JP2013185165A - マルエージング鋼の熱処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶体化処理工程の条件を最適化し、時効処理後のマルチエージング鋼の強度を従来よりもさらに向上させ得る熱処理方法を提供する。
【解決手段】マルエージング鋼の熱処理方法は、マルエージング鋼を溶体化処理する溶体化処理工程と、前記溶体化処理工程において溶体化処理したマルエージング鋼を時効処理する時効処理工程と、を有している、マルエージング鋼の熱処理方法であって、前記溶体化処理工程においてマルエージング鋼の溶体化処理を行なうに際し、溶体化処理時間および溶体化処理温度をそれぞれX軸、Y軸とするXY平面において、座標(1分、900℃)、(5分、900℃)、(10分、850℃)、および(2分、850℃)の4点を頂点とする4角形の各辺を含む内部領域にある溶体化処理時間および溶体化処理温度の組み合わせ条件で溶体化処理を行なう。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車などの部品の材料として用いられるマルエージング鋼の強度を向上させる熱処理方法に関する。
マルエージング鋼は、高強度、高靱性であることから、疲労特性にも優れる。一般的に、マルエージング鋼は、溶体化処理によって合金元素を鋼中に一旦固溶させた後に、時効処理によって化合物を析出させることにより、高強度化される。たとえば、特許文献1においては、マルエージング鋼の熱処理に際し、820〜830℃、1時間の条件で溶体化処理を行なった後に、510〜520℃、1〜10時間の条件で時効硬化処理が行なわれている。
しかしながら、従来においては、次に述べるように、未だ改善すべき余地があった。
すなわち、従来では、時効処理によるマルエージング鋼の高強度化に関し、時効処理の温度と時間との組み合わせ条件を中心として、熱処理についての最適な条件が検討されてきた。確かに、時効処理条件の最適化は、マルエージング鋼の高強度化に寄与する。ところが、時効処理条件のみを最適化するだけでは、それ以上の高強度化は困難な状況にあるのが実情である。一方、従来では、マルエージング鋼の熱処理において、時効処理以外の工程、特に溶体化処理工程が時効硬化に及ぼす影響に関しては、十分に検討されていない。したがって、仮に、溶体化処理条件の最適化によって時効硬化後のマルエージング鋼の硬度をさらに向上させることができれば、より好ましいものとなる。
特開平5−171269号公報
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであって、溶体化処理工程の条件を最適化し、時効処理後のマルチエージング鋼の強度を従来よりもさらに向上させることが可能なマルエージング鋼の熱処理方法を提供することを、その課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明により提供されるマルエージング鋼の熱処理方法は、マルエージング鋼を溶体化処理する溶体化処理工程と、前記溶体化処理工程において溶体化処理したマルエージング鋼を時効処理する時効処理工程と、を有している、マルエージング鋼の熱処理方法であって、前記溶体化処理工程においてマルエージング鋼の溶体化処理を行なうに際し、溶体化処理時間および溶体化処理温度をそれぞれX軸、Y軸とするXY平面において、座標(1分、900℃)、(5分、900℃)、(10分、850℃)、および(2分、850℃)の4点を頂点とする4角形の各辺を含む内部領域にある溶体化処理時間および溶体化処理温度の組み合わせ条件で溶体化処理を行なうことを特徴としている。
本発明者は、マルエージング鋼の熱処理において、溶体化処理工程が時効硬化に及ぼす影響について試験を行なったところ、マルエージング鋼の時効硬化は、溶体化処理条件に大きく依存し、前記した条件の溶体化処理を行なえば、時効硬化後のマルエージング鋼の
硬度を従来よりもさらに高くすることができることを見出した。前記した溶体化処理の条件が、好ましいことは、後述する実施形態のデータからも裏付けられる。
本発明によれば、時効処理後のマルチエージング鋼の硬度を、従来にも増して向上させることができ、耐久性に優れたものとすることができる。本発明の熱処理が施されたマルチエージング鋼を材料とし、従来と同強度の部材を製造する場合には、その使用量を低減し、製造コストの低減を図ることが実現できる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
本発明に係るマルエージング鋼の熱処理方法における溶体化処理条件の範囲を説明するための図である。 図1に示す溶体化処理条件による熱処理の効果を説明するための図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、具体的に説明する。
本実施形態におけるマルエージング鋼の熱処理方法は、少なくとも溶体化処理工程と、この溶体化処理工程の後に実施される時効処理工程とを有している。
溶体化処理工程は、マルエージング鋼を溶体化処理炉に供給して行なう。図1は、溶体化処理の時間と温度との適切な組み合わせ条件の範囲を示している。図1において、X軸は溶体化処理時間、Y軸は溶体化処理温度を示している。溶体化処理時間および溶体化処理温度の最適な組み合わせ条件は、X軸とY軸とによって規定されるXY平面において、座標A(1分、900℃)、B(5分、900℃)、C(10分、850℃)、およびD(2分、850℃)の4点を頂点とする4角形ABCDの各辺を含む内部領域にある条件である。
時効処理工程は、前記の溶体化処理が行なわれたマルエージング鋼に対して実施される。この時効処理工程は、マルエージング鋼を熱処理炉に供給して行なう。時効処理温度は、470〜500℃であり、好ましくは480℃である。また、時効処理時間は、0.5〜3時間であり、好ましくは3時間である。
上記した溶体化処理は、従来の溶体化処理よりも高温かつ短時間の条件で行なわれているが、この溶体化処理は、マルエージング鋼の時効硬化に影響を及ぼし、時効処理後のマルチエージング鋼の硬度を従来よりも高くする効果を生じさせる。したがって、マルチエージング鋼を利用した部材または部品の耐久性などを従来にも増して高くすることできる。従来と同強度の部品を製造する場合には、マルエージング鋼の使用量を少なくし、部品の製造コストを低減することも可能である。さらに、前記した熱処理方法によれば、溶体化処理工程の所要時間が短いために、生産タクトが短縮し、生産性が高まる。従って、製造コストの一層の低減化を図ることが可能である。
なお、上記した溶体化処理条件から外れた条件で溶体化処理が行なわれた場合には、次のようになる。
すなわち、図1に示すように、マルエージング鋼の溶体化処理が4角形ABCDの辺ABよりも高温の条件で行なわれる場合には、マルエージング鋼に含まれる鉄(Fe)の結晶粒粗大化が進行する。すると、マルエージング鋼の靱性および延性は低下する。溶体化処理が辺BCよりも長時間行なわれる場合にも、鉄の結晶粒粗大化が生じ、靱性および延性の低下を来たす。一方、マルエージング鋼の溶体化処理が辺CDよりも低温の条件で行なわれる場合には、溶体化が不足気味となり、マルエージング鋼の強度は低くなる。溶体
化処理が辺CAよりも短時間で行なわれる場合にも、同様の結果となる。
以下、実施例に基づいて本発明の効果をさらに詳細に説明する。
熱処理対象となるマルエージング鋼としては、成分(重量%)として、17〜19%のニッケル(Ni)、7.0〜8.5%のコバルト(Co)、4.6〜5.2%のモリブデン(Mo)、0.3〜0.5%のチタン(Ti)、0.05〜0.15%のアルミニウム(Al)を含む、いわゆる18%Ni鋼を用いた。
本実施例においては、上記成分組成のマルエージング鋼製の薄板を、被処理物とした。この薄板に対し、次の表1に示す条件1〜5に従い、溶体化処理を行った後、時効処理を行った。時効処理が施された薄板の硬度をマイクロビッカース硬度計を用いて測定した。
Figure 2013185165
これらの条件のうち、条件5の溶体化処理時間1、2、3、5、および10分の条件、ならびに条件4の溶体化処理時間5および10分の条件が、前記したXY平面上の4角形ABCDの内部領域に含まれる適切な溶体化処理条件である。その他は、4角形ABCDの外部領域の溶体化処理時間と溶体化処理温度との組み合わせであり、前記した溶体化処理条件から外れている。
図2は、各条件で処理された薄板の表面の硬度を示している。図2のグラフの縦軸は、ビッカース硬さの測定値を示しており、横軸は、溶体化処理時間を示している。
図2に示すように、溶体化処理時間が10分以下の場合、溶体化処理温度を高くして処理するほど硬度が高くなる。溶体化処理温度が900℃の条件5においては、溶体化処理時間2分の場合に硬度が最も高くなる。また、溶体化処理温度が850℃の条件4では、溶体化処理時間5分の場合に硬度が最も高くなる。この硬度の測定値は、条件5における溶体化処理時間2分の場合の硬度とほぼ同等であり、条件1〜5のうちで最も高い。条件4および条件5において、溶体化処理時間10分以下の条件で溶体化処理した薄板の硬度は、いずれも高い値を示している。これらの条件は、前記した溶体化処理条件の範囲に含まれており、前記したマルエージング鋼の熱処理方法が、従来と比較して顕著な効果を有していることが理解できる。
一方、溶体化処理温度が700℃の条件1においては、溶体化処理時間を10分以下とした場合に硬度は著しく低下する。溶体化処理温度が750℃の条件2では、溶体化処理時間を10分としても硬度はそれほど低くないが、溶体化処理時間が5分になると硬度は急激に低くなる。溶体化処理温度が800℃の条件3においては、溶体化処理時間10分の場合に硬度が最も高くなる。この硬度は、条件4または5の条件で処理した場合とほぼ同等である。しかし、溶体化処理時間を5分とした場合には、硬度は低下する。従って、溶体化処理温度を低くし、かつ溶体化処理時間を10分以下とする場合には、高い硬度は
得られない。
溶体化処理時間が10分を超える場合、各条件で処理した薄板の硬度は以下のようになる。溶体化処理温度が750℃である条件2では、溶体化処理時間60分の場合に、硬度が最も高くなる。溶体化処理時間が60分以上の領域では、条件2の硬度が、条件1〜5のうちで最も高くなる。ただし、この硬度は、条件4または5において処理時間を10分以下として溶体化処理した場合には及ばない。従って、溶体化処理時間を長くしても、前記した溶体化処理時間と溶体化処理温度との組み合わせによる溶体化処理には、及ばない。
本発明者は、前記したマルエージング鋼とは成分比率が異なる他のマルエージング鋼についても、前記と同様な試験を行なった。他のマルエージング鋼としては、Ni含有量が異なる20%Ni鋼や、25%Ni鋼が挙げられるが、これらについても前記試験結果と同様な結果が得られた。また、Coなどの合金元素の含有量が上記とは異なるマルエージング鋼についても、同様な結果が得られた。したがって、溶体化処理に関して本発明が提示する条件は、マルエージング鋼全般において有効であると考えられる。
本発明に係るマルエージング鋼の熱処理方法の各工程の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内において変更自在である。

Claims (1)

  1. マルエージング鋼を溶体化処理する溶体化処理工程と、
    前記溶体化処理工程において溶体化処理したマルエージング鋼を時効処理する時効処理工程と、
    を有している、マルエージング鋼の熱処理方法であって、
    前記溶体化処理工程においてマルエージング鋼の溶体化処理を行なうに際し、溶体化処理時間および溶体化処理温度をそれぞれX軸、Y軸とするXY平面において、座標(1分、900℃)、(5分、900℃)、(10分、850℃)、および(2分、850℃)の4点を頂点とする4角形の各辺を含む内部領域にある溶体化処理時間および溶体化処理温度の組み合わせ条件で溶体化処理を行なうことを特徴とする、マルエージング鋼の熱処理方法。
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