JP3423594B2 - 微粒子状着色組成物の製造方法、微粒子状着色組成物及びその用途 - Google Patents

微粒子状着色組成物の製造方法、微粒子状着色組成物及びその用途

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JP3423594B2 JP29791797A JP29791797A JP3423594B2 JP 3423594 B2 JP3423594 B2 JP 3423594B2 JP 29791797 A JP29791797 A JP 29791797A JP 29791797 A JP29791797 A JP 29791797A JP 3423594 B2 JP3423594 B2 JP 3423594B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微粒子状着色組成
物の製造方法、微粒子状着色組成物及びその用途に関
し、更に詳しくは単独では重合しにくい特定の単量体中
に着色剤等を微分散或は溶解するという製造工程によっ
て鮮明な、着色力に優れた微粒子状着色組成物を安全に
且つ経済的に製造することができる方法、特に電子写
真、電子印刷及び静電記録等に使用される現像剤或は粉
体状塗装剤用として有用な微粒状着色組成物の提供を目
的としている。
【0002】
【従来技術】従来、電子写真用乾式現像剤は、現像剤用
樹脂と色素とを充分混練して色素を現像剤用樹脂中に溶
解或いは分散させ、得られた着色樹脂を微粉砕し、所定
粒度に分級する所謂粉砕法と呼ばれる方法で製造されて
いる。この粉砕法は多くの工程を経て製造されることか
ら、製造工程が長く、又、多数の作業者を必要とし、経
済的な観点からは必ずしもと優れた方法とは云えなかっ
た。又、電子写真画像の品質、特にシャープ性や解像度
の向上のために現像剤の微粒子化への要望があるが、粉
砕法では、分級工程での粒度のコントロールは時間当た
りの生産性を考えると7〜8μm位に限界があり、且
つ、分級工程での粒度範囲を狭くしようとすると収率の
低下が避けられない。
【0003】又、これらの問題を解決するための一つの
手段として、樹脂の合成と着色、微粒子化を同時に行う
所謂重合法と呼ばれる製造方法が開発された。その一つ
は乳化重合により得られた乳化重合液に微分散したカー
ボンブラック顔料や電荷制御剤を混合し、着色乳化重合
液を加熱し、融着、凝集させることにより重合体粒子に
カーボンブラック顔料や電荷制御剤を共沈或は吸着させ
ると共に微粒子化する方法であり、他の方法は色素等を
分散させた付加重合性単量体を液滴の粒径を制御したO
/W型エマルジョンとし、懸濁重合法により着色微粒子
重合体とする方法である。前者の乳化重合液凝集法では
顔料等を重合体と凝集させるためフルカラー画像用現像
剤としては色調、冴え、鮮明性、透明性等の点で十分と
は言えず、後者の懸濁重合法が色素等を単量体中に分散
させた状態で重合させて着色重合体微粒子とすることか
らフルカラー画像用現像剤の製造法として好ましい方法
と言えた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この懸濁重合
法による現像剤の製造法においても、付加重合体中の顔
料等の分散は、実用上少なくとも破砕法による現像剤の
レベルか、それ以上に微細に分散する必要があり、その
ためには重合反応に先立ち、顔料等は予め付加重合性単
量体中に充分微細に分散させ、そのまま重合反応を行わ
ねばならない。現像剤のバインダー成分である付加重合
体としては、粉体特性、熱的特性、電気的特性等のトナ
ー性能や経済性等から、通常スチレン、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘ
キシル等の共重合体が使用されている。これらの共重合
体を構成する付加重合性単量体は、揮発性であり、引火
点が低く、又、熱や光の作用や金属等の触媒的作用をす
る物質に対して非常に不安定であり、作業環境や使用条
件、処理液の状況等により無触媒でも重合を起こすこと
があり、重合熱による昇温により不慮の事故を起こす危
険性も考えられる。
【0005】従って、安全性の点から通常の顔料分散に
使用される湿式媒体分散装置等は使用出来ず、比較的危
険性の少ないシェアのかからない、例えば、攪拌混合或
はそれに類似の分散方法で行わねばならず、そのため顔
料等の微分散化は不十分であり、フルカラー画像用現像
剤としては色調、冴え、鮮明性、透明性等の点で十分と
は言えない。又、得られた顔料の単量体分散液も経時的
変化として単量体の重合による増粘やゲル化を起こす虞
があり、顔料分散液を保存することは避けねばならな
い。懸濁重合法は顔料等の分散において上記のような安
全性、衛生性に問題を有し、製造工程及び品質的に解決
すべき点を有している。
【0006】本発明者等は上記したような懸濁重合法の
欠陥を克服し、特にフルカラー画像用現像剤として品質
に優れた電子写真用現像剤を経済的且つ合理的に大量生
産するための製造方法について鋭意検討した結果、顔料
等の安定且つ安全な分散媒として、特定の付加重合性単
量体がスチレン等とは共重合はするが、単独では重合を
起こしにくいと云う特異な性質を有することを利用する
ことで、該単量体中に微細に顔料を分散するにあたり、
湿式媒体分散装置等の通常の顔料微分散機を用いて最も
良い顔料分散条件で、安全で且つ安心して製造すること
が出来ることを見出した。次いで、常法に従って顔料等
を微細に分散した付加重合性単量体を懸濁重合すること
により着色微粒子重合体を製造することが出来た。この
方法により特にフルカラー画像用現像剤としては色調、
冴え、鮮明性、透明性等画質に優れ、制御された均一な
粒径等品質に優れた、歩留りの高い微粒子状着色組成物
を経済的に優れた合理化された製造工程にて大量生産し
得ることを見出した。本発明者らはかかる知見に基づ
き、微粒子状着色組成物、特に電子写真用現像剤或は粉
状塗装剤等の提供を目的として更に検討を重ねた結果、
本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、色素、
強磁性材料及び/又は電荷制御剤(以下色素等と称す
る)を含む付加重合性単量体を不均一系付加重合反応に
より重合し、色素等を重合体成分中に溶解あるいは微細
に分散させた着色重合体微粒子からなる微粒子状着色組
成物の製造方法に於て、該付加重合性単量体は、マレイ
ン酸、フマル酸、マレイン酸及びフマル酸のモノエステ
ル、ジエステル、モノアミド、ジアミド、モノエステル
モノアミド及びイミドからなる群から選ばれる一種又は
二種以上の単独では実質的に重合しにくい付加重合性共
単量体(A)及びそれと共重合し得る他の一種ないし二
種以上の付加重合性共単量体(B)よりなり、重合反応
に先立って付加重合性共単量体(A)中に色素等を分散
させて色素等の単量体分散液とし、該色素等の単量体分
散液と付加重合性共単量体(B)とを均一に混合し、付
加重合させることを特徴とする微粒子状着色組成物の製
造方法、該製造方法により得られる着色組成物、及びそ
の用途である。
【0008】以上の如き本発明によれば、重合法による
微粒子状着色組成物の製造方法であり、且つ、該重合に
先立って顔料等を微細に分散出来ることから、経済的に
優れた合理化された大量生産のための製造工程にて、色
素の分散性が良く、均一な色調及び濃度を有する画像を
与える着色組成物を提供することができる。又、本発明
の微粒子状着色組成物は、現像剤のみに用途限定される
ものではなく、静電粉体塗料、流動粉体塗料、微粒子着
色樹脂顔料等、他の着色用途においても有用である。
【0009】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施の形態を挙げて
本発明を更に詳細に説明する。本発明を特徴づける付加
重合性共単量体(A)とは、他の一種ないし二種以上の
付加重合性共単量体(B)とは共重合はするが、それ単
独では実質的に重合しにくい単量体である。従って付加
重合性共単量体(A)は、単独で使用することにより顔
料等の安定且つ安全な分散媒として使用することが出来
る。
【0010】付加重合性単量体の単独重合性及び共重合
性については、その付加重合性単量体の共重合反応比を
見ることによって判断される。単量体1が単量体2と共
重合する時、共重合体の組成と単量体混合物の組成との
関係は下記の式で与えられる。 (但し、m1 は共重合体中の単量体1のモル、m2 は共
重合体中の単量体2のモルを示し、M1 は単量体混合物
中の単量体1のモル、M2 は単量体混合物中の単量体2
のモルを示し、r1及びr2は単量体反応性比を示す。)
【0011】どのような単量体ペアについても、単量体
反応性比r1及びr2は以下の式で定義される異なる鎖長延
長反応の速度定数の比である。 〜M1・ + M1 → 〜M11・ 反応速度定数 k11 〜M1・ + M2 → 〜M12・ 反応速度定数 k12 〜M2・ + M2 → 〜M22・ 反応速度定数 k22 〜M2・ + M1 → 〜M21・ 反応速度定数 k21 r1 =k11/k12 r2 =k22/k21 (但し、〜M・ は単量体M由来の鎖長延長ポリマー鎖を
示す。) [付加重合性共単量体に対する単量体反応性比について
は、J.Brandrup、 E.I.Immergut編「ポリマーハンドブッ
ク」第2版(ア・ウイリー・インターサイエンス・パブ
リケーション社、1975年発行)、II−105頁の
Lewis J. Young執筆の「共重合反応比」(COPOLYMERIZ
ATION REACTIVITY RATIOS)の記載を参照されたい。]
【0012】即ち、単量体(A)と単量体(B)の単量
体反応比r1とは、共重合体分子鎖の末端が単量体(A)
であった時、別の単量体(B)と共重合する反応速度定
数(k12)に対する同じ単量体(A)と重合する反応速
度定数(k11)の対比を示しており、r2は単量体(B)
末端に共単量体(A)が共重合する反応速度定数
(k21)に対する同じ単量体(B)が重合する反応速度
定数(k22)の対比を示している。
【0013】例えば、通常使用されるエステル系単量体
類の共単量体としてスチレンを用いた場合の単量体反応
性比は、表1に示すように、メタアクリル酸エステル類
では、r1 は凡そ0.3〜0.7、r2 は凡そ0.4〜
0.6であり、アクリル酸エステル類ではr1 は凡そ
0.2〜0.3、r2 は凡そ0.8〜0.9であり、こ
れらの単量体は共重合と共に重合開始のきっかけがあれ
ば単独重合も容易に起こり得ることを示している。
【0014】
【表1】
【0015】これに対して、マレイン酸エステル類やフ
マル酸エステル類は特異的な単量体反応性比を示す。そ
の例としてスチレンを共単量体とした時の単量体反応性
比r1 及びr2 を表2に示した。
【0016】
【表2】
【0017】表2において、単量体反応性比r1 が0〜
0.05の値を示し、r2 が0.2〜8.5の値を示し
ていることから、ポリマー鎖末端のマレイン酸エステル
ラジカルやフマル酸エステルラジカルは共単量体である
スチレンには鎖長延長して重合を進めるものの、同じマ
レイン酸エステルやフマル酸エステル単量体には鎖長延
長しないか非常にしにくいことを示していると云える。
従って、これらのマレイン酸エステル類やフマル酸エス
テル類の単量体はスチレン等の他の共単量体と重合系を
組んで共重合させることが出来る。更に、マレイン酸エ
ステル類やフマル酸エステル類は単独で取り扱ってい
て、熱、光や触媒的作用等重合開始のきっかけがあって
も単独重合反応は実質的に起こらないか、非常に起こり
にくいことを示しており、取扱上非常に安定で、安全な
単量体であると言える。
【0018】上記した単独では実質的に重合しにくい単
量体である付加重合性共単量体(A)としては、マレイ
ン酸、フマル酸、及びそれらの誘導体、例えばマレイン
酸及びはフマル酸の脂肪族(炭素数1〜30)、芳香族
(炭素数6〜20)及び脂環式(炭素数6〜20)の炭
化水素基、脂肪族、芳香族及び脂環式炭化水素基を結合
したオキシアルキル(炭素数1〜20)基、脂肪族、芳
香族及び脂環式炭化水素基を結合したオキシポリアルキ
レンオキシド(炭素数2〜4)基、或はヒドロキシポリ
アルキレンオキシド(炭素数2〜4)基等を有するモノ
エステル、ジエステル、モノアミド、ジアミド、モノエ
ステルモノアミド及びイミド等が挙げられる。
【0019】上記した色素等を溶解或は微分散するため
の液状媒体として、主体として使用されるに好ましい単
量体としては、例えば、マレイン酸ジメチル、マレイン
酸及びフマル酸のジエチル、ジプロピル、ジイソプロピ
ル、ジブチル、ジ(2−エチルヘキシル)、ジシクロヘ
キシル、ジベンジル、ジメトキシエチル、ジエトキシエ
チル、ジプロポキシエチル、ジブトキシエチル、ジベン
ジルオキシエチル、ジメトキシプロピル、ジトキシプロ
ピル、ジプロポキシプロピル、ジブトキシプロピル、ジ
ベンジルオキシプロピル等の各エステル類等である。
【0020】微粒子状着色組成物を製造するに当たり、
共重合体微粒子中に色素或は更に電荷制御剤を溶解ある
いは微細に分散させ、該微粒子に着色或は更に荷電制御
性を付与することが課題であったが、その方法として、
上記のマレイン酸エステル類やフマル酸エステル類等の
如き単独では実質的に重合しにくい付加重合性共単量体
(A)を単独で色素等の溶解媒体或は分散媒体として使
用することにより、高品質の色素等の溶液或は分散液を
安定且つ安全に製造することが出来ることを見出した。
【0021】その具体的な方法の例を以下に挙げる。 (1)重合反応に先立って付加重合性共単量体(A)中
に色素等を予め溶解或は微細に分散して色素等の単量体
溶液或は分散液とする。重合反応時に該色素等の単量体
溶液或は分散液と付加重合性共単量体(B)及び残余の
単量体或は更に他の添加成分とを均一に混合し、懸濁重
合、分散重合等の不均一系付加重合法によって重合を行
い、色素等を共重合体中に溶解あるいは微細に分散させ
た着色重合体微粒子とする方法。付加重合性共単量体
(A)中の色素等の濃度は、色素等の種類、重合体中の
含有量及び該単量体に色素等を溶解或は分散させるため
に使用する機械の種類等によって、通常の色素等の溶液
或は分散液を調製する場合と同様に、粘性や流動性を見
ながら適切な範囲は決められるものであるが、凡そ1〜
50重量%、好ましくは凡そ10〜40重量%である。
【0022】(2)重合反応に先立って付加重合性共単
量体(A)中に色素等を分散助剤と共に予め溶解あるい
は微細に分散して色素等の単量体溶液或は分散液とす
る。重合反応時に該色素等の単量体溶液或は分散液と付
加重合性共単量体(B)及び残余の単量体或は更に他の
添加成分とを均一に混合し、懸濁重合、分散重合等の不
均一系付加重合法によって重合を行い、色素等を共重合
体中に溶解あるいは微細に分散させた着色重合体微粒子
とする方法。分散助剤としては単量体に可溶な界面活性
剤も使用され得るが、着色重合体微粒子に使用され得る
樹脂成分が好ましい。界面活性剤の場合の使用量として
は、色素等の凡そ10重量%〜100重量%である。樹
脂系分散助剤としてはスチレン−メタクリル酸エステル
共重合体等のような単量体可溶性の付加重合体の他、同
様な性質を有するビスフェノールA系ポリエステル等の
縮合重合体も使用され、その使用量としては、色素等の
凡そ10重量%〜10倍位である。又、付加重合性共単
量体(A)中の色素等の濃度は、方法(1)の場合と同
様である。
【0023】(3)予め色素及び/又は電荷制御剤を着
色重合体微粒子に使用され得る樹脂成分中に高濃度に微
分散させた色素等の高濃度組成物を得、それを使用する
付加重合性共単量体(A)中に溶解、微分散させた後、
上記(1)と同様にして付加重合性共単量体(B)及び
残余の単量体或は更に他の添加成分とを均一に混合し、
懸濁重合、分散重合等の不均一付加重合法によって重合
を行い、色素等を共重合体中に溶解あるいは微細に分散
させた着色重合体微粒子とする方法。上記樹脂成分とし
てはスチレン−メタクリル酸エステル共重合体等のよう
な熱溶融性と単量体可溶性を兼ね備えた付加重合体の
他、同様な性質を有するビスフェノールA系ポリエステ
ル等の縮合重合体も使用され、その使用量としては、色
素等の凡そ25重量%〜10倍位の量である。色素等の
高濃度組成物は、色素等を樹脂中に熱溶融混練する方法
及び樹脂成分と湿式で分散した後、乾燥する方法等によ
って作られる。
【0024】色素等の分散に使用される分散機として
は、例えば、セラミックビーズ、ガラスビーズ、スチー
ルボール等を用いる湿式の媒体分散法があり、ボールミ
ル、サンドミル、アトライター、横形連続媒体分散機、
縦形連続媒体分散機等が挙げられる。色素等の高濃度組
成物が粘稠である場合には、3本ロール、2本ロール等
も使用される。熱溶融混練型の分散機としては、3本ロ
ール、2本ロール、加熱ニーダー、加圧加熱ニーダー、
バンバリーミキサー、一軸押出機、二軸押出機等の混練
分散機等の従来公知のものが使用される。又、顔料の水
性ペーストを上記の分散用樹脂を含むマレイン酸エステ
ル、フマル酸エステル等や溶融した樹脂でフラッシング
する方法も好ましい方法である。尚、上記した色素等の
分散媒体としてマレイン酸エステルやフマル酸エステル
等を使用するに際して、単量体反応性比から見て分散中
に重合反応等を引き起こす恐れのない範囲に於て付加重
合性共単量体(B)を添加し、使用することも本発明の
達成を妨げない。
【0025】着色重合体微粒子とする重合反応は、従来
公知の不均一系重合法でなされるが、特に懸濁重合、分
散重合等の水系不均一系重合法が好ましい。本発明に於
ては、着色重合体微粒子の粒子の大きさは、その使用さ
れる目的によって決められ、特に制限されない。例え
ば、微粒子状着色組成物が乾式現像剤等として使用され
る場合には、平均粒径は通常凡そ3〜20μm、好まし
くは5〜10μmである。又、湿式現像剤等の場合に
は、平均粒径は通常凡そ0.5〜10μm、好ましくは
1〜5μmである。
【0026】又、特許願平8−248531号に記載さ
れているような粉体塗料等の微粒子状コーティング材の
場合には、目的によって異なるが、平均粒径は通常凡そ
3〜30μmであり、目的が単色の被覆の場合は通常凡
そ15〜25μm、ベースカラーによる調色を兼ねた被
覆の場合は通常凡そ5〜15μm、凹凸模様又は斑模様
のような化粧の場合は通常凡そ15〜30μmである。
【0027】上記において、粉体状態で使用される着色
重合体微粒子を構成する重合体成分は、高ガラス転移点
と溶融粘着性等の熱的性質を有することが必要である。
高ガラス転移点は、夏の季節、暑い地域或は高温で暑い
職場等温度の高い使用環境でのトナーの保存ないし使用
中に固まってしまうブロッキング現象に対して優れた性
質をもたらすものである。溶融粘着性は物品に対して固
着したり、皮膜形成をする性質をもたらすものである。
【0028】粉体状着色重合体微粒子の熱的性質は、保
管或は使用時の温度、荷重等の条件及び固着、成膜或は
焼き付け条件等により異なるが、着色重合体微粒子のガ
ラス転移点は通常凡そ50〜100℃程度であり、着色
重合体微粒子の使用目的によって最適なガラス転移点に
設定する。例えば、現像剤として使用する場合には通常
凡そ55〜65℃の範囲が、粉体塗料では通常凡そ65
〜75℃の範囲がそれぞれ好ましい。又、着色重合体微
粒子の軟化点は、通常凡そ100〜150℃の範囲であ
り、好ましくは凡そ100〜130℃の範囲である。
【0029】本発明に於ては、前記したマレイン酸エス
テルやフマル酸エステル等の付加重合性共単量体(A)
と共重合し得る付加重合性共単量体(B)が使用される
が、上記した性質をもたらす共単量体(B)としては、
以下に述べるような単量体が挙げられる。重合体が高ガ
ラス転移点をもたらす単量体としては、重合体のガラス
転移点が凡そ100℃以上となる従来公知の単量体がい
ずれも使用出来、例えば、スチレン、ビニルトルエン、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸t−ブチル、メタク
リル酸イソボルニル等が挙げられ、特にスチレンが好ま
しい。又、溶融粘着性を付与するために共重合体の溶融
点を下げてコントロールする単量体としては、重合体の
ガラス転移点が凡そ20℃以下となる従来公知の単量体
がいずれも使用出来、例えば、メタクリル酸ブチル、メ
タクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
2−エチルヘキシル等が挙げられる。更に、必要に応
じ、例えば、耐ブロッキング性等の性質の改良にジビニ
ルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ト
リメチロールプロパントリメタクリレート等の架橋形成
性単量体を、全単量体に対して通常凡そ0.1〜5重量
%添加して使用することが出来る。
【0030】尚、本発明における付加重合性共単量体
(A)の使用目的は、安全に色素等を単量体中に溶解或
は分散させることであり、その使用量は、生成する共重
合体中に含有させる色素等の量、共単量体(A)に溶解
或は分散させる色素等の濃度によって相違する。又、共
単量体(A)の使用量に対応する付加重合性共単量体
(B)の使用量は、少なくとも使用する共単量体(A)
を共単量体(B)と共重合させて生成共重合体中に取り
込むに必要な量でなければならない。この場合、共単量
体(B)の使用量は、共単量体(B)と共単量体(A)
との組合せ、更にその、重合条件によって、単量体反応
性比が異なることから、一義的に決めることは困難であ
る。従って、本発明においては、付加重合性共単量体
(A)と付加重合性共単量体(B)の使用割合を一義的
に決めることは困難であり、上記の事項を考慮して適切
な割合を決めることが必要である。
【0031】又、色素等を特に分散機等を使用して分散
処理等を行う場合には、事故の危険性を考慮しなければ
ならないが、消防法上の危険物として基準となる沸点及
び引火点は、マレイン酸ジメチル(沸点205℃(76
0mmHg);引火点113℃)、マレイン酸ジエチル
(225℃(760mmHg);121℃)、マレイン
酸ジブチル(281℃(760mmHg);138
℃)、マレイン酸ジ(2−エチルヘキシル)(158℃
(2mmHg);180℃)、フマル酸ジエチル(21
8.5℃(760mmHg);103℃)、フマル酸ジ
ブチル(281℃(760mmHg);138℃)、フ
マル酸ジ(2−エチルヘキシル)(197℃(5mmH
g);182℃)等であり、いずれも沸点及び引火点が
高く、蒸気圧が小さく臭気が温和であることから、分散
媒体として取扱上や貯蔵の点で扱い易い利点を有する。
【0032】本発明に於ては、着色重合体微粒子中には
必要な添加剤、例えば前記に於て色素等と略称した色
素、強磁性材料及び/又は電荷制御剤等が含有される。
色素等としては有彩色、黒色の油溶性染料、分散性染
料、呈色性化合物、有機顔料、無機顔料及びカーボンブ
ラック顔料、黒色或は茶色の微細強磁性材料、白色の有
機顔料及び無機顔料等であって、該微粒子の使用目的に
よりそれらの1種ないし2種以上を選んで使用する。
又、強磁性材料とは、磁性酸化鉄、磁性金属、磁性酸化
クロム等から選ばれた従来公知の強磁性材料である。本
発明で使用する顔料としては、従来公知の有彩色及び黒
色乃至は白色の顔料が使用され、例えば、アゾ系、アゾ
メチン基を含むアゾ系、アゾメチン系、アンスラキノン
系、フタロシアニン系、ペリノン・ペリレン系、インジ
ゴ・チオインジゴ系、ジオキサジン系、キナクリドン
系、イソインドリノン系、アニリンブラック系等の顔料
及び酸化鉄系顔料、微細強磁性材料、スピネル構造系顔
料、カーボンブラック系顔料、酸化チタン系顔料等が挙
げられる。
【0033】画像記録剤における色素及び荷電制御剤の
含有率は記録剤の種類によって異なるが、夫々の従来公
知の含有率で行われる。含有率は通常凡そ1〜20重量
%である。尚、荷電制御剤は、画像記録剤に於ける従来
公知のものがいずれも使用出来、特に制限されない。電
子写真用乾式現像剤等において顔料を使用した場合の含
有量としては、通常凡そ1〜20重量%、好ましくは2
〜8重量%程度であり、荷電制御剤の含有率は通常凡そ
1〜10重量%、好ましくは凡そ2〜6重量%である。
静電記録用湿式現像剤等において顔料を使用した場合の
含有量としては、濃厚原液で通常凡そ1〜20重量%、
好ましくは3〜10重量%程度であり、通常は更に希釈
液で10〜30倍に希釈して使用される。粉体状塗装剤
等において、無機顔料を使用した場合の含有量として
は、通常凡そ1〜50重量%、有機顔料を使用した場合
には、通常凡そ0.01〜10重量%程度である。
【0034】又、着色重合体微粒子を粉体状塗装剤に使
用する場合には、重合時に単量体中に必要に応じて従来
公知の添加剤、例えばカルボン酸、アミン、ブロックイ
ソシアナート、アミド、酸ジヒドラジド或はイミダゾー
ル化合物等の樹脂の硬化剤、流展剤、発泡防止剤等を添
加することが出来る。
【0035】上記の方法で得られる本発明の微粒子状着
色組成物は、乾式及び湿式の微粒子状で使用される用途
に好適である。具体的には、電子写真複写機、簡易電子
印刷機或はパーソナルコンピューター用のプリンター等
に使用される現像剤、或は、自動車、電化製品、機械部
品、家庭用家具、事務用備品及び家具、建築材料、門
扉、フェンス等の各種金属材料への粉体状塗装剤等であ
る。着色重合体微粒子は必要に応じて、上記したような
その使用目的に応じて更に従来公知の方法に準じて後処
理され、使用用途に適した微粒子状着色組成物とされ
る。例えば、乾式現像剤等の電子写真用現像剤として使
用する際には、公知の流動化剤、強磁性材料等の添加が
なされ、粉体塗料に於ても流動化のための外添剤が添加
される。又、着色重合体微粒子の乾燥物が凝集している
場合には粉砕や分級がなされる。
【0036】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を具体
的に説明する。尚、文中、部又は%とあるのは重量基準
である。 実施例1 (1)青色顔料の高濃度単量体分散液の製造 マレイン酸ジブチル60部を容器に採り、スチレン−メ
タクリル酸ベンジル−メタクリル酸2−エチルヘキシル
(重量比70:20:10)共重合体20部を加えて溶
解させた。そこに銅フタロシアニンブルー顔料(C.
I.ピグメントブルー15−3)17部及びフタルイミ
ドメチル化銅フタロシアニンブルー顔料(フタルイミド
メチル基数、平均2個/モル)3部を加えて攪拌し、混
合した。それを連続式横形湿式ビーズ媒体分散機を用い
て充分に微細に分散し、青色顔料の高濃度単量体分散液
(BLM−1)を得た。上記高濃度青色顔料単量体分散
液はマレイン酸ジブチルを分散媒として使用しているこ
とから、製造時においても該単量体の重合による増粘や
ゲル化の心配はなく安定に製造出来、又、経時的にも重
合による増粘やゲル化は起こらず長期保存に対しても安
定であった。
【0037】(2)負電荷制御剤の単量体高濃度分散液
の製造 同様にしてマレイン酸ジブチル60部にスチレン−メタ
クリル酸ベンジル−メタクリル酸2−エチルヘキシル
(重量比70:20:10)共重合体20部を溶解さ
せ、そこにクロム錯塩系負電荷制御剤20部を加えて攪
拌、混合した。連続式横形湿式ビーズ媒体分散機を用い
て更に微細に分散し、負電荷制御剤の高濃度単量体分散
液(CCM−1)を得た。この単量体分散液も高濃度青
色顔料単量体分散液と同様にマレイン酸ジブチルを分散
媒として使用していることから製造時においても安定に
製造出来、又長期保存に対しても安定であった。
【0038】(3)懸濁重合法による乾式現像剤の製造 上記で得た青色顔料の高濃度単量体分散液(BLM−
1)21.0部と負電荷制御剤の高濃度単量体分散液
(CCM−1)15.0部及びマレイン酸ジブチル6.
2部を充分に攪拌、混合した。そこにスチレン65.0
部、ラウリルメルカプタン1.5部及びアゾイソブチロ
ニトリル2.0部を添加し、均一になるように充分に攪
拌、混合した。4%コロイダルシリカ水分散液を200
部を準備し、高剪断力高速攪拌機で攪拌しつつ上記で得
た青色顔料及び電荷制御剤を含む単量体分散液110.
7部を徐々に添加し、水中油滴型のエマルジョンを調製
した。エマルジョンの油滴の大きさが凡そ7〜9μm位
になるように攪拌の速度及び攪拌時間を調整した。
【0039】攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、蛇管コ
ンデンサー及び滴下濾斗の付いた重合反応装置に4%コ
ロイダルシリカ水分散液200部及び上記で得た青色エ
マルジョン310.7部の凡そ3分の1を仕込み、75
〜80℃にて2時間重合反応を行った。次いで、残りの
凡そ3分の2の青色エマルジョンを滴下濾斗より3時間
かけて滴下させ、更に1時間攪拌を続け、次いで30分
かけて85℃に昇温し1時間攪拌して重合反応を完結さ
せた。生成した重合物を濾別し、水酸化ナトリウム水溶
液で洗浄してシリカを除去し、充分水洗した後、乾燥し
て平均粒子径凡そ8μmの本発明の青色重合体の微粉末
を得た。
【0040】乾式現像剤の常法に従って流動化剤として
コロイダルシリカを添加し、キャリアの磁性鉄粉と混合
し、シアン色電子写真乾式現像剤とした。上記で得たシ
アン色電子写真乾式現像剤を使用して負荷電二成分フル
カラー現像剤用複写機にて紙に複写し、鮮明なシアン色
画像を得た。又、オーバーヘッドプロジェクター(OH
P)用透明ポリエステルフィルムに複写し、オーバーヘ
ッドプロジェクターにて投影したところ、スクリーンに
鮮明なシアン色の映像が得られた。上記で使用したマレ
イン酸ジブチルに代えて、フマル酸ジブチルを使用して
上記と同様にして顔料の分散、重合反応及び後処理を行
い、シアン色電子写真乾式現像剤を得た。同様に複写機
にて紙に複写し、鮮明なシアン色画像を得た。又、OH
P用透明ポリエステルフィルムに複写し、OHPにて投
影し、スクリーンに鮮明なシアン色の映像を得た。
【0041】実施例2 (1)赤色、黄色及び黒色顔料の高濃度単量体分散液の
製造 実施例1の(1)で述べた方法に従って表3に示した材
料を使用し、連続式横形湿式ビーズ媒体分散機を用いて
各々顔料含有率40%の赤色、黄色及び黒色顔料の高濃
度単量体分散液を調製した。
【0042】
【表3】
【0043】(2)懸濁重合法によるマゼンタ色、黄色
及び黒色乾式現像剤の製造 表4に示した各々の色の現像剤の材料を使用して、実施
例1の(3)で述べた方法に従って、顔料の高濃度単量
体分散液、負電荷制御剤の高濃度単量体分散液、マレイ
ン酸ジブチル、スチレン及びアゾイソブチロニトリルを
均一に混合し、それを高剪断力高速攪拌機を用いて、別
に準備したコロイダルシリカ水分散液中に添加し、油滴
が凡そ7〜9μm位の水中油滴型のエマルジョンを調製
した。実施例1の(3)に使用した重合反応装置にコロ
イダルシリカ水分散液及び着色エマルジョンの凡そ3分
の1を仕込み、75〜80℃にて重合反応を行い、次い
で残りの凡そ3分の2の着色エマルジョンを滴下して重
合を続け、85℃に昇温し反応を続け、重合反応を完結
させた。生成した重合物を濾別、水酸化ナトリウム水溶
液で洗浄してシリカを除去し、水洗、乾燥して平均粒子
径凡そ8μmの各々の色の着色重合体の微粉末を得た。
乾式現像剤の常法に従って流動化剤としてコロイダルシ
リカを添加し、キャリアの磁性鉄粉と混合し、夫々マゼ
ンタ色、黄色、黒色の電子写真乾式現像剤を調製した。
【0044】
【表4】現像剤の製造に使用した材料の部数及び現像し
た画像の色
【0045】実施例1と同様にして上記の懸濁重合法に
よって得られた三色の乾式現像剤を使用して、負荷電二
成分フルカラー現像剤用複写機にて夫々単色の画像を複
写し、各々鮮明なマゼンタ色、黄色及び黒色の単色画像
が得られた。又、同様にしてOHPフイルム上に複写し
たところ、夫々スクリーンに鮮明な映像を映す画像が得
られた。実施例1で得られたシアン色現像剤及び上記で
得たマゼンタ色、黄色及び黒色の乾式現像剤を使用して
負荷電二成分フルカラー現像剤用複写機にて複写し、鮮
明な4色フルカラー画像が得られた。又、同様なフルカ
ラー画像をOHPフイルムに形成したところ、スクリー
ンに鮮明な映像を映す画像が得られた。又、パーソナル
コンピューターのフルカラー映像を、上記の4色フルカ
ラー乾式現像剤を用いた負荷電二成分フルカラー乾式プ
リンターを使用して鮮明なフルカラー画像として出力さ
せた。上記で使用したマレイン酸ジブチルに代えてフマ
ル酸ジブチルを使用し、上記と同様にして顔料の分散、
重合反応及び後処理を行い、マゼンタ色、黄色及び黒色
電子写真乾式現像剤を得た。上記と同様にして複写機に
て紙に複写し、鮮明な4色フルカラー画像を得、又、O
HP用透明ポリエステルフィルムに複写し、OHPにて
投影し、スクリーンに鮮明なフルカラーの映像を得た。
又、プリンターを使用して鮮明なフルカラー画像として
出力させた。
【0046】実施例3 (1)顔料高濃度分散樹脂組成物の製造 下記の表5に示した処方に従って、実施例1で使用した
スチレン−メタクリル酸ベンジル−メタクリル酸2−エ
チルヘキシル共重合体の微粉末及び各々の顔料を高速混
合機にて予備混合後、加熱三本ロールにより充分混練
し、冷却、微粉砕して、顔料を30重量%の濃度で含有
する高濃度顔料分散樹脂組成物の微粉末を得た。これを
スライドグラスに乗せて加熱溶融させて顕微鏡で観察し
たところ、顔料粒子は微細に分散しており、粗大粒子は
認められなかった。
【0047】
【表5】
【0048】(2)顔料高濃度単量体分散液及び電荷制
御剤単量体高濃度分散液の製造 下記の表6に記す処方に従い、マレイン酸ジブチルを容
器に採り、上記で得られた顔料高濃度分散樹脂組成物及
び電荷制御剤高濃度分散樹脂組成物を添加、攪拌して溶
解させた。三本ロールミルを通し、夫々顔料の高濃度単
量体分散液及び電荷制御剤単量体高濃度分散液を得た。
【0049】
【表6】
【0050】(3)懸濁重合法によるシアン色、マゼン
タ色、黄色及び黒色乾式現像剤の製造 表7に示した各々の色の現像剤の材料を使用して、実施
例1の(3)で述べた方法に従って、顔料の高濃度単量
体分散液、負電荷制御剤の高濃度単量体分散液、マレイ
ン酸ジブチル、スチレン及びアゾイソブチロニトリルを
均一に混合し、それを高剪断力高速攪拌機を用いて、別
に準備したコロイダルシリカ水分散液中に添加し、油滴
が凡そ7〜9μm位の水中油滴型のエマルジョンを調製
した。実施例1の(3)に使用した重合反応装置にコロ
イダルシリカ水分散液及び着色エマルジョンの凡そ3分
の1を仕込み75〜80℃にて重合反応を行い、次いで
残りの凡そ3分の2の着色エマルジョンを滴下して重合
を続け、85℃に昇温し反応を続け、重合反応を完結さ
せた。生成した重合物を濾別、水酸化ナトリウム水溶液
で洗浄してシリカを除去し、水洗、乾燥して平均粒子径
凡そ8μmの各々の色の着色重合体の微粉末を得た。乾
式現像剤の常法に従って流動化剤としてコロイダルシリ
カを添加し、キャリアの磁性鉄粉と混合し、夫々シアン
色、マゼンタ色、黄色、黒色の電子写真乾式現像剤を調
製した。
【0051】
【表7】現像剤の製造に使用した材料の部数及び現像し
た画像の色
【0052】実施例1と同様にして上記の懸濁重合法に
よって得られた四色の乾式現像剤を使用して、負荷電二
成分フルカラー現像剤用複写機にて夫々単色の画像を複
写し、各々鮮明なシアン色、マゼンタ色、黄色及び黒色
の単色画像が得られた。又、同様にしてOHPフイルム
上に複写したところ、夫々スクリーンに鮮明な映像を映
す画像が得られた。上記で得たシアン色、マゼンタ色、
黄色及び黒色の乾式現像剤を使用して負荷電二成分フル
カラー現像剤用複写機にて複写し、鮮明な4色フルカラ
ー画像が得られた。又、同様なフルカラー画像をOHP
フイルムに形成したところ、スクリーンに鮮明な映像を
映す画像が得られた。又、パーソナルコンピューターの
フルカラー映像を、上記の4色フルカラー乾式現像剤を
用いた負荷電二成分フルカラー乾式プリンターを使用し
て鮮明なフルカラー画像として出力させた。
【0053】実施例5 (1)白色顔料の高濃度単量体分散液の製造 マレイン酸ジブチル30部を容器に採り、スチレン−メ
タクリル酸ベンジル−メタクリル酸2−エチルヘキシル
−メタクリル酸ヒドロキシプロピル(重量比60:2
0:10:10)共重合体20部を加えて溶解させた。
そこに酸化チタン白色顔料(C.I.ピグメントホワイ
ト6)50部を加えて攪拌し、混合した。それを更に3
本ロールミルを用いて充分に微細に分散し、白色顔料の
高濃度単量体分散液(WM−1)を得た。 (2)黒色、青色及び赤色顔料の高濃度単量体分散液の
製造 実施例1で述べた方法に従って表8に示した材料を使用
し、連続式横形湿式ビーズ媒体分散機を用いて各々顔料
含有率40%の黒色、青色及び赤色顔料の高濃度単量体
分散液を調製した。
【0054】
【表8】
【0055】(2)懸濁重合法による白色、グレイ色、
淡青色及び淡赤色の粉体塗料の製造実施例1の(3)で
述べた方法に従って表9に示した各々の色の現像剤の材
料を均一に混合し、それを高剪断力高速攪拌機を用い
て、別に準備したポリビニルアルコール水溶液中に添加
し、油滴が凡そ10μm位の水中油滴型のエマルジョン
を調製した。実施例1の(3)に使用した重合反応装置
にポリビニルアルコール水溶液及び着色エマルジョンの
凡そ3分の1を仕込み75〜80℃にて重合反応を行
い、次いで残りの凡そ3分の2の着色エマルジョンを滴
下して重合を続け、85℃に昇温し反応を続け、重合反
応を完結させた。生成した重合物を濾別、水洗、乾燥し
て平均粒子径凡そ10μmの着色重合体の微粉末を得
た。流動化剤としてコロイダルシリカを添加し、夫々白
色、グレイ色、青味グレイ色及び赤味グレイ色の粉体塗
料を調製した。
【0056】
【表9】粉体塗料の製造に使用した材料の部数及び塗膜
の色調
【0057】次いで、粉体塗装機として特願平8−24
8531号で使用された静電流動浸漬装置を使用し、被
塗装物としてブライト鋼板を用いて上記で得られた4色
の粉体塗料を夫々塗装し、180℃で20分間加熱硬化
させ、20〜30μmの平滑性に優れ、ピンホールやク
レーターのない、上記表9で示した色調の塗膜の塗装物
が得られた。又、指定の色調に合わせて上記の粉体塗料
を任意に調色、混合し、混合品を上記と同様の方法で塗
装し、加熱硬化させ、20〜30μmの平滑性に優れ、
ピンホールやクレーターのない、調色された色調の塗膜
の塗装物が得られた。塗装鋼板の色調はコンピューター
カラーマッチングの「カラコムシステム」(大日精化工
業(株)製)によって単独の測色データから計算して予
測された色調と比較して大差がなかった。
【0058】
【発明の効果】画像記録用着色組成物の製造において、
従来の粉砕法の欠点である微粒子化への限界、分級工程
での粒度範囲の制御の困難さ、粒度の制御と収率の低
下、製造工程が長く、多工程を有する等の問題を改良合
理化する一つの手段として、懸濁重合法等の重合法によ
る製造方法が検討された。しかし、懸濁重合法による現
像剤の製造法では、顔料等を現像剤の重合体成分となる
付加重合性単量体中に顔料等を微細に分散しなければな
らないが、通常使用されている付加重合性単量体は揮発
性で、引火点が低く、又、熱や光等に不安定で分散処理
等の製造工程中に重合反応等を起こすおそれがあり、安
全性の点から通常の密閉型の分散機は使用出来なかっ
た。又、当然保存性も良くなかった。
【0059】本発明は、顔料等の安定且つ安全な分散媒
として、マレイン酸エステル、マレイン酸エステル等の
特定の付加重合性単量体がスチレン等と共重合はする
が、単独では重合を起こしにくいと云う特異な性質を有
することが利用出来ることを見いだし、通常使用される
製造条件下で通常の顔料の微分散機を用いて、安全に該
単量体中に微細に顔料を分散することが出来ることを見
出した。顔料等を微細に分散した付加重合性単量体を使
用する重合法により着色微粒子重合体とする方法によっ
て、特にフルカラー画像用現像剤として品質に優れた電
子写真用現像剤を経済的且つ合理的に大量生産すること
が出来た。
【0060】特にフルカラー画像用現像剤としては色
調、冴え、鮮明性、透明性等画質に優れ、制御された均
一な粒径等品質に優れた、歩留りの高い微粒子状着色組
成物を経済的に優れた合理化された製造工程にて大量生
産し得ることを見出した。本発明の着色組成物は乾式及
び湿式現像剤等の電子写真、電子印刷及び静電記録等の
画像記録用着色組成物のみに用途限定されるものではな
く、他の各種の着色用途、例えば、流動浸漬塗装用、静
電粉体塗装用粉体塗料或は樹脂微粉末型塗装剤等、塗
料、印刷インキ、樹脂等の着色用途においても有用であ
る。
【0061】本発明の好適な実施態様は以下の通りであ
る。 (1)単独では実質的に重合しにくい付加重合性共単量
体(A)が、マレイン酸、フマル酸、マレイン酸及びフ
マル酸の脂肪族(炭素数1〜30)、芳香族(炭素数6
〜20)及び脂環式(炭素数6〜20)の炭化水素基、
脂肪族、芳香族及び脂環式炭化水素基を結合したオキシ
アルキル(炭素数1〜20)基、脂肪族、芳香族及び脂
環式炭化水素基を結合したオキシポリアルキレンオキシ
ド(炭素数2〜4)基、或はヒドロキシポリアルキレン
オキシド(炭素数2〜4)基等を有するジエステル、モ
ノエステル、ジアミド、モノアミド、モノエステルモノ
アミド及びイミドからなる群から選ばれた単量体である
請求項1に記載の微粒子状着色組成物の製造方法。
【0062】(2)共単量体(A)と共単量体(B)と
の共重合体のガラス転移点が、50〜100℃である請
求項1に記載の微粒子状着色組成物の製造方法。 (3)色素、強磁性材料及び/又は電荷制御剤(以下で
は色素等と称する)の共単量体(A)の分散液が、色素
等を高濃度に微分散された高濃度単量体分散液である請
求項1に記載の微粒子状着色組成物の製造方法。 (4)色素が油溶性染料、分散性染料、呈色性化合物、
有機顔料、カーボンブラック顔料及び無機顔料、微細強
磁性材料、白色の有機顔料及び無機顔料からなる群から
選ばれた色素である請求項1に記載の微粒子状着色組成
物の製造方法。 (5)色素等の共単量体(A)の分散液が、色素等及び
色素等の1〜2000重量%の重合体成分を含有する高
濃度単量体分散液である上記(3)に記載の微粒子状着
色組成物の製造方法。
【0063】(6)色素等の共単量体(A)の分散液
が、予め色素等をその1〜2000重量%の重合体成分
で処理するか或は重合体成分中に均一に溶解或は微細に
分散させた易分散性加工品を、単量体中に溶解或は分散
させたものである上記(4)に記載の微粒子状着色組成
物の製造方法。 (7)重合体成分が、ガラス転移点が凡そ50〜100
℃、軟化点が凡そ100〜150℃の重合体である上記
(5)或は(6)に記載の微粒子状着色組成物の製造方
法。 (8)重合体成分が、共単量体(A)に可溶な重合体で
ある上記(7)に記載の微粒子状着色組成物の製造方
法。
【0064】(9)上記(1)〜(8)のいずれか1項
に記載の方法により製造された請求項3に記載の微粒子
状着色組成物。 (10)微粒子状着色組成物が、必要に応じて乾式現像
剤の常法に従って流動化剤、キャリヤーの強磁性材料等
を添加混合する乾式画像記録用着色組成物である上記
(9)に記載の微粒子状着色組成物。 (11)微粒子状着色組成物が、必要に応じて湿式現像
剤の常法に従って湿式磨砕、濾過、希釈溶媒等を添加混
合を行う湿式画像記録用着色組成物である上記(9)に
記載の微粒子状着色組成物。 (12)粉体状塗装剤である上記(9)に記載の微粒子
状着色組成物。 (13)上記(9)〜(12)のいずれか1項に記載の
微粒子状着色組成物を使用する請求項4に記載の物品を
着色する方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神原 行雄 東京都足立区堀ノ内1−9−4 大日精 化工業株式会社 技術研究センター内 (72)発明者 山田 勝彦 東京都足立区堀ノ内1−9−4 大日精 化工業株式会社 技術研究センター内 (56)参考文献 特開 平10−259337(JP,A) 特開 平9−221507(JP,A) 特開 平3−124711(JP,A) 特開 昭56−164503(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 2/00 - 2/60,22/00 C09D 5/03,135/00 G03G 9/087

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色素、強磁性材料及び/又は電荷制御剤
    (以下では色素等と称する)を含む付加重合性単量体を
    不均一系付加重合反応により重合し、色素等を重合体成
    分中に溶解あるいは微細に分散させた着色重合体微粒子
    からなる微粒子状着色組成物の製造方法に於て、該付加
    重合性単量体が、マレイン酸、フマル酸、マレイン酸及
    びフマル酸のモノエステル、ジエステル、モノアミド、
    ジアミド、モノエステルモノアミド及びイミドからなる
    群から選ばれる一種又は二種以上の単独では実質的に重
    合しにくい付加重合性共単量体(A)及びそれと共重合
    し得る他の一種ないし二種以上の付加重合性共単量体
    (B)よりなり、重合反応に先立って該付加重合性共単
    量体(A)中に色素等を微細に分散させて色素等の単量
    体分散液とし、該色素等の単量体分散液を該付加重合性
    共単量体(B)と均一に混合し、付加重合させることを
    特徴とする微粒子状着色組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法により製造された
    微粒子状着色組成物。
  3. 【請求項3】 請求項に記載の微粒子状着色組成物を
    用いて物品を着色する方法。
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