JP2010217166A - 脱進調速機、機械式時計、アンクル体の製造方法及び振リ座の製造方法 - Google Patents

脱進調速機、機械式時計、アンクル体の製造方法及び振リ座の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡単な工程で高精度に形成された一体成形型のケン先を含むアンクル体およびツバと、該アンクルおよび該ツバを含む薄型の脱進調速機と、該アンクルおよび該ツバの製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の脱進調速機におけるアンクルは、アンクルの回転軸からテンプの回転軸に向う方向に延びており、振リ石にカンギ車の動力を伝達する一対のクワガタと、アンクルの側面において、クワガタの中間に位置し、アンクルの回転軸からテンプの回転軸に向う方向に延びており、クワガタよりもアンクルの回転軸に近い位置に配置されており、切リ欠キ部に入り込むことによりアンクルの回転軸に対してアンクルを正回転又は逆回転させるとともに、切リ欠キ部以外の振リ座に当接することによりアンクルの誤回転を防止するケン先とを備え、振リ座は、単層で構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガンギ車と、テンプと、ガンギ車の動力をテンプ(振リ座)に伝達するアンクルとを備える脱進調速機及び機械式時計に関するとともに、アンクルの骨格を成すアンクル体の製造方法、及びアンクル体と用いられる振リ座の製造方法に関する。
機械式時計用のクラブツースレバー式の脱進調速機が存在する。その脱進調速機は、アンクル体(pallet fork(incomplete))とケン先(safety pin)との組立において、アンクル体に貫通した丸穴が設けられ、この丸穴にケン先の軸部が押し込まれた構造が知られている。アンクル体及びケン先は、振リ座(roller)とともに用いられる。具体的には、ケン先は、振リ座に設けられた切リ欠キ部(passing hollow)に入りアンクル体の回転を許容するものである。またケン先は、振リ座の切リ欠キ部以外の部分にぶつかることによりアンクル体の誤回転を防止するものである。このケン先は、アンクル体の端部に設けられており、アンクル体に対して垂直方向に立設するように形成されている。ケン先の近くには、アンクル体において一対のクワガタ(entry horn、exit horn)が設けられている。一対のクワガタは、振リ座に設けられた振リ石(impulse pin)に所定のタイミングで衝突することにより、アンクル体を正回転又は逆回転させるために用いられる。
前記振リ座において、単一ツバ(single roller)と呼ばれるツバが知られている。単一ツバは、円形状の一枚板からなり、切リ欠キ部を備えている。単一ツバには、上記振リ石が備えられている(非特許文献1参照)。
また、クワガタとケン先とを含む一体成形型のアンクル(pallet fork(complete))も開示されている(特許文献1参照)。
特開2004−309480号公報
The Theory of Horology ;Swiss Federation of Technical Colleges,(2005),P102−103(Fig.6−13,Fig.6−15),[ISBN:2−940025−12−6]
しかしながら、特許文献1で開示されているアンクルは、ケン先がアンクル体と同一層にあるため、アンクル体を含むアンクル全体の厚みが薄くなる利点があるが、振リ石及び切リ欠キ部が異なる層に配置されている二重ツバ(double roller)を用いているので、アンクル及び二重ツバを含む脱進調速機の薄型化に限界がある。
一方、非特許文献1では、単一ツバを用いており、その周辺構造の薄型化が図れているが、ケン先がアンクル体に対して垂直方向に立設されるように形成されているため、アンクルの薄型化が図れず、非特許文献1においても脱進調速機の薄型化に限界があった。
そこで、前述したように、特許文献1ではケン先がアンクル体の振リ座に向う長手方向に延びるように形成されており、アンクル全体の薄型化が図れるので、そのアンクルを非特許文献1の単一ツバに適用すれば、脱進調速機の薄型化に寄与できるようにみえる。
ところが、特許文献1のアンクル体に設けられたケン先及びクワガタと、それぞれに対応する非特許文献の単一ツバにおける切リ欠キ部及び振リ石との配置が適切ではないため、アンクル体が適切に回転せず、アンクルとしての機能を発揮することができない。
具体的には、特許文献1のケン先は、アンクル体の振リ座に向う長手方向に延びており、クワガタよりも長く形成されている。その一方で、非特許文献1で開示されている単一ツバは、構成上、振リ座の回転中心から離れる方向に、振リ石、切リ欠キ部、の順で両者が位置するように形成されている。これにより、切リ欠キ部は、振リ石よりもケン先に近く設けられていることになる。このため、ケン先がアンクル体の振リ座に向う長手方向に延びているにも関らず、それに対応して用いられる切リ欠キ部がケン先に近い位置に設けられているため、ケン先が切リ欠キ部に当接してケン先が切リ欠キ部で引っ掛かってしまい、アンクル体が適切に回転しないことになる。
しかも、特許文献1のアンクルでは、ケン先がクワガタよりも長く、その重心がアンクルの回転中心から遠くなるので、アンクルの慣性モーメントが大きくなり、脱進機での消費エネルギーが大きくなる問題があった。
そこで、本発明は上記点に鑑みてなされたものであり、アンクルと振リ座との薄型化を図ることができるとともに、アンクルに作用する慣性モーメントを低減させることができる脱進調速機及びそれを備える機械式時計を提供することを目的とする。
本発明の更なる目的は、アンクル体の製造方法及び振リ座の製造方法を提供することである。
本発明は、時計用の脱進調速機において、ガンギ車(escape wheel)と、切リ欠キ部とを有する振リ座と、振リ座に備えられた振リ石とを有するテンプと、ガンギ車の動力を振リ石に伝達することにより振リ座を正回転又は逆回転させるアンクルとを備える脱進調速機であって、アンクルは、アンクルの回転軸からテンプの回転軸に向う方向に延びており、振リ石にカンギ車の動力を伝達する一対のクワガタと、アンクルの側面において、一対のクワガタの間に備えられており、アンクルの回転軸からテンプの回転軸に向う方向に延びており、前記一対のクワガタよりも短く形成されており、切リ欠キ部に入り込むことによりアンクルの回転軸に対してアンクルを正回転又は逆回転させるとともに、切リ欠キ部以外の振リ座に当接することによりアンクルの誤回転を防止するケン先とを備え、振リ座は、単層で構成されることを特徴とする。
かかる特徴によれば、アンクルと振リ座の形状により、一対のクワガタ及びケン先がアンクルの回転軸からテンプの回転軸に向う方向に延びており、それらの構成に対応するツバが単層であるため、アンクルと振リ座とを薄型化することができる。またケン先がクワガタより短いため、アンクルの慣性モーメントを小さくすることができる。さらに、本発明のアンクルの慣性モーメントは小さいので、アンクルにおけるエネルギーロスを低減させ、テンプの振角を増大させることができる。
つまり、アンクルとツバとの薄型化を図ることができ、アンクルに作用する慣性モーメントを低減させることができる。
また、本発明は、脱進調速機において、ケン先の上面と下面がそれぞれ、アンクルの上面と下面と同一平面に位置することを特徴とする。
さらに、本発明の脱進調速機において、アンクルは、ケン先及びクワガタを有するアンクル体と、アンクル体を貫通する少なくとも一つの貫通穴とを備えることを特徴とする。
また、本発明のアンクルにおける貫通穴は、アンクルの回転軸の側方に備えられていることを特徴とする。
さらに、本発明の脱進調速機において、アンクル体は、ケン先及びクワガタに接続され、アンクルの回転軸からテンプの回転軸に向う方向に延びるサオを備え、貫通穴は、サオの端部に備えられていることを特徴とする。
また、本発明の脱進調速機において、アンクルは、ケン先及びクワガタを有するアンクル体を備え、アンクル体は、ケン先及びクワガタに接続され、アンクルの回転軸からテンプの回転軸に向う方向に延びるサオを備え、サオは、両端部のうち、ケン先及びクワガタに近い端部の幅が、両端部の間の中心部分の幅に対して1倍以上2.5倍以内の長さを有することを特徴とする。
さらに、本発明の脱進調速機において、アンクルは、ケン先及びクワガタを有するアンクル体を備え、アンクル体は、ケン先以外の部分においてケン先の厚みよりも薄く形成されている部分を備えることを特徴とする。
また、本発明の機械式時計は、上記のように構成された脱進調速機を備えることを特徴とする。本発明によって、高精度に形成されたアンクルと高精度に形成されたツバを含むクラブツースレバー式脱進機を備えた計時精度の良い機械式時計を効率的に大量生産することができる。
本発明は、脱進調速機に用いられるアンクル体の製造方法であって、基板に第1金属薄膜を形成する工程と、前記第1金属薄膜に第1ネガ型フォトレジストを形成する工程と、前記アンクル体に備えられた一対のクワガタの形成に用いられるクワガタ形成用マスクを用いて、前記第1ネガ型フォトレジストを露光することにより、前記第1ネガ型フォトレジストに、前記クワガタ形成用マスクに対応する硬化部を形成する工程と、前記第1ネガ型フォトレジストの前記硬化部に第2金属薄膜を形成する工程と、前記第2金属薄膜が形成された前記第1ネガ型フォトレジストに、第2ネガ型フォトレジストを形成する工程と、前記一対のクワガタの間に備えられたケン先であり、且つ前記一対のクワガタの長さよりも短い前記ケン先を有する前記アンクル体の形成に用いられるアンクル体形成用マスクを用いて、前記アンクル体形成用マスクの一部が前記第2金属薄膜に対向した状態で、前記第1ネガ型フォトレジスト及び前記第2ネガ型フォトレジストを露光することにより、前記第1ネガ型フォトレジスト及び前記第2ネガ型フォトレジストに、前記アンクル体形成用マスクに対応する非硬化部を形成する工程と、前記第1ネガ型フォトレジスト及び前記第2ネガ型フォトレジストに形成された前記非硬化部を除去する工程と、前記第1金属薄膜及び前記第2金属薄膜を用いて、前記非硬化部が除去された型部分に電鋳金属を形成する工程と、前記電鋳金属を前記アンクル体として前記型から取り出す工程とを備えるアンクル体の製造方法であることを特徴とする。
かかる特徴によれば、電鋳加工によりアンクル体を形成することができるため、アンクル体を切削加工により形成する必要がなくなり、アンクル体を精度良く製造することができる。
本発明は、脱進調速機に用いられる振リ座の製造方法であって、基板に金属薄膜を形成する工程と、前記金属薄膜にネガ型フォトレジストを形成する工程と、前記振リ座の形成に用いられる振リ座形成用マスクを用いて、前記ネガ型フォトレジストを露光することにより、前記ネガ型フォトレジストに、前記振リ座形成用マスクに対応する非硬化部を形成する工程と、前記ネガ型フォトレジストに形成された前記非硬化部を除去する工程と、前記金属薄膜を用いて、前記非硬化部が除去された型部分に電鋳金属を形成する工程と、前記電鋳金属を前記振リ座として前記型から取り出す工程とを備える振リ座の製造方法であることを特徴とする。
かかる特徴によれば、電鋳加工により振リ座を形成することができるため、振リ座を切削加工により形成する必要がなくなり、振リ座を精度良く製造することができる。
本発明によれば、アンクルと振リ座との薄型化を図ることができるとともに、アンクルに作用する慣性モーメントを低減させることができる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る、アンクルと振リ座の形状を示す図である。 図2は、本発明の実施の形態1に係る、アンクルと振リ座の形状を示す図である。 図3は、本発明の実施の形態1に係る、アンクル体の製造工程を説明するための原理図である。 図4は、本発明の実施の形態1に係る、アンクル体の製造工程を説明するための原理図である。 図5は、本発明の実施の形態1に係る、アンクル体の製造工程を説明するための原理図である。 図6は、本発明の実施の形態1に係る、アンクル体の製造工程を説明するための原理図である。 図7は、本発明の実施の形態1に係る、アンクル体の製造工程を説明するための原理図である。 図8は、本発明の実施の形態1に係る、アンクル体の製造工程を説明するための原理図である。 図9は、本発明の実施の形態1に係る、アンクル体の製造工程を説明するための原理図である。 図10は、本発明の実施の形態1に係る、アンクル体の製造工程を説明するための原理図である。 図11は、本発明の実施の形態1に係る、アンクル体の製造工程を説明するための原理図である。 図12は、本発明の実施の形態1に係る、アンクル体の製造工程を説明するための原理図である。 図13は、本発明の実施の形態1に係る、アンクル体の製造工程を説明するための原理図である。 図14は、本発明の実施の形態1に係る、ツバの製造工程を示す原理図である。 図15は、本発明の実施の形態1に係る、ツバの製造工程を示す原理図である。 図16は、本発明の実施の形態1に係る、ツバの製造工程を示す原理図である。 図17は、本発明の実施の形態1に係る、ツバの製造工程を示す原理図である。 図18は、本発明の実施の形態1に係る、ツバの製造工程を示す原理図である。 図19は、本発明の実施の形態1に係る、ツバの製造工程を示す原理図である。 図20は、本発明の実施の形態1に係る、ツバの製造工程を示す原理図である。 図21は、本発明の実施の形態1に係る、ツバの製造工程を示す原理図である。 図22は、本発明の実施の形態1に係る、機械式時計の表輪列を示す図である。 図23は、本発明の実施の形態1に係る、機械式時計における輪列の香箱車からガンギ車を示す断面図である。 図24は、本発明の実施の形態1に係る、機械式時計における輪列のガンギ車からテンプを示す断面図である。 図25は、本発明の実施の形態1に係る、振リ座とアンクルとガンギ車のそれぞれの回転動作を示す原理図である。 図26は、本発明の実施の形態1に係る、振リ座とアンクルとガンギ車のそれぞれの回転動作を示す原理図である。 図27は、本発明の実施の形態1に係る、振リ座とアンクルとガンギ車のそれぞれの回転動作を示す原理図である。 図28は、本発明の実施の形態1に係る、振リ座とアンクルとガンギ車のそれぞれの回転動作を示す原理図である。 図29は、本発明の実施の形態1に係る、振リ座とアンクルとガンギ車のそれぞれの回転動作を示す原理図である。 図30は、本発明の実施の形態1に係る、振リ座とアンクルとガンギ車のそれぞれの回転動作を示す原理図である。 図31は、本発明の実施の形態1に係る、振リ座とアンクルとガンギ車のそれぞれの回転動作を示す原理図である。 図32は、本発明の実施の形態2に係る、アンクル体の形状を説明するための図である。 図33は、本発明の実施の形態3に係る、アンクル体の形状を説明するための図である。 図34は、本発明の実施の形態4に係る、アンクル体の形状を説明するための図である。 図35は、本発明の実施の形態1、2、3、4に係る、アンクル体の形状を説明するための図である。 図36は、本発明の実施の形態5に係る、アンクル体の形状を説明するための第一の図である。 図37は、本発明の実施の形態5に係る、アンクル体の形状を説明するための第二の図である。 図38は、本発明の実施の形態5に係る、アンクル体の形状を説明するための第三の図である。 図39は、本発明の実施の形態6に係る、アンクル体の形状を説明するための第一の図である。 図40は、本発明の実施の形態6に係る、アンクル体の形状を説明するための第二の図である。 図41は、本発明の実施の形態6に係る、アンクル体の形状を説明するための第三の図である。
[実施の形態1]
(脱進調速機の構成)
図1は、本発明の実施の形態1において、アンクル2と振リ座4とを備える脱進調速機を説明する図である。図1(a)は、アンクル2と振リ座4の斜視図であり、図1(b)は、アンクル2の上面図であり、図1(c)は、振リ座4の上面図である。
図2は、本発明の実施の形態1において、アンクル2と振リ座4を説明する図である。図2(a)は、アンクル2と振リ座4の上面図であり、図2(b)は、図2(a)中線分AA’の位置におけるアンクル2と振リ座4の断面図であり、図2(c)は、図2(a)中線分AA’の位置におけるアンクル体3の断面図である。
また、図1(c)と、図2(a)では、ツバ8に形成された切リ欠キ部8aにおいて、ツバ8の外径を延長した線を破線で示す。
図1(a)において、アンクル2の回転軸と、振リ座4の回転軸は平行に配置され、また、アンクル2と振リ座4は、ケン先10と切リ欠キ部8a、ハコ(space between entry horn and exit horn)12と振リ石6がそれぞれ対応する位置に配置される。アンクル2は、アンクル体3と、入ヅメ(entry pallet jewel)14と、出ヅメ(exit pallet jewel)16と、アンクル真(pallet staff)18とが組み立てられることにより構成される。アンクル体3は2本のウデ(entry arm)20、ウデ(exit arm)22と、サオ(lever)24と、アンクル真用の軸穴18cとから構成される。ウデ20は、入ヅメ14を保持し、接着剤を用いて両者を接着することで、入ヅメ14をアンクル体3に固定する。ウデ22は、出ヅメ16を保持し、接着剤を用いて両者を接着することで、出ヅメ16をアンクル体3に固定する。
サオ24は、アンクルの回転軸から離れた方の端において、クワガタ26、28と、ケン先10と、ハコ12を構成している。クワガタ26、28は、サオ24の端面から、アンクル2の回転軸から振リ座4の回転軸に向う方向に延びている。ケン先10は、クワガタ26、28の中間に位置し、サオ24の端面から、アンクル2の回転軸から振リ座4の回転軸に向う方向に延びていて、クワガタ26、28よりもアンクル2の回転中心に近い位置にあり、クワガタ26、28よりも短く形成されている。また、クワガタ26、28は、アンクル2が振リ座4と干渉しないように、段差30の分だけケン先10よりも薄く、アンクル真用の軸穴18cには、アンクル真18が圧入される。また、アンクル2は、アンクル真18を軸として回転する。
本発明のアンクル体3の全体の大きさは、ほぼ従来通りである。ただし、ケン先10の大きさについては従来とは異なるため、ケン先10の寸法に関して説明する。
本発明におけるケン先10は、クワガタ26、28の中間に位置し、クワガタ26、28が備わっているサオ24の端から、アンクル2の回転軸から振リ座4の回転軸に向う方向に延びており、かつ、クワガタ26、28よりもアンクル2の回転中心に近い位置にあり、クワガタ26、28よりも短く形成されている。ケン先10は、前述したような突起した形状であればよい。
ケン先10の長さ104は、短くとも、アンクル2の誤回転防止のためにケン先10がツバ4に当接する長さを備え、かつ長くとも、アンクル2の正回転時に切リ欠キ部8aに入り込む長さを備えていなければならない。例えば、ケン先10の長さ104は、50μmから100μmの範囲が望ましい。さらに、ケン先10の長さ104が、アンクル2の誤回転防止のためにケン先10がツバ4に当接し、かつアンクル2の正回転時にケン先10が切リ欠キ部8aに入り込む条件を満たすのであれば、慣性モーメントの減少のためにケン先10の長さ104はできるだけ短い方がよい。
また、ケン先10の形状は、ケン先10の長さ104の条件を満たすようにケン先10の先端を設定し、その先端から角度102となる2本の直線を、ケン先10の中心線がサオ24の中心線と重なるようにサオ24の端に結べばよい。
ケン先10の先端の角度102は、小さくとも、ケン先10がツバ4に当接した際にケン先10が壊れない角度を備え、かつ大きくとも、アンクル2の誤回転防止のためにケン先10がツバ4に当接する角度を備えていなければならない。例えば、ケン先10の先端の角度102は、30°から150°の間でケン先10の強度とアンクル体3の慣性モーメントから適宜決定する。また、ケン先10の先端の角度102が、ケン先10がツバ4に当接した際にケン先10が壊れず、かつアンクル2の誤回転防止のためにケン先10がツバ4に当接する条件を満たすのであれば、慣性モーメントの減少のために、ケン先10の先端の角度102はできるだけ小さい方がよい。
また、アンクル2の厚さ106は、120μmから300μmの範囲であるのが望ましく、クワガタ26、28の厚さ108は、例えば、40μmから100μmの範囲であるのが望ましい。
アンクル体3の材料は、ニッケル、またはニッケル−タングステン合金、またはニッケル−リン合金などの電鋳可能な材料である。また、入ヅメ14と、出ヅメ16の材料はルビーであり、アンクル真18の材料は焼入れ鋼である。
図1(a)、図1(b)及び図2に示すように、本発明の振リ座4は、ツバ8と振リ石6とからなり、それぞれが別体で形成され、両者を組み立てることにより構成される。詳しくは、振リ石6をツバ8に接着することにより組立を行う。ツバ8は、ケン先10の動作に対応する切リ欠キ部8aと、ハコ12の動作に対応する振リ石6を保持するための振リ石用穴8bと、テンプ(図示しない)と回転をともにするテン真(balance staff)(図示しない)を保持するための軸穴8cとから構成される。また、振リ座4は、テン真を軸として回転する。
図1(c)に示すように、本発明の振リ座4の大きさは、従来の大ツバ(impulse roller)とほぼ同じである。また、振リ石6の位置も従来の大ツバとほぼ同じである。ただし、切リ欠キ部8aは従来の大ツバとは異なるため、切リ欠キ部8aの寸法に関して説明する。ここで、ツバ8(roller table)の外径からツバ8の回転中心に向かう方向を深さとし、切リ欠キ部8aの壁面から振リ石6の平面部までの長さを長さ110とする。ツバ8に備えられる切リ欠キ部8aの深さは、浅くとも、ケン先10が入り込む深さを備え、深くとも、ツバ8が振リ石6を保持するための長さ110を備えるような深さを備えていなければならない。例えば、切リ欠キ部8aの深さは、切リ欠キ部8aの壁面から振リ石6の平面部までの長さ110の1/2程度の深さであるのが望ましい。また、ツバ8の外径に沿った切リ欠キ部8aの一端と、ツバ8の回転中心と、ツバの外径に沿った切リ欠キ部8aの他端とがなす角度112は、小さくとも、アンクル2と振リ座4が回転する際にケン先10が切リ欠キ部8aに入り込むことができる角度であり、大きくとも、アンクルの誤回転防止のために、振リ座4の自由振動の間はケン先10にはツバ8の外壁部が対応する角度でなければならない。角度112は、例えば、120°程度が望ましい。さらに、ツバ8の厚さは、例えば、100μmから200μmの範囲であるのが望ましい。
本発明の振リ座4において、ツバ8の材料は、ニッケル、またはニッケル-タングステン合金、またはニッケル−リン合金などの電鋳可能な材料である。また、振リ石6の材料は、ルビーである。
(アンクル体の製造方法)
図3から図13は、アンクル体3の製造方法について説明する図である。また、図3から図13における形状の厚さや大きさは、アンクル体3の製造方法の理解を容易にするため、実際の寸法とは異なる比率で示してある。実際の寸法は、説明中に述べる数値又は比率を用いる。
図3は、アンクル体用電鋳型を作製するためのシリコン基板302を説明する図である。また、図3(a)は、アンクル体用電鋳型を作製するためのシリコン基板302の上面図であり、図3(b)は、図3(a)中線分BB’の位置における断面図である。シリコン基板302の大きさは、例えば、10mm〜160mmの範囲であるのが望ましく、また、シリコン基板302の厚さは、例えば、数百μm程度であるのが望ましい。
図4は、図3で示したシリコン基板302の表面に金属薄膜304を形成し、電鋳加工のための表面導体化を行う工程を説明する図である。また、図4(a)は、表面に金属薄膜304が形成されたシリコン基板302の上面図であり、図4(b)は、図4(a)中線分CC’の位置における断面図である。図4に示すように、シリコン基板302の表面に金属薄膜304を形成し、電鋳加工のための表面導体化を行う。金属薄膜304は、例えば、Au(金)、Cu(銅)などで構成することができ、アンカーメタルとしてCr(クロム)(図示しない)を用いても良い。金属薄膜304の形成は、スパッタリング、蒸着、無電解めっきなどの方法により行うことができる。金属薄膜304の膜厚は、数nm(不連続膜)〜数μmの範囲であるのが好ましく、Cr(クロム)とAu(金)の場合であれば、それぞれ50nm程度と200nm程度となる。
図5は、図4で示したシリコン基板302に形成された金属薄膜304上に、ネガ型フォトレジスト306を塗布する工程を説明する図である。また、図5(a)は、表面にネガ型フォトレジスト306が塗布されたシリコン基板302の上面図であり、図5(b)は、図5(a)中線分DD’の位置における断面図である。図5に示すように、金属薄膜304が形成されたシリコン基板302の表面に、ネガ型フォトレジスト306を塗布する。ネガ型フォトレジスト306の厚さは、段差30の厚さと等しく、80μmから200μmの範囲であるのが望ましい。
図6は、図5で示したシリコン基板302に塗布されたネガ型フォトレジスト306に対して、段差30を形成するパターン307を備えたマスクを用いて、UV光により露光を行う工程を説明する図である。また、図6(a)は、露光の工程が完了したシリコン基板302の上面図であり、図6(b)は、図6(a)中線分EE’の位置における断面図である。クワガタ26、28の段差30を形成するためのパターン307は、クワガタ26、28よりも大きく、ケン先10と干渉しなければならない。したがって、図6(c)に示すように、パターン307の大きさは、クワガタ26、28の形状パターンよりも大きい。露光の工程が完了すると、ネガ型フォトレジスト306は、マスクに備えられたパターン307にあたるクワガタ26、28の段差30の形状に硬化し、段差30の厚みをもつ硬化部306aと、硬化していない非硬化部306bとに分かれる。
なお、パターン307の大きさは、クワガタ26、28の形状パターンと同形同大であっても良いのは勿論のことである。
図7は、図6で示した露光の工程が完了したシリコン基板302に対して、硬化部306aの表面に金属薄膜308を形成し、電鋳加工のための表面導体化を行う工程を説明する図である。また、図7(a)は金属薄膜308の形成が完了したシリコン基板302の上面図であり、図7(b)は、図7(a)中線分FF’の位置における断面図である。さらに、図7(c)はクワガタ26、28の段差30を形成するパターン307と金属薄膜308の大きさの比較を説明する図である。図7に示すように、硬化部306aの表面に、金属薄膜308を形成し、電鋳加工のための表面導体化を行う。金属薄膜308の形状は、ケン先10の形状パターン305よりも小さく、図7(c)に示すように、段差30を形成するためのパターン307よりも幅308aだけ小さく形成する。また、幅308aは、例えば、10〜20μmの範囲が望ましい。
図8は、図7で示した金属薄膜308が形成されたシリコン基板302の表面に、ネガ型フォトレジスト310を塗布する工程を説明する図である。また、図8(a)はネガ型フォトレジスト310の塗布が完了したシリコン基板302の上面図であり、図8(b)は、図8(a)中線分GG’の位置における断面図である。図8に示すように、金属薄膜308が形成されたシリコン基板302の表面に、ネガ型フォトレジスト310を塗布する。また、塗布するネガ型フォトレジスト310の厚みは、クワガタ26、28の厚さ108と等しく、例えば、40μmから100μmの範囲であることが望ましい。
図9は、図8で示したシリコン基板302に塗布されたネガ型フォトレジスト310に対して、アンクル体の型となる形状パターン312aを備えたマスクを用いて、UV光により露光を行う工程を説明する図である。また、図9(a)は露光の工程が完了したシリコン基板302の上面図であり、図9(b)は、図9(a)中線分HH’の位置における断面図である。図9に示すように、ネガ型フォトレジスト306、310のアンクル体の型となる形状パターン312aの部位は硬化し、ネガ型フォトレジスト306、310は、硬化部309と、非硬化部311とに分かれる。
図10は、図9に示したシリコン基板302において、ネガ型フォトレジスト306、310の非硬化部311を除去する工程を説明する図である。また、図10(a)はネガ型フォトレジスト306、310の非硬化部311の除去が完了したシリコン基板302の上面図であり、図10(b)は、図10(a)中線分JJ’の位置における断面図である。図10に示すように、図9に示したシリコン基板302において、非硬化部311を現像液で除去する。したがって、シリコン基板302上にキャビティ312が形成される。非硬化部311を除去することにより、アンクル体用電鋳型が完成する。
図11は、図10において完成したアンクル体用電鋳型に対して、電鋳加工を行う工程を説明する図である。また、図11(a)は電鋳加工が完了したアンクル体用電鋳型の上面図であり、図11(b)は、図11(a)中線分NN’の位置における断面図である。図11に示すように、図10において完成したアンクル体用電鋳型に対して、電鋳加工を行う。キャビティ312内に電鋳金属314が生成する。アンクル体3を形成する電鋳金属314は、Ni(ニッケル)、Ni−W(ニッケル−タングステン合金)、Ni−P(ニッケル−リン合金)などの電鋳可能な材料を用いる。
図12は、図11においてネガ型フォトレジスト306、310の硬化部309の厚さを越えた電鋳金属を除去加工する工程を説明する図である。また、図12(a)はネガ型フォトレジスト306、310の硬化部309の厚さを越えた電鋳金属314の除去加工が完了した状態を示す上面図であり、図12(b)は、図12(a)中線分MM’の位置における断面図である。図12に示すように、ネガ型フォトレジスト306、310の硬化部309の厚さを越えた電鋳金属314を研削及び研磨により除去する。電鋳金属314の研削及び研磨後の厚さは、アンクル体3の厚さであり、例えば、120μmから300μmであるように形成することができる。
図13は、図12において除去加工が施された電鋳金属314で形成されたアンクル体3をアンクル体用電鋳型から取り出し、アンクル体3が完成する工程を説明する図である。また、図13(a)は完成したアンクル体3の上面図であり、図13(b)は、図13(a)中線分NN’の位置における断面図である。図13に示すように、図12においてアンクル体用電鋳型に形成したアンクル体3を取り出す。そのためにはまず、シリコン基板302をアルカリ水溶液で溶かし、表面導体のための金属薄膜304であるCr(クロム)、Au(金)をそれぞれエッチングで溶かす。ネガ型フォトレジスト306、310の硬化部306aを、燃焼させる、有機溶剤で溶かす、酸素プラズマアッシングを施す、のいずれかの処理によって除去する。以上により、アンクル体3が完成する。
以上では、簡単のために1つの基板に1つのアンクル体3を形成するように説明したが、1つの基板に複数のアンクル体3を形成しても良い。
また、アンクル体3の製造方法によれば、図9で説明した工程において、アンクル体3の外形を同一のマスクパターンで形成できるため、ケン先10、クワガタ26、28、ウデ20、22、軸穴18cの形状精度が良いアンクル体3を簡単に製造できる。
図1(a)、図1(b)及び図2に示すように、アンクル体3に入ヅメ14および出ヅメ16を接着することができる。さらに、アンクル体3に、アンクル真18を固定することができる。アンクル真18は、アンクル体3の軸穴18cに嵌め込まれる。本発明の方法においては、ケン先10、入ヅメ14、出ヅメ16、アンクル真18をアンクル体3に固定する順序に定めはない。例えば、ケン先10をアンクル体3に固定し、次に、アンクル真18をアンクル体3に固定し、次に、入ヅメ14、出ヅメ16をアンクル体3に固定してもよい。或いは、アンクル真18をアンクル体3に固定し、次に、ケン先10をアンクル体3に固定し、次に、入ヅメ14、出ヅメ16をアンクル体3に固定してもよい。或いは、他の順番によってケン先10、入ヅメ14、出ヅメ16、アンクル真18をアンクル体3に固定してもよい。
(ツバの製造方法)
図14から図21は、ツバ8の製造方法について説明する図である。また、図14から図21における形状の厚さや大きさは、説明の理解を容易にするため、図示する寸法の比率を実際の工程の寸法と変えている。実際の寸法は、説明中に述べる数値を用いる。
図14は、ツバ8を電鋳加工で形成するために用いるツバ用電鋳型を作製するためのシリコン基板322を説明する図である。また、図14(a)は、ツバ体用電鋳型を作製するためのシリコン基板322の上面図であり、図14(b)は、図14(a)のシリコン基板322の線分PP’の位置における断面図である。シリコン基板322の大きさは、例えば、1mm〜160mmの範囲であるのが望ましく、また、シリコン基板322の厚さは、例えば、数百μm程度であるのが望ましい。
図15は、図14に示したシリコン基板322の表面に金属薄膜324を形成し、電鋳加工のための表面導体化を行う工程を説明する図である。また、図15(a)は、表面に金属薄膜324が形成されたシリコン基板322の上面図であり、図15(b)は、図15(a)のシリコン基板322の線分RR’の位置における断面図である。図15に示すように、シリコン基板322の表面に金属薄膜324を形成し、電鋳加工のための表面導体化を行う。金属薄膜324は、例えば、Au(金)、Cu(銅)などで構成することができ、アンカーメタルとしてCr(クロム)(図示しない)を用いても良い。金属薄膜324の形成は、スパッタリング、蒸着、無電解めっきなどの方法により行うことができる。金属薄膜324の膜厚は、数nm(不連続膜)〜数μmの範囲であるのが望ましく、Cr(クロム)とAu(金)の場合であれば、それぞれ50nm程度と200nm程度が望ましい。
図16は、図15に示したシリコン基板322に形成された金属薄膜324上に、ネガ型フォトレジスト326を塗布する工程を説明する図である。また、図16(a)は、表面にネガ型フォトレジスト326が塗布されたシリコン基板322の上面図であり、図16(b)は、図16(a)のシリコン基板322の線分SS’の位置における断面図である。図16に示すように、金属薄膜324が形成されたシリコン基板322の表面に、ネガ型フォトレジスト326を塗布する。ネガ型フォトレジスト326の厚さは、ツバ8の厚さと等しく、100μmから200μmの範囲であるのが望ましい。
図17は、図16に示したシリコン基板322に塗布されたネガ型フォトレジスト326に対して、ツバ8の形状パターンを備えたマスクを用いて、UV光により露光を行う工程を説明する図である。また、図17(a)は、露光の工程が完了したシリコン基板322の上面図であり、図17(b)は、図17(a)のシリコン基板322の線分TT’の位置における断面図である。図17に示すように、シリコン基板322に塗布されたネガ型フォトレジスト326に対して、ツバ8の形状パターンを備えたマスクを用いて、UV光により露光を行う。露光の工程が完了すると、ネガ型フォトレジスト326は、マスクに備えられたパターンであるツバ8の形状に硬化した硬化部326aと、硬化していない非硬化部326bとに分かれる。
図18は、図17に示したシリコン基板322において、ネガ型フォトレジスト326の非硬化部326bを除去する工程を説明する図である。また、図18(a)はネガ型フォトレジスト326の非硬化部326bの除去が完了したシリコン基板322の上面図であり、図18(b)は、図18(a)のシリコン基板322の線分UU’の位置における断面図である。図18に示すように、図17に示したシリコン基板322において、非硬化部326bを現像液で除去する。したがって、シリコン基板322上にキャビティ328が形成される。キャビティ328を形成することにより、ツバ用電鋳型が完成する。
図19は、図18において完成したツバ用電鋳型に対して、電鋳加工を行う工程を説明する図である。また、図19(a)は電鋳加工が完了したツバ用電鋳型の上面図であり、図19(b)は、図19(a)のシリコン基板302の線分VV’の位置における断面図である。図19に示すように、図18において完成したツバ用電鋳型に対して、電鋳加工を行う。キャビティ328において電鋳金属330が生成し、ツバ8の形状を備えた金属となる。ツバ8を形成する電鋳金属330は、Ni(ニッケル)、Ni−W(ニッケル−タングステン合金)、Ni−P(ニッケル−リン合金)など電鋳可能な材料を用いる。
図20は、図19に示した電鋳金属330のネガ型フォトレジスト326の硬化部326aの厚さを越えた部分を除去加工する工程を説明する図である。また、図20(a)はネガ型フォトレジスト326の硬化部326aの厚さを越えた電鋳金属330の除去加工が完了した状態を示す上面図であり、図20(b)は、図20(a)のシリコン基板322の線分WW’の位置における断面図である。図20に示すように、ネガ型フォトレジスト326の厚さを越えた電鋳金属330を研削及び研磨により除去する。電鋳金属330の厚さは、例えば、100μmから200μmであるように形成することができる。
図21は、図20において除去加工が施された電鋳金属330をツバ用電鋳型から取り出し、ツバ8が完成する工程を説明する図である。また、図21(a)は完成したツバ8の上面図であり、図21(b)は、図21(a)のツバ8の線分XX’の位置における断面図である。図21に示すように、図20においてツバ用電鋳型に形成したツバ8を取り出す。まず、シリコン基板322をアルカリ水溶液で溶かし、表面導体のための金属薄膜324であるCr(クロム)、Au(金)をそれぞれエッチングで溶かす。ネガ型フォトレジスト326の硬化部326aを、燃焼させる、有機溶剤で溶かす、酸素プラズマアッシングを施す、のいずれかの処理によって除去する。以上により、ツバ8が完成する。
以上では、簡単のために1つの基板に1つのツバ8を形成するように説明したが、1つの基板に複数のツバ8を形成しても良い。
ツバ8の製造方法によれば、図17で説明した工程において、ツバ8の外形を同一のマスクパターンで形成できるため、切リ欠キ部8a、振リ石用穴8b、軸穴8cの形状精度が良いツバ8を簡単に製造できる。
図1(c)に示すように、ツバ8に振リ石6を挿入、接着することにより、振リ座4の製造を行う。
(機械式時計の構成)
図22は、機械式時計の表輪列を示す図であり、図23は、機械式時計における輪列の香箱車508からガンギ車68を示す断面図であり、図24は、機械式時計における輪列のガンギ車68からテンプ516を示す断面図である。
機械式時計において、機械式時計のムーブメント(駆動部分を含む機械体)518は、ムーブメントの基板を構成する地板500を有する。巻真502が、地板500の巻真案内穴500aに回転可能に組み込まれる。文字板520が、ムーブメント518に取付けられる。一般に、地板の両側において、文字板のある方の側をムーブメントの「裏側」と称し、文字板のある方の側と反対側をムーブメントの「表側」と称する。ムーブメントの「表側」に組み込まれる輪列を「表輪列」と称し、ムーブメントの「裏側」に組み込まれる輪列を「裏輪列」と称する。オシドリ522、カンヌキ524、カンヌキバネ526、裏押さえ528を含む切替装置により、巻真502の軸線方向の位置を決める。キチ車530が巻真502の案内軸部に回転可能に設けられる。巻真502が、回転軸線方向に沿ってムーブメントの内側に一番近い方の第1の巻真位置(0段目)にある状態で巻真502を回転させると、ツヅミ車の回転を介してキチ車530が回転する。丸穴車504が、キチ車530の回転により回転する。角穴車506が、丸穴車504の回転により回転する。角穴車506が回転することにより、香箱車508に収容されたゼンマイ532を巻き上げる。二番車510が、香箱車508の回転により回転する。ガンギ車68が、四番車514、三番車512、二番車510の回転を介して回転する。香箱車508、二番車510、三番車512、四番車514は表輪列を構成する。
表輪列の回転を制御するための脱進・調速装置は、テンプ516と、ガンギ車68と、アンクル2とを含む。テンプ516は、テン真516aと、テン輪516bと、ヒゲゼンマイ516cとを含む。二番車510の回転に基づいて、筒カナ534が同時に回転する。筒カナ534に取付けられた分針536が「分」を表示する。筒カナ534には、二番車510に対するスリップ機構が設けられる。筒カナ534の回転に基づいて、日ノ裏車の回転を介して、筒車538が回転する。筒車538に取付けられた時針540が「時」を表示する。ヒゲゼンマイ516cは、複数の巻き数をもったうずまき状(螺旋状)の形態の薄板バネである。ヒゲゼンマイ516cの内端部は、テン真516aに固定されたヒゲ玉516dに固定され、ヒゲゼンマイ516cの外端部は、テンプ受542に固定されたヒゲ持受544に取り付けたヒゲ持544aを介してねじ締めにより固定される。緩急針546が、テンプ受542に回転可能に取付けられている。ヒゲ受548とヒゲ棒550が、緩急針546に取付けられている。ヒゲゼンマイ516cの外端部に近い部分は、ヒゲ受548とヒゲ棒550との間に位置する。テンプ516は、地板500及びテンプ受542に対して回転可能なように支持される。
香箱車508は、香箱歯車508dと、香箱真508f、ゼンマイ552とを備える。香箱真508fは、上軸部508aと、下軸部508bとを含む。香箱真508fは、炭素鋼などの金属で形成される。香箱歯車508dは黄銅などの金属で形成される。二番車510は、上軸部510aと、下軸部510bと、カナ部510cと、歯車部510dと、ソロバン玉部510hとを含む。二番車510のカナ部510cは香箱歯車508dと噛み合うように構成される。上軸部510aと、下軸部510bと、ソロバン玉部510hは、炭素鋼などの金属で形成される。歯車部510dは黄銅などの金属で形成される。三番車512は、上軸部512aと、下軸部512bと、カナ部512cと、歯車部512dとを含む。三番車512のカナ部512cは歯車部510dと噛み合うように構成される。四番車514は、上軸部514aと、下軸部514bと、カナ部514cと、歯車部514dとを含む。四番車514のカナ部514cは歯車部512dと噛み合うように構成される。上軸部514aと、下軸部514bは、炭素鋼などの金属で形成される。歯車部514dは黄銅などの金属で形成される。
ガンギ車68は、上軸部68aと、下軸部68bと、カナ部68cと、歯車部68dとを含む。ガンギ車68のカナ部68cは歯車部514dと噛み合うように構成される。アンクル2は、アンクル体3と、アンクル真18とを備える。アンクル真18は、上軸部18aと、下軸部18bとを含む。
香箱車508は、地板500及び香箱受554に対して回転可能なように支持される。すなわち、香箱真508fの上軸部508aは、香箱受554に対して回転可能なように支持される。香箱真508fの下軸部508bは、地板500に対して、回転可能に支持される。二番車510、三番車512、四番車514、ガンギ車68は、地板500及び輪列受556に対して回転可能なように支持される。すなわち、二番車510の上軸部510b、三番車512の上軸部512a、四番車514の上軸部514a、ガンギ車68の上軸部68aは、輪列受556に対して回転可能なように支持される。また、二番車510の下軸部510b、三番車512の下軸部512b、四番車514の下軸部514b、ガンギ車68の下軸部68bは、地板500に対して、回転可能に支持される。アンクル2は、地板500及びアンクル受558に対して回転可能なように支持される。すなわち、アンクル2の上軸部18aは、アンクル受558に対して回転可能なように支持される。アンクル2の下軸部18bは、地板500に対して、回転可能に支持される。
香箱真508fの上軸部508aを回転可能に支持する香箱受554の軸受部と、二番車510の上軸部510aを回転可能に支持する輪列受556の軸受部と、三番車512の上軸部512a を回転可能に支持する輪列受556の軸受部と、四番車514の上軸部514aを回転可能に支持する輪列受556の軸受部と、ガンギ車68の上軸部68aを回転可能に支持する輪列受556の軸受部と、アンクル2の上軸部18aを回転可能に支持するアンクル受558の軸受部には、潤滑油が注油される。秒ロータ560の下軸部560bを回転可能に支持する地板500の軸受部と、香箱真508fの下軸部508bを回転可能に支持する地板500の軸受部と、二番車510の下軸部510bを回転可能に支持する地板500の軸受部と、三番車512の下軸部512bを回転可能に支持する地板500の軸受部と、四番車514の下軸部514bを回転可能に支持する地板500の軸受部と、ガンギ車68の下軸部508bを回転可能に支持する地板500の軸受部と、アンクル2の下軸部18bを回転可能に支持する地板500の軸受部には、潤滑油が注油される。この潤滑油は、精密機械用油であるのが好ましく、いわゆる時計油であるのが特に好ましい。地板500のそれぞれの軸受部、香箱受554の軸受部、輪列受556のそれぞれの軸受部には、潤滑油の保持性能を高めるために、円錐状、円筒状、又は、円錐台状の油溜め部を設けるのが好ましい。油溜め部を設けると、潤滑油の表面張力により油が拡散するのを効果的に阻止することができる。地板500、香箱受554、輪列受556、アンクル受558は、黄銅などの金属で形成してもよいし、ポリ−カーボネートなどのエンジニアリングプラスチックで形成してもよい。
以上説明したように、本発明の実施の形態1に係る脱進調速機を備えた機械式時計は、
アンクル2と振リ座4との構成部の薄型化が可能であることにより、薄型化が可能となる。また、アンクル2の慣性モーメントが小さいことと、アンクル体3とツバ8の形状精度が良いことにより、本発明の実施の形態1に係る脱進調速機を備えた機械式時計の計時精度が向上する。また、本発明のアンクル2はケン先10を打ち込む工程を省くことができるため、アンクル2の組立時間が短縮できるので、本発明の実施の形態1に係る脱進調速機を備えた機械式時計は、簡単に製造でき、製造に要する時間も短縮でき、製造にかかるコストを抑えることができる。
(脱進調速機の動作)
アンクル2と、振リ座4と、ガンギ車68のそれぞれの動作の軌跡を図25から図31に示す。クラブツースレバー式脱進機において、アンクル2の回転と、振リ座4の回転は、正回転と逆回転が対称の動きとなるため、一方向の回転のみについての説明を行い、他方向の動きについても同じ説明ができる。また、振リ座4は、テンプの構成要素のひとつであり、振リ座4の回転はテンプの機構により実現する。なお、テンプの構成要素は、振リ座4と、テン真と、ヒゲ玉と、ヒゲゼンマイと、ヒゲ受とヒゲ棒とを備えた緩急針と、ヒゲ持と、ヒゲ持受と、テン輪と、テンプ受である。また、アンクル2と振リ座4の動作説明の理解を容易にするため、図25から図31において、テンプ、ヒゲゼンマイ、テン真、ヒゲ玉、ヒゲ受、ヒゲ棒、緩急針、ヒゲ持、ヒゲ持受、テン輪、テンプ受は図示しない。テン真には、振リ座4と、ヒゲ玉と、テン輪とがそれぞれ圧入されており、ヒゲ玉はヒゲゼンマイの一端を保持する。ヒゲゼンマイの他端は、ヒゲ持受に保持されたヒゲ持により保持されている。よって、テンプはヒゲゼンマイの弾性により正回転、逆回転の動きが対称となる回転運動を行う。
図25は、振リ座4が自由振動によって振リ座回転方向200の向きに振りきれ、前述したヒゲ玉とヒゲ持によって保持されているヒゲゼンマイの弾性により、振リ座4の回転を振リ座回転方向202の向きに変えるときのアンクル2と振リ座4の動作説明を行う図である。また、図25(a)は、アンクル2と、振リ座4と、ガンギ車68の位置を示す図であり、図25(b)は、図25(a)においてアンクル2と振リ座4の位置を拡大した図である。振リ座4が自由振動によって振リ座回転方向200の向きに振りきれ、前述したヒゲ玉とヒゲ持によって保持されているヒゲゼンマイの弾性により、振リ座4の回転を振リ座回転方向202の向きに変えるとき、アンクル2に設けられたケン先10と、ツバ側面8dとの間にはケン先アガキ10aがあるので、ケン先10は振リ座4の自由振動を妨げない。また、外乱によってアンクル2が誤回転しようとするとき、ケン先10がツバ側面8dとぶつかることにより、アンクル2は誤回転しない。したがって、ケン先10とツバ8が機能し、本発明のアンクル2と振リ座4が正常に動作することは確認できる。
図26は、図25に示したアンクル2と振リ座4の回転に続くアンクル2と振リ座4の位置と回転方向を示す図である。また、図26(a)は、アンクル2と、振リ座4と、ガンギ車68の位置を示す図であり、図26(b)は、図26(a)においてアンクル2と、振リ座4の位置を拡大した図である。振リ座4は、振リ座回転方向204の向きに回転し、ケン先10と対応するツバ8の位置が、ツバ側面8dから切リ欠キ部8aに移り、同時に振リ石6がクワガタ26と対応する位置に移る。このとき、アンクル2に設けられたケン先10は、ツバ8に設けられた切リ欠キ部8aに入り込むようになるので、アンクル2の回転は許容される。また、外乱によるアンクル2の誤回転を防止する機構が、ケン先10とツバ側面8dから、クワガタ26と振リ石6に移行する。外乱によってアンクル2が誤回転しようとしたとき、ケン先10は切リ欠キ部8aに入り込むことができるのでアンクル2の回転を許容するが、クワガタ26の側面が振リ石6と衝突することにより、アンクル2の誤回転は防止される。したがって、本発明のアンクル2と振リ座4が正常に動作することは確認できる。
図27は、図26に示したアンクル2と振リ座4の回転に続くアンクル2と振リ座4の位置と回転方向を示す図である。また、図27(a)は、アンクル2と、振リ座4と、ガンギ車68の位置を示す図であり、図27(b)は、図27(a)においてアンクル2と、振リ座4の位置を拡大した図である。振リ座4は、振リ座回転方向206の向きに回転し、振リ石6がクワガタ28の側面と衝突する。したがって、振リ石6がアンクル2に力を加えて回転させようとするので、ガンギ車68の回転を止めていた入ヅメ14が、ガンギ車68から外れ、アンクル2は回転を始めようとする。また、ケン先10は、ツバ8に設けられた切リ欠キ部8aに入り込むことができるので、ケン先10とツバ8がぶつかることなく、アンクル2の回転は許容される。
図28は、図27に示したアンクル2と振リ座4の回転に続くアンクル2と振リ座4の位置と回転方向を示す図である。また、図28(a)は、アンクル2と、振リ座4と、ガンギ車68の位置を示す図であり、図28(b)は、図28(a)においてアンクル2と、振リ座4の位置を拡大した図である。振リ座4は、振リ座回転方向208の向きに回転する。このとき、ガンギ車68は、ガンギ車回転方向210の向きに回転し、入ヅメ14に力を加えることで、アンクル2を回転させる。ケン先10は切リ欠キ部8aに入り込むので、アンクル2はツバ8とぶつかることなく回転する。図27では、振リ石6がクワガタ28に力を加えることでアンクル2を回転させたが、図28では、クワガタ26が、ガンギ車68から入ヅメ14を介してアンクル2に伝えられた力を、振リ石6に伝える。したがって、クワガタ26が振リ石6に加えたエネルギーが、テンプの回転エネルギーとなり、テンプは回転を持続することができる。
図29は、図28に示したアンクル2と振リ座4の回転に続くアンクル2と振リ座4の位置と回転方向を示す図である。また、図29(a)は、アンクル2と、振リ座4と、ガンギ車68の位置を示す図であり、図29(b)は、図29(a)においてアンクル2と、振リ座4の位置を拡大した図である。振リ座4は、振リ座回転方向212の向きに回転し、クワガタ26から離れて自由振動を始める。ガンギ車68は、ガンギ車回転方向220に回転し、入ヅメ14から外れて出ヅメ16にぶつかることにより、回転を一時停止する。このとき、アンクル2も回転を一時停止する。外乱によって、アンクル2が誤回転しようとするとき、クワガタ28が振リ石6にぶつかるので、アンクル2の回転は防止される。
図30は、図29に示したアンクル2と振リ座4の回転に続くアンクル2と振リ座4の位置と回転方向を示す図である。また、図30(a)は、アンクル2と、振リ座4と、ガンギ車68の位置を示す図であり、図30(b)は、図30(a)においてアンクル2と、振リ座4の位置を拡大した図である。振リ座4は、振リ座回転方向214の向きに回転する。振リ石14がクワガタ26から離れると、ツバ側面8dがケン先10と対応する位置となる。アンクル2に設けられたケン先10と、ツバ側面8dとの間にはケン先アガキ10bがあるので、ケン先10は振リ座4の自由振動を妨げない。また、外乱によってアンクル2が誤回転しようとするとき、ケン先10がツバ側面8dとぶつかるので、アンクル2の誤回転は防止される。
図31は、図30に示したアンクル2と振リ座4の回転に続くアンクル2と振リ座4の位置と回転方向を示す図である。また、図31(a)は、アンクル2と、振リ座4と、ガンギ車68の位置を示す図であり、図31(b)は、図31(a)においてアンクル2と、振リ座4の位置を拡大した図である。振リ座4は、自由振動によって振リ座回転方向216の向きに振りきれ、テンプに取り付けられているヒゲゼンマイの弾性により、振リ座回転方向218に変える。このとき、アンクル2に設けられたケン先10と、ツバ側面8dとの間にはケン先アガキ10bがあるので、ケン先10は振リ座4の回転を妨げない。また、外乱によって、アンクル2が回転しようとするとき、ケン先10がツバ側面8dとぶつかり、アンクル2の誤回転は防止される。したがって、ケン先10とツバ8が機能し、本発明のアンクル2と振リ座4が正常に動作することは確認できる。
(本発明の作用及び効果)
以上により、本発明のアンクル2と振リ座4を備えた機械式時計は、アンクル2が振リ座4の回転を妨げることによって停止することなく、正常に機能する。
また、以上に示したアンクル2と振リ座4の形状により、クワガタ26、28及びケン先10がアンクル2の回転軸からテンプの回転軸に向う方向に延びており、それらの構成に対応するツバ8が単一層であるため、アンクル2と振リ座4の構成部は薄型となる。さらに、ケン先10がアンクル体3と同一層にあり、かつケン先10がクワガタ26、28よりも短いことにより、アンクル2の慣性モーメントを小さくすることができる。アンクル2の慣性モーメントが小さくなると、アンクル2でのエネルギーロスが低減し、アンクル2がテンプへ加えるエネルギーが大きくなるので、テンプの振角は増大する。したがって、エアリーの定理により、本発明のアンクル2と振リ座4を備えた機械式時計の計時精度を向上させることができる。また、本発明のアンクル体3とツバ8は、電鋳により形成され、形状精度が高いので、ケン先アガキ10a、10bの調整が容易あるいは調整不要となる。したがって、ケン先アガキ調整をしなくても、ケン先10が外乱によりツバ8と衝突する回数を減らし、テンプの自由振動を妨げにくくすることができる。
また、本発明のツバ8とアンクル体3は、加工の際に切削加工等の追加工が不要であるため、簡単に加工をすることができ、加工時間を短縮することができるので、コストを抑えることができる。さらに、追加工による加工誤差や形状の変形の心配も不要となる。また、アンクル体3とケン先10とは一体形成であるため、それぞれを別体で形成した場合に比べ、組立が不要となり、組立時間を短縮することができるので、コストを抑えることができる。また、組立誤差の心配も不要となる。
さらに、アンクル2と振リ座4との構成の薄型化が可能なので、アンクル2と振リ座4の構成が薄くなった分の空間を、他の機構の空間として利用したり、地板を厚くして地板の強度を高めたりすることができる。
[実施の形態2]
図32は、本発明の実施の形態2に係るアンクル体3aを説明する上面図である。アンクル体3aにおける、本発明の実施の形態1で説明したアンクル体3との同一部は、同一の符号を用いるため、符号の記載は省略する。また、アンクル体3aにおいて、本発明の実施の形態1で説明したアンクル体3との形状の違いについてのみ述べる。
アンクル体3aは、アンクル体3のウデ20、22、サオ24に、例えば、穴76a、76b、76c、76d、76e、76f、76g、76h、といった貫通穴を設けた形状をもつ。ただし、アンクル体3のウデ20、22、サオ24の全てに必ず複数個の貫通穴を設けるというわけではなく、貫通穴の個数や形状は適宜決定してよい。アンクル体3aの形状とすることで、アンクル体3の慣性モーメントをさらに小さくすることができる。
以上述べたように、本発明の実施の形態2に係るアンクル体3aは、実施の形態1で述べた効果に加えて、アンクル体3aに貫通穴を1つ以上設けることにより、アンクル体3aの慣性モーメントをさらに小さくすることができる。アンクル体3aの慣性モーメントが小さくなると、アンクル2が動作する際の消費エネルギーが小さくなる。したがって、アンクル体3aを備えた機械式時計は、テンプに伝わるエネルギーが大きくなり、テンプの振り角が増すので、エアリーの定理により計時精度が向上する。
[実施の形態3]
図33は、本発明の実施の形態3に係るアンクル体3bを説明する上面図である。アンクル体3bにおける、本発明の実施の形態1で説明したアンクル体3との同一部は、同一の符号を用いるため、符号の記載は省略する。また、アンクル体3bにおいて、本発明の実施の形態1で説明したアンクル体3との形状の違いについてのみ述べる。
アンクル体3bは、アンクル体3のサオ24の両端部のうち、ケン先10及びクワガタ26、28に近い端部の幅24aが、サオ24の両端部の間の中心部分の幅24bに対して、例えば、1倍以上2.5倍以下の長さとなった形状である。アンクル体3は、ケン先10を圧入しないため、ケン先10を圧入するための穴が不要となる。そのため、ケン先10を圧入するための穴が不要となる分、サオ24のケン先10及びクワガタ26、28に近い端部の幅24aが小さいアンクル体3bの形状とすることができる。サオ24の端部の幅24aを小さくすることができるので、アンクル体3の慣性モーメントをさらに小さくすることができる。
以上述べたように、本発明の実施の形態3に係るアンクル体3bは、実施の形態1で述べた効果に加えて、アンクル体3bのサオ24の端部の幅24aの長さを、サオ24の両端部の間の中心部分の幅24bに対して、例えば、1倍以上2.5倍以内とすることにより、アンクル体3bの慣性モーメントをさらに小さくすることができる。アンクル体3bの慣性モーメントが小さくなると、アンクル2が動作する際の消費エネルギーが小さくなる。したがって、アンクル体3bを備えた機械式時計は、テンプに伝わるエネルギーが大きくなり、テンプの振り角が増すので、エアリーの定理により計時精度が向上する。
[実施の形態4]
図34は、本発明の実施の形態4に係るアンクル体3cを説明する図である。図34(a)はアンクル体3cの上面図、図34(b)はアンクル体3cの断面図である。アンクル体3cの、本発明の実施の形態1で説明したアンクル体3との同一部は、同一の符号を用いるため、符号の記載は省略する。また、アンクル体3cにおいて、本発明の実施の形態1で説明したアンクル体3との形状の違いについてのみ述べる。
アンクル体3cは、アンクル体3においてケン先10の厚さは維持し、ケン先10以外の部分がケン先10の厚みよりも薄い形状をもつ。アンクル体3cの形状とすることで、ケン先11の機能を有したまま、アンクル体3cの慣性モーメントを小さくすることができる。アンクル体3cの形状とすることで、アンクル体3の慣性モーメントをさらに小さくすることができる。
具体的なケン先11の形状として、ケン先11の厚さ106はアンクル体3におけるケン先10の厚さ106と等しい。また、ケン先11の長さ11aは、大きくとも、サオ24の幅24bが、サオのケン先11を備える側の端に向うにつれて大きくなり始める幅24cの位置から、ケン先11の先端までの長さ11cよりも等しいまたは小さく、小さくとも、サオ24の端におけるケン先11の付け根の位置から、ケン先11の先端までの長さ11dよりも等しいまたは大きい。さらに、ケン先11の幅11bは、大きくとも、サオ24のケン先11を備える側の端における最大の幅11eよりも等しいまたは小さく、小さくとも、サオ24の端におけるケン先11の付け根の幅11fよりも等しいまたは大きい。
以上述べたように、本発明の実施の形態4に係るアンクル体3cは、実施の形態1で述べた効果に加えて、アンクル体3においてケン先10の厚さは維持し、ケン先10以外の部分がケン先10の厚みよりも薄く形成された形状を備えたアンクル体3cとすることにより、アンクル体3cの慣性モーメントをさらに小さくすることができる。アンクル体3cの慣性モーメントが小さくなると、アンクル2が動作する際の消費エネルギーが小さくなる。したがって、アンクル体3cを備えた機械式時計は、テンプに伝わるエネルギーが大きくなり、テンプの振り角が増すので、エアリーの定理により計時精度が向上する。
図35は、本発明における実施の形態2、3、4を組み合わせた形状を備えたアンクル体3dを説明する図である。図35(a)はアンクル体3dの上面図、図35(b)はアンクル体3dの断面図である。アンクル体3dの、本発明の実施の形態1で説明したアンクル体3との同一部は、同一の符号を用いるため、符号の記載は省略する。また、アンクル体3dにおいて、本発明の実施の形態1で説明したアンクル体3との形状の違いについてのみ述べる。
アンクル体3dは、本発明における実施の形態2、3、4を組み合わせた形状を備えている。本発明における実施の形態2、3、4は、それぞれ慣性モーメントの小さいアンクル体3a、3b、3cを提供している。よって、慣性モーメントの小さいアンクル体3a、3b、3cの特徴を組み合わせた形状を持つアンクル体3dとすることで、さらに慣性モーメントの小さいアンクル体3dを提供することができる。アンクル体3dの慣性モーメントが小さくなると、アンクル2が動作する際の消費エネルギーが小さくなる。したがって、テンプに伝わるエネルギーが大きくなるため、テンプの振り角が増し、エアリーの定理により計時精度が向上する。
[実施の形態5]
図36は、本発明の実施の形態5に係るアンクル体3eを説明する図である。図36(a)は、アンクル体3eの上面図である。図36(b)は、図36(a)に示した切断線AA−AA’による断面図である。本発明の実施の形態1で説明したアンクル体3とアンクル体3eとの同一部は、同一の符号を用いるため符号の記載は省略する。また、アンクル体3eにおいて、本発明の実施の形態1で説明したアンクル体3との形状の違いについてのみ述べる。
アンクル体3eは、アンクル体3と同材料であるクワガタ26、28を、アンクル体3よりも低密度な材料で構成されたクワガタ32、34に置換したものである。アンクル体3eは、アンクル体胴体部38を電鋳加工により形成し、その後クワガタ32、34を接続することにより構成される。接続方法としては、例えば圧入やかしめで固定したり、また例えば熱可塑性樹脂などの接着剤を用いて固定したりしても良い。クワガタ接続部32e、34eの形状及びアンクル体胴体部38においてクワガタ接続部32e、34eが接続される部位の形状は、接続後に両者の抜けやずれ等が生じ難い形状であるのが望ましい。クワガタ32、34は、アンクル体3を構成する材料であるニッケル、またはニッケル−タングステン合金、またはニッケル−リン合金などよりも低密度な材料で構成され、例えばルビーやジルコニアなどのセラミックスが挙げられる。クワガタ32、34にニッケル、またはニッケル-タングステン合金、またはニッケル−リン合金などよりも低密度な材料を用いることで、アンクル体3の慣性モーメントを小さくすることができる。また、クワガタ32、34の材料にルビーやジルコニアなどのセラミックスなどを用いた場合、クワガタ32、34がアンクル体胴体部38よりも高硬度で低摩耗、さらには低摩擦係数を有するようになるため、クワガタ32、34の経時的な形状または寸法の変化が小さく、振り石6との衝撃における摩擦損失が小さくなるといったメリットもある。
図37は、本発明の実施の形態5に係るアンクル体3fを説明する図である。図37(a)は、アンクル体3fの上面図である。図37(b)は、図37(a)に示した切断線AB−AB’による断面図である。アンクル体3fとアンクル体3eとの違いは、アンクル体3fにおけるアンクル体胴体部42に度当り42fが設けられたことである。度当り42fにクワガタ32、34が当接することにより、クワガタ32、34の位置が規制される。このため、クワガタ32、34のアンクル体胴体部42に対する相対的な位置精度を高くすることができる。
図38は、本発明の実施の形態5に係るアンクル体3gを説明する図である。図38(a)は、アンクル体3gの上面図である。図38(b)は、図38(a)に示した切断線AC−AC’による断面図である。アンクル体3gとアンクル体3eとの違いは、アンクル体3gにおけるクワガタ44、46の接続部44g、46gの形状が、クワガタ32、34の接続部32e、34eの形状よりもアンクル体胴体部38の厚さ方向に対して大きいことである。接続部44g、46gの形状とすることで、アンクル体胴体部38はより大きな面積でとクワガタ44、46を保持することができるので、保持力が大きくなり、クワガタ44、46の動作において経時的に生じると考えられる位置ずれを小さくすることができる。
以上述べたように、本発明の実施の形態5に係るアンクル体3eは、実施の形態1で述べた効果を奏する。さらに、アンクル体3eは、アンクル体3を構成する材料と同材料で構成されたクワガタ26、28を、アンクル体3を構成する材料よりも低密度な材料で構成されたクワガタ32、34に置換したアンクル体3eであってもよい。これにより、アンクル体3の慣性モーメントをさらに小さくすることができる。また、クワガタ32、34にルビーやジルコニアなどのセラミックスなどを用いた場合、クワガタ32、34がアンクル体胴体部38よりも高硬度で低摩耗、さらには低摩擦係数を有するようになる。このため、クワガタ32、34の経時的な形状または寸法の変化が少なく、振り石6との衝撃における摩擦損失が小さくなる。アンクル体3の慣性モーメントが小さくなったり、振り石6との衝撃における摩擦損失が小さくなったりすると、アンクル2が動作する際の消費エネルギーが小さくなる。したがって、アンクル体3eを備えた機械式時計は、テンプ516に伝わるエネルギーが大きくなり、テンプ516の振り角が増す。このため、エアリーの定理により計時精度が向上する。
また、クワガタ32、34の経時的な形状または寸法の変化が少ないことにより、形状または寸法変化による伝達エネルギーの変動も少なくなる。したがって、アンクル体3eを備えた機械式時計は、テンプ516に伝わるエネルギーが安定し、テンプ516の振り角が安定する。このため、テンプ516の周波数が安定することにより計時精度が向上する。
さらにアンクル体3f、3gのように、アンクル体胴体部38やクワガタ32、34の形状に工夫を施すことにより、クワガタ32、34のアンクル体胴体部38に対する相対的な位置精度がより高くなる。このため、アンクル体3fまたは3gを備えた機械式時計は、テンプに伝わるエネルギーが安定し、テンプの振り角が安定することとなり、テンプの周波数が安定することにより計時精度が向上する。
[実施の形態6]
図39は、本発明の実施の形態6に係るアンクル体3hを説明する図である。図39(a)は、アンクル体3hの上面図である。図39(b)は、図39(a)に示した切断線AD−AD’による断面図である。本発明の実施の形態1で説明したアンクル体3とアンクル体3hとの同一部は、同一の符号を用いるため符号の記載は省略する。また、アンクル体3hにおいて、本発明の実施の形態1で説明したアンクル体3との形状の違いについてのみ述べる。
アンクル体3hは、アンクル体3と同材料であるケン先10を、アンクル体3よりも低密度な材料で構成されたケン先36に置換したものである。アンクル体3hは、アンクル体胴体部40を電鋳加工により形成し、その後ケン先36を接続することにより構成される。接続方法としては、例えば圧入やかしめで固定したり、また例えば熱可塑性樹脂などの接着剤を用いて固定したりしても良い。ケン先36fの形状及びアンクル体胴体部40においてケン先36fが接続される部位の形状は、接続後に両者の抜けやずれ等が生じ難い形状であるのが望ましい。ケン先36は、アンクル体3を構成する材料であるニッケル、またはニッケル−タングステン合金、またはニッケル−リン合金などよりも低密度な材料で構成され、例えばルビーやジルコニアなどのセラミックスが挙げられる。ケン先36にニッケル、またはニッケル−タングステン合金、またはニッケル−リン合金などよりも低密度な材料を用いることで、アンクル体3の慣性モーメントを小さくすることができる。また、ケン先36の材料にルビーやジルコニアなどのセラミックスなどを用いた場合、ケン先36がアンクル体胴体部40よりも高硬度で低摩耗、さらには低摩擦係数を有するようになるため、ケン先36の経時的な形状または寸法の変化が小さく、ツバ側面8dとの衝撃における摩擦損失が小さくなるといったメリットもある。
図40は、本発明の実施の形態6に係るアンクル体3iを説明する図である。図40(a)は、アンクル体3iの上面図である。図40(b)は、図40(a)に示した切断線AE−AE'による断面図である。アンクル体3iとアンクル体3hとの違いは、アンクル体3iにおけるケン先36の形状が、アンクル体胴体部40の厚さ方向に小さいケン先48の形状になり、小型化及び軽量化していることである。ケン先36がアンクル2の誤動作防止の機能を果たす部位は、クワガタ26、28とは異なる層であるケン先48に該当する部位である。そのため、ケン先48は、アンクル2の誤動作防止の機能を有したままアンクル2の慣性モーメントを小さくすることができる。
図41は、本発明の実施の形態5に係るアンクル体3jを説明する図である。図41(a)は、アンクル体3jの上面図である。図41(b)は、図41(a)に示した切断線AF−AF’による断面図である。アンクル体3jとアンクル体3hとの違いは、アンクル体3jにおけるアンクル体胴体部60に度当たり60jが設けられていることである。度当り60jにケン先48が当接することにより、ケン先48位置が規制される。このため、ケン先48のアンクル体胴体部60に対する相対的な位置精度を高くすることができる。
以上述べたように、本発明の実施の形態6に係るアンクル体3hは、実施の形態1で述べた効果を奏する。さらにアンクル体3hは、アンクル体3を構成する材料と同材料で構成されたケン先10を、アンクル体3を構成する材料よりも低密度な材料で構成されたケン先36に置換したアンクル体3hとするものであってもよい。これにより、アンクル体3の慣性モーメントをさらに小さくすることができる。また、ケン先36にルビーやジルコニアなどのセラミックスなどを用いた場合、高硬度で低摩耗、さらには低摩擦である。このため、ケン先36の経時的な形状または寸法の変化が少なく、ツバ側面8dとの衝撃における摩擦損失が小さくなる。アンクル体3の慣性モーメントが小さくなったり、ツバ側面8dとの衝撃における摩擦損失が小さくなったりすると、アンクル2が動作する際の消費エネルギーが小さくなる。したがって、アンクル体3hを備えた機械式時計は、テンプに伝わるエネルギーが大きくなり、テンプの振り角が増すので、エアリーの定理により計時精度が向上する。また、ケン先36の経時的な形状または寸法の変化が少ないことにより、形状または寸法変化による伝達エネルギーの変動も少なくなる。したがって、アンクル体3hを備えた機械式時計は、テンプに伝わるエネルギーが安定し、テンプの振り角が安定する。このため、テンプの周波数が安定することにより計時精度が向上する。
さらにアンクル体3iのように、ケン先36を小型化及び軽量化することにより、アンクル体3hの慣性モーメントをさらに小さくすることができ、アンクル体3よりもエネルギー損失を小さくすることができる。このため、アンクル体3iを備えた機械式時計は、テンプに伝わるエネルギーが大きくなるとともに、テンプの振り角が大きくなることにより、エアリーの定理により計時精度が向上する。
また、アンクル体3jのように、アンクル体胴体部60に度当たり60iを設けることで、ケン先36の位置が規制され、ケン先36のアンクル体胴体部40に対する相対的な位置精度がより高くなる。このため、アンクル体3jを備えた機械式時計は、テンプに伝わるエネルギーが安定し、テンプの振り角が安定するので、テンプの周波数が安定することにより計時精度が向上する。
本発明の製造方法を用いることによって、ケン先、入ヅメ、出ヅメの相対位置が高精度であるアンクルを製造することができる。本発明のアンクルは、簡単な工程で製造することができる。また、本発明のアンクルは、慣性モーメントが小さい。さらに、本発明の脱進調速機は薄型である。したがって、本発明によって、慣性モーメントの小さいアンクルを含む薄型の脱進調速機を備えた機械式時計を生産することができる。
2 アンクル
3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g、3h、3i、3j アンクル体
4 振リ座
6 振リ石
8 ツバ
8a 切リ欠キ部
8b 振リ石用穴
8c 軸穴
8d ツバ側面
10、11、36、48 ケン先
10a、10b ケン先アガキ
11a、11c、11d 長さ
11b、11e、11f 幅
12 ハコ
14 入ヅメ
16 出ヅメ
18 アンクル真
18c 軸穴
20、22 ウデ
24 サオ
24a、24b、24c 幅
26、28、32、34、44、46 クワガタ
30 段差
32e、32f、34e、34f、36f、44g、46g、48i 接続部
38、40、42、60 アンクル体胴体部
42f、60j 度当り
68 ガンギ車
76a、76b、76c、76d、76e、76f、76g、76h 貫通穴
102、112 角度
104、110 長さ
106、108 厚さ
302 シリコン基板
304 金属薄膜
306 ネガ型フォトレジスト
308 金属薄膜
310 ネガ型フォトレジスト
314 金属電鋳
322 シリコン基板
324 金属薄膜
326 ネガ型フォトレジスト
330 金属電鋳

Claims (19)

  1. ガンギ車と、
    切リ欠キ部を有する振リ座と、前記振リ座に備えられた振リ石とを有するテンプと、
    前記ガンギ車の動力を前記振リ石に伝達することにより前記振リ座を正回転又は逆回転させるアンクルとを備える脱進調速機であって、
    前記アンクルは、
    前記アンクルの回転軸から前記テンプの回転軸に向う方向に延びており、前記振リ石に前記カンギ車の動力を伝達する一対のクワガタと、
    前記一対のクワガタの間に備えられており、前記アンクルの回転軸から前記テンプの回転軸に向う方向に延びており、前記一対のクワガタよりも短く形成されており、前記切リ欠キ部に入り込むことにより前記アンクルの回転軸に対して前記アンクルを正回転又は逆回転させるとともに、前記切リ欠キ部以外の前記振リ座に当接することにより前記アンクルの誤回転を防止するケン先とを備え、
    前記振リ座は、
    単層で構成されることを特徴とする脱進調速機。
  2. 前記ケン先の上面と下面がそれぞれ、前記アンクルの上面と下面と同一平面に位置することを特徴とする請求項1に記載の脱進調速機。
  3. 前記アンクルは、前記ケン先及び前記クワガタを有するアンクル体と、前記アンクル体を貫通する少なくとも一つの貫通穴とを備えることを特徴とする請求項1に記載の脱進調速機。
  4. 前記貫通穴は、前記アンクルの回転軸の側方に備えられていることを特徴とする請求項3に記載の脱進調速機。
  5. 前記アンクル体は、前記ケン先及び前記クワガタに接続され、前記アンクルの回転軸から前記テンプの回転軸に向う方向に延びるサオを備え、
    前記貫通穴は、前記サオの端部に備えられていることを特徴とする請求項3に記載の脱進調速機。
  6. 前記アンクルは、前記ケン先及び前記クワガタを有するアンクル体を備え、
    前記アンクル体は、前記ケン先及び前記クワガタに接続され、前記アンクルの回転軸から前記テンプの回転軸に向う方向に延びるサオを備え、
    前記サオは、両端部のうち、前記ケン先及び前記クワガタに近い端部の幅が、前記両端部の間の中心部分の幅に対して1倍以上2.5倍以内の長さを有することを特徴とする請求項1に記載の脱進調速機。
  7. 前記アンクルは、前記ケン先及び前記クワガタを有するアンクル体を備え、前記アンクル体は、前記ケン先以外の部分において前記ケン先の厚みよりも薄く形成されている部分を備えることを特徴とする請求項1に記載の脱進調速機。
  8. 前記アンクルは、前記ケン先及び前記クワガタを有するアンクル体を備え、
    前記アンクル体は、前記ケン先及び前記クワガタと同一の材料で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の脱進調速機。
  9. 前記アンクルは、前記ケン先及び前記クワガタを有するアンクル体を備え、
    前記クワガタは、前記アンクル体を構成する材料と異なる第二の材料で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の脱進調速機。
  10. 前記アンクルは、前記ケン先及び前記クワガタを有するアンクル体を備え、
    前記ケン先は、前記アンクル体を構成する材料と異なる第二の材料で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の脱進調速機。
  11. 前記第二の材料は、前記アンクル体を構成する材料よりも低密度であることを特徴とする請求項9または10のいずれか1項に記載の脱進調速機。
  12. 前記第二の材料は、前記アンクル体を構成する材料よりも低摩擦係数を有していることを特徴とする請求項9または10のいずれか1項に記載の脱進調速機。
  13. 前記第二の材料は、前記アンクル体を構成する材料よりも高硬度であることを特徴とする請求項9または10のいずれか1項に記載の脱進調速機。
  14. 請求項1から10のいずれかに記載された脱進調速機を備えることを特徴とする機械式時計。
  15. 請求項11に記載された脱進調速機を備えることを特徴とする機械式時計。
  16. 請求項12に記載された脱進調速機を備えることを特徴とする機械式時計。
  17. 請求項13に記載された脱進調速機を備えることを特徴とする機械式時計。
  18. 脱進調速機に用いられるアンクル体の製造方法であって、
    基板に第1金属薄膜を形成する工程と、
    前記第1金属薄膜に第1ネガ型フォトレジストを形成する工程と、
    前記アンクル体に備えられた一対のクワガタの形成に用いられるクワガタ形成用マスクを用いて、前記第1ネガ型フォトレジストを露光することにより、前記第1ネガ型フォトレジストに、前記クワガタ形成用マスクに対応する硬化部を形成する工程と、
    前記第1ネガ型フォトレジストの前記硬化部に第2金属薄膜を形成する工程と、
    前記第2金属薄膜が形成された前記第1ネガ型フォトレジストに、第2ネガ型フォトレジストを形成する工程と、
    前記一対のクワガタの間に備えられたケン先であり、且つ前記一対のクワガタの長さよりも短い前記ケン先を有する前記アンクル体の形成に用いられるアンクル体形成用マスクを用いて、前記アンクル体形成用マスクの一部が前記第2金属薄膜に対向した状態で、前記第1ネガ型フォトレジスト及び前記第2ネガ型フォトレジストを露光することにより、前記第1ネガ型フォトレジスト及び前記第2ネガ型フォトレジストに、前記アンクル体形成用マスクに対応する非硬化部を形成する工程と、
    前記第1ネガ型フォトレジスト及び前記第2ネガ型フォトレジストに形成された前記非硬化部を除去する工程と、
    前記第1金属薄膜及び前記第2金属薄膜を用いて、前記非硬化部が除去された型部分に電鋳金属を形成する工程と、
    前記電鋳金属を前記アンクル体として前記型から取り出す工程と
    を備えるアンクル体の製造方法。
  19. 脱進調速機に用いられる振リ座の製造方法であって、
    基板に金属薄膜を形成する工程と、
    前記金属薄膜にネガ型フォトレジストを形成する工程と、
    前記振リ座の形成に用いられる振リ座形成用マスクを用いて、前記ネガ型フォトレジストを露光することにより、前記ネガ型フォトレジストに、前記振リ座形成用マスクに対応する非硬化部を形成する工程と、
    前記ネガ型フォトレジストに形成された前記非硬化部を除去する工程と、
    前記金属薄膜を用いて、前記非硬化部が除去された型部分に電鋳金属を形成する工程と、
    前記電鋳金属を前記振リ座として前記型から取り出す工程と
    を備える振リ座の製造方法。
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