JP6560881B2 - 極低透磁率ステンレス鋼線材、ならびに耐久性に優れる鋼線、異形線 - Google Patents
極低透磁率ステンレス鋼線材、ならびに耐久性に優れる鋼線、異形線 Download PDFInfo
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しかしながら、上記のようなオーステナイト系ステンレス鋼線材、鋼線から加工・成型、製造されたステンレス製品には冷間加工時に加工誘起マルテンサイト(加工誘起α’)が生成されており、極低透磁率が望まれる上記衣類用製品等の用途には不向きという欠点があった。また、上記衣類用製品等の中でも高強度や繰り返し応力が付与される部位に用いるオーステナイト系ステンレス鋼線材、鋼線には、極低透磁率を保ちつつ優れた耐久性が要求されている。
また、特許文献2に開示されているステンレス鋼はあくまでネジ用のステンレス鋼であり、耐久性については何ら言及されていない。
また、特許文献3は鋼板に関する技術であって、鋼線材に対する技術は開示されていない上、耐久性に関する記載はない。
そして、ステンレス鋼鋼線および異形線を製造するにあたり、上記の成分組成を有し、結晶粒の微細化が施された鋼線材を用いて製造することで、耐久性に優れかつ極低透磁率であるステンレス鋼鋼線および異形線を得ることができる。
本発明はこれら新たな知見によってなされたものであって、本発明の要旨は下記のとおりである。
C:0.090〜0.350%、
Mn:9.0〜25.0%、
Ni:20.0%未満、
Cr:10.0〜25.0%、
N:0.50%以下、
Si:3.0%以下、
Mo:3.0%以下、
Cu:3.0%以下を含有し、
更に
Ti:0.5%以下、V:0.5%以下、Nb:0.5%以下の内、1種類以上を含有し、かつTi+V+Nb>0.01%とするとともに、
残部Feおよび不可避的不純物からなる化学組成を有し、
金属組織がオーステナイト相を主体とし、オーステナイト平均粒径が20.0μm以下であり、
下記(a)式で示されるオーステナイト相中のNieqが25.0以上、下記(b)式で示されるTNが100以上、
下記(c)式で示されるSFEが110以下、
であることを特徴とする極低透磁率ステンレス鋼線材。
Nieq=Ni+Cu+15.9(C+N)+0.66Mn+0.32Si+0.47Cr+0.64Mo …(a)
TN=99.81−1.37Cr−3.14Ni+8.83Mn−12.68Si+4.48Mo−32.45C−33.86N …(b)
SFE=−53+6.2Ni+0.7Cr+3.2Mn+9.3Mo …(c)
但し、式中の元素記号は、当該元素の鋼中における含有質量%を意味する。
(2) 質量%で、
C:0.090〜0.350%、
Mn:9.0〜25.0%、
Ni:20.0%未満、
Cr:10.0〜25.0%、
N:0.50%以下、
Si:3.0%以下、
Mo:3.0%以下、
Cu:3.0%以下を含有し、
更に
Ti:0.5%以下、V :0.5%以下、Nb:0.5%以下の内、1種類以上を含有し、かつTi+V+Nb>0.01%とするとともに、
残部Feおよび不可避的不純物からなる化学成分を有し、
金属組織がオーステナイト相を主体とし、オーステナイト平均粒径が20.0μm以下であり、
下記(a)式で示されるオーステナイト相中のNieqが25.0以上、下記(b)式で示されるTNが100以上、
下記(c)式で示されるSFEが110以下、
である極低透磁率ステンレス鋼線材であって、
この極低透磁率ステンレス鋼線材に対し伸線および光輝焼鈍を複数回施し、最終光輝焼鈍後の総伸線減面率の合計が75%である冷間加工を施した場合に、長手方向の残留応力が400MPa以下となる性能を有することを特徴とする極低透磁率ステンレス鋼線材。
Nieq=Ni+Cu+15.9(C+N)+0.66Mn+0.32Si+0.47Cr+0.64Mo …(a)
TN=99.81−1.37Cr−3.14Ni+8.83Mn−12.68Si+4.48Mo−32.45C−33.86N …(b)
SFE=−53+6.2Ni+0.7Cr+3.2Mn+9.3Mo …(c)
但し、式中の元素記号は、当該元素の鋼中における含有質量%を意味する。
(3) 更に質量%で、
Al:0.001〜2.0%、
B :0.012%以下、
Co:2.5%以下、
W :2.5%以下、
Ta:2.5%以下、
Sn:2.5%以下の内、1種類以上を含有することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の極低透磁率ステンレス鋼線材。
(4) 更に質量%で、
Ca:0.012%以下、
Mg:0.012%以下、
Zr:0.012%以下、
REM:0.05%以下の内、1種類以上を含有することを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか一項に記載の極低透磁率ステンレス鋼線材。
(5)衣類製品の部材として用いることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか一項に記載の極低透磁率ステンレス鋼線材。
C:0.090〜0.350%、
Mn:9.0〜25.0%、
Ni:20.0%未満、
Cr:10.0〜25.0%、
N:0.50%以下、
Si:3.0%以下、
Mo:3.0%以下、
Cu:3.0%以下を含有し、
更に、
Ti:0.5%以下、V :0.5%以下、Nb:0.5%以下の内、1種類以上を含有し、かつTi+V+Nb>0.01%とするとともに、
残部Feおよび不可避的不純物からなる化学成分を有し、
金属組織がオーステナイト相を主体とし、
下記(a)式で示されるオーステナイト相中のNieqが25.0以上、下記(b)式で示されるTNが100以上、
下記(c)式で示されるSFEが110以下であり、
冷間加工による長手方向の残留応力が400MPa以下であることを特徴とする耐久性に優れる極低透磁率ステンレス鋼線。
Nieq=Ni+Cu+15.9(C+N)+0.66Mn+0.32Si+0.47Cr+0.64Mo …(a)
TN=99.81−1.37Cr−3.14Ni+8.83Mn−12.68Si+4.48Mo−32.45C−33.86N …(b)
SFE=−53+6.2Ni+0.7Cr+3.2Mn+9.3Mo …(c)
但し、式中の元素記号は、当該元素の鋼中における含有質量%を意味する。
(7) 更に質量%で、
Al:0.001〜2.0%、
B :0.012%以下、
Co:2.5%以下、
W :2.5%以下、
Ta:2.5%以下、
Sn:2.5%以下の内、1種類以上を含有することを特徴とする上記(6)記載の極低透磁率ステンレス鋼線。
(8) 更に質量%で、
Ca:0.012%以下、
Mg:0.012%以下、
Zr:0.012%以下、
REM:0.05%以下の内、1種類以上を含有することを特徴とする上記(6)または(7)に記載の極低透磁率ステンレス鋼線。
(9)引張強さが1500〜2500MPaであることを特徴とする上記(6)〜(8)の何れか一項に記載の耐久性に優れる極低透磁率ステンレス鋼線。
(10)C断面の最大硬さと最小硬さの差ΔHvが80以下であることを特徴とする上記(6)〜(9)の何れか一項に記載の耐久性に優れる極低透磁率ステンレス鋼線。
(11)衣類製品の部材として用いることを特徴とする上記(6)〜(10)の何れか一項に記載の耐久性に優れる極低透磁率ステンレス鋼線。
C:0.090〜0.350%、
Mn:9.0〜25.0%、
Ni:20.0%未満、
Cr:10.0〜25.0%、
N:0.50%以下、
Si:3.0%以下、
Mo:3.0%以下、
Cu:3.0%以下を含有し、
更に、
Ti:0.5%以下、V :0.5%以下、Nb:0.5%以下の内、1種類以上を含有し、かつTi+V+Nb>0.01%とするとともに、
残部Feおよび不可避的不純物からなる化学成分を有し、
金属組織がオーステナイト相を主体とし、
下記(a)式で示されるオーステナイト相中のNieqが25.0以上、下記(b)式で示されるTNが100以上、
下記(c)式で示されるSFEが110以下であり、
冷間加工による長手方向の残留応力が400MPa以下であることを特徴とする耐久性に優れる極低透磁率ステンレス異形線。
Nieq=Ni+Cu+15.9(C+N)+0.66Mn+0.32Si+0.47Cr+0.64Mo …(a)
TN=99.81−1.37Cr−3.14Ni+8.83Mn−12.68Si+4.48Mo−32.45C−33.86N …(b)
SFE=−53+6.2Ni+0.7Cr+3.2Mn+9.3Mo …(c)
但し、式中の元素記号は、当該元素の鋼中における含有質量%を意味する。
(13) 更に質量%で、
Al:0.001〜2.0%、
B :0.012%以下、
Co:2.5%以下、
W :2.5%以下、
Ta:2.5%以下、
Sn:2.5%以下の内、1種類以上を含有することを特徴とする上記(12)に記載の耐久性に優れる極低透磁率ステンレス異形線。
(14) 更に質量%で、
Ca:0.012%以下、
Mg:0.012%以下、
Zr:0.012%以下、
REM:0.05%以下の内、1種類以上を含有することを特徴とする上記(12)または(13)に記載の耐久性に優れる極低透磁率ステンレス異形線。
(15)引張強さが1500〜2500MPaであることを特徴とする上記(12)〜(14)の何れか一項に記載の耐久性に優れる極低透磁率ステンレス異形線。
(16)C断面の最大硬さと最小硬さの差ΔHvが80以下であることを特徴とする上記(12)〜(15)の何れか一項に記載の耐久性に優れる極低透磁率ステンレス異形線。
(17)衣類製品の部材として用いることを特徴とする上記(12)〜(16)の何れか一項に記載の耐久性に優れる極低透磁率ステンレス異形線。
また、本発明によるステンレス鋼線、異形線は、耐久性に優れ、かつ極低透磁率であるため、耐久性と極低透磁率が要求される衣類用製品等に好適に適用できる。
本実施形態に係る極低透磁率ステンレス鋼線材(以下、単にステンレス鋼線材、線材ともいう。)は、質量%で、C:0.09〜0.35%、Mn:9.0〜25.0%、Ni:20.0%未満、Cr:10.0〜25.0%、N:0.50%以下、Si:3.0%以下、Mo:3.0%以下、Cu:3.0%以下、を含有し、更に質量%でTi:0.5%以下、V:0.5%以下、Nb:0.5%以下の内、1種類以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、結晶粒径が20.0μm以下であり、下記(a)式で示されるオーステナイト相中のNieqが25以上、下記(b)式で示されるTNが100以上、下記(c)式で示されるSFEが110以下、であることを特徴とする。
Nieq=Ni+Cu+15.9(C+N)+0.66Mn+0.32Si+0.47Cr+0.64Mo …(a)
TN=99.81−1.37Cr−3.14Ni+8.83Mn−12.68Si+4.48Mo−32.45C−33.86N …(b)
SFE=−53+6.2Ni+0.7Cr+3.2Mn+9.3Mo …(c)
但し、式中の元素記号は、当該元素の鋼中における含有質量%を意味する。
前述の効果をより発揮させるためには、好ましくは、Ti,V,Nbは、Ti:0.05%以上、V:0.05%以上、Nb:0.05%以上とする。
また、代表的な不可避的不純物としては、O,S,Pなどが挙げられ、通常、鉄鋼の製造プロセスで不可避的不純物として0.0001〜0.1%の範囲で混入する。
本実施形態に係る線材の金属組織は、その大部分がオーステナイト相であり、残部は不可避的相からなる。このような線材の金属組織において、線材のγ粒径が20.0μm超えでは、耐久性が劣化することに加え、冷間加工時に加工誘起α’が生成し、透磁率を高めるおそれがある。そのため、線材のγ粒径の上限を20.0μmとする。好ましくは、10.0μm以下である。線材のγ粒径の下限値は特に限定せず、耐久性、低透磁率の観点からは小さければ小さいほど好ましいが、測定可能なサイズがおおよそ0.01μm程度であることから、0.01μm以上とする。
Nieqは、伸線後の加工誘起マルテンサイト量と成分の関係をそれぞれ調査して得られた指標であり、極低透磁率を安定的に確保するために制御する必要がある。
Nieqは、下記式(a)より求められる値であり、この値が25.0未満の場合、加工誘起α’量が生成しやすくなり、透磁率を高めてしまう。そのため、Nieqの下限を25.0に限定する。好ましくは、Nieqを30.0以上とする。
Nieq==Ni+Cu+15.9*(C+N)+0.66*Mn+0.32*Si+0.47*Cr+0.64*Mo … (a)
TNは、γの常磁性が反強磁性に遷移する温度であり、極低透磁率を安定的に確保するために制御する必要がある。
TNは、下記式(b)より求められる値であり、この値が100未満の場合、反強磁性γの比率が低くなり、透磁率を高めてしまう。そのため、TNの下限を100に限定する。好ましくは、TNを180以上とする。
TN=99.81-1.37*Cr-3.14*Ni+8.83*Mn-12.68*Si+4.48*Mo-32.45*C-33.86*N …(b)
SFEは、積層欠陥エネルギーの生成指標を示すものであり、耐久性を安定的に確保するために制御する必要がある。
SFEは、下記式(c)により求められる値である。SFE値が110を超えると、軟質化するため、必要な耐久性が得られないばかりか、冷間加工後のΔHvを大きくし、残留応力を高める。そのため、SFE値の上限を110に限定する。好ましくは、SFEを70以下とし、更に好ましくは50以下とする。
SFE=−53+6.2Ni+0.7Cr+3.2Mn+9.3Mo … (c)
次に、本実施形態に係る鋼線、異形線について説明する。
本実施形態に係る鋼線、異形線の化学組成は、線材と同様に上述してきた組成を有し、かつ上記Nieq値、上記TN値、上記SFE値を満足する。
残留応力が400MPaを超えると、耐久性を低下させることに加え、鋼線・異形線内に局所的な高応力が付与されるため、加工誘起α’変態によって透磁率を高めるおそれがある。そのため、鋼線、異形線の冷間加工による長手方向の残留応力を400MPa以下に限定する。好ましくは0MPa以下である。
残留応力を抑制するための制御方法としては特に限定せず、各工程において適宜調整すればよいが、例えば、スキンパスやダイス角度制御、ベアリング長さ制御、矯直制御、ショットピーニングが挙げられるが、本発明の鋼線、異形線の製造方法は、これに限るものではないことはもちろんである。
引張強さは1500〜2500MPaに限定する。引張強さが低いと、耐久性に劣るため、下限を1500MPaにする。また、引張強さが高すぎると、伸線時の割れによる耐久性の劣化や、局所的な高応力場における加工誘起α’の生成によって透磁率を高めるおそれがある。そのため、引張強さの上限を2500MPaにする。好ましくは1600〜2500MPaである。
ΔHvは鋼線および異形線の断面内における硬さ分布の不均一性を示す指標である。ΔHvが大きいと、鋼線および異形線に局所的な高応力場が形成され、加工誘起α’の生成によって透磁率を高める恐れがある。そのため、ΔHvの上限を80にする。好ましくは45以下である。
ΔHvを抑制するための制御方法としては特に限定せず、各工程において適宜調整すればよいが、例えば、スキンパスや伸線温度制御、ダイス角度制御、ベアリング長さ制御、矯直制御、ショットピーニングが挙げられるが、本発明の鋼線、異形線の製造方法は、これに限るものではないことはもちろんである。
引き続き得られた線材を、所定の径まで一次伸線した後、溶体化処理を実施し、減面率の合計が50〜90%となるように二次伸線を実施するとよい。このとき、二次伸線の伸線温度は10〜40℃、最終伸線減面率は0.1〜9%、ダイス角度(ダイス半角)は4〜14deg、ベアリング長さは0.5〜10mmとするとよい。
また、本発明によるステンレス鋼線、異形線を衣類用製品等に適用することで、耐久性に優れた極低透磁率である衣類用製品等を提供することができる。
得られた異形線の、引張強さ、残留応力、ΔHv、耐久性、透磁率を表1−1〜表2−2に示す。
次に、得られた鋼線を伸線減面率75%となるよう三次伸線した後、冷間圧延機によって異形線(1.0t×3.0w)を作製し、スキンパスを施した。当該異形線に対し、表4に示す曲げ角度と送り速度の条件によって矯直を行った。
残留応力が0MPa以下の場合を(◎),0〜400MPaの場合を(○)、400MPaを上回る場合を(×)として評価した。本発明例の鋼線と異形線の製品では、◎もしくは○であった。
ΔHvが45以下の場合を(◎),45〜80の場合を(○)、80を上回る場合を(×)として評価した。本発明例の鋼線と異形線の製品では、◎もしくは○であった。
本発明例の鋼線の製品では、◎もしくは○であった。
本発明例の異形線の製品では、◎もしくは○であった。
μ=φ/H・・・式(2)
比透磁率が1.002以下の場合を(◎),1.002〜1.005の場合を(○)、1.005を上回る場合を(×)として評価した。本発明例の鋼線の製品では、◎もしくは○であった。
平均粒径(μm)=L/N ・・・ (3)
γの粒径が10.0μm以下の場合を(◎),10.0〜20.0μmの場合を(○)、20.0μmを上回る場合を(×)として評価した。本発明例の線材の製品では、◎もしくは○であった。
本発明例の鋼線と異形線の製品では、全て1500〜2500MPa(○)であり、強度特性に優れていた。
Claims (17)
- 質量%で、
C:0.090〜0.350%、
Mn:9.0〜25.0%、
Ni:20.0%未満、
Cr:10.0〜25.0%、
N:0.50%以下、
Si:3.0%以下、
Mo:3.0%以下、
Cu:3.0%以下を含有し、
更に、
Ti:0.5%以下、V :0.5%以下、Nb:0.5%以下の内、1種類以上を含有し、かつTi+V+Nb>0.01%とするとともに、
残部Feおよび不可避的不純物からなる化学成分を有し、
金属組織がオーステナイト相を主体とし、オーステナイト平均粒径が20.0μm以下であり、
下記(a)式で示されるオーステナイト相中のNieqが25.0以上、下記(b)式で示されるTNが100以上、
下記(c)式で示されるSFEが110以下、
であることを特徴とする極低透磁率ステンレス鋼線材。
Nieq=Ni+Cu+15.9(C+N)+0.66Mn+0.32Si+0.47Cr+0.64Mo …(a)
TN=99.81−1.37Cr−3.14Ni+8.83Mn−12.68Si+4.48Mo−32.45C−33.86N …(b)
SFE=−53+6.2Ni+0.7Cr+3.2Mn+9.3Mo …(c)
但し、式中の元素記号は、当該元素の鋼中における含有質量%を意味する。 - 質量%で、
C:0.090〜0.350%、
Mn:9.0〜25.0%、
Ni:20.0%未満、
Cr:10.0〜25.0%、
N:0.50%以下、
Si:3.0%以下、
Mo:3.0%以下、
Cu:3.0%以下を含有し、
更に、
Ti:0.5%以下、V :0.5%以下、Nb:0.5%以下の内、1種類以上を含有し、かつTi+V+Nb>0.01%とするとともに、
残部Feおよび不可避的不純物からなる化学成分を有し、
金属組織がオーステナイト相を主体とし、オーステナイト平均粒径が20.0μm以下であり、
下記(a)式で示されるオーステナイト相中のNieqが25.0以上、下記(b)式で示されるTNが100以上、
下記(c)式で示されるSFEが110以下
である極低透磁率ステンレス鋼線材であって、
この極低透磁率ステンレス鋼線材に対し、伸線および光輝焼鈍を複数回施し、最終光輝焼鈍後の総伸線減面率の合計が75%である冷間加工を施した場合に、長手方向の残留応力が400MPa以下となる性能を有することを特徴とする極低透磁率ステンレス鋼線材。
Nieq=Ni+Cu+15.9(C+N)+0.66Mn+0.32Si+0.47Cr+0.64Mo …(a)
TN=99.81−1.37Cr−3.14Ni+8.83Mn−12.68Si+4.48Mo−32.45C−33.86N …(b)
SFE=−53+6.2Ni+0.7Cr+3.2Mn+9.3Mo …(c)
但し、式中の元素記号は、当該元素の鋼中における含有質量%を意味する。 - 更に質量%で、
Al:0.001〜2.0%、
B :0.012%以下、
Co:2.5%以下、
W :2.5%以下、
Ta:2.5%以下、
Sn:2.5%以下の内、1種類以上を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の極低透磁率ステンレス鋼線材。 - 更に質量%で、
Ca:0.012%以下、
Mg:0.012%以下、
Zr:0.012%以下、
REM:0.05%以下の内、1種類以上を含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の極低透磁率ステンレス鋼線材。 - 衣類製品の部材として用いることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の極低透磁率ステンレス鋼線材。
- 質量%で、
C:0.090〜0.350%、
Mn:9.0〜25.0%、
Ni:20.0%未満、
Cr:10.0〜25.0%、
N:0.50%以下、
Si:3.0%以下、
Mo:3.0%以下、
Cu:3.0%以下を含有し、
更に、
Ti:0.5%以下、V :0.5%以下、Nb:0.5%以下の内、1種類以上を含有し、かつTi+V+Nb>0.01%とするとともに、
残部Feおよび不可避的不純物からなる化学成分を有し、
金属組織がオーステナイト相を主体とし、
下記(a)式で示されるオーステナイト相中のNieqが25.0以上、下記(b)式で示されるTNが100以上、
下記(c)式で示されるSFEが110以下であり、
冷間加工による長手方向の残留応力が400MPa以下であることを特徴とする耐久性に優れる極低透磁率ステンレス鋼線。
Nieq=Ni+Cu+15.9(C+N)+0.66Mn+0.32Si+0.47Cr+0.64Mo …(a)
TN=99.81−1.37Cr−3.14Ni+8.83Mn−12.68Si+4.48Mo−32.45C−33.86N …(b)
SFE=−53+6.2Ni+0.7Cr+3.2Mn+9.3Mo …(c)
但し、式中の元素記号は、当該元素の鋼中における含有質量%を意味する。 - 更に質量%で、
Al:0.001〜2.0%、
B :0.012%以下、
Co:2.5%以下、
W :2.5%以下、
Ta:2.5%以下、
Sn:2.5%以下の内、1種類以上を含有することを特徴とする請求項6記載の極低透磁率ステンレス鋼線。 - 更に質量%で、
Ca:0.012%以下、
Mg:0.012%以下、
Zr:0.012%以下、
REM:0.05%以下の内、1種類以上を含有することを特徴とする請求項6または7に記載の極低透磁率ステンレス鋼線。 - 引張強さが1500〜2500MPaであることを特徴とする請求項6〜8の何れか一項に記載の耐久性に優れる極低透磁率ステンレス鋼線。
- C断面の最大硬さと最小硬さの差ΔHvが80以下であることを特徴とする請求項6〜9の何れか一項に記載の耐久性に優れる極低透磁率ステンレス鋼線。
- 衣類製品の部材として用いることを特徴とする請求項6〜10の何れか一項に記載の耐久性に優れる極低透磁率ステンレス鋼線。
- 質量%で、
C:0.090〜0.350%、
Mn:9.0〜25.0%、
Ni:20.0%未満、
Cr:10.0〜25.0%、
N:0.50%以下、
Si:3.0%以下、
Mo:3.0%以下、
Cu:3.0%以下を含有し、
更に、
Ti:0.5%以下、V :0.5%以下、Nb:0.5%以下の内、1種類以上を含有し、かつTi+V+Nb>0.01%とするとともに、
残部Feおよび不可避的不純物からなる化学成分を有し、
金属組織がオーステナイト相を主体とし、
下記(a)式で示されるオーステナイト相中のNieqが25.0以上、下記(b)式で示されるTNが100以上、
下記(c)式で示されるSFEが110以下であり、
冷間加工による長手方向の残留応力が400MPa以下であることを特徴とする耐久性に優れる極低透磁率ステンレス異形線。
Nieq=Ni+Cu+15.9(C+N)+0.66Mn+0.32Si+0.47Cr+0.64Mo …(a)
TN=99.81−1.37Cr−3.14Ni+8.83Mn−12.68Si+4.48Mo−32.45C−33.86N …(b)
SFE=−53+6.2Ni+0.7Cr+3.2Mn+9.3Mo …(c)
但し、式中の元素記号は、当該元素の鋼中における含有質量%を意味する。 - 更に質量%で、
Al:0.001〜2.0%、
B :0.012%以下、
Co:2.5%以下、
W :2.5%以下、
Ta:2.5%以下、
Sn:2.5%以下の内、1種類以上を含有することを特徴とする請求項12に記載の耐久性に優れる極低透磁率ステンレス異形線。 - 更に質量%で、
Ca:0.012%以下、
Mg:0.012%以下、
Zr:0.012%以下、
REM:0.05%以下の内、1種類以上を含有することを特徴とする請求項12または13に記載の耐久性に優れる極低透磁率ステンレス異形線。 - 引張強さが1500〜2500MPaであることを特徴とする請求項12〜14の何れか一項に記載の耐久性に優れる極低透磁率ステンレス異形線。
- C断面の最大硬さと最小硬さの差ΔHvが80以下であることを特徴とする請求項12〜15の何れか一項に記載の耐久性に優れる極低透磁率ステンレス異形線。
- 衣類製品の部材として用いることを特徴とする請求項12〜16の何れか一項に記載の耐久性に優れる極低透磁率ステンレス異形線。
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