JP2005098971A - 時計ムーヴメント - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 筒車1と、この筒車から露出する二番車4と、筒車1の筒車脱落防止手段7とを有し、筒車1を二番車4の軸部外周に組み込んだ後、二番車4の筒車1から露出する軸部の溝部4aに筒車脱落防止手段7を係合させ、また、針座2と、筒車1と、針座脱落防止手段8とを有し、針座2を筒車1の円筒状外周部に組み込んだ後、筒車1の針座2と重ならない円筒状外周部の係合部1aに針座脱落防止手段8を係合させる。
【選択図】 図1
Description
図12は、筒車と針座を有する時計ムーヴメントの部分断面図である。この時計ムーヴメント50は、図示されていない時針が固着される筒車51、針座52、筒車押さえ53、図示されていない分針が固着される二番車54、地板56を有している。
また、他の脱落防止法としては、筒車と針座とを時計ムーヴメントから取り外してそれぞれを別個に包装し、これを時計ムーヴメントに添付して運搬する方法が採用されている。
また、前記筒車と前記針座を時計ムーヴメントと別に包装し、時計ムーヴメントに添付して運搬する場合には、梱包に費用を要し、さらに、梱包作業あるいは開梱作業等を必要とし、やはり時計ムーヴメントの販売コストをアップさせる原因となっていた。
このように構成すると、二番車の軸部(溝部)に係合された筒車脱落防止手段が筒車の二番車軸方向の脱落を防止し、時計ムーヴメントから筒車が脱落することを防止する。
このように構成すると、筒車の外周部(係合部)に係合された針座脱落防止手段が針座の筒車軸方向の脱落を防止し、時計ムーヴメントから針座が脱落することを防止する。
このように構成すると、脱落防止手段をしっかりと係合することができるとともに、外すときには、容易に外すことが可能となる。
また、本発明は、針座と、円筒状外周部の前記針座と重ならない位置に固定用凸部を形成した筒車とを有し、前記針座を前記筒車の前記円筒状外周部に組み込んだ後、前記固定用凸部を外周が大きくなるように変形させている。
これらのように構成すると、時計ムーヴメントとして必要のない部品を用いることなく、針座の脱落が防止できる。
このように構成すると、針座自体を脱落防止手段として機能させることができコストダウンに大きく貢献する。
また、本発明は、筒車と、該筒車から露出する軸部を有する二番車と、針座と、シール状の仮固定部材とを有し、前記筒車を前記二番車の前記軸部外周に組み込み、前記針座を前記筒車の前記円筒状外周部に組み込んだ後、前記シール状の仮固定部材を地板に接着固定させている。
これらのように構成すると、簡単な仮固定部材で、筒車や針座の脱落を確実にすることができる。また、取り外しを簡単に行うことができる。
図1は、本発明の第一の実施形態を示す時計ムーヴメントの部分断面図、図2は、図1の筒車脱落防止手段の平面図、図3は、図1の針座脱落防止手段の平面図である。
図1に示す時計ムーヴメント10は、筒車1と、針座2と、二番車4と、四番車5と、地板6を有している。
まず、地板6の孔6aを貫通して上方に突出した二番車4の軸部4bに筒車1を挿入する。その後、筒車脱落防止手段7を二番車4の溝部4aに係合するように嵌め込む。次に、筒車1の円筒状外周部1bに針座2を取り付ける。その後、針座脱落防止手段8を筒車1の係合部1aに係合するように嵌め込む。こうして、時計ムーヴメント10が構成されている。
同様に、筒車1の係合部1aの断面形状は針座脱落防止手段8の円弧とほぼ等しく、かつ深さが針座脱落防止手段8の直径の約3分の1となるように浅く構成してある。したがって、この場合も、針座2をピンセット等で押し上げることで、本来時計ムーヴメント10としては必要のない針座脱落防止手段8を押し出すことができ、針座脱落防止手段8のない時計ムーヴメント10として構成することができる。
これにより、筒車脱落防止手段7及び針座脱落防止手段を外した状態で時計ムーヴメントを用いる場合には、二番車4の溝部4aと筒車1の係合部1aの深さを、筒車脱落防止手段7や針座脱落防止手段8の、直径の約3分の1にするとよいことが確認された。
また、前記二番車4の溝部4aと筒車1の係合部1aは、筒車脱落防止手段7と針座脱落防止手段8の取付位置精度と精密な固定力が要求されない場合は省略してもよい。
また、筒車1として合成樹脂製のものを使用すると、針座脱落防止手段8の弾性力によって筒車1を弾性変形させ、強固な固定力が生じるので、筒車1に係合部1aを設けなくてもよくなる。
図4は、時計ムーヴメントの部分断面図、図5は、針座の組み込み手順を示す針座と筒車の部分断面図である。なお、図1と同一の構成には同一番号を付して説明を省略する。
なお、筒車11として合成樹脂製のものを使用したが、材質はこれに限定されるものでなく、歯車部が金属製で円筒状外周部11dが合成樹脂製の複合材料からなるものであってもよい。また、脱落防止用凸部11bを四箇所に形成した例を示したが、もちろん二箇所以上あれば、筒車11の脱落を防止することは可能である。
まず、地板6の孔6aを貫通して上方に突出した二番車14の軸部14bに筒車11を挿入する。このとき、筒車11は合成樹脂製であり、しかも筒車11の脱落防止用凸部11bは半円状としてあるので、二番車14の軸部14bとぶつかっても弾性変形し、かつ半円状の部分で滑りながら組み込める。また、筒車11の脱落防止用凸部11bと二番車14の軸部14bに形成された逃げ溝14aが係合し、組み込みが終了すると筒車11は元の形状に戻る。したがって、筒車11の脱落防止用凸部11bが二番車14の逃げ溝14aから外れることはない。
図6(A)は、第三実施形態における針座の第一の実施例を示す平面図で、図6(B)は、この針座を筒車へ組み込んだ状態を示す針座と筒車の断面図である。図7(A)は、第三実施形態における針座の第二の実施例を示す平面図で、図7(B)は、この針座を筒車へ組み込んだ状態を示す針座と筒車の断面図である。
これらの第一及び第二の実施例に係る針座32,42を筒車31の軸部31bに押し込む場合、針座32,42が弾性材料から構成されているので、弾性変形しながら、筒車31の軸部31bに押し込まれる。
この実施形態のものは、時計ムーヴメントに仮固定部材を取り付けることによって、輸送中の脱落を防止するとともに、組み立て時には、仮固定部材をピンセット等の一般的な工具によって、容易に外せるようにしてある。
図8は、第四実施形態の第一実施例を示し、(A)は仮固定部材を時計ムーヴメントに取り付けた状態の断面図、(B)は仮固定部材の斜視図である。
また、ピンセット等で、仮固定部材110を押し上げれば、仮固定部材110を二番車4から容易に外すことができる。
この第二実施例における仮固定部材120は、金属板のほぼ中央に円状の切欠きを設け、この切欠きを固定部121としてある。そして、固定部121の内径は二番車4の外径より僅かに小さくなっている。したがって、二番車4の先端側から、仮固定部材120の固定部121を圧入すると、切欠き状の固定部121が拡幅しながら二番車4にしっかりと係止する。これにより、運搬中に時計ムーヴメントに振動が加わっても、時計部品が脱落することはない。
また、ピンセット等で、仮固定部材120を押し上げれば、仮固定部材120を二番車4から容易に外すことができる。第二実施例の仮固定部材は、樹脂を成形して形成することもできる。
この第三実施例における仮固定部材130は、樹脂を射出成形したものであって、中心部に貫通孔を設けてある。この貫通孔は下方から上方に向かって段階的に細くなるように形成してある。このうち、中央部に位置する孔を固定部131としてある。この固定部131も、内径が二番車4の外径より僅かに小さくなっている。したがって、二番車4の先端側から、仮固定部材130の固定部131を圧入すると、固定部131が、樹脂の有する弾力性によって拡幅しながら二番車4にしっかりと係止する。これにより、運搬中に時計ムーヴメントに振動が加わっても、時計部品が脱落することはない。
また、仮固定部材130の外周に形成された溝132にピンセットを押し当てて押し上げれば、仮固定部材130を二番車4から容易に外すことができる。
この第四実施例における仮固定部材140は、中心部に筒車1の外径より少し大きい内径の孔141を形成したシール状のもので、地板6との接触面に粘着剤を塗布してある。このシール状の仮固定部材140は、時計ムーヴメントの平面外形と相似形をしており、その一部の端縁には、剥ぎ取り部142を形成してある。したがって、筒車1を孔141に通しながらシール状の仮固定部材140を地板6まで移動させて押圧すると、仮固定部材140は地板6に接着する。これにより、運搬中に時計ムーヴメントに振動が加わっても、時計部品が脱落することはない。また、仮固定部材140の剥ぎ取り部142をピンセットで挟んで持ち上げれば、仮固定部材140を二番車4から容易に外すことができる。
1a 係合部
2 針座
4 二番車
4a 溝部
5 四番車
6 地板
7 筒車脱落防止手段
8 針座脱落防止手段
10 時計ムーヴメント
11a 時針
12a 分針
13a 秒針
Claims (12)
- 筒車と、該筒車から露出する二番車と、前記筒車の筒車脱落防止手段とを有し、前記筒車を前記二番車の前記軸部外周に組み込んだ後、前記二番車の前記筒車から露出する軸部に前記筒車脱落防止手段を係合させたことを特徴とする時計ムーヴメント。
- 前記筒車脱落防止手段の係合する前記二番車の軸部に、溝部を形成した請求項2記載の時計ムーヴメント。
- 前記筒車脱落防止手段は、断面が円で、平面の一部が切り離された略C形状を有する弾性部材から構成されており、前記二番車の前記溝部は、前記筒車脱落防止手段の円弧とほぼ等しく、かつ深さが、前記筒車脱落防止手段の直径の約3分の1であることを特徴とする請求項2記載の時計ムーヴメント。
- 軸部に逃げ溝を有する二番車と、前記逃げ溝と対向する位置に脱落防止用凸部を設けた筒車とを有し、前記筒車を前記二番車の前記軸部外周に組み込むことにより、前記二番車の逃げ溝と前記脱落防止用凸部とを係合させたことを特徴とする時計ムーヴメント。
- 前記筒車は合成樹脂製であり、前記脱落防止用凸部を内周方向の2箇所以上に設けたことを特徴とする請求項4記載の時計ムーヴメント。
- 針座と、筒車と、針座脱落防止手段とを有し、前記針座を前記筒車の前記円筒状外周部に組み込んだ後、前記筒車の前記針座と重ならない円筒状外周部に前記針座脱落防止手段を係合させたことを特徴とする時計ムーヴメント。
- 前記針座脱落防止手段の係合する前記筒車の外周部に、係合部を形成した請求項6記載の時計ムーヴメント。
- 前記針座脱落防止手段は、断面が円で、平面の一部が切り離された略C形状を有する弾性部材から構成されており、前記筒車の前記係合部は、前記針座脱落防止手段の円弧とほぼ等しく、かつ前記針座脱落防止手段の直径の約3分の1の深さの溝であることを特徴とする請求項7記載の時計ムーヴメント。
- 針座と、円筒状外周部の前記針座と重ならない位置に固定用凸部を形成した筒車とを有し、前記針座を前記筒車の前記円筒状外周部に組み込んだ後、前記固定用凸部を外周が大きくなるように変形させたことを特徴とする時計ムーヴメント。
- 筒車と、該筒車の軸部外周直径よりわずかに小さい幅の固定用直線部又は対向する固定用凸部を中心孔に形成した針座とを有し、前記針座の前記固定用直線部又は前記固定用凸部を弾性変形させることにより前記筒車外周に前記針座を係合させたことを特徴とする時計ムーヴメント。
- 筒車と、該筒車から露出する軸部を有する二番車と、針座と、仮固定部材とを有し、前記筒車を前記二番車の前記軸部外周に組み込み、前記針座を前記筒車の前記円筒状外周部に組み込んだ後、前記二番車の前記筒車から露出する軸部に、前記仮固定部材の固定部を係合させたことを特徴とする時計ムーヴメント。
- 筒車と、該筒車から露出する軸部を有する二番車と、針座と、シール状の仮固定部材とを有し、前記筒車を前記二番車の前記軸部外周に組み込み、前記針座を前記筒車の前記円筒状外周部に組み込んだ後、前記シール状の仮固定部材を地板に接着固定させたことを特徴とする時計ムーヴメント。
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