JP2007304347A - 光ファイバケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】光ファイバ心線をスロットの溝に収納し、その外周を押え巻テープとシースで被覆する構造を有する光ファイバケーブルについて、スロットに巻かれる縦添えの押え巻テープを容易に解体できるようにすること。
【解決手段】溝2を外周面に有するスロット3と、溝2内に収納される光ファイバ1と、スロット3を覆う縦添えの押え巻テープ4と、押え巻テープ4の上からスロット3及び光ファイバ1を被覆するシース7とを備え、縦添えの押え巻テープ4のうちの縦添えの合わせ目5の密着力が10N/20mm以上であって180°引き剥がし力が10N以下である。
【選択図】図2

Description

本発明は、光ファイバケーブルに関し、より詳しくは、光ファイバ心線をスロットの溝に収納し、その外周を押え巻テープとシースで被覆する構造を有する光ファイバケーブルに関する。
スロットタイプの光ファイバケーブルは、例えば図15に示すように、長手方向に沿って延びる複数の溝102を外周に設けたスロット103と、溝102内に収納される光ファイバ心線101と、光ファイバ心線101及びスロット103の上に巻かれる押え巻テープ104と、押え巻テープ104の上からスロット103を被覆するシース105とを有している。そのような構造の光ファイバケーブルについては、例えば下記の特許文献1に記載がある。
押え巻テープ104は、光ファイバ心線101が溝102から飛び出すことを防止するためと、シース105を押し出し被覆する際に熱を光ファイバ心線103に伝えないために、スロット103の全面を覆う構成となっている。
そのようなスロットタイプの光ファイバケーブルでは、溝102をスロット103の長さ方向に沿って同方向に螺旋させた構造や、交互に捻れたSZ撚り構造などがあり、また、スロット103の外周に巻回する押え巻テープ104も1層で巻回される場合だけでなく複数層で巻回される構成もある。
例えば、図16に示すように、SZ撚りスロット106を使用する光ファイバケーブルでは、溝102に収納した光ファイバ心線101の飛び出しを防止するために紐又は幅の狭いテープからなる下側の押え巻107がSZ撚りスロット106外周で螺旋状に巻回され、その上に、幅広のテープからなる上側の押え巻テープ104が少しずつ重なるように螺旋状に巻回され、さらに上側の押え巻テープ104をシース105で覆う構造となっている。
また、図17に示すように、SZ撚りスロット106及び下側の押え巻107の外周上に、縦添えで上側の押え巻テープ104を巻いた構造を有する光ファイバケーブルがある。縦添えは、螺旋状に巻回されるのではなく、押え巻テープ104の両側部をスロット103の長手方向に沿ってほぼ直線状に重ね合わせて巻かれる構造である。
特許文献2に記載の縦添えの押え巻テープは、図17に示すように、その外周に押え用糸108を粗巻きした状態でシースにより覆われる構造となっている。また、特許文献3に記載の縦添えの押え巻テープは、押え巻用糸108を使用せずに、その重ね合わせた両側部を熱融着性樹脂等で接着する構造となっている。
特開2002−243999号公報 特開2000−98200号公報 特開2004−12914号公報
ところで、上記の従来構造の光ファイバケーブルは、解体の観点から以下のような問題がある。
光ファイバケーブルを解体する状況として、光伝送路の分岐、接続などの施工時にシースと押え巻を除去して光ファイバ心線を取り出す場合や、光伝送路からの撤去作業により回収した光ファイバケーブルをリサイクルするために構成材料を分別する場合などがある。
光伝送路の分岐作業などの施工時に光ファイバケーブルからシースを除去すると、その下には押え巻テープが現れる。螺旋状に巻回された幅広の押え巻テープを除去するためには、その一部を切断してそこから製造時とは逆向きに巻きを解いて外すしか方法はない。
また、特許文献2に記載の縦添えの押え巻テープ上に巻回された押え巻用糸を除去する場合には、その途中を何カ所か切断して引っ張ってスロットから外す方法もあるが、縦添えの押え巻テープにシワがあるとするとその部分が抵抗となって押さえ糸を引っ張ったときに過張力が加わって溝内の光ファイバ心線にダメージを与える可能性がある。
それを回避するには、結局、作製時と逆向きに押え巻用糸を解いて外すしか方法がなく、これらの作業は非常に負荷が大きくて時間がかかる。特に、敷設済みの光ファイバケーブルの途中から光ファイバを取り出す中間後分岐作業では、狭いスペースで解体等の作業を行わなければならず、さらに負荷は増す。
一方、解体分別作業の場合には、光ファイバ心線にダメージを与えても問題がないので、シースを除去する際にカッターなどの刃をスロットに深く入れて長手方向に切断することによりシースと押え巻の双方を同時に切断する方法が採用できる。
しかし、押え巻テープ上に巻回された押え糸を長手方向に切断すると、押さえ糸は多数の短い糸に分割されて、その一部は異種材料からなる筒状のシース内とスロットの溝内に残ってしまい、非常に分別しにくい状況となる。
一方、特許文献3に記載のように、縦添えの押え巻テープの両側部を全長にわたって熱融着性樹脂等により接着する構造を採用すれば、特許文献2のような押え巻用糸を設ける必要はなく、リサイクル時に押さえ糸の取り外し作業が不要となる。
熱融着等により両側部が接着された縦添えの押え巻テープを除去する場合には、巻回された押え巻テープのように巻回時とは逆向きに巻きを解くようなことはできないが、リサイクル用の解体作業ではシースとともにカッターで切断して取り出すことができる。
光伝送路の分岐作業などで光ファイバ心線の一部を取り出す際には、カッターの歯を深く入れすぎて光ファイバ心線を傷つけるおそれがある。しかし、光ファイバ心線の取り出しには縦添えの押え巻テープをカッターにより切断する以外に方法はなく、この場合、光ファイバ心線の保護の観点からカッターで浅く慎重にカッターの歯を入れて作業を行う必要があり、作業性が低下してしまう。
本発明の目的は、スロットに巻かれる縦添えの押え巻テープを容易に解体することができる光ファイバケーブルを提供することにある。
上記の課題を解決するための本発明の第1の態様は、溝を外周面に沿って有するスロットと、前記溝内に収納される光ファイバと、前記スロットを覆う縦添えの押え巻テープと、前記押え巻テープの上から前記スロット及び前記光ファイバを被覆するシースとを備え、前記押え巻テープのうちの縦添えの合わせ目の密着力が10N/20mm以上であって180°引き剥がし力が10N以下であることを特徴とする光ファイバケーブルである。
本発明の第2の態様は、前記第1の態様の光ファイバケーブルにおいて、前記縦添えの合わせ目は、前記スロットの長手に渡って20mm以下の間隔で設けられた複数の密着領域を有することを特徴とする。
本発明の第3の態様は、前記第1の態様の光ファイバケーブルにおいて、前記縦添えの合わせ目は、前記スロットの長手方向に沿って間隔をおいて点滴された接着剤により密着されていることを特徴とする。
本発明の第4の態様は、前記第1の態様の光ファイバケーブルにおいて、前記縦添えの合わせ目は、幅5mm以上の両面粘着テープを介在して密着していることを特徴とする。
本発明の第5の態様は、前記第1の態様の光ファイバケーブルにおいて、前記縦添えの合わせ目は、粘性樹脂により密着されていることを特徴とする。
本発明の第6の態様は、前記第1乃至第5の態様のいずれかの光ファイバケーブルにおいて、前記縦添えの合わせ目のうち上側層の縁部と下側層との間には密着材非介在領域が配置されていることを特徴とする。
本発明の第7の態様は、前記第1乃至第6の態様のいずれかの光ファイバケーブルにおいて、前記スロットと前記縦添えの押え巻テープの間には、間隔をおいて巻かれる下側の押え巻が前記スロットの外周に巻回されていることを特徴とする。
本発明の第1の態様に係る光ファイバケーブルによれば、光ファイバを収納する溝を有するスロット外部に縦添えで巻かれた押え巻テープと、押え巻テープの上からスロットを被覆するシースとを備え、さらに、縦添え押え巻テープのうちの縦添えの合わせ目の密着力を10N/20mm以上とし、180°引き剥がし力を10N以下としている。
押え巻テープのうち縦添えの合わせ目部分の密着力と引き剥がし力を上記の範囲にすると、その密着力はシースの形成時に剥がれ難くかつシース除去後には人が手で剥ぎ取れるので、特許文献2のように縦添えの押え巻テープの外周にテープや紐を巻回する必要はないし、しかもシースを除去した後に露出するのは縦添えの押え巻テープだけであって人の手で剥ぎ取れって光ファイバ心線を損傷させずに取り出すことができ、これにより、光伝送路の施工時やリサイクルの解体分別時に押え巻を除去する作業時間を大幅に削減することが可能になり、作業の効率化が図れる。
本発明の第2の態様によれば、押え巻テープの縦添えの合わせ目は、上記の条件に加えて、スロットの長手に渡って20mm以下の間隔で複数の密着領域を有しているので、縦添えの合わせ目内で間隔をおいて密着領域を形成する場合には、シースが施されるまでに縦添えの合わせ目が剥がれ難くすることができるし、シース除去後の押え巻テープの除去が容易になる。
本発明の第3の態様によれば、スロット上に縦添えで巻かれる押え巻テープにおいて、接着剤を連続させずにスロットの長手方向に沿って間隔をおいて点滴しているので、接着剤で縦添えの合わせ目を密着させた後に合わせ目から容易に剥離することができる。
本発明の第4の態様によれば、押え巻テープの縦添えの合わせ目は、幅5mm以上の両面粘着テープを介在して密着されているので、シース工程が終了するまでに合わせ目を剥がれ難くすることができる。
本発明の第5の態様によれば、押え巻テープの縦添えの合わせ目を粘性樹脂により密着する場合でも、上記の密着性を保持する限り、シース工程終了までの縦添え合わせ目の剥がれを防止でき、しかも、解体時に容易に剥がすことができる。
本発明の第6の態様によれば、押え巻テープの縦添えの合わせ目のうち上側層の縁の部分と下側層との間には密着材を部分的に介在させていないので、その部分から縦添えの合わせ目を広げて剥離し易くなる。
本発明の第7の態様によれば、押え巻テープとスロットの間に間隔をおいて下側の押え巻を巻回しているので、押え巻テープを縦添えでスロットの周囲に巻く場合にスロットの溝から光ファイバが飛び出すことが防止されるので、押え巻テープが巻きやすくなる。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る光ファイバケーブルにおいてシースを形成する前の状態を示す側面図、同図(b)は、シースを形成した後の状態を示す側面図、図2は、本発明の第1実施形態に係る光ファイバケーブルの断面図である。
図1(a)において、光ファイバ1を収納する溝2が交互に捻れて形成された外径9.0mmのSZ撚りスロット3の上には、PETを貼り合わせた不織布からなる幅40mm、厚さ0.2mmの押え巻テープ4が縦添えで巻かれている。なお、図1(a)における光ファイバ1は、光ファイバテープを示しているが、これに限られるものではない。
押え巻テープ4の両側部は互いにスロット3の上でその長手方向のほぼ直線上に沿って重ね合わせられていて、これにより合わせ目5が形成される。
押え巻テープ4のうち合わせ目5の上側層4aと下側層4bの間には密着領域6が設けられ、その密着力は、図1(b)、図2に示すように押え巻テープ4がシース7に覆われるまで上側層4aと下側層4bが開かない程度の大きさであって、密着後に人の手によって上側層4aと下側層4bを容易に開ける大きさとなっている。密着領域6は、合わせ目5の全体に確保される必要はなく、例えば、上側層4aの縁から内側にわずかに後退した非密着領域(密着材非介在領域)5aを設けてもよい。その非密着領域5aは、例えば工具であるドライバの先端や人の爪が容易に入るような領域とする。
図1(b)、図2に示すシース7は、スロット3を覆う押え巻テープ4の外周に、例えば、押出被覆成形法により成形される厚さ2.0mmのポリエチレンから構成されている。シース7の押し出し温度は例えば190℃である。
以上のような構成の光ファイバケーブルを構成する押え巻テープ4の合わせ目5内における密着領域6として種々のものが適用可能であり、以下にその実施例について説明する。
第1実施例
図3(a)、(b)は、光ファイバケーブルにおいて、押え巻テープ4の合わせ目5内の密着領域6に両面粘着テープ6Aを介在させる例を示す平面図及び断面図である。
両面粘着テープ6Aは、例えば不織布6aの両面にアクリル系粘着剤6bを塗布した構造を有している。そして、両面粘着テープ6Aの一面は押え巻テープ4の合わせ目5の下側層4bに貼り付けられていて、押え巻テープ4をスロット3の外周上に縦添えで巻く際に両面粘着テープ6Aの反対面が合わせ目5の上側層4aに貼り付けられる。
そのような合わせ目5における密着領域6の密着力を測定するために、図4(a)に示すように、両面テープ6Aの長さLを20mmとするとともに、その幅xを10mm、5mm、2mmとした試料A、B、Cを作製した。
そして、図4(b)に示すように、押え巻テープ4の下側層4bを固定するとともに上側層4aを水平方向に引っ張って上側層4aが下側層4bから剥がれる時の長さ方向の引っ張り力fを“合わせ目の密着力”と定義して測定した。
この結果、両面テープ6Aの幅xが10mmの試料Aの合わせ目5の密着力は20N/20mmであり、また、両面テープ6Aの幅xが5mmの試料Bの合わせ目5の密着力は10N/20mmであり、さらに、両面テープ6Aの幅xが2mmの試料Cの合わせ目5の密着力は4.0N/20mmであった。
また、同様の試料A、B、Cを用意し、図5(a)、(b)に示すように、押え巻テープ4のうち下側層4bを固定するとともに、両面テープ6Aから長手方向にはみ出した上側層4aを180°折り返して水平方向に引っ張って、上側層4aが下側層4bから剥がれる場合の引っ張り力fを“180°引き剥がし力”と定義して測定した。
この結果、両面テープ6Aの幅xが10mmである試料Aの上側層4aの180°引き剥がし力は5.0Nであり、また、両面テープ6Aの幅xが5mmである試料Bの上側層4aの180°引き剥がし力は2.5Nであり、さらに、両面テープ6Aの幅xが2mmの試料Cの上側層4aの180°引き剥がし力は1.0Nであった。
第2実施例
図6(a)、(b)は、光ファイバケーブルにおいて、押え巻テープ4の合わせ目5における密着領域6に粘性樹脂6Bを介在させる例を示す平面図及び断面図示である。
粘性樹脂6Bとして、例えばジェリーコンパウンドが合わせ目5の中に塗布されている。粘性樹脂6Bは、押え巻テープ4をスロット3の外周に縦添えで巻く際に、押え巻テープ4の合わせ目5の上側層4aと下側層4bの間に塗布され、乾燥される。その際、粘性樹脂6Bは最初に合わせ目5の下側層4bの上に塗布され、その後に、その上側層4aを重ねることにより上側層4aと下側層4bを密着する。
そのような粘性樹脂6Bが挟まれた合わせ目5での密着力を測定するために、図7(a)に示すように、粘性樹脂6Bの塗布領域を長さL=20mm、幅x=10mmとした試料Dを用意した。
そして、図7(b)に示すように、押え巻テープ4の下側層4bを固定するとともに上側層4aを水平方向に引っ張り、上側層4aが下側層4bから剥がれる時の長さ方向の引っ張り力fを“合わせ目の密着力”と定義する。この結果、粘性樹脂6Bにより密着された合わせ目5の密着力を測定したところ12N/20mmであった。
また、同様の試料Dを用意し、図8(a)、(b)に示すように、押え巻テープ4の合わせ目5のうち下側層4bを固定するとともに、粘性樹脂6Bから長手方向にはみ出した上側層4aを180°折り返して水平方向に引っ張る。そして、上側層4aが下側層4bから剥がれる場合の引っ張り力fを“180°引き剥がし力”として測定した。この結果、試料Dの180°引き剥がし力は2.0Nであった。
第3実施例
図9(a)、(b)は、光ファイバケーブルにおいて、押え巻テープ4の合わせ目5内の密着領域6に接着剤6Cを点滴又塗布する例を示す平面図及び断面図である。なお、図9(a)において、破線の丸は点滴される場合の接着剤6Cを示し、二点鎖線は連続して塗布される場合の接着剤6Cを示している。
押え巻テープ4の合わせ目5の下側層4bの上に接着剤6Cとして例えばエポキシ系樹脂を点滴又は塗布する。そして、押え巻テープ4をスロット3の外周に縦添えで巻くことにより、その接着剤6Cを介して押え巻テープ4の合わせ目5の上側層4aと下側層4bが密着される。
そのような合わせ目5における密着領域6の密着力を測定するために、図10(a)の実線の丸で示すように接着剤6Cの点滴の間隔sを50mm間隔、20mmとした試料E、Fと、図10(a)の二点鎖線で示すように長手方向に連続して幅2mmで塗布した試料Gを作製した。
そして、図10(b)に示すように、押え巻テープ4の下側層4bを固定するとともに上側層4aを水平方向に引っ張って上側層4aが下側層4bから剥がれる時の長さ方向の引っ張り力fを“合わせ目の密着力”と定義して測定した。
この結果、接着剤6Cを50mm間隔で点滴した試料Eの密着力は20N/20mmであり、また、接着剤6Cを20mm間隔で点滴した試料Fの密着力は50N/20mmであり、さらに、接着剤6Cを幅2mmで長手方向に連続して塗布した試料Gの密着力は100N/20mm以上であった。
また、同様の試料E、F、Gを用意し、図11(a)、(b)に示すように、押え巻テープ4のうち下側層4bを固定するとともに、接着剤6Cから長手方向にはみ出した上側層4aを180°折り返して水平方向に引っ張って、上側層4aが下側層4bから剥がれる場合の引っ張り力fを180°引き剥がし力として測定した。
この結果、接着剤6Cを50mm間隔で点滴した試料Eの180°引き剥がし力は10Nであり、また、接着剤6Cを20mm間隔で点滴した試料Fの180°引き剥がし力は10Nであり、さらに、接着剤6Cを長手方向に幅2mmで連続して塗布した試料Gの180°引き剥がし力は50Nであった。
上記の光ファイバケーブルの作製工程として、まず、溝2内に光ファイバ1を入れた状態で縦添えの押え巻テープ4をスロット3上に巻き、さらに上記の第1、第2及び第3実施例に示した粘着テープ、粘性樹脂又は接着剤を介して合わせ目5を密着させ、その上にシース7を形成した。
この工程において、シース7を形成するまでの押え巻テープ4の合わせ目5の剥がれを調べたところ、シース形成工程までに合わせ目5が殆ど剥がれていたり、一部が剥がれていたり、剥がれなかったりという状態となった。さらに、完成した光ファイバケーブルにおけるシース7をカッターにより剥がす作業をおこなった後に、人の手により合わせ目5を剥がす作業を行ったところ、剥がし難いものや、剥がし易いものがあった。それらの実験結果を表1に示す。
Figure 2007304347
表1において、好ましい順に◎、○、△を付け、好ましくない例については×をつけた。
表1によれば、押え巻テープ4の合わせ目5の密着力が10N/20mm以上であれば密着不足はなく、シース7の形成を終了するまでに合わせ目5が開き難い状態となった。ただし、第3実施例の試料Eのように点滴された接着剤6Cの間隔が広すぎると、剥がれることはないが、合わせ目5の上側層4aは波打ち形状となってシース7を施しにくくなるので好ましくない。
また、表1によれば、押え巻テープ4をスロット3に巻いて密着領域5を粘着テープ、粘性樹脂又は接着剤で密着させた後に人の手で剥離したところ、180°引き剥がし力が10N以下の密着状態であれば、合わせ目5が開き易くなり、光ファイバ心線1を損傷なく取り出せた。
なお、第3実施例の試料Gのように、合わせ目5内の長手方向に沿って接着剤を連続して形成した場合には、180°引き剥がし力が50Nとなって密着力が強すぎ、合わせ目5を開くことはできなかった。
それらの光ファイバケーブルにおいて、押え巻テープ4の合わせ目5を剥がした後は、その部分の押え巻テープ4をスロット3表面から起こしてハサミやペンチなどで切断すれば光ファイバ1が容易に取り出せる状態となる。
(第2の実施の形態)
図12は、本発明の第2実施形態に係る光ファイバケーブルを示す側面図である。図12において、図1、図2と同じ符号は同じ要素を示している。
図12において、外径9.0mmのSZ撚りスロット3の溝2内に光ファイバ1が収納された状態で、紐又は幅の狭いテープからなる光ファイバ用押え巻9が間隔をおいて螺旋状に巻回され、これにより光ファイバ1が溝2から外側に飛び出すことを防止している。
光ファイバ用押え巻9は、例えば破断強度40〜100Nのナイロン製の紐やPET製のテープが使用され、3本で等間隔でスロット3外周を螺旋状に巻回され、これにより光ファイバ1をスロット3側に押さえている。
また、下側の押え巻9及びスロット3の上には、第1実施形態と同じように不織布からなる押え巻テープ4が縦添えで巻かれている。また、押え巻テープ4の合わせ目5内には第1実施形態と同様に密着領域6が確保されている。また、密着領域6内には、第1実施形態と同様に、粘着テープ、粘性樹脂又は接着剤が介在され、これにより合わせ目5が密着されている。
その光ファイバケーブルにおいては、第1実施形態と同様に、縦添え押え巻テープ4のうちの縦添えの合わせ目5の密着力を10N/20mm以上とし、180°引き剥がし力を10N以下とする。
これにより、シース7を形成する前に押え巻テープ4が剥がれることはないし、シース7の除去により現れる押え巻テープ4の合わせ目5を開くことが容易になる。
なお、螺旋状に巻回された光ファイバ用押え巻9を解体することはある程度煩雑ではあるが、光ファイバ用押え巻9とスロット3の間に隙間が存在する程度に光ファイバ用押え巻9とスロット3の接触面積を少なくすれば、光ファイバ用押え巻9とスロット3との摩擦が少なくなって光ファイバ用押え巻9をスロット3の長手方向に沿って移動させて除去することが比較的容易となる。
光ファイバ用押え巻9を切断して除去する場合に、光ファイバ用押え巻9の隙間から光ファイバ1に傷が至らないように目視しながら刃物を使用できるので、光ファイバ1の損傷の可能性は減少する。目視しながら刃物の使用を実効あらしめるためには、スロット3上での光ファイバ用押え巻9の間隔を5mm以上とすることが好ましい。
(その他の実施の形態)
スロット3に設けられた溝2に収納される光ファイバ1は、図2に示すような光ファイバテープに限られものではなく、図13(a)に示すように光ファイバ単線1aを収納したり、又は図13(b)に示すように、複数束ねられた光ファイバ単線1bを収納したりする構造であってもよい。また、光ファイバテープ、光ファイバ単線等を収納するスロットとして、図14に示すように、光ファイバ収納用の溝2aが一方に捻れたS撚りスロット3aであってもよい。
また、縦添えの押え巻テープ4の材料は、PETを貼り合わせた不織布に限られるものではなく、一般的なプラスチック製であってもよい。
図1は、本発明の第1実施形態に係る光ファイバケーブルを示す側面図である。 図2は、本発明の第1実施形態に係る光ファイバケーブルの断面図である。 図3は、本発明の第1実施形態に係る光ファイバケーブルにおける縦添え押え巻テープの第1実施例を示す平面図とそのI−I線断面図である。 図4は、本発明の第1実施形態に係る光ファイバケーブルにおける縦添え押え巻テープの第1実施例の合わせ目密着力を測定する状態を示す平面図と側面図である。 図5は、本発明の第1実施形態に係る光ファイバケーブルにおける縦添え押え巻テープの第1実施例の180°引き剥がし力を測定する状態を示す平面図と側面図である。 図6は、本発明の第1実施形態に係る光ファイバケーブルにおける縦添え押え巻テープの第2実施例を示す平面図とそのII−II線断面図である。 図7は、本発明の第1実施形態に係る光ファイバケーブルにおける縦添え押え巻テープの第2実施例の合わせ目密着力を測定する状態を示す平面図と側面図である。 図8は、本発明の第1実施形態に係る光ファイバケーブルにおける縦添え押え巻テープの第2実施例の180°引き剥がし力を測定する状態を示す平面図と側面図である。 図9は、本発明の第1実施形態に係る光ファイバケーブルにおける縦添え押え巻テープの第3実施例を示す平面図とそのIII−III線断面図である。 図10は、本発明の第1実施形態に係る光ファイバケーブルにおける縦添え押え巻テープの第3実施例の合わせ目密着力を測定する状態を示す平面図と側面図である。 図11は、本発明の第1実施形態に係る光ファイバケーブルにおける縦添え押え巻テープの第3実施例の180°引き剥がし力を測定する状態を示す平面図と側面図である。 図12は、本発明の第2実施形態に係る光ファイバケーブルを示す側面図である。 図13は、本発明の実施形態に係る光ファイバケーブル内に収納される光ファイバの他の例を示す断面図である。 図14は、本発明の実施形態に係る光ファイバケーブルを構成するスロットの他の例を示す側面図である。 図15は、従来技術に係る光ファイバケーブルの第1例を示す断面図である。 図16は、従来技術に係る光ファイバケーブルの第2例を示す側面図である。 図17は、従来技術に係る光ファイバケーブルの第3例を示す側面図である。
符号の説明
1:光ファイバ
2:溝
3:スロット
4:押え巻テープ
5:合わせ目
6:密着領域
6A:両面粘着テープ
6B:粘性樹脂
6C:接着剤
7:シース
4a:上側層
4b:下側層

Claims (7)

  1. 溝を外周面に沿って有するスロットと、
    前記溝内に収納される光ファイバと、
    前記スロットを覆う縦添えの押え巻テープと、
    前記押え巻テープの上から前記スロット及び前記光ファイバを被覆するシースと
    を備え、
    前記押え巻テープのうちの縦添えの合わせ目の密着力が10N/20mm以上であって180°引き剥がし力が10N以下であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  2. 前記縦添えの合わせ目は、前記スロットの長手に渡って20mm以下の間隔で設けられた複数の密着領域を有することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバケーブル。
  3. 前記縦添えの合わせ目は、前記スロットの長手方向に沿って間隔をおいて点滴された接着剤により密着されていることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバケーブル。
  4. 前記縦添えの合わせ目は、幅5mm以上の両面粘着テープを介在して密着していることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバケーブル。
  5. 前記縦添えの合わせ目は、粘性樹脂により密着されていることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバケーブル。
  6. 前記縦添えの合わせ目のうち上側層の縁部と下側層との間には密着材非介在領域が配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の光ファイバケーブル。
  7. 前記スロットと前記縦添えの押え巻テープの間には、間隔をおいて巻かれる下側の押え巻が前記スロットの外周に巻回されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載の光ファイバケーブル。
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