JP2006002109A - カプセル化粒子、その製造方法、静電荷像現像用トナー及びその製造方法 - Google Patents

カプセル化粒子、その製造方法、静電荷像現像用トナー及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 定着性、耐熱保存性、耐ストレス性、帯電量、帯電環境安定性(耐環境安定性)及び生産性に優れたカプセル化粒子及びその製造方法で得られた樹脂微粒子を用いた静電荷像現像用トナー及びその製造方法の提供。
【解決手段】 水系媒体中に微分散しているポリエステル樹脂微粒子で表面を被覆したカプセル化粒子であって、該カプセル化粒子が該ポリエステル樹脂微粒子の組成の多価カルボン酸類の内、フタル酸類を80mol%以上含有し、該ポリエステル樹脂微粒子の平均粒径が1μm以下であり、かつ、カプセル化粒子を含有するカプセル層の膜厚が、該ポリエステル樹脂微粒子を有するコア粒子の平均粒径の0.5〜7.5%であることを特徴とするカプセル化粒子。
【選択図】 なし

Description

本発明はカプセル化粒子、その製造方法、静電荷像現像用トナー(以下、単にトナーともいう)及びその製造方法に関する。また、カプセル粒子は塗料、接着剤、インク記録材料等の技術分野でも用いられる。
従来トナー用バインダー樹脂として汎用されていたスチレンーアクリル酸共重合体では、定着温度を下げるには、樹脂を低分子量化して軟化点を低下させる必要があったが、それにより高温でのオフセット現象が生じやすくなる。さらに樹脂のガラス転移温度が低くなるため、保存中にトナーが凝集する現象が起こり、保存性が低下する。
これに対し近年、低温定着性に優れたポリエステル樹脂が提案されている。
また一方、トナーの製造法としては粉砕法が主流であったが、粉砕法は粒径が揃えにくい、トナー粒子の平均粒径が小さくなるほど製造コストがかかるというのが一般的であり、それに対し重合法によるトナー製造では、製造コストが粒径に依存しないため、小粒径化の流れとともに重合法が浸透しつつある。重合法によるトナー製造では、懸濁重合法と乳化重合法が代表的であり、中でも後者は形状制御が容易であることから、電子写真方式を利用した複写機、プリンタで一般的に用いられるブレードクリーニングに有利であり、プロセス適合性が高い。
乳化重合法によるトナー製造においても、スチレンーアクリル酸共重合体の使用が一般的であるが、上述のように低温定着性等の問題を抱えているため、ポリエステル樹脂が提案されている。しかし、ポリエステル樹脂単独での使用は製造コストがかかりすぎるため、スチレンーアクリル酸共重合体とポリエステル樹脂の併用、シェル層にポリエステル樹脂を利用する試みがなされているが、スチレン−アクリル酸共重合体粒子とポリエステル粒子では粒子の表面性が大きく異なり、相溶性が悪いことから、未だトナーの特性及びトナーの製造方法に問題があった。(例えば、特許文献1、2を参照)
特開平6−917925号公報 特開平11−327201号公報
定着性、耐熱保存性、耐ストレス性、帯電量、帯電環境安定性(耐環境安定性)及び生産性に優れたカプセル化粒子及びその製造方法で得られた樹脂微粒子を用いた静電荷像現像用トナー(以下、単にトナーともいう)及びその製造方法を提供することにある。
本発明の上記目的は以下の構成により達成される。
(請求項1)
水系媒体中に微分散しているポリエステル樹脂微粒子で表面を被覆したカプセル化粒子であって、該カプセル化粒子が該ポリエステル樹脂微粒子の組成の多価カルボン酸類の内、フタル酸類を80mol%以上含有し、該ポリエステル樹脂微粒子の平均粒径が1μm以下であり、かつ、カプセル化粒子を含有するカプセル層の膜厚が、該ポリエステル樹脂微粒子を有するコア粒子の平均粒径の0.5〜7.5%であることを特徴とするカプセル化粒子。
(請求項2)
請求項1に記載のカプセル化粒子をポリエステル樹脂微粒子によりカプセル化する際、エチレン性不飽和結合を有する単量体及び水溶性重合開始剤を用いたin−situ重合法により行われることを特徴とするカプセル化粒子の製造方法。
(請求項3)
ポリエステル樹脂微粒子によるカプセル化が界面重合法により行なわれることを特徴とする請求項2に記載のカプセル化粒子の製造方法。
(請求項4)
ポリエステル樹脂微粒子によるカプセル化がコアセルベーション法により行なわれることを特徴とする請求項2に記載のカプセル化粒子の製造方法。
(請求項5)
ポリエステル樹脂微粒子と着色剤粒子を含む水性分散液に、凝集剤を添加して該ポリエステル樹脂粒子と着色剤粒子を凝集させた後、熱融着させて得られる静電荷像現像用トナーにおいて、樹脂粒子として請求項1に記載のカプセル化粒子を用いることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
(請求項6)
ポリエステル樹脂微粒子と着色剤粒子を含む水性分散液に、凝集剤を添加して該ポリエステル樹脂粒子と着色剤粒子を凝集させた後、熱融着させて製造する静電荷像現像用トナーの製造方法において、樹脂粒子として請求項1に記載のカプセル化粒子を用いて製造することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
(請求項7)
ポリエステル樹脂微粒子と着色剤粒子を含む水性分散液に、凝集剤を添加して該樹脂粒子と着色剤粒子を凝集させて母粒子を形成した後、該樹脂粒子をこれに添加して母粒子に凝集させ外層を形成し、その後熱融着させて得られる静電荷像現像用トナーにおいて、母粒子および外層から選ばれるすくなくとも一つを形成するための樹脂粒子として、請求項1に記載のカプセル化粒子を用いることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
(請求項8)
ポリエステル樹脂微粒子と着色剤粒子を含む水性分散液に、凝集剤を添加して該樹脂粒子と着色剤粒子を凝集させて母粒子を形成した後、該樹脂粒子をこれに添加して母粒子に凝集させ外層を形成し、その後熱融着させて製造する静電荷像現像用トナーの製造方法において、母粒子および外層から選ばれるすくなくとも一つを形成するための樹脂粒子として、請求項1に記載のカプセル化粒子を用いて製造することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
本発明によるカプセル化粒子及びその製造方法で得られた樹脂微粒子を用いた静電荷像現像用トナー(以下、単にトナーともいう)及びその製造方法は、定着性、耐熱保存性、耐ストレス性、帯電量、帯電環境安定性(耐環境安定性)及び生産性に優れた効果を有する。
以下、本発明を詳細に述べる。
(ポリエステル樹脂)
本発明のポリエステル樹脂は多価カルボン酸類と多価アルコール類との縮合により得られる。ポリエステル樹脂に用いられる多価カルボン酸類と多価アルコール類としては次のようなものが挙げられる。
(1)多価カルボン酸類
ジカルボン酸として、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸等の芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸などの芳香族オキシカルボン酸、フェニレンジアクリル酸等の芳香族不飽和多価カルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸等の不飽和多価カルボン酸があげられる。三価以上の多価カルボン酸としてはトリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸があげられる。
本発明においてはこれらのうち多価カルボン酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸等のフタル酸類を80mol%以上含む多価カルボン酸類を用いることが必須である。
(2)多価アルコール類
多価アルコール類としては脂肪族多価アルコール類、脂環族多価アルコール類、芳香族多価アルコール類等があげられる。
脂肪族多価アルコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジメチロールへプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の脂肪族ジオール類、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等のトリオールおよびテトラオール類等があげられる。
脂環族多価アルコール類としては1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物、トリシクロデカンジオール、トリシクロデカンジメタノール等があげられる。芳香族多価アルコール類としてはパラキシレングリコール、メタキシレングリコール、オルトキシレングリコール、1,4−フェニレングリコール、1,4−フェニレングリコールのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物等があげられる。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法は、特に限定されることなく、上記の単量体を用いてエステル化、エステル交換反応により製造することができる。
(ポリエステル樹脂微粒子の製造方法)
上記のようにして得られたポリエステル樹脂を用いるポリエステル樹脂微粒子の製造方法は特に限定されず、公知の分散手法を用いて得ることができる。すなわちポリエステル樹脂を有機溶剤に溶解させた溶液に水を添加し界面活性剤の存在下にホモジナイザーのような高速な攪拌機により機械的に乳化した後、脱溶剤する等の方法を用いることができる。あるいはジェットミル、フリーザーミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等により直接粉砕微分散する方法を用いることもできる。
(ポリエステル樹脂微粒子のカプセル化)
上記のようにして得られたポリエステル樹脂微粒子をカプセル化する方法としては、本発明においては好ましくはin−situ重合法、界面重合法、コアセルベーション法などの方法が挙げられる。
(1)in−situ重合法
In−situ重合法によるカプセル化の方法は、コア粒子が分散している水系分散媒体中に、シェルを形成するための重合性単量体と重合開始剤を添加し、重合することでカプセル化粒子を得ることができる。
具体的な方法としてはコア粒子を得るために行った重合反応の反応系にシェル用重合性単量体を添加して継続的に重合する方法、または別の反応系で得たコア粒子を仕込み、これにシェル用重合性単量体を添加して段階的に重合する方法などを挙げることができる。シェル用重合性単量体を添加する際に、水溶性の重合開始剤を添加することが好ましい。
シェル用重合性単量体の添加の際に水溶性重合開始剤を添加するとコア粒子表面にシェルを形成しやすくなる。水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、2,2′−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、2,2′−アゾビス−(2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)プロピオンアミド)等のアゾ系開始剤などを挙げることができる。
(2)界面重合法
界面重合法によるカプセル化の方法は、疎水性モノマーと親水性モノマーが組み合わさりエマルション液滴界面での化学反応を利用して成膜するものであり、ポリエステル樹脂と油溶性のモノマーからなる油相と、水溶性モノマーと乳化分散剤からなる水相とを混合・分散し、得られた乳化分散液を加熱することによりマイクロカプセル粒子が得られる。油溶性のモノマーとしてはp−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネートなどのイソシアネート類、あるいは二塩基性酸としてテレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、マレイン酸、琥珀酸、セバシン酸、チオグリコール酸、ジグリコール酸等の酸塩化物が挙げられる。水溶性モノマーとしてはエチレンジアミン、ジアミノエチルエーテル、1,4−ジアミノベンゼン、1,4−ジアミノブタン等のアミン類、あるいはエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類を挙げることができる。
(3)コアセルベーション法
ゼラチンは水溶液の等電点(pH4.8)を境にして低いpHでは正、高いpHでは負に帯電する。
この性質を利用して、コア粒子水分散液にゼラチン水溶液を添加、さらにアラビアゴム水溶液を添加混合し、pHをゼラチンの等電点よりわずかに低い4.0〜4.3にしたとき、ゼラチンは正に、アラビアゴムは負に帯電し、電荷の中和によりコアセルベートが生成する機構で進む。コアセルベート滴が形成されたとき温度を5℃以下に下げてゼラチンの皮膜を硬化させ、pHを9付近に調整しホルマリンを加えゼラチンのアミノ基との架橋反応によりカプセル化粒子が得られる。
トナーおよびトナーの製造方法
(重合性単量体)
本発明に用いられる樹脂(バインダー)を造るための重合性単量体としては、疎水性単量体を必須の構成成分とし、必要に応じて架橋性単量体が用いられる。また、下記の様に構造中に酸性極性基を有する単量体又は塩基性極性基を有する単量体を少なくとも1種類含有するのが望ましい。
(1)疎水性単量体
単量体成分を構成する疎水性単量体としては、特に限定されるものではなく従来公知の単量体を用いることができる。また、要求される特性を満たすように、1種または2種以上のものを組み合わせて用いることができる。
具体的には、モノビニル芳香族系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、モノオレフィン系単量体等を用いることができる。
ビニル芳香族系単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレン等のスチレン系単量体およびその誘導体が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチルアミノエチル等が挙げられる。
ビニルエステル系単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等が挙げられ、ビニルエーテル系単量体としては、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル等が挙げられる。
又、モノオレフィン系単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
(2)架橋性単量体
樹脂粒子の特性を改良するために架橋性単量体を添加しても良い。架橋性単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、ジエチレングリコールメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリル等の不飽和結合を2個以上有するものが挙げられる。
トナー被覆用の重合性単量体も上記と同様の単量体が使用可能である。
(重合開始剤)
本発明に好ましく用いられるラジカル重合開始剤は、水溶性であれば適宜使用が可能である。例えば、過硫酸塩(例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等)、アゾ系化合物(例えば、4,4′−アゾビス4−シアノ吉草酸及びその塩、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩等)、パーオキシド化合物等が挙げられる。更に、上記ラジカル重合開始剤は、必要に応じて還元剤と組み合せレドックス系開始剤とすることがより好ましい。
(連鎖移動剤)
本発明においては、上記の重合性単量体とともに重合時の重合体の分子量分布を制御するため連鎖移動剤が添加される。
使用される連鎖移動剤として、アルキルメルカプタン、メルカプトプロピオン酸エステル、メルカプトグリコール酸エステル、ジスルフィド化合物等を用いる。
特に、メルカプト基を有する化合物は、加熱定着時の臭気を抑制し、分子量分布がシャープであるトナーが得られ、保存性、定着強度、耐オフセット性に優れることから好ましく用いられる。
より具体的には、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ステアリルメルカプタン、n−へキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプトプロピオン酸エステル、2−エチルへキシルメルカプトプロピオン酸エステル、チオグリコール酸エチル、チオグリコール酸プロピル、チオグリコール酸プロピル、チオグリコール酸ブチル、チオグリコール酸t−ブチル、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸デシル、チオグリコール酸ドデシル、エチレングリコールのメルカプト基を有する化合物、ネオペンチルグリコールのメルカプト基を有する化合物、ペンタエリストールのメルカプト基を有する化合物、スチレンダイマー等を挙げることができる。
(界面活性剤)
前述の重合性単量体を使用して、特にミニエマルジョン重合を行うためには、界面活性剤を使用して水系媒体中に油滴分散を行うことが好ましい。この際に使用することのできる界面活性剤としては、特に限定されるものでは無いが、下記のイオン性界面活性剤を好適な化合物の例として挙げることができる。イオン性界面活性剤としては、例えば、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム等)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム等)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等)が挙げられる。
また、ノニオン性界面活性剤も使用することができる。具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等をあげることができるが、必要に応じて前述したイオン性界面活性剤と併用して重合を行っても良い。
本発明において、これらは、主に乳化重合時の乳化剤として使用されるが、他の工程または使用目的、例えば会合粒子の分散剤等の目的で使用してもかまわない。
(凝集剤)
本発明では、水系媒体中で調製した樹脂粒子の分散液から、樹脂粒子を塩析、凝集、融着する工程において、金属塩を凝集剤として好ましく用いることができ、2価または3価の金属塩を凝集剤として用いることが更に好ましい。1価では凝集力が小さいため粒子を集めきれず、集めたとしてもトナー粒度分布がかなり広がる。これら金属塩の具体的な例を以下に示す。
1価の金属塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、2価の金属塩としては、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン等が挙げられ、3価の金属塩としては、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化鉄等が挙げられる。
これらの凝集剤は臨界凝集濃度以上添加することが好ましい。
この臨界凝集濃度とは、水性分散液中の分散物の安定性に関する指標であり、凝集剤を添加し、凝集が起こるときの凝集剤の添加濃度を示すものである。この臨界凝集濃度は、ラテックス自身及び分散剤により大きく変化する。
例えば、岡村誠三他著、高分子化学17,601(1960)等に記述されており、これらの記載に従えば、その値を知ることが出来る。又、別の方法として、目的とする粒子分散液に所望の塩を濃度を変えて添加し、その分散液のζ電位を測定し、ζ電位が変化し出す点の塩濃度を臨界凝集濃度とすることも可能である。
(着色剤)
本発明のトナーは、上記の複合樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析/融着して得られるものである。
本発明のトナーを構成する着色剤(複合樹脂粒子との塩析/融着に供される着色剤粒子)としては、各種の無機顔料、有機顔料、染料を挙げることができる。
無機顔料としては、従来公知のものを用いることができる。
具体的な無機顔料を以下に例示する。黒色の顔料としては、
例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。有機顔料及び染料も従来公知のものを用いることができ、具体的な有機顔料及び染料を以下に例示する。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー156等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
また、染料としては、例えば、C.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等を用いることができ、またこれらの混合物も用いることができる。
(結晶性物質)
本発明のトナーを構成するトナー粒子中には、離型剤が含有されている。ワックスをトナーに含有させる方法としては、ワックスの乳化分散液を凝集工程で樹脂粒子と一緒に集める方法やワックス乳化液に樹脂をシード重合させたものを用いる方法、あるいはモノマー中にワックスを溶解させて水系中に乳化分散させてミニエマルジョン重合させたものを用いるなどの方法を例示することができる。更にワックスはトナー化の工程でコア部に含有させてもよく、シェル部に含有させてもよい。ワックス分散体を製造する方法は、例えば1995年3月高分子学会発行の反応工学研究会レポート−1『乳化・分散技術と高分子微粒子の粒子径制御、第三章』に記載のように、乳化・分散機器等を用いた従来公知のいずれかの方法を用いることができる。
また、このワックス分散体あるいは樹脂で被覆されたワックス分散体は1μm以下の分散粒径を有することが好ましく、より好ましくは100〜500nmの範囲である。
ここに、離型剤としては、種々の公知のもので、かつ水中に分散することができるものを例示することができる。具体的には、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系ワックス、これらオレフィン系ワックスの変性物、カルナウバワックスやライスワックス等の天然ワックス、脂肪酸ビスアミドなどのアミド系ワックスなどを挙げることができる。
本発明のトナーを構成する好適な離型剤として、下記一般式(1)で示される結晶性のエステル化合物(以下、「特定のエステル化合物」という。)からなるものを挙げることができる。
一般式(1):R1−(OCO−R2n
(式中、R1およびR2は、それぞれ、置換基を有していてもよい炭素数が1〜40の炭化水素基を示し、nは1〜4の整数である。)
特定のエステル化合物を示す一般式(1)において、R1およびR2は、それぞれ、置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。
炭化水素基R1の炭素数は1〜40とされ、好ましくは1〜20、更に好ましくは2〜5とされる。炭化水素基R2の炭素数は1〜40とされ、好ましくは16〜30、更に好ましくは18〜26とされる。
また、一般式(1)において、nは1〜4の整数とされ、好ましくは2〜4、さらに好ましくは3〜4、特に好ましくは4とされる。特定のエステル化合物は、アルコールとカルボン酸との脱水縮合反応により好適に合成することができる。
上記一般式(1)で表されるエステル化合物の具体例としては、例えば、下記に示す化合物が挙げられる。
Figure 2006002109
Figure 2006002109
これらのワックスの中で定着性を改善するためにより好ましいのは、融点が100℃以下のワックスであり、更に好ましいワックスの融点は40〜100℃の範囲、特に好ましいのは60〜90℃の範囲である。融点が100℃を越えると定着温度低減の効果が乏しくなる。本発明で用いるワックス微粒子あるいは樹脂で被覆された複合粒子は、上記ワックスを前述のカチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤の中から選ばれる少なくとも一種の乳化剤の存在下で乳化して得られる。これらの界面活性剤は二種以上を併用してもよい。この中で特にアニオン系界面活性剤を主として用いることが好ましい。
(帯電制御剤)
帯電制御剤としては、従来から静電荷像現像用トナーの分野で帯電性を制御するために添加されている公知の帯電制御剤が使用可能である。例えば、フッ素系界面活性剤、サリチル酸金属錯体、アゾ系金属化合物のような含金属染料、マレイン酸を単量体成分として含む共重合体の如き高分子酸、第4級アンモニウム塩、ニグロシン等のアジン系染料、カーボンブラック等を使用することができる。
(外添剤)
外添剤としては、静電荷像現像用トナーの分野で流動性調整剤として使用されている公知の無機微粒子が使用可能であり、例えば、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化バナジウム、炭化タンタル、炭化ニオブ、炭化タングステン、炭化クロム、炭化モリブテン、炭化カルシウム、ダイヤモンドカーボンラクタム等の各種炭化物、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム等の各種窒化物、ホウ化ジルコニウム等の各種ホウ化物、酸化チタン(チタニア)、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化銅、酸化アルミニウム、シリカ、コロイダルシリカ等の各種酸化物、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム等の各種チタン酸化合物、二硫化モリブデン等の硫化物、フッ化マグネシウム、フッ化炭素等の各種フッ化物、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の各種金属石鹸、滑石、ベントナイト等の各種非磁性無機微粒子を単独あるいは組み合わせて用いることができる。
無機微粒子、特にシリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛等は、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、シリコーンオイル、シリコーンワニス等の従来から使用されている疎水化処理剤、さらにはフッ素系シランカップリング剤、またはフッ素系シリコーンオイル、さらにアミノ基や第4級アンモニウム塩基を有するカップリング剤、変性シリコーンオイル等の処理剤を用いて公知の方法で表面処理されていることが好ましい。外添剤を入れることにより流動性を上げることが可能だが、外添剤を表面処理することによりさらにその効果が増す。
有機微粒子としては、クリーニング助剤等の目的で乳化重合法、ソープフリー乳化重合法、非水分散重合法等の湿式重合法、気相法等により造粒した、スチレン系、(メタ)アクリル系、ベンゾグアナミン、メラミン、テフロン(登録商標)、シリコン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の微粒子を用いることができる。
本発明のトナー製造方法の一例としては、前記重合性単量体を用いて樹脂微粒子の分散液を調製するための重合工程、水系媒体中で樹脂微粒子分散液、着色剤微粒子分散液等を混合し、各微粒子を融着させてトナー粒子(会合粒子)を得る会合・融着工程、トナー粒子の分散液から当該トナー粒子を濾別し、当該トナー粒子から界面活性剤などを除去する濾過・洗浄工程、洗浄処理されたトナー粒子を乾燥する乾燥工程から構成される。以下に、各工程の概要について説明する。
(重合工程)
水系媒体(界面活性剤および重合開始剤の水溶液)中に、重合性単量体溶液の液滴を形成させ、前記重合開始剤からのラジカルにより当該液滴中において乳化重合反応を進行させる。なお、前記液滴中に油溶性重合開始剤が含有されていてもよい。重合温度は、重合開始剤の最低ラジカル生成温度以上であればどの温度を選択しても良いが例えば50℃から90℃の範囲が用いられる。但し、常温開始の重合開始剤例えば過酸化水素−還元剤(アスコルビン酸等)の組み合わせを用いる事で室温またはそれ以上の温度で重合する事も可能である。
(会合・融着工程)
前記重合工程により得られた樹脂微粒子分散液に、着色剤微粒子分散液等を水系媒体中にて混合し、各微粒子を塩析により会合させ、さらに加熱することにより融着させる。当該工程においては、樹脂微粒子や着色剤微粒子とともに、ワックス微粒子や荷電制御剤などの内添剤微粒子なども同時に融着させてもよい。着色剤微粒子は、着色剤を水系媒体中に分散することにより調製することができる。着色剤の分散処理は、水中で界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態で行われる。着色剤の分散処理に使用する分散機は特に限定されないが、好ましくは超音波分散機、機械的ホモジナイザーや圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、ダブルシリンダーパールミル、ボールミル、サンドミル、ダイノミル等のメディアを有する分散機が挙げられる。また、使用される界面活性剤としては、前述の界面活性剤と同様のものを挙げることができる。
また、本発明においては会合時における顔料粒子と樹脂粒子との親和性を向上させるため、樹脂粒子分散液を顔料分散段階に添加しておき、微細化を実施させてもよい。
また、顔料の濡れ性を向上させるためにアルコール等を添加してもよい。
アルコールの種類は特に限定されないが、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等が挙げられる。塩析剤を添加する際の前記分散液混合液の温度範囲としては、樹脂のガラス転移温度以下であればよいが、一般的には5〜55℃、好ましくは10〜45℃である。
(濾過・洗浄工程)
上記の工程で得られたトナー粒子の分散液から当該トナー粒子を濾別する濾過処理と、濾別されたトナー粒子から共存する界面活性剤や塩析剤などを除去する洗浄処理とを行うものである。ここで、濾過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用して行う濾過法などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(乾燥工程)
洗浄処理されたトナー粒子を乾燥処理する工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、攪拌式乾燥機などが好ましく使用される。乾燥処理されたトナー粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。なお、乾燥処理されたトナー粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
本発明のトナーは負帯電性トナーであることが好ましく、キャリアと混合した2成分現像剤、またはキャリアを用いない1成分現像剤のいずれの現像剤として使用されてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものでは無い。
(ポリエステル樹脂の重合例1)
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を備えたオートクレーブ中に、
テレフタル酸 180g
ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物2モル付加物 200g
テトラブトキシチタネート 0.1g
を仕込み220℃で8時間加熱してエステル化反応を行った。次いで、系の圧力を徐々に減じて30分後に1.33×103Paとし、5時間反応を行い、ポリエステル樹脂(1)を得た。ポリエステル樹脂1の重量平均分子量は6200、ガラス転移温度は62℃であった。
(ポリエステル樹脂の重合例2)
以下の組成で重合を行ったこと以外は重合例1と同様にしてポリエステル樹脂(2)を得た。
テレフタル酸 90g
イソフタル酸 90g
ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物2モル付加物 140g
ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物2モル付加物 60g
テトラブトキシチタネート 0.1g
ポリエステル樹脂(2)の重量平均分子量は9400、ガラス転移温度は61℃であった。
(ポリエステル樹脂の重合例3)
以下の組成で重合を行ったこと以外は重合例1と同様にしてポリエステル樹脂(3)を得た。
テレフタル酸 90g
イソフタル酸 90g
エチレングリコール 120g
1,4−シクロヘキサンジメタノール 80g
テトラブトキシチタネート 0.1g
ポリエステル樹脂(3)の重量平均分子量は12400、ガラス転移温度は55℃であった。
(ポリエステル微粒子水分散液の製造例1)
ビーカーにポリエステル樹脂(1)160g、酢酸エチル640gを入れ攪拌させることによって、ポリエステル樹脂(1)を酢酸エチルに溶解させた。
一方、アニオン性界面活性剤ドデシル硫酸ナトリウム9.6gをイオン交換水3200gに溶解させた界面活性剤水溶液を作製しておく。この界面活性剤水溶液に、ポリエステル樹脂(1)/酢酸エチル溶液を添加し、TK式ホモミキサーで10000rpmで攪拌し、乳化させた。その後50℃に加熱し、酢酸エチルを蒸発させることにより、ポリエステル微粒子水分散液(1)を得た。このポリエステル微粒子の平均粒径は110nm、ゼータ電位は−214mVであった。
(ポリエステル微粒子水分散液の製造例2)
ポリエステル樹脂(1)をポリエステル樹脂(2)に変更した以外は製造例1と同様にポリエステル微粒子水分散液(2)を得た。このポリエステル微粒子の平均粒径は120nm、ゼータ電位は−167mVであった。
(ポリエステル微粒子水分散液の製造例3)
ポリエステル樹脂(1)をポリエステル樹脂(3)に変更した以外は製造例1と同様にポリエステル微粒子水分散液(3)を得た。このポリエステル微粒子の平均粒径は115nm、ゼータ電位は−203mVであった。
(カプセル化粒子の製造例1)in−situ重合法
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlの反応釜にポリエステル微粒子水分散液(1)3000g(固形分142.8g)を入れ、窒素気流下攪拌しながら、反応釜内の温度を80℃に昇温させた。これに、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)0.56gをイオン交換水21.8gに溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、スチレン11.7g、アクリル酸ブチル2.8g、メタクリル酸1.3g、n−オクチルメルカプタン0.03gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を80℃にて2時間にわたり加熱、攪拌することにより重合を行い、カプセル化粒子を得た。このカプセル化粒子の体積平均粒径は113nmであり、ゼータ電位は−197mVであった。
(カプセル化粒子の製造例2)in−situ重合法
重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)1.4gをイオン交換水54.6gに溶解させた開始剤溶液にし、スチレン28.4g、アクリル酸ブチル6.9g、メタクリル酸3.3g、n−オクチルメルカプタン0.08gにしたこと以外は製造例1と同様にしてカプセル化粒子を得た。このカプセル化粒子の体積平均粒径は118nmであり、ゼータ電位は−142mVであった。
(カプセル化粒子の製造例3)in−situ重合法
重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)2.5gをイオン交換水97.5gに溶解させた開始剤溶液にし、スチレン51.2g、アクリル酸ブチル12.4g、メタクリル酸5.9g、n−オクチルメルカプタン0.14gにしたこと以外は製造例1と同様にしてカプセル化粒子を得た。このカプセル化粒子の体積平均粒径は123nmであり、ゼータ電位は−119mVであった。
(カプセル化粒子の製造例4)in−situ重合法
ポリエステル微粒子水分散液(1)にかえてポリエステル微粒子水分散液(2)を使用したこと以外は製造例1と同様にしてカプセル化粒子を得た。このカプセル化粒子の体積平均粒径は124nmであり、ゼータ電位は−139mVであった。
(カプセル化粒子の製造例5)in−situ重合法
ポリエステル微粒子水分散液(1)にかえてポリエステル微粒子水分散液(3)を使用したこと以外は製造例1と同様にしてカプセル化粒子を得た。このカプセル化粒子の体積平均粒径は118nmであり、ゼータ電位は−171mVであった。
(カプセル化粒子の製造例6)界面重合法
ビーカーにポリエステル樹脂(1)160g、酢酸エチル640g、セバシン酸クロライド9gを入れ攪拌させることによって溶解させた。一方、アニオン性界面活性剤ドデシル硫酸ナトリウム9.6gをイオン交換水3200gに溶解させた界面活性剤水溶液を作製しておく。この界面活性剤水溶液に、前述の酢酸エチル溶液を添加し、TK式ホモミキサーで10000rpmで攪拌し、乳化させた。その油滴の粒径は130nm、ゼータ電位は−223mVであった。その乳化分散液に、攪拌を維持したままヘキサメチレンジアミン9gを溶解させた水18mlを滴下し、反応を完了させた。その後50℃に加熱し、酢酸エチルを蒸発させることにより、カプセル化粒子を得た。このカプセル化粒子の平均粒径は134nm、ゼータ電位は−196mVであった。
(カプセル化粒子の製造例7)コアセルベーション法
ビーカーにポリエステル樹脂(1)160g、酢酸エチル640gを入れ攪拌させることによってポリエステル樹脂(1)を溶解させた。一方、アニオン性界面活性剤ドデシル硫酸ナトリウム9.6gをイオン交換水3200gに溶解させた界面活性剤水溶液を作製しておく。この界面活性剤水溶液に、前述の酢酸エチル溶液を添加し、さらに水300g、ゼラチン9g、アラビアゴム9gを溶解させた水溶液を40℃中で加えて、TK式ホモミキサーで10000rpmで攪拌し、乳化させた。その油滴の粒径は110nm、ゼータ電位は−209mVであった。この乳化分散液に10%酢酸をpH4〜4.3になるまで滴下する。5℃に冷却してコアセルベーションが起きていることを確認の後に、ホルマリンを加えて、さらにpH9になるまで10%NaOH水溶液を添加する。1℃/1分の割合で50℃になるまで昇温し、ゼラチンとアラビアゴムをシェルとするカプセル化粒子を得た。このカプセル化粒子の平均粒径は113nm、ゼータ電位は−184mVであった。
各カプセル化粒子の特性を以下に示す。
Figure 2006002109
本発明は、ポリエステル粒子をカプセル化することにより、該粒子の表面電位の状態が変化し、トナー製造工程、即ち会合工程での凝集性を制御できることが分かる。
トナー製造用材料
(ラテックスの製造例1)
核粒子の調整(第1段階重合)
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlの反応釜にアニオン系界面活性剤、C1021(OCH2CH22OSO3Na7.08gをイオン交換水3010gに溶解させた界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下攪拌しながら、反応釜内の温度を80℃に昇温させた。
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)9.2gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、スチレン70.1g、アクリル酸ブチル19.9g、メタクリル酸10.9g、t−ドデシルメルカプタン10.0gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を80℃にて2時間にわたり加熱、攪拌することにより重合(第一段重合)を行い、ラテックス(高分子量樹脂からなる樹脂粒子の分散液)を調製した。このラテックスを「ラテックス1」とする。この樹脂微粒子の体積平均粒径は60nmであり、重量平均分子量は15000であった。
中間層の形成(第2段重合)
攪拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン105.6g、アクリル酸ブチル30.0g、メタクリル酸6.2g、t−ドデシルメルカプタン5.6gからなる単量体混合液に、結晶性物質として、WEP−5(日本油脂)98.0gを添加し、80℃に加温し溶解させて単量体溶液を調製した。
一方、アニオン系界面活性剤(上記化合物)1.6gをイオン交換水2700mlに溶解させた界面活性剤溶液を82℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、核粒子の分散液である前記ラテックスを固形分換算で28g添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)により、前記例示WEP−5の単量体溶液を0.5時間混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液(乳化液)を調製した。
次いで、この分散液(乳化液)に、重合開始剤(KPS)5.1gをイオン交換水240mlに溶解させた開始剤溶液と、イオン交換水750mlとを添加し、この系を82℃にて12時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第二段重合)を行い、ラテックス(高分子量樹脂からなる樹脂粒子の表面が中間分子量樹脂により被覆された構造の樹脂微粒子の分散液)を得た。このラテックスを「ラテックス2」とする。
外層の形成(第3段重合)
上記の様にして得られたラテックスに、重合開始剤(KPS)7.4gをイオン交換水200mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下に、スチレン300g、アクリル酸ブチル95g、メタクリル酸15.3g、t−ドデシルメルカプタン10.0gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第三段重合)を行った後、28℃まで冷却しラテックス(高分子量樹脂からなる中心部と、中間分子量樹脂からなる中間層と、低分子量樹脂からなる外層とを有し、前記中間層にWEP−5が含有されている樹脂微粒子の分散液を得た。このラテックスを「ラテックス3」とする。このラテックス3を構成する樹脂微粒子は、20,000、80,000にピーク分子量を有するものであり、また、この樹脂微粒子の体積平均粒径は130nmであった。
(ラテックスの製造例2)
攪拌装置、冷却管、温度センサーを備えた1000ml反応器に、蒸留水450ml、ドデシル硫酸ナトリウム0.56gを仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃に昇温した後、これに1質量%過硫酸カリウム水溶液120gを添加した。次に、スチレン120g、アクリル酸ブチル38g、メタクリル酸14g、t−ドデシルメルカプタン3gの混合液を1.5時間かけて添加した後、さらに2時間保持し重合を完結させた。このラテックスを「ラテックス4」とする。「ラテックス4」の重量平均分子量は58000、重量平均粒径は150nmであった。
(着色剤粒子分散液の製造例1)
アニオン系界面活性剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(エチレンオキサイドの付加数3)147gをイオン交換水2800mlに攪拌溶解した。この溶液を攪拌しながら、カーボンブラック「Monarch880」(Cabot社製、DBP:112)420gを徐々に添加し、次いで、「クレアミックス」(エムーテクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子の分散液を調整した。前記着色剤粒子の粒径を動的光散乱粒度分布測定装置、ELS−800(大塚電子工業社製)を用いて測定したところ、体積平均粒径は110nmであった。これを着色剤粒子分散液(1)とする。
トナー製造例
実施例1
「ラテックス3」250g(固形分換算)と、イオン交換水2000gと、着色剤分散液(1)20g(固形分換算)とを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた反応容器(四つ口フラスコ)に入れ攪拌した。容器内の温度を30℃に調節した後、この溶液に5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8〜10.0に調整した。次いで、塩化マグネシウム6水和物12.1gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に84℃まで昇温し、会合粒子の生成を行った。その状態で、「コールターカウンターTA−IIにて会合粒子の粒径を測定し、体積平均粒径が6.5μmになった時点で70℃まで降温し、得られた粒子を樹脂で被覆するため「カプセル化粒子1」27g(固形分換算)を10分間かけて徐々に滴下し、サンプリングした液を遠心分離にかけ上澄みが透明化するまでそのまま放置する(約90min)。被覆が終了したら塩化ナトリウム80.4gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させた。その後、熟成処理として液温度98℃にて2時間にわたり加熱攪拌することにより、粒子の融着を継続させた。その後、30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整し、攪拌を停止した。生成した会合粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄を行い、その後、40℃の温風で乾燥することにより、トナー粒子を得た。
実施例2
「カプセル化粒子1」のかわりに「カプセル化粒子2」を使用したこと以外は実施例1と同様にしてトナー粒子を得た。
実施例3
「カプセル化粒子1」のかわりに「カプセル化粒子3」を使用したこと以外は実施例1と同様にしてトナー粒子を得た。
実施例4
「カプセル化粒子1」のかわりに「カプセル化粒子4」を使用したこと以外は実施例1と同様にしてトナー粒子を得た。
実施例5
「カプセル化粒子1」のかわりに「カプセル化粒子5」を使用したこと以外は実施例1と同様にしてトナー粒子を得た。
実施例6
「カプセル化粒子1」のかわりに「カプセル化粒子6」を使用したこと以外は実施例1と同様にしてトナー粒子を得た。
実施例7
「カプセル化粒子1」のかわりに「カプセル化粒子7」を使用したこと以外は実施例1と同様にしてトナー粒子を得た。
実施例8
「カプセル化粒子1」250g(固形分換算)と、イオン交換水2000gと、着色剤分散液(1)20g(固形分換算)とを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた反応容器(四つ口フラスコ)に入れ攪拌した。容器内の温度を30℃に調節した後、この溶液に5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8〜10.0に調整した。次いで、塩化マグネシウム6水和物12.1gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に84℃まで昇温し、会合粒子の生成を行った。その状態で、「コールターカウンターTA−II」にて会合粒子の粒径を測定し、体積平均粒径が6.5μmになった時点で塩化ナトリウム80.4gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させた。その後、熟成処理として液温度98℃にて2時間にわたり加熱攪拌することにより、粒子の融着を継続させた。その後、30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整し、攪拌を停止した。生成した会合粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄を行い、その後、40℃の温風で乾燥することにより、トナー粒子を得た。
実施例9
「ラテックス3」125g(固形分換算)と、「カプセル化粒子1」125g(固形分換算)と、イオン交換水2000gと、着色剤分散液(1)20g(固形分換算)とを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた反応容器(四つ口フラスコ)に入れ攪拌した。容器内の温度を30℃に調節した後、この溶液に5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8〜10.0に調整した。次いで、塩化マグネシウム6水和物12.1gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に84℃まで昇温し、会合粒子の生成を行った。その状態で、「コールターカウンターTA−II」にて会合粒子の粒径を測定し、体積平均粒径が6.5μmになった時点で塩化ナトリウム80.4gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させた。その後、熟成処理として液温度98℃にて2時間にわたり加熱攪拌することにより、粒子の融着を継続させた。その後、30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整し、攪拌を停止した。生成した会合粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄を行い、その後、40℃の温風で乾燥することにより、トナー粒子を得た。
比較例1
「ラテックス3」250g(固形分換算)と、イオン交換水2000gと、着色剤分散液(1)20g(固形分換算)とを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた反応容器(四つ口フラスコ)に入れ攪拌した。容器内の温度を30℃に調節した後、この溶液に5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8〜10.0に調整した。次いで、塩化マグネシウム6水和物12.1gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に84℃まで昇温し、会合粒子の生成を行った。その状態で、「コールターカウンターTA−II」にて会合粒子の粒径を測定し、体積平均粒径が6.5μmになった時点で塩化ナトリウム80.4gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させた。その後、熟成処理として液温度98℃にて2時間にわたり加熱攪拌することにより、粒子の融着を継続させた。その後、30℃まで冷却し、塩酸を添加してPHを2.0に調整し、攪拌を停止した。生成した会合粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄を行い、その後、40℃の温風で乾燥することにより、トナー粒子を得た。
比較例2
「カプセル化粒子1」のかわりに「ラテックス4」を使用したこと以外は実施例1と同様にしてトナー粒子を得た。
比較例3
「カプセル化粒子1」のかわりに「ポリエステル微粒子水分散液1」を使用したこと以外は実施例1と同様にしてトナー粒子を得た。
比較例4
粉砕トナーの製造例
(樹脂の製造)
スチレン150g、トルエン150gをオートクレーブに仕込み、攪拌下に温度を5℃に保ちながら、BF3−フェノール錯体1.5gを少量ずつ約10分間で添加した。その後、さらに3時間攪拌を続行した。さらに5%水酸化ナトリウム水溶液50mlを加えて30分間激しく攪拌して触媒を分解した後、水層を分離し、さらに重合油を水性になるまで水洗した後、未反応成分およびトルエンを留去し、残渣としてポリスチレンを得た。分子量は1500であった。
(トナー粒子の製造)
上記樹脂100g、カーボンブラック(Monarch880 Cabot社製、DBP:112)10g、荷電制御剤(サリチル酸亜鉛錯体:E−84:オリエント化学工業社製)2gをヘンシェルミキサーで混合した後、混合物を2軸押出混練機で混練した。得られた混練物をフェザーミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕し、さらに気流分級機により分級して体積平均径8.0μmのトナー粒子を得た。
(後処理)
上記実施例ならびに比較例で得られたトナー100質量部に対して、疎水性シリカ(H−2000;クラリアント社製)0.5質量部と、酸化チタン(STT30A:チタン工業社製)1.0質量部、チタン酸ストロンチウム(体積平均粒径0.2μm)1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサーで(周速40m/sec,60秒間)混合処理した後、目開き90μmの篩でふるい、トナーを得た。
(キャリアの製造)
攪拌器、コンデンサー、温度計、窒素導入管、滴下装置を備えた容量500mlのフラスコにメチルエチルケトンを100質量部仕込んだ。別に窒素雰囲気下80℃でメチルメタクリレート36.7部、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを5.1部、3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランを58.2部および1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)を1部とともに、メチルエチルケトン100部に溶解させて得られた溶液を2時間に渡り反応容器中に滴下し、5時間熟成させた。
得られた樹脂溶液に対して、架橋剤としてイソホロンジイソシアネート/トリメチロールプロパンアダクト(IPDI/TPM系:NCO%=6.1%)を樹脂のOHと架橋剤のNCOのモル比率が1:1になるようにし、メチルエチルケトンで希釈して固形比3質量%であるコート樹脂溶液を調製した。
コア材として焼成フェライト粉(平均粒径30μm)を用い、上記コート樹脂溶液をコア材に対する被覆樹脂量が1.5質量%となるようにスピラコーター(岡田精工社製)により、塗布、乾燥した。得られたキャリアを熱風循環式オーブン中にて160℃で1時間放置して焼成した。こうして得られたキャリアの平均粒径は31μm、電気抵抗は約3×1010Ωcmであった。
(トナー特性評価方法)
・定着性
トナーをフルカラーコピー機(CF900;ミノルタ社製)に搭載して評価した。
記録剤;CFペーパ
トナー付着量;12g/m2
なお、上記トナー付着量はベタ画像を複写するときのトナー付着量を示し、未定着の状態でトナーをエアー吸引し、吸引された画像面積と吸引されたトナー質量に基づいて算出された値である。定着温度を振ってベタ画像を複写し、低温オフセットおよび高温オフセットのいずれも発生しない定着温度幅を求め、以下のランク付けに従って評価した。その下限温度も合わせて示す。
○;定着温度幅が50℃以上であった
△;定着温度幅が40℃以上50℃未満であった(実用上問題なし)
×;定着温度幅が40℃未満であった(実用上問題あり)
なお、定着下限温度と定着上限温度は以下に従って求めた。
・定着下限温度
得られたベタ画像を真ん中から2つに折り曲げてその画像の剥離性を目視にて評価した。画像が剥離した時の定着温度と剥離しない下限の定着温度との間の温度を定着下限温度とした。
・定着上限温度
ベタ画像を複写した後、白紙(CFペーパ)を通紙し、白紙上の高温オフセットを目視にて評価した。高温オフセットが発生した時の定着温度と高温オフセットが発生しない上限の定着温度との間の温度を定着上限温度とした。
・耐熱保存性
トナー10gを50℃の高温下に24時間放置後、そのトナーを目視で確認することにより行なった。
○:凝集トナーがなく、全く問題なし
△:軽い軟凝集が存在するが、軽い力ですぐ解れ、実用上問題ないもの
×:強い凝集塊が存在し、容易には解れないもので実用上問題あり。
・耐ストレス性
耐ストレス性は、ミノルタ製複写機CF−3102を用いて、BW比5%の画像を1000枚印字した後、圧潰または摩滅したトナー粒子が有機光導電体の表面に薄層状に付着する現象の有無によって評価した。
○:トナー粒子が存在せず、全く問題なし
△:ごくわずかにトナー粒子が存在するが、実用上問題ないもの
×:目視によりはっきりとトナー粒子が存在し、実用上問題あり
・帯電量
トナーとキャリアをトナー混合比7質量%で調合し、帯電量をブローオフ法により測定した。
帯電量の低下は画素再現性の低下やトナー飛散による機内汚染の要因になる。
○:帯電量の絶対値が40μC/g以上である。
△:帯電量の絶対値が30〜39μC/gである。
×:帯電量の絶対値が30μC/g未満である。
・帯電環境安定性(耐環境安定性)
低温低湿環境(10℃、15%)で24時間保管した現像剤の帯電量と、高温高湿環境(30℃、85%)で24時間保管した現像剤の帯電量との差で帯電環境安定性を評価した。
○:差の絶対値が7μC/g未満であった;
△:差の絶対値が7μC/g以上8μC/g未満であった;
×:差の絶対値が8μC/g以上であった;
(トナー及び樹脂粒子の物性測定方法)
・樹脂粒子および顔料粒子の体積平均粒径
動的光散乱粒度分布測定装置、ELS−800(大塚電子工業社製)を用いて測定。
(もしくはマイクロトラック社製粒度分布計UPA−150でも測定可能)
・トナーの体積平均粒径および個数平均粒径
体積平均粒径および個数平均粒径は、コールターマルチサイザーII(コールタカウンタ社製)を用いて、アパチャーチューブ50μmを用いて測定した。
・円形度
円形度は「相当円の周囲長/粒子投映像の周囲長」で表される。平均円形度はフロー式粒子像解析装置(FPIA−2000:シスメックス社製)を用いて水分散系で測定した。
・分子量
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(807−IT型:日本分光工業社製)を用いて測定した。カラム温度を40℃に保ちながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフランを1kg/cm2で流し、測定する試料30mgをテトラヒドロフラン20mlに溶解し、この溶液0.5mgを上記のキャリア溶媒とともに装置内に導入して、ポリスチレン換算により求めた。
・ゼータ電位
ゼータ電位は、ESA9800ゼータ電位分析機(Matec Applied Science社製)を用いて測定した。
・ガラス転移点(Tg)
示差走査熱量計(DSC−200:セイコー電子社製)を用い、測定する試料10mgを精密に秤量して、これをアルミニウムパンに入れ、リファレンスとしてα−アルミナをアルミニウムパンに入れたものを用い、昇温速度30℃/minで常温から200℃まで昇温させた後、これを冷却し、昇温速度10℃/minで30℃〜120℃の間で測定を行ない、この昇温過程で30℃〜90℃の範囲におけるメイン吸熱ピークのショルダー値をTgとする。
Figure 2006002109
本発明が比較に比して優れていることが分かる。

Claims (8)

  1. 水系媒体中に微分散しているポリエステル樹脂微粒子で表面を被覆したカプセル化粒子であって、該カプセル化粒子が該ポリエステル樹脂微粒子の組成の多価カルボン酸類の内、フタル酸類を80mol%以上含有し、該ポリエステル樹脂微粒子の平均粒径が1μm以下であり、かつ、カプセル化粒子を含有するカプセル層の膜厚が、該ポリエステル樹脂微粒子を有するコア粒子の平均粒径の0.5〜7.5%であることを特徴とするカプセル化粒子。
  2. 請求項1に記載のカプセル化粒子をポリエステル樹脂微粒子によりカプセル化する際、エチレン性不飽和結合を有する単量体及び水溶性重合開始剤を用いたin−situ重合法により行われることを特徴とするカプセル化粒子の製造方法。
  3. ポリエステル樹脂微粒子によるカプセル化が界面重合法により行なわれることを特徴とする請求項2に記載のカプセル化粒子の製造方法。
  4. ポリエステル樹脂微粒子によるカプセル化がコアセルベーション法により行なわれることを特徴とする請求項2に記載のカプセル化粒子の製造方法。
  5. ポリエステル樹脂微粒子と着色剤粒子を含む水性分散液に、凝集剤を添加して該ポリエステル樹脂粒子と着色剤粒子を凝集させた後、熱融着させて得られる静電荷像現像用トナーにおいて、樹脂粒子として請求項1に記載のカプセル化粒子を用いることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  6. ポリエステル樹脂微粒子と着色剤粒子を含む水性分散液に、凝集剤を添加して該ポリエステル樹脂粒子と着色剤粒子を凝集させた後、熱融着させて製造する静電荷像現像用トナーの製造方法において、樹脂粒子として請求項1に記載のカプセル化粒子を用いて製造することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  7. ポリエステル樹脂微粒子と着色剤粒子を含む水性分散液に、凝集剤を添加して該樹脂粒子と着色剤粒子を凝集させて母粒子を形成した後、該樹脂粒子をこれに添加して母粒子に凝集させ外層を形成し、その後熱融着させて得られる静電荷像現像用トナーにおいて、母粒子および外層から選ばれるすくなくとも一つを形成するための樹脂粒子として、請求項1に記載のカプセル化粒子を用いることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  8. ポリエステル樹脂微粒子と着色剤粒子を含む水性分散液に、凝集剤を添加して該樹脂粒子と着色剤粒子を凝集させて母粒子を形成した後、該樹脂粒子をこれに添加して母粒子に凝集させ外層を形成し、その後熱融着させて製造する静電荷像現像用トナーの製造方法において、母粒子および外層から選ばれるすくなくとも一つを形成するための樹脂粒子として、請求項1に記載のカプセル化粒子を用いて製造することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
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