JP6296491B2 - 金属構造体、金属構造体の製造方法、ばね部品、時計用発停レバーおよび時計 - Google Patents

金属構造体、金属構造体の製造方法、ばね部品、時計用発停レバーおよび時計 Download PDF

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Description

本発明は、金属構造体、金属構造体の製造方法、ばね部品、時計用発停レバーおよび時計に関する。
従来から、小型の精密機械の1つである機械式時計には、歯車やばね等の小型の機械部品が多く搭載されている。
この種の機械部品は、従来、打ち抜き加工等の機械加工によって主に製造されていたが、近年では電鋳を利用して製造する方法が採用されている。これは、機械加工に比べて機械公差が小さいうえ、複雑な外形形状であっても精度良く作製することができるためである。よって、微細で精密な機械部品を製造する場合には、特に適した方法である。
寸法精度の高い小型部品を製造する方法としては、例えばフォトリソグラフィ(Lithographie)と電解めっき(Galvanoformung)を組み合わせたLIGA技術がある(例えば、非特許文献1)。
ここで、機械式時計を構成する小型の機械部品の中で、発停レバーばね等のばね機能を有する部品(以下、ばね部品ともいう。)がある。このようなばね部品は、他の部品との優れた接続性を高めるために、優れた疲労特性、高い強度が要求される。また、ばね部品は負荷と除荷を繰り返すことにより他の部品との接続を制御するため、除荷時に元の形状に復元する特性が要求される。つまり、ばね部品には、除荷後、変形として残留する永久歪み量を低減できる特性、すなわち、耐応力緩和特性が求められる。
表面技術、Vol.55(2004)、No.4、pp.226−231
近年では、代表的な電鋳材料としてNiが広く用いられており、ばね部品においてもNiからなる構造体が用いられている。
しかし、本発明者らが、Ni電鋳によって製造したばね部品の耐応力緩和特性について調査したところ、降伏応力以下の荷重、つまり弾性変形領域内の荷重であっても、良好な耐応力緩和特性が得られないことが分かった。つまり、Ni電鋳で製造したばね部品は、ばね部を長時間変形させた後、除荷しても元の形状に戻らない問題が生じることが分かった。そして、このようなばね部品を用いた装置では誤作動を生じるおそれがあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、高精度であるとともに、応力緩和率の抑制が可能な金属構造体、金属構造体の製造方法、ばね部品、時計用発停レバーおよび時計の提供を目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、Ni−Fe合金電鋳で製造するとともに、電鋳後の熱処理条件、特に熱処理温度、時間を最適化することにより、応力緩和率を大幅に減少できることを見出した。
また、熱処理条件を最適化させることで、結晶粒の粗大化を抑制し、ヤング率、降伏応力、ビッカース硬度などの機械特性を向上させ得ることを見出した。
以上の知見によって得られた本発明の要旨は以下の通りである。
[1]質量%で、Fe:10〜30%、S:0.005〜0.2%、をそれぞれ含有し、残部がNi及び不可避的不純物からなる組成を有し、最大結晶粒径が500nm以下であり、応力緩和率が10%以下であることを特徴とする。
[2]格子定数が3.535Å〜3.56Åであることを特徴とする上記[1]に記載の金
属構造体。
]降伏応力が1500MPa以上、ヤング率が150GPa以上であることを特徴とする上記[1]〜[]の何れか一項に記載の金属構造体。
[4]ビッカース硬度が580以上であることを特徴とする上記[1]〜[]の何れか一項に記載の金属構造体。
]質量%で、Fe:10〜30%、S:0.005〜0.2%、をそれぞれ含有し、残部がNi及び不可避的不純物からなり、電鋳により形成した金属構造体を、熱処理温度が140℃〜350℃、かつ、ラーソン・ミラー・パラメータが7500〜9500の範囲内となる条件で熱処理し、前記熱処理後の前記金属構造体は、格子定数が3.535Å〜3.56Åであり、最大結晶粒径が500nm以下であり、応力緩和率が10%以下である、ことを特徴とする金属構造体の製造方法。
]前記熱処理温度を140℃以上275℃未満とすることを特徴とする上記[]に記載の金属構造体の製造方法。
]上記[1]〜[]のいずれか一項に記載の金属構造体により構成されることを特徴
とするばね部品。
]上記[]に記載のばね部品により構成されることを特徴とする時計用発停レバー。
]上記[]に記載のばね部品を組立部品として用いることを特徴とする時計。
10]上記[]に記載の時計用発停レバーを組立部品として用いることを特徴とする時計。
本発明によれば、電鋳後の熱処理における条件、特にラーソン・ミラー・パラメータを規定することにより、応力緩和率を大幅に減少できる金属構造体を提供することができる。
また、熱処理条件を最適化させることで、従来のNi電鋳と比較して、結晶粒の粗大化を抑制し、ヤング率、降伏応力、ビッカース硬度などの機械特性を向上させることができる。
また、本発明の金属構造体の製造方法によれば、高精度な小型部品の製造技術をばね部品にも適用できるようになり、高精度な部品を使用した装置(例えば、時計など)の精度も向上する。また、本発明の金属構造体の製造方法は電鋳を採用することから、部品形状の自由度が増すので、従来の材料では不可能であった機構や小型化も可能になる。
金属構造体におけるFe含有量と応力緩和率の関係を示すグラフである。 図2は、金属構造体におけるFe含有量(質量%)と格子定数(Å)の関係を示すグラフである。 図3は、金属構造体における格子手数(Å)と応力緩和率(%)との関係を示すグラフである。 金属構造体の製造方法を説明するための工程図(断面模式図)である。 電鋳装置の概略構成図である。 本実施例における、LMPと応力緩和率の関係を示すグラフである。 本実施例における、LMPとヤング率の関係を示すグラフである。 本実施例における、LMPと降伏応力の関係を示すグラフである。 本実施例における、LMPとビッカース硬度の関係を示すグラフである。 本実施例における、LMPと最大結晶粒径の関係を示すグラフである。 表1の条件1、2、5及び8のX線回折パターンである。 LMPと、図11のX線回折パターンから求めた格子定数の関係を示すグラフである。 LMPと、図11のX線回折パターンから求めた(111)面のピークの半値幅の関係を示すグラフである。 LMPと、図11のX線回折パターンから求めた(200)面のピークの半値幅の関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について説明する。
(金属構造体)
まず、本発明に係る金属構造体について説明する。
本発明の金属構造体は、質量%で、Fe:10〜30%、S:0.005〜0.2%、をそれぞれ含有し、残部がNi及び不可避的不純物からなる組成を有し、最大結晶粒径が500nm以下であることを特徴とする。
また、応力緩和率の低減のためには、金属構造体の格子定数を、3.535Å〜3.56Åの範囲とすることが好ましい。さらに、応力緩和率の低減させる効果をより享受するためには、熱処理後の金属構造体の格子定数を、電鋳ままの格子定数に対して99.95%以下とすることが有効である。
以下、本実施形態に係る金属構造体の構成について説明する。
(Fe:10〜30質量%)
本発明者らの検討の結果、金属構造体中に含有させるFe量を10〜30%の範囲内とすることで、金属構造体の応力緩和率を低減させることができることが分かった。
以下、本発明者の検討内容および検討結果、及びFeによる応力緩和率の低減メカニズムについて説明する。
図1は、金属構造体におけるFe含有量(質量%)と応力緩和率の関係を示すグラフである。グラフ中のNi電鋳のプロットは下記表1における「条件0」、Ni−Fe電鋳のプロットは電鋳後の熱処理の温度を250℃、熱処理時間を3時間、ラーソン・ミラー・パラメータ(LMP)を8618とし、Fe量を変化させた金属構造体を用いた結果である。
なお、応力緩和率は、JIS B2712 2006の「ばね用薄板の応力緩和試験方法」に準拠し、下記式(2)により求めることができる。試験条件は、80℃の恒温槽内で一定の変位量で48時間の変形を与えるものとすることができる。LMPについては後に詳述することとする。
応力緩和率(%)=(δ/δ)×100 ・・・ (2)
なお、式(2)中のδは初期ひずみ(mm)、δは荷重解放後に残留した永久ひずみ(mm)を示す。
上記式(2)からも分かるように、永久ひずみが大きい(復元力が小さい)ほど応力緩和率は大きくなり、耐応力緩和特性が劣化しているということになる。
図1のグラフより、従来のNi電鋳の場合は、応力緩和率が40%超と高い値を示しているのに対し、Ni−Fe電鋳の場合、Fe含有量の増加に伴い、応力緩和率が減少し、10%以下に抑制できることが分かる。
以上より、本実施形態に係る金属構造体において、Fe量は10〜30質量%とする。なお、応力緩和率をより低減させるには、Fe量は15質量%以上が好ましく、さらに好ましくは、20質量%以上である。なお、Fe量の上限は30質量%であれば十分な応力緩和率の低減効果を発揮させうるが、生産性、応力緩和率の低減効果の飽和性の観点から、28質量%以下としてもよい。
以下、Fe添加による応力緩和率の減少メカニズムについて説明する。
従来のNi電鋳の場合に見られるような、応力緩和率が上昇して、降伏応力以下の低荷重でも永久歪みとなって残留し、形状不良を引き起こす原因は、格子欠陥や粒界から発生する変形する(すべる)ためだと考えられる。そして、本発明者らが検討した結果、応力緩和が早期の段階で生じるのは、粒界よりも粒内の格子欠陥等が影響していると考えらえることが分かった。
そこで、粒内で発生するすべりを最小限に留めるために、粒内の原子の配列を規則化させ、粒内の欠陥を低減してすべりの発生を抑制できることを見出した。
Ni−Fe合金は、NiにFeが固溶する形態をとり、質量%でFeが30%程度まではFeがNiの結晶格子に完全に固溶する。熱処理前の電鋳ままの状態だとNiの結晶格子に固溶したFe原子の配列はランダム(不規則)であり、Niの結晶格子はfccであるためすべり方向が多く、原子の移動が容易であるため、すべりが生じやすい状態である。そこで、電鋳後に熱処理を行い、Fe原子を規則的かつ安定的な位置に配置させることで、すべりの発生を抑制することができる。
特に、Ni:Fe(質量%比)が3:1の状態のときに、面心立方格子(fcc)であるNiの結晶格子において、fccの各頂点にFeが配置された状態が規則的な配置となる。このようにfccの各頂点にFeが配置された状態とは、すべり面である(111)面からみた場合、原子の大きさが異なるNi原子とFe原子が交互に配置した状態である。つまり、Ni原子とFe原子との間には段差が生じており、しかもそれが規則的に並んでいるため、原子移動によるすべりが発生しにくい状態とすることができる。すなわち、Ni:Fe(質量%比)が3:1である組成に近いほど、fccの各頂点にFeを配置することで、前記段差によりすべり面が粗くなり、結果、塑性変形を防ぐことができる。
なお、NiとFeの質量%比が3:1のときにfccの各頂点にFeが配置された状態が規則的な配置となると説明してきたが、正確には原子%比が3:1の場合に規則的な配列となるが、NiとFeは原子量が近い元素であるため、原子%比≒質量%比として考えても問題ない。
(S:0.005〜0.2質量%)
本実施形態に係る金属構造体には、0.005〜0.2質量%のSが含まれている。このSは、電鋳工程を行う際に、電鋳浴中の、スルファミン酸ニッケル四水和物、スルファミン酸第一鉄五水和物、界面活性剤、一次光沢剤等に由来するSである。電鋳工程では、陰極において金属イオンが反応して金属が析出するが、その際に陰極表面に付着している非金属イオンや光沢剤等が併せて電鋳物に取り込まれる。そのため、一般的に不可避的不純物とされるS,O,H等、浴組成に含まれる元素が共析する。つまり、本実施形態においては、前述のスルファミン酸ニッケル四水和物やスルファミン酸第一鉄五水和物、界面活性剤等の組成を調整することにより金属構造体中のS量を制御することが可能である。
なお、Sは不純物であり、その含有量は少ないほど金属構造体の特性上好ましいため、S量の上限は、0.1質量%とすることが好ましい。一方、過度の低減は電鋳コストの増大を招く恐れがあることから、S量の下限は、0.01質量%以上とすることが好ましい。
以上のように、本実施形態に係る電鋳体は、Fe:10〜30%、S:0.005〜0.2%、をそれぞれ含有し、残部がNi及び不可避的不純物からなる組成を有するが、本発明の効果を損なわない範囲内で、微量元素が含有されていてもよい。
また、本実施形態に係る金属構造体の最大結晶粒径は500nm以下である。
最大結晶粒径は、降伏応力、ビッカース硬度等の機械特性に大きな影響を及ぼす。最大結晶粒径を小さくする、つまり結晶粒の粗大化を抑制することにより、前述の機械特性を維持しながら、応力緩和率を低減することが可能となる。これらの効果を発揮させるためには、金属構造体の最大結晶粒径を500nm以下とすることが重要である。なお、好ましくは、400nm以下、さらに好ましくは300nm以下である。一方、上記効果を享受する観点から、最大結晶粒径は小さいほど好ましく、本実施形態において最大結晶粒径の下限値については特に限定しないが、実質的に最大結晶粒径は10nm以上である。
また、金属構造体の応力緩和率の低減のためには、金属構造体の格子定数を、3.535Å〜3.56Åの範囲とすることが好ましい。
図2は、金属構造体におけるFe含有量(質量%)と格子定数(Å)の関係を示すグラフである。また図3は、金属構造体における格子手数(Å)と応力緩和率(%)との関係を示すグラフである。グラフ中のNi電鋳のプロットは下記表1における「条件0」、Ni−Fe電鋳のプロットは電鋳後の熱処理の温度を200℃、熱処理時間を3時間、LMPを7794とし、Fe量を変化させた金属構造体を用いた結果である。なお、格子定数は、得られた各金属構造体のX線回折パターンより求めた。
図2のグラフより、Ni−Fe電鋳によって得られた金属構造体の場合、Fe含有量の増加に伴い、格子定数が増大する傾向にあることが分かる。これは、Ni−Fe合金が、NiにFeが固溶する形態をとるためであると考えられる。つまり、Ni−Fe電鋳によって得られた金属構造体の場合、Ni原子よりも大きいFe原子がNiの結晶格子に固溶することから、金属構造体中のFeの含有量が増加するにしたがって、格子定数も増大するものと考えられる。
また図3のグラフより、格子定数が増大するに伴って、応力緩和率が減少する傾向にあることが分かる。
以上のことから、本実施形態に係る金属構造体の格子定数は、3.535Å〜3.56Åの範囲とすることが好ましい。
また、本発明者らが、Ni−Fe合金(金属構造体)の格子定数についてさらに調査したところ、上記のようにFeがNi結晶格子に規則配置した状態に近づけると、電鋳ままの状態(Fe原子の配列がランダム)に比べて格子定数を小さくすることができることが分かった。つまり、Fe原子がランダムに配置されている状態から、熱処理によってFe原子が規則的な配置となり、格子定数を小さくできたと考えられる。
このように、金属構造体における原子配列を熱処理を行うことで、不規則な原子配列から、規則的な配列とさせることにより、Ni結晶格子にFeを固溶させた格子状態をより安定かつ強固なものすることができ、結果、応力緩和率を減少させることが可能となる。
このような応力緩和率の低減させる効果をより享受するためには、熱処理後の金属構造体の格子定数を、電鋳ままの格子定数に対して99.95%以下とすることが好ましい。
次に、金属構造体の機械特性について説明する。
本実施形態に係る金属構造体の応力緩和率は10%以下であることが好ましい。上記のように、金属構造体の組成をFe:10〜30%、S:0.005〜0.2%を含有するものとし、最大結晶粒径を500nm以下とすることで、応力緩和率を大きく低減することが可能となる。なお、応力緩和率は5%以下であることが好ましい。
さらに、金属構造体の格子定数を3.535Å〜3.56Åの範囲とし、さらに熱処理後の金属構造体の格子定数を、電鋳ままの格子定数に対して99.95%以下とすることで、応力緩和率をより低減することが可能となる。
また、優れた疲労特性、高い強度を確保する観点から、本実施形態に係る金属構造体の降伏応力は1500MPa以上であることが好ましく、ヤング率は150GPa以上であることが好ましい。さらに好ましくは、降伏応力については1600MPa以上、ヤング率については160GPaである。
また、本実施形態に係る金属構造体のビッカース硬度は580以上であることが好ましい。金属構造体を例えば機械部品等に適用する場合には、高い強度が求められる。そのため、金属構造体のビッカース硬度は580以上を確保することが好ましく、さらに好ましくは600以上である。
(金属構造体の製造方法)
次に、上述してきた金属構造体の製造方法について説明する。
本実施形態に係る金属構造体の製造方法は、質量%で、Fe:10〜30%、S:0.005〜0.2%、をそれぞれ含有し、残部がNi及び不可避的不純物からなり、電鋳により形成した金属構造体を、熱処理温度が140〜350℃、かつ、ラーソン・ミラー・パラメータが7500〜9500の範囲内となる条件で熱処理することを特徴とする。なお、応力緩和率の低減と高い強度を両立させる観点から、熱処理温度は、140℃以上275℃未満とすることが好ましい。
以下、本実施形態に係る製造方法における各条件について図面を参照しながら詳細に説明する。
図4(a)は電鋳用電極の形成工程を説明する図である。
まず、図4(a)に示すように、基板2に電鋳工程における陰極となる電極3を形成する。
基板2は、シリコン、石英、サファイアのほか、ステンレスやTi等、種々の材料を用いることができる。電極3の材料としては、Cu、Au、Cr、Ti等を用いることができる。なお、基板2として金属材料を採用した場合は電極3は形成しなくてもよい。この場合は、基板2が電鋳用の電極(陰極)として機能させることができる。
基板2の厚みは、後の工程で自立可能となるよう100μm〜1mmとすることが好ましい。また、電極3の厚みは、後述する電鋳工程で安定した導通、及び最低限の強度を確保する観点から10nm以上とすることが好ましい。一方、電極3の厚みが厚すぎると応力の作用で剥離するおそれがあったり、成膜に時間を要する問題も発生するため10μm以下とすることが好ましい。
図4(b)は、レジスト形成工程を説明する図である。
次に、図4(b)に示すように、電極3の上にフォトレジスト4を成膜する。フォトレジスト4は、ネガ型でもポジ型でもよく、スピンコート法やディップコート法を用いて成膜することが可能である。なお、フォトレジストとしてドライフィルムレジストを用いる場合は、ラミネート法によって成膜できる。
フォトレジスト4の厚さは、後工程で形成する金属構造体6(図4(f)参照)の厚み以上とする。
以下の説明では、フォトレジスト4がネガ型を用いた場合について説明する。
図4(c)は、現像工程を説明する図である。
次に、図4(c)に示すように、まず後工程で形成する金属構造体6(図4(f)参照)の外形パターンが形成されたフォトマスク(不示図)を用いてフォトレジスト4に紫外線を照射することにより、後工程の電鋳工程によって電鋳物を析出させる部分以外のフォトレジスト4を硬化させる。引き続き、硬化させていない(電鋳物を析出させる部分)のフォトレジスト4を除去することで、金属構造体6(図4(f)参照)の外形形状を成形するためのパターン部1を有する電鋳型7を形成する。図示のパターン部1は、金属構造体6の外形形状を成形する凹部1aと、凹部1aの底面から立設されて金属構造体6に貫通孔10a(図4(f)参照)を成形する柱部1bと、を備えている。また、図示しないが電鋳型7には、上述したパターン部1が行列方向に沿って複数形成されているものとする。
なお、本実施形態における電鋳型7の形成方法として、図4(a)〜(c)に示すような電鋳用電極の形成工程〜現像工程を例に挙げ説明したが、本発明ではこれに限らず、電鋳型7の形成方法として周知の方法を採用してもよい。
図4(d)は、電鋳工程を説明する図である。
次に、図4(d)に示すように、電鋳型7を電鋳装置20(図5(a)参照)にセットして、露出した電極3上にNi−Fe合金から成る電鋳物5を形成する。
以下、図5(a)、(b)に示した電鋳装置20を用いた電鋳工程について詳細に説明する。
図5(a)、(b)は電鋳装置20の概略構成図である。
図5(a)に示すように、電鋳装置20は、NiイオンとFeイオンを含む電鋳液Wが貯液された電鋳槽21と、電鋳液W内に浸漬された陽極22と、陽極22及び電鋳型7に形成された電極(陰極)3に電気配線23を介してそれぞれ接続される電源部24と、を備えている。
本実施形態に係る電鋳液Wは、析出させる電鋳物がNi−Fe合金であるため、NiイオンとFeイオンを含む電鋳液を用いる。なお、本実施形態においては、Fe:10〜30%、S:0.005〜0.2%、をそれぞれ含有し、残部がNi及び不可避的不純物からなる組成を有する電鋳体を析出させることが重要である。そのため、当該組成となるように、電鋳液Wの組成の調整や配合を行う。
Ni源としては、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、スルファミン酸ニッケルなどを用いることができ、Fe源としては、硫酸第一鉄、塩化第一鉄、スルファミン酸第一鉄などを用いることができる。また、緩衝剤として、ホウ酸、酢酸、クエン酸などを加えてもよい。また、ピット防止剤として硫酸エステル系、アルキルスルホン酸系などの界面活性剤を加えてもよい。また、一次光沢剤として、サッカリンナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウム、パラトルエンスルフォンアミド、二次光沢剤としてブチンジオール、ホルムアルデヒドなどを加えてもよい。また、アスコルビン酸やイソアスコルビン酸などの酸化防止剤や、マロン酸、酒石酸、コハク酸などの錯化剤を加えてもよい。
以下に、本実施形態において好適な、電鋳浴組成と電鋳条件の一例を挙げるが、本発明の効果を損なわない範囲内、つまり、Fe:10〜30%、S:0.005〜0.2%のそれぞれを含有する電鋳体を析出させるような電鋳浴組成及び電鋳条件であれば、浴組成や条件は適宜変更してよく、本発明は下記に挙げる例に限定されるものではない。
(電鋳浴組成)
スルファミン酸ニッケル四水和物 200〜300g/L
塩化ニッケル六水和物 2〜10g/L
スルファミン酸第一鉄五水和物 5〜50g/L
ホウ酸 10〜50g/L
界面活性剤 0.1〜10g/L
一次光沢剤 1〜15g/L
二次光沢剤 0.05〜5g/L
酸化防止剤 0.1〜10g/L
pH 2〜4
浴温 40〜60℃
(電鋳条件)
陰極電流密度 1〜10A/dm
このように構成された電鋳装置20を用いて、電鋳工程を行う。
まず、電鋳槽21内に貯液された電鋳液W中に電極(陰極)3が形成された電鋳型7を冶具26に取り付けた状態で浸した後、電源部24を作動させて、陽極22と陰極3との間に電圧を印加する。すると、電鋳液W中のNiイオン及びFeイオンが液中を陰極3側へ移動し、図5(a)、(b)に示すように、陰極3表面上にNi−Fe合金として析出し、さらに成長をして電鋳体5となる。本実施形態では、電鋳型7における主面全体(凹部1a内及びレジスト4表面上)に電鋳体5が形成される。
電鋳体5の厚みは金属構造体6の厚み以上とし析出させる。つまり、凹部1aの深さが金属構造体6の厚みとなるため、少なくとも電鋳型7の凹部1aが電鋳体5で埋設されるまでNi−Fe合金を成長させる。但し、この後工程において、図4(e)に示す研削・研磨工程を省略する場合は、電鋳体5の厚みは金属構造体6の厚みと同様になるように析出させる。
図4(e)は、研削・研磨工程を説明する図である。上記電鋳工程によって得られた電鋳体5を金属構造体6の厚みになるよう研削し、表面を研磨し鏡面に仕上げる。
次に、図4(e)に示すように、研削・研磨工程を行う。具体的には、電鋳体5が形成された電鋳型7を電鋳槽21(図5(a)(b)参照)から取り出した後、上記電鋳工程によって得られた電鋳体5を金属構造体6の厚み寸法となるよう電鋳型7ごと研削を行う。本実施形態では、電鋳型7の表面上に形成された電鋳体5が除去されるように(凹部1a内に形成された電鋳体5が残存するように)研削を行う。なお、本実施形態においては、電鋳体5を金属構造体6の厚みになるよう研削した後、研磨により表面を鏡面に仕上げることが好ましい。
図4(f)は、電鋳体の取出し工程を説明する図である。
最後に、図4(f)に示すように、電鋳体の取出し工程では、電鋳型7のパターン部1(凹部1a)内に残存する電鋳体5を電鋳型7から取り出す。具体的には、基板2、電極3、フォトレジスト4を除去することで取り出すが、除去する方法は特に限定せず、例えばエッチングにより除去できる。また、物理的な力を負荷し電鋳体5を取り出してもよい。これにより、Ni−Fe合金からなる電鋳体5により構成された金属構造体6を得ることができる。
本実施形態においては、金属構造体6を電鋳型7から取り出した後、金属構造体6に対し熱処理を施す。
具体的には、得られた金属構造体6を、熱処理温度が140〜350℃、かつ、ラーソン・ミラー・パラメータが7500〜9500の範囲内となる条件で熱処理する。熱処理装置は特に限定せず、例えば、通常の加熱処理で用いられる加熱炉等を用いることができる。また、熱処理の際の雰囲気は、金属構造体6の表面酸化を防ぐ観点から真空中やAr,N等の不活性ガス中とすることが好ましい。
以下、熱処理条件の限定理由について説明する。
一般的に、電鋳により得られた金属構造体への熱処理は、強度改善や残留応力の除去、結晶粒の調整などと目的として施される。つまり、所望の特性を備えた金属構造体を得るためには、熱処理条件、特に熱処理温度及び熱処理時間を最適化することが重要である。
そこで、本発明者らは、電鋳によって得られたNi−Fe合金からなる金属構造体において、応力緩和率を大幅に減少でき、かつ従来のNi電鋳と比較して、結晶粒の粗大化を抑制し、ヤング率、降伏応力、ビッカース硬度などの機械特性を向上させることができる熱処理条件について鋭意検討した。その結果、熱処理温度及び時間の適正範囲を見出すべく、両者のマトリックスによりそれぞれの適正範囲を規定しようとしても、得られる応力緩和率の挙動が複雑であり、熱処理温度と熱処理時間のみだけでは条件の最適化を図ることが困難であることが分かった。そこで、本発明者らは、熱処理の温度と時間を種々の条件で行い、得られた応力緩和率で整理した結果、ラーソン・ミラー・パラメータ(LMP)で規定できることを見出した。
ラーソン・ミラー法は、短時間の試験結果から長時間の特性を推定する熱加速試験方法の1つである。そして、ラーソン・ミラー・パラメータPは下記式(1)により求めることができる。なお、式中のTは試験温度(K)、Cは材料定数、tは試験時間(hour)を示す。
P=T×(C+log(t)) ・・・ (1)
本発明者らは、熱処理温度の適正範囲を規定するだけではなく、このラーソン・ミラー・パラメータPが7500〜9500の範囲内となる条件で熱処理を施すことで、金属構造体の応力緩和率をはじめとする各機械特性を大幅に改善できることを見出した。
ここで、材料定数Cは材料によって異なり、金属は一般的に20、半田は10とする場合が多い。しかし、電鋳材料の材料定数Cについて規定した文献や知見等がないため、本発明では、横軸にLMP、縦軸に応力緩和率(%)として作成した応力緩和率のマスター曲線から求めることとした。その結果、本発明に係るNi−Fe合金からなる金属構造体の場合、材料定数Cを16とした場合にマスター曲線の整合性が良好であったため、本発明では、材料定数Cを16として上記ラーソン・ミラー・パラメータPの式を算出することとした。
本実施形態では、当該ラーソン・ミラー・パラメータ(LMP)が7500〜9500となる範囲、かつ熱処理温度が140〜350℃の範囲内である条件で熱処理することとする。LMPが7500以上となる条件で熱処理を行うことで、応力緩和率を低減できるとともに、ヤング率、降伏応力を向上させることができる。一方、LMPが過度に大きい条件で熱処理すると、降伏応力、ビッカース硬度が劣化するおそれがあるため、LMPは9500以下とする。なお、安定した高ヤング率を得るためには、LMPを8000〜9500の範囲内とすることが好ましい。
また、本実施形態の製造方法では、熱処理温度は140〜350℃の範囲内とするが、応力緩和率の低減と高い強度を両立させる観点から、熱処理温度は、140℃以上275℃未満とすることが好ましい。
本発明者らが、熱処理条件とビッカース硬度との関係について詳細に調査したところ、Ni−Fe電鋳によって得られた金属構造体に対し、LMPが7500〜9500となる範囲内であっても、高温にて熱処理した場合、ビッカース硬度が劣る傾向になるという新たな知見を得た。
以下、高温熱処理によるビッカース硬度の低下メカニズムについて、説明する。
前述のように、同じLMPの条件であっても、熱処理温度が高いとビッカース硬度は減少する傾向となる。これは、硫黄脆性によって引き起こされたものであると考えられる。
従来のNi電鋳では、215℃以上の熱処理で硫黄脆性による硬度の低下が発現することが知られている。これは、微量の硫黄がNiの結晶粒界に沿って拡散し、Niと結合し結晶粒子間の凝集力を低下させるためだと言われている。一方、Ni−Fe電鋳ではFeがNiとSの結合を阻害するため、Ni電鋳の場合よりも高温の275℃を超える温度に加熱しないと硫黄脆性が起こらないと考えられる。
以上のことから、電鋳後の熱処理温度は、140℃以上275℃未満とすることが好ましい。
なお、応力緩和は結晶粒内の欠陥が影響していると考えられるため、粒界で起こる現象である硫黄脆性の影響は見られないと考えらえる。
以上説明した製造方法により、本実施形態に係る金属構造体を製造することができる。
以上、説明してきたように、本発明の金属構造体の製造方法によれば、熱処理温度に加え、ラーソン・ミラー・パラメータを最適化することにより、応力緩和率を大幅に減少できる金属構造体を製造できる。
また、本発明の金属構造体によれば、従来のNi電鋳と比較して、結晶粒の粗大化を抑制し、ヤング率、降伏応力、ビッカース硬度などの機械特性を向上させることができる。
また、本発明の金属構造体によれば、高精度な小型部品の製造技術をばね部品にも適用できるようになり、高精度な部品を使用した装置(例えば、時計など)の精度も向上する。また、本発明の金属構造体の製造方法は電鋳を採用することから、部品形状の自由度が増すので、従来の材料では不可能であった機構や小型化も可能になる。
また、本発明に係る金属構造体は、機械式時計の組立部品に用いることができ、例えばクロノグラフ機構用のばね部品として採用できる。また、ばね部品のうち発停レバーばねとして用いる場合、待機時はばね部が変形しており、クロノグラフ機構使用時に解放されるが、耐応力緩和性に優れているため、部品が塑性変形しにくく、高精度の時計を提供することができる。
次に、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例で用いた条件に限定されるものではない。
まず、図4(a)〜(c)に示す方法により電鋳型を形成した。電鋳型を形成する際、基板としては厚みが525μmのSi基板を、電極としてはAuを採用した。
次に、得られた電鋳型を用い、図5(a)(b)に示す電鋳装置20により、表1に示す組成を有するNi−Fe合金からなる電鋳物(金属構造体)を製造した(表1中の条件0〜15)。なお、表1に示す「条件0」は、Ni電鋳体(比較例)であり、電鋳浴中にFe源である「スルファミン酸第一鉄五水和物」を添加させずに電鋳した例である。また、表中のFe量は蛍光X線分析装置で測定し、Ni+Feを100としたFeの質量比である。
以下、電鋳浴組成、及び電鋳条件を示す。
(電鋳浴組成)
スルファミン酸ニッケル四水和物 200〜300g/L
塩化ニッケル六水和物 2〜10g/L
スルファミン酸第一鉄五水和物 5〜50g/L
ホウ酸 10〜50g/L
界面活性剤 0.1〜10g/L
一次光沢剤 1〜15g/L
二次光沢剤 0.05〜5g/L
酸化防止剤 0.1〜10g/L
pH 2〜4
浴温 40〜60℃
(電鋳条件)
陰極電流密度 1〜10A/dm
電鋳時間 320分(陰極電流密度4A/dmのとき)
得られた金属構造体(厚み:220μm)を200μmまで表面を研磨し鏡面に仕上げたのち、金属構造体を電鋳型より取り出し、表1に示す条件で熱処理を行った。なお、「条件1」の金属構造体は、熱処置をせず、電鋳ままの例(比較例)である。
Figure 0006296491
次に、得られた金属構造体(条件0〜条件15)について、応力緩和率、ヤング率、降伏応力、ビッカース硬度、最大結晶粒径、格子定数、及び半値幅を求めた。結果を表1、及び図6〜図14示す。表1中の「条件0」はNi電鋳によって製造した例(比較例)である。また「条件1」は、電鋳後の熱処理工程を施さず、電鋳ままとした例(比較例)であるが、図6〜図14においては、「条件1(電鋳まま)」のLMPは、本来は0であるところ、常温(25℃)で3時間熱処理(放置)したと想定し、LMPを4910と仮置きして、他の熱処理後の電鋳物と比較し検討した。
また、表1に示す各特性のデータは、電鋳物からなる金属構造体の一例として、機械式時計の発停レバーばねを採用し測定したものである。また、表1中の「格子定数の変化率(%)」とは、「条件1」の格子定数を基準とした場合の格子定数の変化率を示す。
また、図6〜図14中のプロットは、表1の条件0〜15、もしくは条件0〜15から抜粋したものに相当する。図6〜図9中の「275℃未満」、「275℃以上」とは熱処理温度をさす。
応力緩和率は、JIS B2712 2006の「ばね用薄板の応力緩和試験方法」に準拠し、下記(2)式により求めた。試験条件は、80℃の恒温槽内で、発停レバーばねのバネ部に対して一定の変位量で48時間の変形を与えるものとした。なお、式(2)中のδは初期ひずみ(mm)、δは荷重解放後に残留した永久ひずみ(mm)を示す。
応力緩和率(%)=(δ/δ)×100 ・・・ (2)
ヤング率は発停レバーばねのバネ部の荷重―変位曲線を作成し、弾性変形領域の傾きから求めた。
また、降伏応力は、繰り返し曲げ試験の1サイクルごとにバネ部に対する変形量を増やし、バネ部が初期位置に戻る前に荷重がゼロになったときの変形量における最大応力を解析によって求め降伏応力とした。なお、本実施形態では、ロードセルに取り付けた端子で発停レバーばねのバネ部先端を押し込むことで荷重を測定し、変位量はレーザー変位計によって測定した。
ビッカース硬度は、マイクロビッカース硬度計を用い、金属構造体の表面を3点測定し、それらの平均を算出することで求めた。
また最大結晶粒径は、発停レバーばねのバネ部の断面において集積イオンビーム(FIB)による断面観察から求めた。
図6に、LMPと応力緩和率の関係を示す。
図6のグラフから分かるように、Ni−Fe電鋳によって得られた金属構造体の場合、熱処理前(条件1)の応力緩和率は35%だが、LMP=7500以上の条件で熱処理を行うことで応力緩和率が5%以下にまで減少できることが分かる。また、同じLMPで熱処理したNi電鋳とNi−Fe電鋳を比較すると、Ni−Fe電鋳の場合は応力緩和率がおよそ10分の1程度まで減少できることが分かった。
図7に、LMPとヤング率の関係を示す。
図7のグラフから分かるように、熱処理前のヤング率は150GPa程度で、熱処理によって増加傾向を示し、LMP=9000〜9500で飽和した。そして、LMP=9500付近で急激に増加する傾向となったが、それ以上ではヤング率は一転して減少傾向に転じることが分かった。また、同じLMPで熱処理したNi電鋳とNi−Fe電鋳のヤング率はほぼ同程度であった。
図8に、LMPと降伏応力の関係を示す。
図8のグラフから分かるように、熱処理前の降伏応力は800MPaで、熱処理によって増加傾向を示し、LMP=9000〜9500で飽和した。そして、LMP=9500以上で急激に減少した。同じLMPで熱処理したNi電鋳とNi−Fe電鋳の降伏応力を比較すると、Ni−Fe電鋳の場合は降伏応力が倍以上に増加することが分かった。これらの結果より、降伏応力が1500MPa以上の金属構造体を製造するためには、LMPを7500〜9500の範囲内にすることで達成できることが分かった。
図9に、LMPとビッカース硬度の関係を示す。
図9のグラフから分かるように、熱処理前のビッカース硬度はHv580程度で、LMP=9000までは熱処理によって硬度が増加した。しかし、熱処理温度が275℃以上の場合は、ビッカース硬度は減少傾向となった。また、同じLMPの条件で熱処理したNi電鋳とNi−Fe電鋳のビッカース硬度を比較すると、Ni−Fe電鋳の場合の硬度は2割程度増加することが分かった。
図10に、LMPと最大結晶粒径の関係を示す。
LMP=9500までは最大結晶粒径は500nm程度で変化せず、LMP=9500以上で粒成長が起こり、最大結晶粒径は急激に増大した。同じLMPの条件で熱処理したNi電鋳とNi−Fe電鋳の粒径を比較すると、Ni−Fe電鋳の粒径はNi電鋳の2分の1程度であった。
図11に、表1の条件1、2、5及び8のX線回折パターンを示す。
図11より分かるように、観察されたピークは全てNiの面心立方格子によるもので、FeはNiの結晶格子中に完全に固溶していることが分かる。
図12に、LMPと、図11のX線回折パターンから求めた格子定数、及び条件0における格子定数の関係を示す。
格子定数は熱処理によって小さくなり、LMP=7500〜9500の範囲ではほぼ一定であり、いずれにおいても、熱処理による格子定数の変化率は99.95%以下であった。
図13及び図14に、LMPと、図11のX線回折パターンから求めた(111)面と(200)面のピークの半値幅の関係をそれぞれ示す。
(111)面、(200)面とも半値幅は熱処理によって減少することが分かった。
1…パターン 2…基板 3…電極(陰極) 4…フォトレジスト 5…電鋳体 6…金属構造体 7…電鋳型

Claims (10)

  1. 質量%で、
    Fe:10〜30%、
    S:0.005〜0.2%、
    をそれぞれ含有し、残部がNi及び不可避的不純物からなる組成を有し、
    最大結晶粒径が500nm以下であり、応力緩和率が10%以下であることを特徴とする金属構造体。
  2. 格子定数が3.535Å〜3.56Åであることを特徴とする請求項1に記載の金属構造体。
  3. 降伏応力が1500MPa以上、ヤング率が150GPa以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の金属構造体。
  4. ビッカース硬度が580以上であることを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の金属構造体。
  5. 質量%で、
    Fe:10〜30%、
    S:0.005〜0.2%、
    をそれぞれ含有し、残部がNi及び不可避的不純物からなり、電鋳により形成した金属構造体を、
    熱処理温度が140℃〜350℃、かつ、ラーソン・ミラー・パラメータが7500〜9500の範囲内となる条件で熱処理し、
    前記熱処理後の前記金属構造体は、格子定数が3.535Å〜3.56Åであり、最大結晶粒径が500nm以下であり、応力緩和率が10%以下である、
    ことを特徴とする金属構造体の製造方法。
  6. 前記熱処理温度を140℃以上275℃未満とすることを特徴とする請求項5に記載の金属構造体の製造方法。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載の金属構造体により構成されることを特徴とするばね部品。
  8. 請求項に記載のばね部品により構成されることを特徴とする時計用発停レバー。
  9. 請求項に記載のばね部品を組立部品として用いることを特徴とする時計。
  10. 請求項に記載の時計用発停レバーを組立部品として用いることを特徴とする時計。
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