JP6537177B2 - 時計用歯車、アンクル、てんぷ、時計用ムーブメント、及び機械式時計 - Google Patents

時計用歯車、アンクル、てんぷ、時計用ムーブメント、及び機械式時計 Download PDF

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Description

本発明は、時計用歯車、アンクル、てんぷ、時計用ムーブメント、及び機械式時計に関する。
近年、時計精度やエネルギーの伝達特性等、機械式時計の性能向上を目的として、ひげぜんまいや、がんぎ車やアンクル等の脱進機部品に、シリコン等の比重の小さな脆性材料が用いられるようになっている。また、機械式時計を構成する時計用歯車の多くは、軸部が金属製であるとともに、この軸部が圧入される歯車類が脆性材料から構成されている。
ここで、脆性材料であるシリコン製の歯車の開口に軸部を打ち込むと、その際にかかる荷重により歯車が損傷してしまうおそれがある。そこで、脆性材料であるシリコン製の歯車の開口に軸部が打ち込まれて固定された時計用歯車において、歯車の開口周縁に弾性変形部を設けた構成のものが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特表2009−528524号公報
しかしながら、特許文献1のような従来の時計用歯車の構成だと、外力等によって軸回転方向に過剰な駆動トルクが生じた際に、脆性材料からなる歯車の弾性変形部に過剰な応力が集中することから、歯車が破損するおそれがあった。
また、仮に、弾性変形部が歯車にかかる過剰な応力を吸収し、歯車の破損が生じない場合であっても、過剰なトルクの印加により、軸部と歯車との回転方向における位相ずれが生じるおそれがあった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、軸回転方向に生じる過剰なトルクを緩和できるとともに、歯車と軸部との回転方向の位相ずれを抑制することが可能な時計用歯車、アンクル、てんぷ、時計用ムーブメント、及び機械式時計を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の時計用歯車は、軸部と、前記軸部に固定される中間部材と、前記中間部材が挿入される開口部を有し、該中間部材を介して前記軸部に取り付けられる歯車と、を備え、前記中間部材と前記歯車との間には、相対回転可能とされているとともに、前記中間部材と前記歯車との回転方向のずれを正位置に復帰させる復元部を備えており、前記復元部は、両持ち梁からなる弾性変形部を備え、前記開口部の内面には、前記両持ち梁からなる弾性変形部に当接する凸部が設けられており、前記弾性変形部と前記凸部とによって前記復元部が構成されており、さらに、前記中間部材が平面視で多角形に形成されており、該多角形の外周における平坦面に前記弾性変形部が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、中間部材が、歯車と相対回転可能とされ、さらに、中間部材と歯車との回転方向のずれを正位置に復帰させる復元部を備えることで、外力等によって軸回転方向に過剰なトルクが生じた場合でも、このトルクを緩衝でき、歯車が破損するのを防止することが可能となる。また、歯車と軸部との回転方向の位相ずれを抑制することができるとともに、この位相ずれが生じた場合であっても、直ちに位相ずれを吸収して復元させることができる。
また、本発明によれば、復元部が弾性変形部を備えることで、上述したような、外力等によって軸回転方向に生じる過剰なトルクを緩衝する効果と、歯車と軸部との回転方向の位相ずれを抑制又は復帰させる効果の両方が安定的に得られる。
また、本発明によれば、両持ち梁とされた弾性変形部が歯車に設けられた凸部で押圧されることで、上述したトルク緩衝効果と、回転方向の位相ずれを抑制又は復帰させる効果の両方が顕著に得られる。
また、本発明によれば、多角形とされた中間部材の外周の平坦面に弾性変形部を備えることで、上述したトルク緩衝効果と、位相ずれを抑制又は復帰させる効果の両方が顕著に得られる。また、中間部材に対して歯車を組み付ける際、復元部で偏心量を調整しながら組み付けることができるので、歯車と軸部との偏心量を最小限に抑制することが可能となる。
また、本発明の時計用歯車は、上記構成において、前記歯車に、前記開口部の少なくとも一部に、径方向内側に向かって突出する鍔部が設けられ、前記軸部に、前記中間部材が固定される箇所を避けた位置に、段差により拡径された拡径部が設けられ、前記中間部材と前記拡径部とにより、前記鍔部を挟持する構成とすることが好ましい。
本発明によれば、歯車に形成された鍔部によって、この歯車と中間部材とが確実に係合された状態となるので、歯車が外れるのを防止することができる。
また、本発明の時計用歯車は、上記構成において、前記中間部材に、さらに、前記開口部の内面に対して前記軸部の軸方向で付勢力を付与するとともに、径方向外側に向けて付勢力を付与するように弾性変形する応力集中部を有するアーム部が備えられ、該アーム部の先端に前記弾性変形部が設けられた構成を採用できる。
本発明によれば、上記構成のアーム部を有する中間部材を備えることにより、軸方向の力によって応力集中部が弾性変形することで、アーム部が径方向外側に向けて同じタイミングで均等に拡大する。これにより、径方向外側への付勢力が均等に得られ、上述したような、外力等によって軸回転方向に生じる過剰なトルクを緩衝する効果と、歯車と軸部との回転方向の位相ずれを抑制又は復帰させる効果の両方が安定的に得られるとともに、中間部材を組み付ける際の組付性も向上する。また、歯車に設けられた開口部が、中間部材と係合する鍔部として機能し、且つ、この鍔部に軸方向で付勢力を付与する状態が維持されることで、歯車と中間部材とが確実に係合された状態となるので、歯車の脱落等を防止することができる。
また、本発明の時計用歯車は、上記構成において、前記中間部材が、前記軸部に固定される筒状の固定部を備え、前記アーム部は、前記固定部の一端側に設けられた前記応力集中部から前記開口部側に向けて複数で延出するように形成されるとともに、径方向外側に向けて放射状に形成されており、前記アーム部は、該アーム部の少なくとも一部に設けられた前記応力集中部が前記軸部の軸方向の力で弾性変形することにより、前記開口部の内面に対して軸方向で付勢力を付与するとともに、前記弾性変形部が前記開口部の内面に当接することで、径方向外側に向けて付勢力を付与する構成であることが好ましい。
本発明によれば、上記構成の複数のアーム部を有する中間部材を備えることで、径方向外側への付勢力が均等に得られ、上述したような、外力等によって軸回転方向に生じる過剰なトルクを緩衝する効果と、歯車と軸部との回転方向の位相ずれを抑制又は復帰させる効果の両方が顕著に得られるとともに、中間部材を組み付ける際の組付性もさらに向上する。また、上記同様、歯車に設けられた開口部が、中間部材と係合する鍔部として機能し、且つ、この鍔部に軸方向で付勢力を付与する状態が維持されることで、歯車と中間部材とが確実に係合された状態となるので、歯車の脱落等を防止することができる。
また、本発明の時計用歯車は、上記構成において、前記中間部材は、前記応力集中部が薄肉に形成されていることがより好ましい。
本発明によれば、応力集中部が薄肉に形成されていることで、中間部材を組み付ける際の弾性変形がより均等に得られるので、上述したような、外力等によって軸回転方向に生じる過剰なトルクを緩衝する効果と、歯車と軸部との回転方向の位相ずれを抑制又は復帰させる効果の両方がより顕著に得られ、また、組付性向上効果もより顕著に得られる。
また、本発明の時計用歯車は、上記構成において、前記中間部材が金属材料からなり、前記歯車が脆性材料からなる構成を採用できる。
本発明によれば、特に、中間部材及び歯車に上記材料を採用した場合において、上述した、軸回転方向に生じる過剰なトルクの緩衝による歯車の破壊防止効果が顕著に得られる。
本発明のアンクルは、上記構成の中間部材が軸部に固定され、上記の構造を有する開口部を備えたアンクル本体の該開口部に前記中間部材が挿入されることで前記アンクル本体が前記軸部に固定されており、且つ、前記中間部材と前記アンクル本体との間には、相対回転可能とされているとともに、前記中間部材と前記アンクル本体との回転方向のずれを正位置に復帰させる復元部を備えることを特徴とする。
また、本発明のてんぷは、上記構成の中間部材が軸部に固定され、上記の構造を有する開口部を備えたてん輪、ひげ玉の何れか一方、又は両方の前記開口部に前記中間部材が挿入されることで前記てん輪又は前記ひげ玉が前記軸部に固定されており、且つ、前記中間部材と前記てん輪又は前記ひげ玉との間には、相対回転可能とされているとともに、前記中間部材と前記てん輪又は前記ひげ玉との回転方向のずれを正位置に復帰させる復元部を備えることを特徴とする。
本発明によれば、上記本発明に係る時計用歯車と同様の構造を有するものなので、上記同様、回転方向のずれを正位置に復帰させる復元部を備えることで、外力等によって軸回転方向に過剰なトルクが生じた場合でも、このトルクを緩衝でき、アンクル本体やてん輪又はひげ玉一体型ひげぜんまいの破損を防止することが可能となる。また、軸部とアンクル本体、てん輪又はひげ玉一体型ひげぜんまいとの回転方向の位相ずれを抑制することができるとともに、この位相ずれが生じた場合であっても、直ちに位相ずれを吸収して復元させることができる。特に、本発明のてんぷにおいては、上記構造を採用することにより、ひげ玉一体型ひげぜんまいとてんぷの位相ズレによって生じる、てんぷ減衰振動の変化を防止できるので、計時精度を保持できる効果が得られる。
本発明の時計用ムーブメントは、上記の何れかの時計用歯車、アンクル、てんぷの少なくとも何れかを備えることを特徴とする。
本発明の機械式時計は、上記の時計用ムーブメントを備えることを特徴とする。
これらの発明によれば、本発明の時計用歯車を備えていることから、時計精度に非常に優れたものとなる。
本発明によれば、歯車と軸部とが中間部材を介して組み付けられるとともに、中間部材が、歯車と相対回転可能とされ、さらに、中間部材と歯車との回転方向のずれを正位置に復帰させる復元部を備えた構成なので、外力等によって軸回転方向に過剰なトルクが生じた場合でも、このトルクを緩衝でき、歯車が破損するのを防止することが可能となる。また、歯車と軸部との回転方向の位相ずれを抑制することができるとともに、この位相ずれが生じた場合であっても、直ちに位相ずれを吸収して復元させることが可能となる。
図1は、本発明の実施形態である機械式時計の一例を説明する図であり、コンプリート表側の平面図である。 図2は、本発明の実施形態である機械式時計の一例を説明する図であり、時計用ムーブメント表側の平面図である。 図3は、本発明の実施形態である時計用歯車の一例を説明する概略図であり、香箱車からがんぎ車の部分を図示する部分断面図である。 図4は、本発明の実施形態である時計用歯車の一例を説明する概略図であり、(a)は時計用歯車を下面側から見て示す斜視図、(b)は側面図である。 図5は、本発明の実施形態である時計用歯車の一例を説明する概略図であり、軸部、中間部材及び歯車の分解斜視図である。 図6は、本発明の実施形態である時計用歯車の他の例を説明する概略図であり、(a)は時計用歯車を下面側から見て示す斜視図、(b)は側面図である。 図7は、本発明の実施形態である時計用歯車の他の例を説明する概略図であり、(a)は時計用歯車を下面側から見た平面図、(b)は側面図である。 図8は、本発明の実施形態である時計用歯車の他の例を説明する概略図であり、(a)は中間部材を単体で示す斜視図、(b)は時計用歯車の斜視図である。
以下、本発明の実施形態である時計用歯車、アンクル、てんぷ、時計用ムーブメント、及び機械式時計の例を挙げ、その構成について図1〜図8を適宜参照しながら詳述する。なお、以下の説明で用いる図面は、その特徴をわかりやすくするために、便宜上、特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等は、実際とは異なる場合がある。
(時計)
一般に、機械式時計の駆動部分を含む機械体を「ムーブメント」と称する。また、ムーブメントに文字板、針を取り付けて、時計ケースの中に入れて完成品にした状態を時計の「コンプリート」と称する。また、時計の基板を構成する地板の両側のうち、時計ケースのガラスのある方の側、即ち、文字板のある方の側をムーブメントの「裏側」又は「ガラス側」又は「文字板側」と称する。そして、地板の両側のうち、時計ケースの裏蓋のある方の側、即ち、文字板と反対の側をムーブメントの「表側」又は「裏蓋側」と称する。
図1は、機械式時計1のコンプリート1aの表側の平面図である。
図1に示すように、機械式時計1のコンプリート1aは、時に関する情報を示す目盛り3などをもつ文字板2と、時を示す時針4a、分を示す分針4b及び秒を示す秒針4cを含む針4と、を備えている。
図2は、ムーブメント表側の平面図である。なお図2では、図面を見やすくするため、時計用ムーブメント100を構成する時計部品のうち一部の図示を省略している。
機械式時計の時計用ムーブメント100は、基板を構成する地板102を有している。地板102の巻真案内穴102aには、巻真110が回転可能に組み込まれている。この巻真110は、おしどり190、かんぬき192、かんぬきばね194及び裏押さえ196を含む切換装置によって、軸線方向の位置が決められている。
そして巻真110を回転させると、つづみ車(図示略)の回転を介して、きち車112が回転する。きち車112の回転により丸穴車114及び角穴車116が順に回転し、香箱車120に収容されたぜんまい122(図3参照)が巻き上げられる。
香箱車120は、地板102と香箱受160との間で回転可能に支持されている。二番車(時計用歯車)124、三番車(時計用歯車)126、四番車(時計用歯車)128及びがんぎ車130は、地板102と輪列受162との間で回転可能に支持されている。
ぜんまいの復元力により、香箱車120が回転すると、香箱車120の回転により二番車124、三番車126、四番車128及びがんぎ車130が順に回転する。これら香箱車120、二番車124、三番車126及び四番車128は、表輪列を構成する。
二番車124が回転すると、その回転に基づいて筒かな150(図3参照)が同時に回転し、この筒かなに取り付けられた分針4b(図1参照)が「分」を表示するようになっている。また、筒かな150の回転に基づいて日の裏車(図示略)の回転を介して筒車154(図3参照)が回転し、この筒車に取り付けられた時針4a(図1参照)が「時」を表示するようになっている。
表輪列の回転を制御するための脱進・調速装置は、がんぎ車130、アンクル142及びてんぷ10で構成されている。
がんぎ車130の外周には、歯130dが形成されている。アンクル142は、地板102とアンクル受164との間で回転可能に支持されており、一対のつめ石142a,142bを備えている。アンクル142の一方のつめ石142aが、がんぎ車130の歯130dに係合した状態で、がんぎ車130は一時的に停止している。
てんぷ10は、一定周期で往復回転することにより、がんぎ車130の歯130dに、アンクル142の一方のつめ石142a及び他方のつめ石142bを、交互に係合及び解除させている。これにより、がんぎ車130を一定速度で脱進させている。
図3に示すように、香箱車120は、香箱歯車120dと、香箱真120fと、ぜんまい122とを備えている。香箱真120fは、上軸部120aと、下軸部120bとを備えている。香箱真120fは、炭素鋼等の金属で形成されている。香箱歯車120dは、黄銅等の金属で形成されている。
二番車124は、より詳細な構成については後述するが、上軸部124aと、下軸部124bと、かな部124cと、歯車部124dと、そろばん玉部124hとを備えている。二番車124のかな部124cは、香箱歯車120dと噛み合うように構成されている。上軸部124a、下軸部124b及びそろばん玉部124hは、炭素鋼等の金属で形成されている。歯車部124dは、黄銅(真鍮)等の金属で形成されている。
三番車126は、上軸部126aと、下軸部126bと、かな部126cと、歯車部126dとを備えている。三番車126のかな部126cは、二番車124の歯車部124dと噛み合うように構成されている。
四番車128は、上軸部128aと、下軸部128bと、かな部128cと、歯車部128dとを備えている。四番車128のかな部128cは、三番車126の歯車部126dと噛み合うように構成されている。上軸部128a及び下軸部128bは、炭素鋼等の金属で形成されている。歯車部128dは、黄銅(真鍮)等の金属で形成されている。
がんぎ車130は、上軸部130aと、下軸部130bと、がんぎかな部130cと、がんぎ歯車部132とを備えている。がんぎかな部130cは、四番車128の歯車部128dと噛み合うように構成されている。
詳細な図示を省略するが、アンクル142は、アンクル体と、アンクル真とを備えている。アンクル真は、上軸部と、下軸部とを備えている。
ここで、香箱車120は、香箱真120fの上軸部120aが、香箱受160に対して回転可能に支持されている。香箱真120fの下軸部120bは、地板102に対して回転可能に支持されている。
また、二番車124、三番車126、四番車128及びがんぎ車130は、地板102及び輪列受162に対してそれぞれ回転可能に支持されている。即ち、二番車124の上軸部124a、三番車126の上軸部126a、四番車128の上軸部128a、及びがんぎ車130の上軸部130aは、それぞれ輪列受162に対して回転可能に支持されている。また、二番車124の下軸部124b、三番車126の下軸部126b、四番車128の下軸部128b、及びがんぎ車130の下軸部130bは、それぞれ地板102に対して回転可能に支持されている。
アンクル142は、地板102及びアンクル受164に対して回転可能に支持されている。即ち、アンクル142の上軸部は、アンクル受164に対して回転可能に支持されている。アンクル142の下軸部は、地板102に対して回転可能に支持されている。
なお、香箱真120fの上軸部120aを回転可能に支持する香箱受160の軸受部と、二番車124の上軸部124aを回転可能に支持する輪列受162の軸受部と、三番車126の上軸部126aを回転可能に支持する輪列受162の軸受部と、四番車128の上軸部128aを回転可能に支持する輪列受162の軸受部と、がんぎ車130の上軸部130aを回転可能に支持する輪列受162の軸受部と、アンクル142の上軸部を回転可能に支持するアンクル受164の軸受部と、には、潤滑油が注油されている。
また、香箱真120fの下軸部120bを回転可能に支持する地板102の軸受部と、二番車124の下軸部124bを回転可能に支持する地板102の軸受部と、三番車126の下軸部126bを回転可能に支持する地板102の軸受部と、四番車128の下軸部128bを回転可能に支持する地板102の軸受部と、がんぎ車130の下軸部130bを回転可能に支持する地板102の軸受部と、アンクル142の下軸部を回転可能に支持する地板102の軸受部と、には、潤滑油が注油されている。
上述した潤滑油は、精密機械用油であるのが好ましく、いわゆる時計油であるのが特に好ましい。
地板102のそれぞれの軸受部、香箱受160の軸受部、輪列受162のそれぞれの軸受部には、潤滑油の保持性能を高めるために、円錐状、円筒状、又は円錐台状の油溜め部を設けるのが好ましい。この油溜め部を設けると、潤滑油の表面張力により油が拡散するのを効果的に阻止することができる。
また、地板102、香箱受160、輪列受162及びアンクル受164は、黄銅等の金属で形成しても良いし、ポリカーボネート等の樹脂で形成しても良い。
てんぷ10は、詳細な図示を省略するが、主に、略円環状に形成されたてん輪と、棒状の部材であるてん真と、渦巻き状に形成されたひげぜんまいと、てん真に対して軸を一致させて外装固定され、てん真にひげぜんまいを固定するひげ玉とを備えている。
(時計用歯車、アンクル及びてんぷ)
図4は、本実施形態の時計用歯車の一例として上記の二番車124を挙げ、これを拡大して示す図であり、(a)は二番車124を下面側から見た斜視図、(b)は側面図である。また、図5は、二番車124を構成する各部品の組み付け形態を示す斜視図である。
上述したように、二番車124は、軸部である上軸部124a及び下軸部124bを備え、さらに、上軸部124aに、かな部124cが取り付けられている。また、二番車124は、外周部が歯車部124dとされ、回転軸近傍が開口部124eとされた歯車体124Aを備えている。また、二番車124のかな部124cは、香箱車120の香箱歯車120dと噛み合うように構成されている。
また、本実施形態の時計用歯車である二番車124は、下軸部124bに固定される中間部材127を備える。そして、二番車124は、歯車体124Aに備えられる開口部124eに中間部材127が挿入され、歯車体124Aが中間部材127を介して下軸部124bに取り付けられている。この中間部材127は、歯車体124Aと相対回転可能とされているとともに、中間部材127と歯車体124Aとの回転方向のずれを正位置に復元する復元部Fを構成する弾性変形部127aが設けられており、図示例では、この弾性変形部127aが4箇所に設けられている。本実施形態の二番車124に備えられる復元部Fは、中間部材127に備えられる弾性変形部127aと、歯車体124Aに備えられる凸部124fとから構成され、中間部材127と歯車体124Aとの回転方向のずれを正位置に復帰させる作用を有する。
二番車124を構成する上軸部124a及び下軸部124bとしては、特に限定されず、例えば、従来から時計用歯車の軸部に用いられている金属材料等を何ら制限無く用いることができ、また、上軸部124aに設けられているかな部124cについても同様である。
また、二番車124を構成する歯車体124Aには、この歯車体124Aの略軸心付近を貫通するように開口部124eが設けられている。この開口部124eは、詳細を後述する中間部材127の平面視形状に対応するように、計4箇所の凸部124fを有する平面視で多角形状、図示例では平面視で略四角形状に形成されている。この凸部124fは、略四角形状に形成された開口部124eの各辺において、この開口部124eの内側に向けて張り出すように、円弧状に形成されている。
本実施形態では、歯車体124Aの材料として、従来から歯車材料に用いられている脆性材料を用いることができる。このような脆性材料としては、例えば、シリコン(Si)等が挙げられる。
次に、二番車124に備えられる中間部材127について詳述する。
図4(a)及び図5に示すように、中間部材127は、平面視で多角形状に形成される板状の部材である。また、中間部材127は、図5に示すように、平面視で略四角形状に形成されている。
さらに、中間部材127には、復元部Fを構成する、両端側が固定される両持ち梁構造とされた弾性変形部127aが、四角形状の外周における平坦面の各々に合計4箇所で形成されている。この弾性変形部127aは、細長で薄板状の弾性領域127bの両端127j,127jが、各々、中間部材127の四隅の角部で支持されるように構成されている。
中間部材127は、軸打ち込み孔127cに、上軸部124a及び下軸部124bからなる軸部の内、下軸部124bが圧入されることで、これら軸部と強固に組み付けられる。
そして、中間部材127は、歯車体124Aに設けられた開口部124e内に挿入され、歯車体124Aと相対回転可能に組み付けられる。上述したように、中間部材127に形成された両持ち梁構造の弾性変形部127aは、開口部124eの内面124gに設けられた凸部124fとで復元部Fを構成し、弾性領域127bは、凸部124fによって径方向内側に押圧される。
本実施形態の二番車124に備えられる復元部Fにおいては、凸部124fが径方向内側に張り出すように円弧状に形成されているので、中間部材127に対して歯車体124Aが回転しようとすると、凸部124fが滑らかに、且つ、径方向内側に向かって弾性変形部127aを押圧する。この際、弾性変形部127aは両持ち梁構造とされているので、径方向外側に向かって復帰しようとする。このとき、弾性変形部127aから凸部124fに作用する押圧力が、歯車体124Aの回転方向に作用し、歯車体124Aを元の位置に押し戻そうとする。これにより、外力等によって二番車124の下軸部124b及び上軸部124aに過剰な回転トルクが発生した場合であっても、この回転トルクを復元部Fにおける弾性作用で緩衝することができ、歯車体124Aが損傷したりするのを防止できる。
さらに、本実施形態によれば、上述した復元部Fにおける弾性作用により、歯車体124Aと下軸部124b及び上軸部124aとの間における回転方向の位相ずれを抑制することができるとともに、仮に、位相ずれが生じた場合であっても、直ちに位相ずれを吸収して復元させることができる。
中間部材127の材料としては、特に限定されず、所定以上の強度を有し、且つ、上記の弾性変形部127aが機能する金属材料等であれば、特に限定されない。このような中間部材127に用いられる金属材料としては、例えば、リン青銅やステンレス、炭素銅の他、Ni−Sn系合金やNi−Fe系合金等が挙げられ、これらの金属材料を用いて、LIGA等のフォトリソグラフィや、電気鋳造等の方法で中間部材127を製造することができる。
本実施形態においては、特に、歯車体124Aに脆性材料を用い、中間部材127に上記のような金属材料を用いた場合において、上述した、軸回転方向に生じる過剰なトルクを緩衝することによって歯車体124Aの破壊を防止できる効果が顕著に得られる。
なお、本実施形態では、説明の都合上、本発明に係る時計用歯車を二番車124に適用した形態について説明しているが、これには限定されず、例えば、三番車126や四番車128、がんぎ車130等においても適用可能である。さらには、本実施形態で説明する上記構造は、上記の時計用歯車の他、上記同様の軸打ち込みによって製造される部品、例えば、図2中に示すアンクル142や、ひげ玉一体型ひげぜんまいのてんぷ10等、各種の時計用部品に適用することが可能である。
本実施形態の構造をアンクル142に適用する場合には、詳細な図示を省略するが、例えば、弾性変形部を有する中間部材が軸部に固定され、アンクル本体の開口部に中間部材が挿入されることで、アンクル本体が軸部に固定された構造とすることができる。
同様に、上記構造をてんぷ10に適用する場合には、弾性変形部を有する中間部材が軸部に固定され、てん輪、ひげ玉の何れか一方、又は両方の開口部に中間部材が挿入されることで、てん輪又はひげ玉が軸部に固定された構造とすることができる。
本実施形態の時計用歯車である二番車124、三番車126及び四番車128は、上記のように、外力等によって軸回転方向に生じる過剰なトルクを緩衝でき、さらに、歯車体124Aと下軸部124b及び上軸部124aとの間における回転方向の位相ずれを抑制又は復帰させることができるものであり、また、アンクル142、てんぷ10も同様のものである。特に、てんぷに上記構造を採用した場合、ひげ玉一体型ひげぜんまいとてんぷの位相ズレによって生じる、てんぷ減衰振動の変化を防止でき、計時精度を保持できる効果が得られる。従って、これらの時計用歯車や各種時計部品を採用した時計用ムーブメント100、この時計用ムーブメント100を備えた機械式時計1は、時計精度やエネルギー伝達特性に優れたものとなる。
(時計用歯車の変形例)
次に、本実施形態の時計用歯車の変形例について説明する。
なお、以下の各変形例の説明においては、上記した二番車124と同様の構成については、同じ符号を付して説明する場合があり、また、その詳細な説明を省略する場合がある。
図6は、本実施形態の時計用歯車の他の例である二番車224を拡大して示す図であり、(a)は二番車224を下面側から見た斜視図、(b)は側面図である。なお、図6(a)においては、図示の都合上、図6(b)中に示した中間部材227の図示を省略しているが、この中間部材227は、図4(a)及び図5中に示す中間部材127と同様の構成を有するものである。
図6(a),(b)に示すように、二番車224は、図3及び図4中に示したような、歯車体124Aを貫通して形成される開口部124eに代わり、軸部を構成する上軸部224a及び下軸部224bの内、下軸部224bが挿通される軸心孔224hの周囲に、非貫通の凹状領域224eが設けられた歯車体224Aが用いられており、この凹状領域224e内に中間部材227が挿入される点で、図4及び図5に示す二番車124とは異なる。即ち、上記の凹状領域224eは、開口部の少なくとも一部に突出し、中間部材227と係合する鍔部に相当する。
図6(a),(b)に示す二番車224によれば、中間部材227と、かな部224cとにより、鍔部(凹状領域224e)を挟持した形になるので、各軸部224a,224bから歯車体224Aが脱落してしまうのを防止できる。
なお、上記のかな部224cに代えて、例えば、上軸部224a側に図示略の拡径部を形成し、この拡径部と中間部材227とによって上記の鍔部を挟持してもよい。
次に、図7は、本実施形態の時計用歯車の他の例である二番車324を拡大して示す図であり、(a)は二番車324を下面側から見た平面図、(b)は側面図である。また、図8(a)は、二番車324に用いられる中間部材327を単体で示す斜視図、(b)は二番車324を構成する各部品の組み付け形態を示す斜視図である。
図7(a),(b)及び図8(a),(b)に示す二番車324は、上記の二番車224と同様、軸部を構成する上軸部324a及び下軸部324bの内、下軸部324bが挿通される軸心孔324hの周囲に、非貫通の凹状領域からなる開口部324eが設けられた歯車体324Aが用いられており、この凹状領域324e内に中間部材327が挿入される。即ち、上記の凹状領域324eは、開口部の少なくとも一部に突出し、中間部材327と係合する鍔部に相当する。開口部324eには、弾性変形部327aが設けられた中間部材327が挿入・嵌合される。
また、図7(a),(b)及び図8(a),(b)に示す二番車324は、平面視で略四角形状に形成された板状の部材からなる中間部材127,227に代わり、開口部324eの内面324gに対して軸方向で付勢力を付与するとともに、径方向外側に向けて付勢力を付与するように弾性変形する応力集中部327cを有するアーム部327bが備えられ、このアーム部327bの先端に弾性変形部327aが設けられてなる中間部材327が用いられている。
中間部材327は、下軸部324bに固定される筒状の固定部327Bを備える。
アーム部327hは、歯車体324Aへの組み付け前の状態で、固定部327Bの一端327f側に設けられた応力集中部327cから開口部324e側に向けて複数で延出するように形成されるとともに、径方向外側に向けて放射状に形成されている。図示例においては、アーム部327hは、計4本設けられており、径方向外側に向けて均等間隔(角度)、即ち、隣接するアーム部327h間が90°の角度を有するように配置されている。また、アーム部327hは、径方向外側に向かう長さ方向において、少なくとも一部が応力集中部327kとされ、図示例においては、アーム部327hの固定部324B寄りの部位が応力集中部327kとされている。また、図示例においては、各々のアーム部327hは、平面視で略五角形状に形成されている。
上記のように計4箇所で設けられたアーム部327hは、このアーム部327hに設けられた応力集中部327kが軸部の軸方向の力で弾性変形することにより、開口部324eの内面324gに対して軸方向で付勢力を付与する。また、アーム部327hの先端に設けられた弾性変形部327aが開口部324eの内面324gに当接することで、径方向外側に向けて付勢力を付与するように構成される。
アーム部327hの先端に設けられる弾性変形部327aは、上記した二番車124に用いられる中間部材127に備えられた弾性変形部127aと同様、開口部324e内の凸部324fとの間で復元部Fを構成するもので、両端側が固定される両持ち梁構造とされている。即ち、弾性変形部327aは、計4箇所で設けられたアーム部327hの各々に設けられ、細長で薄板状の弾性領域327bの両端327j,327jが、各々、アーム部327hの先端の角部で支持されるように構成されている。
二番車324によれば、歯車体324Aに中間部材327を組み付けることで、まず、軸方向の力で応力集中部327cが弾性変形し、アーム部327hが径方向外側に向けて同じタイミングで均等に拡大する。この際、アーム部327hの先端に設けられた弾性変形部327aが凸部324fに当接し、径方向外側に付勢力を付与する。これにより、径方向外側への付勢力が均等に得られ、上述したような、外力等によって軸回転方向に生じる過剰なトルクを緩衝する効果と、歯車と軸部との回転方向の位相ずれを抑制又は復帰させる効果の両方が安定的に得られる。また、中間部材327を歯車体324Aに組み付ける際、複数のアーム部327hにおける応力集中部327cの各々が同時に屈曲するので、複雑な治具を用いることなく簡単に組み付けることが可能となり、組付性が顕著に向上するという効果が得られる。
さらに、二番車324によれば、歯車体324Aにおける、非貫通の凹状領域からなる開口部324eが、中間部材327と係合する鍔部として機能し、且つ、この鍔部に軸方向で付勢力を付与する状態が維持される。これにより、歯車体324Aと中間部材327とが確実に係合された状態となるので、歯車体324Aが軸部(上軸部324a及び下軸部324b)から脱落するのを防止できる。
なお、本例においては、中間部材327に備えられる応力集中部327cが、中間部材327を構成する他の部位よりも薄肉に形成されていることがより好ましい。これにより、中間部材327を歯車体324Aに組み付ける際の弾性変形がより均等に得られるので、上述したような、外力等によって軸回転方向に生じる過剰なトルクを緩衝する効果と、歯車と軸部との回転方向の位相ずれを抑制又は復帰させる効果の両方がより顕著に得られ、また、組付性向上効果もより顕著に得られる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。例えば、上記の弾性変形部は、中間部材と別部材として構成してもよいし、また、歯車体の開口部に弾性変形部を設け、中間部材に凸部を設けた構成を採用することも可能である。
1…機械式時計、124,224,324…二番車(時計用歯車)、124A,224A,324A…歯車体(歯車)、124a,224a,324a…上軸部(軸部)、124b,224b,324b…下軸部(軸部)、124e…開口部、324e…開口部(凹状領域、鍔部)、124f,324f…凸部(復元部)、124g,324g…内面、224e…凹状領域(鍔部)、126…三番車(時計用歯車)、127,227,327…中間部材、127a,327a…弾性変形部(復元部)、127b,327b…弾性領域、127j,327j…両端(弾性領域)、127c,227c…軸打ち込み孔、327h…アーム部、327k…応力集中部、327B…固定部(筒状の固定部)、327f…一端(固定部)、128…四番車(時計用歯車)、10…てんぷ、142…アンクル、100…時計用ムーブメント、A…接着剤、F…復元部。

Claims (10)

  1. 軸部と、
    前記軸部に固定される中間部材と、
    前記中間部材が挿入される開口部を有し、該中間部材を介して前記軸部に取り付けられる歯車と、を備え、
    前記中間部材と前記歯車との間には、相対回転可能とされているとともに、前記中間部材と前記歯車との回転方向のずれを正位置に復帰させる復元部を備えており、
    前記復元部は、両持ち梁からなる弾性変形部を備え、
    前記開口部の内面には、前記両持ち梁からなる弾性変形部に当接する凸部が設けられており、前記弾性変形部と前記凸部とによって前記復元部が構成されており、
    さらに、前記中間部材が平面視で多角形に形成されており、該多角形の外周における平坦面に前記弾性変形部が設けられていることを特徴とする時計用歯車。
  2. 前記歯車には、前記開口部の少なくとも一部に、径方向内側に向かって突出する鍔部が設けられ、
    前記軸部には、前記中間部材が固定される箇所を避けた位置に、段差により拡径された拡径部が設けられ、
    前記中間部材と前記拡径部とにより、前記鍔部を挟持することを特徴とする請求項1に記載の時計用歯車。
  3. 前記中間部材には、さらに、前記開口部の内面に対して前記軸部の軸方向で付勢力を付与するとともに、径方向外側に向けて付勢力を付与するように弾性変形する応力集中部を有するアーム部が備えられ、該アーム部の先端に前記弾性変形部が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の時計用歯車。
  4. 前記中間部材は、前記軸部に固定される筒状の固定部を備え、
    前記アーム部は、前記固定部の一端側に設けられた前記応力集中部から前記開口部側に向けて複数で延出するように形成されるとともに、径方向外側に向けて放射状に形成されており、
    前記アーム部は、該アーム部の少なくとも一部に設けられた前記応力集中部が前記軸部の軸方向の力で弾性変形することにより、前記開口部の内面に対して軸方向で付勢力を付与するとともに、前記弾性変形部が前記開口部の内面に当接することで、径方向外側に向けて付勢力を付与することを特徴とする請求項に記載の時計用歯車。
  5. 前記中間部材は、前記応力集中部が薄肉に形成されていることを特徴とする請求項又は請求項に記載の時計用歯車。
  6. 前記中間部材が金属材料からなり、前記歯車が脆性材料からなることを特徴とする請求項1〜請求項の何れか一項に記載の時計用歯車。
  7. 請求項1〜請求項の何れか一項に記載の中間部材が軸部に固定され、請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の構造を有する開口部を備えたアンクル本体の該開口部に前記中間部材が挿入されることで前記アンクル本体が前記軸部に固定されており、且つ、前記中間部材と前記アンクル本体との間には、相対回転可能とされているとともに、前記中間部材と前記アンクル本体との回転方向のずれを正位置に復帰させる復元部を備えることを特徴とするアンクル。
  8. 請求項1〜請求項の何れか一項に記載の中間部材が軸部に固定され、請求項1〜請求項の何れか一項に記載の構造を有する開口部を備えたてん輪、ひげ玉の何れか一方、又は両方の前記開口部に前記中間部材が挿入されることで前記てん輪又は前記ひげ玉が前記軸部に固定されており、且つ、前記中間部材と前記てん輪又は前記ひげ玉との間には、相対回転可能とされているとともに、前記中間部材と前記てん輪又は前記ひげ玉との回転方向のずれを正位置に復帰させる復元部を備えることを特徴とするてんぷ。
  9. 請求項1〜請求項の何れか一項に記載の時計用歯車、請求項に記載のアンクル、及び、請求項に記載のてんぷの少なくとも何れかを備えることを特徴とする時計用ムーブメント。
  10. 請求項に記載の時計用ムーブメントを備えることを特徴とする機械式時計。
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