投入された商品は、商品収納通路を構成する状態で上下方向に沿って配設された円弧状の板金製ガイド板と当接しながら落下供給されるが、このとき、従来では、ガイド板にスリット又は孔を形成することによって質量の軽減化を図り、衝突音の発生源自体を小さくするとともに、衝撃音の共鳴を抑制するように構成しているものの、それでも商品通路内を落下する商品が板金製ガイド板に当接したときの衝撃音がまだ大きく、特に、人の聴覚に耳障りな高周波音成分が多く発生していた。
また、商品収納通路内を落下してくる商品がガイド板と衝突すると、ガイド板がネジリバネ等の付勢手段の突出付勢力に抗して退避揺動することにより、落下商品を減速すると同時に落下姿勢を設定収納姿勢(水平姿勢)に矯正することができるものの、商品が当接したときの衝撃でガイド板には大きな回転スピードが付与されるため、板金製のガイド板の下端部が、それの下方に隣接する板金製ガイド板のカール部、又は、側板間に架設された金属製の規制軸を強く打撃することになり、この箇所においても大きな打撃音が発生していた。
しかも、商品接当に伴う板金製ガイド板の最大後退揺動位置が、下方に隣接する板金製ガイド板のカール部、又は、左右の側板間に架設された金属製の規制軸との当接によって規制されているため、補充されて商品収納通路内に積み上げられた商品の荷重を、揺動自在な可動ガイド板でのみ受止めることになり、可動ガイド板の変形破損を招来する可能性があった。
更に、ペットボトルを収納可能な通路幅の広い商品収納通路と缶専用の通路幅の狭い商品収納通路とを製作する場合、通路幅の広い商品収納通路に対応した長尺の左右勝手違いの両固定ガイド板と、通路幅の狭い商品収納通路に対応した短尺の固定ガイド板と、長尺の固定ガイド板に装着される可動ガイド板と、短尺の固定ガイド板に装着される可動ガイド板といった5種類のガイド板を準備する必要があり、組立て作業の煩雑化と製造コストの高騰化を招来していた。
本発明は、上述の実状に鑑みて為されたものであって、その第1の主たる課題は、ガイド板の合理的な改造をもって衝撃音や打撃音を効果的に減少することのできる自動販売機の商品収納装置を提供する点にあり、第2及び第3の主たる課題は、ガイド板の合理的な改造をもって衝撃音や打撃音を効果的に減少することができるばかりでなく、組立て作業の容易化と製造コストの低廉化を図ることのできる自動販売機の商品収納装置を提供する点にある。
本発明の請求項1による自動販売機の商品収納装置の特徴構成は、左右の側板間に、複数の商品を上下方向に積み重ね収納可能な蛇腹状の商品収納通路を形成する多数のガイド板を上下方向に配設してある自動販売機の商品収納装置であって、
前記ガイド板が、縦桟と横桟を組み合わせた格子形状に合成樹脂で一体成形されている点にある。
上記特徴構成によれば、投入された商品が商品収納通路を構成するガイド板に衝突したとき、この衝突によって生じた振動はガイド板を構成する複数の縦桟と横桟を伝わるため、衝突音の放射率が小さくなるとともに、共鳴振動を起こす平面部が少なくなり、しかも,合成樹脂で格子状に一体成形するため、従来の板金製に比して音の吸収(減衰)効果が高く、しかも、弾性率が低く靭性が高いためにバネ効果を発揮し易くなり、衝撃音又は打撃音を効果的に減少することができる。
特に、従来の板金製のガイド板に比して人の聴感的に耳障りな高周波音成分が少なくなり、より耳に優しい比較的低い周波数帯域にその成分の主要部が集中するため、音圧測定値以上に人の聴感的な静けさを得ることができる。
更に、ガイド板を構成する横桟が縦桟よりも本数が少ない場合には、衝突によって生じた振動が横方向に伝播され難くなり、左右の側板が振動して音を発生することを抑制することができる。
従って、ガイド板を合成樹脂で格子形状に一体成形するといった合理的な改造をもって商品との衝撃音又は打撃音を効果的に減少することができる。
本発明の請求項2による自動販売機の商品収納装置の特徴構成は、左右の側板間に、複数の商品を上下方向に積み重ね収納可能な蛇腹状の商品収納通路を形成する多数のガイド板を上下方向に配設してある自動販売機の商品収納装置であって、
前記ガイド板の少なくとも一部が、左右の側板間に架設される固定ガイド板と、この固定ガイド板の上端部に横軸芯周りで揺動自在に枢支され、かつ、商品収納通路内に突出付勢された可動ガイド板との組み合わせから構成されているとともに、固定ガイド板及び可動ガイド板の各々が、縦桟と横桟を組み合わせた格子形状に合成樹脂で一体成形されている点にある。
上記特徴構成によれば、投入された商品が商品収納通路を構成するガイド板に衝突したとき、この衝突によって生じた振動はガイド板を構成する複数の縦桟と横桟を伝わるため、衝突音の放射率が小さくなるとともに、共鳴振動を起こす平面部が少なくなり、しかも、合成樹脂で格子状に一体成形するため、音の吸収(減衰)効果が高く、弾性率が低く靭性が高いためにバネ効果を発揮し易くなり、従来の板金製に比して衝撃音又は打撃音を効果的に減少することができる。
しかも、固定ガイド板の上端部に可動ガイド板を横軸芯周りで揺動自在に枢支することにより、補充されて商品収納通路S内に積み上げられた商品の荷重を、可動ガイド板のみならず、最終的には曲げ強度の大きな固定ガイド板で受止めることができるので、可動ガイド板が変形破損することはない。
更に、固定ガイド板と可動ガイド板とを組み合わせてあるガイド板ユニット又はそれと固定ガイド板とを商品収納通路の形態に応じて適宜配設するだけで商品収納装置を組み立てることができる。
従って、固定ガイド板及び可動ガイド板を合成樹脂で格子形状に一体成形するといった合理的な改造をもって商品との衝撃音又は打撃音を効果的に減少することができるばかりでなく、可動ガイド板の変形破損を抑制することができ、しかも、組立て作業の容易化と製造コストの低廉化を図ることができる。
本発明の請求項3による自動販売機の商品収納装置の特徴構成は、左右の側板間に、複数の商品を上下方向に積み重ね収納可能な蛇腹状の商品収納通路を形成する多数のガイド板を上下方向に配設してある自動販売機の商品収納装置であって、
前記ガイド板が、通路幅の広い商品収納通路に対応した長尺の固定ガイド板と、通路幅の狭い商品収納通路に対応した短尺の固定ガイド板と、短尺固定ガイド板の前面及び長尺固定ガイド板の前面右側又は前面左側に対して選択的に装着自在で、かつ、商品収納通路内に突出付勢された可動ガイド板とから構成されていて、それらの組み合わせから通路幅の異なる二種類の商品収納通路を選択的に構成するとともに、各固定ガイド板及び可動ガイド板の各々が、縦桟と横桟を組み合わせた格子形状に合成樹脂で一体成形されている点にある。
上記特徴構成によれば、ペットボトルを収納可能な通路幅の広い商品収納通路と缶専用の通路幅の狭い商品収納通路とを製作する場合でも、単一種類の可動ガイド板を長尺固定ガイド板の前面右側と前面左側及び短尺固定ガイド板の前面に選択的に装着することができるから、三種類のガイド板を作り分けるだけでよく、部品作成のための金型費用が少なくて済むとともに、組立て工数の減少を図ることができる。
しかも、長尺固定ガイド板又は短尺固定ガイド板の上端部に可動ガイド板を横軸芯周りで揺動自在に枢支することにより、補充されて商品収納通路S内に積み上げられた商品の荷重を、可動ガイド板のみならず、最終的には曲げ強度の大きな長尺固定ガイド板又は短尺固定ガイド板で受止めることができるので、可動ガイド板が変形破損することはない。
更に、投入された商品が商品収納通路を構成する各固定ガイド板又は可動ガイド板に衝突したとき、この衝突によって生じた振動は各固定ガイド板又は可動ガイド板を構成する複数の縦桟と横桟を伝わるため、衝突音の放射率が小さくなるとともに、共鳴振動を起こす平面部が少なくなり、しかも、合成樹脂で格子状に一体成形するため、音の吸収(減衰)効果が高く、弾性率が低く靭性が高いためにバネ効果を発揮し易くなり、従来の板金製に比して衝撃音又は打撃音を効果的に減少することができる。
従って、三種類のガイド板を合成樹脂で格子形状に一体成形するといった合理的な改造をもって、商品との衝撃音又は打撃音を効果的に減少することができるばかりでなく、可動ガイド板の変形破損を抑制することができ、通路幅の異なる二種類の商品収納通路を備えた商品収納装置を製作する場合でも、組立て作業の容易化と製造コストの低廉化を図ることができる。
本発明の請求項4による自動販売機の商品収納装置の特徴構成は、前記可動ガイド板の少なくとも縦桟の一部が、固定ガイド板の縦桟の隣接間に対して揺動方向から入り込み自在に構成されているとともに、可動ガイド板の少なくとも縦桟の一部の入り込み移動に連れて、固定ガイド板の少なくとも縦桟の一部の端面が商品受止め位置に臨むように構成されている点にある。
上記特徴構成によれば、商品収納通路内を落下してくる商品が可動ガイド板と衝突すると、可動ガイド板の少なくとも縦桟の一部が、突出付勢力に抗して退避揺動しながら固定ガイド板の縦桟の隣接間に対して揺動方向から入り込むことにより、落下商品を減速すると同時に落下姿勢を設定収納姿勢(水平姿勢)に矯正することができ、しかも、この可動ガイド板の入り込み移動に連れて、固定ガイド板の少なくとも縦桟の一部の端面が商品受止め位置に臨むから、最終的には商品を強度の大きな固定ガイド板で確実に受け止めることができる。
従って、落下商品を減速しながら設定収納姿勢に矯正することができるばかりでなく、減速した商品を固定ガイド板に受け渡すことができるので、固定ガイド板と商品との衝突音を減少しながら商品を設定収納姿勢で確実に落下案内することができるとともに、可動ガイド板の変形、破損を抑制することができる。
本発明の請求項5による自動販売機の商品収納装置の特徴構成は、前記可動ガイド板の少なくとも縦桟の一部が、固定ガイド板の縦桟の隣接間に対して揺動方向から入り込み自在に構成されているとともに、この入り込み構造において、固定ガイド板の縦桟の横幅寸法を可動ガイド板の縦桟の横幅寸法よりも小さくしてある点にある。
上記特徴構成によれば、商品収納通路内を落下してくる商品が可動ガイド板と衝突すると、可動ガイド板の少なくとも縦桟の一部が、突出付勢力に抗して退避揺動しながら固定ガイド板の縦桟の隣接間に対して揺動方向から入り込むことにより、落下商品を減速すると同時に落下姿勢を設定収納姿勢(水平姿勢)に矯正することができる。したがって、落下商品を減速しながら設定収納姿勢に矯正することができるので、商品との衝突音を減少しながら商品を設定収納姿勢で確実に落下案内することができるとともに、可動ガイド板の変形、破損を抑制することができる。
また、固定ガイド板における縦桟の隣接間に対する可動ガイド板の縦桟の入り込み移動を可能にするのに、可動ガイド板における縦桟の隣接間隔(縦桟間の空隙のの幅)は固定ガイドにおける縦桟の横幅寸法よりも若干大きくする必要があるが、固定ガイド板の縦桟の横幅寸法を可動ガイド板の縦桟の横幅寸法よりも小さくすることで、可動ガイド板における縦桟の隣接間隔を極力小さくすることができ、これにより、商品収納通路内を降下する商品の角部が可動ガイド板の縦桟どうしの間に入り込んで引っ掛かった状態になるのを防止することができて、その引っ掛かりの為に商品が商品収納通路内において斜め縦姿勢の不具合な積み上げ収納状態になるのを効果的に防止することができる。
本発明の請求項6による自動販売機の商品収納装置の特徴構成は、前記可動ガイド板の縦桟に、その縦桟を可動ガイド板の板厚方向に貫通する貫通孔を形成してある点にある。
上記特徴構成によれば、貫通孔の形成により可動ガイド板の縦桟における音発生部分の面積を小さくして、商品との衝突に対する可動ガイド板の衝撃音放射率を一層小さくすることができ、これにより、商品との衝突による衝撃音をさらに効果的に低減することができる。そして特に、前述の如く、可動ガイド板における縦桟の隣接間隔を小さくする上で、可動ガイド板の縦桟の横幅寸法を大きくする場合において、その拡幅による衝撃音の増大を防止するのに有効な構成となる。
本発明の請求項7による自動販売機の商品収納装置の特徴構成は、前記固定ガイド板の上部に、可動ガイド板の揺動支軸を脱着自在に支承する軸受け凹部と、左右の側板間に架設される取付け部材を脱着自在に係合保持する係合保持手段とが設けられ、固定ガイド板に係合保持された取付け部材の一部が、軸受け凹部に装着された揺動支軸の抜け出しを阻止する抜け落ち防止部に構成されている点にある。
上記特徴構成によれば、固定ガイド板の上部に形成された軸受け凹部に可動ガイド板の揺動支軸を装着したのち、固定ガイド板の上部に設けた係合保持手段を介して取付け部材を係合保持することにより、固定ガイド板と可動ガイド板とを一つのガイド板ユニットとして取り扱うことができるから、組み立て作業の容易化,能率化を図ることができる。
しかも、固定ガイド板の上部に軸受け凹部が直接形成され、かつ、これに装着した可動ガイド板の揺動支軸の抜け出し移動を、ガイド板ユニットを左右の側板に取付けるための取付け部材の一部を利用して阻止することができるから、部品点数が少なくなり、組み立て作業の容易化、能率化を促進することができる。
本発明の請求項8による自動販売機の商品収納装置の特徴構成は、前記取付け部材に、左右の側板に設けられた取付け孔に対して差し込み自在で、かつ、所定位置に差し込まれたとき取付け孔の周縁に係合して左右方向での相対移動を阻止する差込み連結手段が設けられている点にある。
上記特徴構成によれば、左右の側板間に亘って、商品収納通路を構成する固定ガイド板及び可動ガイド板を組み立てる場合、取付け部材に設けた差込み連結手段を、両側板の取付け孔に対して左右方向から差し込み操作するだけで済み、しかも、差込み連結手段が所定位置に差し込まれたときには取付け孔の周縁に係合して、取付け部材と側板とが左右方向での相対移動を阻止した状態で固定連結されるから、各取付け部材が両側板の対向間隔を設定間隔に維持するための骨格部材としても機能する。
従って、左右の側板を吊下げ支持したまま各取付け部材を組付けることが可能であるから、商品収納装置の種類に応じた数の組立て治具及びプレス治具を準備する必要がなく、しかも、部品点数及び組立工数の削減を図ることができるとともに、カール加工等の複雑な加工数も少なくなり、部品コスト及び製造コストの低廉化と構造の簡素化とを図りながら能率良く容易に組み立てることができる。
本発明の請求項9による自動販売機の商品収納装置の特徴構成は、前記可動ガイド板に揺動支軸が一体成形され、それの一端部には、可動ガイド板を商品収納通路内に突出付勢するネジリバネのコイル部が脱着自在に外装される装着用軸部が一体形成されている点にある。
上記特徴構成によれば、可動ガイド板の成形時に揺動支軸も同時に一体成形することができるとともに、その揺動支軸の一端側の軸部を利用してネジリバネのコイル部を外装することができるから、部品点数が少なくなり、組み立て作業の容易化、能率化を促進することができる。
本発明の請求項10による自動販売機の商品収納装置の特徴構成は、前記固定ガイド板の軸受け凹部に、可動ガイド板を商品収納通路内に突出付勢する状態で可動ガイド板の揺動支軸に外装されたネジリバネのコイル部を下方側から支える支持片が形成されている点にある。
上記特徴構成によれば、固定ガイド板の軸受け凹部に可動ガイド板の揺動支軸を外装するとともに、その揺動支軸にネジリバネのコイル部を装着し、ネジリバネの一端部(第1の腕)を可動ガイド板に係合し、更に、ネジリバネの他端部(第2の腕)を固定ガイド板又は取付け部材に係合することにより、固定ガイド板に対して可動ガイド板を商品収納通路側に突出付勢した状態で組み立てることができるのであるが、このとき、図22に示すように、ネジリバネのコイル部は、ネジリバネの他端部を係止することによって生じる反力によって揺動軸芯側へ押されるため、ネジリバネのコイル部が揺動支軸の外周面に強く接触し、可動ガイド板の回転摺動抵抗が増大する不都合がある。
しかし、本願発明では、揺動支軸に外装されたネジリバネのコイル部を下方側から支える支持片が固定ガイド板の軸受け凹部に形成されているので、ネジリバネの他端部を固定ガイド板又は取付け部材に係合することによって、ネジリバネのコイル部を揺動軸芯側に押付ける方向の反力が生じても、揺動支軸芯からズレ移動しようとするネジリバネのコイル部を支持片で受止めることができるから、ネジリバネのコイル部が揺動支軸の外周面に強く押付けられることがなく、可動ガイド板をスムーズに揺動させることができる。
本発明の請求項11による自動販売機の商品収納装置の特徴構成は、前記固定ガイド板の上縁部に、左右の側板間に架設される合成樹脂製の横架用取付け部が一体形成されている点にある。
上記特徴構成によれば、左右の側板間に架設される前記取付け部材を固定ガイド板とは別の板金製部材により形成するのに比べ、部品点数が少なくなり、組み立て作業の容易化、能率化を促進することができる。
また、部品点数が少なくなることで部材間のガタツキを少なくし得ることと、合成樹脂製の横架用取付け部による振動吸収機能が得られることとで、商品収納装置の静音化も促進することができる。
なお、上記特徴構成の実施においては、本発明の請求項8による特徴構成と同様、固定ガイド板に一体形成する合成樹脂製の横架用取付け部に、左右の側板に設けられた取付け孔に対して差し込み自在で、かつ、所定位置に差し込まれたとき取付け孔の周縁に係合して左右方向での相対移動を阻止する差込み連結手段が設ける構成を採るのが望ましい。
本発明の請求項13による自動販売機の商品収納装置の特徴構成は、前記固定ガイド板の上部側に、入り込み移動する可動ガイド板の下端部が固定ガイド板の下端部に当接する前に、可動ガイド板の上部側との当接によって最大入り込み位置を規制する弾性変形可能な回転規制片が形成されている点にある。
上記特徴構成によれば、商品収納通路内を落下してくる商品が可動ガイド板と衝突すると、可動ガイド板の少なくとも縦桟の一部が、突出付勢力に抗して退避揺動しながら固定ガイド板の縦桟の隣接間に対して揺動方向から急速に入り込むが、このとき、固定ガイド板の上部側に形成された回転規制片に対して可動ガイド板の上部側が当接して、可動ガイド板の下端部が固定ガイド板の下端部に当接することを防止することができるので、大きな打撃音が発生することがない。
しかも、固定ガイド板の上部側に形成された回転規制片は、可動ガイド板の上部側との当接に連れて弾性変形するため、可動ガイド板の揺動が止められた時に発生する衝撃振動を効果的に減衰して音の発生を抑制することができる。
本発明の請求項13による自動販売機の商品収納装置の特徴構成は、前記商品収納通路の下端部に、最下端から二番目に位置する商品を受止めながら最下端に位置する商品を一つずつ払い出す商品払出機構を設けて、この商品払出機構とそれに対向させた案内壁部材とにより商品収納通路の下端部を形成し、この案内壁部材を合成樹脂製の成形品にしてある点にある。
上記特徴構成によれば、合成樹脂が備える音吸収(減衰)性により案内壁部材と商品との衝突による衝撃を低減することができて、商品払出機構よりも上部の商品収納通路を形成するガイド板を合成樹脂製の格子構造にすることによる衝撃音の低減効果と相まって、自動販売機における商品収納装置の静音化を一層効果的に達成することができる。
そして特に、ガイド板とともに案内壁部材も合成樹脂製にすることで、耳障りな高周波音成分の発生をさらに効果的に抑止できて、聴覚的に一層効果的な静音化が可能になる。
なお、上記特徴構成の実施において、案内壁部材を、商品収納通路の側のガイド面を形成する前壁部と、その前壁部から商品収納通路とは反対側に延出させる壁面視格子状配置の複数のリブとを備える合成樹脂製の成形品にして、商品が前壁部に衝突したときの前壁部の全体的な大きな振動を格子状配置のリブにより抑止する構造や、複数の貫通孔を壁面視で分散させて案内壁部材に形成することで、商品との衝突における案内壁部材の衝撃音放射率を小さくするとともに、案内壁部材から貫通孔を通過せずに伝播する音と案内壁部材から貫通孔を通じて伝播する音との位相のズレによる消音効果を得る構造などを併せ採用すれば、静音化をさらに効果的に促進することができる。
〔第1実施形態〕
図1に示す自動販売機の商品収納装置では、断熱壁1で囲繞されるキャビネットAの商品収納庫2内に、飲料缶や飲料瓶、ペットボトル等の複数の商品3を下方に払い出し可能な状態でほぼ上下方向に沿って水平姿勢で積重ね収納するための商品収納通路Sを備えた商品収納コラムを前後方向で複数列形成してある商品収納コラムユニットUの二つが、前後方向から吊下げ状態で脱着可能に組付けられているとともに、各商品収納コラムの前には、商品収納通路Sの上部に商品3を投入するための商品投入口4が形成され、各商品収納通路Sの下部には、商品払出指令信号(販売指令信号)に基づいて最下端から二番目に位置する商品3を受止めながら最下端に位置する商品3を一つずつ払い出す商品払出機構Bが設けられている。
また、各商品収納コラムの商品収納通路Sのうち、前から二列目以降に位置する商品収納通路Sの上部とそれに対応する商品投入口4との間には、それらを斜めに接続するための傾斜導入通路S1を形成する商品導入ガイド5が設けられているとともに、各商品導入ガイド5は、奥側ほど少し下方に位置する傾斜姿勢に形成されていて、商品投入口4から投入された商品3は、左右の側板6間に亘って架設される商品導入ガイド5の傾斜底板5A上を滑降又は転動しながら商品収納通路Sの上部に移入し、商品収納通路S内を蛇行しながら商品払出機構B側へ搬送されるように構成されている。
更に、各商品収納コラムの商品収納通路Sのうち、前から二列目以降に位置する各商品収納通路Sの入口部には、図2〜図5に示すように、傾斜導入通路S1に沿って滑降供給される商品3と当接してそれの投入姿勢を矯正する側面視略への字状の姿勢矯正板7が、商品3の通過移動に連れて横軸芯X周りでシーソー揺動自在で、かつ、上側端部7aが傾斜導入通路S1内の矯正作用位置に突出付勢された状態で設けられているとともに、各姿勢矯正板7が、板厚方向に貫通する多数の貫通孔7bを備えた合成樹脂製の多孔板から構成され、当該実施形態では、図6に示すように、複数の縦桟7Aと横桟7Bを組み合わせた格子形状に弾性を有する合成樹脂(POM)で一体形成されている。
そのため、傾斜導入通路S1に沿って滑降又は転動してきた商品3が姿勢矯正板7の上側端部7aに当接したときに衝撃音が発生するが、姿勢矯正板7が弾性を有する合成樹脂で格子形状に成形されているため、板金製に比して音の吸収(減衰)効果が高く、しかも、弾性率が低く靭性が高いためにバネ効果を発揮し易い。更に、この衝突によって生じた振動は複数の縦桟7Aと複数の横桟7Bを伝わるが、共鳴振動を起こす平面部が少なく、衝突音の放射率が小さくなるため、衝撃音を効果的に減少することができる。
特に、従来の板金製の姿勢矯正板に比して人の聴感的に耳障りな高周波音成分が少なくなり、より耳に優しい比較的低い周波数帯域にその成分の主要部が集中するため、音圧測定値以上に人の聴感的な静けさを得ることができる。
商品収納通路Sとしては、図15〜図16に示すように、ペットボトルを収納可能な通路幅Wの広い商品収納通路Sと、図17に示すように、缶専用の通路幅Wの狭い商品収納通路Sとの二種類が存在し、通路幅Wの広い商品収納通路Sには、これの通路幅Wを収納商品(ペットボトル又は缶)3の長さに応じて変更するべく、商品収納通路Sの上端近くから下端部にまで及ぶ長さを有する板金製の幅調整板(図示せず)が、通路幅方向に平行又は略平行姿勢のまま移動操作自在に配設されている。
商品収納通路Sを構成するガイド板は、図12〜図17に示すように、通路幅Wの広い商品収納通路Sに対応した長尺の固定ガイド板8と、通路幅Wの狭い商品収納通路Sに対応した短尺の固定ガイド板9と、長尺固定ガイド板8の前面の左側又は右側に対して若しくは短尺固定ガイド板9の前面に対して選択的に装備可能な共通部品としての可動ガイド板10とからなり、各ガイド板8,9,10は、板厚方向に貫通する多数の貫通孔8a,9a,10aを備えた合成樹脂製の多孔板から構成され、当該実施形態では、複数の縦桟8A,9A,10Aと横桟8B,9B,10Bを組み合わせた格子形状に弾性を有する合成樹脂(POM)で一体成形されている。
そのため、投入された商品3が商品収納通路Sを構成する固定ガイド板8,9及び可動ガイド板10に衝突したとき、この衝突によって生じた振動は固定ガイド板8,9及び可動ガイド板10を構成する複数の縦桟8A,9A,10Aと横桟8B,9B,10Bに伝播されるため、衝突音の放射率が小さくなるとともに、共鳴振動を起こす平面部が少なくなり、しかも、弾性を有する合成樹脂で格子形状に一体成形されているため、音の吸収(減衰)効果が高く、弾性率が低く靭性が高いためにバネ効果を発揮し易くなり、従来の板金製に比して衝撃音又は打撃音を効果的に減少することができる。
更に、固定ガイド板8,9及び可動ガイド板10を構成する横桟8B,9B,10Bの本数が縦桟8A,9A,10Aの本数よりも少ないため、商品3との衝突や打撃等により発生した振動が横方向に伝播され難く、商品収納コラムを構成する板金製の両側板6全体が振動して音を発生することを効果的に抑制することができる。
長尺固定ガイド板8の上部には、図12に示すように、通路幅Wの広い商品収納通路Sを形成する左右の側板6間に架設される板金製の取付け部材13を脱着自在に係合保持する係合保持手段Cが設けられているとともに、短尺固定ガイド板9の上部にも、図13に示すように、通路幅Wの狭い商品収納通路Sを形成する左右の側板6間に架設される板金製の取付け部材13を脱着自在に係合保持する同一構造の係合保持手段Cが設けられ、更に、各取付け部材13には、左右の側板6に設けられた取付け孔14に対して差し込み自在で、かつ、所定位置に差し込まれたとき取付け孔14(図23参照)の周縁に係合して左右方向での相対移動を阻止する差込み連結手段Dが設けられている。
そして、長尺固定ガイド板8、短尺固定ガイド板9、長尺固定ガイド板8の前面左側に可動ガイド板10を揺動自在に装着してあるガイド板ユニット(図16参照)、長尺固定ガイド板8の前面右側に可動ガイド板10を揺動自在に装着してあるガイド板ユニット(図15参照)、短尺固定ガイド板9の前面に可動ガイド板10を揺動自在に装着してあるガイド板ユニット(図17参照)を製作し、その中から商品収納通路Sの形態に応じて選
定された部品を、収納予定商品3の最大長さよりも若干大きな間隔で固定連結された左右一対の側板6間に亘って、前後方向に間隔をおいて対向する状態で、かつ、前後方向で対向するガイド板同士の高さを互いに半ピッチずつ位置齟齬する状態で架設することにより、各商品収納通路Sが商品補充時の落下衝撃を緩和可能な蛇行状に構成されている。
また、各商品収納通路Sの下部側で、かつ、商品払出機構Bの上方近傍箇所には、商品収納通路S内の商品3の存否を検出するべく、幅調整板の通路幅変更操作領域外の商品収納通路部分内に弾性力で突出付勢された板金製の売切れ感知板(売切れフラッパー)11がそれの上端側の横軸芯周りで揺動自在に設けられている。
次に、姿勢矯正板7及びそれの取付け構造について説明する。
図2〜図6に示すように、姿勢矯正板7は、複数の縦桟7Aと複数の横桟7Bとをもって側面視略くの字状に合成樹脂で一体成形されていて、各縦桟7Aの屈曲箇所には、左右一対の側板6間に亘って架設される筒状の揺動支軸15が相対回転自在に挿入される軸受け孔7cが貫通形成されているとともに、姿勢矯正板7の上側端部7aは、商品導入ガイド5の傾斜底板5A上を滑降又は転動してくる商品3がスムーズに押し上げながら移入できるように、その先端ほど上方に位置する傾斜姿勢に屈曲形成されている。
前記姿勢矯正板7のうち、最後列以外の商品収納通路Sの入口部に配置される姿勢矯正板7とそれの上方位置に配設される固定部材の一例である商品導入ガイド5の傾斜底板5Aとの間には、姿勢矯正板7の上側端部7aを傾斜導入通路S1内の矯正作用位置に付勢維持し、かつ、商品3との当接に伴う姿勢矯正板7の上側端部7aの押し上げ揺動に連れて弾性変形するダンパー16が設けられているとともに、最後列の商品収納通路Sの入口部に配置される姿勢矯正板7とそれの上方位置に配設される固定部材の一例である横断面略Lの字状の間隔規制部材17との間にも、姿勢矯正板7の上側端部7aを傾斜導入通路S1内の矯正作用位置に付勢維持し、かつ、商品3との当接に伴う姿勢矯正板7の上側端部7aの押し上げ揺動に連れて弾性変形するダンパー16が設けられている。
各ダンパー16は、姿勢矯正板7の左右方向中央部の上側部分に形成された凹部7fに臨む横桟部分に一体成形された側面視略L状のダンパー片から構成されていて、商品導入ガイド5の傾斜底板5A又は間隔規制部材17に当接する厚肉の当り部16aと、弾性変形可能な薄肉の繋ぎ部16bとから構成されている。
前記商品収納通路Sを構成する状態で上下方向に沿って配設される複数のガイド板8,9,10のうち、商品投入口4に対面する状態で商品収納通路Sの最上部に位置するガイド板10が、長尺固定ガイド板8又は短尺固定ガイド板9の上端部の横軸芯X周りで揺動自在で、かつ、ネジリバネ12の弾性付勢力で商品収納通路S内に突出付勢された可動ガイド板から構成されているとともに、姿勢矯正板7の下側端部7dが、商品収納通路S内に突出付勢されている可動ガイド板10の上下中央部に当接するように構成され、更に、可動ガイド板10の下半側が商品3との当接に連れて最大後退位置にまで揺動したときにおいても、姿勢矯正板7に一体成形されたダンパー片16の当り部16aとそれの上方に配置された商品導入ガイド5の傾斜底板5A又は間隔規制部材17との当接状態が常時維持されるように構成されている。
そして、姿勢矯正板7が商品3と接触していない初期設定状態では、図2に示すように、姿勢矯正板7に一体成形されたダンパー片16の当り部16aが商品導入ガイド5の傾斜底板5A又は間隔規制部材17に当接し、かつ、姿勢矯正板7の下側端部7dが商品収納通路S内に突出付勢されている可動ガイド板10の上下中央部に当接しているため、姿勢矯正板7は、ダンパー片16の弾性付勢力と可動ガイド板10を突出付勢するネジリバネ12の弾性付勢力とのバランスの取れた中立姿勢に維持されている。
姿勢矯正板7が中立姿勢にある状態では、図2、図3に示すように、姿勢矯正板7の上側端部7aと商品導入ガイド5の傾斜底板5Aの上面との間の最小対向間隔が、商品3の直径よりも少し小なる間隔に設定されていて、傾斜導入通路S1に沿って滑降又は転動してきた商品3が、商品収納通路Sの入口部に設けられた姿勢矯正板7の上側端部7aに当接したとき、その上側端部7aを中立姿勢への弾性付勢力に抗して上方に押し上げ揺動させることにより、姿勢矯正板7の凹状搬送ガイド面7e側への商品3の移入を許容すると同時に、商品3の投入姿勢を傾斜導入通路S1の幅方向に沿う設定投入姿勢に矯正する。
更に、図3、図4に示すように、傾斜導入通路S1に沿って滑降又は転動してきた商品3が姿勢矯正板7の上側端部7aに当接して、姿勢矯正板7の上側端部7aに押し上げ揺動力が加わって跳ね上げられたとき、及び、図5に示すように、商品3が通過して所期の中立姿勢に復帰揺動したとき、姿勢矯正板7に一体形成されたダンパー片16の繋ぎ部16bの弾性変形によって、姿勢矯正板7の揺動エネルギーを吸収することができるから、姿勢矯正板7の上側端部7aが商品導入ガイド5の傾斜底板5A又は間隔規制部材17を打撃することに起因する衝撃音の発生を防止することができる。
図4、図5に示すように、傾斜導入通路S1に沿って滑降又は転動してきた商品3が姿勢矯正板7の上側端部7aを押し上げてそれの凹状搬送ガイド面7e側に移入し、かつ、姿勢矯正板7の下半側部分を押し込みながら商品収納通路Sに移入案内される際、姿勢矯正板7の下側端部7dと当接している可動ガイド板10もネジリバネ12の突出付勢力に抗して引退揺動されるため、その引退揺動による回転減速作用により、商品3が姿勢矯正板7の下半側部分に衝突したときの衝撃力を効果的に減衰することができ、衝撃音の発生を抑制することができる。
次に、商品収納通路Sを構成するガイド板8,9,10及びそれらの取付け構造について説明する。
長尺固定ガイド板8は、図12、図14〜図16に示すように、15枚の板状の縦桟8Aと上下一対の横桟8Bとをもって格子形状に合成樹脂で一体成形されているとともに、各縦桟8Aのうち、商品収納通路S側に臨む商品ガイド端面8bが、側面視において略弓形状又は湾曲形状に形成され、背面側の端面8cが、側面視において鉛直方向に沿った直線状又は略直線状に形成されている。
また、各縦桟8Aのうち、左右両外側に位置する縦桟8Aを除く他の各縦桟8Aの上端側背面には、側面視略L字状に窪む軸受け面20aが切欠き形成され、これに対抗する上側横桟8Bのうち、縦桟8Aの隣接間中央相当位置と左右両外側の縦桟8Aに連続する部位には、縦桟8Aの上端よりも上方に突出する方形状の軸受け片20bが一体成形されていて、縦桟8Aの軸受け面20aと横桟8B側の軸受け片20bとをもって、可動ガイド板10の揺動支軸21を脱着自在に支承する軸受け凹部20が形成されているとともに、左右両外側に位置する縦桟8Aには、軸受け凹部20に装着された揺動支軸21の端面に当接又は近接してそれの横軸芯X方向への摺接移動を規制する抜止め片22が一体形成されている。
短尺固定ガイド板9は、図13、図14、図17に示すように、10枚の板状の縦桟9Aと上下一対の横桟9Bとをもって格子形状に合成樹脂で一体成形されているとともに、各縦桟9Aのうち、商品収納通路S側に臨む商品ガイド端面9bが、側面視において略弓形状又は湾曲形状に形成され、背面側の端面9cが、側面視において鉛直方向に沿った直線状又は略直線状に形成されている。
また、各縦桟9Aのうち、左右両外側に位置する縦桟9Aを除く他の各縦桟9Aの上端側背面には、長尺固定ガイド板8と同様に、側面視略L字状に窪む軸受け面20aが切欠き形成され、これに対抗する上側横桟9Bのうち、縦桟9Aの隣接間中央相当位置と左右両外側の縦桟9Aに連続する部位には、縦桟9Aの上端よりも上方に突出する方形状の軸受け片20bが一体成形されていて、縦桟9Aの軸受け面20aと横桟9B側の軸受け片20bとをもって、可動ガイド板10の揺動支軸21を脱着自在に支承する軸受け凹部20が形成されているとともに、左右両外側に位置する縦桟9Aには、軸受け凹部20に装着された揺動支軸21の端面に当接又は近接してそれの横軸芯X方向への摺接移動を規制する抜止め片22が一体形成されている。
また、長尺固定ガイド板8の各縦桟8Aのうち、左右両外側に位置する縦桟8Aを除く他の各縦桟8Aの背面で、下側横桟8Bとの接合箇所に連続する上側部分には、側面視において三角形状に窪む切込み部26が形成されているとともに、短尺固定ガイド板9の各縦桟9Aのうち、左右両外側に位置する縦桟9Aを除く他の各縦桟9Aの背面で、下側横桟9Bとの接合箇所に連続する上側部分にも、側面視において三角形状に窪む切込み部26が形成されている。
そのため、各固定ガイド板8,9の左右中間に位置する各縦桟8A,9Aは夫々厚み方向に若干の弾性を有することになり、各固定ガイド板8,9に商品3が衝突したときの衝撃力を緩和して衝撃音の発生を抑制することができる。
可動ガイド板10は、図12、図15〜図17に示すように、12枚の板状の縦桟10Aと上下一対の横桟10Bとをもって格子形状に合成樹脂で一体成形され、各縦桟10Aの商品収納通路S側に臨む商品ガイド端面10b及び背面側の端面10cが、側面視において略弓形状又は湾曲形状に形成されているとともに、縦桟10Aのうち、板状の上側横桟10Bよりも上方に突出する縦桟10Aの上端部に亘って揺動支軸21が一体形成され、更に、揺動支軸21の一端部には、可動ガイド板10を商品収納通路S内に突出付勢するネジリバネ12のコイル部12aが脱着自在に外装される小径のバネ装着用軸部21Aが一体形成されている。
可動ガイド板10は、商品ガイド端面10b及び背面側端面10cを共に略弓形状又は湾曲形状に形成して、上下方向全域での厚みが必要以上に厚くならない状態で略均等化することにより、揺動方向に若干の弾性を有することになり、揺動が止められたときに発生する衝撃振動を減衰することができる。
可動ガイド板10の縦桟10Aのうち、左右両外側位置及び左右中央位置において夫々隣接する両縦桟10Aを、長尺固定ガイド板8の縦桟8Aの隣接間及び短尺固定ガイド板9の縦桟9Aの隣接間に揺動方向から入り込み可能な幅で近接配置するとともに、両固定ガイド板8,9の縦桟8A,9Aの形成ピッチと可動ガイド板10の左右中間に位置する縦桟10Aの形成ピッチとが同一に構成されている。
そのため、長尺固定ガイド板8の軸受け凹部20の左側に可動ガイド板10の揺動支軸21を揺動自在に装着して構成されるガイド板ユニット(図16参照)、長尺固定ガイド板8の軸受け凹部20の右側に可動ガイド板10の揺動支軸21を揺動自在に装着して構成されるガイド板ユニット(図15参照)、短尺固定ガイド板9の軸受け凹部20に可動ガイド板10の揺動支軸21を揺動自在に装着して構成されるガイド板ユニット(図17参照)の何れにおいても、可動ガイド板10の縦桟10Aの大部分が、長尺固定ガイド板8の縦桟8Aの隣接間又は短尺固定ガイド板9の縦桟9Aの隣接間に対して揺動方向から入り込み自在に構成されているとともに、この可動ガイド板10の入り込み移動に連れて、長尺固定ガイド板8の商品ガイド端面8b及び短尺固定ガイド板9の商品ガイド端面9bの少なくとも一部、詳しくは、下半側部分が可動ガイド板10の商品ガイド端面10bと面一になる商品受止め位置に臨むように構成されている。
そして、図7〜図11に示すように、商品収納通路S内を落下してくる商品3が可動ガイド板10と衝突すると、可動ガイド板10の縦桟10Aの下半側部分が、ネジリバネ12の突出付勢力に抗して退避揺動しながら長尺固定ガイド板8の縦桟8Aの隣接間又は短尺固定ガイド板9の縦桟9Aの隣接間に対して揺動方向から入り込むことにより、落下商品3を減速すると同時に落下姿勢を設定収納姿勢(水平姿勢)に矯正することができ、しかも、この可動ガイド板10の入り込み移動に連れて、長尺固定ガイド板8の商品ガイド端面8bの下半側部分又は短尺固定ガイド板9の商品ガイド端面9bの下半側部分が、可動ガイド板10の商品ガイド端面10bと面一となる商品受止め位置に臨むから、最終的には商品3を充分な縦方向曲げ強度を有する長尺固定ガイド板8又は短尺固定ガイド板9で受け止めることができる。
それ故に、図11に示すように、補充されて商品収納通路S内に積み上げられた商品3の荷重を、長尺固定ガイド板8を構成する縦方向曲げ強度の大きな複数の縦桟8A又は短尺固定ガイド板9を構成する縦方向曲げ強度の大きな複数の縦桟9Aで受止めることができるので、可動ガイド板10が変形破損することはない。
図14に示すように、長尺固定ガイド板8の上側横桟8Bの下辺の左右中央位置と左右外側端側に偏位した位置との三箇所、及び、短尺固定ガイド板9の上側横桟9Bの左右外側端側に偏位した位置の二箇所には、入り込み移動する可動ガイド板10の下側横桟10Bが固定ガイド板8,9の下側横桟8B,9Bに当接する前に、可動ガイド板10の縦桟10Aの上部側との当接によって最大入り込み位置を規制する弾性変形可能な回転規制片23が一体形成されている。
そのため、図7、図8に示すように、商品収納通路S内を落下してくる商品3が可動ガイド板10と衝突すると、可動ガイド板10の縦桟10Aの下半側部分が、ネジリバネ12の突出付勢力に抗して退避揺動しながら長尺固定ガイド板8の縦桟8Aの隣接間又は短尺固定ガイド板9の縦桟9Aの隣接間に対して揺動方向から急速に入り込むが、このとき、長尺固定ガイド板8又は短尺固定ガイド板9の上部側に形成された回転規制片23に対して可動ガイド板10の縦桟10Aの上部側が当接して、可動ガイド板10の下端部が長尺固定ガイド板8又は短尺固定ガイド板9の下端部に当接することを防止することができるので、大きな打撃音が発生することがない。しかも、回転規制片23は、可動ガイド板10の縦桟10Aの上部側との当接に連れて弾性変形するため、可動ガイド板10の揺動が止められた時に発生する衝撃振動を効果的に減衰して音の発生を抑制することができる。
図14〜図22に示すように、長尺固定ガイド板8の上側横桟8Bのうち、軸受け凹部20右側又は左側に装着された可動ガイド板10の揺動支軸21のバネ装着用軸部21Aに対応する部位、及び、短尺固定ガイド板9の上側横桟9Bのうち、軸受け凹部20に装着された可動ガイド板10の揺動支軸21のバネ装着用軸部21Aに対応する部位の各々には、バネ装着用軸部21Aに外装されたネジリバネ12のコイル部12aを下方側から支える略三角形のコイル支持片24が一体形成されている。
そのため、図18〜図22に示すように、各固定ガイド板8,9の軸受け凹部20に装着された揺動支軸21のバネ装着用軸部21Aにネジリバネ12のコイル部12aを装着し、ネジリバネ12の一端部(第1の腕)12bを、可動ガイド板10の一端側の近接配置された両縦桟10A間で、かつ、上側横桟10Bの裏面に形成された断面略三角形状のバネ受け部25に係止し、更に、ネジリバネ12の他端部(第2の腕)12cを、各固定ガイド板8,9の軸受け凹部20に係合保持された取付け部材13に係止することにより、各固定ガイド板8,9に対して可動ガイド板10を商品収納通路S側に突出付勢した状態で組み立てることができるのであるが、このとき、ネジリバネ12のコイル部12aは、ネジリバネ12の他端部12cを係止することによって生じる反力(図22の矢印イ)によって揺動軸芯X側へ押されるが、この反力で揺動軸芯Xからズレ移動しょうとするネジリバネ12のコイル部12aの下側周面部分を下方(図22の矢印ロ、ハ)からコイル支持片24で受止めることができるから、ネジリバネ12のコイル部12aが揺動支軸21の外周面に強く押付けられることがなく、可動ガイド板10をスムーズに揺動させることができる。
次に、前記係合保持手段Cについて説明する。
図12〜図22に示すように、各固定ガイド板8,9の縦桟8A,9Aのうち、左右両外側に位置する縦桟8A,9A及び左右中央側の特定位置の縦桟8A,9Aを除く他の各縦桟8A,9Aの上部に、軸受け凹部20に向かって水平に開口する薄い横向きのスリット28を形成するとともに、長尺固定ガイド板8の軸受け片20bのうち、左右中央位置と左右外側端側に偏位した位置との三箇所、及び、短尺固定ガイド板9の軸受け片20bの左右外側端側に偏位した位置の二箇所には、軸受け凹部20に向かって突出する略三角形状のフック片29が一体成形されている。
また、取付け部材13は、図12、図13、図22に示すように、各縦桟8A,9Aのスリット28に係合する状態で軸受け凹部20の上方を覆う水平板部13aと、これの一側辺から軸受け片20bに沿って上方に延出される鉛直板部13bと、これの上端部から軸受け片20bの上部に係合する状態でL字状に延出される係合板部13cとを折曲げ形成してある板金製であり、水平板部13aには、スリット28が形成されていない左右中央側の特定位置の縦桟8A,9Aが入り込み可能な略U字状の位置決め用の切欠部30が形成されているとともに、鉛直板部13bには、水平板部13aの先端がスリット28に係合し、かつ、係合板部13cが軸受け片20bの上部に係合したとき、特定位置の軸受け片20bに形成されたフック片29が弾性的に係合する係合孔31が形成されている。
取付け部材13は、図15〜図17に示すように、長尺固定ガイド板8又は短尺固定ガイド板9の幅寸法よりも若干長く構成されていて、それの両突出端部が左右の側板6に係合保持されている状態では、取付け部材13の水平板部13aの先端が各縦桟8A,9Aのスリット28に係合し、鉛直板部13bが各縦桟8A,9Aの軸受け面20aに当接し、かつ、係合板部13cが軸受け片20bの上部に亘って係合しているから、商品収納通路Sに投入された商品3による打撃衝撃や積み上げ収納された商品3の荷重が、固定ガイド板8,9に対して商品収納通路Sの奥行き寸法方向(商品の径寸法方向)に広げるように作用したとき、固定ガイド板8,9の幅方向での撓み変形を抑制する状態で補強することができ、固定ガイド板8,9の幅方向での撓み変形に起因する商品3のブリッジ詰まりなどの不具合発生を防止することができる。
また、取付け部材13は、それの水平板部13aの先端が各縦桟8A,9Aのスリット28に対して背面側から係合されているので、商品収納通路Sに投入された商品3が固定ガイド板8,9や可動ガイド板10に衝突、摺接等することによって生じた振動が、主に固定ガイド板8,9の縦桟8A,9Aを介して取付け部材13の水平板部13aの係合先端に伝播されるが、この伝播された振動は、振動騒音を発生し易い左右の板金製側板6の板厚方向とは90度ずれているため、板金製側板6が共鳴振動を起こすことなく分散減衰することができ、騒音の発生を抑制することができる。
更に、取付け部材13は、固定ガイド板8,9の軸受け凹部20内に略収まる小さな断面形状に形成されているため、共鳴振動を起こし易い大きな平面部が存在せず、取付け部材13自体が騒音を発生することはない。
また、特定位置の軸受け片20bに形成されたフック片29は、図18、図19に示すように、軸受け凹部20に可動ガイド板10の揺動支軸21を押し込み装着するとき、それ自身の若干の弾性変形と軸受け片20bの弾性変形とにより、揺動支軸21の通過を許容する位置にまで退避したのち、元の位置に弾性復帰して、揺動支軸21の上方への抜け出しを阻止する阻止部に兼用構成されているとともに、取付け部材13の一部である水平板部13aも、図22に示すように、軸受け凹部20に装着された揺動支軸21の抜け出しを阻止する抜け落ち防止部に兼用構成されている。
そして、長尺固定ガイド板8又は短尺固定ガイド板9と可動ガイド板10、ネジリバネ12、取付け部材13を組み立ててガイド板ユニットを製作するに、先ず、図18に示すように、可動ガイド板10の揺動支軸21のバネ装着用軸部21Aにネジリバネ12のコイル部12bを外装するとともに、このネジリバネ12の一端部(第1の腕)12bを、可動ガイド板10の一端側に近接配置された両縦桟10A間で、かつ、上側横桟10Bの裏面に形成された断面略三角形状のバネ受け部25に係止したのち、長尺固定ガイド板8又は短尺固定ガイド板9の軸受け凹部20に可動ガイド板10の揺動支軸21を押し込み装着する。
次に、図19に示すように、縦桟8A,9Aの上端部とネジリバネ12の他端部(第2の腕)12cとの間に、取付け部材13の水平板部13aの先端を差し込み、この水平板部13aの裏面で取付け部材13のネジリバネ12の他端部12cを押し込みながら取付け部材13を軸受け片20b側に傾動操作すると、図20に示すように、取付け部材13の水平板部13aの先端が各縦桟8A,9Aのスリット28に自然に嵌まり込む。
更に、図21に示すように、取付け部材13を連続して軸受け片20b側に傾動操作すると、取付け部材13における水平板部13aと鉛直板部13bとの間のコーナー部及び鉛直板部13bにより、特定位置の軸受け片20bに形成されたフック片29が弾性的に撓み変形され、図22に示すように、長尺固定ガイド板8又は短尺固定ガイド板9の軸受け凹部20内の所定位置に取付け部材13が嵌まり込んだ時点で、フック片29が弾性復帰しながら取付け部材13の鉛直板部13bに形成された係合孔31に係合し、取付け部材13が固定されると同時に、ネジリバネ12が捩じり込み状態で取付けられる。
また、ガイド板ユニットに組み立てられた状態では、ネジリバネ12で付勢されて商品収納通路S側に突出揺動された可動ガイド板10の最大突出位置が、左右両外側に位置する縦桟10Aを除く他の各縦桟10Aの上部の端面10dと取付け部材13の水平板部13aの下面との当接によって規制されている。
そして、商品収納通路Sに投入された商品3により押し込まれた可動ガイド板10は、商品払出作動に連れて落下し続ける商品3との当接が無くなると、ネジリバネ12の弾性付勢力で商品収納通路S側に突出揺動復帰するが、このとき、左右中間に位置する複数の縦桟10Aの上部端面10dが取付け部材13の水平板部13aの下面に分散して当接するため、この分散当接によって個々の打撃が和らげられ、打撃音や衝撃音小さくすることができる。
次に、取付け部材13の差込み連結手段Dについて説明する。
図12〜図17、図23に示すように、取付け部材13の両端部には、左右の側板6に形成された横向きU字状又はV字状の取付け孔14に対して左右方向(通路幅方向)から所定位置への差し込みを許容する切欠部35と、所定位置に差し込まれたとき、取付け孔14の周縁の一部、つまり、取付け孔14の下側コーナー側の張出し外側縁部6cに係合して左右方向での相対移動を阻止する係合孔36とを形成するとともに、横向きU字状又は横向きV字状の取付け孔14で囲まれた弾性変形可能な抜止め用舌片6Aの先端縁6aが、所定位置に差し込まれた取付け部材13の鉛直板部13bに当接又は近接して、取付け部材13の係合孔36と張出し外側縁部6cとの係合状態を維持する抜止め規制部に構成されている。
また、固定ガイド板8,9の各縦桟8A,9Aのうち、左右両外側に位置する縦桟8A,9Aの外側面の上部には、側板6の内側面における取付け孔14の外側縁又はその近くに当接して取付け部材13の差込量を規制する側面視略横方形の差込規制突起37が一体的に突出形成されているとともに、左右両外側に位置する縦桟8A,9Aの外側面の下部側には、左右の側板6に形成された横向きU字状又は横向きV字状の第2取付け孔38のうち、第2取付け孔38で囲まれた弾性変形可能な第2抜止め用舌片6Bの先端縁6bとそれに相対向する底外側縁部6dとの間に対して左右方向(通路幅方向)から差し込み可能な側面視略縦方形の係合突起39と、側板6の内側面における第2取付け孔38の外側縁又はその近くに当接して係合突起39の差込量を規制する側面視略横方形の差込規制突起37が一体形成されている。
更に、固定ガイド板8,9の下側横桟8B,9Bの裏面側には、下方に隣接する他のガイド板ユニットの取付け部材13の鉛直板部13bに当て付けられるL字状の段部40が切欠き形成されているとともに、取付け部材13の両端部が取付け孔14に差込み固定され、かつ、固定ガイド板8,9の下側横桟8B,9Bに形成された段部40が下方に隣接する他のガイド板ユニットの取付け部材13の鉛直板部13bに当て付けられた状態において、図23(イ)の部分拡大図に示すように、第2抜止め用舌片6Bの先端縁6bと係合突起39の係合面39aとが、縦桟8A,9Aの弾性撓み変形量の範囲内で寸法aだけ重合するように構成されている。
そのため、固定ガイド板8,9の係合突起39を側板6の第2取付け孔38に差込み係合させる場合には、図23(イ)の仮想線で示した矢印のように、縦桟8A,9Aの上下中央部を撓み変形させ、その状態で図23(ロ)の部分拡大図に示すように係合突起39を第2取付け孔38に差込み係合させることになり、その結果、縦桟8A,9Aの弾性復元力で、固定ガイド板8,9の下側横桟8B,9Bに形成された段部40が下方に隣接する他のガイド板ユニットの取付け部材13の鉛直板部13bに当て付け付勢されるため、取付けガタに起因するガタ付き音などの騒音発生を抑制することができる。
〔第2実施形態〕
前述の第1実施形態では、合成樹脂製の各固定ガイド板8,9の上部にそれら固定ガイド板8,9とは別体の板金製の取付け部材13を取付けて、この板金製取付け部材13を左右の側板6間に架設することで固定ガイド板8,9を側板6に連結固定する構造にしたが、これに代え、第2実施形態では、長尺固定ガイド板8の上縁部に、図24,25に示すように通路幅Wの広い商品収納通路Sを形成する左右の側板6間に架設される合成樹脂製の横架用取付け部8Cが一体形成され、同じく短尺固定ガイド板9の上縁部にも、図26に示すように、通路幅Wの狭い商品収納通路Sを形成する左右の側板6間に架設される合成樹脂製の横架用取付け部9Cが一体形成されている。
そして、左右の側板6に設けられた取付け孔14に対して差し込み自在で、かつ、所定の差込深さまで差し込まれたとき取付け孔14(図34参照)の周縁で側板6に係合して固定ガイド板8,9の左右方向への移動を阻止する差込み連結手段Dが、これら横架用取付け部8C,9Cに設けられている。
長尺固定ガイド板8は、図27,図28,図29に示すように、15本の縦桟8Aと上下2本の横桟8Bとをもって格子形状に合成樹脂(POM)で一体成形され、長尺固定ガイド板8における15本の縦桟8Aのうち、前面視で左側から2本目と5本目と7本目と9本目と10本目と12本目と14本目の各縦桟8Aの上部には、ガイド板背面側にも開口する状態で縦桟8Aを左右方向に貫通する軸受け孔50aが形成され、また、各縦桟8Aの上部におけるガイド板背面寄り部分どうしの間にわたる状態で上側の横桟8Bから下方へ延出させた面状部50bのうち、軸受け孔50aを形成した縦桟8Aに対して前面視で左側に位置する面状部57bには、軸受け孔50a側の先端部を前方へ突出させた平面視略「L」の字状の抜止め片50cが設けられている。
そしてまた、面状部50bのうち、前面視で左側から5本目と6本目の縦桟8Aどうしの間の面状部50bにはバネ設置用の窪み部50dが設けられるとともに、5本目の縦桟8Aとの隅部においてガイド板背面側へ貫通するバネ保持用の切欠き孔50eが形成され、さらに、前面視で左側から2本目と3本目の縦桟8Aどうしの間の面状部50b、7本目と8本目の縦桟8Aどうしの間の面状部50b、8本目と9本目の縦桟8Aどうしの間の面状部50b、並びに、13本目と14本目の縦桟8Aどうしの間の面状部50bには下方へ延出する回転規制片50fが一体形成されている。
短尺固定ガイド板9は、図27、図30、図31に示すように、10本の縦桟9Aと上下2本の横桟9Bとをもって格子形状に合成樹脂(POM)で一体成形され、長尺固定ガイド板8と同様、短尺固定ガイド板9における10本の縦桟9Aのうち、前面視で左側から2本目と5本目と7本目と9本目の各縦桟9Aの上部には、ガイド板背面側にも開口する状態で縦桟9Aを貫通する軸受け孔50aが形成され、また、各縦桟9Aの上部におけるガイド板背面寄り部分どうしの間にわたる状態で上側の横桟9Bから下方へ延出させた面状部50bのうち、軸受け孔50aを形成した縦桟9Aに対して前面視で左側に位置する面状部50bには、軸受け孔50a側の先端部を前方へ突出させた平面視略「L」の字状の抜止め片50cが設けられている。
そしてまた、面状部50bのうち、前面視で左側から5本目と6本目の縦桟9Aどうしの間の面状部50bにはバネ設置用の窪み部50dが設けられるとともに、5本目の縦桟9Aとの隅部においてガイド板背面側へ貫通するバネ保持用の切欠き孔50eが形成され、さらに、前面視で左側から2本目と3本目の縦桟9Aどうしの間の面状部50b、及び、8本目と9本目の縦桟9Aどうしの間の面状部50bには下方へ延出する回転規制片50fが一体形成されている。
可動ガイド板10は、図32に示すように、9本の縦桟10Aと上下2本の横桟10Bとをもって格子形状に合成樹脂(POM)で一体成形され、可動ガイド板10における9本の縦桟10Aのうち、中央の縦桟10Aを除く各縦桟10Aには上側の横桟10Bよりも上方に突出する上方突出部10tが設けられ、そして、縦桟10Aのうち前面視で左側から1本目と4本目と6本目と8本目の縦桟10Aの上方突出部10tには、前面視で右側へ突出する片持ち状の揺動軸部50gが設けられ、中央の縦桟10Aと上側の横桟10Bとの交差部には、ガイド板表面側が窪んだ状態でガイド板背面側へ突出する背面突出部50hが形成されている。
つまり、長尺固定ガイド板8の前面右側に可動ガイド板10を揺動自在に装着してあるガイド板ユニット(図24参照)を形成するには、長尺固定ガイド板8における前面視で右側4つの軸受け用孔50aに対し、可動ガイド板10における4つの揺動軸部50gを前面視で左側から嵌入するとともに、この嵌入の際、長尺固定ガイド板8における前面視で右側2つの抜止め片50cを揺動軸部50gとの当接によりガイド板背面側へ弾性逃げ変形させながら、それら揺動軸部50gを軸受け用孔50aに嵌入することで、その嵌入後における2つの抜止め片50cの弾性復帰により、それら抜止め片50cの先端側における前方突出部をもって揺動軸部50gを抜止めし、これにより、長尺固定ガイド板8の前面右側に対して可動ガイド板10をその上端側の横軸芯X(揺動軸部50gの軸芯)周りで揺動自在に取付ける。
そして、上記嵌入による可動ガイド板10の取付けにあたり、長尺固定ガイド板8における前面視右側のバネ設置用窪み部50dにネジリバネ12を設置して、そのネジリバネ12におけるバネ線材の一端を近傍のバネ保持用切欠き孔50eに挿通するとともに、バネ線材の他端を可動ガイド板10における背面側突出部50hに当接させ、その状態でネジリバネ12を長尺固定ガイド板8と可動ガイド板10との間に挟み込む状態にして、上記嵌入による可動ガイド板10の取付けを行うことで、そのネジリバネ12により長尺固定ガイド板8の前面右側に装備の揺動自在な可動ガイド板10を前方側へ突出付勢する。
これと同様、長尺固定ガイド板8の前面左側に可動ガイド板10を揺動自在に装着してあるガイド板ユニット(図25参照)を形成するには、長尺固定ガイド板8における前面視で左側4つの軸受け孔50aに対し、可動ガイド板10における4つの揺動軸部50gを前面視で左側から嵌入するとともに、この嵌入の際、長尺固定ガイド板8における前面視で左側2つの抜止め片50cを揺動軸部50gとの当接によりガイド板背面側へ弾性逃げ変形させながら、それら揺動軸部50gを軸受け孔50aに嵌入することで、その嵌入後における2つの抜止め片50cの弾性復帰により、それら抜止め片50cの先端側における前方突出部をもって揺動軸部17gを抜止めし、これにより、長尺固定ガイド板8の前面左側に対して可動ガイド板10をその上端側の横軸芯X(揺動軸部50gの軸芯)周りで揺動自在に取付ける。
そして、上記嵌入による可動ガイド板10の取付けにあたり、長尺固定ガイド板8における前面視左側のバネ設置用窪み部50dにネジリバネ12を設置して、そのネジリバネ12におけるバネ線材の一端を近傍のバネ保持用切欠き孔50eに挿通するとともに、バネ線材の他端を可動ガイド板10における背面側突出部50hに当接させ、その状態でネジリバネ12を長尺固定ガイド板8と可動ガイド板10との間に挟み込む状態にして、上記嵌入による可動ガイド板10の取付けを行うことで、そのネジリバネ12により長尺固定ガイド板8の前面左側に装備の揺動自在な可動ガイド板10を前方側へ突出付勢する。
また、短尺固定ガイド板9の前面に可動ガイド板10を揺動自在に装着してあるガイドユニット(図26参照)を形成するには、短尺固定ガイド板9における4つの全ての軸受け孔50aに対し、可動ガイド板10における4つの揺動軸部50gを前面視で左側から嵌入するとともに、この嵌入の際、短尺固定ガイド板9における2つの全ての抜止め片50cを揺動軸部50gとの当接によりガイド板背面側へ弾性逃げ変形させながら、それら揺動軸部50gを軸受け孔50aに嵌入することで、その嵌入後における2つの抜止め片50cの弾性復帰により、それら抜止め片50cの先端側における前方突出部をもって揺動軸部50gを抜止めし、これにより、短尺固定ガイド板9の前面に対して可動ガイド板10をその上端側の横軸芯X(揺動軸部50gの軸芯)周りで揺動自在に取付ける。
そして、上記嵌入による可動ガイド板10の取付けにあたり、短尺固定ガイド板9におけるバネ設置用窪み部50dにネジリバネ12を設置して、そのネジリバネ12におけるバネ線材の一端を近傍のバネ保持用切欠き孔50eに挿通するとともに、バネ線材の他端を可動ガイド板10における背面側突出部50hに当接させ、その状態でネジリバネ12を短尺固定ガイド板9と可動ガイド板10との間に挟み込む状態にして、上記嵌入による可動ガイド板10の取付けを行うことで、そのネジリバネ12により短尺固定ガイド板9の前面に装備の揺動自在な可動ガイド板10を前方側へ突出付勢する。
可動ガイド板10における縦桟10Aの左右並設ピッチp1と、長尺固定ガイド板8及び短尺固定ガイド板9における縦桟8A,9Aの左右並設ピッチp2は互いに等しく(p1=p2)してあり、また、長尺固定ガイド板8及び短尺固定ガイド板9における縦桟8A,9Aの隣接間隔d2(当該実施形態ではスリット状空隙8a,9aの幅)は、可動ガイド板10の縦桟10Aの横幅寸法w1よりも若干大きく(d2>w1)してあり、これにより、前述の各ガイド板ユニット(図24,図25,図26参照)の何れにおいても、可動ガイド板10の縦桟10Aの大部分が長尺固定ガイド板8又は短尺固定ガイド板9における縦桟8A,9Aどうしの間の空隙8a,9aに対し揺動方向から入り込みことが許容され、そして、その入り込み移動に連れて、長尺固定ガイド板8の商品ガイド端面8b及び短尺固定ガイド板9の商品ガイド端面9bの少なくとも一部(詳しくは、下半側部分)が可動ガイド板10の商品ガイド端面10bと面一になる商品受止め位置に臨むように構成されている。
長尺固定ガイド板8及び短尺固定ガイド板9に設けた回転規制片50fは、長尺固定ガイド板8や短尺固定ガイド板9における縦桟8A,9Aどうしの間に入り込み移動する可動ガイド板10の下側横桟10Bが各固定ガイド板8,9の下側横桟8B,9Bに当接する前に、可動ガイド板10の縦桟10Aの上部に対し背面側から弾性的に当接し、この当接により、長尺固定ガイド板8や短尺固定ガイド板9における縦桟8A,9Aどうしの間への可動ガイド板10の縦桟10Aの最大入り込み位置が規制される。
長尺固定ガイド板8又は短尺固定ガイド板9における縦桟8A,9Aどうしの間への可動ガイド板10の縦桟10Aの入り込みを可能にするのに、可動ガイド板10における縦桟10Aの隣接間隔d1(スリット状空隙10aの幅)は長尺固定ガイド板8及び短尺固定ガイド板9の夫々における縦桟8A,9Aの横幅寸法w2よりも若干大きくする必要があるが、長尺固定ガイド板8及び短尺固定ガイド板9夫々の縦桟8A,9Aの横幅寸法w2は可動ガイド板10の縦桟10Aの横幅寸法w1よりも小さくしてあり、これにより、可動ガイド板10における縦桟10Aの隣接間隔d1を極力小さくして、可動ガイド板10における9本の縦桟10Aの占有面積を極力大きくするようにしてある。
すなわち、このように可動ガイド板10の縦桟10Aの隣接間隔d1を極力小さくすることにより、商品収納通路S内を降下する商品3の角部(端面と周面の間の角部)が商品収納通路Sの内方側への突出姿勢にある可動ガイド板10の縦桟10Aどうしの間に入り込んで引っ掛かった状態になるのを防止し、その引っ掛かりの為に商品3が商品収納通路S内において斜め縦姿勢の不具合な積み上げ収納状態になるのを効果的に防止することができる。
なお、可動ガイド板10の縦桟10Aの隣接間隔d1を小さくする上で可動ガイド板10の縦桟10Aの横幅寸法w1を大きくすることに対し、図33に示す如く可動ガイド板10の縦桟10Aに円形や角形などの多数の貫通孔10eあるいは縦桟10Aの長手方向に延びるスリット状を貫通孔を形成して、可動ガイド板10の各縦桟10Aにおける音発生部分の面積を小さくし、これにより、商品3との衝突に対する可動ガイド板10の衝撃音放射率を低く維持して静音性を高く保つようにしてよい。
次に、長尺固定ガイド板8及び短尺固定ガイド板9の夫々に一体形成した合成樹脂製の横架用取付け部8C,9Cの差込み連結手段Dについて説明する。
図27,図34に示す如く長尺固定ガイド板8及び短尺固定ガイド板9夫々の横架用取付け部8C,9Cの両端部には、左右の側板6に形成された横向きU字状又はV字状の取付け孔14に対して横架用取付け部8C,9Cの端部を左右方向(通路幅方向)から差し込んだとき、取付け孔14のU字形状又はV字形状における底頂部側の2箇所の孔周縁部位r1で側板6の内面(商品収納通路Sに臨む面)に当接して差込量を規定する上下一対の凸状部51a、及び、それら凸状部51aが上記2箇所の孔周縁部位r1で側板6内面に当接した差込状態においてそれら上記2箇所の孔周縁部位r1の間の孔周縁部位r2で先端が側板6の外面側に位置するように側板6に係合して、凸状部51aとの協働により横架用取付け部8C,9Cの左右方向への移動を阻止する平面視「L」字状の横架用係合片51bが一体形成されている。
そして、取付け孔14に対して横架用取付け部8C,9Cの端部を差し込んだとき、横向きU字状又は横向きV字状の取付け孔14で囲まれた弾性変形可能な側板部分により形成される抜止め用舌片6Aの先端縁6aが横架用係合片51bの背面側に当接又は近接して、横架用係合片51bと側板6の孔周縁部位r2との係合状態が維持される構造にしてある。
また、固定ガイド板8,9の各縦桟8A,9Aのうち、左右両外側に位置する縦桟8A,9Aの外側面の上部には、取付け孔14に対して横架用取付け部8C,9Cの端部を差し込んだとき取付け孔14の近傍で側板6の内面に当接して、上記凸状部51aとともに取付け孔14に対する横架用取付け部8C,9Cの端部の差込量を規定する突起52aが一体形成され、さらに、左右両外側に位置する縦桟8A,9Aの外側面の下部には、左右の側板6に形成された第2取付け孔38に対して差し込む係合突起53a、及び、その係合突起53aを第2取付け孔38に差し込んだ状態において第2取付け孔38の2箇所の孔周縁部位r3で側板6の内面に当接する差込規制突起53bが一体形成されている。
そしてまた、固定ガイド板8,9の下側横桟8B,9Bの裏面側には、下方に隣接する他のガイド板ユニットの横架用取付け部8C,9Cの上部前面部に当て付けられる側面視「L」字状の凹部55が形成されるとともに、横架用取付け部8C,9Cの両端部が取付け孔14に差込み連結され、かつ、固定ガイド板8,9の下側横桟8B,9Bに形成された「L」字凹部55が下方に隣接する他のガイド板ユニットの横架用取付け部8C,9Cの上部前面部に当て付けられた状態において、第2取付け孔38で囲まれた弾性変形可能な側板部分により形成される第2抜止め用舌片6Bの先端縁6bと係合突起53aの係合面とが係合するように構成されている。
すなわち、固定ガイド板8,9を両側板6間に架設するための横架用取付け部8C,9Cを合成樹脂製の固定ガイド板8,9に一体形成したことにより、それら横架用取付け部を固定ガイド板とは別の板金製部材により形成するのに比べ、部品点数を少なくして製作・組立てを容易にすることができ、また、部品点数の少数化により部材間のガタツキを少なくし得ることと合成樹脂製の横架用取付け部8C,9Cによる振動吸収機能が得られるととで静音化を促進することもできる。
図35に示す如く、各商品収納通路Sの下端部では、商品払出機構Bとそれに対向させた案内壁部材60を前後の通路壁とする形態で商品収納通路Sを形成してあり、商品払出機構B及び案内壁部材60の夫々は固定ガイド板8,9と同様に左右の側板6にわたらせた状態で両側板6に連結して支持してある。
商品払出機構Bは、最下端の商品3を受止め支持する下部支持手段B1と、最下端から二番目の商品3を受け止め支持する上部支持手段B2とを払出フレーム61に組み付けてユニット化してあり、商品収納通路Sが隣接する場合には、それら商品収納通路Sの各々に対する商品払出機構Bのユニットを背中合わせ状態に組み付ける構造にしてある。
そして、商品払出機構Bとともに商品収納通路Sを形成する案内壁部材60には、商品3を商品払出機構Bの側へ寄せ案内する三角状のガイド突起60aが商品収納通路Sの側に膨出形成されいる
なお、商品払出機構Bについても固定ガイド板8,9と同様、通路幅Wの広い商品収納通路Sに対応した大きな幅寸法のものと通路幅Wの狭い商品収納通路Sに対応した小さな幅寸法のものとの二種がある。案内壁部材60にも、通路幅Wの広い商品収納通路Sに対応した幅寸法の大きな図36〜図38に示す如き長尺案内壁部材60Aと、通路幅Wの狭い商品収納通路Sに対応した幅寸法の小さな図39〜図41に示す如き短尺案内壁部材60Bとがあり、これらは共に合成樹脂製(POM)の一体成形品にしてある。
長尺案内壁部材60A及び短尺案内壁部材60Bは夫々、商品収納通路Sの側のガイド面90Aを形成する板状の前壁部90と、その前壁部90とは直交する姿勢で前壁部90の周縁4辺部の各々から背面側(商品収納通路Sとは反対側)に延びる上外壁部91Aと両横外壁部91Bと下外壁部91Cとからなる前面視矩形状の偏平ボックス状成形品であり、その内部には、前壁部90から背面側へ延びる多数のリブ92a〜92cを一体形成してある。
これらリブ92a〜92cとしては、前壁部90からの延出長を各外壁部91A〜91Cと同じにした主リブ92a,92bと、それら主リブ92a,92bよりも延出長が短い補助リブ92cとの二種を形成してあり、主リブ92a,92bについては、横外壁部91Bと平行な縦主リブ92aを左右方向(商品収納通路Sの幅方向)で間隔を空けて複数形成するとともに、上外壁部91A及び下外壁部91Cと平行な横主リブ92bを上下方向で間隔を空けて複数形成して、前面視(すなわち、壁面視)で主リブ92a,92bを縦横の格子状に配置してある。
また、補助リブ92cは、横外壁部91bと平行な縦リブのみを左右方向で間隔を空けて複数形成して、前面視で補助リブ92cを縦格子状に配置し、これら縦の補助リブ92cは縦主リブ92aどうしの間や縦主リブ92aと横外壁部91Bとの間に2本ないし1本を配置してある。そしてまた、前壁部90には、リブ92a〜92cが不存の箇所に位置させて多数の貫通孔93a,93bを形成してある。
つまり、案内壁部材60A,60Bを合成樹脂製の成形品とすることで、合成樹脂が備える音吸収(減衰)性により商品3と案内壁部材60A,60Bとの衝突による衝撃音を低減するとともに、耳障りな高周波音成分の発生を抑止するのに加えて、格子状配置の上記リブ92a〜92cにより、商品3が案内壁部材60A,60Bの前壁部90に衝突したときの前壁部90の全体的な大きな振動を抑止することと、壁面視で分散させて前壁部90に形成した多数の貫通孔93a,93bにより、前壁部90における音発生部分の面積を小さくして衝撃音の放射率を小さくすることとで、商品3と案内壁部材60A,60Bとの衝突による衝撃音を一層効果的に低減するようにしてある。
前面を商品収納通路Sのガイド面90Aとする前壁部90には、側面視において、鉛直姿勢で上端に位置する第1案内部分90aと、その第1案内部分90aから下方に連なって下側ほど商品収納通路Sの内方側に寄る緩傾斜姿勢の第2案内部分90bと、その第2案内部分90bから下方に連なる鉛直姿勢の第3案内部分90cと、その第3案内部分90cから下方に連なってガイド突起60aを形成する側面視「く」の字状の第4案内部分90dと、その第4案内部分90dから下方に連なって第3案内部分90cと略同じ高さ(商品収納通路Sの側への貼り出し寸法)で鉛直姿勢の第5案内部分90eと、その第5案内部分90eから段部90fを介し連なって第1案内部分90aよりも低い高さで鉛直姿勢の第6案内部分90gとを形成してある。
すなわち、商品3を商品払出機構Bの側に寄せ案内するガイド突起60aとしての第4案内部分90dの上部に上記第2及び第3案内部分90b,90cを設けることで、商品払出機能Bの側への商品3の寄せ案内を一層確実にし、また、ガイド突起60aとしての第4案内部分90dの下方に連ねて上記第5案内部分90eを設けることで、商品払出機構Bによる商品3の受止め支持を一層確実にし、さらに、最下端の第6案内部分90gの高さを低くすることで、商品払出機構Bによる商品3の落下放出を円滑にするようにしてある。
なお、長尺案内壁部材60Aと短尺案内壁部材60Bとでは夫々、ガイド突起60aとしての第4案内部分90dの高さや形状、及び、補助的ガイド突起として機能する第5案内部分90eの高さや形状を対象商品3の径に応じて異ならせてある。
ガイド突起60aとしての第4案内部分90dには、商品3との衝突に対する強度を高く確保するとともに商品3の引っ掛かりを防止するため上記貫通孔93a,93bを形成しておらず、また、その第4案内部分90dと、その下方につらなる第5及び第6案内部分90e,90g(すなわち、落下放出される商品3が衝突する部分)とについては、第1〜第3案内部分90a〜90cに比べ横主リブ92bの配設本数を多くして商品3との衝突に対する強度を大きくしてある。
そしてまた、前壁部90のうちガイド突起60aとしての第4案内部分90dの上方近傍部分及び下方近傍部分を除く他部については円形の貫通孔93aを形成するのに対し、ガイド突起60aとしての第4案内部分90dの上方近傍部分及び下方近傍部分に形成する貫通孔93bは、リブ92a〜92c間の全体を開口させた矩形の大きな開口にして、他部に比べ衝突音の放射率(すなわち、ガイド突起60aと商品3との衝突で生じる衝突音の放射率)を一層低くするようにしてある。
両横外壁部91Bには、側板6に対する連結手段94,95を上下方向に複数形成してあり、これら連結手段94,95のうち、94は固定ガイド8,9における横架用取付け部8C,9Cの両端部と同様の係合連結部であり、95は固定ガイド8,9における差込規定突起19aと同様の差込量規定用の突起である(図42参照)。
〔その他の実施形態〕
(1)上述の実施形態では、姿勢矯正板7、長尺固定ガイド板8、短尺固定ガイド板9、可動ガイド板10の各々を樹脂材料の一例であるPOM(ポリアセタール)で一体成形したが、他の合成樹脂材料やゴム系の樹脂材料で成形してもよい。
(2)前記取付け部材13としては、上述実施形態で説明した横断面略Lの字状形状に限定されるものではなく、端面同士で接触するなど振動の伝播を抑制することができ、かつ、共鳴振動を起こし易い平面部が少ない形状であればよい。
(3)上述の実施形態では、長尺固定ガイド板8、短尺固定ガイド板9、長尺固定ガイド板8の前面左側に可動ガイド板10を揺動自在に装着してあるガイド板ユニット、長尺固定ガイド板8の前面右側に可動ガイド板10を揺動自在に装着してあるガイド板ユニット、短尺固定ガイド板9の前面に可動ガイド板10を揺動自在に装着してあるガイド板ユニットを製作して、それらの組み合わせから複数種類の商品収納通路Sを選択的に構成することができるようにしたが、長尺固定ガイド板8又は短尺固定ガイド板9のみをもって商品収納通路Sを構成するものであってもよく、また、長尺固定ガイド板8又は短尺固定ガイド板9に可動ガイド板10を装着してなるガイド板ユニットのみをもって商品収納通路Sを構成するものであってもよい。
(4)係合保持手段Cとしては、固定ガイド板8,9の上部に対して取付け部材13を脱着自在に係合保持することのできるものであれば、如何なる係合構造のものを採用してもよい。
(5)取付け部材13の差込み連結手段Dとしては、左右の側板6に設けられた取付け孔14に対して差し込み自在で、かつ、所定位置に差し込まれたとき取付け孔14の周縁に係合して左右方向での相対移動を阻止することのできるものであれば、如何なる構造のものを採用してもよい。
(6)可動ガイド板10における縦桟10Aの隣接間隔d1を極力小さくすることを目的として、固定ガイド板8,9の縦桟8A,9Aの横幅寸法w2を可動ガイド板10の縦桟10Aの横幅寸法w1よりも小さくする場合、それらの具体的な横幅寸法w2,w1、及び、横幅寸法比w2:w1は種々の条件等に応じて適宜決定すればよい。
(7)可動ガイド板10の縦桟10Aに、その縦桟10Aを可動ガイド板10の板厚方向に貫通する貫通孔10eを設ける場合、その貫通孔10eの形状は、円形や角形あるいはスリット状などどのような孔形状であってもよい。
(8)上縁部に横架用取付け部8C,9Cを一体形成した合成樹脂製の固定ガイド板8,9を形成する形成材は、POMに限られるものではなく、その他の合成樹脂であってもよい。
(9)商品払出機構Bとともに商品収納通路Sの下端部を形成する案内壁部材60を合成樹脂製の成形品とする場合、その材質はPOMに限られるものではなく、その他の合成樹脂であってもよい。また、その合成樹脂製の案内壁部材60の具体的形状・構造は前述の実施形態に示した形状・構造に限らず、種々の変更が可能である。