドによって導体回路形成用溝およびバイアホール形成用溝を転写した後に、層間絶縁層の表面を化学的あるいは物理的なクリーニング処理を行なってもよい。ここで、化学的あるいは物理的なクリーニング処理を行なう目的は、溝の底部に樹脂等の残滓が残存している場合には、それに起因した層間の接続不良を引き起こすおそれがあるため、予めそれらの残存樹脂をクリーニングにより除去することにある。
なお、層間絶縁層を形成する樹脂内に粒子が混合されている場合には、モールドによる溝の転写後に、層間絶縁層の表面に粗化処理を施して粗面化することが好ましい。そのような粗化処理によって、粒子が粗化液に溶解したりあるいは樹脂層が粗化液に溶解されて、その樹脂層から粒子が脱落して、層間絶縁層の表面にアンカーが形成され、その結果、樹脂層と導体との密着性を改善することができるからである。したがって、バイアホール形成用溝の底部に残存する樹脂等の残滓は、粗化液によって溶解、除去されるので、敢えて特別なクリーニング処理を行う必要はない。
この実施例は、層間絶縁材として熱硬化性樹脂を使用した例である。
(A)層間絶縁層用フィルムの作製
(1) ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル製、商品名:E−1001)40重量部と、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェル製、商品名:E−154)60重量部と、イミダゾール型硬化剤(四国化成製、商品名:2PHZ)5重量部とブチルセロソルブアセテート75重量部とを三本ローラーで攪拌、混合してフィルム前駆体を調整した。
(2) このフィルム前駆体をロールコータ(サーマトロニクス貿易製)を使用して、ポリメチルペンテン(TPX)(三井石油化学工業製、商品名:オピュランX−88,軟化点180℃)製の50μm厚のフィルム上に塗布し、その後、80℃で2時間、120℃で5時間、150 ℃で2時間、乾燥硬化させて厚さ40μmの層間絶縁層用樹脂フィルム層を形成した。
(B)スルーホール充填用樹脂組成物の調製
ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル社製、分子量:310、YL983U)100重量部、表面にシランカップリング剤がコーティングされた平均粒径が1.6μmで、最大粒子の直径が15μm以下のSiO 球状粒子(アドテック社製、CRS 1101−CE)72重量部およびレベリング剤(サンノプコ社製 ペレノールS4)1.5重量部を容器にとり、攪拌混合することにより、その粘度が23±1℃で30〜60Pa・sの樹脂充填材を調製した。なお、硬化剤として、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−CN)6.5重量部を用いた。
(C)多層プリント配線板の製造
(1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる絶縁性基板1の両面に12μmの銅箔8がラミネートされている銅張積層板を出発材料として用いた(図1(a)参照)。
(2)まず、この銅張積層板をドリル削孔し、無電解めっきおよび電気めっきとを順次に施した後、パターン状にエッチングすることにより、基板1の両面に下層導体回路4とスルーホール9を形成した。
(3)上記下層導体回路4とスルーホール9を形成した基板1をNaOH(10g/l)、NaClO (40g/l)、Na PO (6g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする黒化処理、および、NaOH(10g/l)、NaBH (6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行い、下層導体回路4とスルーホール9の表面に粗化面11を形成した(図1(b)参照)。
(4)次に、上記(B)で作製したスルーホール充填用樹脂組成物を、下層導体回路間の隙間とスルーホール内に、スキージを用いて充填した後(図1(c)参照)、100℃、20分の条件で乾燥を行った。その基板表面を、下層導体回路4の表面およびスルーホール9のランド表面が露出するまで研磨して平坦化させ(図2(d)参照)、100℃で1時間、150℃で1時間の加熱処理を行うことにより、充填用樹脂組成物を硬化させて樹脂充填材層10を形成し、スルーホール9とした。その後、導体回路4の表面とスルーホールのランドの表面とを黒化処理する(図示せず)。
(5)次に、上記(A)で作製した層間絶縁材用樹脂フィルムを、温度50〜150℃まで昇温しながら、0.5MPaの圧力で真空圧着ラミネートして貼り付け、層間絶縁層12を形成した(図2(e)参照)。
(6)次に、上層の導体回路に相当する配線パターンおよびバイアホールを形成するための凸部14および16を有するモールド20を作製し(図2(f)参照)、そのモールド20を層間絶縁層12に最低溶融粘度を示す温度110℃で、0.8MPaの圧力で3分間押し付けて圧入し(図3(g)参照)、その後、冷却して70℃の時点で前記モールド20を層間絶縁層12から取り外した。(図3(h)参照)。
上記モールド(たとえばニッケル製)は、上記配線パターン形成用溝に対応する凸部14の形状は、最小線幅:5μm、最小線間距離:5μm(L/S=5/5μm)の配線パターンを形成するような形状であり、突出量は20μmであるように形成されている。又、バイアホール形成用の溝に対応する凸部16の形状は、直径が70μmの円筒形であり、突出量(バイアホールの深さに相当)は、45μmであるように形成されている。
なお、ここでは、絶縁抵抗が測定できるように、テストパターンとしてL/S=5/5μmの櫛歯パターンを形成するための溝に相当する凸部をモールド20に形成した。
(7)次に、基板1を150℃で3時間の熱処理を行ない、層間絶縁層12を完全に硬化させた。
(8)配線パターン形成用溝22およびバイアホール形成用溝24を転写した基板1を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液に10分間浸漬して、層間絶縁層12の表面(溝22、24の内壁面を含む)を粗化した(粗化層の図示は省略)。
(9)次に、上記処理を終えた基板1を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。さらに、層間絶縁層12の表面に、パラジウム触媒を付与することにより、層間絶縁層12の表面(溝22、24の内壁面を含む)に触媒核を付着させた(図示せず)。すなわち、上記基板1を塩化パラジウム(PbCl )と塩化第一スズ(SnCl )とを含む触媒液中に浸漬し、パラジウム金属を析出させることにより触媒を付与した。
(10)次に、以下の組成の無電解銅めっき水溶液中に、基板1を浸漬し、層間絶縁層12の表面(溝22、24の内壁面を含む)に厚さ0.6〜3.0μmの無電解銅めっき膜を形成した。
〔無電解めっき水溶液〕
硫酸銅 0.800 mol/l
EDTA 0.030 mol/l
HCHO 0.050 mol/l
NaOH 0.100 mol/l
α、α′−ビピリジル 100 mg/l
ポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l
〔無電解めっき条件〕
34℃の液温度で40分
(11)次に、以下のような電解めっき条件にて、上記(10)で得た無電解銅めっき膜上に、厚さ50μmの電解銅めっき膜を形成して、転写された溝22および24を完全に充填すると共に基板1の表面全体に導体層26を形成した(図3(i)参照)。
〔電解めっき液〕
硫酸 2.24 mol/l
硫酸銅 0.26 mol/l
添加剤(アトテックジャパン社製、カパラシドGL)
19.5 ml/l
〔電解めっき条件〕
電流密度 3A/dm
時間 65分
温度 22±2℃
(12)上記(11)でめっき形成した基板表面を、層間絶縁層12の表面が露出するまで研磨して平坦化し、配線パターン30を有する上層導体回路32およびバイアホール34の上端を露出させた(図4(j)参照)。
(13)パターン形成した基板をNaOH(10g/l)、NaClO (40g/l)、Na PO (6g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする黒化処理、および、NaOH(10g/l)、NaBH (6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行い、上層導体回路32の表面に粗化面(図示を省略)を形成した。
(14)前記(13)で得た基板1に対して、上記(A)で作製した層間絶縁材用樹脂フィルムを、温度50〜150℃まで昇温しながら、0.5MPaで真空圧着ラミネートして貼り付け、層間絶縁層38を形成した(図4(k)参照)。
(15)次いで、さらに上層の導体回路に相当する配線パターンおよびバイアホールを形成するための凸部42および44を有する別のモールド40を、上記(6)と同様にして作製し(図4(l)参照)、そのモールド40を層間絶縁層38に最低溶融粘度を示す温度110℃で、0.8MPaの圧力で3分間押し込んで圧入し(図5(m)参照)、その後冷却して、70℃の時点でモールド40を層間絶縁層38から取り外した。(図5(n)参照)。
なお、ここでは、接続抵抗が測定できるように、バイアホールを介した連続するパターンを形成するための溝に対応する凸部をモールド40に形成した。
(16)上記モールド40によって溝が形成された層間絶縁層38に対して上記(7)〜(13)の工程を繰り返して、さらに上層の導体回路46、バイアホール48を形成した(図6(o)参照)。
(17)前記(16)で得た基板1の両面に、市販のソルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布した。次いで、70℃で20分間、70℃で30分間の乾燥処理を行った後、クロム層によってソルダーレジスト開口部の円パターン(マスクパターン)が描画された厚さ5mmのソーダライムガラス基板を、クロム層が形成された側をソルダーレジスト層に密着させて載置し、1000mJ/cm の紫外線で露光し、DMTG現像処理した。そしてさらに、80℃で1時間、 100℃で1時間、 120℃で1時間、 150℃で3時間の条件で加熱処理し、はんだパッドの上面、バイアホールとそのランド部分を開口した(開口径 180μm)ソルダーレジスト層50のパターン(厚み20μm)を形成した(図6(p)参照)。
(18)次に、ソルダーレジスト層50を形成した基板を、塩化ニッケル30g/l、次亜リン酸ナトリウム10g/l、クエン酸ナトリウム10g/lからなるpH=5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口部に厚さ5μmのニッケルめっき層(図示を省略)を形成した。さらに、その基板を、シアン化金カリウム2g/l、塩化アンモニウム75g/l、クエン酸ナトリウム50g/l、次亜リン酸ナトリウム10g/lからなる無電解金めっき液に93℃の条件で23秒間浸漬して、ニッケルめっき層上に厚さ0.03μmの金めっき層(図示を省略)を形成した。
(19)そして、ソルダーレジスト層50の開口部にはんだペーストを印刷して、 200℃でリフローすることによりはんだバンプ(はんだ体)52を形成し、はんだバンプを有する多層プリント配線板を製造した(図6(q)参照)。
上記(1)〜(19)の工程によって製造された多層プリント配線板は、配線パターンがL/S=5/5μmであるような凸部が形成されたモールド20および40を用いたが、これに加えて、L/S=7.5/7.5μm、10/10μm、12.5/12.5μmおよび15/15μmであるような配線パターンに対応した凸部を形成した異なるモールドを作製すると共に、これらの各モールドを用いて、上記(1)〜(19)の工程にしたがって、L/Sの異なる配線パターンを有する多層プリント配線板を製造した。
なお、上記(6)において、絶縁抵抗が測定できるように、L/S=7.5/7.5μm、10/10μm、12.5/12.5μmおよび15/15μmの櫛歯パターンをテストパターンとして各モールド20に形成し、上記(6)および(15)において、接続抵抗が測定できるように、バイアホールを介した連続するパターンを形成するための溝に相当する凸部を各モールド20および40に形成した。
この実施例は、層間絶縁材として熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の混合樹脂を用いた例であり、層間絶縁材を、以下の(A)(1)〜(2)の工程で作製した層間絶縁材用フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を製造した。
(A)層間絶縁材用フィルムの作製
(1)クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製、商品名;EOCN-104S 、エポキシ当量220 、分子量5000)65重量部、ポリエーテルスルホン(PES)(ICI製、商品名;Victrex 、分子量17000 )40重量部、イミダゾール系硬化剤(四国化成製、商品名;2E4MZ-CN)5重量部を混合した後、NMP(ノルマルメチルピロリドン)を添加しながら、ホモディスパー攪拌機で粘度120CPSに調整してフィルム前駆体を作製した。
(2)このフィルム前駆体をロールコータ(サーマトロニクス貿易製)を使用して、ポリメチルペンテン(TPX)(三井石油化学工業製、商品名:オピュランX−88,軟化点180℃)製の50μm厚のフィルム上に塗布し、その後、80℃で2時間、120 ℃で5時間、150 ℃で2時間、乾燥硬化させて厚さ40μmの層間絶縁層用樹脂フィルム層を形成した。
この実施例は、層間絶縁材として感光性を付与した熱硬化性樹脂を用いた例である。
(A)層間絶縁材用フィルムの作製
(1) DMDG(ジメチルグリコールジメチルエーテル)に溶解したクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製、分子量2500)の25%アクリル化物を56重量部、イミダゾール硬化剤(四国化成製、商品名:2E4MZ-CN)2重量部、感光性モノマーであるカプロラクトン変成トリス(アクロキシエチル)イソシアヌレート(東亜合成製、商品名:アロニックスM315 )4重量部、光開始剤(チバガイギー社製、商品名:イルガキュア907 )2重量部、光増感剤(日本化薬製、商品名:DETX−S)0.2 重量部を混合した後、NMP(ノルマルメチルピロリドン)30.0重量部を添加しながら混合し、ホモディスパー攪拌機で粘度7Pa・sに調整し、続いて3本ロールで混練してフィルム前駆体を得た。
(2) このフィルム前駆体をロールコータ(サーマトロニクス貿易製)を使用して、ポリメチルペンテン(TPX)(三井石油化学工業製、商品名:オピュランX−88,軟化点180℃)製の50μm厚のフィルム上に塗布し、その後、80℃で2時間、120 ℃で5時間、150℃で2時間、乾燥硬化させて厚さ40μmの層間絶縁層用樹脂フィルム層を形成した。
(B)スルーホール充填用樹脂組成物の調製
上記実施例1と同様なスルーホール充填用樹脂組成物を調製した。
(C)多層プリント配線板の製造
(1) 実施例1の(1)〜(6)と同様の工程を実施した。
(2) 次に、配線パターン形成用溝22およびバイアホール形成用溝24を形成した層間絶縁層の全面に、1500mJ/cmの紫外線を照射して、層間絶縁層12を光硬化し、その後、150℃で3時間熱処理を行なって層間絶縁層12を完全に硬化させた。
(3) 上記(2)で得た基板1を、60g/lの過マンガン酸を含む70℃の溶液に10分間浸漬して、層間絶縁層12の表面(溝の側壁・底壁を含む)を粗化した(粗化面の図示は省略)。
(4) 実施例1の(9)〜(19)と同様の工程を実施して、多層プリント配線板を製造した。
この実施例は、層間絶縁材として熱硬化性樹脂に立体拘束効果を有する粒子を混合したものを用いた例であり、層間絶縁材を以下の(A)(1)〜(2)の工程で作製した層間絶縁層用フィルムを用いた以外は、実施例1と同様に多層プリント配線板を製造した。
(A)層間絶縁層用フィルムの作製
(1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル製、商品名:E−1001)40重量部と、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェル製、商品名:E−154)60重量部と、イミダゾール型硬化剤(四国化成製、商品名:2PHZ)5重量部と、膨潤性フッ素マイカ粒子(コープケミカル社製、商品名:MAE−100、平均長さ:0.2μm、平均厚み:0.003μm)20重量部と、ブチルセロソルブアセテート75重量部とを三本ローラーで攪拌、混合してフィルム前駆体を調整した。
(2)このフィルム前駆体をロールコータ(サーマトロニクス貿易製)を使用して、ポリメチルペンテン(TPX)(三井石油化学工業製、商品名:オピュランX−88,軟化点180℃)製の50μm厚のフィルム上に塗布し、その後、80℃で2時間、120 ℃で5時間、150 ℃で2時間、乾燥硬化させて厚さ40μmの層間絶縁層用樹脂フィルムを形成した。
この実施例は、層間絶縁材として熱硬化性樹脂を用い、モールドの形状を層間絶縁層に転写する工程と熱硬化処理工程とを連続で処理する例である。
(A)層間絶縁材用フィルムの作製
上記実施例1と同様に、層間絶縁層用樹脂フィルム層を作製した。
(B)スルーホール充填用樹脂組成物の調製
上記実施例1と同様に、スルーホール充填用樹脂組成物を調製した。
(C)多層プリント配線板の製造
(1) 実施例1の(1)〜(5)と同様の工程を実施した。
(2) 次に、上層の導体回路に相当する配線パターンおよびバイアホールを形成するための凸部14および16を有するモールド20を作製し(図2(f)参照)、そのモールド20を層間絶縁層12に最低溶融粘度を示す温度110℃で、0.8MPaの圧力で3分間押し付けて挿入し(図3(g)参照)、そのままの状態で昇温して130℃の時点で、モールド20を層間絶縁層12から取り外した(図3(h)参照)。
上記モールド20の形状については、実施例1と同様であり、そのモールド20にテストパターン用の溝に相当する凸部を形成したことも同様である。
(3) 実施例1の(7)〜(14)と同様の工程を実施した。
(4) 次いで、さらに上層の導体回路に相当する配線パターンおよびバイアホールを形成するための凸部42および44を有する別のモールド40を作製し(図4(l)参照)、そのモールド40を層間絶縁層38に最低溶融粘度を示す温度110℃で、0.8MPaの圧力で3分間押し込んで圧入し(図5(m)参照)、そのままの状態で昇温して130℃の時点で、モールド40を層間絶縁層38から取り外した(図5(n)参照)。
上記モールド40の形状については、実施例1と同様であり、そのモールド40にテストパターン用の溝に相当する凸部を形成したことも同様である。
(5) 実施例1の(16)〜(19)と同様の工程を実施して、多層プリント配線板を製造した。
この実施例は、層間絶縁材として熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の混合樹脂に粗化液に対して可溶な粒子を混合したものを用いた例である。
(A)層間絶縁層用フィルムの作製
(1)クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製、商品名;EOCN-104S 、エポキシ当量220 、分子量5000)65重量部、ポリエーテルスルホン(PES)(ICI製、商品名;Victrex 、分子量17000 )40重量部、イミダゾール系硬化剤(四国化成製、商品名;2E4MZ-CN)5重量部、エポキシ樹脂微粒子(東レ製、商品名:トレパール、平均粒径1.0μm)15重量部を混合した後、NMP(ノルマルメチルピロリドン)を添加しながら、ホモディスパー攪拌機で粘度120CPSに調整してフィルム前駆体を作製した。
(2)このフィルム前駆体をロールコータ(サーマトロニクス貿易製)を使用して、ポリメチルペンテン(TPX)(三井石油化学工業製、商品名:オピュランX−88,軟化点180℃)製の50μm厚のフィルム上に塗布し、その後、80℃で2時間、120 ℃で5時間、150 ℃で2時間、乾燥硬化させて厚さ40μmの層間絶縁層用樹脂フィルム層を形成した。
(B)
上記実施例1と同様に、スルーホール充填用樹脂組成物を調製した。
(C)多層プリント配線板の製造
(1)実施例1の(1)〜(7)と同様の工程を実施した。
(2)次に、層間絶縁層12を完全に硬化させてなる基板1を、800g/lのクロム酸を含む80℃の溶液に10分間浸漬して、層間絶縁層12の表面(溝22、24の内壁を含む)を粗化した(粗化面の図示は省略)。
(3)実施例1の(9)〜(19)と同様の工程を実施して、多層プリント配線板を製造した。
この実施例は、層間絶縁材として熱硬化性樹脂に粗化液に可溶な粒子と立体拘束効果を有する粒子とを混合したものを用いた例である。
(A) 層間絶縁層用フィルムの作製
(1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル製、商品名:E−1001)40重量部と、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェル製、商品名:E−154)60重量部と、イミダゾール型硬化剤(四国化成製、商品名:2PHZ)5重量部と、膨潤性フッ素マイカ粒子(コープケミカル社製、商品名:MAE−100、平均長さ:0.2μm、平均厚み:0.003μm)20重量部と、平均粒子1μmのSiO粒子20重量部を混合した後、NMP(ノルマルメチルピロリドン)30.0重量部を添加しながら混合し、ホモディスパー攪拌機で粘度7Pa・sに調整し、続いて3本ロールで混練してフィルム前駆体を得た。
(2)このフィルム前駆体をロールコータ(サーマトロニクス貿易製)を使用して、ポリメチルペンテン(TPX)(三井石油化学工業製、商品名:オピュランX−88,軟化点180℃)製の50μm厚のフィルム上に塗布し、その後、80℃で2時間、120 ℃で5時間、150℃で2時間、乾燥硬化させて厚さ40μmの層間絶縁層用樹脂フィルム層を形成した。
(B)スルーホール充填用樹脂組成物の調製
上記実施例1と同様に、スルーホール充填用樹脂組成物を調製した。
(C)多層プリント配線板の製造
(1)実施例1の(1)〜(7)と同様の工程を実施した。
(2)次に、層間絶縁層12を完全に硬化させてなる基板1を、60g/lの過マンガン酸を含む70℃の溶液に10分間浸漬して、層間絶縁層12の表面(溝22、4の内壁面を含む)を粗化した(粗化面の図示は省略)。
(3)実施例1の(9)〜(19)と同様の工程を実施して、多層プリント配線板を製造した。
この実施例は、層間絶縁材として、光硬化性を付与した熱硬化性樹脂に立体拘束効果を有する粒子を混合したものを用いた例であり、層間絶縁材を以下の(A)(1)〜(2)の工程で作製した層間絶縁層用フィルムを用いた以外は、実施例3と同様に多層プリント配線板を製造した。
(A)層間絶縁層用フィルムの作製
(1) DMDG(ジメチルグリコールジメチルエーテル)に溶解したクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製、分子量2500)の25%アクリル化物を56重量部、イミダゾール硬化剤(四国化成製、商品名:2E4MZ-CN)2重量部、感光性モノマーであるカプロラクトン変成トリス(アクロキシエチル)イソシアヌレート(東亜合成製、商品名:アロニックスM315 )4重量部、光開始剤(チバガイギー社製、商品名:イルガキュア907 )2重量部、光増感剤(日本化薬製、商品名:DETX−S)0.2 重量部、膨潤性フッ素マイカ粒子(コープケミカル社製、商品名:MAE−100、平均長さ:0.2μm、平均厚み:0.003μm)20重量部を混合した後、NMP(ノルマルメチルピロリドン)30.0重量部を添加しながら混合し、ホモディスパー攪拌機で粘度7Pa・sに調整し、続いて3本ロールで混練してフィルム前駆体を得た。
(2)このフィルム前駆体をロールコータ(サーマトロニクス貿易製)を使用して、ポリメチルペンテン(TPX)(三井石油化学工業製、商品名:オピュランX−88,軟化点180℃)製の50μm厚のフィルム上に塗布し、その後、80℃で2時間、120 ℃で5時間、150 ℃で2時間、乾燥硬化させて厚さ40μmの層間絶縁層用樹脂フィルム層を形成した。
この実施例は、層間絶縁材として熱硬化性樹脂に立体拘束効果を有する粒子を混合したものを用いた例であり、実施例4の(A)に記載の膨潤性フッ素マイカ粒子の混合量を3重量部にした以外は、実施例4と同様にして多層プリント配線板を製造した。
この実施例は、実施例9と同様に、層間絶縁材として、実施例4の(A)に記載の膨潤性フッ素マイカ粒子の混合量を5重量部にした以外は、実施例4と同様にして多層プリント配線板を製造した。
この実施例は、実施例9と同様に、層間絶縁材として、実施例4の(A)に記載の膨潤性フッ素マイカ粒子の混合量を100重量部にした以外は、実施例4と同様にして多層プリント配線板を製造した。
この実施例は、実施例9と同様に、層間絶縁材として、実施例4の(A)に記載の膨潤性フッ素マイカ粒子の混合量を150重量部にした以外は、実施例4と同様にして多層プリント配線板を製造した。
この実施例は、実施例9と同様に、層間絶縁材として、実施例4の(A)に記載の膨潤性フッ素マイカ粒子の混合量を155重量部にした以外は、実施例4と同様にして多層プリント配線板を製造した。
この実施例は、層間絶縁材として粗化液に可溶性の粒子(平均粒径1μmのSiOを5重量部)を熱硬化性樹脂に混合したものを用いた例であり、実施例7の(A)に記載の層間絶縁層用フィルムを以下のようにして作製した以外は、実施例7とほぼ同様にして多層プリント配線板を製造した。
(A) 層間絶縁層用フィルムの作製
(1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル製、商品名:E−1001)40重量部と、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェル製、商品名:E−154)60重量部と、イミダゾール型硬化剤(四国化成製、商品名:2PHZ)5重量部と、平均粒径1μmのSiO粒子5重量部を混合した後、NMP(ノルマルメチルピロリドン)30.0重量部を添加しながら混合し、ホモディスパー攪拌機で粘度7Pa・sに調整し、続いて3本ロールで混練してフィルム前駆体を得た。
(2)このフィルム前駆体をロールコータ(サーマトロニクス貿易製)を使用して、ポリメチルペンテン(TPX)(三井石油化学工業製、商品名:オピュランX−88,軟化点180℃)製の50μm厚のフィルム上に塗布し、その後、80℃で2時間、120 ℃で5時間、150 ℃で2時間、乾燥硬化させて厚さ40μmの層間絶縁層用樹脂フィルム層を形成した。
この実施例は、層間絶縁材として粗化液に可溶性の粒子(平均粒径1μmのSiOを10重量部)を熱硬化性樹脂に混合したものを用いた例であり、実施例7の(A)に記載の層間絶縁層用フィルムを以下のようにして作製した以外は、実施例7とほぼ同様にして多層プリント配線板を製造した。
(A) 層間絶縁層用フィルムの作製
(1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル製、商品名:E−1001)40重量部と、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェル製、商品名:E−154)60重量部と、イミダゾール型硬化剤(四国化成製、商品名:2PHZ)5重量部と、平均粒径1μmのSiO粒子10重量部を混合した後、NMP(ノルマルメチルピロリドン)30.0重量部を添加しながら混合し、ホモディスパー攪拌機で粘度7Pa・sに調整し、続いて3本ロールで混練してフィルム前駆体を得た。
(2)このフィルム前駆体をロールコータ(サーマトロニクス貿易製)を使用して、ポリメチルペンテン(TPX)(三井石油化学工業製、商品名:オピュランX−88,軟化点180℃)製の50μm厚のフィルム上に塗布し、その後、80℃で2時間、120 ℃で5時間、150 ℃で2時間、乾燥硬化させて厚さ40μmの層間絶縁層用樹脂フィルム層を形成した。
この実施例は、層間絶縁材として粗化液に可溶性の粒子(平均粒径1μmのSiOを70重量部)を熱硬化性樹脂に混合したものを用いた例であり、実施例7の(A)に記載の層間絶縁層用フィルムを以下のようにして作製した以外は、実施例7とほぼ同様にして多層プリント配線板を製造した。
(A) 層間絶縁層用フィルムの作製
(1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル製、商品名:E−1001)40重量部と、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェル製、商品名:E−154)60重量部と、イミダゾール型硬化剤(四国化成製、商品名:2PHZ)5重量部と、平均粒径1μmのSiO粒子70重量部を混合した後、NMP(ノルマルメチルピロリドン)30.0重量部を添加しながら混合し、ホモディスパー攪拌機で粘度7Pa・sに調整し、続いて3本ロールで混練してフィルム前駆体を得た。
(2)このフィルム前駆体をロールコータ(サーマトロニクス貿易製)を使用して、ポリメチルペンテン(TPX)(三井石油化学工業製、商品名:オピュランX−88,軟化点180℃)製の50μm厚のフィルム上に塗布し、その後、80℃で2時間、120 ℃で5時間、150 ℃で2時間、乾燥硬化させて厚さ40μmの層間絶縁層用樹脂フィルム層を形成した。
この実施例は、層間絶縁材として粗化液に可溶性の粒子(平均粒径1μmのSiOを100重量部)を熱硬化性樹脂に混合したものを用いた例であり、実施例7の(A)に記載の層間絶縁層用フィルムを以下のようにして作製した以外は、実施例7とほぼ同様にして多層プリント配線板を製造した。
(A) 層間絶縁層用フィルムの作製
(1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル製、商品名:E−1001)40重量部と、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェル製、商品名:E−154)60重量部と、イミダゾール型硬化剤(四国化成製、商品名:2PHZ)5重量部と、平均粒径1μmのSiO粒子100重量部を混合した後、NMP(ノルマルメチルピロリドン)30.0重量部を添加しながら混合し、ホモディスパー攪拌機で粘度7Pa・sに調整し、続いて3本ロールで混練してフィルム前駆体を得た。
(2)このフィルム前駆体をロールコータ(サーマトロニクス貿易製)を使用して、ポリメチルペンテン(TPX)(三井石油化学工業製、商品名:オピュランX−88,軟化点180℃)製の50μm厚のフィルム上に塗布し、その後、80℃で2時間、120 ℃で5時間、150 ℃で2時間、乾燥硬化させて厚さ40μmの層間絶縁層用樹脂フィルム層を形成した。
この実施例は、層間絶縁材として粗化液に可溶性の粒子(平均粒径1μmのSiOを3重量部)を熱硬化性樹脂に混合したものを用いた例であり、実施例7の(A)に記載の層間絶縁層用フィルムを以下のようにして作製した以外は、実施例7と同様にして多層プリント配線板を製造した。
(A) 層間絶縁層用フィルムの作製
(1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル製、商品名:E−1001)40重量部と、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェル製、商品名:E−154)60重量部と、イミダゾール型硬化剤(四国化成製、商品名:2PHZ)5重量部と、平均粒径1μmのSiO粒子3重量部を混合した後、NMP(ノルマルメチルピロリドン)30.0重量部を添加しながら混合し、ホモディスパー攪拌機で粘度7Pa・sに調整し、続いて3本ロールで混練してフィルム前駆体を得た。
(2)このフィルム前駆体をロールコータ(サーマトロニクス貿易製)を使用して、ポリメチルペンテン(TPX)(三井石油化学工業製、商品名:オピュランX−88,軟化点180℃)製の50μm厚のフィルム上に塗布し、その後、80℃で2時間、120 ℃で5時間、150 ℃で2時間、乾燥硬化させて厚さ40μmの層間絶縁層用樹脂フィルム層を形成した。
この実施例は、層間絶縁材として粗化液に可溶性の粒子(平均粒径1μmのSiOを105重量部)を熱硬化性樹脂に混合したものを用いた例であり、実施例7の(A)に記載の層間絶縁層用フィルムを以下のようにして作製した以外は、実施例7と同様にして多層プリント配線板を製造した。
(A) 層間絶縁層用フィルムの作製
(1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル製、商品名:E−1001)40重量部と、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェル製、商品名:E−154)60重量部と、イミダゾール型硬化剤(四国化成製、商品名:2PHZ)5重量部と、平均粒径1μmのSiO粒子105重量部を混合した後、NMP(ノルマルメチルピロリドン)30.0重量部を添加しながら混合し、ホモディスパー攪拌機で粘度7Pa・sに調整し、続いて3本ロールで混練してフィルム前駆体を得た。
(2)このフィルム前駆体をロールコータ(サーマトロニクス貿易製)を使用して、ポリメチルペンテン(TPX)(三井石油化学工業製、商品名:オピュランX−88,軟化点180℃)製の50μm厚のフィルム上に塗布し、その後、80℃で2時間、120 ℃で5時間、150 ℃で2時間、乾燥硬化させて厚さ40μmの層間絶縁層用樹脂フィルム層を形成した。
比較例1
この比較例は、層間絶縁材として熱可塑性樹脂であるPMMA(ポリメチルメタクリレート)を用いた例であり、図1に示すような実施例1とほぼ同様の工程にしたがって製造された。
(A)層間絶縁層用フィルムの作製
PMMAをポリメチルペンテン(TPX)(三井石油化学工業製、商品名:オピュランX−88,軟化点180℃)製の50μm厚のフィルム上に塗布し、その後、乾燥硬化させて厚さ40μmの層間絶縁層用樹脂フィルム層を形成した。
(B)スルーホール充填用樹脂組成物の調製
上記実施例1と同様なスルーホール充填用樹脂組成物を調製した。
(C)多層プリント配線板の製造
(1) 実施例1の(1)〜(4)と同様の工程を実施した。
(2) 下層導体回路間の隙間とスルーホール内に充填用樹脂組成物を充填し、平坦化した基板表面に対して、上記(A)で作製したPMMAフィルムを、温度160℃、圧力1MPaで真空圧着ラミネートして貼付け、層間絶縁層12を形成した(図2(e)参照)。
(3) 次いで、上層の導体回路に相当する配線パターンおよびバイアホールを形成するための凸部を有するモールド20を、実施例1と同様に作製し(図2(f)参照)、そのモールドをPMMAからなる層間絶縁層12に温度210℃で、14.2MPaにて3分間押し込んで圧入し(図3(g)参照)、その後冷却して、150℃の時点でモールドを層間絶縁層から取り外した。(図3(h)参照)。
上記モールド20の形状については、実施例1と同様であり、そのモールド20にテストパターン用の溝に相当する凸部を形成したことも同様である。
(4) 実施例1の(8)〜(13)と同様の工程を実施した。
(5) 次に、前記(4)で得た基板1に対して、上記(A)で作製した層間絶縁材用樹脂フィルムを、温度160℃、圧力1MPaで真空圧着ラミネートして貼付け、層間絶縁層38を形成した(図4(k)参照)。
(6)次いで、更に上層の導体回路に相当する配線パターンおよびバイアホールを形成するための凸部を有する別のモールド40を、上記(3)と同様にして作製し(図4(l)参照)、そのモールド40を温度210℃で、14.2MPaにて3分間押し込んで圧入し(図5(m)参照)、その後冷却して、150℃の時点でモールド40をPMMAからなる層間絶縁層38から取り外した。(図5(n)参照)。
なお、ここでも、接続抵抗が測定できるように、バイアホールを介した連続するパターンを形成するための溝に相当する凸部をモールドに形成した。
(7) 実施例1の(16)〜(19)と同様の工程を実施して、多層プリント配線板を製造した。
以上説明したような実施例1〜19および比較例1にしたがって製造した多層プリント配線板について、絶縁抵抗、接続抵抗および配線パターンの仕上がり精度等の電気的特性の評価を行うに先立って、本発明において層間絶縁材として用いる、立体拘束効果を有する粒子を混合した熱硬化性樹脂の粘度を、比較例1で用いたPMMAの粘度と比較する試験を、以下の手順にしたがって実施した。
(温度依存性)
(1) まず、上記実施例4の(A)で作製した層間絶縁層用樹脂フィルム(エポキシ樹脂に膨潤性フッ素マイカ粒子を混合させたもの)を、粘度測定用サンプルとして30mmφに切り出し、その切り出したサンプルを4℃/分で昇温しながら、樹脂の粘度を測定した(測定装置名:アレス、レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製)。
(2) 次に、上記比較例1で用いたPMMAをポリメチルペンテン(TPX)(三井石油化学工業製、商品名:オピュランX−88,軟化点180℃)製の50μm厚のフィルム上に塗布し、その後、乾燥硬化させて厚さ40μmの層間絶縁層用樹脂フィルム層を形成した。
(3) 上記(2)で形成した層間絶縁層用フィルムから、粘度測定用サンプルとして、30mmφに切り出し、その切り出したサンプルを4℃/分で昇温しながら、樹脂の粘度を測定した(測定装置名:アレス、レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製)。
これらの試験結果を、図7に示す。
この図から、比較例に用いた熱可塑性樹脂は、熱を加えても硬化しかしないが、実施例4で用いた樹脂は、軟化点を通過して、さらに熱を加えると完全硬化することがわかる。従って、実施例4のような樹脂を用いれば、多層化時の熱工程でも軟化しないので、多層化が可能なことが確認された。
(圧力依存性)
(1) 先ず、上記実施例4の(A)で作製した層間絶縁層用樹脂フィルムから、粘度測定用サンプルとして、30mmφに切り出し、その切り出したサンプルに加える圧力を変化させて、樹脂の粘度の変化を測定した。
(2) 実施例1の(A)で作製した層間絶縁層用樹脂フィルムから、粘度測定用サンプルとして、30mmφに切り出し、切り出したサンプルに加える圧力を変化させて、樹脂の粘度の変化を測定した。
これらの試験結果を、図3に示す。
この図からわかることは、立体拘束効果を有する粒子を樹脂に混合すると、外力が加わっていないときは、粘度が高く(形状を保持し易い)、外力を加えると粘度が低下するので、樹脂層にモールドを圧入する際の圧力を低下させることができる。つまり、インプリント法に適した材料であることが確認された。
次に、上記実施例1〜19および比較例1にしたがって製造した多層プリント配線板について、熱硬化樹脂等からなる層間絶縁層にモールドを用いて形成した櫛歯パターンの絶縁抵抗、バイアホールを含んだ配線パターンの接続抵抗および配線パターンの仕上がり精度を調べる試験を実施した。これらの試験結果の全体的な評価を、(表1)に示す。絶縁抵抗および接続抵抗については、規格値よりも優れている場合には○、劣っている場合には×で示し、仕上がり精度については、モールドの凸部寸法からのズレが2μm以内である場合には○、それ以外の場合には×で示した。
Figure 2005108924
表1から理解されるように、熱硬化樹脂等からなる層間絶縁層にモールドを用いて配線パターンを形成する本発明にかかる多層プリント配線板の製造方法が、絶縁抵抗、接続抵抗および配線パターンの仕上がり精度のすべてにおいて、熱可塑性樹脂単独からなる樹脂絶縁層にモールドを用いて配線パターンを形成する従来技術にかかるパターン形成方法よりも格段に優れていることが確認された。
以下、絶縁抵抗、接続抵抗および仕上がり精度を調べる試験およびそれらの結果について、詳細に説明する。実施例1〜19および比較例1については、絶縁抵抗および接続抵抗を調べるための試験を実施すると共に、実施例1〜13および比較例1については、配線パターンの仕上がり精度を調べるための試験を実施し、更に、実施例4および比較例1については、モールドの寿命を調べる試験を実施した。
(イ)評価試験1:絶縁抵抗
実施例1〜13および比較例1について、櫛歯パターンのL/S毎(5/5、7.5/7.5、10/10、12.5/12.5、15/15μm)に対応したモールドを用いて製造した多層プリント配線板の初期値絶縁抵抗を、それぞれ測定したのち、HAST試験(高温・高湿・バイアス試験:85℃/85%/3.3V)に投入し、50時間後、100時間後、150時間後、200時間後の絶縁抵抗をそれぞれ測定した。
但し、実施例14〜19については、L/S=5/5μmのみに対応したモールドを用いて製造した多層プリント配線板について測定した。
これらの測定結果を(表2)〜(表6)に示す。ここで、HAST試験開始後の絶縁抵抗が、10Ω以上の場合は○、10Ω未満の場合には×とする。なお、50時間後の測定値が10Ω以上であることが絶縁抵抗についての規格値である。
Figure 2005108924
Figure 2005108924
Figure 2005108924
Figure 2005108924
Figure 2005108924
上記評価試験1の結果から、実施例1〜19のすべてが、線幅/線間距離に無関係に、規格値である50時間後の絶縁抵抗10Ωを超えているが、比較例1では規格値未満であることが確認された。特に、線幅/線間距離が15/15μmである場合には、実施例1〜13について、200時間後の絶縁抵抗も規格値である10Ωを超え、線幅/線間距離が5/5μmである場合には、実施例3、4、5、7、8、10〜13について、150時間後の絶縁抵抗も規格値である10Ωを超えていることがわかる。
すなわち、、層間絶縁材料として熱硬化性樹脂だけでなく、それに光硬化成分を少なくとも含有させた実施例3および8、層間絶縁材料として熱硬化性樹脂を用い、モールド形状の転写工程と熱硬化工程とを連続で処理した実施例5、熱硬化性樹脂に立体拘束効果を有する粒子を少なくとも含有させた実施例4、7、8、10〜13では、絶縁抵抗が極めて優れていることがわかった。
したがって、本発明にかかる多層プリント配線板は、配線パターン間の絶縁性が、従来例に比べて大幅に優れていることが確認された。
(ロ)評価試験2:接続抵抗
実施例1〜19および比較例1について、バイアホールを介した連続パターンの初期値接続抵抗を測定したのち、ヒートサイクル試験(―55℃*5分⇔120℃*5分)に投入し、500サイクル、1000サイクル、1500サイクル、2000サイクル後の接続抵抗をそれぞれ測定した。
これらの測定結果を(表7)に示す。ここで、ヒートサイクル試験後の接続抵抗のシフト量が±10%以内である場合には〇、±10%を超えた場合には×とした。なお、1000サイクル後、接続抵抗のシフト量が±10%以内であることが、接続抵抗の規格である。
Figure 2005108924
上記評価試験2の結果から、ほとんどすべての実施例1〜19について、1000サイクル後の接続抵抗のシフト量が規格値を満たしているのに対して、比較例1については規格値を満たしていないことが確認された。
即ち、5〜150重量%の立体拘束効果を有する粒子を含んだ熱硬化性樹脂から層間絶縁層を形成した実施例4、7、8、10〜12では、1500サイクル後にも接続抵抗のシフト量が±10%以内であり、接続抵抗が極めて優れていることがわかった。そして、さらに、粗化面形成用粒子を含んだ樹脂で層間絶縁層を形成した多層プリント配線板の接続抵抗は良好であることもわかった。
したがって、本発明にかかる多層プリント配線板は、バイアホールを介した配線パターンの接続性が、従来例に比べて大幅に優れていることが確認された。
なお、上記実施例4、8〜13について、熱硬化性樹脂に含まれる立体拘束効果を有する粒子の配合量(重量%)と、HAST試験100時間後のL/S=5/5μmの櫛歯パターンの絶縁抵抗と、1500サイクル後のバイアホールを介した連続パターンの接続抵抗変化量との関係を図9に示す。
この図から分るように、立体拘束効果を有する粒子の配合量が、5〜150重量部の範囲内である場合には、プリント配線板に要求される絶縁信頼性と接続信頼性を共に満足することが確認された。
(ハ)評価試験3:仕上がり寸法(精度)
実施例1〜13と比較例1について、L/S=15/15μmに対応したモールドを用いて多層プリント配線板を製造した後に、目盛り付顕微鏡を用いて断面観察を行ない、実際に仕上った配線パターンの線幅および線間距離(L/S)を1000倍の倍率にて測定した。
これらの測定結果を(表8)に示す。
Figure 2005108924
上記評価試験3の結果から、各実施例1〜13の全てについて、L/S仕上がり寸法は、モールド寸法である15μm/15μmからのズレが2μm以内であり、特に、立体拘束効果を有する粒子を混合した熱硬化性樹脂から層間絶縁層を形成した場合には、そのズレが1μm以内であり、非常に優れた仕上がり精度が得られた。
上記(イ)〜(ハ)の電気的特性に関する各評価試験に加えて、本発明にかかる多層プリント配線板の製造方法に用いられるモールドの寿命と、従来技術によるパターン形成方法で用いられるモールドの寿命とを比較する試験を、以下の手順によって行った。
(実施例4によるモールドの寿命)
(1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂からなる絶縁性基板の両面に12μmの銅箔がラミネートされている銅張積層板を出発材料として用いた。
(2)上記基板を黒化処理した。
(3)上記基板に実施例4の(A)で作製した層間絶縁層用フィルムをラミネートした。
(4)上記(1)〜(3)の工程により作製した基材を100枚準備し、これらの基材に通し番号で1〜100までの番号を付けた。
(5)上記(4)で準備した基材から1と記載がある基材を取りだし、層間絶縁層に、L/S=15/15μmであるような配線パターンを形成するような凸部(突出量:20μm)を有するモールド(ニッケル製)を温度100℃、圧力0.8MPaで3分押し込んで圧入し、70℃まで冷却して、モールドをフィルム層から取り外した。
(6)その後、同一のモールドを使って、基材番号2から基材番号100まで順次に、上記(5)と同一条件にて、層間絶縁層にパターン形成した。
(7)パターン形成後、基材番号1、10、20、・・・90、100の基材について、顕微鏡を用いた断面観察を行ない、層間絶縁層に転写されたパターンのL/Sを測定した。
これらの結果を(表9および図10)に示す。
Figure 2005108924
(比較例1によるモールドの寿命)
(1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂からなる絶縁性基板の両面に12μmの銅箔がラミネートされている銅張積層板を出発材料として用いた。
(2)上記基板を黒化処理した。
(3)上記基板に比較例1で用いたPMMAフィルムを貼付した。
(4)上記(1)〜(3)の工程で形成される基材を100枚準備し、これらの基材に通し番号で1〜100までの番号を付けた。
(5)上記(4)で準備した基材から、基材番号1の基材を取りだし、層間絶縁層に、L/S=15/15μmであるような配線パターンを形成するような凸部(突出量:20μm)を有するモールド(ニッケル製)を温度210℃、圧力14.2MPaにて3分間押し込んで圧入し、その後冷却して、150℃の時点でモールドを取り外した。
(6)その後、同一のモールドを使って、基材番号2から基材番号100まで順次、(4)と同一条件にて、層間絶縁層にパターン形成した。
(7)パターン形成後、基材番号1、10、20…・、90、100の基材に対して、顕微鏡を用いた断面観察を行い、層間絶縁層に転写されたパターンのL/Sを測定した。
これらの結果を(表9および図10)に示す。
上記比較試験の結果から明らかなように、比較例1のようなPMMA(熱可塑性樹脂)から層間絶縁層を形成した場合には、モールドを挿入する際の樹脂温度(210℃)や、圧力(14.2MPa)が、実施例4に比べて大幅に高いので、モールドに形成された凸部が、インプリントによって押し潰されることが確認された。特に、比較例1で用いたモールドは、100回のインプリントによって、仕上がり線幅がほぼ10μmも太くなるほど押し潰され、これに対して、実施例4で用いたモールドでは、仕上がり線幅が0.2μmしか太くなっていない。即ち、モールドの凸部の形状変化が従来のような方法に比べて著しく小さいので、モールドの長寿命化を図ることができるということがわかった。
本発明にかかる多層プリント配線板は、配線パターンやバイアホールの形成に光学的な転写方法や煩雑なエッチング処理を用いることなく、配線パターンに対応する凸部を有するモールドを用いたインプリント法により製造され、層間絶縁層内に配線パターンやバイアホールを容易かつ正確に転写できるので、絶縁信頼性や層間接続性に優れると共に配線パターンが微細化された多層プリント配線板を極めて容易にしかも低コストで大量生産するのに好適である。
(a)〜(c)は、本発明の実施例1にかかる多層プリント配線板の製造工程の一部を示す図である。 (d)〜(f)は、本発明の実施例1にかかる多層プリント配線板の製造工程の一部を示す図である。 (g)〜(i)は、本発明の実施例1にかかる多層プリント配線板の製造工程の一部を示す図である。 (j)〜(l)は、本発明の実施例1にかかる多層プリント配線板の製造工程の一部を示す図である。 (m)〜(n)は、本発明の実施例1にかかる多層プリント配線板の製造工程の一部を示す図である。 (o)〜(q)は、本発明の実施例1にかかる多層プリント配線板の製造工程の一部を示す図である。 立体拘束効果を有する粒子を混合した熱硬化性樹脂と、熱可塑性樹脂(PMMA)の各粘度の温度依存性を示す図である。 立体拘束効果を有する粒子を混合した熱硬化樹脂と、熱硬化性樹脂単独の各粘度の圧力依存性を示す図である。 熱硬化樹脂に混合される立体拘束効果を有する粒子の配合量(重量%)と、HAST試験100時間後のL/S=5/5μmの櫛歯パターンの絶縁抵抗と、1500サイクル後のバイアホールを介した連続パターンの接続抵抗変化量との関係を示す図である。 同一モールドの使用回数(インプリント回数)と配線パターンの仕上がり幅の関係を示す図である。 (a)〜(c)は、従来のインプリント法による配線パターン形成方法を説明する図である。
符号の説明
1 基板
4 下層導体回路
9 スルーホール
11 粗化面
12 層間絶縁層
14、16 凸部
20 モールド
22 配線パターン形成用溝
24 バイアホール形成用溝
26 導体層
30 配線パターン
32 上層導体回路
34 バイアホール
38 層間絶縁層
40 モールド
42、44 凸部
46 上層導体回路
48 バイアホール
50 ソルダーレジスト層
52 はんだバンプ

Claims (11)

  1. コア基板上の層間絶縁層に埋設状態で形成された導体およびバイアホールとが、これらと鏡像関係にある凸部を有するモールドを用いてインプリント法で形成されてなる多層プリント配線板において、
    前記層間絶縁層が、熱硬化性樹脂、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合樹脂、感光性を付与した熱硬化性樹脂、感光性を付与した熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合樹脂および感光性樹脂から選ばれる少なくとも1の樹脂によって形成されていることを特徴とする多層プリント配線板。
  2. 前記層間絶縁層は、それを形成する樹脂に粒子が混合されてなることを特徴とする請求項1に記載の多層プリント配線板。
  3. 前記粒子は、その粒子の長さが、0.005〜10μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の多層プリント配線板。
  4. 前記粒子は、その粒子の厚みが0.001〜2μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層プリント配線板。
  5. 前記粒子は、そのアスペクト比(粒子の長さ/粒子の厚み)が、20〜500であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の多層プリント配線板。
  6. 前記層間絶縁層は、粗化液に可溶性である樹脂粒子、エラストマー粒子、無機粒子から選ばれる少なくとも1種の粒子が、樹脂マトリックス中に分散したものにて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の多層プリント配線板。
  7. 絶縁基板上の層間絶縁層に埋設状態で形成された導体層およびバイアホールを有する多層プリント配線板の製造に当たり、その製造工程の中に少なくとも下記(1)〜(5)の工程、すなわち、
    (1)熱硬化性樹脂、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合樹脂、感光性を付与した熱硬化性樹脂、感光性を付与した熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合樹脂および感光性樹脂から選ばれる少なくとも1の樹脂からなる液状タイプあるいはドライフィルムタイプの層間絶縁材料を、前記絶縁基板上に塗布し、あるいは貼付して層間絶縁層を形成する工程、
    (2)前記層間絶縁層を軟化させ、次いで、前記導体層およびバイアホールと鏡像関係にある凸部を有するモールドを軟化後の前記層間絶縁層に圧入することにより、導体層用およびバイアホール用の凹部を形成する工程、
    (3)層間絶縁層に形成された前記凹部の形状を保持できる程度に、該層間絶縁層の温度を降下あるいは上昇させ、その後、前記モールドを層間絶縁層から取り外す工程、
    (4)前記層間絶縁層を加熱処理するか紫外線照射した後に加熱処理することによって硬化させる工程、
    (5)層間絶縁層に形成された前記凹部内に導電材料を充填することによって、導体層およびバイアホールを形成する工程、
    を含むことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
  8. 前記層間絶縁材料は、前記樹脂に粒子を混合させてなることを特徴とする請求項7に記載の製造方法。
  9. 請求項7または8に記載の製造方法において、工程(4)と工程(5)との間に、凹部を形成してなる前記層間絶縁層の表面を粗化液によって粗化して、層間絶縁層表面に粗化層を形成する工程、
    を介在させることを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
  10. 絶縁基板上の層間絶縁層に埋設状態で形成された導体層およびバイアホールを有する多層プリント配線板の製造に当たり、その製造工程の中に少なくとも下記(1)〜(6)の工程、すなわち、
    (1)粗化液に可溶性である樹脂粒子、エラストマー粒子、無機粒子から選ばれる少なくとも1種の粒子を、熱硬化性樹脂、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合樹脂、感光性を付与した熱硬化性樹脂、感光性を付与した熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合樹脂および感光性樹脂から選ばれる少なくとも1の樹脂からなる樹脂マトリックス中に分散させてなる、液状タイプあるいはドライフィルムタイプの層間絶縁材料を、前記絶縁基板上に塗布し、あるいは貼付して層間絶縁層を形成する工程、
    (2)前記層間絶縁層を軟化させ、次いで、前記導体層およびバイアホールと鏡像関係にある凸部を有するモールドを軟化後の前記層間絶縁層に対して圧入することにより、導体層用およびバイアホール用の凹部を形成する工程、
    (3)層間絶縁層に形成された前記凹部の形状を保持できる程度に、該層間絶縁層の温度を降下あるいは上昇させ、その後、前記モールドを層間絶縁層から取り外す工程、
    (4)前記層間絶縁層を加熱処理するか紫外線照射した後に加熱処理することによって硬化させる工程、
    (5)凹部を形成してなる前記層間絶縁層の表面を粗化液によって粗化して、層間絶縁層表面に粗化層を形成する工程、
    (6)前記層間絶縁層に形成された凹部内に導電材料を充填することによって、導体層およびバイアホールを形成する工程、
    を含むことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
  11. 絶縁基板上の層間絶縁層に埋設状態で形成された導体層およびバイアホールを有する多層プリント配線板の製造に当たり、その製造工程の中に少なくとも下記(1)〜(5)の工程、すなわち、
    (1)熱硬化性樹脂、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合樹脂、感光性を付与した熱硬化性樹脂、感光性を付与した熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合樹脂および感光性樹脂から選ばれる少なくとも1の樹脂からなる液状タイプあるいはドライフィルムタイプの層間絶縁材料を、前記絶縁基板上に塗布し、あるいは貼付して層間樹縁層を形成する工程、
    (2)前記層間絶縁層を軟化させ、次いで、前記導体層およびバイアホールと鏡像関係にある凸部を有し、かつ少なくともその凸部の表面に微細な凹凸を有するモールドを、軟化後の前記層間絶縁層に対して圧入することにより、その表面にアンカーが形成されてなる導体層用およびバイアホール用の凹部を形成する工程、
    (3)層間絶縁層に形成された前記凹部の形状を保持できる程度に、層間絶縁層の温度を降下あるいは上昇させ、その後、前記モールドを層間絶縁層から取り外す工程、
    (4)前記層間絶縁層を加熱処理するか紫外線照射した後に加熱処理することによって硬化させる工程、
    (5)アンカーが形成された前記層間絶縁層の凹部内に導電材料を充填することによって、導体層およびバイアホールを形成する工程、
    を含むことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
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