JP2018044835A - 機械部品の製造方法、及び時計の製造方法 - Google Patents

機械部品の製造方法、及び時計の製造方法 Download PDF

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Takeo Funekawa
剛夫 舟川
澁谷 宗裕
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宗裕 澁谷
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Abstract

【課題】簡便な工程により、シリコンを含む基材からなる機械部品の製造方法、および、時計の製造方法を提供する。【解決手段】シリコンを含む基材の一方の面に感光性を有する第1の樹脂材料としてのフォトレジストを塗布する第1の塗布工程と、前記一方の面と反対側の他方の面に第2の樹脂材料としての裏面コート材を塗布する第2の塗布工程と、前記第1の樹脂材料を露光したのち、現像することにより、前記第1の樹脂材料からなるマスクを形成する工程と、前記マスクを介して前記一方の面から前記基材をエッチングするエッチング工程と、前記エッチング工程の後で、前記第1の樹脂材料および前記第2の樹脂材料を除去する除去工程と、を含むことを特徴とする機械部品の製造方法。【選択図】図6

Description

本発明は、機械部品の製造方法、及び、時計の製造方法に関する。
機械式時計等の時計には、歯車等に代表される数多くの機械部品(回転部品)が搭載されている。近時では、時計用の材料としてシリコンを有する基材が用いられるようなっている。シリコン製の機械部品は、金属製のものに比べて軽いことから、慣性力を小さくした部品の材料に好適となり、エネルギーの伝達効率の向上が見込まれる。また、シリコンは、形状の自由度が高く、加工精度を向上できるという利点もある。
例えば特許文献1に、SOI基板を用いて、機械式時計用の機械部品(ひげぜんまい)を製造することにより、基材のエッチング後に個片化される部品の分散を抑止する方法が記載されている。
また、特許文献1では、エッチングした後で、SOI基板の犠牲層を除去したときに、基材に形成された複数の機械部品が分散してしまわないように、機械部品どうしを基材の一部として形成した接続部により接続する構成が記載されている。
特開2015−179013号公報
しかしながら、特許文献1に記載の機械部品の製造方法では、犠牲層の除去など、製造工程が増えて煩雑になるとともに、SOI基板が比較的高価なため、製造コストが増大する虞があった。
また、基材に形成された複数の機械部品を、接続部を折り取ることによって個片化する際に、接続部の折り取り部分にチッピングが生じて機械部品に付着したり、接続部の折り取り部から機械部品部分に亀裂が生じて破損のきっかけになり得る虞があるという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1] 本適用例にかかる機械部品の製造方法は、シリコンを含む基材の一方の面に感光性を有する第1の樹脂材料を塗布する第1の塗布工程と、前記一方の面と反対側の他方の面に第2の樹脂材料を塗布する第2の塗布工程と、前記第1の樹脂材料を露光したのち、現像することにより、前記第1の樹脂材料からなるマスクを形成する工程と、前記マスクを介して前記一方の面から前記基材をエッチングするエッチング工程と、前記エッチング工程の後で、前記第1の樹脂材料および前記第2の樹脂材料を除去する除去工程と、を含むことを特徴とする。
シリコンを含む材料をフォトリソグラフィー及びエッチングを用いて加工することにより形成される機械部品は、金属製の機械部品に比べて軽いとともに、形状の自由度が高く、加工精度が高いという利点を有する。
本適用例によれば、エッチング工程において、第2の樹脂材料が、基材の他方の面からの浸食を防止するエッチングレジストとして機能するとともに、エッチングにより個片になった複数の機械部品同士を接続する裏打ち膜になるので、エッチング後に個片化された機械部品が散乱するのを防止することができる。
したがって、シリコンを含む基材からなる機械部品を、標準的なフォトリソグラフィー及びエッチングを用いた簡便な工程により、効率的に、且つ、精度よく製造することが可能な製造方法を提供することができる。
[適用例2] 上記適用例にかかる機械部品の製造方法において、前記除去工程は、前記エッチング工程を経た前記基材をトレイに載置した状態で、プラズマ処理により行うことを特徴とする。
プラズマ処理による樹脂材料の除去工程によれば、第1の樹脂材料および第2の樹脂材料のうち、基材のトレイと対向する側の面に形成された樹脂材料に対してもプラズマが適切に作用して、樹脂材料を確実に除去できることを発明者等は見出した。
したがって、本適用例によれば、第2の樹脂材料が除去されて個片化される機械部品の散乱を抑えながら、エッチング後の機械部品の第1の樹脂材料および第2の樹脂材料を除去することができる。
[適用例3] 上記適用例にかかる機械部品の製造方法において、前記除去工程の後に、前記基材の表面にシリコン酸化膜を形成する酸化工程を含むことを特徴とする。
本適用例によれば、基材材料の表面に形成されるシリコン酸化膜により、機械部品の機械的強度を向上させることができる。
[適用例4] 上記適用例にかかる機械部品の製造方法において、前記酸化工程は、熱酸化処理を行うことを特徴とする。
熱酸化処理によれば、十分な厚さの緻密な酸化膜を比較的短時間に形成することができるので、機械的強度の高い機械部品を効率よく製造することができる。
[適用例5] 本適用例にかかる時計の製造方法は、香箱車、番車、がんぎ車、アンクル及びてんぷのいずれかに、上記適用例に記載の機械部品の製造方法により製造された機械部品を用いてムーブメントを組み立てる組立工程を含むことを特徴とする。
本適用例によれば、上記適用例のいずれかに記載の機械部品の製造方法により製造された機械部品を用いてムーブメントを組み立てる工程を含むので、金属製の機械部品に比べて軽く、慣性力を小さく抑えた機械部品により、エネルギーの伝達効率の高いムーブメントを構成することができる。
したがって、信頼性及び耐久性に優れた精度の高い時計を製造することができる。
実施形態に係る時計のムーブメント表側の平面図。 ムーブメントの脱進機構の平面図。 脱進機構の斜視図。 図2のA−A線に沿う断面図。 機械部品としてのがんぎ歯車部の平面図。 機械部品の製造方法を示すフローチャート。 歯車部作成工程を説明するための説明図であって、図4に相当する断面図。 歯車部作成工程を説明するための説明図であって、図4に相当する断面図。 歯車部作成工程を説明するための説明図であって、図4に相当する断面図。 歯車部作成工程を説明するための説明図であって、図4に相当する断面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、本発明の機械部品の一例として、機械式時計のムーブメントにおける時計部品を構成する歯車の1つであるがんぎ車を例に挙げて説明する。また、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材について実際とは異なる尺度で示している場合がある。
[機械式時計]
はじめに、機械式時計1について説明する。図1は、本実施形態に係る時計としての機械式時計1のムーブメント10表側の平面図である。
図1に示すように、本実施形態の機械式時計1は、ムーブメント10と、このムーブメント10を収納する図示しないケーシングと、により構成されている。
ムーブメント10は、基板を構成する地板11を有している。この地板11の裏側には図示しない文字板が配されている。なお、ムーブメント10の表側に組み込まれる輪列を表輪列と称し、ムーブメント10の裏側に組み込まれる輪列を裏輪列と称する。
地板11には、巻真案内穴11aが形成されており、ここに巻真12が回転自在に組み込まれている。この巻真12は、おしどり13、かんぬき14、かんぬきばね15及び裏押さえ16を有する切換装置により、軸方向の位置が決められている。また、巻真12の案内軸部には、きち車17が回転自在に設けられている。
このような構成のもと、巻真12が、回転軸方向に沿ってムーブメント10の内側に一番近い方の第1の巻真位置(0段目)にある状態で巻真12を回転させると、図示しないつづみ車の回転を介してきち車17が回転する。そして、このきち車17が回転することにより、これと噛合う丸穴車20が回転する。そして、この丸穴車20が回転することにより、これと噛合う角穴車21が回転する。さらに、この角穴車21が回転することにより、香箱車22に収容された図示しないぜんまい(動力源)を巻き上げる。
ムーブメント10の表輪列は、上述した香箱車(機械部品)22の他に、所謂番車と呼ばれる二番車(機械部品)25、三番車(機械部品)26及び四番車(機械部品)27により構成されており、香箱車22の回転力を伝達する機能を果している。また、ムーブメント10の表側には、表輪列の回転を制御するための脱進機構30及び調速機構31が配置されている。
二番車25は、香箱車22に噛合う歯車とされている。三番車26は、二番車25に噛合う歯車とされている。四番車27は、三番車26に噛合う歯車とされている。
脱進機構30は、上述した表輪列の回転を制御する機構であって、四番車27と噛み合うがんぎ車(機械部品)35と、このがんぎ車35を脱進させて規則正しく回転させるアンクル(機械部品)36と、を備えている。
調速機構31は、上述した脱進機構30を調速する機構であって、てんぷ(機械部品)40を具備している。
<脱進機構>
次に、上述したムーブメント10の脱進機構30について、より詳細に説明する。図2は脱進機構30の平面図であり、図3は脱進機構30の斜視図、図4は図2のA−A線に沿う断面図である。
図2〜図4に示すように、脱進機構30のがんぎ車35は、がんぎ歯車部(回転体)101と、がんぎ歯車部101に同軸(軸線O1)上に固定された軸部材(回転軸)102と、を備えている。以下の説明では、がんぎ歯車部101及び軸部材102の軸線O1に沿う方向を単に軸方向、軸線O1に直交する方向を径方向といい、軸線O1回りに周回する方向を周方向という。
図5は、機械部品としてのがんぎ歯車部101の平面図である。
図2〜図5に示すように、がんぎ歯車部101は、表面101a及び裏面101bが平坦面とされるとともに、全面に亘って均一な厚みとされた板状のものである。具体的に、がんぎ歯車部101は、周囲のリム部111と、中央のハブ部112と、これらリム部111及びハブ部112を連結する複数のスポーク部113と、を有している。
リム部111の外周面には、特殊な鉤型状に形成された複数の歯部114が径方向の外側に向けて突設されている。これら複数の歯部114の先端に、後述するアンクル36の爪石144a,144bが接触するようになっている。
なお、がんぎ歯車部101は、単結晶シリコン等、結晶方位を有する材料からなる。
図3〜図5に示すように、ハブ部112は、リム部111の内側に配置された円板形状のものであり、その中央部分には軸方向に貫通する貫通孔115が形成されている。この貫通孔115は、平面視で円形状とされ、軸方向に沿う表面101aから裏面101bに貫通されている。
各スポーク部113は、ハブ部112の外周縁からリム部111の内周縁に向かって放射状に延在しており、リム部111及びハブ部112を連結している。
軸部材102は、軸方向両端部に位置するほぞ部121a,121bと、上述した四番車27の歯車部に噛合されるがんぎかな部122と、を有している。
ほぞ部121a,121bのうち、軸方向一端側に位置する一端ほぞ部121aは、図示しない輪列受に回転可能に支持され、軸方向他端側に位置する他端ほぞ部121bは、上述した地板11に回転可能に支持されている。
がんぎかな部122は、軸部材102において、一端ほぞ部121a寄りに形成されている。そして、がんぎかな部122が四番車27(図1参照)に噛合されることで、四番車27の回転力が軸部材102に伝達されがんぎ車35が回転するようになっている。
圧入軸部123は、上述した各ほぞ部121a,121bよりも大径に形成されるとともに、がんぎ歯車部101の貫通孔115内に、裏面101b側から挿通されている。この場合、圧入軸部123は、その一部ががんぎ歯車部101から軸方向他端側に向けて突出した状態で、貫通孔115内に配置されている。
また、軸部材102のうち、がんぎかな部122と圧入軸部123との間には、径方向の外側に向けて突出するフランジ部124が形成されている。フランジ部124は、貫通孔115の裏面101b側の開口よりも大径とされ、その軸方向他端側に位置する端面がハブ部112の裏面101bに当接している。
このように構成されたがんぎ車35は、複数の歯部114がアンクル36に噛合するようになっている(図2参照)。アンクル36は、3つのアンクルビーム143によってT字状に形成されたアンクル体142dと、アンクル真142fと、を備えたもので、軸であるアンクル真142fによってアンクル体142dが回動可能に構成されている。なお、アンクル真142fは、その両端が上述した地板11及び図示しないアンクル受に対してそれぞれ回動可能に支持されている。
3つのアンクルビーム143のうち2つのアンクルビーム143の先端には、爪石144a,144bが設けられ、残り1つのアンクルビーム143の先端には、アンクルハコ145が取り付けられている。爪石144a,144bは、四角柱状に形成されたルビーであり、接着剤等によりアンクルビーム143に接着固定されている。
このように構成されたアンクル36は、アンクル真142fを中心に回動した際に、爪石144a或いは爪石144bが、がんぎ車35の歯部114の先端に接触するようになっている。また、この際、アンクルハコ145が取り付けられたアンクルビーム143が、図示しないドテピンに接触するようになっており、これによってアンクル36は、同方向にそれ以上回動しないようになっている。その結果、がんぎ車35の回転も一時的に停止するようになっている。
[がんぎ車の製造方法]
次に、上述したがんぎ車35の製造方法について説明する。
図6は、がんぎ車35の歯車部(がんぎ歯車部)101の製造方法を示すフローチャートであり、図7A〜図7Dは、歯車部101の作成工程を説明するための説明図であって、図4に相当する断面図である。
がんぎ車35の歯車部101の作成工程では、まず、シリコンを含む基材(ウェハー)200を準備する(図6のステップS1)。
次いで、図7Aに示すように、例えばスピンコート法やスプレーコート法等により、基材200の一方の面である表面200aに、感光性を有する第1の樹脂材料としてのフォトレジスト211を塗布する第1の塗布工程を行い(図6のステップS2)、基材200の一方の面の反対側の他方の面である裏面101bに第2の樹脂材料としての裏面コート材221を塗布する第2の塗布工程を行う(図6のステップS3)。フォトレジスト211は、ネガ型、及びポジ型の何れの材料も採用することができる。また、裏面コート材221は、後述するエッチングする工程で基材200をエッチングするときに、基材200の裏面200bをエッチングから保護できるマスク性能を有して、且つ、エッチングする工程の後の樹脂除去工程で、確実に除去できる性質の樹脂材料を選択する。
基材200に塗布したフォトレジスト211及び裏面コート材221の各々は所定の温度によるキュアを行うが、フォトレジスト211のキュア条件と裏面コート材221のキュア条件との差が大きい場合等には、フォトレジスト211と裏面コート材221とで別々にキュアを行い、フォトレジスト211のキュア条件と裏面コート材221のキュア条件とが同じか近似であれば、キュア工程を同時に行うことにより工程の効率化を図ることができる。
なお、第1の塗布工程と第2の塗布工程とは、各樹脂材料のキュア条件を考慮した工程順の設定などの便宜上、順番を逆にして行う構成としてもよい。
次に、フォトレジスト211に対してフォトリソグラフィー技術により、露光をした後(図6のステップS4)、現像を行うことにより(図6のステップS5)、図7Bに示すように、がんぎ歯車部101の平面視外形に対応するマスク(エッチングマスク)としてのフォトレジストパターン212を形成する。ここで、図中フォトレジストパターン212の開口212aは、がんぎ歯車部101の貫通孔115に対応する。
次に、図7Cに示すように、フォトレジストパターン212をマスクとして基材200にエッチングを施すことで、図6のステップS6に示すように、がんぎ歯車部101の外形を形成する。具体的には、ディープ・リアクティブ・イオンエッチング(DRIE=Deep Reactive Ion Etching)を行い、基材200を厚さ方向に貫通するようにエッチングすることで、がんぎ歯車部101の外形形状を得ることができる。ここで、フォトレジストパターン212の開口212aにより形成される貫通孔115等の貫通部分の内面(内壁)は、基材200の裏面200bに形成された裏面コート材221で保護されているために、裏面200bからエッチングされることなく、貫通部の内面形状が変化することはない。
また、裏面コート材221は、エッチングにより個片化される複数のがんぎ歯車部101(機械部品)同士を接続する裏打ち膜になるので、エッチング後に個片化されたがんぎ歯車部101が散乱するのを防止することができる。
次いで、フォトレジスト211によるフォトレジストパターン212、及び、裏面コート材221を除去する樹脂除去を行うことにより、上述したがんぎ歯車部101を得ることができ、(図6のステップS7)一連のがんぎ歯車部101の製造方法を終了する。なお、樹脂除去は、フォトレジストパターン212(フォトレジスト211)及び裏面コート材221を溶解・剥離可能な発煙硝酸や有機溶剤等でのウェットエッチング、あるいは、酸素プラズマアッシング等により行うことができる。
以上に述べた、本実施形態のがんぎ歯車部101(機械部品)の製造方法によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態によれば、シリコンを含む材料からなる基材200を、標準的なフォトリソグラフィー技術及びエッチングを用いて加工することにより、比較的簡便な工程で、精密な機械部品であるがんぎ歯車部101を製造することができる。
また、シリコンを含む基材200を本実施形態の製造方法により加工して形成されるがんぎ歯車部101などの精密な機械部品は、金属製の機械部品に比べて軽いとともに、形状の自由度が高く、高精度な外形形状の形成ができるという利点を有する。したがって、精度が高く、軽量な機械式時計の製造に寄与できる機械部品を製造することができる。
また、本実施形態のがんぎ歯車部101(機械部品)の製造方法によれば、エッチング工程において、裏面コート材221(第2の樹脂材料)が、基材200の裏面200b(他方の面)からのエッチング浸食を防止するエッチングレジストとして機能するとともに、基材200のエッチングにより個片化された複数のがんぎ歯車部101(機械部品)同士を接続する裏打ち膜になるので、エッチング後に個片化されたがんぎ歯車部101(機械部品)が散乱するのを防止することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。以下に、上記実施形態のがんぎ歯車部101(機械部品)の製造方法の変形例について述べる。
(変形例1)
上記実施形態のがんぎ歯車部101(機械部品)の製造方法において、図6のステップS7に示す樹脂除去工程は、ステップS6のエッチング工程を経たフォトレジストパターン212(フォトレジスト211)及び裏面コート材221付きの基材200(がんぎ歯車部101)をトレイに載置した状態で、酸素プラズマアッシング等のプラズマ処理により行う構成としてもよい。
このような製造工程において、酸素プラズマアッシングによる樹脂除去工程によれば、基材200(がんぎ歯車部101)のトレイと対向する側の面である裏面200bに形成された第2の樹脂材料である裏面コート材221に対してもプラズマが十分に作用して、裏面コート材221を問題なく除去できることを発明者等は見出した(基材200の表面200aがトレイと対向する側の面となるように基材200をトレイに載置した場合にも、同様の効果が得られる)。
したがって、変形例1の製造方法によれば、エッチング後の除去工程で裏面コート材221(第2の樹脂材料)が除去されて個片化されるがんぎ歯車部101(機械部品)の散乱を抑えながら、エッチング後の樹脂材料(フォトレジストパターン212,裏面コート材221)を除去して、がんぎ歯車部101(機械部品)を得ることができる。
(変形例2)
上記実施形態のがんぎ歯車部101(機械部品)の製造方法において、図6のステップS7の樹脂除去工程の後に、基材200(がんぎ歯車部101)材料の表面に二酸化ケイ素(SiO2)からなるシリコン酸化膜を形成する酸化工程を含んでもよい。
このような工程によれば、基材200(がんぎ歯車部101)材料の表面に形成されるシリコン酸化膜により、がんぎ歯車部(機械部品)の機械的強度を向上させることができるので、耐久性が高く、優れた信頼性を有するがんぎ歯車部101(機械部品)を提供することができる。
なお、変形例2のがんぎ歯車部101(機械部品)の製造工程において、上述した酸化工程は、800℃以上の高温で熱酸化処理を行う熱酸化工程であることが好ましい。
熱酸化処理によれば、十分な厚さの緻密なシリコン酸化膜(SiO2)を比較的短時間に形成することができるので、機械的強度の高いがんぎ歯車部101等の機械部品を効率よく製造することができる。
[機械式時計の製造方法]
次に、本発明の機械式時計の製造方法について説明する。
本発明の機械式時計の製造方法は、図1〜図5の何れかに示す香箱車22、番車(二番車25、三番車26、四番車27)、がんぎ車35、アンクル36及びてんぷ40のいずれかに、上記実施形態および変形例1,2のがんぎ歯車部101を代表例として説明した機械部品の製造方法の何れかにより製造された機械部品を用いて、ムーブメント10を組み立てる組立工程を含むことを特徴とするものである。
このような機械式時計の製造方法によれば、上記実施形態および変形例1,2のいずれかに記載の機械部品の製造方法により製造された機械部品を用いてムーブメント10を組み立てる工程を含むので、金属製の機械部品に比べて軽く、慣性力を小さく抑えた機械部品により、エネルギーの伝達効率の高いムーブメント10を構成することができる。
したがって、信頼性及び耐久性に優れた精度の高い機械式時計を提供することができる。
以上、発明者によってなされた本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態の機械部品の製造方法では、基材200の表面200aに感光性を有する第1の樹脂材料としてのフォトレジスト211を塗布し、基材200の裏面200bに第2の樹脂材料としての裏面コート材221を塗布した。これに限らず、基材200の裏面200bに塗布する第2の樹脂材料としての裏面コート材として、基材200の表面200aに塗布するフォトレジスト211と同じ材料を用いてもよい。裏面200bに塗布したフォトレジスト211は、第2の樹脂材料としての裏面200bのマスク効果を発揮できるとともに、樹脂除去工程にて、表面200aのフォトレジストパターン212(フォトレジスト211)と同じ方法にて同時に、且つ、確実に除去することができる。また、基材200に対してディッピング法を用いて塗布することにより、表面200a及び裏面200b同時に樹脂材料を塗布することができる。
1…機械式時計、10…ムーブメント、11…地板、11a…巻真案内穴、12…巻真、17…きち車、20…丸穴車、21…角穴車、22…香箱車、25…二番車、26…三番車、27…四番車、30…脱進機構、31…調速機構、35…機械部品としてのがんぎ車、36…アンクル、40…てんぷ、101…がんぎ歯車部(歯車部)、102…軸部材、111…リム部、112…ハブ部、113…スポーク部、114…歯部、115…貫通孔、121a…一端ほぞ部、121b…他端ほぞ部、122…がんぎかな部、123…圧入軸部、124…フランジ部、142d…アンクル体、142f…アンクル真、143…アンクルビーム、144a,144b…爪石、145…アンクルハコ、200…基材、200a…一方の面としての表面、200b…他方の面としての裏面、211…第1の樹脂材料としてのフォトレジスト、212…フォトレジストパターン、212a…開口、221…第2の樹脂材料としての裏面コート材。

Claims (5)

  1. シリコンを含む基材の一方の面に感光性を有する第1の樹脂材料を塗布する第1の塗布工程と、
    前記一方の面と反対側の他方の面に第2の樹脂材料を塗布する第2の塗布工程と、
    前記第1の樹脂材料を露光したのち、現像することにより、前記第1の樹脂材料からなるマスクを形成する工程と、
    前記マスクを介して前記一方の面から前記基材をエッチングするエッチング工程と、
    前記エッチング工程の後で、前記第1の樹脂材料および前記第2の樹脂材料を除去する除去工程と、を含むことを特徴とする機械部品の製造方法。
  2. 請求項1に記載の機械部品の製造方法において、
    前記除去工程は、前記エッチング工程を経た前記基材をトレイに載置した状態で、プラズマ処理により行うことを特徴とする機械部品の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の機械部品の製造方法において、
    前記除去工程の後に、前記基材の表面にシリコン酸化膜を形成する酸化工程を含むことを特徴とする機械部品の製造方法。
  4. 請求項3に記載の機械部品の製造方法において、
    前記酸化工程は、熱酸化処理を行うことを特徴とする機械部品の製造方法。
  5. 香箱車、番車、がんぎ車、アンクル及びてんぷのいずれかに、請求項1〜4の何れか一項に記載の機械部品の製造方法により製造された機械部品を用いてムーブメントを組み立てる組立工程を含むことを特徴とする時計の製造方法。
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