JP5838848B2 - トナー、液体現像剤、現像剤、現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents
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Description
本実施形態に係るトナーは、不飽和2重結合を有する樹脂と2官能以上のチオール基を含むチオール化合物と重合開始剤とを含むものである。本実施形態では、不飽和2重結合を有する樹脂と2官能以上のチオール基を含むチオール化合物と重合開始剤とを用いることにより、画像形成後に、不飽和2重結合を有する樹脂の不飽和2重結合と酸素阻害の小さいチオール化合物のチオール基とを熱重合または光重合等により硬化することによって、大気下であっても十分に画像の硬化が進行し、耐ブロッキング性に優れる画像が得られると考えられる。エン/チオール反応を用いることにより、硬化収縮が小さく、大気下で十分に画像が硬化される。
結着樹脂としては、特に制限はないが、例えば、ポリエステル、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体やスチレン−メタクリル酸アルキル共重合体等のスチレン−アクリル樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。さらに、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等が挙げられる。結着樹脂は、上記樹脂を単独で用いてもよいし、2種以上の樹脂を混合して用いてもよい。2種以上の樹脂を混合して用いる形態としては、例えば、熱可塑性樹脂と熱可塑性エラストマとの混合物等が挙げられ、さらに具体的には、例えば、スチレン−アクリル樹脂とスチレン系熱可塑性エラストマとの混合物等のスチレン系熱可塑性樹脂とスチレン系熱可塑性エラストマとの混合物等が挙げられる。
本実施形態で用いるトナーを製造する方法としては、特に制限はなく、例えば、粉砕トナー、液中乳化乾燥トナー等の製造方法が挙げられる。また、例えば、粉砕トナー、液中乳化乾燥トナー等の製造方法で製造したトナーをキャリア液中で粉砕してもよい。
トナーの体積平均粒径D50vは、0.5μm以上5.0μm以下であることが好ましい。上記範囲内であることで、付着力が高く、現像性の向上が図られる。また、画像の解像性の向上も図られる。トナーの体積平均粒径D50vは、0.8μm以上4.0μm以下の範囲であることがより好ましく、1.0μm以上3.0μm以下の範囲であることがさらに好ましい。
本実施形態に係る液体現像剤は、上記トナーと、キャリア液とを含む。不揮発性のパラフィンオイル等のキャリア液を用いた液体現像剤では、定着後の画像にキャリア液が残存することにより、キャリア液とトナーの結着樹脂が親和してブロッキングを引き起こしやすくなる。本実施形態では、トナーが不飽和2重結合を有する樹脂と2官能以上のチオール基を含むチオール化合物と重合開始剤とを含み、不飽和2重結合を有する樹脂の不飽和2重結合と酸素阻害の小さいチオール化合物のチオール基とを熱重合または光重合等により硬化することによって、大気下であっても十分に画像の硬化が進行し、キャリア液の存在下においても耐ブロッキング性に優れる画像が得られると考えられる。エン/チオール反応を用いることにより、硬化収縮が小さく、大気下で十分に画像が硬化される。
キャリア液は、トナーを分散させるための絶縁性の液体であり、特に制限はないが、例えば、パラフィンオイル等の脂肪族炭化水素を主成分とする脂肪族系炭化水素溶媒(市販品では、松村石油社製モレスコホワイトMT−30P、モレスコホワイトP40、モレスコホワイトP70、エクソン化学社製アイソパーL、アイソパーM等)、ナフテン系オイル等の炭化水素系溶媒(市販品では、エクソン化学社製エクソールD80、エクソールD110、エクソールD130、日本石油化学社製ナフテゾールL、ナフテゾールM、ナフテゾールH、Newナフテゾール160、Newナフテゾール200、Newナフテゾール220、NewナフテゾールMS−20P等)が挙げられる。これらのうち、トナー中の開始剤やチオール化合物を溶かさない等の点から、脂肪族炭化水素を主成分とする脂肪族系炭化水素溶媒が好ましく、炭素数6以上15以下の直鎖または分岐の脂肪族系炭化水素溶媒がより好ましい。
本実施形態に係る液体現像剤は、上記トナーとキャリア液とを、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ビーズミル等の分散機を用いて混合し、粉砕して、トナーをキャリア液中に分散することにより得られる。なお、トナーのキャリア液中への分散は分散機に限られず、ミキサのごとく、特殊な撹拌羽根を高速で回転させ分散してもよいし、ホモジナイザーとして知られるローター・ステーターの剪断力で分散してもよいし、超音波によって分散してもよい。
本実施形態において、乾式の現像剤は、前記本実施形態に係るトナーを含有する以外は特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとればよい。本実施形態における現像剤は、トナーを、単独で用いると一成分系の現像剤となり、また、キャリアと組み合わせて用いると二成分系の現像剤となる。
本実施形態に係る画像形成装置は、例えば、像保持体(以下、「感光体」という場合がある)と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、像保持体の表面に潜像(静電潜像)を形成する潜像形成手段と、像保持体の表面に形成された潜像を、現像剤保持体の表面に保持された上記本実施形態に係る液体現像剤により現像して、トナー像を形成する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、記録媒体に転写されたトナー像を記録媒体に定着させて定着画像を形成する定着手段と、定着画像を硬化させる硬化手段とを備える。
<現像剤の作製>
スチレン系熱可塑性樹脂(藤倉化成(株)製、商品名:FSR−051、重量平均分子量39万)60質量部に着色剤としてシアン顔料C.I.ピグメントブルー15:3(クラリアント(株)製)40質量部を加え、加圧ニーダーで混練した。この混練物を粗粉砕して、シアン顔料マスターバッチを作製した。
上記シアン顔料マスターバッチ:25質量部
スチレン系熱可塑性樹脂(ビニル樹脂、藤倉化成(株)製、商品名:FSR−053、重量平均分子量32万):55質量部
スチレン系熱可塑性エラストマ(不飽和2重結合を有する樹脂、旭化成社製、商品名:アサプレンT439、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン:ブタジエン比率(モル)=45:55):20質量部
混練物をジェットミルで粉砕し、体積平均粒径10μmのシアン粒子1を得た。得られたシアン粒子35質量部に、非水溶媒である難揮発性のパラフィンオイル(松村石油(株)製、商品名:モレスコホワイトMT30P、炭素数12以上15以下の直鎖および分岐の脂肪族系炭化水素)103質量部と、分散剤(ルーブリゾール社製、商品名:ソルスパース20000)0.7質量部との混合物を添加してボールミルで微粉砕した後、上記パラフィンオイルを180質量部と、液状のチオール化合物(昭和電工(株)製、商品名:カレンズMTPE−1、4官能、ペンタエリスリトール系)の40質量%メタノール溶液を45質量部と、光重合開始剤(BASF社製イルガキュア819)の20質量%メタノール溶液を10質量部とを添加し、超音波洗浄機(アズワン(株)社製、型番US−3R)を用いて10分間の分散を行った後、減圧によりメタノールを除去して、体積平均粒径1.3μmのトナー粒子を含む液体現像剤A1を得た。
得られた液体現像剤に、キャリア液(パラフィンオイル、松村石油(株)製、商品名:モレスコホワイトMT30P)を加えて、液体現像剤全体に対するトナー粒子の含有量が2.5質量%になるように希釈し、ディスポセル(ポリスチレン製)に入れた。上記ディスポセルの中に、1mmの間隙で対向させた二枚の透明電極を浸漬し、300Vの電圧を30秒間印加した。電極を引き上げ、プラス電極上に堆積させたトナーをOHP用シート(富士ゼロックス(株)製、型番:V−516)に転写した。得られた転写画像を、外部定着器により、ローラ温度:100℃、接触部の長さ:6mm、定着速度:126mm/secの条件で定着し、定着画像を得た。
<現像剤の作製>
実施例1で得られた液体現像剤A1における光重合開始剤(BASF社製イルガキュア819)の代わりに、熱重合開始剤(和光純薬工業(株)製、型番VF−601、10時間半減期温度66℃)5.0質量部を用いた以外は実施例1記載の液体現像剤A1と同様な方法で液体現像剤A2を作製した。
得られた液体現像剤に、キャリア液(パラフィンオイル、松村石油(株)製、商品名:モレスコホワイトMT30P)を加えて、液体現像剤全体に対するトナー粒子の含有量が2.5質量%になるように希釈し、ディスポセル(ポリスチレン製)に入れた。上記ディスポセルの中に、1mmの間隙で対向させた二枚の透明電極を浸漬し、300Vの電圧を30秒間印加した。電極を引き上げ、プラス電極上に堆積させたトナーをOHP用シート(富士ゼロックス(株)製、型番:V−516)に転写した。得られた転写画像を、外部定着器により、ローラ温度:120℃、接触部の長さ:6mm、定着速度:126mm/secの条件で定着し、定着画像および評価画像A2を得た。
<現像剤の作製>
実施例1で得られた液体現像剤A1と同様な方法で液状のチオール化合物(昭和電工(株)製、商品名:カレンズMTPE−1、4官能、ペンタエリスリトール系)の代わりにチオール化合物(昭和電工(株)製、商品名:カレンズMTNR−1:トリアジン系)を用い、さらにラジカル重合材料(東亞合成(株)製、商品名:アロニックスM−402、ジペンタエリスリトールペンタおよびヘキサアクリレート化合物、5および6官能)30質量%メタノール溶液を10質量部と光重合開始剤(BASF社製イルガキュア819)の20質量%メタノール溶液を10質量部とを添加し、超音波洗浄機(アズワン(株)社製、型番US−3R)を用いて10分間の分散を行った後、減圧によりメタノールを除去して、体積平均粒径1.3μmのトナー粒子を含む液体現像剤A3を得た。
得られた液体現像剤に、キャリア液(パラフィンオイル、松村石油(株)製、商品名:モレスコホワイトMT30P)を加えて、液体現像剤全体に対するトナー粒子の含有量が2.5質量%になるように希釈し、ディスポセル(ポリスチレン製)に入れた。上記ディスポセルの中に、1mmの間隙で対向させた二枚の透明電極を浸漬し、300Vの電圧を30秒間印加した。電極を引き上げ、プラス電極上に堆積させたトナーをOHP用シート(富士ゼロックス(株)製、型番:V−516)に転写した。得られた転写画像を、外部定着器により、ローラ温度:100℃、接触部の長さ:6mm、定着速度:126mm/secの条件で定着し、定着画像を得た。
<現像剤の作製>
実施例1で得られた液体現像剤A1に、熱重合開始剤(和光純薬工業(株)製、型番VF−601、10時間半減期温度66℃)4.0質量部を加えて液体現像剤A4を作製した。
得られた液体現像剤に、キャリア液(パラフィンオイル、松村石油(株)製、商品名:モレスコホワイトMT30P)を加えて、液体現像剤全体に対するトナー粒子の含有量が2.5質量%になるように希釈し、ディスポセル(ポリスチレン製)に入れた。上記ディスポセルの中に、1mmの間隙で対向させた二枚の透明電極を浸漬し、300Vの電圧を30秒間印加した。電極を引き上げ、プラス電極上に堆積させたトナーをOHP用シート(富士ゼロックス(株)製、型番:V−516)に転写した。得られた転写画像を、外部定着器により、ローラ温度:100℃、接触部の長さ:6mm、定着速度:126mm/secの条件で定着し、定着画像を得た。
<現像剤の作製>
実施例1に記載の液状のチオール化合物(昭和電工(株)製、商品名:カレンズMTPE−1、4官能)の代わりにチオール化合物(昭和電工(株)製、商品名:カレンズMTNR−1、3官能、トリアジン系)を用いた以外は実施例1の液体現像剤A1と同様の方法で作製し、液体現像剤A5−1を作製した。得られた液体現像剤A5−1に、さらにラジカル重合材料(東亞合成(株)製、商品名:アロニックスM−211B、ビスフェノールAジアクリレート化合物、2官能)30質量%メタノール溶液を40質量部添加し、超音波洗浄機(アズワン(株)社製、型番US−3R)を用いて10分間の分散を行った後、減圧によりメタノールを除去して、体積平均粒径1.3μmのトナー粒子を含む液体現像剤A5−2を得た。
得られた液体現像剤A5−2に、キャリア液(パラフィンオイル、松村石油(株)製、商品名:モレスコホワイトMT30P)を加えて、液体現像剤全体に対するトナー粒子の含有量が2.5質量%になるように希釈し、ディスポセル(ポリスチレン製)に入れた。上記ディスポセルの中に、1mmの間隙で対向させた二枚の透明電極を浸漬し、300Vの電圧を30秒間印加した。電極を引き上げ、プラス電極上に堆積させたトナーをOHP用シート(富士ゼロックス(株)製、型番:V−516)に転写した。得られた転写画像を、外部定着器により、ローラ温度:100℃、接触部の長さ:6mm、定着速度:126mm/secの条件で定着し、定着画像を得た。
<現像剤の作製>
ビニル樹脂であるスチレン系熱可塑性樹脂(藤倉化成(株)製、商品名:FSR−053、重量平均分子量32万):55質量部をすべて不飽和2重結合を有する樹脂であるスチレン系熱可塑性エラストマ(旭化成社製、アサプレンT439、スチレン・ブタジエンブロック共重合体)とした以外は実施例1と同様の方法で液体現像剤A6を得た。
実施例1に記載の評価画像A1と同様の方法で評価画像を作製し、評価画像A6を得た。
<現像剤の作製>
実施例5に記載のラジカル重合材料を用いなかった以外は液体現像剤A5−2と同様な方法で液体現像剤A7を作製した。
得られた液体現像剤A7に、キャリア液(パラフィンオイル、松村石油(株)製、商品名:モレスコホワイトMT30P)を加えて、液体現像剤全体に対するトナー粒子の含有量が2.5質量%になるように希釈し、ディスポセル(ポリスチレン製)に入れた。上記ディスポセルの中に、1mmの間隙で対向させた二枚の透明電極を浸漬し、300Vの電圧を30秒間印加した。電極を引き上げ、プラス電極上に堆積させたトナーをOHP用シート(富士ゼロックス(株)製、型番:V−516)に転写した。得られた転写画像を、外部定着器により、ローラ温度:100℃、接触部の長さ:6mm、定着速度:126mm/secの条件で定着し、定着画像を得た。
<現像剤の作製>
実施例1に記載の液状のチオール化合物(昭和電工(株)製、商品名カレンズMTPE−1、4官能)の代わりにチオール化合物(昭和電工製、商品名:カレンズMTBD−1、2官能)を用いた以外は実施例1の液体現像剤A1と同様の方法で作製し、液体現像剤A8を作製した。
得られた液体現像剤A8に、キャリア液(パラフィンオイル、松村石油(株)製、商品名:モレスコホワイトMT30P)を加えて、液体現像剤全体に対するトナー粒子の含有量が2.5質量%になるように希釈し、ディスポセル(ポリスチレン製)に入れた。上記ディスポセルの中に、1mmの間隙で対向させた二枚の透明電極を浸漬し、300Vの電圧を30秒間印加した。電極を引き上げ、プラス電極上に堆積させたトナーをOHP用シート(富士ゼロックス(株)製、型番:V−516)に転写した。得られた転写画像を、外部定着器により、ローラ温度:100℃、接触部の長さ:6mm、定着速度:126mm/secの条件で定着し、定着画像を得た。
実施例1に記載のチオール化合物(昭和電工(株)製、商品名カレンズMTPE−1)を用いなかった以外は、実施例1と同様の方法で液体現像剤B1を作製した。
得られた液体現像剤に、キャリア液(パラフィンオイル、松村石油(株)製、商品名:モレスコホワイトMT30P)を加えて、液体現像剤全体に対するトナー粒子の含有量が2.5質量%になるように希釈し、ディスポセル(ポリスチレン製)に入れた。上記ディスポセルの中に、1mmの間隙で対向させた二枚の透明電極を浸漬し、300Vの電圧を30秒間印加した。電極を引き上げ、プラス電極上に堆積させたトナーをOHP用シート(富士ゼロックス(株)製、型番:V−516)に転写した。得られた転写画像を、外部定着器により、ローラ温度:100℃、接触部の長さ:6mm、定着速度:126mm/secの条件で定着し、定着画像を得た。
実施例1に記載の評価画像A1と同様の方法で評価画像を作製し、評価画像B1を得た。
実施例1に記載の不飽和2重結合を有する樹脂であるスチレン系熱可塑性エラストマの代わりに飽和のスチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物(旭化成(株)製、試作品、L605)を用いた以外は実施例1と同様の方法で液体現像剤B2を作製した。
得られた液体現像剤に、キャリア液(パラフィンオイル、松村石油(株)製、商品名:モレスコホワイトMT30P)を加えて、液体現像剤全体に対するトナー粒子の含有量が2.5質量%になるように希釈し、ディスポセル(ポリスチレン製)に入れた。上記ディスポセルの中に、1mmの間隙で対向させた二枚の透明電極を浸漬し、300Vの電圧を30秒間印加した。電極を引き上げ、プラス電極上に堆積させたトナーをOHP用シート(富士ゼロックス(株)製、型番:V−516)に転写した。得られた転写画像を、外部定着器により、ローラ温度:100℃、接触部の長さ:6mm、定着速度:126mm/secの条件で定着し、定着画像を得た。
実施例2に記載の熱重合開始剤を用いなかった以外は、実施例2と同様の方法で液体現像剤B3を作製した。
得られた液体現像剤に、キャリア液(パラフィンオイル、松村石油(株)製、商品名:モレスコホワイトMT30P)を加えて、液体現像剤全体に対するトナー粒子の含有量が2.5質量%になるように希釈し、ディスポセル(ポリスチレン製)に入れた。上記ディスポセルの中に、1mmの間隙で対向させた二枚の透明電極を浸漬し、300Vの電圧を30秒間印加した。電極を引き上げ、プラス電極上に堆積させたトナーをOHP用シート(富士ゼロックス(株)製、型番:V−516)に転写した。得られた転写画像を、外部定着器により、ローラ温度:120℃、接触部の長さ:6mm、定着速度:126mm/secの条件で定着し、定着画像および評価画像B3を得た。
<現像剤の作製>
実施例1に記載の液状のチオール化合物(昭和電工(株)製、商品名カレンズMTPE−1、4官能)の代わりにチオール化合物(東京化成工業製、商品名:1−ドデカンチオール、1官能)を用いた以外は実施例1の液体現像剤A1と同様の方法で作製し、液体現像剤B4を作製した。
得られた液体現像剤B4に、キャリア液(パラフィンオイル、松村石油(株)製、商品名:モレスコホワイトMT30P)を加えて、液体現像剤全体に対するトナー粒子の含有量が2.5質量%になるように希釈し、ディスポセル(ポリスチレン製)に入れた。上記ディスポセルの中に、1mmの間隙で対向させた二枚の透明電極を浸漬し、300Vの電圧を30秒間印加した。電極を引き上げ、プラス電極上に堆積させたトナーをOHP用シート(富士ゼロックス(株)製、型番:V−516)に転写した。得られた転写画像を、外部定着器により、ローラ温度:100℃、接触部の長さ:6mm、定着速度:126mm/secの条件で定着し、定着画像を得た。
<耐ブロッキング性>
得られた2枚の評価画像の画像面と画像面とを重ね合わせ、温度60℃、湿度50%RHの環境下に荷重500g/cm2をかけた状態で、1週間放置した。重ね合わせた画像をはがし、画像同士の融着、非画像部への転移があるか否かを目視にて観察した。以下の基準で評価した。評価結果を表1に示す。
◎:耐ブロッキング性として画像劣化や剥離音などがないレベル
○:剥離音を伴うが画像劣化がないレベル
△:画像間に軽微な転移がみられるレベル
×:画像に融着あるいは転移が察され実用上許容できないレベル
スチレン系熱可塑性樹脂(藤倉化成(株)製、スチレン−アクリル酸エステル樹脂、重量平均分子量19万)60質量部に黒顔料(三菱カーボン(株)製)40質量部を加え、加圧ニーダーで混練した。この混練物を粗粉砕して、黒顔料マスターバッチを作製した。
上記黒顔料マスターバッチ:25質量部
スチレン系熱可塑性樹脂(藤倉化成(株)製スチレン−アクリル酸ブチル樹脂、重量平均分子量27万):55質量部
熱可塑性エラストマ(旭化成社製品、L605、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加品):20質量部
混練物をジェットミルで粉砕し、体積平均粒径10μmの黒粒子を得た。この黒粒子15質量部に、パラフィンオイル(松村石油(株)製、モレスコホワイトP40)85質量部を加え、ボールミルで微粉砕して体積平均粒径2.5μmとした。さらに、帯電制御剤として、特公平6−23865号公報記載の帯電制御剤(化合物製造例1)0.001質量部を加え、下地層液体現像剤を得た。
<現像剤(乾式)の作製>
スチレン系熱可塑性樹脂(藤倉化成(株)製、スチレン−アクリル酸エステル樹脂、重量平均分子量22万)92質量部、不飽和2重結合を有する樹脂としてアサプレンT439(旭化成(株)製、23質量部)、酢酸エチル230質量部をボールミルに入れ、1日間回転して、分散液A9を得た。一方、ルミナス(丸尾カルシウム(株)製、40質量部)、純水60質量部をボールミルに入れ3日間回転させ、分散安定剤A9を得た。
実施例9で得られた透明トナーA9へパラフィンオイル(松村石油(株)製、モレスコホワイトMT30P、炭素数12以上15以下の直鎖の脂肪族系炭化水素)を加え、固形分濃度を10質量%とした後、実施例1と同様の方法でチオール化合物と光重合開始剤を添加することで、液体現像剤A10を得た。
実施例10で得られた液体現像剤A10へ帯電制御剤として、特公平6−23865記載の帯電制御剤(化合物製造例1)0.001質量部を加えた以外は実施例10記載の液体現像剤A10と同様の方法で液体現像剤A11を得た。
実施例10に記載の不飽和2重結合を有する樹脂であるアサプレンT439の代わりに、タフプレンA(旭化成製、20質量部、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン:ブタジエン比率(モル)=40:60)を用いた以外は実施例10に記載の液体現像剤A10と同様の方法で液体現像剤A12を得た。
実施例9で得られた透明トナーA9へ液状のチオール化合物(昭和電工(株)製、商品名:カレンズMTPE−1、20質量%メタノール溶液)5質量部と、光重合開始剤(BASF(株)製、商品名:イルガキュア819)の2質量%メタノール溶液:20質量部と、ラジカル重合材料(東亞合成(株)製、商品名:アロニックスM−402、ジペンタエリスリトールペンタおよびヘキサアクリレート化合物、5および6官能)30質量%メタノール溶液10質量部とを添加し、超音波洗浄機(アズワン(株)社製、型番US−3R)を用いて10分間の分散を行った後、減圧によりメタノールを除去して、硬化性透明トナーA13を得た。
実施例9で得られた透明トナーA9へ光重合開始剤(BASF(株)製、商品名イルガキュア819)の2質量%メタノール溶液:20質量部を添加し、超音波洗浄機(アズワン(株)社製、型番US−3R)を用いて10分間の分散を行った後、減圧によりメタノールを除去して、透明トナーB5を得た。
実施例9で得られた透明トナーA9へパラフィンオイル(松村石油(株)製、商品名:モレスコホワイトP70)を加え、固形分濃度を10質量%とした後、光重合開始剤(BASF(株)製、商品名:イルガキュア819)の2質量%メタノール溶液:20質量部を添加し、超音波洗浄機(アズワン(株)社製、型番US−3R)を用いて10分間の分散を行った後、減圧によりメタノールを除去して、液体現像剤B6を得た。
スチレン系熱可塑性樹脂(藤倉化成(株)製、スチレン−アクリル酸エステル樹脂、重量平均分子量22万)100質量部、酢酸エチル230質量部をボールミルに入れ、1日間回転して分散液B7を得た。一方、ルミナス(丸尾カルシウム(株)製、40質量部)、純水60質量部をボールミルに入れ3日間回転させ、分散安定剤B7を得た。
得られた下地層液体現像剤に、キャリア液(パラフィンオイル、松村石油(株)製、商品名:モレスコホワイトMT30P)を加えて、液体現像剤全体に対するトナー粒子の含有量が2.5質量%になるように希釈し、3.5cm×3.5cmのトナー画像(トナー載り量:各4g/m2)を減圧下、メンブレンフィルタ(日本ミリポア社製)上へ形成した後、王子製紙(株)製OKTC127+へ圧力転写して下地黒画像を得た。続いて、別にそれぞれ実施例9,10,11,12,13に示す液体現像剤A9,A10,A11,A12,A13にキャリア液(パラフィンオイル、松村石油(株)製、商品名:モレスコホワイトMT30P)を加えて、液体現像剤全体に対するトナー粒子の含有量が2.5質量%になるように希釈し、3.5cm×3.5cmのトナー画像(トナー載り量:各4g/m2)を減圧下、メンブレンフィルタ(日本ミリポア社製)上へ形成した後、これを前記下地黒画像上へ画像同士が重なるように配置した。圧力転写して、メンブレンフィルタをはがし、黒トナー上に透明トナーを積層した。定着はロール温度150℃、ニップ6mm、126mm/sにおいて行い、紫外線照射強度は6.4mW/cm2、紫外線照射時間は30秒(すなわち、紫外線照射エネルギが192mJ/cm2)で行った。
<耐ブロッキング性>
得られた2枚の評価画像の画像面と画像面とを重ね合わせ、温度60℃、湿度50%RHの環境下に荷重500g/cm2をかけた状態で、3日間放置した。重ね合わせた画像をはがし、画像同士の融着、非画像部への転移があるか否かを目視にて観察した。以下の基準で評価した。評価結果を表2に示す。
◎:耐ブロッキング性として画像劣化や剥離音などがないレベル
○:剥離音を伴うが画像劣化がないレベル
△:画像間に軽微な転移がみられるレベル
×:画像に融着あるいは転移が察され実用上許容できないレベル
Claims (9)
- 不飽和2重結合を有する樹脂と2官能以上のチオール基を含むチオール化合物と重合開始剤とを含むことを特徴とするトナー。
- さらに、ビニル樹脂を含むことを特徴とする、請求項1に記載のトナー。
- さらに、ラジカル重合材料を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のトナー。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナーと、キャリア液とを含むことを特徴とする液体現像剤。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤。
- 請求項4に記載の液体現像剤または請求項5に記載の現像剤が収容されていることを特徴とする、現像剤カートリッジ。
- 請求項4に記載の液体現像剤または請求項5に記載の現像剤が収容されていることを特徴とする、プロセスカートリッジ。
- 像保持体と、
前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
前記像保持体の表面に形成された前記潜像を、請求項4に記載の液体現像剤または請求項5に記載の現像剤により現像して、トナー像を形成する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、
前記記録媒体に転写された前記トナー像を前記記録媒体に定着させて定着画像を形成する定着手段と、
前記定着画像を硬化させる硬化手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成工程と、
前記像保持体の表面に形成された前記潜像を、請求項4に記載の液体現像剤または請求項5に記載の現像剤により現像して、トナー像を形成する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体上に転写する転写工程と、
前記記録媒体に転写された前記トナー像を前記記録媒体に定着させて定着画像を形成する定着工程と、
前記定着画像を硬化させる硬化工程と、
を含むことを特徴とする画像形成方法。
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