JP6475088B2 - 機械部品、ムーブメント、時計および機械部品の製造方法 - Google Patents

機械部品、ムーブメント、時計および機械部品の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、機械部品、ムーブメント、時計および機械部品の製造方法に関するものである。
従来、機械式の時計における歯車等のような小型の機械部品は、機械加工によって製造されていたが、近時では電鋳を利用した製造方法が採用されている。特に近年では、フォトリソグラフィ技術によって電鋳用の成形型を作製するLIGA法(Lithographie Galvanoformung Abformung)を採用することにより、寸法精度のよい機械部品が電鋳により製造されている。
しかし、一般的な電鋳材料であるニッケルは、耐摩耗性に劣ることが知られている。このため、耐摩耗性を要求される機械部品においては、電鋳部品に湿式・乾式めっきによって耐摩耗性に優れる皮膜を形成することがある。また、母材の耐摩耗性を高めるために、例えばDLC(Diamond−Like Carbon)等によりコーティングする技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平11−152560号公報
しかし、特許文献1に記載の技術においては、コーティング時に外形形状へ影響を与えないようにコーティング膜の厚さを管理しつつ製造する必要があるため、製造効率が低下するとともに製造コストが増加するおそれがある。また、母材とコーティング膜との密着性が悪い場合には、機械部品を摺動させたときコーティング膜が剥離して耐摩耗性の効果がなくなるばかりか、剥離したコーティング膜が機械部品の摩耗を促進させるおそれがある。
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、生産性および耐摩耗性に優れた機械部品、ムーブメント、時計および機械部品の製造方法の提供を課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明の機械部品は、ニッケルイオンと添加物のイオンとを含む電鋳液中に成形型を浸漬し、電鋳により形成された機械部品であって、本体部と、前記本体部の少なくとも一部を覆い、他部品と接触する接触部と、を有し、前記接触部は、前記本体部よりも前記添加物の含有量が多いことを特徴としている。
本発明によれば、他部品に対して側面や底面等が接触する機械部品において、接触部の添加物(例えば鉄)の含有量を本体部よりも多くすることにより、耐摩耗性を向上させることができる。また成形型に対応して機械部品を製造できるため、フォトリソグラフィ技術で作製した成形型の精度を維持しつつ機械部品を製造できる。したがって、生産性および耐摩耗性に優れた機械部品を提供できる。
また、前記接触部の前記添加物の含有量は、前記本体部に向かって減少することを特徴としている。
一般に、例えば鉄等の添加物が多い条件で機械部品を電鋳により製造すると、残留応力が大きくなるため、機械部品の反りが大きくなるおそれがある。これに対して、本発明によれば、本体部に向かって添加物の含有量が減少するので、添加物の多い接触部の残留応力による機械部品の反りを抑制できる。また、一般に、例えば鉄等の添加物が多い条件で機械部品を電鋳により製造すると、脆性となるため、機械部品が脆くなるおそれがある。これに対して、本発明によれば、本体部における添加物の含有量を少なくできるので、例えば機械部品に軸等を打ち込む際に、仮に接触部にクラックが発生したとしても本体部が割れるおそれがない。また、本体部と接触部との良好な密着性を確保するとともに、成形後における接触部の残留応力を本体部に分散できるので、接触部が本体部から剥離するのを確実に防止できる。また、添加物の使用量を低減できる。
また、前記接触部の前記添加物の含有量は、前記本体部に向かって段階的に減少してもよい。
また、前記接触部の前記添加物の含有量は、前記本体部に向かって漸次に減少してもよい。
本発明によれば、上述したように、機械部品の反りを抑制できる。また、例えば機械部品に軸等を打ち込む際に、仮に接触部にクラックが発生したとしても本体部が割れるおそれがない。また、接触部が本体部から剥離するのを確実に防止できる。また、添加物の使用量を低減できる。
また、前記接触部の前記添加物は、鉄であり、前記接触部の鉄の含有量は、3wt%以上30wt%以下であってもよい。
また、前記本体部の前記添加物は、鉄であり、前記本体部の鉄の含有量は、0.1wt%以上15wt%以下であってもよい。
また、前記接触部は、前記添加物である鉄とニッケルとにより形成され、前記接触部の鉄の含有量は22wt%であり、前記接触部のニッケルの含有量は78wt%であってもよい。
本発明によれば、添加物として鉄(Fe)を含有することにより、機械部品の保磁力をニッケル(Ni)よりも低くすることができる。また、ニッケル(Ni)と鉄(Fe)との含有比率を調整することにより、機械部品の保磁力を鉄(Fe)や炭素鋼よりも低くすることができる。とりわけ、機械部品の鉄(Fe)とニッケル(Ni)との含有比率が、78パーマロイにおける鉄(Fe)とニッケル(Ni)との含有比率に近くなるように、鉄(Fe)を約22wt%とし、ニッケル(Ni)を約78wt%とすることで、保磁力を大幅に低下させることができる。
このため、機械部品を例えば歯車等の部品として採用した時計は、炭素鋼により形成された従来の時計用部品を採用した時計と比較して、磁化されにくい。したがって、本発明の機械部品を時計に採用することにより、耐磁性に優れた時計とすることができる。
また、本発明の機械部品は、歯車であることを特徴としている。
本発明によれば、歯車において、接触部である歯部等の添加物の含有量を多くすることにより耐摩耗性を向上させることができる。また、成形型の寸法通りに高精度な歯車を製造できる。したがって、生産性および耐摩耗性に優れた歯車を提供できる。
また、本発明のムーブメントは、上述の機械部品を備えることを特徴としている。
また、本発明の時計は、上述のムーブメントを備えることを特徴としている。
本発明によれば、高性能でかつ耐久性に優れた低コストなムーブメントおよび時計を提供できる。
また、本発明の機械部品の製造方法は、前記電鋳液中に前記成形型を浸漬して電鋳を行い、前記接触部を形成する接触部形成工程と、前記電鋳液中で前記成形型を浸漬して電鋳を行い、前記接触部に重ねて前記本体部を形成する本体部形成工程と、を備え、前記接触部形成工程では、前記本体部形成工程よりも前記添加物の析出量が多くなるように電鋳が行われることを特徴としている。
本発明によれば、他部品に対して側面や底面等が接触する機械部品において、接触部の添加物(例えば鉄)の含有量を多くすることにより耐摩耗性を向上させることができる。また成形型に対応して機械部品を製造できるため、フォトリソグラフィ技術で作製した成形型の精度を維持しつつ機械部品を製造できる。このように、生産性および耐摩耗性に優れた機械部品の製造方法を提供できる。また、本発明によれば、同一の電鋳液内にて連続して本体部と接触部を電鋳によって形成することにより、本体部と接触部との間に界面がない機械部品を製造できる。また、本発明によれば、接触部の厚さおよび組成の制御を容易に行うことができる。
本発明によれば、他部品に対して側面や底面等が接触する機械部品において、接触部の添加物(例えば鉄)の含有量を本体部よりも多くすることにより、耐摩耗性を向上させることができる。また成形型に対応して機械部品を製造できるため、フォトリソグラフィ技術で作製した成形型の精度を維持しつつ機械部品を製造できる。したがって、生産性および耐摩耗性に優れた機械部品を提供できる。
第一実施形態に係る機械部品を示す模式図である。 第一実施形態に係る機械部品の鉄の濃度を示す説明図である。 第一実施形態の第一変形例に係る機械部品の説明図である。 第一実施形態の第二変形例に係る機械部品の説明図である。 第一実施形態の第三変形例に係る機械部品の説明図である。 第二実施形態に係る機械部品を示す模式図である。 第二実施形態に係る機械部品の鉄の濃度を示す説明図である。 第三実施形態に係る機械部品の模式図である。 第三実施形態に係る機械部品の鉄の濃度を示す説明図である。 機械部品の製造方法の説明図である。 電鋳装置の概略構成図である。 時計のムーブメント表側の平面図である。
以下、本発明に係る各実施形態の機械部品、ムーブメント、時計および機械部品の製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。以下では、本発明の各実施形態に係る機械部品について説明をした後、第一実施形態に係る機械部品の製造方法、第一実施形態に係る機械部品を備えたムーブメントおよび時計について説明をする。
(第一実施形態)
図1は第一実施形態に係る機械部品を示す模式図であり、図1(a)は機械部品の平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線に沿った断面図である。
図1(a)に示すように、本実施形態の機械部品1は、例えば歯車1Aである。歯車1Aは、ニッケルイオンと添加物である鉄(Fe)イオンとを含む電鋳液41(図11(a)参照)中に成形型30(図11(a)参照)を浸漬し、電鋳により形成された機械部品1であって、本体部2と、本体部2の少なくとも一部を覆い、他部品と接触する接触部3と、を有している。
機械部品1の中心部には、例えば軸(図示せず)が嵌合される貫通孔4が設けられている。機械部品1の外周面には、複数の歯部5が形成されている。
接触部3は、機械部品1の側面6、底面7および貫通孔4の内面に対応して、本体部2を覆うように設けられている。
図2は、第一実施形態に係る機械部品の鉄(Fe)の濃度を示す説明図であって、図2(a)は第一実施形態に係る機械部品の拡大断面図であり、図2(b)は図2(a)のB−Bに沿う機械部品の鉄(Fe)の濃度を示す図である。なお、図2(b)において、横軸を側面6からの距離とし、縦軸を鉄(Fe)の濃度としている。
図2(b)に示すように、第一実施形態に係る機械部品1は、接触部3の鉄の含有量が本体部2に向かって減少する。
鉄の濃度は、接触部3で略一定であり、本体部2で大幅に減少する。より具体的には、接触部3における鉄の濃度は、側面6および貫通孔4の内面から本体部2に向かって、最大値で略一定となっている。また、鉄の濃度は、本体部2において、最小値で略一定となっている。
ここで、物体に働く応力緩和について着目する。応力緩和とは、例えば、物体に一定のひずみを与えてそのまま保持するとき、物体の応力が経過時間とともに次第に低下する現象等をいう。そして、応力緩和率は、応力緩和の生じやすさを示すものとする。
そして、添加物としての鉄(Fe)の含有量が多くなるにしたがい、応力緩和率が低くなり応力緩和が生じにくくなる。これに対して、添加物の含有量が多い条件で機械部品1を電鋳により製造すると、残留応力が大きくなるため反りが大きくなるおそれがある。機械部品1の応力緩和率が上昇すると、例えば貫通孔4に軸を嵌合(圧入)したときの嵌合力が低下し、機械部品1の抜け等の不具合が発生するおそれがある。かかる嵌合力は、時間の経過とともにさらに低下するため、この抜け等の不具合は、時間の経過とともに拡大(発生の頻度が上昇等)してしまうおそれがある。
そこで、添加物としての鉄(Fe)の含有量を制御することにより、機械部品1の反りを抑制しつつ、応力緩和率の上昇に起因する機械部品1の抜け等の不具合を防止する構成とした。
具体的には、上述の通り、側面6や底面7、貫通孔4等の他部品と接触する接触部3は、本体部2よりも鉄(Fe)の含有量が多くなっている。このように、本体部2の鉄(Fe)の含有量を抑制することで機械部品1の反りを抑制しつつ、接触部3の鉄(Fe)の含有量を本体部2よりも多くすることで応力緩和率の上昇を抑制し、応力緩和に起因する機械部品1の抜け等の不具合を防止できる。
なお、添加物としては、鉄(Fe)以外にホウ素(B)、リン(P)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、タングステン(W)等を例示できる。また、接触部3の厚さは、0.1〜20μm程度となっている。また、接触部3(鉄の濃度が高い部分)の添加物である鉄(Fe)の含有量は、3wt%以上30wt%以下とするのが好ましい。また、本体部2(鉄の濃度が低い部分)の添加物である鉄(Fe)の含有量は、0.1wt%以上15wt%以下とするのが好ましい。
ここで、物体の保磁力について着目する。保磁力とは、例えば、磁化された磁性体を磁化されていない状態に戻すために必要な反対向きの外部磁場の強さをいう。したがって、物体の保磁力の値が高ければ、その物体は大きな磁力を有していることとなる。
ここで、「物理学選書4 強磁性体の物理(上)−物質の磁性−、近角聰信、裳華房、ISBN4−7853−2304−3」によれば、ニッケル(Ni)の保磁力は0.7×103/4π(A/m)であり、鉄(Fe)の保磁力は1.8×103/4π(A/m)であり、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)合金であってニッケル(Ni)の含有量が約78wt%のいわゆる78パーマロイ(パーマロイA)の保磁力は0.05×103/4π(A/m)であり、「材料学シリーズ 磁性入門 スピンから磁石まで、志賀正幸、内田老鶴圃、ISBN978−4−7536−5630−1」によれば、炭素鋼(0.9C1Mn)の保磁力は50×103/4π(A/m)である。
本実施形態によれば、添加物として鉄(Fe)を含有することにより、機械部品1の保磁力をニッケル(Ni)よりも低くすることができる。また、ニッケル(Ni)と鉄(Fe)との含有比率を調整することにより、機械部品1の保磁力を鉄(Fe)や炭素鋼(よりも低くすることができる。とりわけ、機械部品1の鉄(Fe)とニッケル(Ni)との含有比率が、78パーマロイにおける鉄(Fe)とニッケル(Ni)との含有比率に近くなるように、鉄(Fe)を約22wt%とし、ニッケル(Ni)を約78wt%とすることで、保磁力を大幅に低下させることができる。
このため、機械部品1を例えば歯車等の部品として採用した時計は、炭素鋼により形成された従来の時計用部品を採用した時計と比較して、磁化されにくい。したがって、本実施形態の機械部品1を時計に採用することにより、耐磁性に優れた時計とすることができる。
第一実施形態の機械部品1によれば、接触部3である側面6、底面7および貫通孔4の内面が他部品と接触や摺動等する場合であっても、接触部3の添加物である鉄の含有量を本体部2よりも多くすることにより、耐摩耗性を向上させることができる。また成形型に対応して機械部品1を製造できるため、フォトリソグラフィ技術で作製した成形型の精度を維持しつつ機械部品1を製造できる。したがって、生産性および耐摩耗性に優れた機械部品1を提供できる。
なお、ここで生産性とは、例えば、ある資源から付加価値を生み出す際の効率の程度等をいう。そして、生産性が優れているとは、例えば、製造効率が上昇することにより、無駄な生産コストを削減すること等をいう。
(第一実施形態の各変形例)
続いて、第一実施形態の機械部品の各変形例について説明する。
図3は、第一実施形態の第一変形例に係る機械部品の説明図であり、図3(a)は第一実施形態の第一変形例に係る機械部品の拡大断面図であり、図3(b)は図3(a)のC−C線に沿う機械部品の鉄(Fe)の濃度を示す図である。なお、図3(b)において、横軸を側面6からの距離とし、縦軸を鉄(Fe)の濃度としている。
図3(b)に示すように、第一実施形態の第一変形例に係る機械部品1は、接触部3における鉄の濃度が、側面6および貫通孔4の内面から、本体部2に向かって段階的に減少する。また、鉄の濃度は、本体部2において最小値で略一定となっている。なお、鉄の濃度は、図3(b)において2段階に減少しているが、3段階以上で減少するようにしてもよい。
図4は、第一実施形態の第二変形例に係る機械部品の説明図であり、図4(a)は第一実施形態の第二変形例に係る機械部品の拡大断面図であり、図4(b)は図4(a)のD−D線に沿う機械部品の鉄(Fe)の濃度を示す図である。なお、図4(b)において、横軸を側面6からの距離とし、縦軸を鉄(Fe)の濃度としている。
図4(b)に示すように、第一実施形態の第二変形例に係る機械部品1は、接触部3における鉄の濃度が、側面6および貫通孔4の内面から、本体部2に向かって漸次減少する。この場合は、接触部3の残留応力が緩和されるため、接触部3がさらに本体部2から剥離しにくくなる。
図5は、第一実施形態の第三変形例に係る機械部品の説明図であり、図5(a)は第一実施形態の第三変形例に係る機械部品の拡大断面図であり、図5(b)は図5(a)のE−E線に沿う機械部品の鉄(Fe)の濃度を示す図である。なお、図5(b)において、横軸を側面6からの距離とし、縦軸を鉄(Fe)の濃度としている。
図5(b)に示すように、第一実施形態の第三変形例に係る機械部品1は、接触部3から本体部2にわたる鉄の濃度が、本体部2の内部であって側面6と貫通孔4の内面との中間位置に向かって漸次減少する。この場合においても、接触部3の残留応力が緩和されるため、接触部3が本体部2からさらに剥離しにくくなる。
(他の実施形態)
続いて、他の実施形態に係る機械部品について説明する。なお、以下の説明において、第一実施形態と同様の構成については、同一の符号を付けてその説明を省略する。
(第二実施形態)
図6は第二実施形態に係る機械部品を示す模式図であり、図6(a)は機械部品の平面図であり、図6(b)は図6(a)のF−F線に沿った断面図である。
図7は、第二実施形態に係る機械部品の鉄の濃度を示す説明図であって、図7(a)は第二実施形態に係る機械部品の拡大断面図であり、図7(b)は図7(a)のG−Gに沿う機械部品の鉄(Fe)の濃度を示す図である。なお、図7(b)において、横軸を側面6からの距離とし、縦軸を鉄(Fe)の濃度としている。
図6に示すように、第二実施形態に係る機械部品10は、歯車10Aであり、本体部2の上面11に円環状の空洞部12が形成されている点で、第一実施形態と相違する。
図7(b)に示すように、本体部2および接触部3の鉄の濃度分布は、第一実施形態と同様となっている。すなわち、鉄の濃度は、接触部3で略一定であり、本体部2で大幅に減少する。より具体的には、接触部3における鉄の濃度は、側面6および貫通孔4の内面から本体部2に向かって、最大値で略一定となっている。また、鉄の濃度は、本体部2において、最小値で略一定となっている。第二実施形態によれば、機械部品10の軽量化が可能である。
(第三実施形態)
図8は第三実施形態に係る機械部品を示す模式図であり、図8(a)は機械部品の平面図であり、図8(b)は図8(a)のH−H線に沿った断面図である。
図9は、第三実施形態に係る機械部品の鉄の濃度を示す説明図であって、図9(a)は第三実施形態に係る機械部品の拡大断面図であり、図9(b)は図9(a)のI−I線に沿う機械部品の鉄(Fe)の濃度を示す図である。なお、図9(b)において、横軸を側面6からの距離とし、縦軸を鉄(Fe)の濃度としている。
図8に示すように、機械部品20は、歯車20Aであり、本体部2の上面22に接触部3として環状の接触部3bが設けられている点で第一実施形態と相違する。環状の接触部3bには、例えば摺動部品としてのクラッチバネ21が接触する。
図9(b)に示すように、鉄の濃度は、接触部3で略一定であり、本体部2で大幅に減少する。より具体的には、側面6および貫通孔4の内面に対応する接触部3aの鉄の濃度は、側面6および貫通孔4の内面から本体部2に向かって漸次減少している。また、本体部2の上面22に対応する環状の接触部3bの鉄の濃度は、クラッチバネ21と接触する中央部分が最大濃度となり、中央部分から本体部2に向かって大幅に減少している。
第三実施形態の機械部品20によれば、クラッチバネ21と接触する部分にも、鉄の含有量が多く耐摩耗性が高い環状の接触部3bが設けられているので、歯車20Aの上面22がクラッチバネ21と接触しても、摩耗を抑制できる。
(機械部品の製造方法)
続いて、実施形態に係る機械部品の製造方法について説明する。以下では、第一実施形態に係る機械部品の製造方法について説明する。
図10は、機械部品の製造方法の説明図である。
図11は、電鋳装置の概略構成図である。
図10に示すように、機械部品の製造方法は、成形型30を形成する成形型形成工程(図10(a)参照)と、成形型30に電極膜32を形成する電極膜形成工程(図10(b)参照)と、接触部3を形成する接触部形成工程(図10(c)参照)と、接触部3に重ねてのちの本体部2となる本体母体50を形成する本体部形成工程(図10(d)参照)と、本体母体50および接触部3を研磨する研磨工程(図10(e)参照)と、機械部品1を取り出す取出工程(図10(f)参照)と、を備える。
以下に、機械部品の製造方法の各工程の詳細について説明する。
まず、図10(a)に示すように、成形型形成工程を行う。成形型形成工程では、機械部品1(図1(a)参照)の外形形状を成形するための成形型30を形成する。成形型30は、機械部品1の外形形状を成形する機械パターン31としての凹部30a、および凹部30aから立設されて貫通孔4(図1(b)参照)を成形するための柱部30bを備えている。
なお、成形型30となる基材の材料としては、レジストやシリコン(Si)、ステンレス等、種々の材料を用いることが可能である。これらの材料のうち、レジストやシリコン等を基材に用いた場合には、フォトリソグラフィ技術を利用してエッチングを行うことで成形型30の機械パターン31を形成し、ステンレス等を基材に用いた場合には、レーザ等を用いて成形型30の機械パターン31を形成することが可能である。また、成形型30には、上記の機械パターン31が行列方向に沿って複数形成されているのが好ましい。この好ましい形態においては、例えば、一の工程で、複数の部品(本実施形態では機械部品1)を製造することができるため、生産性が向上するといった利点がある。
次に、図10(b)に示すように、電極膜形成工程を行う。電極膜形成工程では、例えばPVD法やCVD法(化学気相成長法)等の成膜法により、成形型30の機械パターン31面上に電極膜32を形成する。本実施形態では、厚さが例えば10〜500nm程度の銅等の金属材料からなる電極膜32を、成形型30における機械パターン31面全体(凹部30aの内面および表面)にわたって形成する。電極膜32の厚さは極薄いため、成形型30に形成された機械パターン31の形状に影響のないものである。なお、電極膜32の材料としては、金、チタン、クロム等、導電性を有する各種材料を用いることが可能である。なお、成形型30の材料として導電性材料を選択した場合は、本工程は省略してもよい。
次に、図10(c)に示すように、接触部形成工程を行う。接触部形成工程では、図11に示す電鋳装置40を用いて、成形型30における機械パターン31上に、接触部3を形成する。
ここで、電鋳装置40について説明する。
図11(a)に示すように、電鋳装置40は、ニッケルイオンと添加物である鉄イオンとを含む電鋳液41が貯液された電鋳槽42と、不溶性の導電性材料もしくは電鋳すべき金属材料である例えばニッケルと鉄の少なくともどちらか一方を含む材料からなり電鋳液41内に浸漬された電極43と、電極43および成形型30に形成された電極膜32間に電気配線44を介してそれぞれ接続される電源部45と、を備えている。
電鋳装置40は、電源部45の陽極側に電極43が接続され、陰極側に電極膜32が接続されている。また、電鋳液41は、電鋳材料に応じて選択されるが、ニッケル合金電鋳を行う場合には、例えばスルファミン酸浴、ワット浴や硫酸浴等が用いられる。仮にスルファミン酸浴を用いてニッケル鉄合金電鋳を行う場合には、例えば電鋳槽42の中にスルファミン酸ニッケル水和塩とスルファミン酸鉄水和塩とを主成分とするスルファミン酸浴を入れる。
このように構成された電鋳装置40を利用して、鉄の含有量を調整しながら、接触部形成工程を行う。
図11(a)に示すように、接触部形成工程では、まず成形型30を電鋳装置40にセットする。次いで、図11(b)に示すように、成形型30の機械パターン31上の電極膜32上に、接触部3を形成する。接触部形成工程では、電鋳槽42内に貯液された電鋳液41中に成形型30を浸漬させた後、電源部45を作動させて、電極43と電極膜32との間に電圧を印加する。
ここで、析出される接触部3の鉄の含有量は、成形型30の電流密度(成形型30における単位面積当たりに流れる電流量)、電鋳液41の撹拌回数および電鋳液41中のニッケルイオンに対する鉄イオンの割合により制御される。具体的には、成形型30の電流密度が小さい程、接触部3の鉄の含有量が多くなる。また、電鋳液41中のニッケルイオンに対する鉄イオンの割合が多い程、接触部3の鉄の含有量が多くなる。また、電鋳液41の撹拌回数が多い程、接触部3の鉄の含有量が多くなる。さらに、接触部3の厚さは、成形型30の電流密度と電鋳時間とにより制御できる。
接触部形成工程では、電極43と電極膜32との間に電圧を印加すると、電鋳液41に含まれるニッケルイオンと鉄イオンとがスルファミン酸浴中を移動し、電鋳液41内にてニッケル鉄合金が電極膜32上に金属として析出する。接触部3の形成は、上記のように成形型30の電流密度、電鋳液41中のニッケルイオンに対する鉄イオンの割合、および電鋳液の撹拌回数の少なくともいずれかを制御することにより、所望の鉄の含有量となるように行われる。
続いて、図10(d)に示すように、本体部形成工程を行う。図11(b)に示すように、本体部形成工程では、接触部形成工程の終了後、電鋳液41中に成形型30を浸漬したまま、成形型30の電流密度、電鋳液41中のニッケルイオンに対する鉄イオンの割合、および電鋳液41の撹拌回数の少なくともいずれかを制御することにより、のちの本体部2となる本体母体50を形成する。
本体部形成工程では、本体母体50における鉄の含有量が、接触部3よりも少なくなるように、成形型30の電流密度、電鋳液41中のニッケルイオンに対する鉄イオンの割合および電鋳液の撹拌回数のいずれかを制御しながら行う。具体的には、成形型30の電流密度が大きい程、本体部2の鉄の含有量が少なくなる。また、電鋳液41中のニッケルイオンに対する鉄イオンの割合が少ない程、本体部2の鉄の含有量が少なくなる。また、電鋳液41の撹拌回数が少ない程、本体部2の鉄の含有量が少なくなる。
本体部形成工程では、接触部形成工程と同様に、電極43と電極膜32との間に電圧を印加すると、電鋳液41に含まれるニッケルイオンと鉄イオンとがスルファミン酸浴中を移動し、電鋳液41内にてニッケル鉄合金が接触部3上に金属として析出する。本体母体50の形成は、上記のように成形型30の電流密度、電鋳液41中のニッケルイオンに対する鉄イオンの割合、および電鋳液の撹拌回数の少なくともいずれかを制御することにより、鉄の含有量が接触部3よりも少なくなるように行われる。換言すれば、接触部形成工程と本体部形成工程とを比較した場合、接触部形成工程では、本体部形成工程よりも鉄の析出量が多くなるように電鋳が行われる。
本実施形態では、成形型30における機械パターン31の主面全体(凹部30a内および表面上)に、接触部3に重なるように本体母体50が形成される。本体母体50は、少なくとも成形型30の凹部30aが埋まるまで成長させる。
本体母体50が形成された時点で、接触部形成工程および本体部形成工程が終了する。
なお、上述のように、接触部形成行程と本体部形成行程とは、電鋳液41に浸漬させたままの状態で連続的に行うのが好ましい。これにより、工程時間の短縮化が図れる。また、成形型30を導電体で形成した場合には、電極膜32を形成することなく、電極43と成形型30との間に電圧を印加することにより電鋳を行ってもよい。
次に、図10(e)に示すように、研磨工程を行う。研磨工程では、本体母体50および接触部3の研磨を行う。ここでは、本体母体50が形成された成形型30を電鋳槽42(図11(a)参照)から取り出した後、本体母体50が所定の厚さとなるように成形型30ごと研磨を行う。本実施形態では、成形型30の上面よりも上に形成された電極膜32、接触部3および本体母体50が除去されるように(すなわち、成形型30の凹部30a内に形成された接触部3、電極膜32および本体母体50が残存するように)研磨を行う。これにより、成形型30の機械パターン31内に、接触部3および本体部2を有する機械部品1が形成される。なお、研磨工程では、図10(e)の工程の後、盤付け研磨等により接触部3および本体部2が所望の寸法となるように加工してもよい。
最後に、図10(f)に示すように、取出工程を行う。取出工程では、成形型30の機械パターン31内に残存する機械部品1を成形型30から取り出す。ここでは、成形型30および電極膜32を溶解等によって除去する。これにより、接触部3および本体部2が一体となった機械部品1が完成する。
なお、機械部品1の取出工程は、溶解に限らず、物理的な方法を用いても構わない。また、成形型30としてステンレス等の溶解不能な材料を用いた場合には、例えば少なくとも機械パターン31(図10(a)参照)の凹部30a内に離型層(不図示)を形成し、離型層上に接触部3および本体部2を形成することが好ましい。この場合には、取出工程において、成形型30と電極膜32との間に介在する離型層のみを除去することで、機械部品1を成形型30から取り出すことができる。
このように製造された機械部品1は、成形型30の機械パターン31内面に対応する面に接触部3が形成される。また、機械部品1は、成形型30の柱部30bに対応する部分に、厚さ方向に貫通する貫通孔4が形成される。以上で、機械部品1の製造方法の全工程が終了するとともに、歯車1Aとしての機械部品1を得ることができる。
本実施形態の機械部品1の製造方法によれば、他部品に対して側面6や底面7等が接触する機械部品1において、接触部3の鉄の含有量を本体部2の鉄の含有量よりも多くすることにより耐摩耗性を向上させることができる。また成形型30に対応して機械部品1を製造できるため、フォトリソグラフィ技術で作製した成形型30の精度を維持しつつ機械部品1を製造できる。このように、生産性および耐摩耗性に優れた機械部品1の製造方法を提供できる。また、本実施形態によれば、同一の電鋳液41内にて連続して本体部2と接触部3を電鋳によって形成することにより、本体部2と接触部3との間に界面がない機械部品1を製造できる。また、本実施形態によれば、成形型30の電流密度、電鋳液41中のニッケルイオンに対する鉄イオンの割合、および電鋳液41の撹拌回数の少なくともいずれかを制御することにより、接触部3および本体部2の組成(すなわち鉄の含有量)の制御を容易に行うことができる。さらに、成形型30の電流密度と電鋳時間と制御することにより、接触部3の厚さを容易に調整して形成できる。
(時計およびムーブメント)
次に、上述した各実施形態に係る機械部品を使用する装置の一例として、ムーブメントおよび時計について説明する。
一般に、時計の駆動部分を含む機械体を「ムーブメント」と称する。時計の基板を構成する地板の両側のうち、時計ケースのガラスのある方の側、すなわち文字板のある方の側をムーブメントの「裏側」と称する。また、地板の両側のうち、時計ケースのケース裏蓋のある方の側、すなわち文字板と反対の側をムーブメントの「表側」と称する。
図12は、時計のムーブメント表側の平面図である。
図12に示すように、時計100のムーブメント100Aは、基板を構成する地板102を有している。地板102の巻真案内穴102aには、巻真110が回転可能に組み込まれている。また、ムーブメント100Aには、不図示の文字板が取り付けられている。なお、ムーブメント100Aの表側に組み込まれる輪列を表輪列と称し、ムーブメント100Aの裏側に組み込まれる輪列を裏輪列と称する。
巻真110の軸線方向の位置は、おしどり190、かんぬき192、かんぬきばね194、裏押さえ196を含む切換装置によりが決められている。きち車112は、巻真110の案内軸部に回転可能に設けられている。きち車112は、巻真110をムーブメント100Aの内側に一番近い方の第1の巻真位置(0段目)にある状態で回転させると、図示しないつづみ車の回転を介して回転する。丸穴車114は、きち車112の回転により回転する。また、角穴車116は、丸穴車114の回転により回転する。香箱車120に収容された不図示のぜんまいは、角穴車116が回転することにより巻き上げられる。
二番車124は、香箱車120の回転により回転する。がんぎ車130は、四番車128、三番車126、二番車124の回転を介して回転する。これら香箱車120、二番車124、三番車126および四番車128は、表輪列を構成する。
表輪列の回転を制御するための脱進・調速装置は、てんぷ140と、がんぎ車130と、アンクル142とで構成されている。てんぷ140は、地板102およびてんぷ受166に対して回転可能に支持されている。
第一実施形態に係る機械部品1としての歯車1Aは、例えば二番車124や三番車126、四番車128、がんぎ車130等に採用される。
本実施形態の時計100およびムーブメント100Aによれば、寸法精度がよく、生産性および耐摩耗性に優れた機械部品1を備えているので、高性能でかつ耐久性に優れた低コストなムーブメント100Aおよび時計100を提供できる。
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上述した各実施形態では、接触部3の一例として、機械部品1の側面6、底面7および貫通孔4の内面に対応して、本体部2を覆うように設けられているが、この形態には限定されない。例えば、接触部3は、機械部品1の側面6のみ、底面7のみ、または貫通孔4の内面のみに対応して設けられていてもよいし、機械部品1の側面6の一部領域のみ、底面7の一部領域のみ、または貫通孔4の内面の一部領域のみに対応して設けられていてもよいし、これらを種々組み合わせた部分に設けられていてもよい。
また、本体部2の一部分における添加物の含有量または含有比率が接触部3の添加物の含有量または含有比率と同一か、それよりも多くなってしまった場合であっても、接触部3の全体における添加物の含有量または含有比率が本体部2の全体における添加物の含有量または含有比率よりも多くなっていればよいことはいうまでもない。
例えば、上述した各実施形態では、機械部品1,10,20として歯車1A,10A,20Aについて説明したが、本発明はこれに限らず、歯車1A,10A,20A以外の時計100用の機械部品(アンクルやてんぷ、クラッチバネ、がんぎ車等)や、その他の機械部品についても適用できる。
例えば、機械部品1,10,20を熱処理してもよい。機械部品1,10,20を熱処理することにより、機械部品1,10,20のヤング率が向上するため、例えば貫通孔4に軸を嵌合(圧入)したときに、嵌合力を大きく確保できる。これにより、軸に対する機械部品1,10,20の抜け荷重を大きく確保できるので、軸に対して機械部品をより強固に固定できる。また、機械部品1,10,20の表面の少なくとも一部に耐摩耗性を有するメッキを施してもよい。これにより、機械部品1,10,20の耐摩耗性をさらに向上させることができる。
各実施形態においては、添加物が鉄(Fe)である場合について説明をしたが、これに限定されることはなく、例えばホウ素(B)やリン(P)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、タングステン(W)等であってもよい。したがって、機械部品1,10,20は、ニッケル鉄合金に限定されることはなく、ニッケルホウ素合金やニッケルリン合金、ニッケルマンガン合金、ニッケルコバルト合金、ニッケルタングステン合金等により形成されていてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1,10,20・・・機械部品 1A,10A,20A・・・歯車 2・・・本体部 3,3a,3b・・・接触部 41・・・電鋳液 100・・・時計 100A・・・ムーブメント

Claims (11)

  1. ニッケルイオンと添加物のイオンとを含む電鋳液中に成形型を浸漬し、電鋳により形成された機械部品であって、
    本体部と、
    前記本体部の少なくとも一部を覆い、他部品と接触する接触部と、
    を有し、
    前記接触部は、前記本体部よりも前記添加物の含有量が多いことを特徴とする機械部品。
  2. 前記接触部の前記添加物の含有量は、前記本体部に向かって減少することを特徴とする請求項1に記載の機械部品。
  3. 前記接触部の前記添加物の含有量は、前記本体部に向かって段階的に減少することを特徴とする請求項2に記載の機械部品。
  4. 前記接触部の前記添加物の含有量は、前記本体部に向かって漸次に減少することを特徴とする請求項2に記載の機械部品。
  5. 前記接触部の前記添加物は、鉄であり、
    前記接触部の鉄の含有量は、3wt%以上30wt%以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の機械部品。
  6. 前記本体部の前記添加物は、鉄であり、
    前記本体部の鉄の含有量は、0.1wt%以上15wt%以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の機械部品。
  7. 前記接触部は、前記添加物である鉄とニッケルとにより形成され、
    前記接触部の鉄の含有量は22wt%であり、前記接触部のニッケルの含有量は78wt%であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の機械部品。
  8. 前記機械部品は歯車であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の機械部品。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の機械部品を備えたムーブメント。
  10. 請求項9に記載のムーブメントを備えた時計。
  11. 請求項1から8のいずれか1項に記載の機械部品を製造する機械部品の製造方法であって、
    前記電鋳液中に前記成形型を浸漬して電鋳を行い、前記接触部を形成する接触部形成工程と、
    前記電鋳液中で前記成形型を浸漬して電鋳を行い、前記接触部に重ねて前記本体部を形成する本体部形成工程と、
    を備え、
    前記接触部形成工程では、前記本体部形成工程よりも前記添加物の析出量が多くなるように電鋳が行われることを特徴とする機械部品の製造方法。
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