JP2718024B2 - 電子楽器の鍵盤装置 - Google Patents

電子楽器の鍵盤装置

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JP2718024B2 JP61273228A JP27322886A JP2718024B2 JP 2718024 B2 JP2718024 B2 JP 2718024B2 JP 61273228 A JP61273228 A JP 61273228A JP 27322886 A JP27322886 A JP 27322886A JP 2718024 B2 JP2718024 B2 JP 2718024B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は電子楽器の鍵盤装置、例えば電子ピアノ、
電子オルガン等の鍵盤装置の改良に関する。 (従来の技術) 従来の電子楽器の鍵盤装置としては例えば第7図に示
すようなもの(特開昭57−147691号公報)が知られてい
る。 第7図はこの従来の鍵盤装置の鍵機構の作動原理を示
すモデル図である。 この図に示すように、鍵1は支点3を中心として揺動
自在に設けられている。また、この鍵1の下方でハンマ
5も支点7を中心として揺動自在に支持されている。こ
のハンマ5は、アコースティックピアノと同じような鍵
タッチ感を電子楽器においても得るために設けられたも
ので、所定の重量を有するものである。そして、ハンマ
5の重心9は図中右端に設置され、鍵1の揺動に連動し
てハンマ5を揺動するためのハンマ5の力点Aは、その
重心9とは反対側の図中左端に配置されている。 従って、図中矢印方向への押鍵時は力点Aを介してハ
ンマ5も図中反時計回り方向に揺動する一方、鍵1を離
すと、ハンマ5の重量によりハンマ5及び鍵1は図中時
計回り方向に揺動し、初期位置に復帰することとなる。
すなわち、押鍵時はハンマ5の重量に対抗して鍵1を揺
動することにより、所望の鍵タッチ感を得ているもので
ある。 しかしながら、この鍵盤装置にあっては、ハンマ5の
重心9が鍵1に接近する方向に揺動するため、鍵1とハ
ンマ5との衝突を避けるには、その支点7を鍵1の揺動
範囲からはもとよりハンマ6の揺動範囲からも外さなけ
ればならず、鍵1とハンマ5との間隔が大きくなり、鍵
盤装置自体が大型化するという欠点があった。 そこで、本願出願人は、鍵に対してハンマを下方に設
けた場合、そのハンマの支点をその長手方向の一端部、
すなわち、鍵の揺動の支点と同一方向の端部に配した構
成の電子楽器の鍵盤装置を提案した。 この先願に係る鍵盤装置にあっては、第8図に示すよ
うに、ハンマ11の支点13を鍵15の支点17の下方である図
中右端に配し、押鍵時、ハンマ11の重心19は鍵15の揺動
方向(図中矢印方向)と同一方向に揺動するように構成
している。この結果、鍵15とハンマ11との間隔を小さく
することができ、鍵盤装置全体としての薄型化を図るこ
とができた。また、ハンマ11は復帰用のばね21により図
中矢印方向とは逆の方向に付勢されている。 (発明が解決しようとする問題点) しかしながら、このような先願に係る電子楽器の鍵盤
装置にあっては、押鍵時(打鍵時)及び離鍵時にあって
は、鍵15の一部がハンマ11に当接してハンマ11を揺動す
る構成であったため、強い打鍵時には特に鍵15とハンマ
11との間に大きな衝撃力が生じ、機械的な騒音(異音)
が発生するという問題点が生じていた。そしてこの場
合、鍵タッチ感を損なうことなく上記騒音を防止するに
は、単なるクッション部材をそれらの当接部に介在させ
ただけでは不十分であった。 (問題点を解決するための手段) そこで、本発明は、上部が連結された一対の側壁を有
し短手方向縦断面がコの字形状をなしてその下面が開口
するとともに、鍵盤フレームに揺動自在に支持された鍵
と、この鍵の一部が当接して鍵の揺動に連動して揺動す
る質量体と、鍵に復帰習性を付与する復帰手段と、これ
らの鍵の質量体との当接部に設けられて鍵と質量体との
間に生じる衝撃力を吸収するクッション機構とを備えた
電子楽器の鍵盤装置であって、上記鍵と質量体との当接
部は、上記鍵の両側壁の下部に設けられた質量体駆動部
と、この質量体駆動部に当接する質量体側の受け部とか
らなり、上記クッション機構は、押鍵時において最初に
弾性変形する第1アクチュエータ部と、この第1アクチ
ュエータ部を介して弾性変形する弾性係数が第1アクチ
ュエータ部よりも大きい第2アクチュエータ部とを有
し、上記当接部における鍵の両側壁下部の2個所それぞ
れが当接する電子楽器の鍵盤装置を提供することによ
り、上記問題点を解決することをその目的としている。 (作用及び効果) 本発明に係る電子楽器の鍵盤装置にあっては、押鍵時
は鍵の一部が質量体に当接して鍵及び質量体は同時に揺
動する。この場合、鍵と質量体との当接部にはクッショ
ン機構が設けられているため、このクッション機構がこ
れらの当接により生じる衝撃力を吸収する。その結果、
鍵または質量体がバウンドしたり、機械的な雑音(異
音)の発生を防止することができる。そしてこの場合、
クッション機構において、第1アクチュエータ部は第2
アクチュエータ部よりもその弾性係数が小さいため、そ
の第1アクチュエータ部は押鍵により最初に弾性変形し
上述のように衝撃力を吸収する一方、その第2アクチュ
エータ部は第1アクチュエータ部が所定量だけ弾性変形
した後に弾性変形をすることとなる。この結果、柔らか
い第1アクチュエータ部が過度に変形すること、すなわ
ち塑性変形することを未然に防止することができる。換
言すれば、通常の押鍵時は第1アクチュエータ部におい
て衝撃力を吸収することができるとともに、強打鍵時は
第2アクチュエータ部によりその衝撃力を吸収し、さら
に、第1アクチュエータ部の塑性変形を防止するもので
ある。これにより、打鍵力の強弱に伴い好適な鍵タッチ
感を得ながら機械的雑音の発生を完全に防止するもので
ある。 (実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。 第1図〜第6図は本発明に係る電子楽器の鍵盤装置の
一実施例を示すものである。 第1図及び第2図において、31は鍵盤装置のフレーム
であり、33はこの水平なフレーム31に上下方向に揺動自
在に支持された合成樹脂製の鍵(白鍵)である。すなわ
ち、この鍵33は、その基端部(第2図中右側の端部)に
おいてフレーム31に固着した円形断面のピン35に係合
し、このピン35を中心として鉛直面内で揺動自在に設け
られているのである。 また、この鍵33の先端部(同図中左側の端部)の上面
が押鍵部とされる。 鍵33はほぼ箱型を呈し、その下面は開口している。こ
の鍵33の側壁の下部には凹部37(ハンマ駆動部)が形成
されている。 鍵33の下方には鍵33に沿ってハンマ(質量体)39が配
設されており、このハンマ39は所定形状に折り曲げ形成
されている。そして、このハンマ39の一部分は箱型の鍵
33の内部に遊挿されている。 さらに、このハンマ39は、フレーム31に固着したピン
41(このピン41は上述のピン35と同様に円形断面でアウ
トサート加工によるものである。)を中心にして上記鉛
直面内で揺動自在に支持されている。 ここで、第3図に示すように、このハンマ39にはその
支点部に近接して二股のスイッチ駆動部43が下方に向か
って突設されている。このハンマ39のスイッチ駆動部43
の上方には上記鍵33の凹部37(ハンマ駆動部)が当接し
てこのハンマ39を押し下げるアクチュエータ部45が水平
方向に突設されている。このアクチュエータ部45は、第
5図及び第6図に示すように、合成樹脂により形成され
楕円形断面の中央部に空隙を有し、上記鍵33の凹部37が
当接する第1アクチュエータ部47と、この第1アクチュ
エータ部47の直下で第1アクチュエータ部47を支持する
略楕円形の断面の第2アクチュエータ部49と、から構成
されている。 従って、このアクチュエータ部45が、鍵33とハンマ39
との当接部に設けられて鍵33とハンマ39との間に生じる
衝撃力を吸収するクッション機構を構成していることに
なる。そして、このクッション機構45においては、第1
アクチュエータ部47が押鍵時において最初に弾性変形す
るとともに、この第1アクチュエータ部47が所定量だけ
変形(空隙がつぶれる)した後に、第2アクチュエータ
部49が弾性変形することになる。すなわち、第2アクチ
ュエータ部49はその弾性係数が第1アクチュエータ部47
のそれよりも大きく設定されているものである。 なお、これらの鍵33及びハンマ39の上限位置及び下限
位置はフレーム31に設けたストッパとしてのフェルトに
よりそれぞれ規制されている。 また、第2図に示すように、51は金属製の短冊状の板
ばねであり、この板ばね51の他端はハンマ39の基端部に
形成した係止溝53に当接・係止されている。板ばね51の
一端部はその幅が他端部よりも小さく形成されて上記鍵
33の揺動の支点部であるピン35の間に形成した溝に挿入
されるとともに、その一端部の上面で鍵33の一端部(基
端部)下面を押し上げている。 すなわち、板ばね51は、一端部が鍵33の基端部に係合
し、他端が係止溝53に当接して係止されることにより、
押鍵時ハンマ39が下方へ揺動すると、板ばね51の長手方
向の移動が一端部での摩擦力により規制されて(座屈方
向に圧縮力が作用して)その厚さ方向に弾性(湾曲)変
形する。その結果、板ばね51はハンマ39を第2図中時計
回り方向に常時付勢する(復帰習性を付与する)もので
ある。 次に作用について説明する。 以上の構成に係る鍵盤装置にあって、鍵33の押鍵部を
下方に向かって押圧すると、鍵33は基端部を、すなわち
その基端部が係合するピン35を支点として上下方向に揺
動する。 ここで、板ばね51に付勢されて鍵33の凹部37の下面が
ハンマ39のアクチュエータ部45に当接しているため、こ
の鍵33の揺動にともないハンマ39も下降する。その結
果、スイッチ駆動部43も下降しスイッチをONとする(閉
成する)。スイッチがONになると、この鍵33に対応する
音高の楽音を所定の楽音形成回路(図示していない)に
より例えばスピーカ等を通して発音する。 このとき、板ばね51は、予めたわまされて装着されて
いるが、ハンマ39の揺動によりさらに座屈変形してその
厚さ方向にたわみ、所定の復元力をハンマ39に付与す
る。僅かな荷重の増加によりこの平板ばね51のたわみを
増加させることができるものである。 そして、鍵33を離すと、鍵33及びハンマ39は共に1枚
の板ばね51により復帰習性が与えられているため、その
板ばね51の付勢力によりこれらは逆方向に向かって揺動
する。これらの鍵33及びハンマ39はそれぞれフェルトに
当接してその上限位置に復帰する。 以上の押鍵動作において、弱い力による押鍵時は第1
アクチュエータ部47がその一定の範囲内(弾性限度内)
で弾性変形し、鍵33からハンマ39に力を伝達するととも
に、その衝撃力を吸収する。そしてこの場合、鍵タッチ
感を弱めることができる。また、強い力による打鍵時は
第1アクチュエータ部47は一定量だけ弾性変形し(空隙
がつぶれさらに弾性変形し)、その後第2アクチュエー
タ部49が弾性変形する。その結果、第1アクチュエータ
部47の塑性変形は防止され、衝撃力はこれらの第1アク
チュエータ部47及び第2アクチュエータ部49により吸収
される。従って、この場合は鍵タッチ感を強めることが
できるのである。 また、本発明にあっては、上記第1アクチュエータ部
47及び第2アクチュエータ部49の双方又はいずれか一方
を弾性係数の異なる複数の弾性体により、例えば鍵33の
揺動方向に沿って積層して構成することもできる。その
結果、上記衝撃力の緩衝作用において任意の特性を得る
ことができる。すなわち、好適な鍵タッチ感を得ること
が可能となる。 さらに、上記実施例は第1アクチュエータ部及び第2
アクチュエータ部を一体的に形成しているが、この場合
いわゆる二色成形法により形成してもよい。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明に係る電子楽器の鍵盤装置の一実施例を
示すその斜視図、 第2図は一実施例に係る鍵とハンマとの配置関係を示す
その縦断面図、 第3図は一実施例に係るハンマを示すその正面図、 第4図は一実施例に係るハンマを示すその平面図、 第5図は一実施例に係るクッション機構を示すその正面
図、 第6図は一実施例に係るクッション機構を示すその一部
平面図、 第7図は従来の鍵盤装置の鍵機構の作動原理を示すモデ
ル図、 第8図は先願の鍵盤装置の鍵機構の作動原理を示すその
モデル図である。 31……フレーム、 33……鍵、 39……ハンマ、 45……アクチュエータ部(クッション機構、当接部)、 47……第1アクチュエータ部、 49……第2アクチュエータ部、 51……板ばね(復帰手段)。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.上部が連結された一対の側壁を有し短手方向縦断面
    がコの字形状をなしてその下面が開口するとともに、鍵
    盤フレームに揺動自在に支持された鍵と、 この鍵の一部が当接して鍵の揺動に連動して揺動する質
    量体と、 鍵に復帰習性を付与する復帰手段と、 これらの鍵と質量体との当接部に設けられて鍵と質量体
    との間に生じる衝撃力を吸収するクッション機構とを備
    えた電子楽器の鍵盤装置であって、 上記鍵と質量体との当接部は、上記鍵の両側壁の下部に
    設けられた質量体駆動部と、この質量体駆動部に当接す
    る質量体側の受け部とからなり、 上記クッション機構は、押鍵時において最初に弾性変形
    する第1アクチュエータ部と、この第1アクチュエータ
    部を介して弾性変形する弾性係数が第1アクチュエータ
    部よりも大きい第2アクチュエータ部とを有し、上記当
    接部における鍵の両側壁下部の2箇所それぞれが当接す
    ることを特徴とする電子楽器の鍵盤装置。 2.上記第1アクチュエータ部及び第2アクチュエータ
    部の少なくともいずれか一方は、その弾性係数が異なる
    複数の弾性体を有する特許請求の範囲第1項記載の電子
    楽器の鍵盤装置。
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