JP2004020886A - 光ファイバケーブル - Google Patents

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Hiroyuki Saotome
五月女 裕之
Hiroki Ishikawa
石川 弘樹
Masayoshi Yamano
山野 雅義
Kimio Ando
安藤 公夫
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

【課題】ケーブルシース引裂き後に、ケーブルコアが片方のシースに埋没したりしても、ケーブルコアを確実に容易にかつ安全に取出すことができるケーブル構造を提供する。
【解決手段】ケーブルコアの一例である光コード4の外周にテープ8を0.5°以上10°以下の浅い角度で重ね巻きし、その外側にシースを設けることにより、シース引裂き後、シース6に嵌っている光コード4の外面には浅い角度で重ね巻きされたテープ8の重なり部が若干起きた状態で間欠的に露出するため、この重なり部を指や爪などで少しづつ摘み出してから、テープ8を指で掴んで光コード4の一部をシース6から引っ張り出せば、この後は指によって連続的にテープ8と光コード4をシース6から外していくことが容易になる。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光ファイバケーブルの構造に関し、特にシースを分割した後に、中身のケーブル芯(ケーブルコアと称す)を取出し易くしたケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】
光ケーブルの端末にコネクタを取付ける時、或いは布設したケーブルを機器に繋ぐ時、ケーブルのシースを剥いでケーブルコアを取出し易くするため、シースにノッチを入れたり、シース内側に引裂き紐を入れたりしてケーブルシースを二つに引裂き易くしたケーブルは従来から公知であり、多用されてきた。しかし、これらによりシースを引裂いても、シースが非対称に裂けたりすると、ケーブルコアが片方のシースに埋没したりして、取出せなくなったり或いは非常に取出し難くなることが多い。このようなとき、特にシースとケーブルコアの密着が強くてこれらの間の摩擦が大きい場合、ケーブルコアを無理に取出そうとすると、内部の光ファイバや、その被覆等に損傷を与える危険があった。
【0003】
図7を参照して、この問題を具体的に説明する。図7(a)は、ターミネーションケーブルの一例の断面構造図である。ケーブルコアである光コード4とその両側のテンションメンバ5の、それぞれの中心線は同一平面に平行に並んで、これらが一括してシース6中に埋め込まれている。なお、光コード4は、直径0.25mmの光ファイバ心線1とこれを包囲する抗張力性繊維2とその外側のプラスチック被覆3で構成されており、その直径は1.5mmである。テンションメンバ5は、直径0.4mmの鋼線または繊維強化プラスチックである。プラスチック被覆3とシース6は、難燃ポリエチレンまたはポリ塩化ビニールで、光コードをはさんで対向するシースの表面には切り裂き用のノッチ7が設けられている。ターミネーションケーブルの断面の寸法は幅が約4.3mm厚さが約2.6mmである。
【0004】
ノッチ7を利用して、ここからシース6を手で裂くなどしてシースを二分割し、中から光コード4を取出すのであるが、シースの二分割が理想的な対称性を持たない場合、光コード4の取出しが極めて困難になる。図7(b)は、そのような不適当な分割の例で、分割後に光コード4は、その断面円周の大半がシース6の一方に埋もれる形になって、取出しができないか取出しが極めて困難な状態になる。このような、光コードがシースの一方に埋没するのは特殊な場合ではなく、むしろ一般的な場合といえる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来のケーブルの持つ欠点を解消するもので、たとえシースが非対称に裂けて、ケーブルコアが片方のシースに埋没したりしても、ケーブルコアは全く問題なく取出せるケーブル構造を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ケーブルコアの外周に一枚のテープが0.5°以上10°以下の浅い角度で重ね巻きされその外側にシースが設けられたことを特徴とするもので、シースが非対称に裂けて、ケーブルコアが片方のシースに埋没したりしても、ケーブルコア側面に出ているテープの縁部を掴んでケーブルコアを引張り出すことができるものである。また、このテープの重ね巻きは、シースとケーブルコアの密着を防ぎこれらの間の摩擦を小さくすることにも寄与する。ここで浅い角度とは、テープ巻付け時にテープの中心線とケーブルコアの中心線のなす角が小さいことを言い、重ね巻きとは、一枚のテープを巻く際に、巻いた直後のテープの前縁に、次の巻回におけるテープの後縁が重ねられる巻き方を言う。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明において、用いるテープとしては、ポリエステルテープ等のプラスチックテープが適する。テープは幅方向にパイプ状に巻き上げたときに若干反発して開こうとする腰の強さを備えるものが良い。その理由は、シースを裂いてケーブルコア外周のテープが露出したとき、重なり部が若干起きるのでテープの縁部が指または爪で捉え易くなるからである。この重なり部が起きる性質に対しては、テープを巻く角度が更に重要な役割を果たし、テープを浅い角度で巻くほど重なり部が起きやすくなる。浅い角度でテープを巻けば、巻きそのものがテープに与える曲率が小さくなるためである。たとえば、ポリエステルテープを10°以下の浅い角度で重ね巻きする場合、テープの厚さは0.025mm以上あればそのような性質(重なり部が起きる性質)を備える。また、上記若干起きる重なり部の幅は0.5mm以上もあれば十分である。
【0008】
テープが浅い角度で重ね巻きされていれば重なり部も同じ浅い角度で螺旋状に回転しているため、シースが直線状に裂かれてケーブルコアが裂かれたシースの一方に埋没しても、その螺旋の周期以上にシースを裂けば、ケーブルコアが現れている部分に必ずテープの重なり部が現れる。そこで重なり部が起きて開きかけたテープの縁部を掴んでケーブルコアを引張り出すことができる。もし、深い角度でテープを巻けば、前述したように反発性を有するテープでも重なり部が起きず、ぴったりと重なってしまいテープの縁部が指や爪で捉え難くなる。
【0009】
テープを巻く角度が浅いほど重なり部は起き易いが、0°では重なり部も直線状になって螺旋状に回転しないから、重なり部がシースに埋没した状態でシースが裂けた場合、いくら裂いても重なり部がシースの裂け目に現れることが無くなり不都合が生じる。螺旋の周期が長いとそれに応じてシースを長く裂く必要が生じるがテープの重なり部は起き易くなる。このような事情はさらにケーブルコアのサイズなどにも関連して複雑であるが、各種の角度でケーブルコアにテープを巻き付けて、重なり部のテープ縁部の起き状態や周期を比較したところテープの巻付け角の好適な範囲は、0.5°から10°にするのが適切で、さらに好ましくは1°から5°の間が最適であることが解った。
【0010】
図1は前記のターミネーションケーブルに本発明を適用したケーブルの構造を示す断面図で、図1(a)はシース引裂き前、図1(b)はシース引裂き後を示す。図7と同じ符号は同じ部位を表し説明を省略する。図7と異なるのは図1のケーブルでは光コード4がテープ8により浅い角度で重ね巻きされているところのみである。本発明のケーブルの断面図においては、テープが浅い角度で重ね巻きされている状態を、単にテープが縦添えされ幅方向にパイプ状に巻き上げられ両縁部が重なっているのと同様の図で示す。浅い角度で巻かれたテープはある程度の反発性を持つため図1(b)に示すように、シース引裂き後には、テープ8の重なり部は若干起きて、指や爪で掴むときのきっかけを与えることになる。
【0011】
シース引裂き後を示す図1(b)のうち、光コードが在る側の部分の斜視図を図2(a)に示す。図における符号の意味は図1と同じである。この図に示すように、シース6に嵌っている光コード4の、シース6の裂け目に現れる外面には、浅い角度で重ね巻きされたテープの重なり部が少し起きた状態で間欠的に露出するため、この重なり部を指や爪で少しづつ摘み出してから、これを引張って図2(b)のような状態にすれば、この後は指によって連続的に容易にテープ8と光コード4をシース6から外していくことができる。
【0012】
図1は、シース6にノッチ7が設けられ、最初にこのノッチを手がかりにシースを引裂くものであるが、ノッチが無くてその代わりに引裂き紐が設けられたケーブルにも本発明が同じように適用できる。図3は、そのようなターミネーションケーブルの構造を示す断面図で、図3(a)はシース引裂き前、図3(b)はシース引裂き後を示す。図1と同じ符号は同じ部位を表し説明を省略する。図1と異なるのは図1のノッチ7が無くて、代わりにシース6の内側に引裂き紐9が設けられたところである。引裂き紐9は、浅い角度で重ね巻きされたテープ8の外側に、長手方向に直線的に配設される。ケーブルの端末において引裂き紐を掴み、これをシースの外側に引張ってシースを引裂くことができる。
【0013】
引裂き紐9を用いてシース6を二分割して図3(b)の状態になった場合、この後は図2で説明したとまったく同様に、テープ8と光コード4をシース6から外していくことができる。
【0014】
この他の、本発明の実施形態の例を、図4、図5、図6に示す。これらの図において図1等と同じ符号は同じ部位を表すので説明を省略する。図4は、光ファイバ心線1を内在するインドアケーブルの断面図である。この場合、テープ8は、ケーブルコアである光ファイバ心線1に浅い角度で重ね巻きされる。図5(a)は、光ファイバテープ心線10を内在するインドアケーブルの断面図である。光ファイバテープ心線とは、複数本の光ファイバ心線を平行に並べて一括被覆したものである。この場合、テープ8は、ケーブルコアである光ファイバテープ心線10に浅い角度で重ね巻きされる。このタイプのケーブルはシース分割後、図5(b)に示すように光ファイバテープ心線10がシースに嵌って取り残され易いので、本発明は特に大きな効果を発揮する。図6は、多心の光ファイバユニット11を内在するインドアケーブルの断面図である。この場合、テープ8は、ケーブルコアである光ファイバユニット11に浅い角度で重ね巻きされる。光ファイバユニット11は、中心の抗張力体12の周りに複数の光ファイバ心線1を撚り合せてその上に図示していない押え巻き等が施されて構成されている。
【0015】
【発明の効果】
本発明は以上に述べた通りであるので、ケーブルシース引裂き後に、ケーブルコアが片方のシースに埋没したりしても、ケーブルコアを確実に容易にかつ安全に取出すことができるので、作業性上および品質上の効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のケーブルの構成例を示す断面図である。
【図2】本発明の作用を説明する、シース引裂き後のケーブルの斜視図である。
【図3】本発明の他の実施形態を示すケーブルの断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態を示すケーブルの断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態を示すケーブルの断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態を示すケーブルの断面図である。
【図7】従来のケーブルの構成例を示す断面図である。
【符号の説明】
1:光ファイバ心線
2:抗張力性繊維
3:プラスチック被覆
4:光コード
5:テンションメンバ
6:シース
7:ノッチ
8:テープ
9:引裂き紐
10:光ファイバテープ心線
11:光ファイバユニット
12:中心の抗張力体

Claims (5)

  1. ケーブルコアの外周に一枚のテープが0.5°以上10°以下の角度で重ね巻きされその外側にシースが設けられたことを特徴とする光ファイバケーブル。
  2. テープが1°以上5°以下の角度で重ね巻きされた請求項1に記載の光ファイバケーブル。
  3. ケーブルコアの両側に該ケーブルコアより所定間隔を隔てて設けられたテンションメンバと、ケーブルコアの、それぞれの中心線は、一平面上に平行に同一シース内に配置されている請求項1または2に記載の光ファイバケーブル。
  4. シースを引裂くためのノッチがシース表面に刻設されている請求項1から3に記載の光ファイバケーブル。
  5. シースを引裂くための引裂き紐がシース内に配置されている請求項1から3に記載の光ファイバケーブル。
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