JP2015199997A - 高弾性限非磁性オーステナイト系ステンレス鋼板およびその製造方法 - Google Patents

高弾性限非磁性オーステナイト系ステンレス鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】仕上焼鈍材の段階で既に高い弾性限を有する非磁性オーステナイト系ステンレス鋼板を提供する。【解決手段】質量%で、C:0.12%以下、Si:0.30〜3.00%、Mn:2.0〜9.0%、Ni:7.0〜15.0%、Cr:11.0〜20.0%、N:0.30%以下を含有し、必要に応じてMo:3.0%以下、V:1.0%以下、Nb:1.0%以下、Ti:1.0%以下、B:0.010%以下の1種以上を含有し、Ni当量値が19.0以上となる鋼組成を有し、あるオーステナイト結晶粒の結晶粒径をd(μm)で表し、平均結晶粒径をdM(μm)とするとき、dM-1/2(μm-1/2)が0.45以上であり、d-1/2(μm-1/2)が0.32以下の結晶粒の割合が面積率で20%以下である高弾性限非磁性オーステナイト系ステンレス鋼板。【選択図】図3

Description

本発明は磁性を利用して機能する各種機器・装置に使用される部品用に適した、高弾性限非磁性オーステナイト系ステンレス鋼板、およびその製造方法に関する。
SUS304に代表されるオーステナイト系ステンレス鋼は良好な耐食性を有し、焼鈍状態で非磁性のオーステナイト組織を呈することから、非磁性鋼として各種機器・装置に使用されている。
しかしながら、用途によっては強度が要求されるために冷間加工を施して加工硬化させた状態で使用する必要がある。SUS304の場合、オーステナイト相が準安定であるために、冷間加工中にマルテンサイトの生成が誘起されて磁性を帯びるようになり、非磁性鋼としては使用できなくなる。高強度用非磁性鋼としては、N含有量が高いSUS304Nが使用される場合もあるが、この鋼も冷間加工後の非磁性維持に関しては不十分である。
したがって、高強度非磁性用途にはオーステナイト相がより安定なSUS316系の鋼種が一般的に使用される。この鋼種はMoを多量に含有している。しかし、Moは耐食性に対して優れた効果を発揮するものの、強度、非磁性に対する寄与度は低い。高強度を重視する用途においてはSUS316系鋼種であっても非磁性の維持が難しい場合がある。
特許文献1には、加工硬化のみを利用した非磁性鋼高強度鋼として、過酷な加工を施しても非磁性を維持し、かつ強度、耐食性に優れた非磁性ステンレス鋼が開示されている。特許文献2には、バネ特性に優れた非磁性ステンレス鋼板が開示されている。特許文献3には、析出硬化型の高強度非磁性ステンレス鋼が開示されている。
特開昭61−261463号公報 特公平6−4905号公報 特開平5−98391号公報
近年、エレクトロニクス分野の急速な発達により、各種機器・装置に使用される部品として非磁性と高弾性限を呈する鋼板素材のニーズが高まっている。そのような鋼板素材は、大量生産での生産性を考慮すると、仕上焼鈍材の段階で既に高い弾性限を有していることが有利となる。上記特許文献の技術では、仕上焼鈍材の段階で高い弾性限を付与することはできない。
本発明は、仕上焼鈍材の段階で既に高い弾性限を有する非磁性オーステナイト系ステンレス鋼板を提供しようというものである。
上記目的は、質量%で、C:0.12%以下、より好ましくは0.02%〜0.09%、Si:0.30%〜3.00%、Mn:2.0%〜9.0%、Ni:7.0%〜15.0%、より好ましくは7.0%〜14.0%、Cr:11.0%〜20.0%、より好ましくは16.0%〜20.0%、N:0.30%以下、より好ましくは0.02%〜0.30%を含有し、さらに必要に応じてMo:3.0%以下、V:1.0%以下、Nb:1.0%以下、Ti:1.0%以下、B:0.010%以下の1種以上を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつ下記(1)式または(3)式で定義されるNi当量の値が19.0以上となる成分組成を有し、あるオーステナイト結晶粒の結晶粒径をd(μm)で表し、オーステナイト平均結晶粒径をdM(μm)とするとき、dM -1/2(μm-1/2)が0.45以上であり、d-1/2(μm-1/2)が0.32以下である結晶粒の割合が面積率で20%以下である高弾性限非磁性オーステナイト系ステンレス鋼板によって達成される。
Ni当量=Ni+0.6Mn+9.69(C+N)+0.18Cr−0.11Si2 ・・・(1)
Ni当量=Ni+0.6Mn+9.69(C+N)+0.18Cr−0.11Si2+0.6Mo+2.3(V+Nb+Ti) ・・・(3)
ここで、Mo、V、Nb、Ti、Bの1種以上を含有する場合は(3)式、それ以外は(1)式を適用する。これらの式の元素記号の箇所には質量%で表される当該元素の含有量の値が代入される。
オーステナイト結晶粒径dは、板厚方向に垂直な断面(すなわち板面を研磨した面、以下「ND面」という)に観察されるオーステナイト結晶粒の円相当径である。オーステナイト平均結晶粒径dMは、ND面に観察される個々のオーステナイト結晶粒の円相当径を平均したものである。
上記鋼板は焼鈍鋼板でありながら、圧延方向の弾性限界応力σ0.01は例えば450N/mm2以上である。ND面の硬さは例えば250HV以下である。弾性限界応力σ0.01は、0.01%の永久ひずみが生じるときの応力であり、引張試験により測定される応力−ひずみ曲線からオフセット法により求めることができる。
上記の本発明に係る鋼板は、加工を付与する前の鋼板、すなわち加工用鋼板を特定したものである。ここでいう加工は、冷間圧延、伸線加工、曲げ加工などの冷間加工である。その加工後には必要に応じて時効処理が施され、高強度化される。
る。
また本発明では、上記高弾性限非磁性オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法として、上記成分組成を有する、圧延率40%以上の冷間圧延を施した材料に、焼鈍温度700〜1000℃、上記焼鈍温度での保持時間4sec以上の範囲内に設定した焼鈍条件で焼鈍を施すことにより下記(A)の組織に調整する製造方法が提供される。
(A)あるオーステナイト結晶粒の結晶粒径をd(μm)で表し、オーステナイト平均結晶粒径をdM(μm)とするとき、dM -1/2(μm-1/2)が0.45以上であり、d-1/2(μm-1/2)が0.32以下である結晶粒の割合が面積率で20%以下である組織。
Ni等量と透磁率の関係を示すグラフ。 仕上焼鈍後の組織に及ぼす焼鈍条件の影響を示す図。 焼鈍後の金属組織写真。 平均結晶粒径と弾性限界応力の関係を示すグラフ。 -1/2が0.32以下である結晶粒の占める面積率と弾性限界応力の関係を示すグラフ。
以下、オーステナイト結晶粒径をd(μm)とするとき、d-1/2(すなわちdの二乗平方根の逆数)の値を「結晶粒径d-1/2」と呼ぶ。また、オーステナイト平均結晶粒径をdM(μm)とするとき、dM -1/2(すなわちdMの二乗平方根の逆数)の値を「平均結晶粒径dM -1/2」と呼ぶ。本発明者らは、平均結晶粒径dM -1/2が0.45以上に細粒化しており、かつd-1/2(μm-1/2)が0.32以下である結晶粒の割合が面積率で20%以下であるように粒径分布が均一化された組織状態とすることによって、焼鈍材の状態で弾性限界応力を顕著に改善することができることを見出した。
ND面における個々のオーステナイト結晶粒の結晶粒径は、電子線後方散乱回折法EBSD(Electron Backscatter Diffraction)によって求めることができる。具体的にはND面において隣り合う測定点(六角形ピクセル)の方位差が15°以上であれば、その測定点の間に結晶粒界が存在するとみなして、個々の結晶粒の範囲を特定する。測定結果を画像処理するソフトウエアを用いて結晶粒度分布を求めることができ、そのデータから平均結晶粒径を定量化することができる。
本発明では、過酷な条件の加工を施してもマルテンサイトを誘起することなく、しかも使用環境下で非磁性を維持する要件を備えた鋼種を採用する。そのような要件を担保するための指標として、本出願人が先に提案した特許文献1のNi当量が有効である。
すなわち、非磁性を利用して機能する各種機器・装置に使用される部品用途に適用するためには、1kOe(79.58kA/m)の磁場中での透磁率が1.0100以下であることが望まれる。そのためには、下記(1)式または(3)式で定義されるNi当量の値を19.0以上にする必要がある。ここで、Mo、V、Nb、Ti、Bの1種以上を含有する鋼については場合は(3)式、それ以外は(1)式を適用する。これらの式の元素記号の箇所には質量%で表される当該元素の含有量の値が代入される。(3)式を適用する際、Mo、V、Nb、Ti、Bのうち、無添加の元素がある場合には、その元素記号の箇所には0が代入される。
Ni当量=Ni+0.6Mn+9.69(C+N)+0.18Cr−0.11Si2 ・・・(1)
Ni当量=Ni+0.6Mn+9.69(C+N)+0.18Cr−0.11Si2+0.6Mo+2.3(V+Nb+Ti) ・・・(3)
図1に、後述表1の各オーステナイト系ステンレス鋼を用いた80%冷間圧延材について、1kOe(79.58kA/m)の磁場中での透磁率に及ぼすNi当量の影響を示す。Ni当量の値が19.0以上の場合に、透磁率μが1.0100以下(μ−1が0.0100以下)の非磁性が維持されることがわかる。
Ni当量値を上げるためにはNi、Mnの増量が有効であるが、これらの元素の含有量が多くなりすぎると鋼の加工硬化能が低下するので、Ni当量は19.0〜21.0の範囲とすることが望ましい。
上記規定の成分組成を有する鋼を、通常の熱間圧延工程および冷間圧延工程を経て冷延鋼板とし、これを焼鈍することによって本発明の鋼板を得ることができる。本明細書ではこの焼鈍を[仕上焼鈍」と呼んでいる。この仕上焼鈍は、ND面において平均結晶粒径dM -1/2が0.45以上となり、かつd-1/2(μm-1/2)が0.32以下である結晶粒の割合が面積率で20%以下となる条件で行うことが重要である。そのためには、圧延率40%以上の冷間圧延を施した冷間圧延材を仕上焼鈍に供することが極めて有効である。その冷間圧延材の冷間圧延率は40〜70%の範囲とすることが好ましく、45〜60%の範囲に管理してもよい。仕上焼鈍温度を700℃以上1000℃以下の範囲内に設定することが好ましく、780℃以上960℃以下の範囲内に設定することがより好ましい。上記焼鈍温度での均熱保持時間は4sec以上とする。通常4〜500secの範囲で適正条件を設定することができる。上記焼鈍前の冷間圧延率を考慮して、平均結晶粒径dM -1/2が0.45以上となり、かつd-1/2(μm-1/2)が0.32以下である結晶粒の割合が面積率で20%以下となる焼鈍条件を採用する。その焼鈍条件は、製造ラインに応じて予め予備実験により求めておくことができる。また、ND面の最大結晶粒径をdMAX(μm)とするとき、最大結晶粒径dMAX -1/2が0.23以上であることがより好ましい。ただし、オーステナイト結晶粒は再結晶粒で構成されている必要がある。
図2に、仕上焼鈍後の組織に及ぼす焼鈍条件の影響を示す。(a)の範囲内(境界を含む)において上記所望の結晶粒度を実現するための適正範囲を見出すことができる。焼鈍温度が1000℃を超えると結晶粒が粗大化し、700℃未満では再結晶が不十分となる。均熱保持時間が5sec未満では混粒組織となってしまう。
図3に、本発明で規定する化学組成を満たす50%冷間圧延材に図2の(a)〜(d)の範囲内の焼鈍を施した場合のND面の金属組織写真を例示する。各写真の左下のスケールはいずれも15μmである。
このようにしてオーステナイト結晶粒径を上記のように調整した本発明に従う焼鈍鋼板は、圧延方向の弾性限界応力σ0.01が例えば450〜520N/mm2以上という、高い弾性限を有する。また、ND面の硬さは例えば180HV〜250HVである。この鋼板は、調質圧延や、打抜き、曲げなどの各種加工に供され、必要に応じて時効処理される。
以下、合金成分の含有量範囲について説明する。合金成分含有量に関する「%」は特に断らない限り「質量%」を意味する。
C:0.12%以下
Cは、強力なオーステナイト相安定化元素であるとともに加工による強度の向上に有効な元素である。0.02%以上のC含有量を確保することがより効果的である。C含有量が多くなると耐食性低下等を招く要因となるので、C含有量は0.12%以下に制限され、0.09%以下とすることがより好ましい。
Si: 0.30%〜3.00%
Siは、高強度化に有効な元素であり、0.30%以上のSi含有量を確保する。しかし、Si含有量が高くなると、冷間加工後の透磁率が急激に上昇し非磁性が保てなくなる。種々検討の結果、Si含有量は3.00%以下に制限される。
Mn:2.0%〜9.0%
Mnは、Niと同様にオーステナイト安定化元素であり、冷間加工による透磁率の上昇を抑制する。またMnはNの固溶度を高める元素である。これらの性能を発揮させるために2.0%以上のMn含有量を確保する。多量のMn含有は低温靭性を劣化させる要因となるのでMn含有量は9.0%以下の範囲とする。
Cr:11.0%〜20.0%
Crは、ステンレス鋼の基本成分であり、耐食性を得るために11.0%以上の含有が必要である。16.0%以上とすることが耐食性向上にはより効果的である。Cr含有量が多くなるとδフェライトの生成量が増大し、非磁性を維持するうえで障害となる。Cr含有量は20.0%以下に制限される。
Ni:7.0%〜15.0%
Niは、オーステナイト相の安定化に必須の元素である。冷間加工後の非磁性を確保するには7.0%以上のNi含有が必要である。多量のNi含有は冷間加工による強度上昇効果を低下させる要因となるので、Ni含有量は15.0%以下に制限され、14.0%以下とすることがより好ましい。
N:0.30%以下
Nは、高強度化およびオーステナイト相安定化に有効な元素である。0.02%以上のN含有量を確保することがより効果的である。ただし、N含有量が多くなると健全な鋳片が得られない場合がある。本発明ではN含有量を0.30%以下に制限する。
Mo:3.0%以下
Moは、耐食性の向上や加工硬化能の増大といった有用な作用があるので、必要に応じて添加することができる。Moを添加する場合、0.2%以上の含有量とすることがより効果的である。ただし、多量に添加するとδフェライト生成量が増加し非磁性を維持する上で不利となる。Moを添加する場合、3.0%以下の含有量範囲とする。2.5%以下とすることがより好ましい。
V:1.0%以下、Nb:1.0%以下、Ti:1.0%以下
V、Nb、Tiは、ともに加工硬化能を高める作用を有するので、必要に応じてこれらの1種以上を添加することができる。これらを添加する場合、Vは0.1%以上、Nbは0.1%以上、Tiは0.1%以上の含有量とすることがより効果的である。ただし、これらの元素の多量添加は、熱間加工性を劣化させるとともにδフェライト生成を招く。これらの元素の1種以上を添加する場合は、いずれも1.0%以下の範囲で行う必要がある。
B:0.010%以下
Bは、熱間加工性を改善する効果があるので、0.010%以下の範囲で必要に応じて添加することができる。Bを添加する場合は0.001%以上の含有量とすることがより効果的である。
その他、脱酸剤、脱硫剤として使用されるCa、REM(希土類元素)は合計0.01%までの混入が許容される。また脱酸剤として使用されるAlは0.10%までの混入が許容される。
表1に示す鋼のうち、本発明で規定する化学組成を有する鋼A1〜A12について、真空溶解炉で溶製された鋳片を熱間圧延したのち、圧延率50%の冷間圧延を施し、次いで表2に示す条件で仕上焼鈍を施すことにより、板厚0.2mmの供試材(仕上焼鈍材)を得た。
各仕上焼鈍材について、EBSDによる上述の方法でND面の結晶粒度分布をランダムに選択した10視野の測定により求め、オーステナイト結晶粒の平均結晶粒径dM、最大結晶粒径dMAX、およびd-1/2が0.32以下である結晶粒の占める面積率を求めた。板面(ND面)のビッカース硬さを測定した。圧延方向に平行なJIS13B号試験片を用いて、ひずみ速度1.67×10-3(s-1)での引張試験を行い、弾性限界応力σ0.01、0.2%耐力σ0.2、引張強さσB、伸びEL(%)を測定した。これらの測定結果を表2に示す。
図4に、平均結晶粒径と弾性限界応力の関係を示す。図5に、d-1/2が0.32以下である結晶粒の占める面積率と弾性限界応力の関係を示す。平均結晶粒径dM -1/2(μm-1/2)が0.45以上であり、かつd-1/2(μm-1/2)が0.32以下である結晶粒の割合が面積率で20%以下である場合に、弾性限界応力の顕著な増大が認められる。

Claims (7)

  1. 質量%で、C:0.12%以下、Si:0.30%〜3.00%、Mn:2.0%〜9.0%、Ni:7.0%〜15.0%、Cr:11.0%〜20.0%、N:0.30%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつ下記(1)式で定義されるNi当量の値が19.0以上となる成分組成を有し、あるオーステナイト結晶粒の結晶粒径をd(μm)で表し、オーステナイト平均結晶粒径をdM(μm)とするとき、dM -1/2(μm-1/2)が0.45以上であり、d-1/2(μm-1/2)が0.32以下である結晶粒の割合が面積率で20%以下である高弾性限非磁性オーステナイト系ステンレス鋼板。
    Ni当量=Ni+0.6Mn+9.69(C+N)+0.18Cr−0.11Si2 ・・・(1)
  2. 質量%で、C:0.12%以下、Si:0.30%〜3.00%、Mn:2.0%〜9.0%、Ni:7.0%〜15.0%、Cr:11.0%〜20.0%、N:0.30%以下を含有し、さらにMo:3.0%以下、V:1.0%以下、Nb:1.0%以下、Ti:1.0%以下、B:0.010%以下の1種以上を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつ下記(3)式で定義されるNi当量の値が19.0以上となる成分組成を有し、あるオーステナイト結晶粒の結晶粒径をd(μm)で表し、オーステナイト平均結晶粒径をdM(μm)とするとき、dM -1/2(μm-1/2)が0.45以上であり、d-1/2(μm-1/2)が0.32以下である結晶粒の割合が面積率で20%以下である高弾性限非磁性オーステナイト系ステンレス鋼板。
    Ni当量=Ni+0.6Mn+9.69(C+N)+0.18Cr−0.11Si2+0.6Mo+2.3(V+Nb+Ti) ・・・(3)
  3. 質量%で、C:0.02%〜0.09%、Si:0.30%〜3.00%、Mn:2.0%〜9.0%、Ni:7.0%〜14.0%、Cr:16.0%〜20.0%、N:0.02%〜0.30%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつ下記(1)式で定義されるNi当量の値が19.0以上となる成分組成を有し、あるオーステナイト結晶粒の結晶粒径をd(μm)で表し、オーステナイト平均結晶粒径をdM(μm)とするとき、dM -1/2(μm-1/2)が0.45以上であり、d-1/2(μm-1/2)が0.32以下である結晶粒の割合が面積率で20%以下である高弾性限非磁性オーステナイト系ステンレス鋼板。
    Ni当量=Ni+0.6Mn+9.69(C+N)+0.18Cr−0.11Si2 ・・・(1)
  4. 質量%で、C:0.02%〜0.09%、Si:0.30%〜3.00%、Mn:2.0%〜9.0%、Ni:7.0%〜14.0%、Cr:16.0%〜20.0%、N:0.02%〜0.30%を含有し、さらにMo:3.0%以下、V:1.0%以下、Nb:1.0%以下、Ti:1.0%以下、B:0.010%以下の1種以上を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつ下記(3)式で定義されるNi当量の値が19.0以上となる成分組成を有し、あるオーステナイト結晶粒の結晶粒径をd(μm)で表し、オーステナイト平均結晶粒径をdM(μm)とするとき、dM -1/2(μm-1/2)が0.45以上であり、d-1/2(μm-1/2)が0.32以下である結晶粒の割合が面積率で20%以下である高弾性限非磁性オーステナイト系ステンレス鋼板。
    Ni当量=Ni+0.6Mn+9.69(C+N)+0.18Cr−0.11Si2+0.6Mo+2.3(V+Nb+Ti) ・・・(3)
  5. 圧延方向の弾性限界応力σ0.01が450N/mm2以上の焼鈍鋼板である請求項1〜4のいずれか1項に記載の高弾性限非磁性オーステナイト系ステンレス鋼板。
  6. 硬さが250HV以下である請求項5に記載の高弾性限非磁性オーステナイト系ステンレス鋼板。
  7. 圧延率40%以上の冷間圧延を施した材料に、焼鈍温度700〜1000℃、上記焼鈍温度での保持時間4sec以上の範囲内に設定した焼鈍条件で焼鈍を施すことにより下記(A)の組織に調整する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の高弾性限非磁性オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法。
    (A)あるオーステナイト結晶粒の結晶粒径をd(μm)で表し、オーステナイト平均結晶粒径をdM(μm)とするとき、dM -1/2(μm-1/2)が0.45以上であり、d-1/2(μm-1/2)が0.32以下である結晶粒の割合が面積率で20%以下である組織。
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