JP2018044835A - 機械部品の製造方法、及び時計の製造方法 - Google Patents
機械部品の製造方法、及び時計の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018044835A JP2018044835A JP2016179249A JP2016179249A JP2018044835A JP 2018044835 A JP2018044835 A JP 2018044835A JP 2016179249 A JP2016179249 A JP 2016179249A JP 2016179249 A JP2016179249 A JP 2016179249A JP 2018044835 A JP2018044835 A JP 2018044835A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- manufacturing
- resin material
- wheel
- etching
- mechanical
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Gears, Cams (AREA)
Abstract
Description
また、特許文献1では、エッチングした後で、SOI基板の犠牲層を除去したときに、基材に形成された複数の機械部品が分散してしまわないように、機械部品どうしを基材の一部として形成した接続部により接続する構成が記載されている。
また、基材に形成された複数の機械部品を、接続部を折り取ることによって個片化する際に、接続部の折り取り部分にチッピングが生じて機械部品に付着したり、接続部の折り取り部から機械部品部分に亀裂が生じて破損のきっかけになり得る虞があるという課題があった。
本適用例によれば、エッチング工程において、第2の樹脂材料が、基材の他方の面からの浸食を防止するエッチングレジストとして機能するとともに、エッチングにより個片になった複数の機械部品同士を接続する裏打ち膜になるので、エッチング後に個片化された機械部品が散乱するのを防止することができる。
したがって、シリコンを含む基材からなる機械部品を、標準的なフォトリソグラフィー及びエッチングを用いた簡便な工程により、効率的に、且つ、精度よく製造することが可能な製造方法を提供することができる。
したがって、本適用例によれば、第2の樹脂材料が除去されて個片化される機械部品の散乱を抑えながら、エッチング後の機械部品の第1の樹脂材料および第2の樹脂材料を除去することができる。
したがって、信頼性及び耐久性に優れた精度の高い時計を製造することができる。
はじめに、機械式時計1について説明する。図1は、本実施形態に係る時計としての機械式時計1のムーブメント10表側の平面図である。
図1に示すように、本実施形態の機械式時計1は、ムーブメント10と、このムーブメント10を収納する図示しないケーシングと、により構成されている。
地板11には、巻真案内穴11aが形成されており、ここに巻真12が回転自在に組み込まれている。この巻真12は、おしどり13、かんぬき14、かんぬきばね15及び裏押さえ16を有する切換装置により、軸方向の位置が決められている。また、巻真12の案内軸部には、きち車17が回転自在に設けられている。
脱進機構30は、上述した表輪列の回転を制御する機構であって、四番車27と噛み合うがんぎ車(機械部品)35と、このがんぎ車35を脱進させて規則正しく回転させるアンクル(機械部品)36と、を備えている。
調速機構31は、上述した脱進機構30を調速する機構であって、てんぷ(機械部品)40を具備している。
次に、上述したムーブメント10の脱進機構30について、より詳細に説明する。図2は脱進機構30の平面図であり、図3は脱進機構30の斜視図、図4は図2のA−A線に沿う断面図である。
図2〜図4に示すように、脱進機構30のがんぎ車35は、がんぎ歯車部(回転体)101と、がんぎ歯車部101に同軸(軸線O1)上に固定された軸部材(回転軸)102と、を備えている。以下の説明では、がんぎ歯車部101及び軸部材102の軸線O1に沿う方向を単に軸方向、軸線O1に直交する方向を径方向といい、軸線O1回りに周回する方向を周方向という。
図2〜図5に示すように、がんぎ歯車部101は、表面101a及び裏面101bが平坦面とされるとともに、全面に亘って均一な厚みとされた板状のものである。具体的に、がんぎ歯車部101は、周囲のリム部111と、中央のハブ部112と、これらリム部111及びハブ部112を連結する複数のスポーク部113と、を有している。
リム部111の外周面には、特殊な鉤型状に形成された複数の歯部114が径方向の外側に向けて突設されている。これら複数の歯部114の先端に、後述するアンクル36の爪石144a,144bが接触するようになっている。
なお、がんぎ歯車部101は、単結晶シリコン等、結晶方位を有する材料からなる。
ほぞ部121a,121bのうち、軸方向一端側に位置する一端ほぞ部121aは、図示しない輪列受に回転可能に支持され、軸方向他端側に位置する他端ほぞ部121bは、上述した地板11に回転可能に支持されている。
次に、上述したがんぎ車35の製造方法について説明する。
図6は、がんぎ車35の歯車部(がんぎ歯車部)101の製造方法を示すフローチャートであり、図7A〜図7Dは、歯車部101の作成工程を説明するための説明図であって、図4に相当する断面図である。
基材200に塗布したフォトレジスト211及び裏面コート材221の各々は所定の温度によるキュアを行うが、フォトレジスト211のキュア条件と裏面コート材221のキュア条件との差が大きい場合等には、フォトレジスト211と裏面コート材221とで別々にキュアを行い、フォトレジスト211のキュア条件と裏面コート材221のキュア条件とが同じか近似であれば、キュア工程を同時に行うことにより工程の効率化を図ることができる。
なお、第1の塗布工程と第2の塗布工程とは、各樹脂材料のキュア条件を考慮した工程順の設定などの便宜上、順番を逆にして行う構成としてもよい。
また、裏面コート材221は、エッチングにより個片化される複数のがんぎ歯車部101(機械部品)同士を接続する裏打ち膜になるので、エッチング後に個片化されたがんぎ歯車部101が散乱するのを防止することができる。
本実施形態によれば、シリコンを含む材料からなる基材200を、標準的なフォトリソグラフィー技術及びエッチングを用いて加工することにより、比較的簡便な工程で、精密な機械部品であるがんぎ歯車部101を製造することができる。
また、シリコンを含む基材200を本実施形態の製造方法により加工して形成されるがんぎ歯車部101などの精密な機械部品は、金属製の機械部品に比べて軽いとともに、形状の自由度が高く、高精度な外形形状の形成ができるという利点を有する。したがって、精度が高く、軽量な機械式時計の製造に寄与できる機械部品を製造することができる。
上記実施形態のがんぎ歯車部101(機械部品)の製造方法において、図6のステップS7に示す樹脂除去工程は、ステップS6のエッチング工程を経たフォトレジストパターン212(フォトレジスト211)及び裏面コート材221付きの基材200(がんぎ歯車部101)をトレイに載置した状態で、酸素プラズマアッシング等のプラズマ処理により行う構成としてもよい。
したがって、変形例1の製造方法によれば、エッチング後の除去工程で裏面コート材221(第2の樹脂材料)が除去されて個片化されるがんぎ歯車部101(機械部品)の散乱を抑えながら、エッチング後の樹脂材料(フォトレジストパターン212,裏面コート材221)を除去して、がんぎ歯車部101(機械部品)を得ることができる。
上記実施形態のがんぎ歯車部101(機械部品)の製造方法において、図6のステップS7の樹脂除去工程の後に、基材200(がんぎ歯車部101)材料の表面に二酸化ケイ素(SiO2)からなるシリコン酸化膜を形成する酸化工程を含んでもよい。
このような工程によれば、基材200(がんぎ歯車部101)材料の表面に形成されるシリコン酸化膜により、がんぎ歯車部(機械部品)の機械的強度を向上させることができるので、耐久性が高く、優れた信頼性を有するがんぎ歯車部101(機械部品)を提供することができる。
熱酸化処理によれば、十分な厚さの緻密なシリコン酸化膜(SiO2)を比較的短時間に形成することができるので、機械的強度の高いがんぎ歯車部101等の機械部品を効率よく製造することができる。
次に、本発明の機械式時計の製造方法について説明する。
本発明の機械式時計の製造方法は、図1〜図5の何れかに示す香箱車22、番車(二番車25、三番車26、四番車27)、がんぎ車35、アンクル36及びてんぷ40のいずれかに、上記実施形態および変形例1,2のがんぎ歯車部101を代表例として説明した機械部品の製造方法の何れかにより製造された機械部品を用いて、ムーブメント10を組み立てる組立工程を含むことを特徴とするものである。
したがって、信頼性及び耐久性に優れた精度の高い機械式時計を提供することができる。
Claims (5)
- シリコンを含む基材の一方の面に感光性を有する第1の樹脂材料を塗布する第1の塗布工程と、
前記一方の面と反対側の他方の面に第2の樹脂材料を塗布する第2の塗布工程と、
前記第1の樹脂材料を露光したのち、現像することにより、前記第1の樹脂材料からなるマスクを形成する工程と、
前記マスクを介して前記一方の面から前記基材をエッチングするエッチング工程と、
前記エッチング工程の後で、前記第1の樹脂材料および前記第2の樹脂材料を除去する除去工程と、を含むことを特徴とする機械部品の製造方法。 - 請求項1に記載の機械部品の製造方法において、
前記除去工程は、前記エッチング工程を経た前記基材をトレイに載置した状態で、プラズマ処理により行うことを特徴とする機械部品の製造方法。 - 請求項1または2に記載の機械部品の製造方法において、
前記除去工程の後に、前記基材の表面にシリコン酸化膜を形成する酸化工程を含むことを特徴とする機械部品の製造方法。 - 請求項3に記載の機械部品の製造方法において、
前記酸化工程は、熱酸化処理を行うことを特徴とする機械部品の製造方法。 - 香箱車、番車、がんぎ車、アンクル及びてんぷのいずれかに、請求項1〜4の何れか一項に記載の機械部品の製造方法により製造された機械部品を用いてムーブメントを組み立てる組立工程を含むことを特徴とする時計の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016179249A JP2018044835A (ja) | 2016-09-14 | 2016-09-14 | 機械部品の製造方法、及び時計の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016179249A JP2018044835A (ja) | 2016-09-14 | 2016-09-14 | 機械部品の製造方法、及び時計の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018044835A true JP2018044835A (ja) | 2018-03-22 |
Family
ID=61694744
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016179249A Withdrawn JP2018044835A (ja) | 2016-09-14 | 2016-09-14 | 機械部品の製造方法、及び時計の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018044835A (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20110310711A1 (en) * | 2010-05-18 | 2011-12-22 | Montres Breguet Sa | Silicon overcoil balance spring |
JP2014163785A (ja) * | 2013-02-25 | 2014-09-08 | Seiko Instruments Inc | 温度補償型てんぷ、時計用ムーブメント、機械式時計、及び温度補償型てんぷの製造方法 |
WO2016093354A1 (ja) * | 2014-12-12 | 2016-06-16 | シチズンホールディングス株式会社 | 時計部品および時計部品の製造方法 |
JP2016133494A (ja) * | 2015-01-22 | 2016-07-25 | シチズンホールディングス株式会社 | 時計部品の製造方法および時計部品 |
JP2016133495A (ja) * | 2015-01-22 | 2016-07-25 | シチズンホールディングス株式会社 | 時計部品の製造方法および時計部品 |
-
2016
- 2016-09-14 JP JP2016179249A patent/JP2018044835A/ja not_active Withdrawn
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20110310711A1 (en) * | 2010-05-18 | 2011-12-22 | Montres Breguet Sa | Silicon overcoil balance spring |
JP2014163785A (ja) * | 2013-02-25 | 2014-09-08 | Seiko Instruments Inc | 温度補償型てんぷ、時計用ムーブメント、機械式時計、及び温度補償型てんぷの製造方法 |
WO2016093354A1 (ja) * | 2014-12-12 | 2016-06-16 | シチズンホールディングス株式会社 | 時計部品および時計部品の製造方法 |
JP2016133494A (ja) * | 2015-01-22 | 2016-07-25 | シチズンホールディングス株式会社 | 時計部品の製造方法および時計部品 |
JP2016133495A (ja) * | 2015-01-22 | 2016-07-25 | シチズンホールディングス株式会社 | 時計部品の製造方法および時計部品 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6772790B2 (ja) | 時計部品の製造方法、及び時計の製造方法 | |
JP6025201B2 (ja) | 回転部品、ムーブメント、時計、及び回転部品の製造方法 | |
JP6891646B2 (ja) | 機械式部品、時計 | |
JP6143185B2 (ja) | 動作安定機構、ムーブメントおよび機械式時計 | |
JP6915602B2 (ja) | 時計部品および時計 | |
JP5395174B2 (ja) | 時計のギヤシステム | |
JP5872181B2 (ja) | 機械部品、機械組立体および時計 | |
JP6355102B2 (ja) | 定力装置、ムーブメントおよび機械式時計 | |
JP2010217166A (ja) | 脱進調速機、機械式時計、アンクル体の製造方法及び振リ座の製造方法 | |
EP3396471A2 (en) | Mechanical component and timepiece | |
US9678477B2 (en) | Mechanical component, mechanical component manufacturing method, movement, and timepiece | |
EP3418815B1 (en) | Mechanical part, timepiece, and method of manufacturing a mechanical part | |
JP2018044835A (ja) | 機械部品の製造方法、及び時計の製造方法 | |
JP2019132827A (ja) | クロックまたは小型時計部品の製造方法 | |
JP6919166B2 (ja) | 機械部品の製造方法、及び時計の製造方法 | |
JP7444213B2 (ja) | アンクル、ムーブメントおよび時計 | |
JP2018048935A (ja) | 機械部品の製造方法、及び時計の製造方法 | |
JP2012215183A (ja) | 機械部品組立体、機械部品組立体の製造方法、および時計 | |
JP6736365B2 (ja) | 時計部品の製造方法 | |
JP2020046348A (ja) | 時計部品の製造方法 | |
US11868089B2 (en) | Watch component and watch | |
JP6831025B2 (ja) | ひげぜんまい | |
JP2018179788A (ja) | 機械部品、時計、機械部品の製造方法 | |
JP2013238423A (ja) | 時計部品の製造方法、時計部品及び時計 | |
JP2017161306A (ja) | 機械部品、ムーブメントおよび時計 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD05 | Notification of revocation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425 Effective date: 20190322 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20190402 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190607 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20200629 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200707 |
|
RD07 | Notification of extinguishment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7427 Effective date: 20200803 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20200907 |