JP2007302974A - 耐遅れ破壊特性に優れた高強度厚鋼板およびその製造方法 - Google Patents

耐遅れ破壊特性に優れた高強度厚鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐遅れ破壊特性に優れた、安価な高強度厚鋼板を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.05〜0.35%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.8〜2.0%、P:0.020%以下、S:0.005%以下、N:0.01%以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼素材に、圧延開始温度を(Ac点−200℃)〜(Ac点−20℃)の範囲の温度とし、累積圧下率を50%以上とする圧延を施し、一旦室温まで冷却するか、あるいは冷却することなく直ちに、5℃/s以上の平均加熱速度で、Ac点以上(Ac点+100℃)未満の温度域まで加熱し、ついで、10℃/s以上の平均冷却速度で冷却する焼入れ処理を施す。さらに焼戻処理を施してもよい。これにより、旧オーステナイト平均粒径が7μm以下のマルテンサイト相または焼戻しマルテンサイト相を主体とする組織を有し、引張強さ:780MPa以上の高強度、あるいは優れた耐摩耗性と、優れた耐遅れ破壊特性を兼備する厚鋼板となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、建築、土木、建設産業機械、ラインパイプ、海洋構造物、エネルギー関連プラント等の用途に好適な、高強度厚鋼板に関り、とくに耐遅れ破壊特性の改善に関する。なお、ここでいう「高強度厚鋼板」とは、板厚:6mm以上で、引張強さ:780 MPa以上を有する鋼板をいい、鋼板には、鋼帯をも含むものとする。
建築、土木、建設産業機械、ラインパイプ、海洋構造物、エネルギー関連プラント等の構造物の大型化に伴い、使用する鋼材の高強度化が要望されてきた。一般に、鋼材を高強度化すると、遅れ破壊感受性が高くなり、使用中にしばしば遅れ破壊が発生するという問題があった。
遅れ破壊は、静荷重下におかれた鋼材が或る時間を経過した後、突然に脆性的な破壊を呈する現象であり、高強度鋼材ほど発生しやすい。とくに、引張強さ:980MPa以上の高強度鋼や耐摩耗鋼などで問題となる。また、通常の焼入れ焼戻型の引張強さ:780MPa以上の鋼材では、焼戻処理で所望の強度に調整するため、焼戻処理前の、焼入れままの状態では、通常、非常に高い強度を保持している。このため、この焼入れ処理と焼戻処理の間に遅れ破壊が発生する場合がある。このような遅れ破壊には、鋼中に存在する水素と残留応力が関与していることが明らかとなっている。
このような高強度鋼の遅れ破壊を抑制する方法としては、従来から数多くの提案がなされている。例えば、特許文献1には、C:0.15〜0.45%、Si:0.05〜1.00%、Mn:0.05〜0.45%、Cr:0.05〜1.00%、Mo:0.05〜1.00%、B:0.0003〜0.0025%を含み、さらに必要に応じCu、Ni、V、Nb、Ti、Caの1種以上を含むとともに、さらに不純物中のN、P、S、Pb、Sbの含有量をそれぞれN:0.0015〜0.0100%、P:0.018%以下、S:0.008%以下、Pb:0.015%以下、Sb:0.015%以下とした鋼に、熱間圧延を施し、ついで、A変態点以上の温度から焼入れ処理を施す耐遅れ破壊性能に優れた耐摩耗性鋼板の製造方法が提案されている。特許文献1に記載された技術では、Mnの低減とPbおよびSbの低減により耐遅れ破壊性が著しく向上するとしている。
また、特許文献2には、C:0.15〜0.45%、Si:0.05%未満、Mn:0.30〜0.60%、Cr:0.01〜1.00%、Mo:0.03〜0.70%、Nb:0.005〜0.15%を含み、さらにCu、Ni、V、Ti、B、Caの1種以上を含むとともに、さらに不純物中のP、Sの含有量をそれぞれP:0.010%以下、S:0.005%以下とした、耐遅れ破壊性に優れた耐摩耗性鋼板が提案されている。特許文献2に記載された技術では、Mnの低減を0.30〜0.60%程度にとどめ、Nbを必須含有させ、PおよびS等の不純物を低減するとともに、Siを極力低減することにより、耐遅れ破壊性が著しく向上するとしている。
特許文献3には、C:0.15〜0.30%、Si:0.05〜0.80%、Mn:0.50〜0.80%、Nb:0.007〜0.025%、V:0.02〜0.08%、Ti:0.005〜0.025%、B:0.0005〜0.0025%を含む鋼スラブに、800℃以上の温度で圧延を終了し、直ちに200℃以下の温度まで急速冷却し、さらに焼戻しする、耐遅れ割れ性の優れた耐摩耗用鋼板の製造方法が提案されている。特許文献3に記載された技術では、Mn含有量を低減し、Cr、Moを基本的には含有せず、微量のNbを含有し、さらに微量のTiを含有することにより、耐遅れ割れ性を向上させることができるとしている。
特許文献4には、C:0.30〜0.50%、Si:0.15%以下、Mn:0.40%以下、Cr:0.25%以下、Mo:0.8〜2.0%、V:0.05〜0.30%、Ti:0.003%以下を含む耐遅れ破壊特性に優れたボルト用鋼が提案されている。特許文献4に記載された技術では、Si、Mn、Crを低減し、それに代えてMoを増量しさらにVを添加し、さらにTiの含有量を厳しく制限することにより、所望の焼入れ性と耐焼戻軟化抵抗性を有するとともに、耐遅れ破壊性を向上させることができるとしている。
特許文献5には、C:0.15〜0.45%、Si:1.50%以下、Mn:0.01〜1.50%、Cr:0.50〜2.00%、Moおよび/またはWをMo+1/2Wで0.30〜1.50%、V:0.01〜0.20%、Nb:0.005〜0.20%、Zr:0.01〜0.15%、Al:0.01〜0.10%を含み、不純物中のP、S、NiをP:0.020%以下、S:0.010%以下、Ni:0.10%以下とし、焼入れ、焼戻されて、オーステナイト粒度がASTM No.で8.5以上とした、耐遅れ破壊性の優れた高強度鋼が提案されている。特許文献5に記載された技術では、鋼中にZrを含有させて炭化物を球状微細に分散させるとともに、オーステナイト粒度をASTM No.で8.5以上に調整して焼入れし、マルテンサイトあるいは低温ベイナイト組織として、焼戻することにより遅れ破壊の発生が抑制されるとしている。
特許文献6には、C:0.05〜0.40%、Si:0.1〜0.8%、Mn:0.5〜2.0%、Cr:0.05〜2.0%、Ti:0.005〜0.5%、B:0.0005〜0.005%、Al:0.005〜0.10%、N:0.005%以下を含む組成と、表層部が焼戻しマルテンサイト、内質部が焼戻しマルテンサイトおよび焼戻し下部ベイナイトから選ばれる単相または2種の混合組織を有し、肉厚方向の旧オーステナイト(γ)粒径に対する圧延方向の旧γ粒径の比で表わされる旧γ粒伸展度が2以上である靭性および耐遅れ破壊性に優れた耐摩耗鋼材が提案されている。特許文献6に記載された技術では、γ未再結晶温度域で強圧下し、直ちに直接焼入れして、表層部が焼戻しマルテンサイト、内質部が焼戻しマルテンサイトおよび焼戻し下部ベイナイトから選ばれる単相または2種の混合組織とすることにより、靭性と耐遅れ破壊特性がともに向上するとしている。
特許文献7には、C:0.15〜0.40%を含み、Si:0.05〜0.5%、Mn:0.3〜1.5%を含み、Cr、Mo、Ti、B、Alを適正量含有し、P、S、N、Oを低減した組成の鋼片に、800〜950℃の温度で少なくとも圧下率:30〜70%の圧延を施し、板厚表層部を伸長したオーステナイト粒として、圧延終了後直ちに急冷し、マルテンサイト組織とする耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼の製造方法が提案されている。特許文献7に記載された技術では、オーステナイト粒径が細かくなると同時に有効粒径が微細化され、高靭性と優れた耐遅れ破壊特性を有する高強度鋼板が容易に得られるとしている。
特許文献8には、C:0.25〜0.35%、Ni:7〜12%を含み、Si、Mn、P、S,Al、Nを適正量に調整した組成を有し、マルテンサイトあるいは焼戻マルテンサイト組織を有する鋼を加熱し、600℃以下の温度で減面率:30〜80%で加工し、冷却することなく、あるいは冷却したのちAc変態点以上900℃以下の温度に加熱し直ちに冷却する、耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼材の加工熱処理方法が提案されている。特許文献8に記載された技術では、変態後のマルテンサイト組織が微細になるうえ、残留γが拡散性水素を有効にトラップして、耐遅れ破壊特性が格段に向上するとしている。
特開昭60−59019号公報 特開平5−51691号公報 特開昭63−317628号公報 特開平5−148580号公報 特開昭61−223168号公報 特開2002−115024号公報 特開平2−236223号公報 特開平11−71614号公報
しかしながら、特許文献1〜4に記載された技術では、安価に高強度化することができるMnの含有量を低減して耐遅れ破壊性を改善しており、焼入れ性や耐焼戻軟化性を確保するため、MoやCrなどの元素を多量に添加せざるを得ず、製造コストが高騰するという問題があった。また、特許文献5に記載された技術では、耐遅れ破壊性を向上させるため、γ粒度をASTM No.8.5以上としているが、このような組織では遅れ破壊を十分に抑制するまでに至っていないという問題があった。また、特許文献6、特許文献7に記載された技術では、γ未再結晶温度域で強圧下し、直ちに直接焼入れして、所望の組織を得ているが、遅れ破壊を抑制できる微細な圧延組織を安定して確保するためには、圧延中の厳密な温度管理が必要となり、生産能率の低下を招くという問題があった。また、特許文献8に記載された技術では、Niを多量に含有する鋼を素材としており、材料コストが高騰するという問題があった。
本発明は、上記した従来技術の問題を解決し、耐遅れ破壊特性に優れた、安価な高強度厚鋼板を提供することを目的とする。
発明者らは、上記した目的を達成するために、マルテンサイト組織を有する高強度厚鋼板における、耐遅れ破壊特性と旧オーステナイト粒径(以下、旧γ粒径ともいう)の関係について、鋭意研究を重ねた。その結果、旧γ粒径を7μm以下にすることにより、高強度厚鋼板の耐遅れ破壊特性が顕著に向上することを知見した。そして、旧γ粒径を7μm以下とするための方策について鋭意研究した。その結果、鋼素材に、圧延開始温度、好ましくは圧延開始から終了までの温度を、温間または二相域の温度とし、累積圧下率を50%以上とする圧延を施し、微細化した組織を有する厚鋼板としたのち、該厚鋼板に、Ac変態点以上の温度まで急速加熱したのち、焼入れする処理を施すことにより、旧γ粒径が7μm以下のマルテンサイト組織を有する厚鋼板とすることができ、耐遅れ破壊特性が顕著に向上することを知見した。
まず、発明者らが行った本発明の基礎となった実験について説明する。
同一組成で、旧γ粒径が異なる、焼入れままの1200MPa級高強度鋼板を作製した。これら鋼板から、図4に示す形状の遅れ破壊試験片(大きさ:15×10×150mm(角形)、切欠き先端形状:深さ1.5mm×0.2mm幅のソーノッチと1.5mm深さの疲労ノッチ)を採取し、図3に示す試験装置で、片持ち梁式定荷重型遅れ破壊試験を実施した。遅れ破壊試験は、試験片を3.5質量%のNaCl水溶液中に浸漬させ、所定の荷重を負荷し、遅れ破壊の発生の有無を調査した。試験開始後、1000時間経過しても遅れ破壊が生じない最大の応力拡大係数を遅れ破壊発生応力拡大係数として求めた。遅れ破壊発生応力拡大係数が大きいほど、耐遅れ破壊特性に優れていることになる。なお、応力拡大係数は次(1)式を用いて計算した。
応力拡大係数KI(N/mm3/2)=6M(a)1/2/BW2×{1.99−2.47(a/W)+12.97(a/W)2−23.17(a/W)3+24.8(a/W)} ……(1)
(ここで、M:ノッチ部のモーメント、a:ノッチ深さ(3mm)、B:試験片幅(10mm)、W:試験片厚(15mm))
得られた結果を図1に示す。
図1から、旧γ粒径が7μm以下となると、遅れ破壊発生応力拡大係数が急激に増加しており、耐遅れ破壊特性が向上していることがわかる。
また、0.15質量%Cを含有する鋼素材(肉厚:80 mm)に、熱間圧延を施し、板厚:20mmの厚鋼板とした。なお、熱間圧延に際しては、鋼素材の加熱温度を550〜900℃の範囲で種々変化させ、熱間圧延の圧延開始温度を変化させた。なお、圧延は12パスとし、1パスあたりの平均圧下率は10%とした。熱間圧延終了後、室温まで冷却することなく、直ちに900℃まで再加熱し、30s間保持した後、水冷した。
得られた厚鋼板から組織観察用試験片を採取し、圧延方向断面について研磨したのち、ナイタール液で腐食して、組織を調査した。得られた厚鋼板はいずれもマルテンサイト単相組織を有していた。ついで、これら厚鋼板の旧γ粒径を測定した。旧γ粒径の測定は、ピクリン酸水溶液で腐食した組織を光学顕微鏡で撮像し、旧γ粒界を特定したのち、画像解析装置を用いて、旧γ粒の面積を測定し、該面積から円相当径を算出し、得られた各旧γ粒径を算術平均し、旧γ粒の平均粒径とした。なお、旧γ粒粒の測定は、各200個とした。
得られた結果を、旧γ粒径と圧延開始温度との関係で図2に示す。なお、図2の横軸には、使用した鋼素材のAc変態点、Ac変態点を併記した。図2から、圧延開始温度が(Ac変態点−20℃)以下の場合に、旧γ粒径が7μm以下に微細化されることがわかる。
本発明は上記した知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨は、次のとおりである。
(1)質量%で、C:0.05〜0.35%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.8〜2.0%、P:0.020%以下、S:0.005%以下、N:0.01%以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、旧オーステナイト平均粒径が7μm以下のマルテンサイト相または焼戻しマルテンサイト相を主体とする組織を有することを特徴とする耐遅れ破壊特性に優れた高強度厚鋼板。
(2)(1)において、前記マルテンサイト相または前記焼戻しマルテンサイト相の体積分率が、90%以上であることを特徴とする高強度厚鋼板。
(3)(1)または(2)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、B:0.0003〜0.0030%を含有する組成とすることを特徴とする高強度厚鋼板。
(4)(1)ないし(3)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ti:0.005〜0.1%、Nb:0.005〜0.1%、V:0.005〜0.1%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする高強度厚鋼板。
(5)(1)ないし(4)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:0.05〜1.0%、Ni:0.05〜2.0%、Cr:0.05〜1.0%、Mo:0.05〜1.0%、W:0.05〜2.0%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする高強度厚鋼板。
(6)(1)ないし(5)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.0050%、REM:0.0005〜0.0050%のうちから選ばれた1種または2種を含有する組成とすることを特徴とする高強度厚鋼板。
(7)(1)ないし(6)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Al:0.1%以下を含有する組成とすることを特徴とする高強度厚鋼板。
(8)質量%で、C:0.05〜0.35%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.8〜2.0%、P:0.020%以下、S:0.005%以下、N:0.01%以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼素材に、圧延開始温度を(Ac変態点−200℃)以上(Ac変態点−20℃)以下の範囲の温度とし、累積圧下率を50%以上とする圧延を施し、一旦室温まで冷却したのち、または、室温まで冷却することなく圧延終了後直ちに、板厚中央部における平均加熱速度で5℃/s以上の加熱速度で、板厚中央部における温度でAc変態点以上(Ac変態点+100℃)未満の温度域まで加熱し、ついで、板厚中央部における平均冷却速度で10℃/s以上の冷却速度で冷却する焼入れ処理を施すことを特徴とする高強度厚鋼板の製造方法。
(9)(8)において、前記焼入れ処理に加えて、さらに、焼戻温度:300℃以上Ac変態点以下とする焼戻処理を施すことを特徴とする高強度厚鋼板の製造方法。
(10)(8)または(9)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、B:0.0003〜0.0030%を含有する組成とすることを特徴とする高強度厚鋼板の製造方法。
(11)(8)ないし(10)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ti:0.005〜0.1%、Nb:0.005〜0.1%、V:0.005〜0.1%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする高強度厚鋼板の製造方法。
(12)(8)ないし(11)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:0.05〜1.0%、Ni:0.05〜2.0%、Cr:0.05〜1.0%、Mo:0.05〜1.0%、W:0.05〜2.0%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする高強度厚鋼板の製造方法。
(13)(8)ないし(12)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.0050%、REM:0.0005〜0.0050%、のうちから選ばれた1種または2種を含有する組成とすることを特徴とする高強度厚鋼板の製造方法。
(14)(8)ないし(13)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Al:0.1%以下を含有する組成とすることを特徴とする高強度厚鋼板の製造方法。
本発明によれば、高価な合金元素を過度に含有することなく安価に、引張強さ:780MPa以上の高強度、あるいは優れた耐摩耗性と、優れた耐遅れ破壊特性とを兼備した、高強度厚鋼板を製造することができ、産業上格段の効果を奏する。また、本発明によれば、通常、再加熱焼入れ−焼戻し等の複数回の熱処理を経て製造されていた、高強度厚鋼板あるいは耐摩耗厚鋼板を、簡素化された工程で製造でき、生産性が向上するという効果もある。
まず、本発明厚鋼板の組成の限定理由について説明する。なお、以下、とくに断らないかぎり質量%は単に%で表示する。
C:0.05〜0.35%
Cは、鋼の強度確保、表面硬さの確保に寄与する有効な元素であり、このような効果を得るためには、0.05%以上の含有を必要とする。一方、0.35%を超える含有は、溶接性を著しく低下させる。このため、Cは0.05〜0.35%の範囲に規定した。なお、好ましくは、0.05〜0.20%である。また、耐摩耗性が要求される場合には、0.10〜0.30%とすることが好ましい。
Si:0.05〜0.50%
Siは、脱酸剤として作用するとともに、鋼中に固溶し固溶強化により強度増加に有効に寄与する元素である。このような効果を得るためには、0.05%以上の含有を必要とする。一方、0.50%を超える含有は、溶接性を著しく低下させる。このため、Siは0.05〜0.50%の範囲に規定した。なお、好ましくは0.10〜0.45%である。
Mn:0.8〜2.0%
Mnは、鋼中に固溶し固溶強化により安価に強度を増加させる有効な元素であり、このような効果を得るためには、0.8%以上の含有を必要とする。一方、2.0%を超える含有は、溶接性を低下させる。このため、Mnは0.8〜2.0%の範囲に規定した。なお、好ましくは0.8〜1.6%である。
P:0.020%以下
Pは、粒界に偏析し、粒界強度を弱め、耐遅れ破壊特性を低下させる元素であり、本発明ではできるだけ低減することが好ましいが、0.020%までは許容できる。このため、Pは0.020%以下に規定した。なお、好ましくは0.015%以下である。
S:0.005%以下
Sは、鋼中ではMnSとして存在するため、遅れ破壊の起点となりやすく、耐遅れ破壊特性を低下させるため、できるだけ低減することが好ましいが、0.005%までは許容できる。このため、Sは0.005%以下に規定した。なお、好ましくは0.003%以下である。
N:0.01%以下
Nは、固溶して存在する場合には、母材靭性を低下させる元素であり、できるだけ低減することが好ましいが、0.01%までは許容できる。このため、Nは0.01%以下に規定した。なお、好ましくは0.005%以下である。
上記した成分が基本成分であるが、必要に応じて、B、および/または、Ti、Nb、Vのうちから選ばれた1種または2種以上、および/または、Cu、Ni、Cr、Mo、Wのうちから選ばれた1種または2種以上、および/または、Ca、REMのうちから選ばれた1種または2種、および/または、Alを選択して含有することができる。
B:0.0003〜0.0030%
Bは、粒界に偏析し、粒界強度を高め、母材靭性および耐遅れ破壊特性を改善するとともに、さらに、微量含有でも焼入れ性向上に顕著に寄与する元素である。このような効果を得るためには、0.0003%以上含有することが望ましいが、0.0030%を超える含有は、硼化物として析出し、母材靭性を低下させる。このため、Bは0.0003〜0.0030%の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.0005〜0.0022%である。
Ti:0.005〜0.1%、Nb:0.005〜0.1%、V:0.005〜0.1%のうちから選ばれた1種または2種以上
Ti、Nb、Vはいずれも、炭窒化物として析出し、析出強化により鋼の強度を増加させる元素であり、必要に応じ選択して1種または2種以上含有できる。このような効果を得るためには、Ti:0.005%以上、Nb:0.005%以上、V:0.005%以上をそれぞれ含有することが好ましいが、Ti:0.1%、Nb:0.1%、V:0.1%をそれぞれ超える含有は、母材靭性を低下させる。このため、含有する場合には、Ti:0.005〜0.1%、Nb:0.005〜0.1%、V:0.005〜0.1%の範囲にそれぞれ限定することが好ましい。
Cu:0.05〜1.0%、Ni:0.05〜2.0%、Cr:0.05〜1.0%、Mo:0.05〜1.0%、W:0.05〜2.0%のうちから選ばれた1種または2種以上
Cu、Ni、Cr、Mo、Wはいずれも、鋼中に固溶し、固溶強化により鋼の強度向上に寄与する元素であり、必要に応じ選択して1種または2種以上含有できる。このような効果を得るためには、Cu:0.05%以上、Ni:0.05%以上、Cr:0.05%以上、Mo:0.05%以上、W:0.05%以上それぞれ含有することが好ましいが、Cu:1.0%、Ni:2.0%、Cr:1.0%、Mo:1.0%、W:2.0%をそれぞれ超える含有は、材料コストの高騰を招く。このため、Cu:0.05〜1.0%、Ni:0.05〜2.0%、Cr:0.05〜1.0%、Mo:0.05〜1.0%、W:0.05〜2.0%の範囲にそれぞれ限定することが好ましい。
Ca:0.0005〜0.0050%、REM:0.0005〜0.0050%のうちから選ばれた1種または2種
Ca、REMはいずれも、Mnに比べてSとの親和力が強く、鋼中ではCa系硫化物、REM系硫化物を形成し、遅れ破壊の起点となりやすいMnSの低減に有効に寄与する元素であり、必要に応じ選択して1種または2種含有できる。このような効果を得るためには、Ca:0.0005%以上、REM:0.0005%以上、それぞれ含有することが好ましいが、Ca:0.0050%、REM:0.0050%をそれぞれ超える含有は、鋼の清浄度を低下させる。このため、Ca:0.0005〜0.0050%、REM:0.0005〜0.0050%の範囲に限定することが好ましい。
Al:0.1%以下
Alは、脱酸剤として作用するとともに、AlNを形成しNを固定することにより、母材靭性を向上させる元素である。このような効果を得るためには、0.0020%以上含有することが好ましいが、0.1%を超える多量の含有は、鋼の清浄度を低下させる。このため、含有する場合には、Alは0.1%以下に限定することが好ましい。なお、とくに含有しない場合は、Alは不可避的不純物として、0.0020%未満が許容できる。
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。なお、不可避的不純物としては、O:0.040%以下が許容できる。Oは、他の元素と結合し、酸化物を生成することによって、清浄度の低下、母材靭性の低下を招くため、0.040%以下とすることが望ましい。
本発明厚鋼板は、上記した組成を有し、さらに、旧オーステナイト平均粒径が7μm以下のマルテンサイト相または焼戻しマルテンサイト相を主体とする組織を有する。ここでいう、「マルテンサイト相または焼戻しマルテンサイト相を主体とする組織」とは、マルテンサイト相または焼戻しマルテンサイト相の体積分率が、70%以上である組織をいうものとする。マルテンサイト相または焼戻しマルテンサイト相を主体とする組織とすることにより、所望の強度、硬さを確保することができる。なお、所望の強度、硬さを安定して確保するためには、マルテンサイト相または焼戻しマルテンサイト相は、体積率で90%以上とすることが好ましい。マルテンサイト相以外の相は、ベイナイト相とすることがより好ましい。
旧オーステナイト平均粒径:7μm以下
旧γ粒径は、耐遅れ破壊特性に大きく影響する因子であり、本発明ではできるだけ小さくすることが望ましい。旧γ粒径が7μmを超えて大きくなると、図1にも示すように、耐遅れ破壊特性が著しく低下する。このため、本発明では旧γ粒径を7μm以下に規定した。
次に、本発明厚鋼板の好ましい製造方法について説明する。
本発明では、上記した組成を有する鋼素材に、圧延開始温度を温間又は二相域の温度とする圧延を施して厚鋼板とし、該厚鋼板にさらに加熱温度をAc変態点以上とする加熱と、それに続く急冷からなる焼入れ処理を施す。
本発明では、鋼素材に施す圧延は、圧延開始温度を、(Ac変態点−200℃)以上(Ac変態点−20℃)以下の温間又は二相域の温度範囲にて行うものとし、累積圧下率を50%以上とする。
本発明では、鋼素材の加熱温度はとくに限定する必要はないが、圧延開始温度を温間又は二相域の温度とすることができるように加熱温度を選定することが好ましい。このような観点では600〜1350℃の範囲で適宜に選定してよい。
圧延開始温度:(Ac変態点−200℃)以上(Ac変態点−20℃)以下
圧延開始温度が(Ac変態点−200℃)未満では、被圧延材の変形抵抗が大きくなり、圧延機にかかる負荷が大きくなりすぎ、圧延が困難となる。一方、圧延開始温度が(Ac変態点−20℃)を超えて高くなると、組織が粗大化し、旧γ粒径が7μm以下の微細組織を得ることが困難となる。このため、圧延開始温度を(Ac変態点−200℃)以上(Ac変態点−20℃)以下の、温間または二相域の温度に限定した。
なお、Ac変態点は、次(1)式
Ac変態点(℃)=751−26.6C+17.6Si−11.6Mn−22.9Cu−23.0Ni+24.1Cr+22.5Mo+233Nb−39.7V−57Ti−895B−169Al ……(1)
(ここで、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、Nb、V、Ti、B、Al:各合金元素の含有量(質量%))
を用い、Ac変態点は次(2)式
Ac変態点(℃)=937−476.5C+56Si−19.7Mn−16.3Cu−26.6Ni−4.9Cr+38.1Mo+124.8V−136.3Ti−19Nb+198Al+3315B ……(2)
(ここで、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、Ti、Nb、Al、B:各合金元素の含有量(質量%))
を用いて、算出した値を使用するものとする。
圧延開始から終了までの被圧延材(鋼素材)温度を、上記した、(Ac変態点−200℃)以上(Ac変態点−20℃)以下の温度範囲にできればより好ましいが、圧延による加工発熱や、ロール等との接触による抜熱や、雰囲気中への熱放散等により被圧延材(鋼素材)の温度が変化する場合があり、そのため、圧延開始温度を、上記した、(Ac変態点−200℃)以上(Ac変態点−20℃)以下の温度範囲に調整することで、その大半を実現する。
累積圧下率:50%以上
累積圧下率が50%未満では、組織の微細化が難しく、旧γ粒径を7μm以下とすることが困難となる。このため、累積圧下率は50%以上に限定した。なお、本発明における圧延では、圧延パス数を限定する必要はないが、板厚中央部付近まで十分に圧下を加えるために、圧延パス数は少ないほど、すなわち、1パス毎の圧下率が大きいほうが好ましい。なお、好ましくは累積圧下率は60%以上である。
圧延終了後、厚鋼板は、一旦室温まで冷却したのち、または、室温まで冷却することなく圧延終了後直ちに、板厚中央部における温度でAc変態点以上(Ac変態点+100℃)未満の温度域まで加熱される。加熱速度は、板厚中央部における平均加熱速度で5℃/s以上とする。なお、加熱のための装置は、バッチ式の加熱炉や誘導加熱装置などが例示できる。
加熱温度:Ac変態点以上(Ac変態点+100℃)未満
圧延後の加熱における、加熱温度がAc変態点未満では、その後の焼入れ処理でマルテンサイト相を主体とする組織が得られず、所望の強度、硬さを確保できなくなる。一方、加熱温度が(Ac変態点+100℃)以上の高温となると、粒の粗大化が起こり、微細なオーステナイト粒とすることができず、その後の焼入れ処理で平均粒径で7μm以下の微細な旧オーステナイト粒とすることが困難となる。このため、加熱温度はAc変態点以上(Ac変態点+100℃)未満の温度に限定した。なお、好ましくは(Ac変態点+50℃)以下である。加熱温度は、板厚中央部における温度でいうものとする。
平均加熱速度:5℃/s以上
加熱速度が5℃/s未満では、圧延で微細化した組織が粗大化してしまうため、微細なγ粒を確保することが難しく、その後の焼入れ処理にて平均粒径で7μm以下の微細な旧γ粒とすることが困難となる。このため、加熱速度は、板厚中心部における平均加熱速度で5℃/s以上に限定した。なお、加熱速度の上限は、加熱装置の能力に依存して決まるため、とくに限定しない。なお、平均加熱速度とは、加熱開始温度から到達温度までの平均の加熱速度をいうものとする。
上記した加熱を施されたのち、厚鋼板は急冷される焼入れ処理を施される。焼入れの冷却速度は、板厚中央部における平均冷却速度で10℃/s以上とする。
平均冷却速度:10℃/s以上
焼入れの冷却速度が、板厚中央部における平均冷却速度で10℃/s未満では、マルテンサイト相を主体とする組織を確保できにくくなり、所望の強度、靭性を確保できなくなる。このため、焼入れ処理における冷却速度は平均冷却速度で10℃/s以上に限定した。なお、平均冷却速度は、冷却開始から300℃までの平均の冷却速度とする。
本発明では、焼入れ処理を施した後、焼戻処理を行なってもよい。焼戻処理の焼戻温度は、300℃以上Ac変態点以下とすることが好ましい。
焼戻温度:300℃以上Ac変態点以下
焼戻温度を300℃以上とすることにより、焼入れ時に発生した鋼板内の残留応力を軽減することが可能となる。一方、焼戻温度をAc変態点を超える温度にすると、一部逆変態が起こり、所望の強度、硬さを確保できなくなる。このため、焼戻温度は300℃以上Ac変態点以下に限定した。なお、好ましくは300〜700℃である。
(実施例1)
表1に示す組成の溶鋼を、真空溶解炉で溶製し、小型鋼塊(150kg)(鋼素材)とした。これら鋼素材を、表2に示す条件で圧延し、厚鋼板(板厚:12〜32mm)としたのち、室温まで空冷し(空冷有り)、あるいは空冷することなく(空冷無し)圧延後直ちに、表2に示す条件で加熱、焼入れ処理、および焼戻処理を施した。得られた厚鋼板について、組織観察、引張特性、靭性、耐遅れ破壊特性を調査した。試験方法は次のとおりである。
(1)組織観察
得られた厚鋼板から組織観察用試験片を採取し、圧延方向断面を研磨し、ナイタールで腐食したのち、電子顕微鏡で組織を観察し、1/4t位置でマルテンサイト相の体積分率を求めた。また、組織観察用試験片を研磨し、ピクリン酸水溶液により腐食して、光学顕微鏡を用いて、板厚1/4t部の組織について撮像し、旧γ粒径を測定した。詳しくは、旧γ粒界を特定したのち、画像解析装置を用いて、旧γ粒の面積を測定し、該面積から円相当径を算出し、得られた各旧γ粒径を算術平均し、旧γ粒の平均粒径とした。なお、旧γ粒粒の測定は、各200個以上とした。
(2)引張試験
得られた厚鋼板から、JIS Z 2201の規定に準拠して、5号試験片(全厚引張試験片)を採取し、JIS Z 2241の規定に準拠して、引張試験を実施し、引張特性(降伏強さYS、引張強さTS)を求めた。
(3)シャルピー衝撃試験
得られた厚鋼板の板厚1/2t位置から、JIS Z 2202 の規定に準拠して、Vノッチ試験片を採取し、JIS Z 2242の規定に準拠して、シャルピー衝撃試験を実施し、延性−脆性破面遷移温度(vTrs)を求めた。
(4)定荷重遅れ破壊試験
焼戻処理前の焼入れままの厚鋼板から、図4に示す形状の遅れ破壊試験片(大きさ:15×10×150mm(角形)、切欠き先端形状:深さ1.5mm×0.2mm幅のソーノッチと1.5mm深さの疲労ノッチ)を採取し、図3に示す試験装置で、片持ち梁式定荷重型遅れ破壊試験を実施し、耐遅れ破壊特性を評価した。
遅れ破壊試験は、試験片を3.5質量%のNaCl水溶液中に浸漬させ、試験片の圧延方向に対して垂直に所定の荷重を負荷し、遅れ破壊の発生の有無を調査した。試験開始後、1000時間経過しても遅れ破壊が生じない最大の応力拡大係数を遅れ破壊発生応力拡大係数として求めた。なお、応力拡大係数は次(1)式を用いて計算した。
応力拡大係数KI(N/mm3/2)=6M(a)1/2/BW2×{1.99−2.47(a/W)+12.97(a/W)2−23.17(a/W)3+24.8(a/W)} ……(1)
(ここで、M:ノッチ部のモーメント、a:ノッチ深さ(3mm)、B:試験片幅(10mm)、W:試験片厚(15mm))
得られた結果を表4に示す。
本発明例はいずれも、引張強さ:780MPa以上の高強度レベルを有し、かつ、遅れ破壊発生応力拡大係数が980N/mm3/2を上回り、優れた耐遅れ破壊特性を有するとともに、vTrsが−60℃以下と優れた靭性を有する厚鋼板となっている。一方、本発明範囲を外れる比較例は、旧γ粒径が7μmを超えて大きくなり、遅れ破壊発生応力拡大係数が980N/mm3/2以下と、耐遅れ破壊特性が低下している。
(実施例2)
表5に示す組成の溶鋼を、真空溶解炉で溶製し、小型鋼塊(150kg)(鋼素材)とした。
これら鋼素材を、表6に示す条件で圧延し、厚鋼板(板厚:12〜38mm)としたのち、室温まで空冷し(空冷有り)、あるいは空冷することなく(空冷無し)圧延後直ちに、表6に示す条件で加熱、焼入れ処理を施した。得られた厚鋼板について、組織観察、表面硬さ、引張特性、靭性、耐遅れ破壊特性を調査した。試験方法は実施例1と同様とした。なお、表面硬さ測定は次のとおりとした。
(5)表面硬さ測定
得られた厚鋼板について、JIS Z 2243の規定に準拠し、ブリネル硬さ試験機(試験力:29.42kN)を用いて、鋼板表面の硬さHB10/3000を測定した。なお、測定位置は、ランダムに選んだ5点とし、5点の平均値を求め、その鋼板の表面硬さとした。
得られた結果を表8に示す。
本発明例はいずれも、HB360以上の高い表面硬さを有し、かつ、遅れ破壊発生応力拡大係数が980N/mm3/2を上回り、優れた耐遅れ破壊特性を有するとともに、vTrsが−60℃以下と優れた靭性を有する厚鋼板となっている。一方、本発明範囲を外れる比較例は、旧γ粒径が7μmを超えて大きくなり、遅れ破壊発生応力拡大係数が980N/mm3/2以下と、耐遅れ破壊特性が低下している。
遅れ破壊発生応力拡大係数と旧オーステナイト粒径(平均粒径)との関係を示すグラフである。 旧オーステナイト粒径(平均粒径)と圧延開始温度との関係を示すグラフである。 実施例で使用した遅れ破壊試験装置を模式的に示す説明図である。 実施例で使用した遅れ破壊試験片の形状を模式的に示す説明図である。

Claims (14)

  1. 質量%で、
    C:0.05〜0.35%、 Si:0.05〜0.50%、
    Mn:0.8〜2.0%、 P:0.020%以下、
    S:0.005%以下、 N:0.01%以下
    を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、旧オーステナイト平均粒径が7μm以下のマルテンサイト相または焼戻しマルテンサイト相を主体とする組織を有することを特徴とする耐遅れ破壊特性に優れた高強度厚鋼板。
  2. 前記マルテンサイト相または前記焼戻しマルテンサイト相の体積分率が、90%以上であることを特徴とする請求項1に記載の高強度厚鋼板。
  3. 前記組成に加えてさらに、質量%で、B:0.0003〜0.0030%を含有する組成とすることを特徴とする請求項1または2に記載の高強度厚鋼板。
  4. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ti:0.005〜0.1%、Nb:0.005〜0.1%、V:0.005〜0.1%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の高強度厚鋼板。
  5. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:0.05〜1.0%、Ni:0.05〜2.0%、Cr:0.05〜1.0%、Mo:0.05〜1.0%、W:0.05〜2.0%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の高強度厚鋼板。
  6. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.0050%、REM:0.0005〜0.0050%のうちから選ばれた1種または2種を含有する組成とすることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の高強度厚鋼板。
  7. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Al:0.1%以下を含有する組成とすることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の高強度厚鋼板。
  8. 質量%で、
    C:0.05〜0.35%、 Si:0.05〜0.50%、
    Mn:0.8〜2.0%、 P:0.020%以下、
    S:0.005%以下、 N:0.01%以下
    を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼素材に、圧延開始温度を(Ac変態点−200℃)以上(Ac変態点−20℃)以下の範囲の温度とし、累積圧下率を50%以上とする圧延を施し、一旦室温まで冷却したのち、または、室温まで冷却することなく圧延終了後直ちに、板厚中央部における平均加熱速度で5℃/s以上の加熱速度で、板厚中央部における温度でAc変態点以上(Ac変態点+100℃)未満の温度域まで加熱し、ついで、板厚中央部における平均冷却速度で10℃/s以上の冷却速度で冷却する焼入れ処理を施すことを特徴とする高強度厚鋼板の製造方法。
  9. 前記焼入れ処理に加えて、さらに、焼戻温度:300℃以上Ac変態点以下とする焼戻処理を施すことを特徴とする請求項8に記載の高強度厚鋼板の製造方法。
  10. 前記組成に加えてさらに、質量%で、B:0.0003〜0.0030%を含有する組成とすることを特徴とする請求項8または9に記載の高強度厚鋼板の製造方法。
  11. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ti:0.005〜0.1%、Nb:0.005〜0.1%、V:0.005〜0.1%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする請求項8ないし10のいずれかに記載の高強度厚鋼板の製造方法。
  12. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:0.05〜1.0%、Ni:0.05〜2.0%、Cr:0.05〜1.0%、Mo:0.05〜1.0%、W:0.05〜2.0%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする請求項8ないし11のいずれかに記載の高強度厚鋼板の製造方法。
  13. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.0050%、REM:0.0005〜0.0050%のうちから選ばれた1種または2種を含有する組成とすることを特徴とする請求項8ないし12のいずれかに記載の高強度厚鋼板の製造方法。
  14. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Al:0.1%以下を含有する組成とすることを特徴とする請求項8ないし13のいずれかに記載の高強度厚鋼板の製造方法。
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