JP2012173618A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】乾式現像方式のトナーを用いて画像を形成する際にトナー像の低温での定着と耐折り曲げ性が両立される画像形成装置を提供する。
【解決手段】像保持体50と、前記像保持体の表面を帯電する帯電手段52と、前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段54と、スチレン系熱可塑性エラストマー及びスチレン系熱可塑性樹脂を含むトナーを収納し、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を前記トナーにより現像してトナー像を形成する現像手段56と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段58と、前記記録媒体に前記トナー像を定着する定着手段40と、前記トナー像を前記記録媒体に定着する前又は定着すると共に前記トナー像に溶媒を付与する溶媒付与手段70と、を備える画像形成装置100。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成装置及び画像形成方法に関する。
電子写真方式によってトナーを用いて画像を形成する技術として、トナーに溶媒を付与して記録媒体に画像を定着させる技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、支持体に付着したトナーを溶媒によって溶解定着する定着装置において、溶解パラメータの異なる二種以上の溶媒による混合溶媒を用いて前記トナーを半溶解しつつ定着するようにしたことを特徴とする定着方法が開示されている。
特許文献2には、潜像保持体上の静電荷像を顕像化する画像形成方法において、液体の付着により溶解または膨潤可能で、粘着性が増加する特性を有する帯電粉体粒子を用いて該静電荷像を顕像化することを特徴とする画像形成方法が開示されている。
特許文献3には、潜像保持体と、該潜像保持体上の潜像を現像する現像手段と、該現像手段によって形成された該潜像保持体上のトナー像を中間転写体上に転写する第1の転写手段と、該中間転写体上に転写されたトナー像を記録材上に転写する第2の転写手段と、該トナーを溶解又は膨潤させる定着液を該トナーに付与して、該トナーを記録材上に定着させる定着手段とを備えた画像形成装置において、上記現像手段として、キャリア液中にトナーを分散した液体現像剤によって現像を行う液体現像手段を用い、上記定着手段は、上記中間転写体上のトナー像を上記記録材上に転写させる前に、該中間転写体表面に保持されたトナーに対して上記定着液を付与することを特徴とする画像形成装置が開示されている。
特許文献4には、トナー像を形成するトナー像形成手段と、トナー像形成手段により形成されるトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体表面を加熱する加熱手段と、記録媒体表面に、トナーを軟化および/または膨潤させることによりトナーを記録媒体に定着させる定着液を付与する定着液付与手段とを含む画像形成装置であって、加熱手段による記録媒体表面の加熱が、定着液付与手段による記録媒体への定着液付与より前または定着液付与と同時に行われるように、加熱手段および定着液付与手段が設けられることを特徴とする画像形成装置が開示されている。
特許文献5には、トナーを含む現像剤を用いて記録媒体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、前記トナー像が形成された記録媒体に水分を供給することによりトナーの定着を行う水分供給手段と、を有し、前記トナーが、非水溶性樹脂、水溶性樹脂及び着色剤を含み、該水溶性樹脂のトナー中の含有量が0.5質量%以上50質量%以下であることを特徴とする画像形成装置が開示されている。
一方、主にホットオフセット抑制のためにトナーに含有しているワックスの分散性を高めることなどを目的として、トナーの結着樹脂に熱可塑性エラストマーを用いることが提案されている(例えば特許文献6ないし8参照)。
特開昭53−118139号公報 特開2000−122391号公報 特開2004−109749号公報 特開2006−195429号公報 特開2009−265506号公報 特開平7−84407号公報 特開2001−175031号公報 特開2007−79348号公報
本発明は、乾式現像方式のトナーを用いて画像を形成する際にトナー像の低温での定着と耐折り曲げ性が両立される画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、以下の発明が提供される。
請求項1の発明は、像保持体と、前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、スチレン系熱可塑性エラストマー及びスチレン系熱可塑性樹脂を含むトナーを収納し、像保持体の表面に形成された静電潜像を前記トナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に前記トナー像を定着する定着手段と、前記トナー像を前記記録媒体に定着する前又は定着すると共に前記トナー像に溶媒を付与する溶媒付与手段と、を備える画像形成装置である。
請求項2の発明は、前記溶媒がパラフィンオイルである請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項3の発明は、前記溶媒付与手段は、前記トナー像に含まれるトナー量に対する前記溶媒の量が70質量%以下となるように前記溶媒を付与する手段である請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置である。
請求項4の発明は、像保持体の表面を帯電する帯電工程と、前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記像保持体の表面に形成された静電潜像をスチレン系熱可塑性エラストマー及びスチレン系熱可塑性樹脂を含むトナーにより現像してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に前記トナー像を定着する定着工程と、前記トナー像を前記記録媒体に定着する前又は定着すると共に前記トナー像に溶媒を付与する溶媒付与工程と、を有する画像形成方法である。
請求項5の発明は、前記溶媒がパラフィンオイルである請求項4に記載の画像形成方法である。
請求項6の発明は、前記溶媒付与工程において、前記トナー像に含まれるトナー量に対する前記溶媒の量が70質量%以下となるように前記溶媒を付与する請求項4又は請求項5に記載の画像形成方法である。
請求項1の発明によれば、上記トナーによりトナー像を形成する現像手段と、上記トナー像に溶媒を付与する溶媒付与手段を組み合わせない場合に比べ、乾式現像方式のトナーを用いて画像を形成する際にトナー像の低温での定着と耐折り曲げ性が両立される画像形成装置が提供される。
請求項2の発明によれば、前記溶媒がパラフィンオイルでない場合に比べ、画像形成装置の周辺環境への溶媒汚染が抑制された画像形成装置が提供される。
請求項3の発明によれば、前記溶媒付与手段は、前記トナー像に含まれるトナー量に対する前記溶媒の量が70質量%を超えるように前記溶媒を付与する手段である場合に比べ、定着温度が低く抑えられる画像形成装置が提供される。
請求項4の発明によれば、上記トナーによりトナー像を形成する現像工程と、上記トナー像に溶媒を付与する溶媒付与工程を組み合わせない場合に比べ、乾式現像方式のトナーを用いて画像を形成する際にトナー像の低温での定着と耐折り曲げ性が両立される画像形成方法が提供される。
請求項5の発明によれば、前記溶媒がパラフィンオイルでない場合に比べ、画像形成装置の周辺環境への溶媒汚染が抑制された画像形成方法が提供される。
請求項6の発明によれば、前記トナー像に含まれるトナー量に対する前記溶媒の量が70質量%を超えるように前記溶媒を付与する場合に比べ、定着温度が低く抑えられる画像形成方法が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置の構成の一例を示す概略図である。 本実施形態に係る画像形成装置の構成の他の例を示す概略図である。
本発明者らは、乾式現像方式によって形成したトナー像を定着する場合、トナー粒子がスチレン系熱可塑性エラストマー及びスチレン系熱可塑性樹脂を含むことで画像の耐折り曲げ性が向上し、トナー像の定着前又は定着と共にトナー像にパラフィンオイル等の溶媒を付与することで、低温定着性が向上することを見出した。
すなわち、本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、スチレン系熱可塑性エラストマー及びスチレン系熱可塑性樹脂を含むトナーを収納し、像保持体の表面に形成された静電潜像を前記トナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に前記トナー像を定着する定着手段と、前記トナー像を前記記録媒体に定着する前又は定着すると共に前記トナー像に溶媒を付与する溶媒付与手段と、を備える。
また、本実施形態に係る画像形成方法は、像保持体の表面を帯電する帯電工程と、前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記像保持体の表面に形成された静電潜像をスチレン系熱可塑性エラストマー及びスチレン系熱可塑性樹脂を含むトナーにより現像してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に前記トナー像を定着する定着工程と、前記トナー像を前記記録媒体に定着する前又は定着すると共に前記トナー像に溶媒を付与する溶媒付与工程と、を有する。
〔トナー粒子〕
まず、本実施形態で用いるトナー粒子について説明する。本実施形態で用いるトナー粒子は、スチレン系熱可塑性エラストマー及びスチレン系熱可塑性樹脂を含んで構成される。スチレン系熱可塑性エラストマーは、主にトナー粒子を構成する結着樹脂の柔軟性を上げて耐折り曲げ特性の改善に寄与し、スチレン系熱可塑性樹脂は、主に耐引っ掻き特性の改善に寄与する。
−スチレン系熱可塑性樹脂−
本実施形態で用いるトナー粒子に含まれるスチレン系熱可塑性樹脂としては、スチレン系単量体の重合体、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体とを構成単位として含むビニル系共重合体が挙げられる。なお、「(メタ)アクリル」とはアクリル又はメタクリルのいずれかまたは両方であることを意味する。
上記スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−ter−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの他、アクリル酸2−クロルエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、ビスグリシジルメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、メタクリロキシエチルホスフェートなどを挙げられる。中でも、メタクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等が好適に用いられる。
上記スチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体以外に、その他のビニル系単量体として、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸等のアクリル酸及びそのα−又はβ−アルキル誘導体;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、等の不飽和ジカルボン酸及びそのモノエステル誘導体又はジエステル誘導体;コハク酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル、(メタ)アクリロニトリル、アクリルアミド等を使用してもよい。単量体として、必要に応じて2個以上の二重結合を有する架橋性モノマーを使用してもよい。架橋性モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート等のジアクリレート化合物およびそれらのメタクリレート化合物、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート等の多官能架橋性モノマーおよびそれらのメタクリレート化合物等が挙げられる。
上記ビニル系重合体の重量平均分子量(Mw)は、15万以上50万以下が望ましい。上記ビニル系重合体の重量平均分子量(Mw)が15万以上であれば耐引っ掻き特性が確実に向上し、50万以下であれば溶融粘度が低く抑えられて定着面の平滑性が得られ、要望に沿った発色性が発現される。
また、上記ビニル系重合体の分子量分布(Mw/Mn)は2以上20以下が望ましい。上記ビニル系重合体の分子量分布(Mw/Mn)が2以上であれば、高温領域における粘度が低下して耐オフセット性が阻害されることが抑制され、20以下であれば、定着性が低下することが抑制される。
なお、上記ビニル系重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定される分子量分布において、複数のピークや肩部をもっていてもよい。
トナー粒子中のスチレン系熱可塑性樹脂の含有率は、粉砕性の観点から、全結着樹脂に対して、50質量%以上95質量%以下であることが望ましく、60質量%以上90質量%以下がより望ましい。
−スチレン系熱可塑性エラストマー−
本実施形態で用いるトナー粒子に含まれるスチレン系熱可塑性エラストマーとしては、ポリスチレンとポリオレフィンとのブロック共重合体、ランダム共重合体等が挙げられ、常温ではゴムの特色を持つが、高温では熱可塑性プラスチックと同様、軟化する材料である。
例えば、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン、ポリスチレン−ポリブタジエン/ブチレン−ポリスチレン、ポリスチレン−ポリエチレン/ブチレン−ポリスチレン、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン、ポリスチレン−水添ポリブタジエン−ポリスチレン、ポリスチレン−水添ポリイソプレン−ポリスチレン、ポリスチレン−水添ポリ(イソプレン/ブタジエン)−ポリスチレン、スチレン−ブタジエンブロック共重合体には、1−4体、1−2体の結合の形で二重結合が残るが、これを水素添加したものを使用してもよい。さらに、ポリスチレンに挟まれたソフトセグメント部に極性基を導入したブロック共重合体を使用してもよい。なお、上記共重合体の例示において、「−」で区切った前後はブロックポリマーを意味し、「/」で区切った前後はランダムでも良いし、ブロックでも良いことを意味する。
市販品としては、旭化成社製のタフテックM1911、タフテックM1943、タフテックMP10、アサプレンT439、タフプレンA、クラレ社製のDYNARON8630Pなどが挙げられる。特に、ポリスチレンに挟まれたソフトセグメント部が、極性基導入と水素添加された旭化成社製のSOE−L611、SOE−L611X、SOE−L605(以上、商品名)などが好適に使用される。
トナー粒子における上記スチレン系熱可塑性エラストマーの含有率は、全結着樹脂に対して5質量%以上であることが望ましい。スチレン系熱可塑性エラストマーの含有率が上記範囲内であれば、耐折り曲げ特性に加え、低温定着性も大きく向上する。全結着樹脂におけるスチレン系熱可塑性エラストマーの含有率が5質量%以上であれば、耐折曲げ特性が確実に向上する共に、高温側の耐オフセット性が損なわることが抑制される。スチレン系熱可塑性エラストマーの含有率の上限は、特に規定されるものではないが、スチレン系熱可塑性樹脂の含有率を考慮すると全結着樹脂に対して50重量%以下、粉砕性を持たせるためにスチレン系熱可塑性樹脂の含有率を上げた場合には全結着樹脂に対して40重量%以下で含有される。
本実施形態で用いるトナー粒子は、スチレン系熱可塑性エラストマー及びスチレン系熱可塑性樹脂のほか、必要に応じて、他の結着樹脂、着色剤、ワックス、電荷制御剤、シリカ粉末、金属酸化物など他の添加剤を含有していてもよい。これら添加剤は、スチレン系熱可塑性エラストマー及びスチレン系熱可塑性樹脂を含む結着樹脂に混練するなどして内添してもよいし、粒子としてトナーを得たのち混合処理を施すなどして外添してもよい。なお、通常、着色剤を含むが、透明のトナーとする場合は、着色剤を含まなくてもよい。
トナー粒子に含まれるスチレン系熱可塑性エラストマー及びスチレン系熱可塑性樹脂以外の結着樹脂としては、公知の結着樹脂が挙げられる。例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、等が挙げられる。
着色剤としては、公知の顔料または染料が用いられる。具体的には、以下に示すイエロー、マゼンタ、シアン、黒の各顔料が用いられる。
イエローの顔料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。
マゼンタの顔料としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。
シアンの顔料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用される。
黒の顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、鉄黒等が用いられる。
ワックスとしては、特に制限はなく、例えば、カルナバワックス、木蝋、米糠蝋等の植物性ワックス;蜜ワックス、昆虫ワックス、鯨ワックス、羊毛ワックスなどの動物性ワックス;モンタンワックス、オゾケライトなどの鉱物性ワックス、エステルを側鎖に有するフィッシャートロプシュワックス(FTワックス)、特殊脂肪酸エステル、多価アルコールエステル等の合成脂肪酸固体エステルワックス;パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、ポリアミドワックス、およびシリコーン化合物等の合成ワックス;などが挙げられる。ワックスは1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
電荷制御剤としては、特に制限はなく、従来公知の電荷制御剤が使用される。例えば、ニグロシン染料、脂肪酸変性ニグロシン染料、カルボキシル基含有脂肪酸変性ニグロシン染料、四級アンモニウム塩、アミン系化合物、アミド系化合物、イミド系化合物、有機金属化合物等の正帯電性電荷制御剤;オキシカルボン酸の金属錯体、アゾ化合物の金属錯体、金属錯塩染料やサリチル酸誘導体等の負帯電性電荷制御剤;などが挙げられる。電荷制御剤は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
金属酸化物としては、特に制限はなく、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム等が挙げられる。金属酸化物は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
−トナー粒子の製造方法−
本実施形態で用いるトナー粒子を製造する方法は特に限定されず、例えば、粉砕トナー、液中乳化乾燥トナー、もしくは重合トナーの製造方法で製造したトナーを溶媒中で微粉砕して得られる。
例えば、スチレン系熱可塑性エラストマー及びスチレン系熱可塑性樹脂を含む結着樹脂、着色剤、必要に応じて、他の添加剤をヘンシェルミキサー等の混合装置に投入して混合し、この混合物を二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールミル、ニーダー等で溶融混練した後、ドラムフレーカー等で冷却し、ハンマーミル等の粉砕機で粗粉砕し、さらにジェットミル等の粉砕機で微粉砕した後、風力分級機等を用いて分級することにより、粉砕トナーが得られる。
また、スチレン系熱可塑性エラストマー及びスチレン系熱可塑性樹脂を含む結着樹脂、着色剤、必要に応じて、他の添加剤を酢酸エチル等の溶剤に溶解し、炭酸カルシウムのごとき分散安定剤が添加された水中に乳化/懸濁し、溶剤を除去した後、分散安定剤を除去して得られた粒子を濾過・乾燥することによって液中乳化乾燥トナーが得られる。
また、結着樹脂を形成する重合性単量体、着色剤、重合開始剤(例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、イソプロピルパーオキシカーボネート、クメンハイドロパーオキサイド、2,4−ジクロリルベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等)および他の添加剤などを含有する組成物を水相中に撹拌下で加えて造粒し、重合反応後、粒子を濾過・乾燥することによって重合トナーが得られる。
なお、トナーを得る際の各材料(スチレン系熱可塑性エラストマー及びスチレン系熱可塑性樹脂、着色剤、その他の添加剤など)の配合割合は、要求される耐折り曲げ特性、低温定着性、色などを考慮して設定すればよい。得られたトナーは、ボールミル、ビーズミル、高圧湿式微粒化装置等の公知の粉砕装置を用いて微粉砕することにより本実施形態で用いるトナー粒子が得られる。
トナー粒子の体積平均粒径D50vは、0.5μm以上5.0μm以下であることが望ましい。上記範囲内であることで、付着力を高く、現像性の向上が図られる。また、画像の解像性の向上も図られる。トナー粒子の体積平均粒径D50vは、0.8μm以上4.0μm以下であることがより望ましく、1.0μm以上3.0μm以下であることが更に望ましい。
トナー粒子の体積平均粒径D50v、数平均粒度分布指標(GSDp)、体積平均粒度分布指標(GSDv)等は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置 例えば、LA920(堀場製作所社製)を用いて測定される。粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描き、累積16%となる粒子径を体積D16v、数D16p、累積50%となる粒子径を体積D50v、数D50p、累積84%となる粒子径を体積D84v、数D84pと定義する。これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
[溶媒]
本実施形態でトナー像に付与する溶媒は、特に制限はないが、例えば、パラフィンオイル等の脂肪族系炭化水素溶媒(市販品では、松村石油社製モレスコホワイトMT−30P、モレスコホワイトP40、モレスコホワイトP70、エクソン化学社製アイソパーL、アイソパーMなど)、ナフテン系オイル等の炭化水素系溶媒(市販品では、エクソン化学社製 エクソールD80、エクソールD110、エクソールD130、日本石油化学社製 ナフテゾールL、ナフテゾールM、ナフテゾールH、Newナフテゾール160、Newナフテゾール200、Newナフテゾール220、NewナフテゾールMS−20Pなど)が挙げられ、それらの中に、トルエン等の芳香族化合物を含有させてもよい。
トナー像に付与する溶媒は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。溶媒を2種以上の混合系として用いる場合は、例えば、パラフィン系溶剤と植物油との混合系や、シリコーン系溶剤と植物油との混合系が挙げられ、パラフィン系溶剤と植物油との混合系であることが望ましい。
本実施形態で用いる溶媒は、溶媒が揮発して環境を汚染することを抑制する観点から、不揮発性であることが望ましく、パラフィンオイルを主成分とすることが望ましい。ここで「主成分」とは、溶媒を構成する成分のうち、最も多く含まれる成分であり、望ましくは50容量%以上である。
トナー像に付与する溶媒は、各種副資材、例えば、分散剤、乳化剤、界面活性剤、安定化剤、湿潤剤、増粘剤、起泡剤、消泡剤、凝固剤、ゲル化剤、沈降防止剤、帯電制御剤、帯電防止剤、老化防止剤、軟化剤、可塑剤、充填剤、付香剤、粘着防止剤、離型剤等を含んでいてもよい。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。本実施形態に係る画像形成装置100は、図1に示すように、像保持体50を備え、その周囲に、像保持体50を帯電する帯電装置52と、帯電装置52により帯電された像保持体50を露光して静電潜像を形成する静電潜像形成装置54と、本実施形態のスチレン系熱可塑性エラストマー及びスチレン系熱可塑性樹脂を含むトナーを収納し、像保持体50の表面に形成された静電潜像を前記トナーにより現像してトナー像を形成する現像装置56と、現像装置56により形成したトナー像を記録媒体Pに転写する転写装置58と、転写装置58により記録媒体Pに転写されたトナー像を定着する定着装置40と、転写後の像保持体50の表面の残留トナーを除去する清掃装置60と、前記トナー像に溶媒を付与する溶媒付与装置70と、を備えている。
像保持体50は、特に制限なく、公知の感光体が適用されるが、電荷発生層と電荷輸送層を分離した、機能分離型と呼ばれる構造の有機感光体が好適に適用される。
静電潜像形成装置54としては、例えば、レーザー光学系やLEDアレイ等が適用される。
現像装置56は、例えば、現像剤層を表面に形成させた現像剤保持体を像保持体50に接触若しくは近接させて、像保持体50の表面に形成されている静電潜像に本実施形態のトナーを付着させてトナー像を形成する。
転写装置58は、例えば、コロトロン等の非接触転写方式、記録媒体Pを介して導電性の転写ロールを像保持体50に接触させ記録媒体Pにトナー像を転写する接触転写方式のいずれを適応してもよい。
清掃装置60は、例えば、板状部材を像保持体50の表面に直接接触させて表面に付着しているトナー、紙粉、ゴミなどを除去する部材である。清掃装置60としては、板状部材以外にブラシ状の部材や、ロール状の部材等を適用してもよい。
定着装置40は、ロール状の定着部材40A,40Bを有する。記録媒体P上の未定着画像(トナー像)がロール40A,40B間を通って加熱及び加圧されることで定着される。なお、定着装置40の形態は2つの定着ロールを備えたものに限定されず、例えば、定着ロールと定着ベルトを組み合わせた形態でもよいし、加熱形態も特に限定されず、例えば、ハロゲンヒータ等の加熱ヒータにより加熱する形態、電磁誘導加熱方式で加熱する形態が採用される。
溶媒付与装置70は、トナー像を記録媒体Pに定着する前又は定着すると共にトナー像に溶媒を付与する構成とする。トナー像に溶媒を付与する手段は特に限定されず、例えば、トナー像に溶媒を直接噴霧または滴下させる方法、トナー像に対して溶媒を霧状に付与する方法、定着部材(定着ロール又は定着ベルト)の外周面に付与し、定着部材を介してトナー像に付与する方法等が挙げられる。
トナー像に付与する溶媒量は、トナー像に含まれるトナー量に対する溶媒の量が70質量%以下となるように溶媒を付与することが望ましい。トナー像に含まれるトナー量に対する溶媒の量が70質量%以下の場合は、定着時に溶媒による吸熱量が小さくなるため、定着温度が低く抑えられると推測される。トナー像に含まれるトナー量に対する溶媒の量は、20質量%以下がより望ましい。一方、低温定着性を確実に向上させる観点から、上記溶媒量が5質量%以上となるように溶媒を付与することが望ましい。
本実施形態に係る画像形成装置は、上記構成に限られず、例えば、中間転写体を利用した中間転写方式の画像形成装置、各色のトナー像を形成する画像形成ユニットを並列配置させた所謂タンデム方式の画像形成装置であってもよい。
図2に示す画像形成装置は、4連タンデム方式のカラー画像形成装置の構成の一例を示している。図2に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに離間して並んで設けられている。これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置本体に対して着脱されるプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの上方には、各ユニットからトナー像が転写される中間転写体としての中間転写ベルト20が設けられている。中間転写ベルト20は、駆動ローラ22及び中間転写ベルト20の内面に接する支持ローラ24に巻回されて設けられ、第1ユニット10Yから第4ユニット10Kに向う方向に走行される。尚、支持ローラ24は、図示しないバネ等により駆動ローラ22から離れる方向に付勢されており、両者に巻回された中間転写ベルト20に張力が与えられている。中間転写ベルト20の像保持体側の面には、駆動ローラ22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収納されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが供給される。各トナーは、各色に応じた着色剤と結着樹脂として本実施形態のスチレン系熱可塑性エラストマーとスチレン系熱可塑性樹脂とを含んで構成される。
第1乃至第4ユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここではイエロー画像を形成する第1ユニット10Yについて代表して説明し、第1ユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4ユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
第1ユニット10Yは、像保持体1Yを有している。像保持体1Yの周囲には、像保持体1Yの表面を帯電させる帯電ローラ2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yよって露光して静電潜像を形成する露光装置3、本実施形態に係るトナーを収納し、像保持体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置4Y、トナー像を中間転写ベルト20上に転写する1次転写ローラ5Y、及び1次転写後に像保持体1Yの表面に残存するトナーを、板状部材にて除去する像保持体クリーニング装置6Yが順に設けられている。
1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、像保持体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを制御する。
また、支持ローラ24に対向して配置され、中間転写ベルト20から記録媒体Pにトナー像を転写させる2次転写ローラ(2次転写手段)26と、記録媒体Pに転写されたトナー像を定着させる定着装置28と、定着装置を構成する定着ロールを介してトナー像に溶媒を付与する溶媒付与装置29が設けられている。
この画像形成装置では、まず、帯電ローラ2Yによって像保持体1Yの表面が帯電される。帯電した像保持体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、像保持体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電潜像が像保持体1Yの表面に形成される。
像保持体1Y上に形成された静電潜像は、像保持体1Yの走行に従って現像位置まで回転される。そして、現像位置で、像保持体1Y上の静電潜像が、現像装置4Yによって可視像化される。
現像装置4Y内には、イエロートナーが収納されている。イエロートナーは、イエローの着色剤と、スチレン系熱可塑性エラストマーと、スチレン系熱可塑性樹脂とを含んで構成されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、像保持体1Y上に帯電した帯電荷と同極性の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体)上に保持されている。そして像保持体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、像保持体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー像が形成された像保持体1Yは、引続き走行され、像保持体1Y上に現像されたトナー像が1次転写位置へ搬送される。
像保持体1Y上のイエロートナー像が1次転写部へ搬送されると、1次転写ローラ5Yに1次転写バイアスが印加され、像保持体1Yから1次転写ローラ5Yに向う静電気力がトナー像に作用され、像保持体1Y上のトナー像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性と逆極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μA程度に制御されている。一方、像保持体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
また、第2ユニット10M以降の1次転写ローラ5M、5C、5Kに印加される1次転写バイアスも、第1ユニットに準じて制御されている。
こうして、第1ユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4ユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
第1乃至第4ユニットを通して4色のトナー像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された2次転写ローラ(2次転写手段)26とから構成された2次転写部へと至る。一方、記録媒体Pが供給機構を介して2次転写ローラ26と中間転写ベルト20との間に給紙され、2次転写バイアスが支持ローラ24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性と同極性の極性であり、中間転写ベルト20から記録媒体Pに向う静電気力がトナー像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー像が記録媒体P上に転写される。尚、この際の2次転写バイアスは2次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録媒体Pは、定着ロール28A,28Bを備えた定着装置28へと送り込まれる。定着装置28では、記録媒体Pに転写されたトナー像と接する側の定着ロール28Aに溶媒付与装置29から溶媒が付与される。そして、トナー像が加熱及び加圧によって記録媒体P上へ定着されると共に、定着ロール28Aを介してトナー像に溶媒が付与される。このようにトナー像に溶媒が付与されることで、低温定着によって定着の高速化が図られる。
カラー画像の定着が完了した記録媒体Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。なお、文中、「部」及び「%」は、特に断りのない限りそれぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。
[実施例1]
<現像剤の作製>
スチレンアクリル樹脂(藤倉化成(株)製FSR−51、重量平均分子量38万)60質量部にシアン顔料C.I.ピグメントブルー15:3(クラリアント(株)製)40質量部を加え、加圧ニーダーで混練した。この混練物を粗粉砕して、シアン顔料マスターバッチを作製した。次に以下の組成の混合物をバンバリミキサーで混練した。
・上記シアン顔料マスターバッチ:25質量部
・スチレンアクリル樹脂(藤倉化成(株)製FSR−053、重量平均分子量32万、酸価10):57質量部
・スチレン系熱可塑性エラストマー(旭化成社製品:「SOE−SS L611X」 スチレン・ブタジエンブロック共重合体の水素添加品):18質量部
以上の混練物をジェットミルで粉砕し、分級して平均粒径6μmのシアントナー1を得た。
<未定着画像の作製>
上記トナー1を用い、画像単位面積当たりのトナー量が4g/mになるよう王子製紙製OKトップコート+127gsmにトナー像を形成し、難揮発性のパラフィンオイル松村石油(株)製「モレスコホワイトP40」を霧吹きにて付与して未定着画像を得た。
<定着画像の作製>
直径50mmのロール対を有する定着装置を用いて定着画像を作製した。各定着ロールは、ステンレス製の芯金の表面に厚さ5mm、ゴム硬度50度(JIS−A)のシリコーンゴムを形成し、厚さ30μmのフッ素樹脂(PFA)層で被覆されている。各ロールの内部にはハロゲンヒータが設けられ、ロール表面温度を加熱制御する。
このロール対を最大圧力が0.3MPa、ニップ幅が10mmになるように加圧機構により荷重を調整し、速度384mm/sで駆動しているときに上記未定着像をロール間に挿入し、定着画像を得た。定着時の温度は、定着画像の定着性が変化するよう数点振って定着画像を得た。
<定着画像の評価>
定着画像内の溶媒量は、定着後の画像を島津製作所製TGA−50で熱分析し、トナー質量に対する溶媒量の質量比として算出した。
グロスMFTは、BYK−Gardner社製Micro−TRI−Glossで60°グロスを測定し、画像グロスが20を超えるときの定着温度とし、評価基準は、◎:130℃以下、○:131〜145℃、△:146〜160℃、×:161℃より大、とした。
耐折り曲げ強度は、画像を内側にして用紙を折り曲げ、折り曲げた部分を軽く拭きとった後の画像の破壊具合から評価した。評価基準は、○:軽微で不連続な画像の剥がれがある、△:不連続な破損がある、×:連続した破損がある、とした。
[実施例2]
実施例1の未定着画像を定着前に真空乾燥し、画像中の溶媒を減らしてから定着して画像を得た。
[実施例3]
実施例1の未定着画像作製工程において、松村石油(株)製パラフィンオイル「モレスコホワイトP40」を松村石油(株)製「モレスコホワイトP70」に変更して付与した。
[実施例4]
実施例1の現像剤作製で、以下のように樹脂混合比を変更した。
・スチレンアクリル樹脂(藤倉化成(株)製スチレン−アクリル酸ブチル樹脂、重量平均分子量32万、酸価10):57質量部を66質量部に変更。
・スチレン系熱可塑性エラストマー(旭化成社製品:「SOE−SS L611X」 スチレン・ブタジエンブロック共重合体の水素添加品):18質量部を9質量部に変更。
[実施例5]
実施例1の現像剤作製で、以下のように樹脂混合比を変更した。
・スチレンアクリル樹脂(藤倉化成(株)製スチレン−アクリル酸ブチル樹脂、重量平均分子量32万、酸価10):57質量部を48質量部に変更した。
・スチレン系熱可塑性エラストマー(旭化成社製品:「SOE−SS L611X」 スチレン・ブタジエンブロック共重合体の水素添加品):18質量部を27質量部に変更した。
[実施例6]
実施例1のモレスコホワイトP40をエクソン化学社製アイソパーLに変更して付与した。
[実施例7]
実施例1のL611Xを旭化成社製品「タフテックM1911」(スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体変性品)に変更した。
[実施例8]
実施例1のFSR−053をFSR−051に変更した。
[比較例1]
実施例1の未定着画像の作製において、溶媒を付与せずに画像を得た。
[比較例2]
ポリエステル樹脂(花王(株)製)60質量部に、シアン顔料C.I.ピグメントブルー15:3(クラリアント(株)製)40質量部を加え、加圧ニーダーで混練して、シアン顔料マスターバッチを作製した。
次に、上記で得たシアン顔料マスターバッチ:25質量部、ポリエステル樹脂(花王(株)製)70質量部、及び固体可塑剤としてポリエステルポリオール(DIC(株)製品)5質量部を加圧ニーダーで混練した。
この混練物をサンプルミルで粉砕し、分級して平均粒径6.2μmのシアントナーを得た。このトナーを用いて、溶媒を付与せずに画像を得た。
[比較例3]
比較例2で作製したトナーを画像単位面積当たりのトナー量が4g/mになるよう王子製紙製OKトップコート+127gsmに形成し、難揮発性のパラフィンオイル(松村石油(株)製モレスコホワイトP40)を霧吹きにて付与し未定着画像を得た。
[比較例4]
比較例3において、松村石油(株)製パラフィンオイル「モレスコホワイトP40」を松村石油(株)製「モレスコホワイトP70」に変更して付与した。
[比較例5]
実施例1のスチレン系熱可塑性エラストマーの「SOE−L611X」をアクリル系熱可塑性エラストマーのクラレ社製品「LAポリマー」に変更した。
<評価結果>
結果を以下の表1に示す。なお、総合評価は、以下の通りである。
◎:グロスMFT、耐折り曲げ性の評価で◎と○
○:グロスMFT、耐折り曲げ性の評価で○と○又は◎と△
△:グロスMFT、耐折り曲げ性の評価で△と△
×:グロスMFT、耐折り曲げ性の評価で×がある
Figure 2012173618
1Y、1M、1C、1K 像保持体
2Y、2M、2C、2K 帯電ローラ(帯電手段)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
3 露光装置(静電潜像形成手段)
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段)
5Y、5M、5C、5K 1次転写ローラ(転写手段)
6Y、6M、6C、6K 像保持体クリーニング装置
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(転写手段)
22 駆動ローラ
24 支持ローラ
26 2次転写ローラ(転写手段)
28 定着装置
28A,28B 定着ロール
29 溶媒付与装置(溶媒付与手段)
30 中間転写体クリーニング装置
40 定着装置
50 像保持体
52 帯電装置(帯電手段)
54 静電潜像形成装置(静電潜像形成手段)
56 現像装置(現像手段)
58 転写装置(転写手段)
60 清掃装置
70 溶媒付与装置(溶媒付与手段)
100 画像形成装置

Claims (6)

  1. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
    前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    スチレン系熱可塑性エラストマー及びスチレン系熱可塑性樹脂を含むトナーを収納し、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を前記トナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
    前記記録媒体に前記トナー像を定着する定着手段と、
    前記トナー像を前記記録媒体に定着する前又は定着すると共に前記トナー像に溶媒を付与する溶媒付与手段と、
    を備える画像形成装置。
  2. 前記溶媒がパラフィンオイルである請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記溶媒付与手段は、前記トナー像に含まれるトナー量に対する前記溶媒の量が70質量%以下となるように前記溶媒を付与する手段である請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
    前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
    前記像保持体の表面に形成された静電潜像をスチレン系熱可塑性エラストマー及びスチレン系熱可塑性樹脂を含むトナーにより現像してトナー像を形成する現像工程と、
    前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程と、
    前記記録媒体に前記トナー像を定着する定着工程と、
    前記トナー像を前記記録媒体に定着する前又は定着すると共に前記トナー像に溶媒を付与する溶媒付与工程と、
    を有する画像形成方法。
  5. 前記溶媒がパラフィンオイルである請求項4に記載の画像形成方法。
  6. 前記溶媒付与工程において、前記トナー像に含まれるトナー量に対する前記溶媒の量が70質量%以下となるように前記溶媒を付与する請求項4又は請求項5に記載の画像形成方法。
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