JP4867629B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

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Description

本発明は、静電荷像現像用トナーに関する。
近年の地球環境への配慮という観点から、画像形成装置の電力消費量を低減させる技術が検討され、この課題を解消する手段として重合トナーが注目されている。その一例として、低融点のワックスを含有させた重合トナーにより、従来よりも低い温度で定着画像を形成することが可能な技術が開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、定着温度が100℃近傍の超低温定着温度になってしまうとワックスが低融点であるだけでは定着性は確保できなくなり、樹脂自体の熱溶融性を上げる必要がある。そこで、トナー樹脂の溶融性を向上した系において低融点ワックスを採用していくのだが、定着ローラとの分離性が悪化し、巻きつきを生じてしまうような問題が多発していたのである。
特開2001−42564号公報
本発明では、熱溶融性を向上させた樹脂を含む静電荷像現像用トナーにおいて、低温定着性と定着ローラへの分離性の両立を目的とする。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.重合工程あるいは凝集工程で加熱工程を経由する重合トナーで、結着樹脂中にワックスドメインを形成する静電荷像現像用トナーにおいて、前記トナーの軟化点Tspが90℃≦Tsp≦110℃であり、且つトナー粒子断面におけるワックスドメイン径のうち最大ドメイン径の面積をSw、該トナー粒子の断面積をSとしたとき、100個のトナー粒子につきSw/Sの平均値が、0.02≦(Sw/S)×100≦10の関係式を満たすことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
2.トナー断面におけるトナー表面から重心に向かって2μmの範囲内にワックス全体の30%以上が存在することを特徴とする前記1に記載の静電荷像現像用トナー。
3.前記1または2に記載の静電荷像現像用トナーであり、前記結着樹脂が重合性単量体成分として極性基を2つ以上有するビニル系重合性単量体を0.2〜4.0%含有した樹脂を含むことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
本発明により、低温定着性と定着ローラへの分離性を両立できる静電荷像現像用トナーを提供することができた。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、結着樹脂中にワックスドメインを形成する静電荷像現像用トナー(以下、単にトナーともいう)において、該トナーの軟化点Tspが90℃≦Tsp≦110℃であり、且つトナー断面におけるワックスドメイン径のうち最大ドメイン径の面積をSw、トナー全体の断面積をSとしたとき、0.02≦(Sw/S)×100≦10の関係式を満たすことを特徴とする。
(Sw/S)×100とは、即ちトナーの断面積における最大ワックスドメイン径の面積の割合を示す数値であり、トナー中におけるワックスの分散状態を示す指標となるものである。(Sw/S)×100の範囲を0.02〜10(%)とすることにより、トナー中に存在するワックスの離型性効果が十分に発揮でき、低温定着時における定着分離性を満足することができるのである。0.02未満ではワックス分散としては微分散すぎてしまって離型性効果を発揮できなくなり、10を超えてしまうと分散状態が悪く、低温定着時における分離性が取れなくなってしまう。更に(Sw/S)×100の範囲を0.02〜3%にすることにより、定着分離性をより向上することができる。
従来のワックスドメイン径規定ではその粒度分布または平均径の規定のみであり、定着分離性に最も寄与度の高い最大となるワックスドメイン径の存在を反映させるものではなかった。
一般に、トナー中におけるワックスドメイン径は、ある程度の大きさで存在させることが離型剤の性能を発揮する上で重要なポイントになっていると考えられているものの、低温定着を狙った熱による溶融性の高い結着樹脂を用いたトナーにおいては、ワックスは合一しやすくなり、ドメイン径は離型性を効率的に発揮できる以上に大きくなってしまう。
低温定着性を確保するためには、樹脂の熱溶融性を上げる(樹脂の軟化点を下げる)必要がある。樹脂の軟化点を下げることで低温でも紙への接着性は向上する。しかしながら、重合トナーの製造工程では重合工程あるいは凝集工程など加熱工程を経由することから、樹脂が低軟化点化すると製造段階において、トナー中で樹脂が流動しやすくなるとともに、樹脂中に含まれるワックスも動きやすくなることからワックス同士で合一しやすくなる。
また、樹脂とワックスでは樹脂が親水性、ワックスが疎水性であるため、ワックスはトナーの中央部分に存在しやすくなる。従って、得られるトナーは分散せず大きなドメインを有するワックスがトナー中央に存在している。この結果、ワックスはトナー表面に染み出しにくくなり、本来の離型性能を示すことができなくなり、低温定着トナーでは分離性が悪化してしまっていた。
上記のような軟化点の低い低温定着用トナーに生じる問題を、ワックスドメイン径を0.02≦(Sw/S)×100≦10になるように制御することによって解決したのが本発明である。
(Sw/Sの測定方法)
本発明のトナーにおけるトナー全体の断面積S、面積が最大となるワックス部の面積Swはトナーの断面層を透過型電子顕微鏡により撮影した写真より計測されるものである。透過型電子顕微鏡としては、通常当業者の間でよく知られた機種で十分観察され、例えば、LEM−2000型(トプコン社製)、JEM−2000FX(日本電子社製)等が用いられる。
具体的には、先ずトナー粒子を常温硬化性のエポキシ樹脂中に十分分散させた後、包埋し、粒径100nm程度のスチレン微粉末に分散させた後、加圧成形する。必要により得られたブロックを四三酸化ルテニウム、または四三酸化オスミウムを併用し、染色を施した後、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用いて薄片状のサンプルを切り出し、透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、トナー1個の断面が視野に入る倍率(約10000倍)にて写真撮影する。先ず、上記写真において半径より全体の断面積Sを算出し、次に着色剤やワックス等の存在領域を目視観察により確認し、ワックス存在領域のうち最大領域を抽出し、その分散径からワックス最大領域の面積Swを算出する。以上より得られた値からトナー1個のSw/Sを求める。本発明におけるSw/Sは、前記トナー1個のSw/Sを100個のトナーにおいて実施し、その平均値のことを指すものとする(図1参照)。
更には、トナー断面におけるトナー表面から重心に向かって2μmの範囲内にワックス全体断面積の30%以上の面積比率が存在することが好ましい。トナーの表面付近にワックスを存在させることにより、低温定着時、更には高速低温定着時において、より効果的にワックスが画像表面に染み出しやすくなり、分離性が発揮できるからである。
(ワックス存在量の測定)
図1と同様に透過型電子顕微鏡により写真撮影し、断面図より全ワックス存在領域の面積を求め、トナー表面から2μmの範囲内に存在するワックス存在領域を算出することでその割合を求める。やはりこのような計算を100個のトナーにおいて実施し、平均値を求める(図2参照)。図2において、斜線部の和がトナー表面から2μmの範囲内に存在するワックス面積の和に相当する。
このようなトナー中でのワックスの分布は、トナー中に極性基を2つ以上有するビニル系重合性単量体からなる樹脂を導入することにより達成することが可能である。
極性基を2つ以上有するビニル系重合性単量体からなる樹脂を導入することで、低温定着性と定着ローラへの分離性が両立できる詳細なメカニズムは定かではないが、極性基を導入することによりトナー中に水素結合を存在させることが可能であり、水素結合が存在する部位ではワックスが合一しにくいため、トナー中でのワックスの分散性が向上し、トナー中心部だけでなくトナー表面付近までワックスが分散し、ワックスがトナー表面に染み出しやすくなり、その結果分離性が向上したと考えている。
一方、本発明ではトナーの軟化点Tspが90℃≦Tsp≦110℃であり、これによって低温定着性が実現できた。Tspが90〜110℃ということは加熱による溶融性が良好となり、定着温度が低下した場合においても樹脂の分子鎖が動きやすくなり、結果として転写材である紙の繊維に絡みやすくなり、こすりなどのストレスに対する強度が取れた定着性を発揮することができるのである。Tspとして、更に好ましい範囲は90〜100℃である。
(Tspの測定方法)
トナーの軟化点(Tsp)の測定方法は、例えば、「フローテスターCFT−500」((株)島津製作所社製)を用い、試料を予め9.2メッシュパス(目開き2.0mm)、32メッシュオン(目開き0.5mm)の粒度に揃えた後、高さ10mmの円柱形状に成形し、昇温速度6℃/分で加熱しながらプランジャーより1.96×107Paの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルを押し出すようにし、これにより当該フローテスターのプランジャー降下量−温度間の曲線(軟化流動曲線)を描き、降下量5mmに対する温度を軟化点とする。
(トナーの構成材料)
(極性基を2つ以上有するビニル系重合性単量体)
本発明でいう極性基とは水系媒体中で解離性があり、塩を形成するものである。具体的にはカルボキシル基、スルホン基、アミノ基、アンモニウム基等が挙げられる。本発明で使用可能な極性基を2つ以上有する単量体としては、イタコン酸、マレイン酸等のカルボキシル基を含有したものが挙げられ、特にイタコン酸が好ましい。
極性基を2つ以上有するビニル系重合性単量体の添加量としては、結着樹脂に対して0.2〜4.0%であることが好ましい。この範囲では離型剤の分散性を制御しつつ、結着樹脂の低温定着性がより発揮できるからである。
〔本発明で用いられるトナー素材等〕
(1)結着樹脂
コア部を形成する樹脂及びシェル層を形成する樹脂は、スチレン−アクリル系共重合樹脂が好ましい。また、コア部を形成する樹脂を作製する単量体には、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の共重合体のガラス転移温度(Tg)を引き下げる重合性単量体を共重合することが好ましい。また、シェル層を形成する樹脂を作製するための単量体には、スチレン、メチルメタクリレート、メタクリル酸等の共重合体のガラス転移温度(Tg)を引き上げる重合性単量体を共重合することが好ましい。
本発明のトナーを構成する樹脂について、更に詳しく説明する。
本発明のトナーのコアやシェルの構成に各々用いられる樹脂としては、下記に記載のような重合性単量体を重合して得られる重合体を用いることができる。
本発明に係る樹脂は、少なくとも1種の重合性単量体を重合して得られた重合体を構成成分として含むものであるが、前記重合性単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンのようなスチレンあるいはスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル誘導体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体がある。これらビニル系単量体は、単独あるいは組み合わせて使用することができる。
また、樹脂を構成する重合性単量体として極性基を有するものを組み合わせて用いることが好ましい。例えば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
更に樹脂を構成する重合性単量体として、上述のように極性基を有するものを組み合わせて用いることが好ましい。
更に、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることもできる。
(2)着色剤
本発明のトナーに使用する着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、染料、顔料等を任意に使用することができ、カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等が使用される。磁性体としては鉄、ニッケル、コバルト等の強磁性金属、これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイト等の強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理することにより強磁性を示す合金、例えば、マンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫等のホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、二酸化クロム等を用いることができる。
染料としてはC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等を用いることができ、またこれらの混合物も用いることができる。顔料としてはC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同93、同94、同138、同156、同158、同180、同185、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントブルー15:3、同60等を用いることができ、これらの混合物も用いることができる。数平均一次粒子径は種類により多様であるが、概ね10〜200nm程度が好ましい。
着色剤の添加方法としては、樹脂微粒子を凝集剤の添加にて凝集させる段階で添加し、重合体を着色する。なお、着色剤は表面をカップリング剤等で処理して使用することができる。
(3)ワックス(離型剤)
本発明のトナーに使用可能なワックスとしては、従来公知のものが挙げられる。具体的には、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンジベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。
ワックスの融点は通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、更に好ましくは60〜90℃である。融点を上記範囲内にすることにより、トナーの耐熱保存性が確保されるとともに、低温で定着を行う場合でもコールドオフセットなどを起こさずに安定したトナー画像形成が行える。また、トナー中のワックス含有量は1〜30質量%が好ましく、更に好ましくは5〜20質量%である。
上記トナーの製造方法で使用可能な重合開始剤、連鎖移動剤及び界面活性剤について説明する。
(4)本発明に使用可能なラジカル重合開始剤
本発明のトナーを構成するコアやシェルを構成する樹脂は、前述の重合性単量体を重合して生成されるが、本発明に使用可能なラジカル重合開始剤には以下のものがある。具体的には油溶性重合開始剤としては、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス(t−ブチルペルオキシ)トリアジンなどの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤などを挙げられる。
また、乳化重合法で樹脂粒子を形成する場合は、水溶性ラジカル重合開始剤が使用可能である。水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸及びその塩、過酸化水素等を挙げることができる。
複合樹脂粒子を構成する樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。
連鎖移動剤としては特に限定されるものではなく、例えば、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル、ターピノーレン、四臭化炭素及びα−メチルスチレンダイマー等が使用される。
(5)分散安定剤
また、反応系中に重合性単量体等を適度に分散させておくために、分散安定剤を使用することも可能である。分散安定剤としては、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等を挙げることができる。更に、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、エチレンオキサイド付加物、高級アルコール硫酸ナトリウム等の界面活性剤として、一般的に使用されているものを分散安定剤として使用することができる。
本発明に用いられる界面活性剤について説明する。
前述のラジカル重合性単量体を使用して重合を行うためには、界面活性剤を使用して水系媒体中に油滴分散を行う必要がある。この際に使用することのできる界面活性剤としては特に限定されるものではないが、下記のイオン性界面活性剤を好適なものの例として挙げることができる。
イオン性界面活性剤としては、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム等)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム等)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等)が挙げられる。
また、ノニオン性界面活性剤も使用することができる。具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等を挙げることができる。
次に、本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法について説明する。本発明のトナーは、例えば、以下のような工程を経て作製されるものである。
(1)離型剤をラジカル重合性単量体に溶解あるいは分散する溶解/分散工程
(2)樹脂微粒子の分散液を調製するための重合工程
(3)水系媒体中で樹脂微粒子と着色剤粒子を凝集、融着させてコア粒子(会合粒子)を得る凝集・融着工程
(4)会合粒子を熱エネルギーにより熟成して形状を調整する第1の熟成工程
(5)コア粒子分散液中にシェル用の樹脂粒子を添加して、コア粒子表面にシェル用粒子を凝集、融着させて、コア・シェル構造の着色粒子を形成するシェル化工程
(6)コア・シェル構造の着色粒子を熱エネルギーにより熟成して、コア・シェル構造の着色粒子の形状を調整する第2の熟成工程
(7)冷却された着色粒子分散液から着色粒子を固液分離し、当該着色粒子から界面活性剤などを除去する洗浄工程
(8)洗浄処理された着色粒子を乾燥する乾燥工程、また必要に応じて乾燥工程の後に、(9)乾燥処理された着色粒子に外添剤を添加する工程を有する場合もある。
上記工程については、後で詳述する。
本発明のトナーを製造する場合、先ず樹脂粒子と着色剤粒子とを会合融着させてコアとなる粒子(以下、コア粒子という)を作製する。次に、コア粒子分散液中に樹脂粒子を添加して、コア粒子表面にこの樹脂粒子を凝集、融着させることにより、コア粒子表面を被覆してコア・シェル構造を有する着色粒子を作製する。このように、本発明のトナーは、各種製法で作製されたコア粒子の分散液中に樹脂粒子を添加して、コア粒子に融着させてコア・シェル構造のトナーを作製するものである。
本発明のトナーは前述してきたようにシェルの厚みが極めて薄く、且つ膜厚が一定していることが特徴であり、シェル形成後は粒径の一定した小粒径で形状の揃ったトナーが好ましい。このような構造と形状を有するトナーを作製するためには、コア粒子は極めて粒径の揃った均一な形状にしておき、そこにシェル用の樹脂粒子を添加してシェル化を行うことになる。そして、シェル化を行う時に最終的にトナーの形状制御を行って適切な形状を付与させるものであるが、それには粒径が揃った均一な形状を有するコア粒子を作製するのが最も重要である。このようなコア粒子であればその表面にシェルを形成する樹脂微粒子が均一に付着し、結果として極めて均一な膜厚を有するトナー粒子を作製することができる。
本発明のトナーを構成するコア粒子は、樹脂微粒子と着色剤粒子とを凝集、融着させる製法により作製される。コア粒子の形状は、例えば、凝集・融着工程の加熱温度、第1の熟成工程の加熱温度と時間を制御することにより制御される。
この中で、第1の熟成工程における時間制御が最も効果的である。熟成工程は会合粒子の円形度を調整することを目的としていることから、この時間を制御することにより目的の円形度に到達する。
本発明のトナーを構成するコア部は、例えば、樹脂を形成する重合性単量体に離型剤成分を溶解あるいは分散させた後、水系媒体中に機械的に微粒分散させ、ミニエマルション重合法により重合性単量体を重合させる工程を経て、形成した複合樹脂微粒子と着色剤粒子とを後述する塩析/融着させる方法が好ましく用いられる。重合性単量体中に離型剤成分を溶かすときは、離型剤成分を溶解させて溶かしても溶融して溶かしてもよい。
以下、本発明のトナーの各製造工程について説明する。
(1)溶解/分散工程
この工程では、ラジカル重合性単量体に離型剤を溶解させて、離型剤を混合したラジカル重合性単量体溶液を調製する工程である。
(2)重合工程
この重合工程の好適な一例においては、臨界ミセル濃度(CMC)以下の界面活性剤を含有した水系媒体中に、ワックスを溶解あるいは分散含有したラジカル重合性単量体溶液を添加し、機械的エネルギーを加えて液滴を形成させ、次いで水溶性のラジカル重合開始剤を添加し、当該液滴中において重合反応を進行させる。なお、前記液滴中に油溶性重合開始剤が含有されていてもよい。このような重合工程においては、機械的エネルギーを付与して強制的な乳化(液滴の形成)処理が必須となる。かかる機械的エネルギーの付与手段としては、ホモミキサー、超音波、マントンゴーリンなどの強い撹拌、または超音波振動エネルギーの付与手段を挙げることができる。
この重合工程により、ワックス(離型剤)と結着樹脂とを含有する樹脂微粒子が得られる。かかる樹脂微粒子は着色された微粒子であってもよく、着色されていない微粒子であってもよい。着色された樹脂微粒子は、着色剤を含有する単量体組成物を重合処理することにより得られる。また、着色されていない樹脂微粒子を使用する場合には、後述する凝集・融着工程において、樹脂微粒子の分散液に着色剤粒子の分散液を添加し、樹脂微粒子と着色剤粒子とを融着させることで着色粒子とすることができる。
(3)凝集・融着工程
前記融着工程における凝集、融着の方法としては、重合工程により得られた樹脂微粒子(着色または非着色の樹脂微粒子)を用いた塩析/融着法が好ましい。また、当該凝集・融着工程においては、樹脂微粒子や着色剤粒子とともに離型剤微粒子や荷電制御剤などの内添剤微粒子を凝集、融着させることができる。
なお、ここでいう「塩析/融着」とは、凝集と融着を並行して進め、所望の粒子径まで成長したところで凝集停止剤を添加して粒子成長を停止させ、更に必要に応じて粒子形状を制御するための加熱を継続して行うことをいう。
前記凝集・融着工程における「水系媒体」とは、主成分(50質量%以上)が水からなるものをいう。ここに、水以外の成分としては水に溶解する有機溶媒を挙げることができ、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
着色剤粒子は、着色剤を水系媒体中に分散することにより調製することができる。着色剤の分散処理は、水中で界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態で行われる。着色剤の分散処理に使用する分散機は特に限定されないが、好ましくは超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、サンドグラインダー、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。
また、使用される界面活性剤としては、前述の界面活性剤と同様のものを挙げることができる。なお、着色剤(微粒子)は表面改質されていてもよい。着色剤の表面改質法は溶媒中に着色剤を分散させ、その分散液中に表面改質剤を添加し、この系を昇温することにより反応させる。反応終了後、着色剤を濾別し、同一の溶媒で洗浄濾過を繰り返した後、乾燥することにより表面改質剤で処理された着色剤(顔料)が得られる。
好ましい凝集、融着方法である塩析/融着法は、樹脂微粒子と着色剤粒子とが存在している水中に、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩及び3価の塩等からなる塩析剤を臨界凝集濃度以上の凝集剤として添加し、次いで前記樹脂微粒子のガラス転移点以上であって、且つ前記混合物の融解ピーク温度(℃)以上の温度に加熱することで塩析を進行させると同時に融着を行う工程である。
ここで、塩析剤であるアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩は、アルカリ金属としてリチウム、カリウム、ナトリウム等が挙げられ、アルカリ土類金属としてマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられ、好ましくはカリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが挙げられる。
凝集、融着を塩析/融着で行う場合、塩析剤を添加した後に放置する時間をできるだけ短くすることが好ましい。この理由として明確ではないが、塩析した後の放置時間によって、粒子の凝集状態が変動し、粒径分布が不安定になったり、融着させたトナーの表面性が変動したりする問題が発生する。また、塩析剤を添加する温度としては少なくとも樹脂微粒子のガラス転移温度以下であることが必要である。この理由としては、塩析剤を添加する温度が樹脂微粒子のガラス転移温度以上であると樹脂微粒子の塩析/融着は速やかに進行するものの、粒径の制御を行うことができず、大粒径の粒子が発生したりする問題が発生する。この添加温度の範囲としては樹脂のガラス転移温度以下であればよいが、一般的には5〜55℃、好ましくは10〜45℃である。
また、塩析剤を樹脂微粒子のガラス転移温度以下で加え、その後にできるだけ速やかに昇温し、樹脂微粒子のガラス転移温度以上であって、且つ前記混合物の融解ピーク温度(℃)以上の温度に加熱する。この昇温までの時間としては1時間未満が好ましい。更に、昇温を速やかに行う必要があるが、昇温速度としては0.25℃/分以上が好ましい。上限としては特に明確ではないが、瞬時に温度を上げると塩析が急激に進行するため、粒径制御がやりにくいという問題があり、5℃/分以下が好ましい。この融着工程により、樹脂微粒子及び任意の微粒子が塩析/融着されてなる会合粒子(コア粒子)の分散液が得られる。
(4)第1の熟成工程
そして、本発明では、凝集・融着工程の加熱温度や特に第1の熟成工程の加熱温度と時間の制御することにより、粒径が一定で分布が狭く形成したコア粒子表面が平滑だが均一な形状を有するものになるように制御する。具体的には、凝集・融着工程で加熱温度を低めにして樹脂粒子同士の融着の進行を抑制させて均一化を促進させ、第1の熟成工程で加熱温度を低めに、且つ時間を長くしてコア粒子の表面が均一な形状のものに制御する。
(5)シェル化工程
シェル化工程では、コア粒子分散液中にシェル用の樹脂粒子分散液を添加してコア粒子表面にシェル用の樹脂粒子を凝集、融着させ、コア粒子表面にシェル用の樹脂粒子を被覆させて着色粒子を形成する。
具体的には、コア粒子分散液は上記凝集・融着工程及び第1の熟成工程での温度を維持した状態でシェル用樹脂粒子の分散液を添加し、加熱撹拌を継続しながら数時間かけてゆっくりとシェル用樹脂粒子をコア粒子表面に被覆させて着色粒子を形成する。加熱撹拌時間は1〜7時間が好ましく、3〜5時間が特に好ましい。
(6)第2の熟成工程
シェル化により着色粒子が所定の粒径になった段階で、塩化ナトリウムなどの停止剤を添加して粒子成長を停止させ、その後もコア粒子に付着させたシェル用樹脂粒子を融着させるために数時間加熱撹拌を継続する。そして、シェル化工程ではコア粒子表面に厚さが100〜300nmのシェルを形成する。このようにしてコア粒子表面に樹脂粒子を固着させてシェルを形成し、丸みを帯び、しかも形状の揃った着色粒子が形成される。
本発明では、第2の熟成工程の時間を長めに設定したり、熟成温度を高めに設定することで着色粒子の形状を真球方向に制御することが可能である。
(7)冷却工程・固液分離・洗浄工程
この工程は、前記着色粒子の分散液を冷却処理(急冷処理)する工程である。冷却処理条件としては、1〜20℃/minの冷却速度で冷却する。冷却処理方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法を例示することができる。
この固液分離・洗浄工程では、上記の工程で所定温度まで冷却された着色粒子の分散液から当該着色粒子を固液分離する固液分離処理と、固液分離されたトナーケーキ(ウエット状態にある着色粒子をケーキ状に凝集させた集合物)から界面活性剤や塩析剤などの付着物を除去する洗浄処理とが施される。ここに濾過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用して行う濾過法など特に限定されるものではない。
(8)乾燥工程
この工程は洗浄処理されたケーキを乾燥処理し、乾燥された着色粒子を得る工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などを使用することが好ましい。乾燥された着色粒子の水分は5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。なお、乾燥処理された着色粒子同士が弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
(9)外添処理工程
この工程は乾燥された着色粒子に必要に応じ外添剤を混合し、トナーを作製する工程である。外添剤の混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル等の機械式の混合装置を使用することができる。
複合樹脂粒子の質量平均粒径(分散粒子径)は、10〜1000nmの範囲にあることが好ましく、更に好ましくは30〜300nmの範囲とされる。この質量平均粒径は、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定された値である。
そして、上記のミニエマルション重合凝集法によるトナーの製造方法において、極性基を2つ以上有するビニル系重合性単量体を導入するには、下記(I)または(II)の工程において導入することが可能である。
(I)上記(2)重合工程において導入する方法。具体的には下記(I−ア)〜(I−ウ)の方法が挙げられる。
(II)上記(3)凝集・融着工程において導入する方法。具体的には下記(II−ア)及び(II−イ)の方法が挙げられる。
(I−ア)上記(2)重合工程においてミニエマルション重合処理を行う際に、ビニル系共重合体を形成すべきラジカル重合性単量体溶液による油滴に、予め重合された極性基を2つ以上有するビニル系重合性単量体を含む単量体により構成させたビニル系共重合体による微粒子を添加し、トナー粒子の中央部に導入する方法。
(I−イ)上記(2)重合工程において、先ず極性基を2つ以上有するビニル系重合性単量体を含むラジカル重合性単量体溶液を水系媒体中において、油滴化してミニエマルション重合処理を行って微粒子を得、次いで新たにラジカル重合性単量体を添加し、微粒子上にて乳化重合を行うことにより導入する方法。
(I−ウ)上記(2)重合工程においてビニル系共重合体についてのミニエマルション重合処理を行った後に、極性基を2つ以上有するビニル系重合性単量体を含むラジカル重合性単量体溶液を用いて乳化重合(多段階重合)を行うことにより、トナー粒子の表面近傍に導入する方法。
これらの内、(I−ア)の取り込み方法が好ましい。
(II−ア)上記(3)凝集・融着工程において、水系媒体中にて結着樹脂微粒子の添加と同時に極性基を2つ以上有するビニル系重合性単量体を含む単量体により形成された樹脂を添加し、これらを凝集させることによって導入する方法。
(II−イ)上記(3)凝集・融着工程において、水系媒体中にて結着樹脂微粒子の凝集を開始した後、凝集が完了する前の凝集工程途中において極性基を2つ以上有するビニル系重合性単量体を含む単量体により形成された樹脂微粒子を添加し、凝集させることによって導入する方法。
〔現像剤〕
本発明のトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。本発明のトナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。
また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなるバインダー型キャリアなど用いてもよい。コートキャリアを構成する被覆樹脂としては特に限定はないが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。また、バインダー型キャリアを構成するバインダー樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
図3は本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略図である。
図3に示すように、この画像形成装置1はタンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成ユニット9Y、9M、9C、9Kと、ベルト状の中間転写体6と給紙手段と搬送手段とトナーカートリッジ5Y、5M、5C、5K、本発明である定着装置10、及び操作部91等から構成されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成ユニット9Yは、像担持体(以下、感光体と称す)1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像装置4Y、転写手段7Y、クリーニング手段8Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成ユニット9Mは、感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像装置4M、転写手段7M、クリーニング手段8Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成ユニット9Cは、感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像装置4C、転写手段7C、クリーニング手段8Cを有する。黒色画像を形成する画像形成ユニット9Kは、感光体1K、帯電手段2K、露光手段3K、現像装置4K、転写手段7K、クリーニング手段8Kを有する。
中間転写体6は、複数のローラ6A、6B、6Cに巻回され、回動可能に支持されている。
画像形成ユニット9Y、9M、9C、9Kより形成された各色の画像は、回動する中間転写体6上に転写手段7Y、7M、7C、7Kにより逐次1次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。
給紙手段である給紙カセット20内に収容された用紙Pは、給紙ローラ21により一枚ずつ給紙され、レジストローラ22を経て、転写手段7Aに搬送され、用紙P上に前記カラー画像が2次転写される。
カラー画像が転写された前記用紙Pは定着装置10により定着処理され、搬送手段である搬送ローラ23、24を経て、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
以下に実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの態様に限定されるものではない。なお、以下の部とは質量部を表す。
《樹脂微粒子分散液(A1)の調製》
(1)第1段重合
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、予めアニオン系界面活性剤(ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム:SDS)2.0gをイオン交換水2900gに溶解させた界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
この界面活性剤溶液に重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)9.0gを添加し、内温を78℃とさせた後、
スチレン 551g
n−ブチルアクリレート 280g
メタクリル酸 44g
n−オクチルメルカプタン 19g
からなる単量体溶液〔1〕を3時間かけて滴下し、滴下終了後、78℃において1時間に亘って加熱・撹拌することによって、重合(第1段重合)を行って樹脂微粒子の分散液(樹脂微粒子分散液(a1))を調製した。
(2)第2段重合:中間層の形成
撹拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン104g、n−ブチルアクリレート53g、メタクリル酸8g、n−オクチルメルカプタン4gからなる単量体組成物に、離型剤としてパラフィンワックス「HNP−57」(日本精蝋社製)51gを添加し、85℃に加温して溶解させて単量体溶液〔2〕を調製した。
一方、アニオン系界面活性剤(ポリオキシ(2)ドデシルエーテル硫酸エステルナトリウム塩)2gをイオン交換水1100gに溶解させた界面活性剤溶液を90℃に加温し、この界面活性剤溶液に樹脂微粒子分散液(a1)を、樹脂微粒子の固形分換算で28g添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)により、前記単量体溶液〔2〕を4時間混合・分散させ、分散粒子径350nmの乳化粒子を含有する分散液を調製し、この分散液に重合開始剤(KPS)2.5gをイオン交換水110gに溶解させた開始剤水溶液を添加し、この系を90℃において2時間に亘って加熱・撹拌することによって、重合(第2段重合)を行って樹脂微粒子の分散液(樹脂微粒子分散液(a11))を調製した。
(3)第3段重合:外層の形成
上記の樹脂微粒子分散液(a11)に、重合開始剤(KPS)2.5gをイオン交換水110gに溶解させた開始剤水溶液を添加し、80℃の温度条件下において、
スチレン 231g
n−ブチルアクリレート 99g
n−オクチルメルカプタン 4.2g
からなる単量体溶液〔3〕を1時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間に亘って加熱・撹拌することによって重合(第3段重合)を行った後、28℃まで冷却し、多層構造を有する複合樹脂微粒子による樹脂微粒子分散液(A1)を得た。
この樹脂微粒子分散液(A1)を構成する複合樹脂微粒子のガラス転移点温度(Tg)は30.2℃であった。
《樹脂微粒子分散液(A2)の調製》
上記第3段重合において、単量体溶液〔3〕の組成を、スチレン241g、n−ブチルアクリレート89g、n−オクチルメルカプタン4.0gに変更したことの他は樹脂微粒子分散液の調製例A1と同様にして、樹脂微粒子分散液(A2)を得た。
この樹脂微粒子分散液(A2)を構成する複合樹脂微粒子のガラス転移点温度(Tg)は35.1℃であった。
《樹脂微粒子分散液(A3)の調製》
(1)第1段重合
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器において、スチレン121g、n−ブチルアクリレート46g、メタクリル酸9g、n−オクチルメルカプタン2.6gからなる単量体組成物に、離型剤としてパラフィンワックス「HNP−57」(日本精蝋社製)70gを添加し、80℃に加温して溶解させて単量体溶液〔1〕を調製した。
一方、アニオン系界面活性剤(ポリオキシ(2)ドデシルエーテル硫酸エステルナトリウム塩)1.5gをイオン交換水650gに溶解させた界面活性剤溶液を90℃に加温した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)により、前記単量体溶液〔1〕を3時間混合・分散させ、分散粒子径210nmの乳化粒子を含有する分散液を調製した。次いで、この分散液に90℃に加熱したイオン交換水700gを添加し、更に重合開始剤(KPS)3gをイオン交換水120gに溶解させた開始剤水溶液を添加し、この系を82℃とした後、3時間に亘って加熱・撹拌することによって、重合(第1段重合)を行って樹脂微粒子の分散液(樹脂微粒子分散液(a3))を調製した。
(2)第2段重合:外層の形成
上記の樹脂微粒子分散液(a3)に、重合開始剤(KPS)3gをイオン交換水120gに溶解させた開始剤水溶液を添加し、80℃の温度条件下において、
スチレン 248g
n−ブチルアクリレート 82g
n−オクチルメルカプタン 3.5g
からなる単量体溶液〔4〕を1時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間に亘って加熱・撹拌することによって、重合(第2段重合)を行った後、28℃まで冷却し、多層構造を有する複合樹脂微粒子による樹脂微粒子分散液(A3)を得た。
この樹脂微粒子分散液(A3)を構成する複合樹脂微粒子のガラス転移点温度(Tg)は40.3℃であった。
《樹脂微粒子分散液(AB1)の調製》
樹脂微粒子分散液(A1)の調製における第1段重合において、単量体溶液〔1〕の組成を、スチレン16g、メチルメタクリレート612g、n−ブチルアクリレート132g、イタコン酸40g、及びn−オクチルメルカプタン14gに変更したことの他は樹脂微粒子分散液の調製例A1と同様にして、樹脂微粒子分散液(AB1)を得た。この樹脂微粒子分散液(AB1)に含有される樹脂微粒子は、コア部はイタコン酸を含む単量体より形成される共重合体にからなり、その外殻としてビニル系共重合体によるシェル層状の樹脂層が形成されたものである。
この樹脂微粒子分散液(AB1)を構成するコア部のガラス転移点温度は62℃であり、シェル層状の樹脂層のガラス転移点温度は30.2℃であった。また、樹脂微粒子全体のガラス転移点温度は30.4℃であった。
Figure 0004867629
《樹脂微粒子分散液(B1)の調製》
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付けた5Lの反応容器に、予めアニオン系活性剤(SDS)2.7gをイオン交換水2800gに溶解させた界面活性剤溶液を投入し、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。一方、
スチレン 16g
メチルメタクリレート 612g
n−ブチルアクリレート 132g
イタコン酸 40g
n−オクチルメルカプタン 14g
を混合し、78℃に加温して溶解させ、単量体溶液を作製した。ここで循環経路を有する機械式分散機により、前記単量体溶液及び上記の加温された界面活性剤溶液を混合・分散させ、均一な分散粒子径を有する乳化粒子を作製した。次いで、重合開始剤(KPS)11.0gをイオン交換水400gに溶解させた溶液を添加し、78℃において2時間加熱・撹拌することによって樹脂微粒子分散液(B1)を得た。
この樹脂微粒子分散液(B1)を構成する樹脂微粒子のガラス転移点温度(Tg)は62℃であった。
《樹脂微粒子分散液(B2〜B10)の調製》
単量体溶液を構成する単量体の種類及び組成比を、表2に示すように変更したことの他は樹脂微粒子分散液(B1)の調製と同様にして、樹脂微粒子分散液(B2)〜(B10)を得た。これら樹脂微粒子分散液を構成する樹脂微粒子のガラス転移点温度(Tg)を表2に示す。
Figure 0004867629
《着色剤分散液(1)の調製》
ドデシル硫酸ナトリウム90gをイオン交換水1600gに撹拌溶解させた溶液に、撹拌下、カーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)420gを徐々に添加し、次いで撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤分散液(1)を得た。この着色剤分散液(1)中の着色剤の粒径を電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定した結果、質量平均径で110nmであった。
〔着色粒子1の作製〕
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、樹脂微粒子分散液(A1)を固形分換算で360gと、樹脂微粒子分散液(B1)を固形分換算で40gと、イオン交換水1100gと、着色剤分散液(1)200gを仕込み、液温を30℃に調整した後、5Mの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10.0に調整した。次いで、塩化マグネシウム60gをイオン交換水60gに溶解した水溶液を、撹拌下、30℃において10分間かけて添加した。その後、3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて80℃まで昇温し、80℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。
この状態で「コールターマルチサイザー3」(コールターベックマン社製)にて会合粒子の粒径を測定し、体積基準のメディアン径で6μmになった時点で塩化ナトリウム190gをイオン交換水760gに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、更に熟成工程として液温度80℃において加熱・撹拌させ、所望の円形度となった時点で30℃まで冷却し、撹拌を停止した。
生成した融着粒子を濾過し、イオン交換水による洗浄を行い、その後、「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)によって乾燥処理を行い、水分量が1.0質量%以下となるまで乾燥させて本発明に係る着色粒子1を得た。着色粒子1の体積平均メディアン径は6.0μm、円形度は0.955であった。
〔着色粒子2〜9、11〜14の作製〕
樹脂微粒子分散液(A1)〜(A3)と、樹脂微粒子分散液(B1)〜(B10)との組み合わせ及び組成比を、表3に示すように変更したことの他は着色粒子1の作製と同様にして、本発明に係る着色粒子2〜9、11比較用の着色粒子12〜14を得た。
〔着色粒子10の作製〕
樹脂微粒子分散液(A1)の固形分換算360gと樹脂微粒子分散液(B1)の固形分換算40gとを用いる代わりに、樹脂微粒子分散液(AB1)を固形分換算で400g用いたことの他は着色粒子1の作製と同様にして、着色粒子10を得た。
〔着色粒子の外添剤処理〕
本発明に係る着色粒子1〜11及び比較用の着色粒子12〜14の各々に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)を1質量%となる割合で添加すると共に、疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)を1質量%となる割合で添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工機社製)により混合し、その後、45μmの目開きのフルイを用いて粗大粒子を除去し、本発明のトナー1〜11、及び比較用のトナー12〜14を得た。
なお、これらのトナー1〜14について、疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンの添加によってはその形状及び粒径は変化しない。
得られたトナー1〜14の断面を透過型電子顕微鏡装置(TEM)によって観察し、ワックスの存在状態を確認した。トナーTspとあわせて表3に示す。
Figure 0004867629
〔現像剤の調製〕
本発明のトナー1〜11及び比較用のトナー12〜14について、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを、前記トナーの濃度が6質量%になるよう混合し、二成分現像剤である本発明に係る現像剤1〜11及び比較用の現像剤12〜14を調製した。
〔評価〕
評価は、デジタルカラー複合機bizhub PRO C500(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)に上記で作製したトナーを順番に装填し、20℃、55%RHの環境で以下の項目について行った。プリントは、画素率が10%の画像(文字画像が7%、人物顔写真、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にあるオリジナル画像)をA4版上質紙(64g/m2)に行った。
(低温定着性)
上記評価機の定着装置の加熱ローラ表面温度を、紙表面温度が80〜150℃の範囲内で10℃刻みで変化するように変更し、各変更温度でトナー画像を定着して定着画像を作製した。なお、プリント画像の作製に当たっては、A4版サイズの上質紙(80g/m2)を使用した。
定着して得られたプリント画像の定着強度を、「電子写真技術の基礎と応用:電子写真学会編」第9章1.4項に記載のメンディングテープ剥離法に準じた方法を用いて定着率により評価した。具体的には、トナーの付着量が0.6mg/cm2である2.54cm角のベタ黒プリント画像を作製した後、「スコッチメンディングテープ」(住友3M社製)で剥離する前後の画像濃度を測定し、画像濃度の残存率を定着率として求めた。
定着率が95%以上得られた「転写材(紙)表面温度」を最低定着温度とする。なお、転写材(紙)表面温度は非接触温度計で測定した。なお、画像濃度は反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)で測定した。最低定着温度が100℃以上のものを合格レベルとし、下記の判定基準により判定した。
◎:最低定着温度100℃未満での定着が可能
○:最低定着温度100℃以上、130℃未満での定着が可能
×:最低定着温度130℃以上での定着が可能。
(分離性(巻きつき防止))
定着用ヒートローラの表面温度を120℃にし、搬送方向に対して垂直方向に5cm幅のベタ黒帯状画像を有するA4画像を、縦送りで搬送した際における画像側の定着ローラと紙との分離性を下記の評価基準により判定した。◎〜△レベルを合格レベルとした。
◎:紙がカールすることなく分離爪に触れずに定着ローラと分離する
○:紙が定着ローラと分離爪で分離するが、画像上に分離爪の跡はない
△:紙が定着ローラと分離爪で分離するが、画像上の分離爪の跡はほとんど目立たない
×:紙が定着ローラと分離爪で分離し、画像上に分離爪跡が残る、もしくは定着ローラに巻きついてしまい定着ローラと分離できない。
Figure 0004867629
表4より、本発明のトナーは比較トナーに対して、低温定着性、分離性のいずれにおいても優れていることが分かる。
トナー中に最大ドメイン径のワックスが存在していることを示す模式的断面図である。 トナー表面から重心に向かって2μmの範囲内にワックスが存在することを示す模式断面図である。 本発明に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
符号の説明
1 画像形成装置
9Y、9M、9C、9K 画像形成ユニット
6 中間転写体
10 定着装置
20 給紙カセット
P 転写材

Claims (3)

  1. 重合工程あるいは凝集工程で加熱工程を経由する重合トナーで、結着樹脂中にワックスドメインを形成する静電荷像現像用トナーにおいて、前記トナーの軟化点Tspが90℃≦Tsp≦110℃であり、且つトナー粒子断面におけるワックスドメイン径のうち最大ドメイン径の面積をSw、該トナー粒子の断面積をSとしたとき、100個のトナー粒子につきSw/Sの平均値が、0.02≦(Sw/S)×100≦10の関係式を満たすことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. トナー断面におけるトナー表面から重心に向かって2μmの範囲内にワックス全体の30%以上が存在することを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナーであり、前記結着樹脂が重合性単量体成分として極性基を2つ以上有するビニル系重合性単量体を0.2〜4.0%含有した樹脂を含むことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
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