JP5834534B2 - 高一様伸び特性を備えた高強度低降伏比鋼、その製造方法、および高強度低降伏比溶接鋼管 - Google Patents
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1.鋼組成が質量%で、
C:0.03%超、0.14%以下、
Si:0.01〜0.5%、
Mn:1.0〜4.0%、
Al:0.003〜0.08%、
Nb:0.01〜0.08%、
Ti:0.005〜0.025%
を含有し、さらに
Cu:0.1〜2.0%、
Ni:0.1〜3.0%、
Mo:0.1〜1.0%、
Cr:0.1〜1.0%、
V:0.003〜0.10%、
B:0.0005〜0.0030%
の1種または2種以上を含有し
残部Feおよび不可避的不純物からなり、ミクロ組織が、フェライト主体あるいはベイナイト主体の母相と、前記母相中に分散して存在する第2相とを有し、該第2相は平均アスペクト比が2.0以下の島状マルテンサイトであり、前記第2相の島状マルテンサイトの面積率が5〜20%であり、さらに、前記島状マルテンサイトの90%以上は、母相がフェライト主体である場合にはフェライト粒界に、あるいは、母相がベイナイト主体である場合には旧オーステナイト粒界に存在していることを特徴とする、高一様伸び特性を備えた高強度低降伏比鋼。
2.鋼組成が、
さらに、質量%で、
Ca:0.0005〜0.01%、
REM:0.0005〜0.02%、
Zr:0.0005〜0.01%、
Mg:0.0005〜0.01%、
の1種または2種以上を含有することを特徴とする1記載の高一様伸び特性を備えた高強度低降伏比鋼。
3.鋼組成が、
質量%で、
C:0.03%超、0.14%以下、
Si:0.01〜0.5%、
Mn:1.0〜4.0%、
Al:0.003〜0.08%、
Nb:0.01〜0.08%、
Ti:0.005〜0.025%
を含有し、さらに
Cu:0.1〜2.0%、
Ni:0.1〜3.0%、
Mo:0.1〜1.0%、
Cr:0.1〜1.0%、
V:0.003〜0.10%、
B:0.0005〜0.0030%
の1種または2種以上を含有し
残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼片を、
Ac3以上の温度に加熱し、仕上げ圧延温度Ar3以上の熱間圧延を行った後、冷却停止温度500℃未満の空冷あるいは加速冷却を行い、その後、ただちにAc1以上Ac3以下の温度に再加熱することを特徴とする、高一様伸び特性を備えた高強度低降伏比鋼の製造方法。
4.鋼組成が、
さらに、質量%で、
Ca:0.0005〜0.01%、
REM:0.0005〜0.02%、
Zr:0.0005〜0.01%、
Mg:0.0005〜0.01%、
の1種または2種以上を含有することを特徴とする3記載の高一様伸び特性を備えた高強度低降伏比鋼の製造方法。
5.ミクロ組織が、フェライト主体あるいはベイナイト主体の母相と、前記母相中に分散して存在する第2相とを有し、該第2相は平均アスペクト比が2.0以下の島状マルテンサイトであり、前記第2相の島状マルテンサイトの面積率が5〜20%であり、さらに、前記島状マルテンサイトの90%以上は、母相がフェライト主体である場合にはフェライト粒界に、あるいは、母相がベイナイト主体である場合には旧オーステナイト粒界に存在していることを特徴とする、3または4記載の、高一様伸び特性を備えた高強度低降伏比鋼の製造方法。
6.1または2記載の鋼が母材部で、溶接金属部の組成が、
質量%で、
C:0.06〜0.10%、
Si:0.2〜0.5%、
Mn:1.6〜2.0%、
Al:0.03%以下、
B:0.001〜0.003%、
Nb:0.005〜0.020%、
Ti:0.015〜0.040%、
O:0.015〜0.04%、
N:0.01%以下、
を含有し、さらに
Cu:0.1〜0.3%、
Ni:0.1〜3.5%、
Mo:0.05〜1.5%、
Cr:0.1〜0.4%、
V:0.025〜0.1%、
の1種または2種以上を含有し、
残部Feおよび不可避的不純物からなることを特徴とする高強度低降伏比溶接鋼管。
[成分組成]以下の説明において%は質量%とする。
C:0.03%超、0.14%以下
Cは十分なMA面積率を確保するために0.03%を超える添加が必要である。一方、0.14%を超えて添加すると、セメンタイト、あるいは合金炭化物が生成しやすくなり、一様伸びに悪影響を及ぼすため上限を0.14%とする。
Siは脱酸元素であり0.01%以上の添加でその効果が得られる。一方、0.5%以上の添加をしてもその効果が飽和するため、上限を0.5%とする。
Mnは焼入性向上元素として作用する。さらに、多量に添加することで、フェライト相に固溶できるC量を低減する効果があり、未変態オーステナイト領域へのC濃化を大きくするので、MAの生成量を増加させる。
Alは脱酸元素として作用する。Siと同時添加で十分な脱酸効果を得るためには0.003%以上の添加で十分な脱酸効果が得られる。一方、0.08%を超えて添加すると鋼中の清浄度が低下し、一様伸び低下の原因となるため、上限を0.08%とする。
Nbは熱間圧延中のオーステナイト未再結晶域を拡大し、鋼の焼入れ性向上元素としても作用する。また、Mnと同様に未変態オーステナイト領域へのC濃化を大きくするので、MAの生成量を増加させる。後述するようにミクロ組織において、MAの面積率を5%以上とするためには、少なくとも0.01%以上の添加が必要である。一方、0.08%を超えて添加するとNbCが析出しやすくなり、析出硬化でYRが上昇しやすくなることから、上限を0.08%とする。
Tiは窒化物を形成し、靭性に悪影響を与える、鋼中の固溶N量の低減に有効であるほか、析出したTiNがピンニング効果でオーステナイト粒の粗大化を抑制して、ミクロ組織の粗大化を抑制する。そのような効果を得るため、0.005%以上添加する。
Cu:0.1〜2.0%
Cuは0.1%以上含有することによって焼入性向上元素として作用し、多量のMn添加の代替とすることができる。しかし、2.0%を超えて含有すると、Cuが析出し、その析出硬化でYRが上昇しやすくなることから、含有する場合には上限を2.0%とすることが好ましく、0.5%以下であることがさらに好ましい。
Niは、焼入性向上元素として作用し、添加しても靱性劣化を起こさないため、本発明において有用な元素である。この効果を得るために、0.1%以上含有することが必要であるが、3.0%を超えて含有しても焼入性向上効果が飽和するため、含有する場合には上限を3.0%とすることが好ましく、0.7%以下であることがさらに好ましい。
Moは母材あるいは溶接熱影響部の強度を向上させるため含有させることができる。0.1%以上含有することによって焼入性向上元素として作用し、多量のMn添加の代替とすることができる。しかし、高価な元素であり、かつ1.0%を超えて含有しても強度上昇は飽和するため、含有する場合は、上限を1.0%とすることが好ましく、0.5%以下であることがさらに好ましい。
Crは母材あるいは溶接熱影響部の強度を向上させるため含有させることができる。0.1%以上含有することによって焼入性向上元素として作用し、多量のMn添加の代替とすることができる。しかし、1.0%を超えて含有するとHAZ靱性が著しく劣化するため、含有する場合は、上限を1.0%とすることが好ましく、0.5%以下であることがさらに好ましい。
Vは母材あるいは溶接熱影響部の強度を向上させるため添加することができる。0.003%以上含有することによって、鋼中で炭化物を形成して析出強化により鋼の強度を高めることができる。一方、0.10%を超えて含有すると析出強化が著しく、YRが上昇しやすくなることから、含有する場合には上限を0.10%とすることが好ましく、0.06%以下であることがさらに好ましい。
Bは母材あるいは溶接熱影響部の強度を向上させるため含有させることができる。Bはオーステナイト粒界に偏析してフェライト変態を抑制して、母相(第1相と言うこともある。)組織をベイナイト主体として、引張強度700MPa以上の高強度化を可能とする。フェライト変態抑制効果を得るためには、0.0005%以上含有することが必要であるが、0.0030%を超えて含有しても効果が飽和するため、含有する場合には上限を0.0030%とすることが好ましい。
Caは鋼中の硫化物の形態制御に有効な元素であり、0.0005%以上含有することで延性に有害なMnSの生成を抑制する。一方、0.01%を超えて含有すると、CaO−CaSのクラスターを形成し、かえって延性を劣化させるので、含有する場合は、上限を0.01%とすることが好ましい。
REMは鋼中の硫化物の形態制御に有効な元素であり、0.0005%以上含有することで延性に有害なMnSの生成を抑制する。一方、高価な元素であり、かつ0.02%を超えて含有しても効果が飽和するため、含有する場合は、上限を0.02%とすることが好ましい。
Zrは鋼中で炭窒化物を形成し、オーステナイト粒の粗大化を抑制するピンニング効果をもたらす。十分なピンニング効果を得るためには、0.0005%以上含有することが必要であるが、0.01%を超えて含有すると、鋼中の清浄度が著しく低下し、かえって延性の低下につながるため、含有する場合は、上限を0.01%とすることが好ましい。
Mgは製鋼過程で酸化物を微細化する効果があり、延性低下の原因となる粗大酸化物の抑制に有効である。十分な、酸化物の微細化効果を得るためには0.0005%以上含有することが必要であるが、0.01%を超えて含有しても効果が飽和することから、含有する場合には、上限を0.01%とすることが好ましい。
[ミクロ組織]
本発明では、ミクロ組織を、フェライト主体あるいはベイナイト主体の母相と、前記母相中に分散して存在する第2相とを有し、該第2相は平均アスペクト比が2.0以下の島状マルテンサイトであり、前記第2相の島状マルテンサイトの面積率が5〜20%であり、さらに、前記島状マルテンサイトの90%以上は、母相がフェライト主体である場合にはフェライト粒界に、あるいは、母相がベイナイト主体である場合には旧オーステナイト粒界に存在している組織に規定する。
本発明において規定される鋼の温度条件は、鋼片あるいは鋼板板厚方向平均温度を指すものとする。
熱間圧延の素材であるスラブやインゴットなどの鋼片をオーステナイト化するため、Ac3以上、好ましくは1000℃以上に加熱する。鋼片加熱温度がAc3未満の場合、未変態フェライト等が残存し、熱間圧延・冷却・再加熱後に所定のミクロ組織が得られない。鋼片加熱温度の上限は、母材靱性の観点からは1200℃以下とすることが好ましい。Ac3温度は式(1)で求めることができる。なお、溶鋼から鋼片製造までは常法による。
Ac3=961.6−311.9C+49.5Si−36.4Mn+12.7Al−51Cu−29Ni−8.7Cr+13.5Mo+308.1Nb−140V+318.9Ti+611.2B・・・(1)ただし、各元素記号は含有量(質量%)とする。
鋼片加熱後、所定の板厚・板幅に成形するため、仕上げ圧延温度:Ar3以上の熱間圧延を行う。仕上げ圧延温度がAr3未満まで低下した場合、圧延中に変態生成したフェライトが加工を受けた、加工フェライトが形成される。
Ar3=910−273C−74Mn−56Ni−16Cr−9Mo−5Cu・・・(2)
ただし、各元素記号は含有量(質量%)とする。
熱間圧延後、空冷または加速冷却を実施する。引張強度を700MPa以下とする場合は、ミクロ組織における母相をフェライトとするために空冷を実施する。一方、700MPaを超える引張強度とする場合は、ミクロ組織における母相をベイナイトとするため、加速冷却を実施する。
空冷または加速冷却後、ただちに、開始温度を500℃未満、最高加熱温度をAc1〜Ac3とする再加熱処理を行う。再加熱処理の開始温度はミクロ組織の母相(第1相)を空冷の場合はフェライト主体組織、加速冷却の場合はベイナイト主体組織とするため、500℃を超えないこととする。ここで、空冷または加速冷却後、ただちに、再加熱処理を実施するとは、空冷あるいは加速冷却により鋼板温度が500℃を下回ってから2分以内に後述の再加熱処理を実施することを指すものとする。
Ac1=751−26.6C+17.6Si−11.6Mn−169Al−23Cu−23Ni+24.1Cr+22.5Mo+233Nb−39.7V−5.7Ti−895B・・・(3) ただし、各元素記号は含有量(質量%)とする。
以下の説明において%は質量%とする。
C:0.06〜0.10%
溶接金属においてCは溶接金属高温割れを防止するために0.06%以上必要である。一方、0.10%を超えると、溶接金属のミクロ組織がマルテンサイト主体となり靱性が著しく低下するため、上限を0.10%とする。
Siは溶接金属中では脱酸元素として働き、溶接金属中の酸素量を制御するために必要な元素である。溶接金属中のSiが0.2%未満の場合、脱酸が不十分となり溶接金属中の酸素量が増加し靱性の低下をもたらすため0.2%以上必要である。一方、0.5%を超えると溶接金属靱性にとっては有害なMAの生成が著しくなるため、上限を0.5%とする。
Mnは溶接金属においても焼入性向上元素として作用する。溶接金属の引張強度を母材部と同等かそれ以上(700MPa以上)とするためにはアシキュラフェライトとベイナイトの混合組織にする必要があり、1.6%以上のMnが必要である。一方、2.0%を超えると溶接金属のミクロ組織がマルテンサイト主体となり、靱性が著しく低下するため、上限を2.0%とする。
Alは母材部からの希釈で不可避的不純物として溶接金属中に存在するが、0.03%を超えると後述するTiOの生成を阻害し、溶接金属のアシキュラフェライトの微細化が抑制され優れた低温靱性を得ることができないため、上限を0.03%とする。
Bは溶接金属のオーステナイト粒界からのポリゴナルフェライト生成を抑制し、アシキュラフェライト主体組織とする効果がある。粒界からのポリゴナルフェライト生成を完全に抑制するためには少なくとも0.001%以上必要であるが、0.003%を超えても効果が飽和するため、上限を0.003%とする。
Nbは溶接金属中の固溶NをBより先に窒化物形成することにより、オーステナイト粒界に固溶Bとして存在させるため、少なくとも0.005%以上必要である。一方、0.020%を超えると炭化物を形成し、溶接金属を析出硬化させ靱性の低下をもたらすため、上限を0.020%とする。
Tiは溶接金属中の酸素と反応してTiOを形成し、溶接金属オーステナイト粒内からのアシキュラフェライト変態核として機能する。微細なアシキュラフェライト組織とするためには多数のTiOの生成が必要であり、Tiは少なくとも0.015%以上必要である。一方、0.040%を超えると溶接金属中のTiOが凝集・粗大化してシャルピー衝撃値の低下をもたらすため、上限を0.040%とする。
Oは上述のTiと反応してTiOを形成し、溶接金属オーステナイト粒内からのアシキュラフェライト変態核として機能する。微細なアシキュラフェライト組織とするためには多数のTiOの生成が必要であり、Oは0.015%以上必要である。一方、0.04%を超えると溶接金属中のTiOが凝集・粗大化してシャルピー衝撃値の低下をもたらすため、上限を0.04%とする。
溶接金属中のNは不可避的不純物として存在するが、0.01%を超えて含む場合、固溶して溶接金属靱性を著しく劣化させるため、上限を0.01%とする。
Cuは0.1%以上含有することによって焼入性向上元素として作用し、Mn添加の代替とすることができる。しかし、0.3%を超えるとCu液化割れが著しく溶接欠陥の原因となるため、含有させる場合には上限を0.3%とすることが好ましい。
Niは、焼入性向上元素として作用し、添加しても靱性劣化を起こさないため、溶接金属においても有用な元素である。この効果を得るために、0.1%以上含有することが好ましいが、3.5%を超えると溶接金属の高温割れ感受性が高まり溶接欠陥の原因となるため、含有させる場合には上限を3.5%とすることが好ましく、0.5%以下であることがさらに好ましい。
Moは0.05%以上含有することによって焼入性向上元素として作用し、Mn添加の代替とすることができる。しかし、1.5%を超えて添加すると溶接金属ミクロ組織がマルテンサイト主体となり、著しく靱性が低下するため、含有させる場合には上限を1.5%とすることが好ましく、0.6%以下であることがさらに好ましい。
Crもまた0.1%以上含有することによって焼入性向上元素として作用し、Mn添加の代替とすることができる。しかし、高価な元素であり、かつ0.4%を超えて添加しても強度上昇の効果が飽和するため、含有させる場合には上限を0.4%とすることが好ましい。
Vもまた0.025%以上含有することによって焼入性向上元素として作用し、Mn添加の代替とすることができる。しかし、0.1%を超えて添加すると析出硬化を生じ溶接金属の靱性が低下するため、含有させる場合には上限を0.1%とする。
上記以外の成分は、Feおよび不可避的不純物とすることが好ましい。
Claims (5)
- 鋼組成が、質量%で、
C:0.03%超、0.14%以下、
Si:0.01〜0.5%、
Mn:1.0〜4.0%、
Al:0.003〜0.08%、
Nb:0.01〜0.08%、
Ti:0.005〜0.025%
を含有し、さらに
Cu:0.1〜2.0%、
Ni:0.1〜3.0%、
Mo:0.1〜1.0%、
Cr:0.1〜1.0%、
V:0.003〜0.10%、
B:0.0005〜0.0030%
の1種または2種以上を含有し、
残部Feおよび不可避的不純物からなり、ミクロ組織が、フェライト主体あるいはベイナイト主体の母相と、前記母相中に分散して存在する第2相とを有し、該第2相は平均アスペクト比が2.0以下の島状マルテンサイトであり、前記第2相の島状マルテンサイトの面積率が5〜20%であり、さらに、前記島状マルテンサイトの90%以上は、母相がフェライト主体である場合にはフェライト粒界に、あるいは、母相がベイナイト主体である場合には旧オーステナイト粒界に存在していることを特徴とする、高一様伸び特性を備えた高強度低降伏比鋼。 - 鋼組成が、
さらに、質量%で、
Ca:0.0005〜0.01%、
REM:0.0005〜0.02%、
Zr:0.0005〜0.01%、
Mg:0.0005〜0.01%
の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1記載の高一様伸び特性を備えた高強度低降伏比鋼。 - 鋼組成が、
質量%で、
C:0.03%超、0.14%以下、
Si:0.01〜0.5%、
Mn:1.0〜4.0%、
Al:0.003〜0.08%、
Nb:0.01〜0.08%、
Ti:0.005〜0.025%
を含有し、さらに
Cu:0.1〜2.0%、
Ni:0.1〜3.0%、
Mo:0.1〜1.0%、
Cr:0.1〜1.0%、
V:0.003〜0.10%、
B:0.0005〜0.0030%
の1種または2種以上を含有し、
残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼片を、
Ac3以上の温度に加熱し、仕上げ圧延温度Ar3以上の熱間圧延を行った後、冷却停止温度500℃未満の空冷あるいは加速冷却を行い、その後、鋼板温度が500℃を下回ってから2分以内にAc1以上Ac3以下の温度に再加熱することを特徴とする、ミクロ組織が、フェライト主体あるいはベイナイト主体の母相と、前記母相中に分散して存在する第2相とを有し、該第2相は平均アスペクト比が2.0以下の島状マルテンサイトであり、前記第2相の島状マルテンサイトの面積率が5〜20%であり、さらに、前記島状マルテンサイトの90%以上は、母相がフェライト主体である場合にはフェライト粒界に、あるいは、母相がベイナイト主体である場合には旧オーステナイト粒界に存在している、高一様伸び特性を備えた高強度低降伏比鋼の製造方法。 - 鋼組成が、
さらに、質量%で、
Ca:0.0005〜0.01%、
REM:0.0005〜0.02%、
Zr:0.0005〜0.01%、
Mg:0.0005〜0.01%、
の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項3記載の高一様伸び特性を備えた高強度低降伏比鋼の製造方法。 - 請求項1または2記載の鋼が母材部で、溶接金属部の組成が
質量%で、
C:0.06〜0.10%、
Si:0.2〜0.5%、
Mn:1.6〜2.0%、
Al:0.03%以下、
B:0.001〜0.003%、
Nb:0.005〜0.020%、
Ti:0.015〜0.040%、
O:0.015〜0.04%、
N:0.01%以下、
を含有し、さらに
Cu:0.1〜0.3%、
Ni:0.1〜3.5%、
Mo:0.05〜1.5%、
Cr:0.1〜0.4%、
V:0.025〜0.1%、
の1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなることを特徴とする高強度低降伏比溶接鋼管。
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