JP6025201B2 - 回転部品、ムーブメント、時計、及び回転部品の製造方法 - Google Patents
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Description
これに対して、下記特許文献1には、貫通孔内面に弾性部を形成し、この弾性部によって回転軸を貫通孔内で弾性支持する構成が開示されている。
一方、下記特許文献2には、回転軸に径方向外側に向けて突出するフレア部分を形成し、このフレア部分を弾性変形させて、貫通孔内に回転軸を弾性支持する構成が開示されている。
また、下記特許文献3には、回転体と回転軸とを弾性変形可能な中間部品を介して弾性支持する構成が開示されている。
そのため、周方向への緩みトルクや軸方向への抜き力が小さく、回転体と回転軸とを確実に固定することができないという問題がある。
また、回転体の貫通孔内に回転軸を挿入した後、両者を接着剤のみで固定する方法も考えられる。
しかしながら、この場合には、回転軸と貫通孔との間に、接着剤を注入するための隙間を設ける必要があるため、回転軸と回転体とを同軸上に配置することが難しいという問題がある。
(1)本発明に係る回転部品は、結晶方位を有する材料からなる回転体と、前記回転体の貫通孔内に挿通されるとともに、連結体を介して前記回転体に固定された回転軸と、を備えた回転部品において、前記貫通孔の内面は、前記回転軸の軸方向に対して傾斜するとともに、前記材料の結晶面により形成された第1傾斜面が、前記回転軸の周方向に沿って複数連設されてなり、前記連結体の外周面には、前記第1傾斜面と同等の角度を有する複数の第2傾斜面が前記第1傾斜面に対応して形成され、前記連結体は、前記回転軸に固定されるとともに、前記第2傾斜面が前記第1傾斜面に当接した状態で前記貫通孔内に配置されていることを特徴としている。
また、貫通孔及び連結体の複数の傾斜面同士を当接させることで、回転体に対する連結体の周方向の位置決めを確実に行うことができる。そのため、連結体に固定された回転軸の周方向への緩みトルクを確保できる。
しかも、第1傾斜面は、材料の結晶方位で規定される結晶面により形成されているため、第1傾斜面が所定の角度に高精度に形成されることになる。そのため、回転体と連結体とを高精度、かつ強固に位置決めすることができる。
また、連結体を介して回転軸を回転体に固定するのみなので、従来のように回転軸と回転体とを接着剤を用いて固定する等の別工程を行う必要がなく、製造効率の低下を抑制できる。
この構成によれば、エネルギーの伝達効率が高く、また形状の自由度が高く、高精度な回転体を提供できる。
この構成によれば、回転軸のうち、回転体を挟んで連結体の反対側に、連結体との間で回転体を挟持するフランジ部が形成されているため、軸方向への抜き力を確保して、回転軸に対して回転体を軸方向に確実に固定することができる。
この構成によれば、凹部の内周面が回転体と同一の結晶面で形成された成形型を用いて連結体が成形されているため、第2傾斜面を第1傾斜面と同等の角度に高精度に形成することができる。これにより、第1傾斜面と第2傾斜面とを隙間なく当接させることができ、回転体と連結体とを高精度に位置決めすることができる。
この構成によれば、回転体と連結体との組付工程において、貫通孔の隣接する第1傾斜面間に位置する角部と、連結体の角部と、の接触を抑え、連結体が貫通孔内に進入し易くなるので、製造効率の向上を図ることができる。
この構成によれば、上記本発明の回転部品が用いられているため、信頼性及び耐久性に優れた高品質なムーブメントを提供することができる。
この構成によれば、上記本発明のムーブメントを備えているため、信頼性及び耐久性に優れた高品質な時計を提供することができる。
この構成によれば、上記本発明の回転部品と同様の作用効果を奏することができる。
この構成によれば、基材と同じ結晶方位を有する成形基板に対して異方性エッチングを施すことで、内周面が基材と同一の結晶面で形成されるため、第1傾斜面と同等の角度を有する複数の傾斜面からなる凹部を形成することができる。そして、この凹部を有する成形型に対して電鋳を行うことで、第1傾斜面と同等の角度に形成された第2傾斜面を有する連結体(電鋳体)を成形することができる。
すなわち、凹部の内周面が基材と同一の結晶面で形成された凹部を有する成形型を用いて連結体が成形されているため、第2傾斜面を第1傾斜面と同等の角度に高精度に形成することができる。これにより、第1傾斜面と第2傾斜面とを隙間なく当接させることができ、回転体と連結体とを高精度に位置決めすることができる。
また、本発明のムーブメント及び時計によれば、信頼性及び耐久性に優れた高品質な製品を提供することができる。
(第1実施形態)
[機械式時計]
はじめに、機械式時計1について説明する。図1は、ムーブメント表側の平面図である。
図1に示すように、本実施形態の機械式時計1は、ムーブメント10と、このムーブメント10を収納する図示しないケーシングと、により構成されている。
地板11には、巻真案内穴11aが形成されており、ここに巻真12が回転自在に組み込まれている。この巻真12は、おしどり13、かんぬき14、かんぬきばね15及び裏押さえ16を有する切換装置により、軸方向の位置が決められている。また、巻真12の案内軸部には、きち車17が回転自在に設けられている。
脱進機構30は、上述した表輪列の回転を制御する機構であって、四番車27と噛み合うがんぎ車(回転部品)35と、このがんぎ車35を脱進させて規則正しく回転させるアンクル(回転部品)36と、を備えている。
調速機構31は、上述した脱進機構30を調速する機構であって、てんぷ(回転部品)40を具備している。
次に、上述した脱進機構30について、より詳細に説明する。図2は脱進機構30の平面図であり、図3は脱進機構30の斜視図、図4は図2のA−A線に沿う断面図である。
図2〜図4に示すように、脱進機構30のがんぎ車35は、がんぎ歯車部(回転体)101と、がんぎ歯車部101に連結体110を介して同軸(軸線O1)上に固定された軸部材(回転軸)102と、を備えている。以下の説明では、がんぎ歯車部101及び軸部材102の軸線O1に沿う方向を単に軸方向、軸線O1に直交する方向を径方向といい、軸線O1回りに周回する方向を周方向という。
図2〜図5に示すように、がんぎ歯車部101は、単結晶シリコン等、結晶方位を有する材料からなり、表面101a及び裏面101bが平坦面とされるとともに、全面に亘って均一な厚みとされた板状のものである。具体的に、がんぎ歯車部101は、周囲のリム部111と、中央のハブ部112と、これらリム部111及びハブ部112を連結する複数のスポーク部113と、を有している。
リム部111の外周面には、特殊な鉤型状に形成された複数の歯部114が径方向の外側に向けて突設されている。これら複数の歯部114の先端に、後述するアンクル36の爪石144a,144bが接触するようになっている。
図5、図6に示すように、ハブ部112は、リム部111の内側に配置された円板形状のものであり、その中央部分には軸方向に貫通する貫通孔115が形成されている。この貫通孔115は、平面視で正方形状とされ、軸方向に沿う一端開口部115aから他端開口部115bに向かうに従い漸次拡径された角錐台形状(図示の例では、四角錐台)とされている。具体的に、貫通孔115の内面は、軸方向に対して傾斜する複数(図示の例では、4つ)の第1傾斜面116が周方向に沿って連設されて構成されている。これら第1傾斜面116は、単結晶シリコンの結晶面である(111)面により形成されており、それぞれ同等の角度になっている。
ほぞ部121a,121bのうち、軸方向一端側に位置する一端ほぞ部121aは、図示しない輪列受に回転可能に支持され、軸方向他端側に位置する他端ほぞ部121bは、上述した地板11に回転可能に支持されている。
図6、図7に示すように、連結体110は、上述した軸部材102に圧入されるとともに、がんぎ歯車部101の貫通孔115内に配置されることで、がんぎ歯車部101と軸部材102とを連結するものである。具体的に、連結体110は、金属等からなる角錐台形状(図示の例では、四角錐台)とされ、軸方向一端側から他端側に向かうに従い漸次拡径されている。
小径面131及び大径面132は、ともに平面視正方形状とされるとともに、小径面131の幅W1(径方向に沿う第2傾斜面133間の距離)は大径面132の幅W2よりも小さくなっている。また、連結体110の中心部には、軸方向に沿って連結体110を貫通する圧入孔130が形成されている。この圧入孔130内には、上述した軸部材102の圧入軸部123が他端ほぞ部121b側から圧入されている。
次に、上述したがんぎ車35の製造方法について説明する。
本実施形態のがんぎ車35の製造工程は、がんぎ歯車部101を作成する歯車部作成工程(回転体作成工程)と、連結体110を作成する連結体作成工程と、これらがんぎ歯車部101及び連結体110を組み付ける組付工程と、を主に有している。
図8〜図10は、歯車部作成工程を説明するための工程図であって、図4に相当する断面図である。
歯車部作成工程では、まず図8(a)に示すように、表面200aが(100)面により形成された単結晶シリコンからなる基材200に対して熱酸化を施し、基材200の表裏面200a,200bに二酸化ケイ素(SiO2)からなる第1熱酸化膜201を形成する(第1熱酸化工程)。
その後、第1レジストパターンに対してエッチングを行うことで、第1レジストパターンで保護された領域以外の第1熱酸化膜201が選択的に除去され、上述した第1マスクパターン202が形成される。最後に、第1レジストパターンを除去することで、第1マスクパターン形成工程が終了する。なお、第1マスクパターン202の開口202aは、貫通孔115における他端開口部115bの幅W2よりも直径の小さい円形状に形成する。
その後、図9(d)に示すように、第2レジストパターン212をマスクとして第2熱酸化膜203をエッチングすることで、第2レジストパターン212で保護された第2熱酸化膜203が選択的に除去される。これにより、がんぎ歯車部101の平面視外形を有する第2レジストパターン212が形成される。なお、第2マスクパターン形成工程のエッチングでは、緩衝フッ酸水溶液(BHF)をはじめとするウェットエッチングや、リアクティブイオンエッチング(RIE)をはじめとするドライエッチング等を採用することができる。
図11、図12は、連結体作成工程を説明するための工程図であって、図6に相当する断面を示している。
連結体作成工程では、連結体110(図6参照)の外形形状に対応した凹部230aを有する成形型230(図11(d)参照)を作成し、作成した成形型230を用いて電鋳を行うことで、連結体110を成形する。
具体的には、まず図11(a)に示すように、表面220aが上述した基材200と同じ面方位((100)面)を有する単結晶シリコンからなる成形基板220を用意する。そして、この成形基板220に対して熱酸化を施し、成形基板220の表裏面220a,220bに二酸化ケイ素(SiO2)からなる熱酸化膜221を形成する(熱酸化工程)。
また、凹部230aの内周面は、(100)面に比べてエッチングされ難い(111)面が現れることで、成形基板220の厚さ方向に対して傾斜する傾斜面233が底部231を取り囲むように複数連設される。すなわち、凹部230aの傾斜面233は、連結体110の第2傾斜面133を成形するものであり、上述したがんぎ歯車部101の第1傾斜面116に対応して、第1傾斜面116と同数で、かつ第1傾斜面116とそれぞれ同じ角度に形成されている。
最後に、図12(e)に示すように、成形型230から電鋳体241を取り出す(取出し工程)。具体的には、アルカリ水溶液等のエッチングにより成形型230を除去するとともに、ウェットエッチングにより電極層235を除去する。これにより、凹部230aの内面形状(成形型230のうち(111)面により形成された傾斜面233の形状)が転写された電鋳体241を取り出すことができる。さらに、レジストパターン240の柱部240aを除去することで、上述した連結体110が完成する。
図13は、組付工程を説明するための説明図であって、図6に相当する断面図である。
図13に示すように、組付工程では、まず軸部材102の他端ほぞ部121bを、がんぎ歯車部101における貫通孔115の一端開口部115aに向けた状態で、貫通孔115内に軸部材102を挿通する。このとき、軸部材102のフランジ部124が、がんぎ歯車部101の裏面101bに突き当たるまで軸部材102を挿通することで、圧入軸部123の一部が貫通孔115内に配置される。
以上により、がんぎ歯車部101と軸部材102とが連結体110を介して連結され、本実施形態のがんぎ車35が完成する。
この構成によれば、がんぎ歯車部101に対して軸部材102を圧入等により直接固定する場合に比べて、がんぎ歯車部101の割れ等を抑制できるとともに、軸部材102の軸方向への抜き力を確保した上で、がんぎ歯車部101に軸部材102を組み付けることができる。
また、貫通孔115及び連結体110の複数の傾斜面116,133同士を当接させることで、がんぎ歯車部101に対する連結体110の周方向の位置決めを確実に行うことができる。そのため、連結体110に固定された軸部材102の周方向への緩みトルクを確保できる。
しかも、本実施形態の第1傾斜面116は、材料の結晶方位で規定される(111)面により形成されているため、第1傾斜面116が所定の角度に高精度に形成されることになる。そのため、がんぎ歯車部101と連結体110とを高精度、かつ強固に位置決めすることができる。
また、本実施形態では、連結体110を介して軸部材102をがんぎ歯車部101に固定するのみなので、従来のように回転軸と回転体とを接着剤を用いて固定する等の別工程を行う必要がなく、製造効率の低下を抑制できる。
したがって、製造効率の低下を抑制した上で、がんぎ歯車部101と軸部材102とを確実、かつ高精度に固定できる。
また、軸部材102のうち、がんぎ歯車部101を挟んで連結体110の反対側に、連結体110との間でがんぎ歯車部101を挟持するフランジ部124が形成されているため、軸方向への抜き力を確保して、軸部材102に対してがんぎ歯車部101を軸方向に確実に固定することができる。
図14は、連結体150の変形例を示す斜視図である。
図14に示すように、連結体150のうち、隣接する第2傾斜面133間に位置する角部に面取り(図14中面取り部151)を施しても構わない。
この構成によれば、上述した組付工程において、貫通孔115の隣接する第1傾斜面116間に位置する角部と、連結体150の角部と、の接触を抑え、連結体150が貫通孔115内に進入し易くなるので、製造効率の向上を図ることができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図15は第2実施形態の連結体310を示す図であって、図6に相当する断面図である。また、図16は第2実施形態の連結体310を示す斜視図である。なお、以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図15、図16に示すように、本実施形態の連結体310は、断面視でW字状とされており、軸方向一端側に位置する枠状の底部311と、底部311の内周縁から軸方向他端側に向けて立設された内筒部312と、底部311の外周縁から軸方向他端側に向けて立設された外筒部313と、を有している。
内筒部312は、軸方向一端側から他端側に向かうに従い漸次縮径する角錐台形状とされている。具体的に、内筒部312は、軸方向に対して傾斜する傾斜壁314が、底部311の内周縁のうち、各辺に対応して複数形成されている。また、内筒部312のうち、軸方向他端側に位置する開口部は、上述した圧入軸部123が圧入される圧入孔312aを構成している。
本実施形態の連結体作成工程では、連結体310の外形形状に対応した凹部330aを有する成形型330(図17(d)参照)を作成し、作成した成形型330を用いて連結体310を成形する。
具体的には、まず図17(a)に示すように、表面320aが(100)面により形成された単結晶シリコンからなる成形基板320を用意する。そして、この成形基板320に対して熱酸化を施し、成形基板320の表裏面320a,320bに熱酸化膜321を形成する(熱酸化工程)。
続いて、図17(c)、図18に示すように、マスクパターン322をマスクとして、成形基板320に対して異方性エッチングを行い、成形基板320に凹部330aを形成する。この凹部330aは、底部331及び開口部332が平面視で正方形状とされるとともに、底部331の外周縁から開口部に向かうに従い漸次拡径された角錐台形状とされている。また、底部331の中央部には、開口部332に向かうに従い漸次縮径する角錐台形状の柱部333が形成されている。この場合、凹部330aの底部331は、連結体310の底部311を成形する。
さらに、柱部333の外周面にも、(111)面により形成された傾斜面335が柱部333を取り囲むように複数連設される。傾斜面335は、連結体310の内筒部312(傾斜壁314)を成形するものである。
最後に、成形型330から金属層336を取り出すことで、上述した連結体310を作成することができる(取出し工程)。この場合、連結体310の傾斜壁314,315は、成形型330のうち(111)面により形成された傾斜面334,335の形状が転写される。
例えば、上述した実施形態では、軸部材102をがんぎ歯車部101に挿通した後、連結体110を軸部材102に圧入する構成について説明したが、これに限らず、がんぎ歯車部101の貫通孔115内に連結体110を配置した後、軸部材102を、がんぎ歯車部101に挿入しつつ連結体110に圧入しても構わない。
さらに、上述した実施形態では、がんぎ歯車部101を単結晶シリコンにより形成した場合について説明したが、これに限らず、シリコンカーバイトや水晶、アルミナ等、結晶方位を有する種々の材料を採用することができる。例えば、水晶を採用した場合には、傾斜面が、シリコンにおける結晶面の(111)面となる代わりに、水晶の自然結晶面であるm面、m’面となる。
さらに、上述した実施形態では、連結体110を金属により形成した場合について説明したが、これに限らず、種々の材料により形成しても構わない。例えば、上述した成形型230を用いて樹脂材料を成形しても構わない。
例えば、図19に示すように、がんぎ歯車部101の両面101a,101b側に連結体110を設け、これら連結体110を介して軸部材102をがんぎ歯車部101に組み付けても構わない。具体的に、図19に示すがんぎ歯車部101の貫通孔415は、軸方向両側から中央部に向かうに従い漸次縮径する一対のテーパ部415a,415bを有している。これらテーパ部415a,415bは、それぞれ(111)面により形成されるとともに、軸方向に対して傾斜する複数の第1傾斜面416が周方向に沿って連設されて構成されている。
図1,図20に示すように、てんぷ40は、軸線O2回りに回転可能に支持されたてん真(回転軸)501と、アーム部502を介しててん真501に取付けられたてん輪(回転体)503(図1参照)と、ひげぜんまい504と、を備え、ひげぜんまい504から伝えられた動力によって、てん真501回りに一定の振動周期で正逆回転させられる部材とされている。
連結体510は、上述した第1実施形態の連結体110と同様に、軸方向に対する角度が上述した第1傾斜面516と同等とされるとともに、各第1傾斜面516に対応して周方向に沿って連設された複数の第2傾斜面533を有している。
そして、ひげ玉505は、圧入孔530内に上述したてん真501が圧入され、かつ第2傾斜面533が第1傾斜面516に面接触した状態で貫通孔515内に配置されている。これにより、ひげ玉505を介して、てん真501とてん輪503のアーム部502とが組み付られる。
Claims (9)
- 結晶方位を有する材料からなる回転体と、
前記回転体の貫通孔内に挿通されるとともに、連結体を介して前記回転体に固定された回転軸と、を備えた回転部品において、
前記貫通孔の内面は、前記回転軸の軸方向に対して傾斜するとともに、前記材料の結晶面により形成された第1傾斜面が、前記回転軸の周方向に沿って複数連設されてなり、
前記連結体の外周面には、前記第1傾斜面と同等の角度を有する複数の第2傾斜面が前記第1傾斜面に対応して形成され、
前記連結体は、前記回転軸に固定されるとともに、前記第2傾斜面が前記第1傾斜面に当接した状態で前記貫通孔内に配置されていることを特徴とする回転部品。 - 前記材料はシリコンにより構成され、前記結晶面はシリコンの(111)面として形成されていることを特徴とする請求項1に記載の回転部品。
- 前記回転軸のうち、前記回転体を挟んで前記連結体の反対側には、前記回転軸の径方向外側に向けて突出するとともに、前記連結体との間で前記回転体を挟持するフランジ部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の回転部品。
- 前記連結体は、凹部の内周面が前記結晶面で形成された成形型を用いて成形されていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の回転部品。
- 前記連結体の外周面のうち、隣接する前記第2傾斜面間に位置する角部には、面取りが施されていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の回転部品。
- 香箱車、番車、がんぎ車、アンクル及びてんぷを備えた時計のムーブメントであって、
前記香箱車、前記番車、前記がんぎ車、前記アンクル、及び前記てんぷのうち、少なくとも何れかに請求項1記載の回転部品が用いられていることを特徴とするムーブメント。 - 請求項6に記載のムーブメントを備えたことを特徴とする時計。
- 貫通孔を有する回転体が連結体を介して回転軸に固定されてなる回転部品の製造方法であって、
結晶方位を有する基材に対して異方性エッチングを施すことで、前記回転軸の軸方向に対して傾斜するとともに、前記基材の結晶面により形成された複数の第1傾斜面が、前記回転軸の周方向に沿って連設されてなる前記貫通孔を形成する回転体作成工程と、
外周面が前記第1傾斜面と同等の角度を有する複数の第2傾斜面により形成された角錐台形状の前記連結体を作成する連結体作成工程と、
前記連結体を介して前記回転軸を前記回転体に組み付ける組付工程と、を有し、
前記組付工程では、
前記回転軸を前記貫通孔内に挿通するとともに、前記第2傾斜面を前記第1傾斜面に当接させた状態で、前記連結体と前記回転軸とを固定することを特徴とする回転部品の製造方法。 - 前記連結体形成工程は、
前記基材と同じ結晶方位を有する成形基板に対して異方性エッチングを施し、凹部を有する成形型を形成する成形型形成工程と、
前記成形型に対して電鋳を行うことで、前記凹部内に前記連結体を成形する電鋳工程と、を有していることを特徴とする請求項8記載の回転部品の製造方法。
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