JP2006195040A - 電子写真用トナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも離型剤と樹脂と着色剤とからなる電子写真用トナーにおいて、該離型剤がDSCで測定された吸熱ピークが78〜100℃、吸熱ピーク半値幅が10℃以上で、発熱ピークが75〜100℃、発熱ピーク半値幅が10℃以上であるマイクロクリスタリンワックスであり、該樹脂が極性基を有することを特徴とする電子写真用トナー。
【選択図】 なし
Description
少なくとも離型剤と樹脂と着色剤とからなる電子写真用トナーにおいて、該離型剤がDSCで測定された吸熱ピークが78〜100℃、吸熱ピーク半値幅が10℃以上で、発熱ピークが75〜100℃、発熱ピーク半値幅が10℃以上であるマイクロクリスタリンワックスであり、該樹脂が極性基を有することを特徴とする電子写真用トナー。
前記離型剤のDSCの吸熱ピーク1/10強度幅が20℃以上で、発熱ピーク1/10強度幅が20℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
前記極性基が水酸基、カルボキシル基、硫酸基またはスルホニル基から選ばれ、使用する単量体(単量体混合物)に占める極性基を有するラジカル重合性単量体の割合としては0.1〜15質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用トナー。
前記電子写真用トナーの個数基準のメジアン径が2〜7μmで、個数基準のCV値が5〜30であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真用トナー。
本発明の電子写真用トナーは、フルカラー画像形成装置において使用されるフルカラートナーとして使用されても、またはモノクロ画像形成装置において使用されるモノクロトナーとして使用されてもよいが、フルカラートナーとして使用されることが好ましい。フルカラー画像形成装置においては、一般に転写性の悪化による中抜けの発生が顕著であるが、本発明の電子写真用トナーをフルカラートナーとして用いると、良好な帯電環境安定性を維持しながら転写性の悪化を有効に防止できるためである。フルカラー画像形成装置においては1〜4のトナー層が重なってなるベタ画像が形成される場合が多く、当該ベタ画像においては、重なるトナー層の数が異なる領域が混在するため、重なるトナー層の数が多いほど転写圧が高くなり、転写性の悪化による中抜けの発生が顕著になると考えられる。
(ラテックス粒子(1)の調製)
(1)核粒子の調製(第一段重合)
(分散媒1)
ドデシル硫酸ナトリウム 4.05g
イオン交換水 2500.00g
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコに上記分散媒1を仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、フラスコ内の温度を80℃に昇温させた。
スチレン 568.00g
n−ブチルアクリレート 164.00g
メタクリル酸 68.00g
n−オクチルメルカプタン 16.51g
上記分散媒1に重合開始剤(過硫酸カリウム)9.62gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、上記の単量体溶液1を90分かけて滴下し、この系を80℃にて2時間に亘り加熱、攪拌することにより重合(第一段重合)を行い、ラテックス分散液を調製した。これを「ラテックス(1H)」とする。ラテックス(1H)の質量平均粒径は68nmであった。
(単量体溶液2)
スチレン 123.81g
n−ブチルアクリレート 39.51g
メタクリル酸 15.37g
n−オクチルメルカプタン 0.72g
マイクロクリスタリンワックス(HNP−0190(日本精鑞(株)製))
94.00g
攪拌装置を取り付けたフラスコ内において、上記の単量体溶液2を仕込み、80℃に加熱し溶解させて単量体溶液を調製した。
C12H25O(OCH2CH2)3SO3Na 0.60g
イオン交換水 800.00g
次いで1.8Lマヨネーズ瓶内で分散媒2を80℃に加熱し、上記単量体溶液2を加え、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)により80℃で1時間混合分散させ分散液(ミニエマルション)を調製した。そして、攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコにラテックス(1H)140gとイオン交換水1600gからなる80℃の乳化液に、上記単量体溶液2からなる分散液(ミニエマルション)を分散後速やかに加え、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、フラスコ内の液温度82℃の混合液を調製した。
(単量体溶液3)
スチレン 343.64g
n−ブチルアクリレート 85.47g
n−オクチルメルカプタン 5.97g
上記の様にして得られたラテックス(1HM)に、重合開始剤(KPS)6.00gをイオン交換水250mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、82℃の温度条件下に、上記単量体溶液3を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間に亘り加熱、攪拌することにより重合(第三段重合)を行った後、28℃まで冷却しラテックス(1H)からなる中心部と、第二段重合樹脂からなる中間層と、第三段重合樹脂とからなる外層とを有し、前記第二段重合樹脂層にHNP−0190(日本精鑞(株)製)が含有されている複合樹脂の分散液を得た。このラテックス粒子(1)は、THF可溶分が重量平均分子量として30.000に主ピーク分子量を有するものであり、またこの樹脂微粒子の質量平均粒径は170nmであった。
ワックスを石油炭化水素パラフィン系ワックスHNP−9(日本精鑞(株)製)に変更した以外は、ラテックス粒子(1)と同様の方法で作製した。
ワックスをフィッシャートロプシュ系ワックスHNP−51(日本精鑞(株)製)に変更した以外は、ラテックス粒子(1)と同様の方法で作製した。
ワックスをエステル系ワックスWEP−6(日本油脂(株)製)に変更した以外は、ラテックス粒子(1)と同様の方法で作製した。
表1に、HNP−0190、HNP−9、HNP−51、WEP−6について吸熱ピーク(融点)、発熱ピーク(結晶化温度)、吸熱ピーク半値幅(吸熱半値幅)、吸熱ピーク1/10強度幅(吸熱1/10強度幅)、発熱ピーク半値幅(発熱半値幅)、発熱ピーク1/10強度幅(発熱1/10強度幅)の測定結果を示す。
示差走査熱量計(DSC−200:セイコー電子社製)を用い、測定する試料10mgを精密に秤量して、これをアルミニウムパンに入れ、リファレンスとしてアルミナをアルミニウムパンに入れたものを用い、昇温速度30℃/minで常温から200℃まで昇温させた後、これを降下速度10℃/minにて冷却し結晶化に伴う発熱ピークを結晶化温度とし、昇温速度10℃/minで20〜120℃の間で測定を行い、この昇温過程で78〜100℃の範囲におけるメイン吸熱ピークを融点とした。
メイン吸熱・発熱ピーク温度を外挿した線と吸熱・発熱ベースラインの接線との交点強度とピーク点強度を結んだ線距離の1/2の位置から、吸熱・発熱ベースラインの接線の平行線とピークプロファイルとの2交点の温度差をピーク半値幅とする。また、同様に1/10の温度差をピーク1/10強度幅とする。
(顔料粒子分散液(1)の調製)
アニオン系界面活性剤としてC12H25O(OCH2CH2)3SO3Na、59gをイオン交換水1600mlに攪拌溶解した。この溶液を攪拌しながら、青色顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)420gを徐々に添加し、次いで「クレアミックス」(エムテクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子の分散液を調製した。分散させた青色顔料の粒径を動的光散乱粒度分布測定装置、ELS−800(大塚電子工業社製)を用いて測定したところ、平均粒径は112nmであった。これを顔料粒子分散液(1)とする。
アニオン系界面活性剤としてC12H25O(OCH2CH2)3SO3Na、59gをイオン交換水1600mlに攪拌溶解した。この溶液を攪拌しながら、赤色顔料(C.I.ピグメントレッド122)420gを徐々に添加し、次いで「クレアミックス」(エムテクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子の分散液を調製した。分散させた赤色顔料の粒径を動的光散乱粒度分布測定装置、ELS−800(大塚電子工業社製)を用いて測定したところ、平均粒径は89nmであった。これを顔料粒子分散液(2)とする。
アニオン系界面活性剤としてC12H25O(OCH2CH2)3SO3Na、59gをイオン交換水1600mlに攪拌溶解した。この溶液を攪拌しながら、黄色顔料(C.I.ピグメントイエロー74)420gを徐々に添加し、次いで「クレアミックス」(エムテクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子の分散液を調製した。分散させた黄色顔料の粒径を動的光散乱粒度分布測定装置、ELS−800(大塚電子工業社製)を用いて測定したところ、平均粒径は93nmであった。これを顔料粒子分散液(3)とする。
アニオン系界面活性剤としてC12H25O(OCH2CH2)3SO3Na、59gをイオン交換水1600mlに攪拌溶解した。この溶液を攪拌しながら、黒色顔料(カーボンブラック)420gを徐々に添加し、次いで「クレアミックス」(エムテクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子の分散液を調製した。分散させた黒色顔料の粒径を動的光散乱粒度分布測定装置、ELS−800(大塚電子工業社製)を用いて測定したところ、平均粒径は95nmであった。これを顔料粒子分散液(4)とする。
(ワックス分散液(1)の調製)
アニオン系界面活性剤としてC12H25O(OCH2CH2)3SO3Na、59gをイオン交換水1600mlに攪拌溶解した。この溶液を85℃に加温し、攪拌しながら、HNP−0190(日本精鑞(株)製)200gを徐々に添加し、ワックスを溶融させた。次いで「クレアミックス」(エムテクニック社製)を用いて分散処理することにより、ワックス粒子の分散液を調製した。分散させたワックスの粒径を動的光散乱粒度分布測定装置、ELS−800(大塚電子工業社製)を用いて測定したところ、平均粒径は120nmであった。これをワックス分散液(1)とする。
〔シアントナー1の製造〕
《着色粒子(1)の調製》
ラテックス粒子(1)、200.0g(固形分換算)と顔料粒子分散液(1)、5g(固形分換算)の混合液とイオン交換水900gとを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた反応容器(四つ口フラスコ)に入れ攪拌した。容器内の温度を30℃に調整した後、この溶液に2Mの水酸化ナトリウム水溶液を加えて、pHを8〜10.0に調整した。
疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)を1.0質量%となる割合で添加するとともに、疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)を1.2質量%となる割合でそれぞれ添加し、ヘンシェルミキサーにより混合することにより、シアントナー1を製造した。なお、この着色粒子について、疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンの添加によってはその形状及び粒径は変化しない。
〔シアントナー2の製造〕
《着色粒子(2)の調製》
攪拌装置、冷却管、温度センサーを備えた反応器に、上記したラテックス(1H)240部、ワックス分散液(1)13.6部、顔料粒子分散液(1)24部、アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC;第一工業薬品社製)5部、及び蒸留水240部とを仕込み、攪拌しながら2M水酸化ナトリウム水溶液を添加して混合分散液のpHを10.0に調整した。次に、これに50質量%塩化マグネシウム水溶液40部を添加した後、攪拌しながら56℃に昇温して1.0時間保持した。この時の混合分散液中のトナーの平均粒径は4.3μmであった。次に系内の温度を75℃まで冷却した後、ラテックス(1H)30部を添加し、94℃まで昇温して、20質量%塩化ナトリウム水溶液120gを添加して、6時間保持した。その状態で「FPIA−2000」にて会合粒子の形状を測定し、形状係数が0.965になった時点で30℃まで冷却し、攪拌を停止した。生成した会合粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄を行い、その後40℃の温風で乾燥することにより、着色粒子(2)を得た。着色粒子の個数基準メジアン径と円形度を再度測定したところ、それぞれ4.8μm、0.970であった。また、乾燥後のトナーのSEM観察ではトナー表面が滑らかであり、顔料の露出も無いことが確認できた。
実施例1と同様に外添処理を行い、シアントナー2を製造した。
実施例1で顔料分散液(1)を顔料粒子分散液(2)に変更した以外は、同様にしてマゼンタトナー6を製造した。
実施例1で顔料分散液(1)を顔料粒子分散液(3)に変更した以外は、同様にしてイエロトナー7を製造した。
実施例1で顔料分散液(1)を顔料粒子分散液(4)に変更した以外は、同様にしてブラックトナー8を製造した。
実施例1でラテックス粒子(1)をラテックス粒子(2)に変更した以外は、同様にしてシアントナー3を製造した。
実施例1でラテックス粒子(1)をラテックス粒子(3)に変更した以外は、同様にしてシアントナー4を製造した。
実施例1でラテックス粒子(1)をラテックス粒子(4)に変更した以外は、同様にしてシアントナー5を製造した。
(粒径)
個数基準メジアン粒径(D)は、コールターマルチサイザーII(コールタカウンタ社製)を用いて、アパチャーチューブ50μmを用いて測定した。個数基準CV値はUPA−ST150(マイクロトラック社製)を用い測定した。
円形度は「相当円の周囲長/粒子投映像の周囲長」で表される。平均円形度はフロー式粒子像解析装置(FPIA−2000:シスメックス社製)を用いて水分散系で測定した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(807−IT型:日本分光工業社製)を用いて測定した。カラム温度を40℃に保ちながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフランを1kg/cm2で流し、測定する試料30mgをテトラヒドロフラン20mlに溶解し、この溶液0.5mgを上記のキャリア溶媒と共に装置内に導入して、ポリスチレン換算により求めた。
上記実施例ならびに比較例で得られたトナーを2成分系現像剤として評価に供するため、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径50μmのフェライトキャリアを混合し、それぞれトナー濃度が6%の現像剤を調製した。
(耐熱保存性)
トナー10gを50℃の高温下で24時間放置した後、トナーを目視観察して評価した。
△:凝集物は10個未満存在した
×:凝集物は10個以上存在した
以下の評価においては、上記現像剤を用いた。
耐剥離性
定着温度を120〜170℃の範囲で2℃刻みで変化させながら、オイルレス定着器を備えたデジタル複写機(Sitios9331;コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)にて、1.5cm×1.5cmのベタ画像(付着量2.0mg/cm2)をとり、それぞれの画像を真中から2つに折り曲げてその画像の耐剥離性を目視にて評価した。画像が若干剥離した時の定着温度と全く剥離しない下限の定着温度との間の温度を定着下限温度とした。
○:定着下限温度が142℃以上、146℃未満であった
△:定着下限温度が146℃以上、152℃未満であった(実用上問題なし)
×:定着下限温度が152℃以上であった(実用上問題あり)。
デジタル複写機(Sitios9331;コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)の定着システム速度を1/2にして、定着温度を130〜190℃の範囲において5℃刻みで変化させながらハーフトーン画像をとり、オフセットの状態を目視で観察し、高温オフセットが発生する温度(オフセット温度)を評価した。
○:オフセット温度が160℃以上、168℃未満であった
△:オフセット温度が155℃以上、160℃未満であった(実用上問題なし)
×:オフセット温度が155℃未満であった(実用上問題あり)。
△:「◎」または「○」の他に「△」が含まれていた
×:少なくとも1つの「×」が含まれていた。
低温低湿環境(10℃、15%)で24時間保管した現像剤の帯電量と、高温高湿環境(30℃、85%)で24時間保管した現像剤の帯電量との差で帯電環境安定性を評価した。
△:差の絶対値が7μC/g以上8μC/g未満であった
×:差の絶対値が8μC/g以上であった。
デジタル複写機(Sitios9331;コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)にて、ベタ画像(付着量2.0mg/cm2)をとり、目視により画像ムラを評価した。
○:画像ムラがほとんど観察されない
△:画像ムラが観察される
×:画像ムラがかなり観察される(実用上問題あり)。
Claims (4)
- 少なくとも離型剤と樹脂と着色剤とからなる電子写真用トナーにおいて、該離型剤がDSCで測定された吸熱ピークが78〜100℃、吸熱ピーク半値幅が10℃以上で、発熱ピークが75〜100℃、発熱ピーク半値幅が10℃以上であるマイクロクリスタリンワックスであり、該樹脂が極性基を有することを特徴とする電子写真用トナー。
- 前記離型剤のDSCの吸熱ピーク1/10強度幅が20℃以上で、発熱ピーク1/10強度幅が20℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
- 前記極性基が水酸基、カルボキシル基、硫酸基またはスルホニル基から選ばれ、使用する単量体(単量体混合物)に占める極性基を有するラジカル重合性単量体の割合としては0.1〜15質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用トナー。
- 前記電子写真用トナーの個数基準のメジアン径が2〜7μmで、個数基準のCV値が5〜30であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真用トナー。
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