JP2005099582A - トナー用樹脂粒子およびトナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 比較的低付着量でも十分な画像濃度を確保でき、かつ/または環境変動に対する帯電安定性に優れたトナーおよび該トナーを形成可能な樹脂粒子を提供すること。
【選択図】 なし
Description
本発明はまたミニエマルション重合法によって帯電制御剤粒子を含有させたトナー用樹脂粒子に関する。
本発明はまた着色剤粒子および帯電制御剤粒子を同時に含有する上記トナー用樹脂粒子に関する。
本発明はまた帯電制御剤粒子を平均分散粒径300nm以下で含有するトナーに関する。
本発明はまた着色剤粒子および帯電制御剤粒子を同時に含有する上記トナーに関する。
詳しくは、樹脂粒子中に着色剤粒子を均一に分散できるので、該樹脂粒子を凝集/融着させてなるトナー粒子中でも着色剤粒子は均一に分散できる。その結果、低含有量かつ低付着量でも十分な画像濃度を確保できる。また高含有量に分散した場合、さらに低付着量でも十分な画像濃度を確保できる。さらに表面に着色剤が露出し難いので、帯電性および耐久性が向上する。
また樹脂粒子中に帯電制御剤粒子を均一に分散できるので、該樹脂粒子を凝集/融着させてなるトナー粒子中でも帯電制御剤粒子は均一に分散でき、結果としてトナー粒子内部及び表面に均一かつ強固に帯電制御剤粒子が固定される。その結果、低含有量でも十分な帯電性が得られ、環境変動に対して安定なトナーが得られる。また高含有量に分散した場合、さらに帯電性は向上する。
「融着」は、凝集粒子における個々の構成粒子の界面の少なくとも一部において樹脂粒子等の溶融による結合が形成され、使用、取り扱い単位としての一つの粒子となることを意図する概念で用いるものとする。そのような「融着」がなされた粒子群を「融着粒子」と呼ぶものとする。
「凝集/融着」とは、凝集と融着とが同時あるいは段階的に起こること、または、凝集と融着とを同時あるいは段階的に起こさせる行為をいう。
本発明では重合性モノマーとして、スチレンおよびアクリル酸エステル(および/またはメタクリル酸エステル)が、酸モノマーとしてアクリル酸、メタクリル酸が好適に使用される。
カチオン系界面活性剤の具体例としては、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤の具体例としては、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウムなど)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムなど)などのイオン性界面活性剤を好適なものとして例示することができる。また、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールとのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレノキサイドとのエステル、ソルビタンエステルなどのノニオン性界面活性剤も使用することができる。
これらの界面活性剤は乳化重合時の乳化剤として使用されるが、他の工程または使用目的で使用してもよい。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド81:3、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド222、C.I.ピグメントレッド238等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
これらの有機顔料および染料は所望に応じて、単独または複数を選択併用することが可能である。
例えば、上記構成(1−1)〜(1−6)の樹脂粒子に含有させる場合では、全樹脂粒子に対する着色剤含有量が35重量%以下、特に3〜16重量%になるような量で使用されることが好ましい。
また例えば、上記構成(2−1)〜(2−6)の樹脂粒子に含有させる場合では、全樹脂粒子に対する着色剤含有量が31重量%以下、特に3〜14重量%になるような量で使用されることが好ましい。
また例えば、上記構成(3−1)〜(3−6)の樹脂粒子に含有させる場合では、全樹脂粒子に対する着色剤含有量が13重量%以下、特に3〜6重量%になるような量で使用されることが好ましい。
例えば、トナーの所望の色彩が可視光(380〜780nm)の範囲内でシアン色の場合には、画像の透過濃度チャートにおける最大ピークが580〜780nmになるように着色剤は選択される。
また例えば、トナーの所望の色彩がマゼンタ色の場合には、画像の透過濃度チャートにおける最大ピークが480〜580nmになるように着色剤は選択される。
また例えば、トナーの所望の色彩がイエロー色の場合には、画像の透過濃度チャートにおける最大ピークが380〜480nmになるように着色剤は選択される。
また例えば、トナーの所望の色彩がブラック色の場合には、画像の透過濃度チャートにおける最大ピークが380〜780nmになるように着色剤は選択される。
例えば、上記構成(1−1)〜(1−6)の樹脂粒子に含有させる場合では、全樹脂粒子に対する帯電制御剤含有量が35重量%以下、特に1〜9重量%になるような量で使用されることが好ましい。
また例えば、上記構成(2−1)〜(2−6)の樹脂粒子に含有させる場合では、全樹脂粒子に対する帯電制御剤含有量が31重量%以下、特に1〜8重量%になるような量で使用されることが好ましい。
また例えば、上記構成(3−1)〜(3−6)の樹脂粒子に含有させる場合では、全樹脂粒子に対する帯電制御剤含有量が13重量%以下、特に1〜3重量%になるような量で使用されることが好ましい。
一般式(1):R1−(OCO−R2)n
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜40の炭化水素基を示し、nは1〜4の整数である。)
例えば、上記構成(1−1)〜(1−6)の樹脂粒子に含有させる場合では、全樹脂粒子に対するワックス含有量が10〜35重量%になるような量で使用されることが好ましい。
また例えば、上記構成(2−1)〜(2−6)の樹脂粒子に含有させる場合では、全樹脂粒子に対するワックス含有量が10〜31重量%になるような量で使用されることが好ましい。
また例えば、上記構成(3−1)〜(3−6)の樹脂粒子に含有させる場合では、全樹脂粒子に対するワックス含有量が10〜20重量%になるような量で使用されることが好ましい。
(I)樹脂粒子(1−1)、(2−1)または(3−1)−樹脂粒子(1−7)、(2−7)または(3−7);
(II)樹脂粒子(1−1)、(2−1)または(3−1)−ワックス分散液;
(III)樹脂粒子(1−4)、(2−4)または(3−4)(単独);
(IV)樹脂粒子(1−6)、(2−6)または(3−6)(単独);
(V)樹脂粒子(1−2)、(2−2)または(3−2)−樹脂粒子(1−4)、(2−4)または(3−4);
(VI)樹脂粒子(1−3)、(2−3)または(3−3)−樹脂粒子(1−7)、(2−7)または(3−7);
(VII)樹脂粒子(1−3)、(2−3)または(3−3)−ワックス分散液;
(VIII)樹脂粒子(1−4)、(2−4)または(3−4)−帯電制御剤分散液;
(IX)樹脂粒子(1−4)、(2−4)または(3−4)−樹脂粒子(1−2)、(2−2)または(3−2);
(X)樹脂粒子(1−5)、(2−5)または(3−5)−着色剤分散液;
(XI)樹脂粒子(1−5)、(2−5)または(3−5)−樹脂粒子(1−1)、(2−1)または(3−1);
(XII)樹脂粒子(1−1)、(2−1)または(3−1)−樹脂粒子(1−7)、(2−7)または(3−7)−帯電制御剤分散液;
(XIII)樹脂粒子(1−1)、(2−1)または(3−1)−ワックス分散液−帯電制御剤分散液;
(XIV)樹脂粒子(1−1)、(2−1)または(3−1)−樹脂粒子(1−7)、(2−7)または(3−7)−樹脂粒子(1−2)、(2−2)または(3−2);
(XV)樹脂粒子(1−1)、(2−1)または(3−1)−ワックス分散液−樹脂粒子(1−2)、(2−2)または(3−2)。
また上記組み合わせのうち、帯電制御剤粒子をミニエマルション重合法によって含有させた樹脂粒子を使用した組み合わせを採用すると、トナー粒子中に帯電制御剤粒子が均一に分散されるので、低含有量でも十分な帯電安定性を確保できる。また、帯電制御剤の脱離を起こすことなく、帯電制御剤粒子を高含有量で有効に分散できるので、さらに帯電安定性を向上させることができる。
粒子の凝集速度や粒径制御については所望の粒径に到達するまで系内の粒子の凝集状態を顕微鏡や粒径測定器などでモニターしながら、反応温度や攪拌回転数を操作することで行う。そして所望の粒径に到達したときに、系の粒径成長を停止あるいは成長速度を遅くするために凝集力を低下させる操作を行う。
洗浄処理工程では、得られたトナー粒子の分散液からトナー粒子を濾別する濾過処理と、濾別されたトナー粒子(ケーキ状の集合物)から界面活性剤や凝集剤などの付着物を除去する洗浄処理とが施される。濾別されたトナー粒子を洗浄する手段は従来公知の洗浄方法が用いられ、例えば、濾別されたトナー粒子を攪拌装置を具備した容器中で純水でリスラリー化・攪拌するなどの方法や、減圧濾過や遠心分離濾過中に純水をかける等の方法が用いられる。また、このときにトナー粒子中に残存する界面活性剤や金属塩類を溶出/除去するために純水で洗浄する前に予め酸性またはアルカリ性の処理を施してもよい。
また本発明のトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤または二成分現像剤として使用可能である。本発明のトナーがキャリアと混合されて二成分現像剤として使用されるときの、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いることができる。
また帯電制御剤は必ずしも含有されなければならないというわけではないが、含有される場合でトナー粒子中、全トナー粒子に対して0.5重量%以上、特に1重量%以上含有されることが好ましい。
またワックスはトナー粒子中、全トナー粒子に対して7重量%以上、特に10重量%以上含有されることが好ましい。
<樹脂粒子の形成>
(ラテックス粒子1−1C)ミニエマルション重合
(単量体溶液1)
スチレン 123.81g
n−ブチルアクリレート 39.51g
メタクリル酸 12.29g
n−オクチルメルカプタン 0.72g
C.I.ピグメントブルー 15:3 30g
攪拌装置を取り付けたフラスコ内において、上記の単量体溶液1を仕込み、80℃に加熱し溶解・分散させて単量体溶液を調整した。
(分散媒1)
C10H21(OCH2CH2)2OSO3Na 0.60g
イオン交換水 1000.00g
次いで1.8Lマヨネーズ瓶内で分散媒1を80℃に加熱し、上記単量体溶液1を加え循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)により80℃で1時間混合分散させ分散液(ミニエマルション)を調製した。その後速やかに、攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコに上記分散液(ミニエマルション)を加え、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、フラスコ内の液温度82℃の混合液を調製した。
次いで、この混合液に、重合開始剤(過硫酸カリウム)6.12gをイオン交換水250mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を82℃にて1〜2時間にわたり加熱攪拌することにより重合を行い、その後これを28℃まで冷却し、ラテックス粒子(1−1C)(着色剤粒子が含有されている樹脂粒子の分散液)を得た。このラテックスを構成する樹脂粒子(1−1C)の重量平均分子量は5万、体積平均粒径は120nmであった。
C.I.ピグメントブルー 15:3の代わりにそれぞれC.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントイエロー74またはカーボンブラック(モーガルL)を使用したこと以外、ラテックス粒子1−1Cの製造方法と同様の方法でラテックス粒子1−1M、1−1Yおよび1−1Kを得た。
C.I.ピグメントブルー 15:3の代わりに下記一般式(I);
着色剤とともに上記一般式(I)で表される帯電制御剤15.0gを用いたこと以外、ラテックス粒子1−1C、1−1M、1−1Yまたは1−1Kの製造方法と同様の方法でそれぞれラテックス粒子1−3C、1−3M、1−3Yおよび1−3Kを得た。
着色剤とともにワックスWEP−5(日本油脂(株)社製)を94g用いたこと以外、ラテックス粒子1−1C、1−1M、1−1Yまたは1−1Kの製造方法と同様の方法でそれぞれラテックス粒子1−4C、1−4M、1−4Yおよび1−4Kを得た。
C.I.ピグメントブルー 15:3の代わりに上記一般式(I)で表される帯電制御剤を15.0gおよびワックスWEP−5を94g用いたこと以外、ラテックス粒子1−1Cの製造方法と同様の方法でラテックス粒子1−5を得た。
着色剤とともに上記一般式(I)で表される帯電制御剤を15.0gおよびワックスWEP−5を94g用いたこと以外、ラテックス粒子1−1C、1−1M、1−1Yまたは1−1Kの製造方法と同様の方法でそれぞれラテックス粒子1−6C、1−6M、1−6Yおよび1−6Kを得た。
(1)芯粒子の形成(第一段重合):
(分散媒1)
ドデシル硫酸ナトリウム 4.05g
イオン交換水 2500.00g
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコに、上記分散媒1を仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、フラスコ内の温度を80℃に昇温させた。
(単量体溶液1)
スチレン 568.00g
n−ブチルアクリレート 164.00g
メタクリル酸 68.00g
n−オクチルメルカプタン 16.51g
この活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム)9.62gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、上記の単量体溶液1を90分かけて滴下し、この系を80℃にて2時間にわたり加熱、攪拌することにより重合(第一段重合)を行い、ラテックスを調製した。これを「ラテックス(2H)」とする。ラテックス(2H)の体積平均粒径は68nmであった。
(単量体溶液2)
スチレン 123.81g
n−ブチルアクリレート 39.51g
メタクリル酸 12.29g
n−オクチルメルカプタン 0.72g
C.I.ピグメントブルー 15:3 30g
攪拌装置を取り付けたフラスコ内において、上記の単量体溶液2を仕込み、80℃に加熱し溶解・分散させて単量体溶液を調製した。
(分散媒2)
C10H21(OCH2CH2)2OSO3Na 0.60g
イオン交換水 1000.00g
次いで1.8Lマヨネーズ瓶内で分散媒2を80℃に加熱し、上記単量体溶液2を加え循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)により80℃で1時間混合分散させ分散液(ミニエマルション)を調製した。そして、攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコにラテックス(2H)140gとイオン交換水1700gからなる80℃の乳化液を加え、さらに上記分散液(ミニエマルション)を調製後速やかに加え、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、フラスコ内の液温度82℃の混合液を調製した。
次いで、この混合液に、重合開始剤(過硫酸カリウム)6.12gをイオン交換水250mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を82℃にて1〜2時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第二段重合)を行い、ラテックス(2H)粒子の表面が被膜された構造の複合樹脂粒子の分散液を得た。これを28℃まで冷却しラテックス(2H)からなる中心部と、第二段重合樹脂からなる機能層とを有し、前記機能層にC.I.ピグメントブルー 15:3が含有されている複合樹脂粒子(2−1C)の分散液を得た。このラテックス粒子(2−1C)の重量平均分子量は5万、体積平均粒径は180nmであった。
C.I.ピグメントブルー 15:3の代わりにそれぞれC.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントイエロー74またはカーボンブラック(モーガルL)を使用したこと以外、ラテックス粒子2−1Cの製造方法と同様の方法でラテックス粒子2−1M、2−1Yおよび2−1Kを得た。
C.I.ピグメントブルー 15:3の代わりに上記一般式(I)で表される帯電制御剤15.0gを用いたこと以外、ラテックス粒子2−1Cの製造方法と同様の方法でラテックス粒子2−2を得た。
着色剤とともに上記一般式(I)で表される帯電制御剤15.0gを用いたこと以外、ラテックス粒子2−1C、2−1M、2−1Yまたは2−1Kの製造方法と同様の方法でそれぞれラテックス粒子2−3C、2−3M、2−3Yおよび2−3Kを得た。
着色剤とともにワックスWEP−5を94g用いたこと以外、ラテックス粒子2−1C、2−1M、2−1Yまたは2−1Kの製造方法と同様の方法でそれぞれラテックス粒子2−4C、2−4M、2−4Yおよび2−4Kを得た。
C.I.ピグメントブルー 15:3の代わりに上記一般式(I)で表される帯電制御剤を15.0gおよびワックスWEP−5を94g用いたこと以外、ラテックス粒子2−1Cの製造方法と同様の方法でラテックス粒子2−5を得た。
着色剤とともに上記一般式(I)で表される帯電制御剤を15.0gおよびワックスWEP−5を94g用いたこと以外、ラテックス粒子2−1C、2−1M、2−1Yまたは2−1Kの製造方法と同様の方法でそれぞれラテックス粒子2−6C、2−6M、2−6Yおよび2−6Kを得た。
(1)芯粒子の形成(第一段重合):
(分散媒1)
ドデシル硫酸ナトリウム 4.05g
イオン交換水 2500.00g
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコに、上記分散媒1を仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、フラスコ内の温度を80℃に昇温させた。
(単量体溶液1)
スチレン 568.00g
n−ブチルアクリレート 164.00g
メタクリル酸 68.00g
n−オクチルメルカプタン 16.51g
この活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム)9.62gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、上記の単量体溶液を90分かけて滴下し、この系を80℃にて2時間にわたり加熱、攪拌することにより重合(第一段重合)を行い、ラテックスを調製した。これを「ラテックス(1H)」とする。ラテックス(1H)の体積平均粒径は68nmであった。
(単量体溶液2)
スチレン 123.81g
n−ブチルアクリレート 39.51g
メタクリル酸 12.29g
n−オクチルメルカプタン 0.72g
C.I.ピグメントブルー 15:3 30g
攪拌装置を取り付けたフラスコ内において、上記の単量体溶液2を仕込み、80℃に加熱し溶解・分散させて単量体溶液を調整した。
(分散媒2)
C10H21(OCH2CH2)2OSO3Na 0.60g
イオン交換水 1000.00g
次いで1.8Lマヨネーズ瓶内で分散媒2を80℃に加熱し、上記単量体溶液2を加え循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)により80℃で1時間混合分散させ分散液(ミニエマルション)を調製した。そして、攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコにラテックス(1H)140gとイオン交換水1700gからなる80℃の乳化液を加え、さらに上記分散液(ミニエマルション)を調製後速やかに加え、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、フラスコ内の液温度82℃の混合液を調製した。
次いで、この混合液に、重合開始剤(過硫酸カリウム)6.12gをイオン交換水250mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を82℃にて1〜2時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第二段重合)を行い、ラテックス(1H)粒子の表面が被膜された構造の複合樹脂粒子の分散液を得た。これを「ラテックス(1HM)」をする。尚、この1HMラテックスの重量平均分子量は5万であった。
(単量体溶液3)
スチレン 343.64g
n−ブチルアクリレート 59.40g
n−オクチルメルカプタン 5.97g
上記の様にして得られたラテックス(1HM)に、重合開始剤(KPS)8.3gをイオン交換水350mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、82℃の温度条件下に、上記単量体溶液3を一時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第三段重合)を行った後、28℃まで冷却し、ラテックス(1H)からなる中心部と、第二段重合樹脂からなる機能層と、第三段重合樹脂からなる外層とを有し、前記第二段重合樹脂層にC.I.ピグメントブルー15:3が含有されている複合樹脂の分散液を得た。このラテックス粒子3−1Cは、THF可溶分が18,000に主ピーク分子量を有するものであり、また、この樹脂粒子の体積平均粒径は230nmであった。
C.I.ピグメントブルー15:3の代わりにそれぞれC.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントイエロー74またはカーボンブラック(モーガルL)を使用したこと以外、ラテックス粒子3−1Cの製造方法と同様の方法でラテックス粒子3−1M、3−1Yおよび3−1Kを得た。
C.I.ピグメントブルー15:3の代わりに上記一般式(I)で表される帯電制御剤15.0gを用いたこと以外、ラテックス粒子3−1Cの製造方法と同様の方法でラテックス粒子3−2を得た。
着色剤とともに上記一般式(I)で表される帯電制御剤15.0gを用いたこと以外、ラテックス粒子3−1C、3−1M、3−1Yまたは3−1Kの製造方法と同様の方法でそれぞれラテックス粒子3−3C、3−3M、3−3Yおよび3−3Kを得た。
着色剤とともにワックスWEP−5を94g用いたこと以外、ラテックス粒子3−1C、3−1M、3−1Yまたは3−1Kの製造方法と同様の方法でそれぞれラテックス粒子3−4C、3−4M、3−4Yおよび3−4Kを得た。
C.I.ピグメントブルー15:3の代わりに上記一般式(I)で表される帯電制御剤を15.0gおよびワックスWEP−5を94g用いたこと以外、ラテックス粒子3−1Cの製造方法と同様の方法でラテックス粒子3−5を得た。
着色剤とともに上記一般式(I)で表される帯電制御剤を15.0gおよびワックスWEP−5を94g用いたこと以外、ラテックス粒子3−1C、3−1M、3−1Yまたは3−1Kの製造方法と同様の方法でそれぞれラテックス粒子3−6C、3−6M、3−6Yおよび3−6Kを得た。
C.I.ピグメントブルー15:3の代わりにワックスWEP−5を94g用いたこと以外、ラテックス粒子1−1C、2−1Cまたは3−1Cの製造方法と同様の方法でそれぞれラテックス粒子1−7、2−7および3−7を得た。
C.I.ピグメントブルー15:3を用いなかったこと以外、ラテックス粒子1−1C、2−1Cまたは3−1Cの製造方法と同様の方法でそれぞれラテックス粒子1−8、2−8および3−8を得た。
ワックスWEP−5を200部、イオン交換水784部、アニオン性界面活性剤(日本油脂社製:ニューレックスR)16部をオートクレーブ中で溶解後、ホモジナイザーで分散させてワックス分散液(平均粒径500nm)を得た。
(着色剤分散液C1)
顔料C.I.ピグメントブルー15:3 30部
ドデシル硫酸エステルNa塩 10部
イオン交換水 200部
上記材料をサンドグラインダーミルで分散させ、体積平均粒子径(D50)が170nmの着色剤分散液C1を得た。
顔料をC.I.ピグメントレッド122に変更した以外は、着色剤分散液C1の製造方法と同様の方法で着色剤分散液M1を得た。顔料微粒子の体積平均粒子径(D50)は180nmであった。
顔料をC.I.ピグメントイエロー74に変更した以外は、着色剤分散液C1の製造方法と同様の方法で着色剤分散液Y1を得た。顔料微粒子の体積平均粒子径(D50)は150nmであった。
顔料をカーボンブラック(モーガルL;キャボット社製)に変更した以外は、着色剤分散液C1の製造方法と同様の方法で着色剤分散液K1を得た。顔料微粒子の体積平均粒子径(D50)は160nmであった。
一般式(I)で表される帯電制御剤 15部
ドデシル硫酸エステルNa塩 37.5部
イオン交換水 750部
上記材料をサンドグラインダーミルで分散させ、体積平均粒子径(D50)が320nmの帯電制御剤分散液を得た。
以下に示す方法によってトナーを製造し、得られたトナーを透過濃度、帯電安定性について評価した。
<トナーの製造>
表4〜8に示すラテックス粒子および分散液の混合液と、イオン交換水900gとを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた反応容器(四つ口フラスコ)に入れ攪拌した。容器内の温度を30℃に調整した後、この溶液に2Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8〜10.0に調製した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物65.0gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に92℃まで昇温し、凝集粒子の生成を行った。その状態で、「コールターカウンター TA−II」にて会合粒子の粒径を測定し、個数平均粒径が4.5μmになった時点で、塩化ナトリウム80.4gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、更に熟成処理として液温度94℃にて加熱攪拌することにより、粒子の融着及び結晶性物質の相分離を継続させた(熟成工程)。その状態で、「FPIA−2000」にて融着粒子の形状を測定し、形状係数が0.960になった時点で30℃まで冷却し、攪拌を停止した。生成した融着粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄を行い、その後、40℃の温風で乾燥することにより、トナー粒子を得た。トナー粒子の個数平均粒径と形状係数を再度測定したところ、それぞれ4.5μm、0.962であった。
トナー粒子に対して疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)を1.0重量%となる割合で添加するとともに、疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)を1.2重量%となる割合でそれぞれ添加し、ヘンシェルミキサーにより混合することにより、シアントナー1を製造した。なお、このトナー粒子について、疎水性シリカおよび疎水性酸化チタンの添加によっては、その形状および粒径は変化しない。
(透過濃度(TD))
各実施例または比較例で得られたトナーおよびmagicolor2300DL(ミノルタキューエムエス社製)を用いてCF900用標準紙のCFペーパー(坪量80g/m2)上にトナー付着量が3.5g/m2のベタ画像を印字した。得られた画像の透過濃度を透過濃度計TD904(マクベス社製)を用いて測定し、最大ピークの透過濃度値を用いた。
トナーをL/L環境(10℃、15%RH)とH/H環境(30℃、85%RH)に24時間放置し、それぞれのトナーの帯電量の差を帯電量変動幅とした。例えば、L/L環境で放置されたトナーの帯電量が40μC/g、H/H環境で放置されたトナーの帯電量が15μC/gの場合、帯電量変動幅は25μC/gである。なお、トナーの帯電量は「吸引式ファラデーケージ」と呼ばれる方法で測定した。これは、現像ロール上のトナーを強力なエア吸引機を用いて、直接ファラデーケージ内に吸引捕集する方法である。
(トナー中の着色剤粒子および帯電制御剤粒子の分散粒径)
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、40,000倍で3ヶ所場所を変えてトナー粒子断面の写真を撮影し、画像をパソコンに取り込んで、画像処理で平均粒径を求めた。
粒径は、コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)で測定した。本発明においては、コールターマルチサイザーIIを用い、粒度分布を出力するインターフェース(ベックマンコールター社製)、パーソナルコンピューターを接続して使用した。前記コールターマルチサイザーIIにおけるアパーチャーとしては50μmのものを用いて、0.99μm以上(例えば、2〜40μm)のトナーの体積分布を測定して粒度分布および平均粒径を算出した。
(測定条件)(1)アパーチャー:50μm(2)サンプル調製法(トナー粒径の場合):電解液(ISOTON−II−pc(ベックマンコールター社製))50〜100mlに界面活性剤(中性洗剤)を適量加えて攪拌し、これに測定試料10〜20mgを加える。この系を超音波分散機にて1分間分散処理することにより調製する。(3)サンプル調製法(コア粒子の粒径の場合)は会合液そのものを、電解液(ISOTON−II−pc(ベックマンコールター社製))50〜100mlに適量加えて測定用試料として調製した。
分散液中の粒子の体積平均粒径は、動的光散乱法を用いたマイクロトラックUPA150(ハネウェル社製)で測定した。測定サンプルは、超音波分散機にて3分間分散処理した後に測定した。
樹脂粒子の重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を使用して測定されたスチレン換算の分子量である。
GPCによる樹脂の分子量の測定方法としては、測定試料0.5〜5.0mg(具体的には1mg)に対してTHFを1cc加え、室温にてマグネティックスターラなどを用いて撹拌を行い十分に溶解させる。
次いで、ポアサイズ0.45〜0.50μmのメンブランフィルタで処理した後にGPCへ注入する。GPCの測定条件としては、40℃にてカラムを安定させ、THFを毎分0.35ccの流速で流し、1mg/ccの濃度の試料を約10μl注入して測定する。カラムは市販のポリスチレンジェルカラムを組み合わせて使用することが好ましい。例えば、東ソー社製のTSKgel Super HZ1000、HZ2000、HZ2500、HZ3000、HZ4000、HZM-N、HZM-M、HZM-H、TSKguardcolumn SuperHZ-L、HZ-Hの組み合わせなどを挙げることができる。
また、検出器としては、屈折率検出器(RI検出器)またはUV検出器を用いることが好ましい。試料の分子量測定では、試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出する。検量線測定用のポリスチレンとしては10点程度用いるとよい。
示差走査熱量計(DSC−200:セイコー電子社製)を用い、測定する試料10mgを精密に秤量して、これをアルミニウムパンに入れ、リファレンスとしてアルミナをアルミニウムパンに入れたものを用い、昇温速度30℃/minで常温から200℃まで昇温させた後、これを冷却し、昇温速度10℃/minで20℃〜200℃の間で測定を行ない、メイン吸熱ピークの温度を軟化点とした。
Claims (11)
- ミニエマルション重合法によって着色剤粒子を含有させたトナー用樹脂粒子。
- ミニエマルション重合法によって帯電制御剤粒子を含有させたトナー用樹脂粒子。
- 芯材としての中心部および/または表面層としての外層を有する請求項1または2に記載のトナー用樹脂粒子。
- 着色剤粒子および帯電制御剤粒子を同時に含有する請求項1〜3のいずれかに記載のトナー用樹脂粒子。
- さらにワックスを含有する請求項1〜4のいずれかに記載のトナー用樹脂粒子。
- 着色剤粒子を平均分散粒径200nm以下で含有するトナー。
- シアン、マゼンタ、イエローまたはブラックの色彩を有する請求項6に記載のトナーであって、トナー付着量が3.5g/m2のときの透過濃度が、シアン、マゼンタまたはイエローのときで0.9以上であり、ブラックのときで1.2以上であるトナー。
- 帯電制御剤粒子を平均分散粒径300nm以下で含有するトナー。
- L/L環境(10℃、15%RH)およびH/H環境(30℃、85%RH)に放置したときの帯電量変動幅が35μC/g以下である請求項8に記載のトナー。
- 着色剤粒子および帯電制御剤粒子を同時に含有する請求項6〜9のいずれかに記載のトナー。
- さらにワックスを含有し、少なくとも樹脂粒子を凝集/融着させてなるトナー粒子を含んでなる請求項6〜10のいずれかに記載のトナーであって、ワックスがミニエマルション重合法によって樹脂粒子中に含有されるか、またはワックス粒子として樹脂粒子とともに凝集/融着されることを特徴とするトナー。
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