JP2005100756A - らせん状色帯入りケーブル - Google Patents
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Abstract
【課題】ケーブル外観からケーブルコア内の心線の撚り方向や位置を一目で判別し特定することのできる色帯入りケーブルを提供すること。
【解決手段】単心線または複心線を撚ってなるケーブルコア1の外周を覆うシース2に前記シースと異なる色の色帯3を施してある色帯入りケーブルにおいて、前記色帯3が、心線の位置を示すように、ケーブルの長手方向にそって、前記心線の撚り方向と同一の向きのらせん状に施されている構造とする。
【選択図】 図1
【解決手段】単心線または複心線を撚ってなるケーブルコア1の外周を覆うシース2に前記シースと異なる色の色帯3を施してある色帯入りケーブルにおいて、前記色帯3が、心線の位置を示すように、ケーブルの長手方向にそって、前記心線の撚り方向と同一の向きのらせん状に施されている構造とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、単心線または複心線を撚ってなるケーブルコアにシースを被覆し、且つそのシース上にシースと異なる色の色帯を施した色帯入りケーブルに関するものである。
一般に、ケーブルは心線(導体)の外側がシースで覆われており、心線はシースを剥ぎ取らなければ直接視認できないような構造になっている。
配電用などの電力ケーブルは一箇所に複数のケーブルを使用することが多く、また、ケーブルを撚り合わせて使用することも多いので、心線を直接視認できないケーブルを多数使用していると、誤配線を招くことが考えられる。そのため、作業時における誤配線を防ぐ方法として、シース上に一本の直線のストライプをシースの長手方向に施して心線を識別するか、図4に示す如くケーブルの心線を識別できるようにシースの表面を着色して、その色によって判断する方法が挙げられる。
しかし、シース上にストライプを施す場合、ストライプが一本の直線のみであると、その対角側からではストライプを直接視認することができない。また、トリプレックス形ケーブルなどの単心撚り合わせケーブルにおいては、ストライプが撚り合わせの内側にきてしまった場合、その撚り合わせをほぐさなければストライプを視認することができない。そのため、現在はシース上の対角にもストライプを施し一本の時より視認性を向上させたケーブルが使用されている。
シース上のストライプを二本にすることで確かに視認性は向上したが、これには次のような問題点があった。すなわち、シース上の対角にストライプを施して撚り合わせケーブルに使用する場合、撚り合わせの幅によって、ストライプの見え方が変わってしまい視認に困難を要する場合があった。また、ストライプが二本であってもケーブルの撚り合わせ部分の内側に入ってしまい、正確な心線の識別ができなくなる場合があった。
尚、上述した方法のうちのシースの表面を着色して、その色で心線の識別をする場合に関し、特に撚り合わせケーブルにおいては何本かのケーブルを撚り合わせている構造上、絶縁体表面色では十分に確認することができず、シースを剥ぎ取って心線を確認しなければならないこともあった。
そこで、図5に示す如く、心線(導体)12のシース33に心線識別用ストライプ34を螺旋状に施し、ケーブル13をどの方向から見てもストライプを視認できるようにすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、図6に示すように、光ファイバ心線41、引裂き紐42、介在紐43が一次被覆44内の同じ層に混在された光ファイバユニットにおいては、最初に引裂き紐42を目視で選び出し、これを摘まみ出すのは簡単ではないことから、図示する如く、ユニットの断面の中心から、引裂き紐が射影されるユニット被覆の外表面に、長さ方向に連続して目視等で識別できる引裂き紐位置表示(色帯51)を設けることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。色帯51は、二次被覆45の外表面に設けられた、二次被覆45の色とは異なる色の色帯であり、プラスチックの押出しまたはインクの塗布により設けられる。この色帯は図に示すようにユニットの外表面に長手方向に連続して表示される。図6は光ファイバ心線41、引裂き紐42、介在紐43が撚られずに直線状に集合されている場合を示すが、これらが撚られている場合は、色帯の表示も撚りに倣って長手方向に螺旋を描くことになる。この構造によれば、引裂き紐42をユニットの側面からも識別できるため、光ファイバ心線や介在紐を引裂き紐と見間違えることを防止できる。
特開2002−42578号公報(図1)
特開2003−4998号公報(図1、段落番号0016)
上記のように、単心線または複心線を撚ってなるケーブルコアにシースを被覆し、且つそのシース上にシースと異なる色の色帯を施した色帯入りケーブルの色帯は、通常、ケーブルの長手方向に沿って直線状に1本から3本程度の数が施されている。
ケーブルコア内の心線は通常、長手方向に沿って右回りまたは左回りに撚ってあり、シースは黒色等の色が施されている。ケーブルの判別方法の1つとして従来、シース上にシースと異なる色の色帯を直線状に施しているが、色帯の色や本数はケーブル使用者によって多種である。すなわち、直線状の色帯では、色帯の色や本数が異なる使用者間などでは、ケーブル外観から心線の撚り方向を一目で判別することは難い。
図4に従来の色帯入りケーブルの構造例を示す。この色帯入りケーブルは、光ファイバの単心線または複心線を撚ってなるケーブルコア1に、黒色ポリエチレン、黒色ポリ塩化ビニルなどのプラスチックシース2を被覆する時に、シース表面上の一部に黄、橙、赤、青、緑などの色(色帯3)を幅約2mm程度、ケーブル長手方向に沿って直線状に施したものである。
色帯3はケーブル外観からケーブルの種類を識別する方法のひとつであるが、ケーブル使用者によってその色と本数は多種であるため、ケーブル外観からケーブルコアの心線の撚り方向を判別するのは困難である。
しかしながら、接続工事などにおいては、ケーブルコア内において長手方向に沿って右回りまたは左回りに撚ってある心線の撚り方向や位置を、ケーブルの外部から判別し特定できることが望まれる。
これに対し、特許文献1(図5)は、いずれの方向からでも見えるように、シースに心線識別用ストライプを螺旋状に設けているものであり、心線とその識別用ストライプとは同じ撚り方向や位置に特定されているものではない。
また、特許文献2(図6)は、引裂き紐が射影されるユニット被覆の外表面に引裂き紐位置表示として色帯を設けるものであり、色帯は心線の撚り方向や位置を示すものではない。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、ケーブル外観からケーブルコア内の心線の撚り方向や位置を一目で判別し特定することのできる色帯入りケーブルを提供することにある。
上記の目的を達するために本発明では以下の手段を講じた。すなわち、請求項1に係る発明のらせん状色帯入りケーブルは、単心線または複心線を撚ってなるケーブルコアの外周を覆うシースに前記シースと異なる色の色帯を施してある色帯入りケーブルにおいて、前記色帯が、心線の位置を示すように、ケーブルの長手方向にそって、前記心線の撚り方向と同一の向きのらせん状に施されていることを特徴とする。
また、請求項2に係る発明のらせん状色帯入りケーブルは、単心線または複心線を撚ってなるケーブルコアの外周を覆うシースに前記シースと異なる色の色帯を施してある色帯入りケーブルにおいて、前記色帯が、ケーブルの長手方向にそって、右回りらせんと左回りらせんの交互の繰り返しにより施されていることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載のらせん状色帯入りケーブルにおいて、前記らせん状色帯の色帯ピッチが心線の撚りピッチと同程度であることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれかに記載のらせん状色帯入りケーブルにおいて、前記らせん状色帯が複数本施されていることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、請求項1から4のいずれかに記載のらせん状色帯入りケーブルにおいて、前記心線が導体から成ることを特徴とする。
また、請求項6に係る発明は、請求項1から4のいずれかに記載のらせん状色帯入りケーブルにおいて、前記心線が光ファイバから成ることを特徴とする。
上記した単心線または複心線を撚ってなるケーブルコアの外周を覆うシースに前記シースと異なる色の色帯を施してある色帯入りケーブルの製造方法としては、押出成形時に押出機の押出ヘッドをケーブルの円周方向の右回りまたは左回りに自在に回転させ、あるいはまた、押出成形時にケーブル自体をケーブルの円周方向の右回りまたは左回りに自在に回転させ、これにより色帯をケーブルの長手方向に沿って、らせん状または右回りと左回りの交互に施すことで行うことができる。
本発明のらせん状色帯入りケーブルによれば、色帯が心線の位置を示していることから、ケーブルのシースを剥ぎ取ることなくケーブルコア内の心線の撚り方向や位置が、シース外から容易に判別できるので、ケーブル布設や接続を短時間で容易に行うことができる。また、ケーブルコア内の心線が一方向らせん撚りのケーブルであるか、右回り左回りらせん交互撚りのケーブルであるかが容易に判別できるので、布設後の後分岐工事などの再工事を短時間に容易に行うことができる。また、従来の直線状色帯では、ケーブルのどの位置からでも色帯を見えるようにするには色帯は3本必要であるが、らせん状色帯では1本だけで、どの位置からでも色帯を確認することができる。
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1に本発明の第1の実施形態に係る一方向らせん状色帯入りケーブルの構造を示す。この色帯入りケーブルは、導体から成る単心線または複心線を撚ってなるケーブルコア1に、黒色ポリエチレン、黒色ポリ塩化ビニルなどのプラスチックシース2を被覆する時に、シース表面上の一部に黄、橙、赤、青、緑などの色(色帯3)を幅約2mm程度、ケーブル長手方向に沿ってらせん状に施したものである。
この色帯入りケーブルの特徴は、シース2の色とは異なる色で幅約2mm程度の色帯3の部分が、心線の位置を示すように、ケーブル長手方向に沿って、ケーブル円周方向の右回りまたは左回りらせん状のどちらか一方向のみに適当なピッチ、つまり心線の撚りピッチと同程度のピッチで施されていることである。
このとき、ケーブルコア1中の心線が右回りまたは左回りのどちらか一方向に撚られているケーブルコア1に、心線の位置を示すように、その撚り方向と同方向のらせん状色帯3を施したシース2を被覆することにより、ケーブル外観からシース2を剥ぐことなくケーブルコア1中の心線の撚り方向を判別できる。らせん状色帯3の色帯ピッチはケーブルコアの心線の撚りピッチ程度が望ましい。
図2に第2の実施形態に係る右回り左回り交互らせん状色帯入りケーブルを示す。この色帯入りケーブルの特徴は、ケーブルコア1内の心線の位置を示すように、ケーブル長手方向に沿って、ケーブル円周方向の右回りらせんと左回りらせんが交互状に適当なピッチと反転角度で繰り返して、色帯3がシース2上に施されていることである。
この実施形態は、心線が導体又は光ファイバのいずれであっても適用することができるが、光ファイバケーブルの場合には、右回り左回り交互らせん状に光ファイバ心線が撚られているSZ撚りなどのケーブルコア1のシースに、右回り左回りらせん交互の色帯3を施すことで、交互撚りのケーブルを判別可能とすることができる。
上述した一方向らせん状(図1)または交互らせん状(図2)の色帯の製造方法は、シース押出成形時にケーブルコア1を長手方向に沿って直線状に押出機を通過させると同時に、押出機のヘッドをケーブルの円周方向の右回りまたは左回りに自在に回転させるか、または、押出機のヘッドを固定し、ケーブルコアの送出しと巻取り装置を同期させながら、ケーブル円周方向の右回りまたは左回りに自在に回転させ、ケーブルコア自身を回転させることにより、色帯部分を一方向または交互らせん状に施すことができる。押出成形スピードと押出機ヘッドまたはケーブルの回転スピードを調節することにより任意の色帯ピッチを得ることができる。
図2のケーブルコアの撚り方向とケーブルシース上に施された色帯が共に右回り左回りらせんの交互の繰り返しであるケーブルを、ユーザーアクセス系などの分岐用に使用することにより、ケーブル布設後の分岐などの再工事が可能なケーブルを外観から容易に判別することができる。
上記実施形態では色帯が1本の場合の色帯入りケーブルについて説明したが、色帯は複数本設けることもできる。たとえば、シース上に施すらせん状の色帯を、図3に色帯3a、3b、3cとして示すように3本程度に増やすことにより、撚り方向を強調することもできる。
また、ケーブルコア1内の心線の撚りピッチと、らせん状色帯3の色帯ピッチを完全に一致させることにより、ケーブル外観からシースを剥ぐことなくケーブルコア中の特定心線の位置を正確に判別することができる。
1 ケーブルコア
2 シース
3 色帯
2 シース
3 色帯
Claims (6)
- 単心線または複心線を撚ってなるケーブルコアの外周を覆うシースに前記シースと異なる色の色帯を施してある色帯入りケーブルにおいて、
前記色帯が、心線の位置を示すように、ケーブルの長手方向にそって、前記心線の撚り方向と同一の向きのらせん状に施されていることを特徴とするらせん状色帯入りケーブル。 - 単心線または複心線を撚ってなるケーブルコアの外周を覆うシースに前記シースと異なる色の色帯を施してある色帯入りケーブルにおいて、
前記色帯が、ケーブルの長手方向にそって、右回りらせんと左回りらせんの交互の繰り返しにより施されていることを特徴とするらせん状色帯入りケーブル。 - 前記らせん状色帯の色帯ピッチが心線の撚りピッチと同程度であることを特徴とする請求項1または2に記載のらせん状色帯入りケーブル。
- 前記らせん状色帯が複数本施されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のらせん状色帯入りケーブル。
- 前記心線が導体から成ることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のらせん状色帯入りケーブル。
- 前記心線が光ファイバから成ることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のらせん状色帯入りケーブル。
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