JP2005102618A - 緑色食用植物具材、その製造方法およびそれを用いた密封包装食品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】細片状あるいは粉末状緑色食用植物と、亜鉛および/または銅を多く含む食品原料粉末とを必須成分として均一に分散させてなる緑色食用植物具材であって、具材全体に対して亜鉛および/または銅が5×10-6質量%〜2×10-2質量%含まれている緑色食用植物具材を用いる。
【選択図】 図1
Description
本発明の第1の目的は、緑色食用植物の風味および新鮮状態の緑色が長期保存後や加熱処理後においても、あるいはサラダやタルタルソースなどの酸性食品に用いたりしても維持される緑色食用植物具材であって、化学薬品を使用せず、自然食品としてのイメージが高く、消費者が安心して食べられる緑色食用植物具材を提供することであり、
本発明の第2の目的は、そのような緑色食用植物具材を容易に経済的に製造できる方法を提供することであり、
本発明の第3の目的は、そのような緑色食用植物具材を配合して調製される密封包装食品であって、自然食品としてのイメージが高く、消費者が安心して食べられる密封包装食品を提供することである。
本発明で用いる緑色食用植物とは、葉緑素に由来する緑色を呈する食用植物全般のことであり、具体的には、例えばパセリ、ほうれん草、野沢菜、ねぎ、アサツキ、モロヘイヤ、青しそ、ニラ、チンゲンサイ、大根葉、小松菜、カイワレダイコン、ピーマン、ミツバ、ブロッコリー、クレソン、サヤエンドウなどの野菜類、エダマメ、そらまめ、グリーンピースなどの種子類、ワカメ、アオノリ、カラノリ、クロレラ、アオサ、ミルなどの海藻類、バジル、オレガノ、グリーンペッパ、タイム、タラゴン、ローズマリー、ベイなどの香草類など、あるいはこれらの2つ以上の混合物を挙げることができる。
市販のミネラル酵母の例としては三輪製薬(株)製のものやオリエンタル酵母工業(株)製のものやLallemand社製のものを挙げることができる。
Lallemand社製の亜鉛酵母(MEY−ZN50)は、60メッシュスクリーンを99%通過する粉末であり、亜鉛を50mg/g以上(50〜60mg/g)含んでいる[上限摂取量30mg/日(成人):第6次栄養所要量に基ずく]。
Lallemand社製の銅酵母(MEY−CU1000)は、60メッシュスクリーンを99%通過する粉末であり、銅を1000mg/g以上(1000〜1200mg/g)含んでいる[上限摂取量9mg/日(18〜69才):第6次栄養所要量に基ずく]。
牛肝臓(5.3)、ココア(3.8)、牡蠣(0.89)、干しえび(5.17)、ごま(1.66)、胡椒(1.1)、大豆(0.98)、のり(0.62)、黒砂糖(0.24)、玄米(0.27)、白米(0.22)、こんぶ(0.13)、ほうれんそう(0.11)、豆腐(0.15)、じゃがいも(0.10)、鶏卵(0.08)、えんどう(0.49)、グリンピース(0.19)などを挙げることができる。これらは2種以上組み合わせて使用することもできる。
牡蠣(13.2)、スモークレバー(8.7)、ごま(5.5)、ココア(7.0)、米糠、アーモンド(4.0)、抹茶(6.3)、のり(3.7)、牛肉(4.2)、牛肝臓(3.8)、大豆(3.2)、そじみ(2.1)、玄米(1.8)、鶏卵(1.3)、にんにく(0.7)、ほうれんそう(0.7)、白米(0.6)、煎茶、小麦薄力粉、麩、さつまいも、じゃがいも、やまいも、ピーナッツ、あづき、豆腐、さんま、まいわし、いいだこ、あさり、あわび、さざえ、しじみ、根こんぶ、わかめ、寒天、豚肉、羊肉、パセリ、だいこん、などを挙げることができる。これらは2種以上組み合わせて使用することもできる。
本発明の緑色食用植物具材の風味などの特性を損なわない範囲でビタミンC、ビタミンEを酸化防止剤として添加することができる。その他公知の食用添加剤についても本発明の緑色食用植物具材の風味などの特性を損なわない範囲で添加することができる。
加熱食品としては、例えば、グラタン、シチュー、スープ類、スパゲテイー、ハンバーグ、ピザ、コロッケ、丼物、チャーハン、雑炊、おでん、煮物、炒め物、揚げ物などの他に、例えば70℃以上、30分以上の加熱殺菌処理を行う各種食品、缶詰、レトルト食品などを挙げることができる。
酸性食品としては、例えば、サラダ、トマトソース、スプレッド、フィリング、ピザソース、タルタルソース、具入りドレッシングなどを挙げることができる。
本発明の緑色食用植物具材を添加した食品の保存中においてもその緑色が退色したり、変色したりすることがなく、新鮮状態の緑色が長期にわたり維持される。
本発明の緑色食用植物具材2を加工食品原料3に適宜配合し、プラスチック積層袋4に入れて口部5をヒートシールして、加熱殺菌処理して、本発明の密封包装食品1が製造される。
本発明の緑色食用植物具材を160gレトルトパウチ(PET/Al/CPP積層体からなるパウチ)に充填し121℃、20分レトルト殺菌した。レトルト直後、およびその後、40℃、99%RHにおいて、1、2、4、12、24週間長期保存した後、直径10cmの白色薄底皿に試料5gを薄くのばし、目視検査により退色、変色を観察して下記の基準で評価した結果を表1に示す。風味についてはいずれも良好であった。
◎:変化なし
○:やや退色しているが商品として問題なし
△:退色しており商品として問題あり
×:変色しており、実用上使用不可能
ミネラル酵母(鉄酵母、オリエンタル酵母工業(株)社製)を用いた以外は実施例1と同様にして比較の緑色食用植物具材を作り、実施例1と同様にして退色、変色を評価した結果を表1に示す。風味については退色、変色しているものも良好であった。
ミネラル酵母(マグネシウム酵母、オリエンタル酵母工業(株)社製)を用いた以外は実施例1と同様にして比較の緑色食用植物具材を作り、実施例1と同様にして退色、変色を評価した結果を表1に示す。風味については退色、変色しているものも良好であった。
ミネラル酵母を使用しなかった以外は実施例1と同様にして比較の緑色食用植物具材を作り、実施例1と同様にして退色、変色を評価した結果を表1に示す。風味については退色、変色しているものも良好であった。
それに対して、比較例1〜3の場合は、加熱殺菌処理されると緑色食用植物の風味は維持されているが緑色が維持されず、退色、変色する。
そして実施例1と同様にして退色、変色を評価した結果を表2に示す。風味についてはいずれも良好であった。
そして実施例1と同様にして退色、変色を評価した結果を表2に示す。風味についてはいずれも良好であった。
そして実施例1と同様にして退色、変色を評価した結果を表2に示す。風味についてはいずれも良好であった。
そして実施例1と同様にして退色、変色を評価した結果を表3に示す。風味についてはいずれも良好であり、退色、変色したものも、風味は良好であった。
ミネラル酵母を配合しなかった以外は実施例6と同様にして比較の緑色食用植物具材を作り、実施例1と同様にして退色、変色を評価した結果を表4に示す。変色したものも、風味は良好であった。
ミネラル酵母を配合しなかった以外は実施例7と同様にして比較の緑色食用植物具材を作り、実施例1と同様にして退色、変色を評価した結果を表4に示す。変色したものも、風味は良好であった。
ミネラル酵母を配合しなかった以外は実施例8と同様にして比較の緑色食用植物具材を作り、実施例1と同様にして退色、変色を評価した結果を表4に示す。退色、変色したものも、風味は良好であった。
ミネラル酵母を配合しなかった以外は実施例9と同様にして比較の緑色食用植物具材を作り、実施例1と同様にして退色、変色を評価した結果を表4に示す。変色したものも、風味は良好であった。
それに対して、表4から、比較例4〜7の緑色食用植物具材は、各pHにおいて、加熱殺菌処理されると緑色食用植物の風味は維持されているが緑色が維持されず、退色、変色することが判る。
そして実施例1と同様にして退色、変色を評価した結果を表5に示す。風味については抹茶と大豆がかくし味として機能していて味の深みが増し、風味は良好であった。退色したものも風味は良好であった。
また、本発明の緑色食用植物具材を配合して調製される本発明の密封包装食品は、緑色食用植物の風味および新鮮状態の緑色が長期保存後や加熱処理後においても維持され、自然食品としてのイメージが高く、消費者が安心して食べられる密封包装食品であるので、産業上の利用価値が高い。
2 緑色食用植物具材
3 加工食品原料
4 プラスチック積層袋
5 口部
Claims (5)
- 細片状あるいは粉末状緑色食用植物と、亜鉛および/または銅を多く含む食品原料粉末とを必須成分として均一に分散させてなる緑色食用植物具材であって、具材全体に対して亜鉛および/または銅が5×10-6質量%〜2×10-2質量%含まれていることを特徴とする緑色食用植物具材。
- 前記亜鉛および/または銅を多く含む食品原料が、ミネラル酵母、銅クロロフィル、銅クロロフィリン金属塩、麩、アーモンド、ゴマ、牡蠣、干しえび、のり、寒天、ココア、煎茶、抹茶、玄米、大豆、黒砂糖、胡椒から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の緑色食用植物具材。
- 密封包装容器に詰められていることを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の緑色食用植物具材。
- 細片状あるいは粉末状緑色食用植物に、亜鉛および/または銅を多く含む食品原料粉末とを必須成分とし、必要に応じて水を加え、具材全体に対して亜鉛および/または銅が5×10-6質量%〜2×10-2質量%となるように配合した後、ミキサーにより均一に分散することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の緑色食用植物具材の製造方法。
- 請求項1から請求項3のいずれかに記載の緑色食用植物具材を加工食品原料に配合し、必要に応じて加熱殺菌処理されて調製されたことを特徴とする密封包装食品。
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