JP2775729B2 - 電子楽器の鍵盤装置 - Google Patents

電子楽器の鍵盤装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、電子楽器の鍵盤装置、例えば電子ピア
ノ、電子オルガン等の鍵盤装置の改良に関する。 〈従来の技術〉 従来の電子楽器の鍵盤装置としては例えば第7図に示
すようなもの(特開昭57−147691号公報)が知られてい
る。 第7図はこの従来の鍵盤装置の鍵機構の作動原理を示
すモデル図である。 この図に示すように、鍵1は支点3を中心として揺動
自在に設けられている。また、この鍵1の下方でハンマ
(質量体)5も支点7を中心として揺動自在に支持され
ている。ハンマ5は、アコースティックピアノと同じよ
うな鍵タッチ感を電子楽器においても得るためのもの
で、所定の重量を有している。そして、ハンマ5の重心
9は図中右端に配置され、鍵1の揺動に連動してハンマ
5を揺動するためのハンマ5の力点Aは、その重心9と
は反対側の図中左端に配置されている。 したがって、図中矢印方向への押鍵(打鍵)時は力点
Aを介してハンマ5も図中反時計回り方向に揺動する一
方、鍵1を離すと、ハンマ5の重量によりハンマ5およ
び鍵1は図中時計回り方向に揺動し、初期位置に復帰す
ることとなる。すなわち、押鍵時はハンマ5の重量に抗
して鍵1を揺動することにより、所望の鍵タッチ感を得
ているのである。 しかしながら、この鍵盤装置にあっては、ハンマ5の
重心9が鍵1に接近する方向に揺動するため、鍵1とハ
ンマ5との衝突を避けるには、その支点7を鍵1の揺動
範囲からはもとよりハンマ6の揺動範囲からも外さなけ
ればならず、鍵1とハンマ5との間隔が大きくなり、鍵
盤装置自体が大型化するという欠点があった。 〈発明が解決しようとする問題点〉 さらにまた、従来の鍵盤装置にあっては、鍵、ハン
マ、ハンマ回動時ハンマと当接する固定部など各部材の
動きを他部材に伝える駆動用接触部は、弾性を有する接
触部がないもの(特開昭57−147691号公報)、および、
それがあっても単純弾性材であるもの(特開昭57−1476
91号公報に記載された従来技術)ばかりであった。 したがって、鍵駆動時(特に強打鍵時)にはこの接触
部(特に鍵とハンマとの間)に大きな衝撃力が生じ、機
械的な騒音(異音)が発生するという問題点が生じてい
た。そして、この場合、鍵タッチ感を損なうことなく上
記騒音を防止するには、単なるクッション部材をそれら
の当接部に介在させただけでは不十分であった。 〈問題点を解決するための手段〉 そこで、この発明は、支持部材と、支持部材に揺動自
在に支持された鍵と、鍵の揺動に連動して揺動自在に配
設されたハンマと、鍵に復帰習性を付与する復帰手段
と、鍵およびハンマのうちのいずれか一方に固定されて
残りの他方に当接し、鍵からハンマへ力を伝達する片持
ち梁とを備えた電子楽器の鍵盤装置であって、上記片持
ち梁は、打鍵により曲げ変形して弾性エネルギを蓄える
とともに、打鍵初期に蓄えられた弾性エネルギ量が打鍵
後期のそれよりも大きい電子楽器の鍵盤装置を提供する
ことにより、上記問題点を解決することをその目的とし
ている。 〈作用および効果〉 この発明に係る電子楽器の鍵盤装置にあっては、打鍵
時は鍵の一部がハンマ(質量体)に当接してこれらの鍵
およびハンマは同時に揺動する。この場合、鍵とハンマ
との当接部にはクッション機構(片持ち梁)が設けられ
ているため、この片持ち梁がこれらの当接により生じる
衝撃力を吸収する(伝達力の一部を弾性エネルギとして
蓄える)。その結果、鍵またはハンマがバウンドしたり
することや、機械的な雑音(異音)が発生することを防
止することができる。そして、この場合、片持ち梁にお
いて、打鍵初期は比較的大きな量の弾性エネルギを蓄え
るとともに、打鍵終了時は初期よりも小さな量の弾性エ
ネルギを蓄える。これにより、打鍵力の強弱に伴い好適
な鍵タッチ感を得ながら機械的雑音の発生を完全に防止
するものである。 〈実施例〉 以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。 第1図〜第4図はこの発明に係る電子楽器の鍵盤装置
の一実施例を示すものである。 第1図および第2図において、31は鍵盤装置のフレー
ム(支持部材)であり、33はこの水平なフレーム31に上
下方向に揺動自在に支持された合成樹脂製の鍵(白鍵)
である。すなわち、この鍵33は、その基端部(第2図中
右側の端部)においてフレーム31に固着した円形断面の
ピン35に係合し、このピン35を中心として鉛直面内で揺
動自在に設けられている。 また、この鍵33の先端部(同図中左側の端部)の上面
が押鍵部とされる。 鍵33はほぼ箱形を呈し、その下面は開口している。こ
の鍵33の側壁の下部には凹部37(ハンマ駆動部)が形成
されている。 この鍵33の下方には鍵33に沿ってハンマ39が配設され
ており、このハンマ39は所定形状に折り曲げられて形成
されている。そして、このハンマ39の一部分は箱形の鍵
33の内部に遊挿されている。 さらに、ハンマ39は、フレーム31に固着したピン41
(このピン41は上述のピン35と同様に円形断面のアウト
サート加工によるものである。)を中心にして上記鉛直
面内で揺動自在に支持されている。 ここで、第3図に示すように、このハンマ39にはその
支点部に接近して二股のスイッチ駆動部43が下方に向か
って突設されている。このハンマ39のスイッチ駆動部43
の上方には上記鍵33の凹部37(ハンマ駆動部)が当接し
てこのハンマ39を押し下げるアクチュエータ45が水平方
向に突設されている。このアクチュエータ45は、第4図
に示すように、合成樹脂による所定長さの半円形断面の
3個の片持ちの突出梁47、49、51から構成されている。
突出梁47、49、51は、図示するように、右側から半径
(すなわち断面積)が徐々に小さくなるよう、また、そ
の弾性係数もこの順番に小さくなるように設定されてい
る。 そして、鍵33の揺動時には、これらの突出梁47、49、
51の湾曲した上面に上記鍵33の凹部37が順次当接するも
のである。 したがって、このアクチュエータ45が、鍵33とハンマ
39との当接部に設けられて鍵33とハンマ39との間に生じ
る衝撃力を吸収する(伝達力の一部を弾性エネルギとし
て蓄える)クッション機構を構成していることになる。 そして、このクッション機構45においては、突出梁47
が打鍵時において最初に鍵33に当接して弾性変形および
曲げ変形し、次いで、この突出梁47が所定量だけ曲げ変
形した後に、突出梁49が弾性変形および曲げ変形するこ
とになる。 そして、この後、突出梁51が同様に曲げ変形する。す
なわち、突出梁49はその弾性係数が突出梁47のそれより
も小さく、突出梁51の弾性係数は突出梁49のそれよりも
小さく、それぞれ設定されているものである。 換言すれば、鍵33の一部が(凹部37が)クッション機
構45(アクチュエータ)に当接した場合、当初は(打鍵
初期は)突出梁47により大きな弾性エネルギが、最後は
(打鍵終了時は)突出梁51によりそれより小さな弾性エ
ネルギが蓄えられる結果、打鍵力の強弱に応じて所望の
鍵タッチ感が得られる。 なお、これらの鍵33およびハンマ39の上限位置および
下限位置は、フレーム31に設けたストッパとしてのフェ
ルトによりそれぞれ規制されている。 また、第2図に示すように、55は金属製の短冊状の板
ばねであり、この板ばね55の他端はハンマ39の基端部に
形成した係止溝57に当接・係止されている。板ばね55の
一端部はその幅が他端部よりも小さく形成されて上記鍵
33の揺動の支点部であるピン35の間に形成した溝に挿入
されるとともに、その一端部の上面で鍵33の一端部(基
端部)下面を押し上げている。 すなわち、板ばね55は、一端部が鍵33の基端部に係合
し、他端が係止溝57に当接して係止されることにより、
押鍵時ハンマ39が下方へ揺動すると、板ばね55の長手方
向の移動が一端部での摩擦力により規制されて(座屈方
向に圧縮力が作用して)その厚さ方向に弾性(湾曲)変
形する。その結果、板ばね55はハンマ39を第2図中時計
回り方向に常時付勢する(復帰習性を付与する)もので
ある。 次に作用について説明する。 以上の構成に係る鍵盤装置にあって、鍵33の押鍵部を
下方に向かって押圧すると、鍵33は基端部を、すなわち
その基端部が係合するピン35を支点として揺動する。 ここで、板ばね55に付勢されて鍵33の凹部37の下面が
ハンマ39のアクチュエータ45に当接しているため、この
鍵33の揺動にともないハンマ39も下降する。その結果、
スイッチ駆動部43も下降してスイッチをONとする(閉成
する)。スイッチがONになると、この鍵33に対応する音
高の楽音を所定の楽音形成回路(図示していない)によ
り例えばスピーカ等を通して発音する。 このとき、板ばね55は、予めたわまされて装着されて
いるが、ハンマ39の揺動によりさらに座屈変形してその
厚さ方向にたわみ、所定の復元力をハンマ39に付与す
る。わずかな荷重の増加によりこの平板ばね55のたわみ
を増加させることができるものである。 そして、鍵33を離すと、鍵33およびハンマ39は共に1
枚の板ばね55により復帰習性が与えられているため、そ
の板ばね55の付勢力によりこれらは逆方向に向かって揺
動する。これらの鍵33およびハンマ39はそれぞれフェル
トに当接してその上限位置に復帰する。 以上の押鍵(打鍵)動作において、弱い力による打鍵
時は突出梁47がその一定の範囲内で弾性変形し、かつ、
曲げ変形し(たわみ)、鍵33からハンマ39に力を伝達す
るとともに、その伝達力の一部である衝撃力を吸収する
(弾性エネルギとして蓄える)。そしてこの場合、鍵タ
ッチ感を弱めることができる(いわゆるソフトタッ
チ)。 また、強い力による打鍵時は突出梁47は一定量だけ曲
げ変形し、その後突出梁49が同様に弾性変形および曲げ
変形する。さらに、鍵33の揺動にしたがって突出梁51が
曲げ変形する。その結果、伝達力の一部はこれらのアク
チュエータ45により弾性エネルギとして蓄えられ、衝撃
力は吸収される。したがって、この場合は鍵タッチ感を
強めることになる(いわゆるハードタッチ)。 第5図はこの発明の他の実施例を示している。 この実施例は、同図に示すように、クッション機構で
あるアクチュエータ65を片持ち梁としている。この片持
ち梁65は鍵の長手方向に沿って延在し、鍵が揺動した場
合、その先端部から鍵の凹部が当接することにより、曲
げ変形し、その結果、弾性エネルギを蓄えるものであ
る。そして、この実施例にあっては、片持ち梁65の先端
から基端に向かってその断面積が徐々に大きくなるよう
に形成している。打鍵初期は片持ち梁65の小さい断面積
の先端が鍵の一部に当接し、大きな曲げモーメントが作
用し、そのたわみ量も大きくなり、大きな弾性エネルギ
を蓄えるものである。また、打鍵終了時は片持ち梁65の
基端部に鍵の一部が当接し、初期よりも小さなモーメン
ト、たわみとなり、小さな弾性エネルギを蓄える。 その他の構成および作用は上記実施例と同様である。 第6図はさらに他の実施例を示している。 この実施例はアクチュエータ75を断面積が均一な片持
ち梁で構成したものである。この場合も上記実施例と同
じく、片持ち梁75の曲げにより弾性エネルギを蓄えるも
のである。均一な断面のため、片持ち梁75に鍵の一部が
当接する当接部が鍵の揺動にしたがって移動する結果と
して、その基端部に作用する曲げモーメントが変化する
ことから弾性エネルギを蓄える量が打鍵初期と打鍵終了
時とでは異るものである。 その他の構成および作用は上記各実施例と同様であ
る。
【図面の簡単な説明】 第1図はこの発明に係る電子楽器の鍵盤装置の一実施例
を示すその斜視図、 第2図は一実施例に係る鍵とハンマとの配置関係を示す
その縦断面図、 第3図は一実施例に係るハンマを示すその正面図、 第4図は一実施例に係るクッション機構を示すその正面
図、 第5図は他の実施例に係るクッション機構を示すその正
面図、 第6図はさらに他の実施例に係るクッション機構を示す
その正面図、 第7図は従来の鍵盤装置の鍵機構の作動原理を示すモデ
ル図である。 31……フレーム(支持部材)、 33……鍵、 39……ハンマ、 47,49,51……片持ち梁、 55……板ばね(復帰手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G10B 3/12 G10H 1/34

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.支持部材と 支持部材に揺動自在に支持された鍵と、 鍵の揺動に連動して揺動自在に配設された質量体と、 鍵に復帰習性を付与する復帰手段と、 鍵及び質量体のいずれか一方に固定されて残りの他方に
    当接し、鍵から質量体へ力を伝達する片持ち梁とを備え
    た電子楽器の鍵盤装置であって、 上記片持ち梁は、打鍵により曲げ変形して弾性エネルギ
    を蓄えるとともに、打鍵初期に蓄えられた弾性エネルギ
    量が打鍵後期のそれよりも大きい電子楽器の鍵盤装置。 2.上記片持ち梁に作用する曲げモーメントは打鍵初期
    に大きく打鍵終了時にそれより小さくなる特許請求範囲
    の第1項に記載の電子楽器の鍵盤装置。 3.上記片持ち梁は、打鍵初期に当接する部分での曲げ
    剛性が打鍵終了時に当接する部分のそれよりも小さく形
    成した特許請求範囲第1項記載の電子楽器の鍵盤装置。 4.上記片持ち梁は、打鍵初期に当接する部分の断面積
    が打鍵終了時に当接する部分のそれよりも小さく形成し
    た特許請求範囲第3項記載の電子楽器の鍵盤装置。
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