JP5231769B2 - 電鋳型、電鋳型の製造方法、時計用部品、および時計 - Google Patents

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本発明は電鋳に関し、電鋳型、電鋳型の製造方法、およびその電鋳型で電鋳された時計用部品に関する。
時計用部品である小型歯車等は、プレス加工や切削加工により製造されている(例えば、特許文献1参照。)。また、特に機械式時計においては、機械式時計の脱進調速機のガンギ車用の歯車としても、小型歯車が用いられており、より高い精度の加工が求められている。
また、小型歯車を製造する方法としては以上の他に、基材として単結晶のシリコンウエハを用いフォトリソグラフィの技術を使用する方法(例えば、特許文献2参照。)、合成樹脂を射出成形する方法(例えば、特許文献3参照。)、電鋳によって製造する方法(例えば、特許文献4参照。)が知られている。
特開2003−194964号公報(第3頁、図2) 特開2002−276771号公報(第8〜第9頁、図6) 特開平6−123783号公報(第3〜第4頁、図3) 特開2006−64575号公報(第3〜第6頁、図4、5)
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、プレス抜きした基材を重ねて歯割加工を行った後、一枚ずつ歯先円を基準として中心穴抜き加工を行うため、基材の歯先円径のばらつきによって、それぞれの基材の中心穴位置が偏心するという精度低下の問題がある。
特許文献2に記載された技術では、フォトリソグラフィの技術を使用することで寸法精度のよい歯車が得られる。しかし、基材の単結晶のシリコンウエハは異方性結晶であり、へき開する結晶面を持つために割れやすい。割れないような強度を確保するためには基材を厚くする必要があるので、薄い歯車は作れないという問題点がある。
特許文献3に記載された技術では、射出成形時における合成樹脂の収縮のため高精度な歯車を成形することは困難である。また、十分な強度が得られないため薄い歯車は作れないという問題がある。
特許文献4に記載された技術では、フォトリソグラフィの技術を使用することで高い寸法精度の歯車が得られる。さらに、硬い材料単体で形成される歯車の軸孔に軸を打ち込む際に、歯車が割れることを防止するために歯車側に応力緩和構造を備えている。しかしながら、この応力緩和構造を備えているために軸との締結力が弱められ、円周方向の静摩擦トルクが小さくなる。また、軸の打ち込み時に応力緩和構造部が変形してしまうと、回り止めを備えてはいるものの、変形により生じた隙間分だけは滑って回転してしまうという問題もある。また、相手部品との接触面が基準に対して3°〜6°程度の傾斜を持っているため、相手部品との接触が線接触ではなく点接触となり、応力が集中して摩耗しやすいという問題点がある。
そこで、本発明の目的は、強度があって摩耗しにくく寸法精度が高い円筒状部品を電鋳によって製造するための電鋳型とその製造方法、およびその電鋳型を用いて製造された円筒状の時計用部品を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために下記の手段を講じた。
第1の発明に係る電鋳型は、軸孔を有し、軸方向に複数の材料で構成される一体の円筒状部品を電鋳するための電鋳型であって、導電体と、前記導電体の一方の表面に形成され、逆円錐台状の第1の中心部と、該第1の中心部を囲む円筒状の第1の内面が形成された第1の外枠とを有する第1のフォトレジスト層と、を備えることを特徴とする。
この第1の発明の電鋳型によると、テーパー状の軸孔形状を有する第1の金属材料による円筒状部品と、テーパー状の軸孔の大径側につながる同じくテーパー状の軸孔形状を有する第2の金属材料による円筒状部品とが、同心で一体化された円筒状部品を電鋳により作製することができる。金属材料による円筒状部品が作製できるため、シリコンウエハのようなへき開といった現象が発生せず、薄くても割れにくい高強度の部品を作製することができる。また、電鋳では、射出成形のような高温下での工程がないため、温度変化に伴う金属材料の膨張・収縮が殆どなく、高精度の円筒状部品を作製することができる。
また、この第1の発明の電鋳型を用いて電鋳する際に、小径部となるテーパー状の軸孔形状を有する第1の金属材料として、大径部となるテーパー状の軸孔形状を有する第2の金属材料よりも硬度が低い金属材料を析出させることにより、軸との締結力が強い円筒状部品を作製することができる。すなわち、軸孔の小径部を有する硬度の低い材料に締まり嵌めで軸を打ち込むことにより、材料の柔らかさが変形を吸収してくれるため、一体物でありながらも硬度の高い他の金属材料は割れなどの影響を受けることのない円筒状部品を作製することができる。
また、第2の発明に係る電鋳型は、第1の発明に加え、前記第1のフォトレジスト層の前記導電体とは反対側の表面に形成され、前記第1の中心部と同心でその大径側の外径と小径側の外径がほぼ同径の逆円錐台状の第2の中心部と、該第2の中心部を囲む円筒状の第2の内面が形成された第2の外枠とを有する第2のフォトレジスト層をさらに備えることを特徴とする。
この第2の発明に係る電鋳型によると、第1の発明の電鋳型に加え、電鋳型を作製する際に異なる種類のフォトレジストを組み合わせることができるため、電鋳型の作製方法の幅を広げることができる。
また、第3の発明に係る電鋳型は、第1の発明に加え、前記第1のフォトレジスト層の前記導電体とは反対側の表面に形成され、前記第1の中心部と同心でその大径側の外径とほぼ同径の円筒状の第2の中心部と、該第2の中心部を囲む円筒状の第2の内面が形成された第2の外枠とを有する第2のフォトレジスト層をさらに備えることを特徴とする。
この第3の発明に係る電鋳型によると、第1の発明の電鋳型に加え、第2の金属材料の軸孔が円筒状である円筒状部品を電鋳により製作することができる。従って、第2の金属材料の軸孔がテーパー状であるときよりも安定して軸を打ち込むことができる。
また、第4の発明に係る電鋳型は、軸孔を有し、軸方向に複数の材料で構成される一体の円筒状部品を電鋳するための電鋳型であって、導電体と、前記導電体の一方の表面に形成され、円錐台状の第1の中心部と、該第1の中心部を囲む円筒状の第1の内面が形成された第1の外枠とを有する第1のフォトレジスト層と、を備えることを特徴とする。
この第4の発明の電鋳型によると、テーパー状の軸孔形状を有する第1の金属材料による円筒状部品と、テーパー状の軸孔の大径側につながる同じくテーパー状の軸孔形状を有する第2の金属材料による円筒状部品とが、同心で一体化された円筒状部品を電鋳により作製することができる。金属材料による円筒状部品が作製できるため、シリコンウエハのようなへき開といった現象が発生せず、薄くても割れにくい高強度の部品を作製することができる。また、電鋳では、射出成形のような高温下での工程がないため、温度変化に伴う金属材料の膨張・収縮が殆どなく、高精度の円筒状部品を作製することができる。
また、この第4の発明の電鋳型を用いて電鋳する際に、小径部となるテーパー状の軸孔形状を有する第1の金属材料として、大径部となるテーパー状の軸孔形状を有する第2の金属材料よりも硬度が低い金属材料を析出させることにより、軸との締結力が強い円筒状部品を作製することができる。すなわち、軸孔の小径部を有する硬度の低い材料に締まり嵌めで軸を打ち込むことにより、材料の柔らかさが変形を吸収してくれるため、一体物でありながらも硬度の高い他の金属材料は割れなどの影響を受けることのない円筒状部品を作製することができる。
また、第5の発明に係る電鋳型は、第4の発明に加え、前記第1のフォトレジスト層の前記導電体とは反対側の表面に形成され、前記第1の中心部と同心でその小径側の外径と大径側の外径がほぼ同径の円錐台状の第2の中心部と、該第2の中心部を囲む円筒状の第2の内面が形成された第2の外枠とを有する第2のフォトレジスト層をさらに備えることを特徴とする。
この第5の発明に係る電鋳型によると、第4の発明に加え、電鋳型を作製する際に異なる種類のフォトレジストを組み合わせることができるため、電鋳型の作製方法の幅を広げることができる。
また、第6の発明に係る電鋳型は、軸孔を有し、軸方向に複数の材料で構成される一体の円筒状部品を電鋳するための電鋳型であって、導電体と、前記導電体の一方の表面に形成され、円筒状の第1の中心部と、該第1の中心部を囲む円筒状の第1の内面が形成された第1の外枠とを有する第1のフォトレジスト層と、前記第1のフォトレジスト層の前記導電体とは反対側の表面に形成され、前記第1の中心部と同心でその外径と大径側の外径がほぼ同径の円錐台状の第2の中心部と、該第2の中心部を囲む円筒状の第2の内面が形成された第2の外枠とを有する第2のフォトレジスト層と、を備えることを特徴とする。
この第6の発明の電鋳型によると、テーパー状の軸孔形状を有する第1の金属材料による円筒状部品と、テーパー状の軸孔の大径側につながる円筒状の軸孔形状を有する第2の金属材料による円筒状部品とが、同心で一体化された円筒状部品を電鋳により作製することができる。金属材料による円筒状部品が作製できるため、シリコンウエハのようなへき開といった現象が発生せず、薄くても割れにくい高強度の部品を作製することができる。また、電鋳では、射出成形のような高温下での工程がないため、温度変化に伴う金属材料の膨張・収縮が殆どなく、高精度の円筒状部品を作製することができる。
また、この第6の発明の電鋳型を用いて電鋳する際に、小径部となるテーパー状の軸孔形状を有する第1の金属材料として、大径部となる円筒状の軸孔形状を有する第2の金属材料よりも硬度が低い金属材料を析出させることにより、軸との締結力が強い円筒状部品を作製することができる。すなわち、軸孔の小径部を有する硬度の低い材料に締まり嵌めで軸を打ち込むことにより、材料の柔らかさが変形を吸収してくれるため、一体物でありながらも硬度の高い他の金属材料は割れなどの影響を受けることのない円筒状部品を作製することができる。さらに、第2の金属材料の軸孔がテーパー状であるときよりも安定して軸を打ち込むことができる。
また、第7の発明に係る電鋳型は、第1または第4の発明に加え、前記第1の中心部の前記導電体とは反対側の表面に同心に形成され、前記第1の中心部の外径より外径が大きい吸収体をさらに備えることを特徴とする。
この第7の発明に係る電鋳型によると、第1または第4の発明に加え、電鋳型製造時の露光工程において、前記吸収体を透過した紫外光はこの吸収体でエネルギーを吸収され、逆円錐台状あるいは円錐台状の構造を形成することができる。また、吸収体を取り除かないことで、工程を省略することができるため、コストを削減することができる。
また、第8の発明に係る電鋳型は、第2、5、6の発明の電鋳型に加え、前記第2の中心部の前記第1の中心部とは反対側の表面に同心に形成され、前記第2の中心部の外径より外径が大きい吸収体をさらに備えることを特徴とする。
この第8の発明に係る電鋳型によると、第2、5、6の発明に加え、電鋳型製造時の露光工程において、前記吸収体を透過した紫外光はこの吸収体でエネルギーを吸収され、逆円錐台状あるいは円錐台状の構造を形成することができる。また、吸収体を取り除かないことで、工程を省略することができるため、コストを削減することができる。
また、第9の発明に係る電鋳型は、第3の発明に加え、前記第1の中心部と前記第2の中心部との間に同心に形成され、前記第1の中心部の外径より外径が大きい吸収体をさらに備えることを特徴とする。
この第9の発明に係る電鋳型によると、第3の発明に加え、電鋳型製造時の露光工程において、前記吸収体を透過した紫外光はこの吸収体でエネルギーを吸収され、逆円錐台状の構造を形成することができる。また、吸収体を取り除かないことで、工程を省略することができるため、コストを削減することができる。
また、第10の発明に係る電鋳型は、第2,3,5,6,8,9の発明に加え、前記第1の外枠と前記第2の外枠との間に、円形の穴の開いた金属膜をさらに備え、前記第1の内面の直径よりも前記第2の内面の直径の方が大きく、かつ、前記金属膜の円形の穴の直径が前記第1の内面の直径と前記第2の内面の直径との中間の大きさであることを特徴とする。
この第10の発明に係る電鋳型によると、第2,3,5,6,8,9の発明に加え、第1の内面の直径よりも前記第2の内面の直径の方が大きく、かつ、前記金属膜の円形の穴の直径が前記第1の内面の直径と前記第2の内面の直径との中間の大きさであることにより、第1の内面の直径よりも前記第2の内面の直径の方が大きい電鋳型を用いて、電鋳を行う場合に電場が一箇所に集中せずうまく電鋳することができる。
また、第11の発明に係る電鋳型は、第7乃至第9の発明に加え、前記吸収体は、紫外光が透過可能な厚さの金属薄膜であることを特徴とする。
この第11の発明に係る電鋳型によると、第7乃至第9の発明に加え、前記吸収体が、紫外光が透過可能な厚さの金属薄膜であることにより、電鋳型製造時の露光工程において、前記金属薄膜を透過した紫外光は前記金属薄膜でエネルギーを吸収され、逆円錐台状あるいは円錐台状の構造を形成することができる。
この第12の発明に係る電鋳型は、第7乃至第9の発明に加え、前記吸収体は、フォトレジストであることを特徴とする。
この第12の発明に係る電鋳型によると、第7乃至第9の発明に加え、前記吸収体が、フォトレジストであることにより、電鋳型製造時の露光工程において、前記フォトレジストを透過した紫外光は前記フォトレジストでエネルギーを吸収され、逆円錐台状あるいは円錐台状の構造を形成することができる。
また、第13の発明に係る電鋳型は、第1乃至第12の発明に加え、前記第1のフォトレジスト層は、紫外光の波長領域における吸収係数が約4000m-1であることを特徴とする。
この第13の発明に係る電鋳型によると、第1乃至第12の発明に加え、前記第1のフォトレジストの吸収係数が約4000m-1であることにより、紫外光がフォトレジストに吸収されづらく、外枠の内面を基板に対して略垂直とすることができる。
また、第14の発明に係る電鋳型は、第2、3、5、6、8、9、10の発明に加え、前記第2のフォトレジスト層は、紫外光の波長領域における吸収係数が約4000m-1であることを特徴とする。
この第14の発明に係る電鋳型によると、第2、3、5、6、8、9、10の発明に加え、前記第2のフォトレジストの吸収係数が約4000m-1であることにより、紫外光がフォトレジストに吸収されづらく、外枠の内面を基板に対して略垂直とすることができる。
また、第15の発明に係る電鋳型の製造方法は、軸孔を有し、軸方向に複数の材料で構成される一体の円筒状部品を電鋳するための電鋳型の製造方法であって、導電体の一方の表面に第1のフォトレジスト層を形成する第1フォトレジスト層形成工程と、前記第1のフォトレジスト層の上面に環状の吸収体を形成する環状吸収体形成工程と、前記環状の吸収体の外径より小さく内径より大きい内径を有するとともに、前記環状の吸収体の外径より大きい外径を有する環状マスクパターンを、前記第1のフォトレジスト層の上方に前記環状の吸収体と略同心に配置する環状マスクパターン配置工程と、配置された前記環状マスクパターンを介して、前記第1のフォトレジスト層を不溶部と可溶部に区分するフォトレジスト層露光工程と、を有することを特徴とする。
また、第16の発明に係る電鋳型の製造方法は、軸孔を有し、軸方向に複数の材料で構成される一体の円筒状部品を電鋳するための電鋳型の製造方法であって、導電体の一方の表面に第1のフォトレジスト層を形成する第1フォトレジスト層形成工程と、前記第1のフォトレジスト層の上面に第2のフォトレジスト層を形成する第2フォトレジスト層形成工程と、前記第2のフォトレジスト層の上面に環状の吸収体を形成する環状吸収体形成工程と、前記環状の吸収体の外径より小さく内径より大きい内径を有するとともに、前記環状の吸収体の外径より大きい外径を有する環状マスクパターンを、前記第2のフォトレジスト層の情報に前記環状吸収体と略同心に配置する環状マスクパターン配置工程と、配置された前記環状マスクパターンを介して、前記第2のフォトレジスト層及び前記第1のフォトレジスト層をそれぞれ不溶部と可溶部に区分するフォトレジスト層露光工程と、を有することを特徴とする。
また、第17の発明に係る電鋳型の製造方法は、軸孔を有し、軸方向に複数の材料で構成される一体の円筒状部品を電鋳するための電鋳型の製造方法であって、導電体の一方の表面に第1のフォトレジスト層を形成する第1フォトレジスト層形成工程と、前記第1のフォトレジスト層の上面に環状の吸収体を形成する環状吸収体形成工程と、前記環状吸収体形成工程で形成された環状の吸収体と前記第1のフォトレジスト層の上面に、第2のフォトレジスト層を形成する第2フォトレジスト層形成工程と、前記環状の吸収体の外径より小さく内径より大きい内径を有するとともに、前記環状の吸収体の外径より大きい外径を有する環状マスクパターンを、前記第2のフォトレジスト層の上方に前記環状の吸収体と略同心に配置する環状マスクパターン配置工程と、配置された前記環状マスクパターンを介して、前記第2のフォトレジスト層及び前記第1のフォトレジスト層をそれぞれ不溶部と可溶部に区分するフォトレジスト層露光工程と、を有することを特徴とする。
これらの第15〜第17の電鋳型の製造方法によると、フォトリソグラフィ法を用いて電鋳型を製造するため、精度の良い本発明の電鋳型を製造することができる。また、軸孔と外枠とを1回の露光工程で形成するため、軸孔と外枠が偏心せず同心となる。
また、第18の発明に係る電鋳型の製造方法は、第15乃至第17の発明に加え、前記吸収体は、紫外光が透過可能な厚さの金属薄膜であることを特徴とする。
また、第19の発明に係る電鋳型の製造方法は、第15乃至第17の発明に加え、前記吸収体は、フォトレジストであることを特徴とする。
また、第20の発明に係る電鋳型の製造方法は、第15乃至第19の発明に加え、前記第1のフォトレジスト層は、紫外光の波長領域における吸収係数が約4000m-1であることを特徴とする。
また、第20の発明に係る電鋳型の製造方法は、第15乃至第19の発明に加え、前記第2のフォトレジスト層は、紫外光の波長領域における吸収係数が約4000m-1であることを特徴とする。
また、第22の発明に係る円筒状の時計用部品は、電鋳型により電鋳され、軸方向に複数の材料により一体で構成されるとともに貫通する軸孔を有する円筒状の時計用部品であって、前記複数の材料は、互いに硬度が異なる金属材料であり、硬度の高い金属材料よりも硬度の低い金属材料の方が、前記軸孔の内径が小さいことを特徴とする。
この第22の発明によれば、時計用部品を電鋳で製造することにより、金属材料を用いるため、薄くても強度のある時計用部品が得られる。また、二層構造でやわらかい材料でできた第1層目の軸孔径が、硬い材料でできた第2層目の軸孔径よりも小さいことにより、やわらかい材料のみが軸に接するため、軸の打ち込みによる応力を緩和することができる。さらには、応力緩和のための構造を有していないため、軸との締結力も十分に得られる。
また、第23の発明に係る時計用部品は、上記いずれかの発明の時計用部品に加え、外周面が中心軸と略平行であることを特徴とする。
この第23の発明の時計用部品によれば、外周面が中心軸と略平行であることにより、応力が摺動面の一部に集中しづらくなり、耐摩耗性が向上する。
また、第24の発明に係る時計用部品では、上記いずれかの発明の時計用部品に加え、硬度の高い金属材料として、NiCo及び/またはNiWを含有していることを特徴とする。
この第24の発明の時計用部品によれば、第2層目の電鋳物(金属)にNiCoやNiW等の硬い材料が含まれていることにより、時計用部品としての硬度が高くなり、耐摩耗性が向上する。
また、第25の発明に係る時計は、第22乃至第24の発明に係る時計用部品を備えていることを特徴とする。
本願発明の電鋳型は、中心部が逆円錐台状となっているため、硬度の異なる複数の金属材料で電鋳することにより、硬度の低い金属材料でのみ軸に接する一体の円筒状部品を製造することができる。
したがって、軸の打ち込みによる応力を緩和しつつ、軸との締結力を十分に備えた時計用部品を製造することができる。
また、硬度の高い金属材料の層もあるため、時計用部品としての硬度および耐摩耗性の高い部品が得られる。
上記発明を実施するための最良の形態について、以下図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
本発明に係る第1の実施形態について図1乃至図6に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る電鋳型の例を示す図、図2及び図3は、本実施形態に係る電鋳型の製造方法の例を示す図、図4は、本実施形態に係る電鋳型を用いて作製される円筒状部品の例を示す図、図5及び図6は、図4に示す円筒状部品を本実施形態に係る電鋳型を用いて作製する方法の例を示す図である。
まず図1に基づき、本実施形態に係る電鋳型の例について説明する。図1(a)は、本実施形態に係る電鋳型の例の断面図であり、図1(b)は、図1(a)の電鋳型を上方から見た平面図である。この例で示す電鋳型は、軸孔を有し、軸方向に複数の材料で構成される一体の円筒状部品を電鋳するための電鋳型である。
図1(a)に示すように、電鋳型50は、基板100を備え、基板100の上側表面全面に導電体の金属膜である底部導電膜200が形成されている。底部導電膜200の基板100とは反対側の表面には、逆円錐台状の第1の中心部301aと、この第1の中心部301aの周囲を囲むように第1の外枠301bとからなる、第1フォトレジスト層301が形成されている。さらに、この第1フォトレジスト層301の底部導電膜200とは反対側の表面には、第1の中心部の大径側の外径より外径が大きく内径が小さい環状のフォトレジスト(吸収体)510が、図1(b)にも示すように第1の中心部301aに同心状に配置されている。
基板100は絶縁材料からなり、この例ではガラスを用いているが、後述する他の材料でも良い。基板100の厚さは、この例では1mmであるが、電鋳型50の強度が確保できる厚さで材料に応じて適宜決定する。基板100の平面形状は、図1(b)の平面図からもわかるように略正方形としたが、これに限定されるものではなく、円形や長方形、多角形のいずれでも良い。
底部導電膜200は、電鋳工程において電鋳物となる円筒状部品を構成する金属を析出させるための金属膜であり、この例では金(Au)を用いているが、後述する他の材料でも良い。底部導電膜200の厚さは、この例では250nmであるが、後述する電鋳工程において電気的な導通が取れる厚さであれば良い。
第1フォトレジスト層301は、この例ではネガ型のフォトレジストであり、紫外光の波長領域における吸収係数が約4000m-1であるものが好ましいが、後述する他の材料でも良い。第1フォトレジスト層301の厚さは、電鋳される円筒状部品の厚さによって決定されるが、この例では1mmとしてある。この第1フォトレジスト層301の第1の外枠301bの円筒状の内面51は、電鋳される円筒状部品の外形を規定する部分であるが、底部導電膜200に対してほぼ直角に形成され、円筒状部品の中心軸O(円筒状部品の軸孔の中心軸O、第1の中心部301aの中心軸O)に対してほぼ平行に形成されている。ここで、「ほぼ」とは角度差にして±3°以下のことである。外枠301bの円筒状内面51の中心にある第1の中心部301aは、電鋳される円筒状部品の軸孔の一方が小径のテーパー状に形成されるように、逆円錐台形状となっている。
第1の中心部301aの底部導電膜200とは反対側の表面に環状のフォトレジスト510が配置されている。この環状のフォトレジスト510は、この例ではネガ型のフォトレジストを用いたが、後述する他のフォトレジストでも良い。環状のフォトレジスト510の厚さは、この例では100nmとしたが、第1フォトレジスト層301が露光される際に、必要なだけ紫外光のエネルギーを吸収できる厚さであれば良い。
尚、上記実施例の電鋳型50では、絶縁材料からなる基板100と導電体としての底部導電膜200とを組み合わせる構成とし、底部導電膜200の表面が露出している部分を必要最低限の範囲とし、電鋳時に不要な箇所に電鋳物となる金属成分が析出しないように考慮している。しかしながら、例えば電鋳物作製の都度、電鋳型も作製するような場合には、絶縁性の基板100と底部導電膜200とを組み合わせるよりも、予め強度のある一体物の導電体を用いて電鋳型を作製する方が、電鋳物作製上効率的な場合もある。
次に、上述した電鋳型50を作製する製造方法の例について図2及び図3を用いて詳細に説明する。
図2は本発明に係る電鋳型50の製造方法を工程順に説明する図である。ただし、図2は断面形状を理解しやすくするために大きさを極端に大きく誇張して示した。
図2(a)は基板上への底部導電膜形成工程と第1フォトレジスト層形成工程を示す断面図である。図2(a)において、基板100の上面に底部導電膜200を形成し、次に底部導電膜200の上面に第1フォトレジスト層300を形成する。
基板100の厚さは100μmから10mm程度であり、後述する電鋳工程や研磨工程などにおいて電鋳型の強度が保てる厚さであればよい。底部導電膜200の厚さは5nmから10μm程度であり、後述する電鋳工程において導通が取れる厚さであればよい。第1フォトレジスト層300の厚さは作製する電鋳物の厚さとほぼ同じである。基板100の材料は、ガラスやシリコンなどのシリコンプロセスで一般的に用いられる材料や、ステンレスやアルミニウムなどの金属材料を用いる。また、底部導電膜200の材料は金(Au)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)などであり、底部導電膜200と基板100の間に底部導電膜200の密着力を強くするためのアンカーメタル(図示しない)としてクロム(Cr)やチタン(Ti)などを形成しても良い。なお、基板100の材料が導電性材料の場合、底部導電膜200は、必ずしも必要ではない。
第1フォトレジスト層300には、例えば、ネガ型のフォトレジストを用いる。また、第1フォトレジスト層300は、化学増幅型のフォトレジストでも良い。特に、高アスペクト比の構造を作製する場合には、第1フォトレジスト層300は、エポキシ系の樹脂をベースとする化学増幅型のフォトレジストを用いるのが望ましい。さらに、前記外枠の内面51を中心軸Oと略平行にするためには透過率の高い、つまり吸収係数の低いフォトレジストを使用する必要がある。第1フォトレジスト層300の露光に用いる紫外光の波長領域で、第1フォトレジスト層300の吸収係数が4000m-1程度であることが望ましく、このとき基板100と円筒状の第1の内面51aの角度は±3°以下となる。電鋳型の円筒状の内面51を中心軸Oと略平行にすることで、電鋳物の外周面が中心軸Oと略平行となり、応力が外周面に均等にかかるため、電鋳物の耐摩耗性を向上することができる。第1フォトレジスト層300の形成方法は、スピンコート、ディップコート、スプレーコートや、シート状のフォトレジストフィルムを基板に貼り付けても良い。また、シート状のフォトレジストフィルムを複数枚重ね合わせて所望の厚さの第1フォトレジスト層300としても良い。
図2(b)は前記第1フォトレジスト層300の上面に環状のフォトレジスト510を形成する環状フォトレジスト形成工程を示す断面図である。また、図3は図2(b)の平面図である。図2(b)および図3に示すように、第1フォトレジスト層300の上面にフォトレジストを所定形状となるように形成する。
環状のフォトレジスト510の形成方法としては、例えば、メタルマスクを用いスプレーコートで形成するものがある。フォトレジスト層はネガ型、ポジ型いずれを用いても良い。
図2(c)は前記第1フォトレジスト層300および環状のフォトレジスト510の上方に配置したマスクパターン700を介して露光することにより第1フォトレジスト層300を不溶部301と可溶部302とに区分けする第1フォトレジスト層露光工程を示す断面図である。図2(c)に示すように、まず、マスクパターン700の穴1200が環状のフォトレジスト510とほぼ同心となるように位置あわせする。そして、マスクパターン700を配置した後、紫外光800を照射して露光を行い不溶部301と可溶部302とを形成する。このとき、環状のフォトレジスト510を透過した紫外光800はエネルギーを失い、十分に露光されないため第1フォトレジスト層の不溶部301aは逆円錐台状となる。
図2(d)は前記第1フォトレジスト層300を現像して、第1フォトレジスト層300の可溶部302を除去する可溶部除去工程を示す断面図である。この図に示すように、前記第1フォトレジスト層300に対して現像を行い可溶部302を除去する。現像は、第1フォトレジスト層300を有する基板100を現像液中に漬けて行う。
以上の工程によって、基板100上に形成された底部導電膜200と、底部導電膜200の基板100に接する面の反対の面に形成され、厚み方向に貫通孔を有する第1フォトレジスト層300と、第1フォトレジスト層300の第1の底部導電膜200に接する面の反対の面の一部に形成された環状のフォトレジスト510を有する電鋳型50が得られる。
続いて、本実施形態に係る時計用部品11について図面に基づいて説明する。図4は時計用部品11の平面図及び断面図である。
図4(a)は時計用部品11の平面図であり、図4(b)は時計用部品11を図4(a)の線AAで切った断面図である。時計用部品11は後述するように電鋳によって製造され、1層目11aと2層目11bとからなっており、時計用部品11の中心には軸孔が開いている。時計用部品11の外周面11dは中心軸Oと略平行となっており、時計用部品11の1層目11aと2層目11bの歯先円11cの径は同じ大きさである。また、2層目の軸孔11eの径よりも1層目の軸孔11fの径のほうが小さくなっており、1層目の軸孔11fおよび2層目の軸孔11eは逆円錐台状になっている。
図5は、上記製造方法により製造された電鋳型50を用いて時計用部品11を形成する際の電鋳方法を説明する断面図である。
図5に示すように、電鋳槽20には電鋳液21が満たされており、電鋳液21に電鋳型50と電極22が浸されている。電鋳液21は、析出させる金属によって異なるが、たとえば、ニッケル(Ni)を析出させる場合、スルファミン酸ニッケル水和塩を含む水溶液を使用する。また、電極22の材料は、析出させたい金属とほぼ同一の材料であり、ニッケルを析出させる場合は、ニッケルとし、ニッケル板や、チタンバスケットにニッケルボールを入れたものを電極22として用いる。
なお、本願発明の製造方法で析出する材料は、ニッケルに限定されるわけではない。銅(Cu)、コバルト(Co)、スズ(Sn)等、電鋳可能な材料すべてに適用可能である。電鋳型50の底部導電膜200は、電源Vに接続されている。電源Vの電圧によって、底部導電膜200を通して電子が供給されることによって、 底部導電膜200から徐々に金属が析出する。析出した金属は、基板100の厚さ方向に成長する。
図6は、電鋳型50を用いて時計用部品11を製造する工程を説明する図であって、図6(a)は底部導電膜200の上面から1層目の電鋳物(金属)111を析出させる初期工程を示す断面図、図6(b)は底部導電膜200の上面から1層目の電鋳物(金属)111を所望の厚さまで析出させた後、1層目の電鋳物(金属)111の上面から2層目の電鋳物(金属)112を析出させる工程を示す断面図、図6(c)は1層目の電鋳物(金属)111の上面から析出させた2層目の電鋳物(金属)112が第1フォトレジスト層300の上面にまで達した状態を示す断面図、図6(d)は電鋳型50から取り出した時計用部品11の断面図である。
まず、図6(a)に示すように、図5を用いて説明した電鋳方法によって露出した底部導電膜200の上面から電鋳物(金属)111を析出させる。
次に、図6(b)に示すように、所望の厚さまで1層目の電鋳物111を析出させる。1層目の電鋳物111の厚さは、製造する部品が軸との締結力を十分に確保できる厚さであればよい。その後、1層目の電鋳物111と異なる電鋳液21と電極22を用いて2層目の電鋳物112を析出させる。電鋳物が十分な耐久性および耐摩耗性を確保するために2層目の電鋳物112はNiCoやNiWのような硬い材料にすることが望ましい。
図6(c)に示すように、第1フォトレジスト層の上面まで2層目の電鋳物112を析出させる。その後、研磨工程によって電鋳物110の厚さを揃える。
なお、電鋳工程において、電鋳物110の厚さ制御が可能である場合、研磨工程を行わなくても良い。
次に、図6(d)に示すように、電鋳型50から電鋳物110を取り出して、時計用部品11を得る。電鋳物110の取り出しは、不溶部301および不溶部601を有機溶剤で溶かしたり、電鋳物110に基板100から分離するような力を加えて物理的に引きはがしたりしてもよい。また、型を再利用しない場合は型を破壊して電鋳物110を取り出しても良い。
底部導電膜200および環状のフォトレジスト510が電鋳物110に付着している場合、ウエットエッチングや研磨などの方法を用いて除去する。なお、部品の機能上、底部導電膜200や環状のフォトレジスト510がついていても問題がない場合、底部導電膜200や環状のフォトレジスト510は、除去しなくても良い。また、底部導電膜200や環状のフォトレジスト510が部品の機能上必要である場合、底部導電膜200や環状のフォトレジスト510は除去しない。
(実施の形態2)
本発明に係る第2の実施形態について図7乃至図9に基づいて説明する。なお、この第2の実施形態においては、第1の実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。図7は、本実施形態に係る電鋳型の例を示す図、図8及び図9は、本実施形態に係る電鋳型の製造方法の例を示す図である。
まず図7に基づき、本実施形態に係る電鋳型の例について説明する。図7(a)は、本実施形態に係る電鋳型の例の断面図であり、図7(b)は、図7(a)の電鋳型を上方から見た平面図である。この例で示す電鋳型は、軸孔を有し、軸方向に複数の材料で構成される一体の円筒状部品を電鋳するための電鋳型である。
図7(a)に示すように、電鋳型55は、基板100を備え、基板100の上側表面全面に導電体の金属膜である底部導電膜200が形成されている。また、底部導電膜200の基板100とは反対側の表面には、逆円錐台状の第1の中心部301aと、この第1の中心部301aの周囲を囲むように第1の外枠301bとからなる、第1フォトレジスト層301が形成されている。さらに、この第1フォトレジスト層301の底部導電膜200とは反対側の表面には、第1の中心部の大径側の外径より外径が大きく内径が小さい環状の金属薄膜(吸収体)401が、図7(b)にも示すように第1の中心部301aに同心状に配置されている。
第1の中心部301aの底部導電膜200とは反対側の表面に環状の金属薄膜401が配置されている。この環状の金属薄膜401は、この例ではアルミニウム(Al)を用いたが、後述する他の金属材料でも良い。環状の金属薄膜401の厚さは、この例では5nmとしたが、第1フォトレジスト層301が露光される際に、紫外光が透過する厚さであれば良い。
次に、上述した電鋳型55を作製する製造方法の例について図8及び図9を用いて詳細に説明する。
図8は本発明に係る電鋳型55の製造方法を工程順に説明する図である。ただし、図8は断面形状を理解しやすくするために大きさを極端に大きく誇張して示した。
図8(a)は基板上への底部導電膜形成工程と第1フォトレジスト層形成工程と金属薄膜形成工程を示す断面図である。図8(a)において、基板100の上面に底部導電膜200を形成し、次に底部導電膜200の上面に第1フォトレジスト層300を形成した後、真空蒸着法により、第1フォトレジスト層300を感光させない範囲の波長の光を発する温度範囲で金属を加熱蒸着させて、第1フォトレジスト層300の上面に、金属薄膜400を形成する。
金属薄膜400の厚さは10nm以下であり、後述する第1フォトレジスト層300の露光において紫外光が透過する厚さであればよい。基板100の材料は、ガラスやシリコンなどのシリコンプロセスで一般的に用いられる材料や、ステンレスやアルミニウムなどの金属材料を用いる。また、底部導電膜200の材料は金(Au)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)などであり、底部導電膜200と基板100の間に底部導電膜200の密着力を強くするためのアンカーメタル(図示しない)としてクロム(Cr)やチタン(Ti)などを形成しても良い。
第1フォトレジスト層300は、後述する金属薄膜パターニング用レジスト500の現像工程および除去工程における現像液および剥離液に不溶のものを用い、かつ、金属薄膜400のパターニングに用いるエッチャントに不溶のものを用いる。
金属薄膜400の材料としては、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、銀(Ag)、インジウム(In)、すず(Sn)、金(Au)等が用いられる。
ここで、第1フォトレジスト層300を感光させない範囲の波長の光とは、第1フォトレジスト層300として、通常、紫外光の波長のエネルギーに反応するフォトレジスト材料を用いるため、紫外光よりも波長が長い光、例えば、0.4μm以上30μm以下の波長の光をいう。0.4μm以上としたのは、紫外光の波長は0.4μm以下であるからである。また、30μm以下としたのは、金属材料を加熱蒸着して金属薄膜400を形成する関係上、黒体放射の分光分布から、金属材料を加熱溶融させて30μmを超える波長の光を発することは極めてまれであるからである。
第1フォトレジスト層300を感光させない範囲の波長の光を発する金属材料の加熱温度範囲は金属薄膜400用の金属材料の真空中での蒸発温度を考慮すると、170℃〜2000℃である。このように上限を2000℃としたのは、第1フォトレジスト層300の感光波長である0.4μmにおいて、金属薄膜400として使用可能な前記金属材料(前記アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)等の材料)の真空中での蒸発時の温度の最大値から、黒体放射の理論式を基に強度分布を求め、実験確認したためである。実験では、るつぼの材質としてタングステンを用い、るつぼの温度をパイロメータ(高温計)で測定しながら2000℃まで加熱した場合でも、第1フォトレジスト層300が露光されることはなく、以後のプロセス流動が可能であったことが確認された。但し、るつぼの材質としてタングステンよりも低温で蒸着可能なモリブデンを用いる場合には、モリブデンが1800℃で蒸発されてしまうため、それ以下の温度、例えば1700℃を上限にする必要がある。下限を170℃としたのは、金属薄膜400として使用可能な前記金属材料のうち最も温度が低い条件で蒸発可能な亜鉛(Zn)を蒸着させる場合を想定したためである。
図8(b)は前記金属薄膜400の上面に金属薄膜パターニング用レジスト500を形成するパターニング用レジスト形成工程を示す断面図である。また、図9(a)は図8(b)の平面図である。図8(b)および図9(a)に示すように、金属薄膜400の上面に金属薄膜パターニング用レジスト500を所定形状となるように形成する。
金属薄膜パターニング用レジスト500の形成方法としては、例えば、フォトレジスト層の形成、露光、現像の各工程を経て形成するものがある。フォトレジスト層はネガ型、ポジ型いずれを用いても良い。フォトレジスト層の形成方法は、スピンコートやディップコートなどの方法を用いてもよい。また、フィルム上のフォトレジストであるドライフィルムレジストをラミネートしても良い。ドライフィルムレジストのラミネート時の温度は、第1フォトレジスト層300のガラス転移点のいずれか低い方よりも低い温度でラミネートすることが望ましい。
図8(c)は前記金属薄膜パターニング用レジスト500を介して前記金属薄膜400をパターニングするパターニング工程およびパターニング工程で残存した前記金属薄膜パターニング用レジスト500を除去するパターニング用レジスト除去工程を示す断面図である。また、図9(b)に図8(c)の平面図を示す。図8(c)および図9(b)に示すように、パターニング用レジストの形成後、これをエッチングマスクとして、金属薄膜400をパターニングして環状の金属薄膜401を得る。その後、環状の金属薄膜401上の金属薄膜パターニング用レジスト500を除去する。金属薄膜400のパターニングにおいては、金属薄膜400の材料に応じたエッチャントを用いてエッチングを行う。また、金属薄膜パターニング用レジスト500の除去には、剥離液を用いる。剥離液は、アルカリ性、あるいは、酸性の水溶液を用いる。有機溶剤は、第1フォトレジスト層300を溶かしてしまうため用いない方が良い。
図8(d)は前記第1フォトレジスト層300および環状の金属薄膜401の上方に配置したマスクパターン700を介して露光することにより第1フォトレジスト層300を不溶部301と可溶部302とに区分けする第1フォトレジスト層露光工程を示す断面図である。図8(d)に示すように、まず、マスクパターン700の穴1200が環状の金属薄膜401とほぼ同心となるように位置あわせする。そして、マスクパターン700を配置した後、紫外光800を照射して露光を行い不溶部301と可溶部302とを形成する。このとき、環状の金属薄膜401を透過した紫外光800はエネルギーを失い、十分に露光されないため第1フォトレジスト層の不溶部301aは逆円錐台状となる。
図8(e)は前記第1フォトレジスト層300を現像して、第1フォトレジスト層300の可溶部302を除去する可溶部除去工程を示す断面図である。この図に示すように、前記第1フォトレジスト層300に対して現像を行い可溶部302を除去する。現像は、第1フォトレジスト層300を有する基板100を現像液中に漬けて行う。
以上の工程によって、基板100上に形成された底部導電膜200と、底部導電膜200の基板100に接する面の反対の面に形成され、厚み方向に貫通孔を有する第1フォトレジスト層300と、第1フォトレジスト層300の第1の底部導電膜200に接する面の反対の面の一部に形成された環状の金属薄膜401を有する電鋳型55が得られる。
上記製造方法により製造された電鋳型55を用いて得られる本実施形態に係る時計用部品については構造および電鋳方法が第1の実施例と同様であるため省略する。
(実施の形態3)
本発明に係る第3の実施形態について図10乃至図13に基づいて説明する。なお、この第3の実施形態においては、第1および第2の実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。図10は、本実施形態に係る電鋳型の例を示す図、図11は、本実施形態に係る電鋳型の製造方法の例を示す図、図12は、本実施形態に係る電鋳型を用いて作製される円筒状部品の例を示す図、図13は、図12に示す円筒状部品を本実施形態に係る電鋳型を用いて作製する方法の例を示す図である。
まず図10に基づき、本実施形態に係る電鋳型の例について説明する。図10(a)は、本実施形態に係る電鋳型の例の断面図であり、図10(b)は、図10(a)の電鋳型を上方から見た平面図である。この例で示す電鋳型は、軸孔を有し、軸方向に複数の材料で構成される一体の円筒状部品を電鋳するための電鋳型である。
図10(a)に示すように、電鋳型60は、基板100を備え、基板100の上側表面全面に導電体の金属膜である底部導電膜200が形成されている。底部導電膜200の基板100とは反対側の表面には、逆円錐台状の第1の中心部301aと、この第1の中心部301aの周囲を囲むように第1の外枠301bとからなる、第1フォトレジスト層301が形成されている。さらに、この第1フォトレジスト層301の底部導電膜200とは反対側の表面には、第1の中心部301aと同心でその大径側の外径とほぼ同径の円筒状の第2の中心部601aと、この第2の中心部601aの周囲を囲む第2の外枠601bとからなる、第2フォトレジスト層601が形成されている。また、第1の中心部301aと第2の中心部601aとの境界部分には、第2の中心部の外径より外径が大きく内径が小さい環状のフォトレジスト(吸収体)510が、図10(b)にも示すように同心状に配置されている。
第1フォトレジスト層301は、この例ではネガ型のフォトレジストであり、紫外光の波長領域における吸収係数が約4000m-1であるものが好ましいが、後述する他の材料でも良い。第1フォトレジスト層301の厚さは、電鋳される円筒状部品の第1層の厚さによって決定されるが、この例では1mmとしてある。この第1フォトレジスト層301の第1の外枠301bの円筒状の第1の内面51aは、電鋳される円筒状部品の第1層の外形を規定する部分であるが、底部導電膜200に対してほぼ直角に形成され、円筒状部品の中心軸O(円筒状部品の軸孔の中心軸O、第1の中心部301aの中心軸O)に対してほぼ平行に形成されている。ここで、「ほぼ」とは角度差にして±3°以下のことである。外枠301bの円筒状の第1の内面51aの中心にある第1の中心部301aは、電鋳される円筒状部品の軸孔の一方が小径のテーパー状に形成されるように、逆円錐台形状となっている。
第2フォトレジスト層601は、この例では第1フォトレジスト層301と同じネガ型のフォトレジストを用いているが、第1フォトレジスト層301と同様に、紫外光の波長領域における吸収係数が約4000m-1であれば、後述する他の材料でも良い。第2フォトレジスト層601の厚さは、電鋳される円筒状部品の第2層の厚さによって決定されるが、この例では第1フォトレジスト層301と同じく1mmとしてある。この第2フォトレジスト層601の第2の外枠601bの円筒状の第2の内面51bは、電鋳される円筒状部品の第2層の外形を規定する部分であるが、底部導電膜200に対してほぼ直角に形成され、円筒状部品の中心軸O(円筒状部品の軸孔の中心軸O、第1の中心部301aの中心軸O)に対してほぼ平行に形成されている。さらに、この円筒状の第2の内面51bは、第1フォトレジスト層301の第1の内面51aとの心ずれがなく構成されている。外枠601bの円筒状の第2の内面51bの中心にある第2の中心部601bは、電鋳される円筒状部品の軸孔の他方が円筒状に形成されるように、第1の中心部301aの大径側の外径と同径かつ同心に構成されている。
第1の中心部301aと第2の中心部601aとの境界部分に配置された環状のフォトレジスト510は、円筒状の第2の中心部601bの一部に内径側が入り込む形で構成されている。この環状の金属薄膜401は、この例ではアルミニウム(Al)を用いたが、後述する他の金属材料でも良い。この環状のフォトレジスト510は、この例ではネガ型のフォトレジストを用いたが、後述する他のフォトレジストでも良い。環状のフォトレジスト510の厚さは、この例では100nmとしたが、第1フォトレジスト層301が露光される際に、必要なだけ紫外光のエネルギーを吸収できる厚さであれば良い。
次に、上述した電鋳型60を作製する製造方法の例について図11を用いて詳細に説明する。
図11は本発明に係る電鋳型60の製造方法を工程順に説明する図である。ただし、図11は断面形状を理解しやすくするために大きさを極端に大きく誇張して示した。
図11(a)は基板上への底部導電膜形成工程と第1フォトレジスト層形成工程と金属薄膜形成工程を示す断面図である。第1フォトレジスト層300の厚さは作製する電鋳物の1層目の厚さとほぼ同じである。したがって、第1フォトレジスト層の厚さは製造する部品が軸との締結力を十分に確保できる厚さであればよい。
図11(b)は前記第1フォトレジスト層300の上面に環状のフォトレジスト510を形成する環状フォトレジスト形成工程を示す断面図である。
図11(c)は前記第1フォトレジスト層300の上面及び環状のフォトレジスト510の上面に、第2フォトレジスト600層を形成する第2フォトレジスト層形成工程を示す断面図である。この図に示すように、環状のフォトレジスト510の上面及び第1フォトレジスト層300の上面に第2フォトレジスト層600を形成する。
第2フォトレジスト層600の厚さは、作製する電鋳物の2層目の厚さとほぼ同じである。したがって、第2フォトレジスト層の厚さは製造する部品が十分な耐久性および耐摩耗性を得られる厚さであればよい。第2フォトレジスト層600は、ネガ型のフォトレジストを用いる。また、第2フォトレジスト層600は、化学増幅型のフォトレジストでも良い。高アスペクト比の構造を作製する場合、第2フォトレジスト層600は、エポキシ系の樹脂をベースとする化学増幅型のフォトレジストを用いるのが望ましい。さらに、前記外枠の内壁51を中心軸Oと略平行にするためには透過率の高い、つまり吸収係数の低いフォトレジストを使用する必要がある。第2フォトレジスト層600の露光に用いる紫外光の波長領域で、第2フォトレジスト層600の吸収係数が4000m-1程度であることが望ましく、このとき基板100と円筒状の第2の内面51bの角度は±3°以下となる。電鋳型の円筒状の第2の内面51bを中心軸Oと略平行にすることで、電鋳物の外周面が中心軸Oと略平行となり、応力が外周面に均等にかかるため、電鋳物の耐摩耗性を向上することができる。なお、第2フォトレジスト層600の材料は、後述する現像工程で同一の現像液で現像できるため、第1フォトレジスト層300と同じである方が望ましいが、第1フォトレジスト層300と別の材料であっても良い。第2フォトレジスト層600の形成方法は、スピンコート、ディップコート、スプレーコートや、シート状のフォトレジストフィルムを第1フォトレジスト層300および環状のフォトレジスト510の上に貼り付けても良い。また、シート状のフォトレジストフィルムを複数枚重ね合わせて所望の厚さの第2フォトレジスト層600としても良い。第2フォトレジスト層600が化学増幅型の場合、後述の露光工程後にPEB(Post Exposure Bake)を行う。
図11(d)は前記第2フォトレジスト層600の上方に配置したマスクパターン700を介して露光することにより第1フォトレジスト層300および第2フォトレジスト層600を不溶部301および601と可溶部302および602とに区分けする第1フォトレジスト層および第2フォトレジスト層露光工程を示す断面図である。図2(d)に示すように、まず、マスクパターン700の穴1200が環状のフォトレジスト510とほぼ同心となるように位置あわせする。より具体的には、環状のフォトレジスト510の孔1100よりも大きい孔1200のパターンを持つマスクパターン700を、第2フォトレジスト層の第1フォトレジスト層300と接する面と反対の面の上方に位置するように配置する。そして、マスクパターン700を配置した後、紫外光800を照射して露光を行い不溶部301および601と可溶部302および602とを形成する。このとき、環状のフォトレジスト510を透過した紫外光800はエネルギーを失うため、十分に露光されないため第1フォトレジスト層の不溶部301aは逆円錐台状となる。
図11(e)は前記第1フォトレジスト層300及び前記第2フォトレジスト層600を現像して、それら第1フォトレジスト層300および第2フォトレジスト層600のそれぞれの可溶部302および602を除去する可溶部除去工程を示す断面図である。この図に示すように、前記第1フォトレジスト層300及び前記第2フォトレジスト層600に対して現像を行い可溶部302および602を除去する。現像は、第1フォトレジスト層300および第2フォトレジスト層600を有する基板100を現像液中に漬けて行う。
以上の工程によって、基板100上に形成された底部導電膜200と、底部導電膜200の基板100に接する面の反対の面に形成され、厚み方向に貫通孔を有する第1フォトレジスト層300と、第1フォトレジスト層300の第1の底部導電膜200に接する面の反対の面の一部に形成された環状のフォトレジスト510と、環状のフォトレジスト510の第1フォトレジスト層300と接する面の反対の面の一部および第1フォトレジスト層300の底部導電膜200に接する面の反対の面の一部に形成され、第1フォトレジスト層300の上面のうち貫通孔900の開口面を含む面の上方に貫通孔1000を有する第2フォトレジスト層を有する電鋳型60が得られる。
続いて、本実施形態に係る時計用部品12について図面に基づいて説明する。図12は時計用部品12の平面図及び断面図である。
図12(a)は時計用部品12の平面図であり、図12(b)は時計用部品12を図12(a)の線AAで切った断面図である。時計用部品12は後述するように電鋳によって製造され、1層目12aと2層目12bとからなっており、時計用部品12の中心には軸孔が開いている。時計用部品12の外周面12dは中心軸Oと略平行となっており、時計用部品12の1層目12aと2層目12bの歯先円12cの径は同じ大きさである。また、2層目の軸孔12eの径よりも1層目の軸孔12fの径のほうが小さくなっており、1層目の軸孔12fは逆円錐台状になっている。また、この時計用部品12を製造するための電鋳型60には、第1の中心部301aと第2の中心部601aとの境界部分に環状のフォトレジスト510が設けられているため、時計用部品12の軸孔の内面(例えば、2層目12bの軸孔12eの内面)に、環状のフォトレジスト510に対応した凹みが形成されている。
図13は、電鋳型60を用いて時計用部品12を製造する工程を説明する図であって、図13(a)は底部導電膜200の上面から1層目の電鋳物(金属)121を析出させる初期工程を示す断面図、図13(b)は底部導電膜200の上面から1層目の電鋳物(金属)121を第1フォトレジスト層の上面まで析出させた後、1層目の電鋳物(金属)121の上面から2層目の 電鋳物(金属)122を析出させる工程を示す断面図、図6(c)は1層目の電鋳物(金属)121の上面から析出させた2層目の電鋳物(金属)122が第2フォトレジスト層600の上面にまで達した状態を示す断面図、 図13(d)は電鋳型60から取り出した時計用部品12の断面図である。
まず、図13(a)に示すように、図5を用いて説明した電鋳方法によって露出した底部導電膜200の上面から電鋳物(金属)121を析出させる。
次に、図13(b)に示すように、第1フォトレジスト層の上面まで1層目の電鋳物121を析出させる。その後、1層目の電鋳物121と異なる電鋳液21と電極22を用いて2層目の電鋳物122を析出させる。電鋳物が十分な耐久性および耐摩耗性を確保するために2層目の電鋳物122はNiCoやNiWのような硬い材料にすることが望ましい。
図13(c)に示すように、第2フォトレジスト層の上面まで2層目の電鋳物122を析出させる。その後、研磨工程によって電鋳物120の厚さを揃える。
なお、電鋳工程において、電鋳物120の厚さ制御が可能である場合、研磨工程を行わなくても良い。
次に、図13(d)に示すように、電鋳型60から電鋳物120を取り出して、時計用部品12を得る。電鋳物120の取り出しは、不溶部301および不溶部601を有機溶剤で溶かしたり、電鋳物120に基板100から分離するような力を加えて物理的に引きはがしたりしてもよい。また、型を再利用しない場合は型を破壊して電鋳物120を取り出しても良い。
底部導電膜200および環状のフォトレジスト510が電鋳物120に付着している場合、ウエットエッチングや研磨などの方法を用いて除去する。なお、部品の機能上、底部導電膜200や環状のフォトレジスト510がついていても問題がない場合、底部導電膜200や環状のフォトレジスト5101は、除去しなくても良い。また、底部導電膜200や環状のフォトレジスト510が部品の機能上必要である場合、底部導電膜200や環状のフォトレジスト510は除去しない。
(実施の形態4)
本発明に係る第4の実施形態について図14乃至図15に基づいて説明する。なお、この第4の実施形態においては、第1乃至第3の実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。図14は、本実施形態に係る電鋳型の例を示す図、図15は、本実施形態に係る電鋳型の製造方法の例を示す図である。
まず図14に基づき、本実施形態に係る電鋳型の例について説明する。図14(a)は、本実施形態に係る電鋳型の例の断面図であり、図14(b)は、図14(a)の電鋳型を上方から見た平面図である。この例で示す電鋳型は、軸孔を有し、軸方向に複数の材料で構成される一体の円筒状部品を電鋳するための電鋳型である。
図14(a)に示すように、電鋳型65は、基板100を備え、基板100の上側表面全面に導電体の金属膜である底部導電膜200が形成されている。底部導電膜200の基板100とは反対側の表面には、逆円錐台状の第1の中心部301aと、この第1の中心部301aの周囲を囲むように第1の外枠301bとからなる、第1フォトレジスト層301が形成されている。さらに、この第1フォトレジスト層301の底部導電膜200とは反対側の表面には、第1の中心部301aと同心でその大径側の外径とほぼ同径の円筒状の第2の中心部601aと、この第2の中心部601aの周囲を囲む第2の外枠601bとからなる、第2フォトレジスト層601が形成されている。また、第1の中心部301aと第2の中心部601aとの境界部分には、第2の中心部の外径より外径が大きく内径が小さい環状の金属薄膜(吸収体)401が、図14(b)にも示すように同心状に配置されている。
図15は本発明に係る電鋳型65の製造方法を工程順に説明する図である。ただし、図15は断面形状を理解しやすくするために大きさを極端に大きく誇張して示した。
図15(a)は基板上への底部導電膜形成工程と第1フォトレジスト層形成工程と金属薄膜形成工程を示す断面図である。図15(a)において、基板100の上面に底部導電膜200を形成し、次に底部導電膜200の上面に第1フォトレジスト層300を形成した後、真空蒸着法により、第1フォトレジスト層300を感光させない範囲の波長の光を発する温度範囲で金属を加熱蒸着させて、第1フォトレジスト層300の上面に、金属薄膜400を形成する。
図15(b)は前記金属薄膜400の上面に金属薄膜パターニング用レジスト500を形成するパターニング用レジスト形成工程を示す断面図である。金属薄膜400の上面に金属薄膜パターニング用レジスト500を所定形状となるように形成する。
図15(c)は前記金属薄膜パターニング用レジスト500を介して前記金属薄膜400をパターニングするパターニング工程およびパターニング工程で残存した前記金属薄膜パターニング用レジスト500を除去するパターニング用レジスト除去工程を示す断面図である。図15(c)に示すように、パターニング用レジストの形成後、これをエッチングマスクとして、金属薄膜400をパターニングして環状の金属薄膜401を得る。その後、環状の金属薄膜401上の金属薄膜パターニング用レジスト500を除去する。
図15(d)はパターニング工程で露出した前記第1フォトレジスト層300の上面及びパターニング用5レジスト除去工程で露出した環状の金属薄膜401の上面に、第2フォトレジスト層600を形成する第2フォトレジスト層形成工程を示す断面図である。この図に示すように、環状の金属薄膜401の上面及び第1フォトレジスト層300の上面に第2フォトレジスト層600を形成する。
図15(e)は前記第2フォトレジスト層600の上方に配置したマスクパターン700を介して露光することにより第1フォトレジスト層300および第2フォトレジスト層600を不溶部301および601と可溶部302および602とに区分けする第1フォトレジスト層および第2フォトレジスト層露光工程を示す断面図である。図15(e)に示すように、まず、マスクパターン700の穴1200が環状の金属薄膜401とほぼ同心となるように位置あわせする。より具体的には、環状の金属薄膜401の孔1100よりも大きい孔1200のパターンを持つマスクパターン700を、第2フォトレジスト層の第1フォトレジスト層300と接する面と反対の面の上方に位置するように配置する。そして、マスクパターン700を配置した後、紫外光800を照射して露光を行い不溶部301および601と可溶部302および602とを形成する。このとき、環状の金属薄膜401を透過した紫外光800はエネルギーを失うため、十分に露光されないため第1フォトレジスト層の不溶部301aは逆円錐台状となる。
図15(f)は前記第1フォトレジスト層300及び前記第2フォトレジスト層600を現像して、それら第1フォトレジスト層300および第2フォトレジスト層600のそれぞれの可溶部302および602を除去する可溶部除去工程を示す断面図である。この図に示すように、前記第1フォトレジスト層300及び前記第2フォトレジスト層600に対して現像を行い可溶部302および602を除去する。現像は、第1フォトレジスト層300および第2フォトレジスト層600を有する基板100を現像液中に漬けて行う。
以上の工程によって、基板100上に形成された底部導電膜200と、底部導電膜200の基板100に接する面の反対の面に形成され、厚み方向に貫通孔を有する第1フォトレジスト層300と、第1フォトレジスト層300の第1の底部導電膜200に接する面の反対の面の一部に形成された金属薄膜400と、金属薄膜400の第1フォトレジスト層300と接する面の反対の面の一部および第1フォトレジスト層300の底部導電膜200に接する面の反対の面の一部に形成され、第1フォトレジスト層300の上面のうち貫通孔900の開口面を含む面の上方に貫通孔1000を有する第2フォトレジスト層を有する電鋳型65が得られる。
上記製造方法により製造された電鋳型65を用いて得られる本実施形態に係る時計用部品については構造および電鋳方法が第3の実施例と同様であるため省略する。
(実施の形態5)
本発明に係る第5の実施形態について図16乃至図20に基づいて説明する。なお、この第5の実施形態においては、第1乃至第4の実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。図16は、本実施形態に係る電鋳型の例を示す図、図17及び図18は、本実施形態に係る電鋳型の製造方法の例を示す図、図19は、本実施形態に係る電鋳型を用いて作製される円筒状部品の例を示す図、図20は、図19に示す円筒状部品を本実施形態に係る電鋳型を用いて作製する方法の例を示す図である。
まず図16に基づき、本実施形態に係る電鋳型の例について説明する。図16(a)は、本実施形態に係る電鋳型の例の断面図であり、図16(b)は、図16(a)の電鋳型を上方から見た平面図である。この例で示す電鋳型は、軸孔を有し、軸方向に複数の材料で構成される一体の円筒状部品を電鋳するための電鋳型である。
図16(a)に示すように、電鋳型70は、基板100を備え、基板100の上側表面全面に導電体の金属膜である底部導電膜200が形成されている。また、底部導電膜200の基板100とは反対側の表面には、逆円錐台状の第1の中心部301aと、この第1の中心部301aの周囲を囲むように第1の外枠301bとからなる、第1フォトレジスト層301が形成されている。さらに、第1の外枠301bの底部導電膜200とは反対側の表面には、第1の外枠301bと同心の円形の穴が開いたアンカーメタル441があり、この穴径は第1の外枠301bの円筒状の内面51aの直径よりも大きい。アンカーメタル441の第1の外枠301bとは反対側の表面には、アンカーメタル441と同径の電極451がある。さらに、第1フォトレジスト層301の底部導電膜200とは反対側の表面には、第1の中心部301aと同心で中心部301aの大径側の外径と同径の小径側の外径を有する逆円錐台状の第2の中心部601aと、電極451のアンカーメタル441の反対側の表面にある第2の中心部601aの周囲を囲む第2の外枠601bとからなる第2フォトレジスト層601が形成されている。第2の外枠601bの内面51bの直径は電極451の穴径よりも大きい。また、第2の中心部601aの第1の中心部301aと反対の表面には、第2の中心部601aの大径側の外径より外径が大きく内径が小さい環状のフォトレジスト(吸収体)510が、図16(b)にも示すように同心状に配置されている。
第1の外枠301bと電極451との境界部分に配置された円形の穴があいたアンカーメタル441は、第1の外枠301bと電極451の密着力を強くするために用いるものであり、この例ではクロム(Cr)を用いたが、後述する他の材料でも良い。アンカーメタル441の厚さは、この例では5nmとしたが、電極451と十分に密着する厚さであればよい。アンカーメタル441と第2の外枠601bとの境界部分に配置された円形の穴があいた電極451は、電鋳工程において電鋳物となる円筒状部品を構成する金属を析出させるための金属膜であり、この例では金(Au)を用いたが、後述する他の金属材料でも良い。電極451の厚さは、この例では250nmとしたが、電鋳工程において電気的な導通が取れる厚さであれば良い。
次に、上述した電鋳型70を作製する製造方法の例について図17および図18を用いて詳細に説明する。
図17は本実施形態に係る電鋳型70の製造方法を工程順に説明する図である。ただし、図17は断面形状を理解しやすくするためにサイズを極端に大きく誇張して示した。
図17(a)は基板上への第1フォトレジスト層形成工程と第1フォトレジスト層露光工程を示す断面図である。この図に示すように、まず、まず基板100の上面に底部導電膜200を形成し、次に底部導電膜200の上面に第1フォトレジスト層300を形成した後、可溶部302を形成する部分の上方に第1マスクパターン701を位置あわせし、紫外光800を照射して露光を行い、不溶部301と可溶部302とを形成する。ここで第1フォトレジスト層300はネガ型フォトレジストを用いている。
図17(b)は第1フォトレジスト層300の上面に中間導電膜を形成する中間導電膜形成工程を示す断面図である。図17(a)で説明した工程の後、図17(b)に示すように、現像を行わずに、真空蒸着法により前記第1フォトレジスト層300を感光させない範囲の波長の光を発する温度範囲で金属材料を加熱蒸着させて、前記第1フォトレジスト層300の上面に、中間導電膜450を形成する。
金属材料としては、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、銀(Ag)、インジウム(In)、すず(Sn)、金(Au)等が用いられる。これら金属材料のうち、クロムやチタンは、上述した他の金属材料のアンカーメタルとして用いてもよい。この場合、クロムやチタンの上にはその他の導電性材料を成膜する。
中間導電膜450の厚さは、数nmから数μmであり、後述する電鋳工程において導通がとれる厚さであればよい。また、アンカーメタル441の厚さは、中間導電膜450と十分に密着する厚さであればよい。
図17(c)は前記中間導電膜450の上面にパターニング用レジスト501を形成するパターニング用レジスト形成工程を示す断面図である。また、図18(a)は図17(c)の平面図である。図17(c)および図18(a)に示すように、中間導電膜450の上面にパターニング用レジスト501を所定形状となるように形成する。
図17(d)は前記パターニング用レジスト501を介して前記金アンカーメタル441および中間導電膜450をパターニングするパターニング工程およびパターニング工程で残存した前記パターニング用レジスト501を除去するパターニング用レジスト除去工程を示す断面図である。また、図18(b)に図17(d)の平面図を示す。図17(d)および図18(b)に示すように、パターニング用レジストの形成後、これをエッチングマスクとして、アンカーメタル441および中間導電膜450をパターニングしてアンカーメタル441、電極451(中間導電膜450)を得る。その後、アンカーメタル441、電極451上のパターニング用レジスト501を除去する。アンカーメタル441および中間導電膜450のパターニングにおいては、アンカーメタル441および中間導電膜450の材料に応じたエッチャントを用いてエッチングを行う。また、パターニング用レジスト501の除去には、剥離液を用いる。剥離液は、アルカリ性、あるいは、酸性の水溶液を用いる。有機溶剤は、可溶部302を溶かしてしまうため用いない方が良い。
図17(e)は第2フォトレジスト層形成工程、および前記第2フォトレジスト層600の上面に環状のフォトレジスト510を形成する環状フォトレジスト形成工程を示す断面図である。また、図18(c)は図17(e)の平面図である。図17(e)に示すように、不溶部301の上面の一部と図17(d)の工程で露出した電極450の上面に第2フォトレジスト層を形成する。その後、図17(e)および図18(c)に示すように、第2フォトレジスト層600の上面にフォトレジストを所定形状となるように形成する。
図17(f)は第1および第2フォトレジスト層露光工程を示す断面図である。第2フォトレジスト層600および環状のフォトレジスト510の上方にマスクパターン702を位置あわせし、露光を行い不溶部601と可溶部602を形成する。
図17(g)は前記第1フォトレジスト層300及び前記第2フォトレジスト層600を現像して、それら第1フォトレジスト層300と第2フォトレジスト層600のそれぞれの可溶部302および602を除去する可溶部除去工程を示す断面図である。この図に示すように、前記第1フォトレジスト層300及び前記第2フォトレジスト層600に対して現像を行い可溶部302および602を除去する。
以上の工程によって、第1フォトレジスト層の貫通孔900の外径が第2フォトレジスト層の貫通孔1000の外径よりも小さな電鋳型70が得られる。
図19は第5実施形態に係る時計用部品13の平面図および断面図である。図19(a)は時計用部品13の平面図であり、図19(b)は時計用部品13を図19(a)の線BBで切った断面図である。後述するように電鋳によって製造され、1層目13aと2層目13bとからなっており、時計用部品13の中心には軸孔が開いている。時計用部品13の2層目の外周面13dは中心軸Oと略平行になっており、時計用部品13の1層目13aは歯がなく2層目13bよりも外径が小さい。また、2層目の軸孔13eの径よりも1層目の軸孔13fの径のほうが小さくなっており、2層目の軸孔13eおよび1層目の軸孔13fは逆円錐台状になっている。
以下に、本実施形態に係る時計用部品13の電鋳による製造方法を説明する。なお、この第5の実施形態においては、第1乃至第4の実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図20は、本願発明の第二の実施形態に係る電鋳型70を用いて時計用部品13を作製する工程を説明する図であって、図20(a)は底部導電膜200の上面から1層目の電鋳物(金属)131を析出させる初期工程を示す断面図、図20(b)は底部導電膜200の上面から1層目の電鋳物(金属)131を析出させて電極451にまで届いた後、2層目の 電鋳物(金属)132を析出させる状態を示す断面図、図20(c)は底部導電膜200の上面から2層目の電鋳物(金属)132を析出させて第2フォトレジスト層600aの上面にまで達した状態を示す断面図、図20(d)は電鋳型70から取り出した時計用部品13の断面図である。
まず、図20(a)に示すように、図5を用いて説明した電鋳方法によって露出した底部導電膜200の上面から1層目の電鋳物(金属)131を析出させる。このとき、電極451には電流が流れないため、電極451上には1層目の電鋳物131は、析出しない。
次に、図20(b)に示すように、第1フォトレジスト層の厚さだけ1層目の電鋳物131を成長させ、更に電極451に触れるまで1層目の電鋳物131を成長させる。この際、第1フォトレジスト層の厚さに1層目の電鋳物131が成長するまでは、電極451に電流が流れないため、電極451上には、1層目の電鋳物131は析出しない。しかしながら、電極451と1層目の電鋳物131とが、図20(b)に示すように接触すると、電極451にも電流が流れ始めるため、電極451上にも1層目の電鋳物131が析出し始める。ここで、電極451に1層目の電鋳物131が達した後、1層目と異なる電鋳液21と電極22を用いて2層目の電鋳物132を析出させる。電鋳物が十分な耐久性および耐摩耗性を確保するために2層目の電鋳時には析出する材料をNiCoやNiWのような硬い材料にすることが望ましい。
次に、図20(c)に示すように、所望の厚さまで電鋳物130を析出させる。所望の厚さまで電鋳物130を析出させた後、研磨工程によって電鋳物130の厚さを揃える。
なお、電鋳工程において、電鋳物130の厚さ制御が可能である場合、研磨工程を行わなくても良い。
次に、図20(d)に示すように、電鋳型70から電鋳物130を取り出して、電鋳部品13を得る。電鋳物130の取り出しは、不溶部301および不溶部601を有機溶剤で溶かしたり、電鋳物130に基板100から分離するような力を加えて物理的に引きはがしてもよい。また、型を再利用しない場合は型を破壊して電鋳物130を取り出しても良い。
底部導電膜200、環状のフォトレジスト510および電極451が電鋳物130に付着している場合、ウエットエッチングや研磨などの方法を用いて除去する。なお、部品の機能上、底部導電膜200や環状のフォトレジスト510および電極451がついていても問題がない場合、底部導電膜200や環状のフォトレジスト510および電極451は、除去しなくても良い。また、底部導電膜200や環状のフォトレジスト510および電極451が部品の機能上必要である場合、底部導電膜200や環状のフォトレジスト510および電極451は除去しない。
(実施の形態6)
本発明に係る第6の実施形態について図21乃至図22に基づいて説明する。なお、この第5の実施形態においては、第1乃至第5の実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。図21は、本実施形態に係る電鋳型の例を示す図、図22は、本実施形態に係る電鋳型の製造方法の例を示す図である。
まず図21に基づき、本実施形態に係る電鋳型の例について説明する。図21(a)は、本実施形態に係る電鋳型の例の断面図であり、図21(b)は、図21(a)の電鋳型を上方から見た平面図である。この例で示す電鋳型は、軸孔を有し、軸方向に複数の材料で構成される一体の円筒状部品を電鋳するための電鋳型である。
図21(a)に示すように、電鋳型75は、基板100を備え、基板100の上側表面全面に導電体の金属膜である底部導電膜200が形成されている。また、底部導電膜200の基板100とは反対側の表面には、逆円錐台状の第1の中心部301aと、この第1の中心部301aの周囲を囲むように第1の外枠301bとからなる、第1フォトレジスト層301が形成されている。さらに、第1の外枠301bの底部導電膜200とは反対側の表面には、第1の外枠301bと同心の円形の穴が開いたアンカーメタル441があり、この穴径は第1の外枠301bの円筒状の内面51aの直径よりも大きい。アンカーメタル441の第1の外枠301bとは反対側の表面には、アンカーメタル441と同径の電極451がある。さらに、第1フォトレジスト層301の底部導電膜200とは反対側の表面には、第1の中心部301aと同心で中心部301aの大径側の外径と同径の小径側の外径を有する逆円錐台状の第2の中心部601aと、電極451のアンカーメタル441の反対側の表面にある第2の中心部601aの周囲を囲む第2の外枠601bとからなる第2フォトレジスト層601が形成されている。第2の外枠601bの内面51bの直径は電極451の穴径よりも大きい。また、第2の中心部601aの第1の中心部301aと反対の表面には、第2の中心部601aの大径側の外径より外径が大きく内径が小さい環状の金属薄膜(吸収体)401が、図21(b)にも示すように同心状に配置されている。
次に、上述した電鋳型75を作製する製造方法の例について図22を用いて詳細に説明する。
図22は本実施形態に係る電鋳型75の製造方法を工程順に説明する図である。ただし、図22は断面形状を理解しやすくするためにサイズを極端に大きく誇張して示した。
図22(a)は基板上への第1フォトレジスト層形成工程と第1フォトレジスト層露光工程を示す断面図である。この図に示すように、まず、まず基板100の上面に底部導電膜200を形成し、次に底部導電膜200の上面に第1フォトレジスト層300を形成した後、可溶部302を形成する部分の上方に第1マスクパターン701を位置あわせし、紫外光800を照射して露光を行い、不溶部301と可溶部302とを形成する。ここで第1フォトレジスト層300はネガ型フォトレジストを用いている。
図22(b)は第1フォトレジスト層300の上面に中間導電膜を形成する中間導電膜形成工程を示す断面図である。図22(a)で説明した工程の後、図22(b)に示すように、現像を行わずに、真空蒸着法により前記第1フォトレジスト層300を感光させない範囲の波長の光を発する温度範囲で金属材料を加熱蒸着させて、前記第1フォトレジスト層300の上面に、中間導電膜450を形成する。
金属材料としては、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、銀(Ag)、インジウム(In)、すず(Sn)、金(Au)等が用いられる。これら金属材料のうち、クロムやチタンは、上述した他の金属材料のアンカーメタルとして用いてもよい。この場合、クロムやチタンの上にはその他の導電性材料を成膜する。
中間導電膜450の厚さは、数nmから数μmであり、後述する電鋳工程において導通がとれる厚さであればよい。また、アンカーメタル441の厚さは、中間導電膜450と十分に密着する厚さであればよい。
図22(c)は前記中間導電膜450の上面にパターニング用レジスト501を形成するパターニング用レジスト形成工程を示す断面図である。中間導電膜450の上面にパターニング用レジスト501を所定形状となるように形成する。
図22(d)は前記パターニング用レジスト501を介して前記金アンカーメタル441および中間導電膜450をパターニングするパターニング工程およびパターニング工程で残存した前記パターニング用レジスト501を除去するパターニング用レジスト除去工程を示す断面図である。パターニング用レジストの形成後、これをエッチングマスクとして、アンカーメタル441および中間導電膜450をパターニングしてアンカーメタル441、電極451(中間導電膜450)を得る。その後、アンカーメタル441、電極451上のパターニング用レジスト501を除去する。アンカーメタル441および中間導電膜450のパターニングにおいては、アンカーメタル441および中間導電膜450の材料に応じたエッチャントを用いてエッチングを行う。また、パターニング用レジスト501の除去には、剥離液を用いる。剥離液は、アルカリ性、あるいは、酸性の水溶液を用いる。有機溶剤は、可溶部302を溶かしてしまうため用いない方が良い。
図22(e)は第2フォトレジスト層形成工程、および前記第2フォトレジスト層600の上面に金属薄膜を形成する金属薄膜形成工程、および前記金属薄膜400の上面に金属薄膜パターニング用レジスト500を形成するパターニング用レジスト形成工程を示す断面図である。図22(e)に示すように、不溶部301の上面の一部と図22(d)の工程で露出した電極450の上面に第2フォトレジスト層を形成した後、真空蒸着法により、第2フォトレジスト層600を感光させない範囲の波長の光を発する温度範囲で金属を加熱蒸着させて、第2フォトレジスト層600の上面に、金属薄膜400を形成する。その後、金属薄膜400の上面に金属薄膜パターニング用レジスト500を所定形状となるように形成する。
図22(f)は前記金属薄膜パターニング用レジスト500を介して前記金属薄膜400をパターニングするパターニング工程およびパターニング工程で残存した前記金属薄膜パターニング用レジスト500を除去するパターニング用レジスト除去工程を示す断面図である。図22(f)に示すように、パターニング用レジストの形成後、これをエッチングマスクとして、金属薄膜400をパターニングして環状の金属薄膜401を得る。その後、環状の金属薄膜401上の金属薄膜パターニング用レジスト500を除去する。
図22(g)は第1および第2フォトレジスト層露光工程を示す断面図である。第2フォトレジスト層600および環状の金属薄膜401の上方にマスクパターン702を位置あわせし、露光を行い不溶部601と可溶部602を形成する。
図22(h)は前記第1フォトレジスト層300及び前記第2フォトレジスト層600を現像して、それら第1フォトレジスト層300と第2フォトレジスト層600のそれぞれの可溶部302および602を除去する可溶部除去工程を示す断面図である。この図に示すように、前記第1フォトレジスト層300及び前記第2フォトレジスト層600に対して現像を行い可溶部302および602を除去する。
以上の工程によって、第1フォトレジスト層の貫通孔900の外径が第2フォトレジスト層の貫通孔1000の外径よりも小さな電鋳型75が得られる。
上記製造方法により製造された電鋳型75を用いて得られる本実施形態に係る時計用部品については構造および電鋳方法が第5の実施例と同様であるため省略する。
(実施の形態7)
本発明に係る第7の実施形態について図23乃至図25に基づいて説明する。なお、この第7の実施形態においては、第1乃至第6の実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。図23は、本実施形態に係る電鋳型の例を示す図、図24は、本実施形態に係る電鋳型の製造方法の例を示す図、図25は、本実施形態に係る電鋳型を用いて作製される円筒状部品の例を示す図、図26は、図25に示す円筒状部品を本実施形態に係る電鋳型を用いて作製する方法の例を示す図である。
まず図23に基づき、本実施形態に係る電鋳型の例について説明する。図23(a)は、本実施形態に係る電鋳型の例の断面図であり、図23(b)は、図23(a)の電鋳型を上方から見た平面図である。この例で示す電鋳型は、軸孔を有し、軸方向に複数の材料で構成される一体の円筒状部品を電鋳するための電鋳型である。
図23(a)に示すように、電鋳型80は、基板100を備え、基板100の上側表面全面に導電体の金属膜である底部導電膜200が形成されている。また、底部導電膜200の基板100とは反対側の表面には、逆円錐台状の第1の中心部301aと、この第1の中心部301aの周囲を囲むように第1の外枠301bとからなる、第1フォトレジスト層301が形成されている。さらに、第1の外枠301bの底部導電膜200とは反対側の表面には、第1の外枠301bと同心の円形の穴が開いたアンカーメタル441があり、この穴径は第1の外枠301bの円筒状の内面51aの直径よりも大きい。アンカーメタル441の第1の外枠301bとは反対側の表面には、アンカーメタル441と同径の電極451がある。さらに、第1フォトレジスト層301の底部導電膜200とは反対側の表面には、第1の中心部301aと同心でその大径側の外径とほぼ同径の円筒状の第2の中心部601aと、電極451のアンカーメタル441の反対側の表面にある第2の中心部601aの周囲を囲む第2の外枠601bとからなる第2フォトレジスト層601が形成されている。第2の外枠601bの内面51bの直径は電極451の穴径よりも大きい。また、第1の中心部301aと第2の中心部601aとの境界部分には、第2の中心部の大径側の外径より外径が大きく内径が小さい環状のフォトレジスト(吸収体)510が、図23(b)にも示すように同心状に配置されている。
次に、上述した電鋳型80を作製する製造方法の例について図24を用いて詳細に説明する。
図24は本実施形態に係る電鋳型80の製造方法を工程順に説明する図である。ただし、図24は断面形状を理解しやすくするためにサイズを極端に大きく誇張して示した。
図24(a)は基板上への第1フォトレジスト層形成工程と第1フォトレジスト層露光工程を示す断面図である。この図に示すように、まず、まず基板100の上面に底部導電膜200を形成し、次に底部導電膜200の上面に第1フォトレジスト層300を形成した後、可溶部302を形成する部分の上方に第1マスクパターン701を位置あわせし、紫外光800を照射して露光を行い、不溶部301と可溶部302とを形成する。ここで第1フォトレジスト層300はネガ型フォトレジストを用いている。
図24(b)は第1フォトレジスト層300の上面に中間導電膜を形成する中間導電膜形成工程を示す断面図である。図24(a)で説明した工程の後、図24(b)に示すように、現像を行わずに、真空蒸着法により前記第1フォトレジスト層300を感光させない範囲の波長の光を発する温度範囲で金属材料を加熱蒸着させて、前記第1フォトレジスト層300の上面に、中間導電膜450を形成する。
金属材料としては、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、銀(Ag)、インジウム(In)、すず(Sn)、金(Au)等が用いられる。これら金属材料のうち、クロムやチタンは、上述した他の金属材料のアンカーメタルとして用いてもよい。この場合、クロムやチタンの上にはその他の導電性材料を成膜する。
中間導電膜450の厚さは、数nmから数μmであり、後述する電鋳工程において導通がとれる厚さであればよい。また、アンカーメタル441の厚さは、中間導電膜450と十分に密着する厚さであればよい。
図24(c)は前記中間導電膜450の上面にパターニング用レジスト501を形成するパターニング用レジスト形成工程を示す断面図である。中間導電膜450の上面にパターニング用レジスト501を所定形状となるように形成する。
図24(d)は前記パターニング用レジスト501を介して前記金アンカーメタル441および中間導電膜450をパターニングするパターニング工程およびパターニング工程で残存した前記パターニング用レジスト501を除去するパターニング用レジスト除去工程を示す断面図である。パターニング用レジストの形成後、これをエッチングマスクとして、アンカーメタル441および中間導電膜450をパターニングしてアンカーメタル441、電極451(中間導電膜450)を得る。その後、アンカーメタル441、電極451上のパターニング用レジスト501を除去する。アンカーメタル441および中間導電膜450のパターニングにおいては、アンカーメタル441および中間導電膜450の材料に応じたエッチャントを用いてエッチングを行う。また、パターニング用レジスト501の除去には、剥離液を用いる。剥離液は、アルカリ性、あるいは、酸性の水溶液を用いる。有機溶剤は、可溶部302を溶かしてしまうため用いない方が良い。
図24(e)は前記パターニング用レジスト除去工程で露出した第1フォトレジスト層の不要部301の上面に環状のフォトレジスト510を形成する環状フォトレジスト形成工程を示す断面図である。図22(e)に示すように、図22(d)の工程で露出した不溶部301の上面の一部フォトレジストを所定形状となるように形成する。
図24(f)は第2フォトレジスト層形成工程、および第2フォトレジスト層露光工程を示す断面図である。図24(f)に示すように、不溶部301の上面の一部と図24(e)の工程で形成した環状のフォトレジスト510の上面に第2フォトレジスト層を形成する。その後、第2フォトレジスト層600の上方にマスクパターン702を位置あわせし、露光を行い不溶部601と可溶部602を形成する。
図24(g)は前記第1フォトレジスト層300及び前記第2フォトレジスト層600を現像して、それら第1フォトレジスト層300と第2フォトレジスト層600のそれぞれの可溶部302および602を除去する可溶部除去工程を示す断面図である。この図に示すように、前記第1フォトレジスト層300及び前記第2フォトレジスト層600に対して現像を行い可溶部302および602を除去する。
以上の工程によって、第1フォトレジスト層の貫通孔900の外径が第2フォトレジスト層の貫通孔1000の外径よりも小さな電鋳型80が得られる。
図25は第7実施形態に係る時計用部品14の平面図および断面図である。図25(a)は時計用部品14の平面図であり、図25(b)は時計用部品14を図25(a)の線BBで切った断面図である。後述するように電鋳によって製造され、1層目14aと2層目14bとからなっており、時計用部品14の中心には軸孔が開いている。時計用部品14の2層目の外周面14dは中心軸Oと略平行になっており、時計用部品14の1層目14aは歯がなく2層目14bよりも外径が小さい。また、2層目の軸孔14eの径よりも1層目の軸孔14fの径のほうが小さくなっており、1層目の軸孔14fは逆円錐台状になっている。また、この時計用部品14を製造するための電鋳型80には、第1の中心部301aと第2の中心部601aとの境界部分に環状のフォトレジスト510が設けられているため、時計用部品14の軸孔の内面(例えば、1層目14aの軸孔14fの内面に、環状のフォトレジスト510に対応した凹みが形成されている。
以下に、本実施形態に係る時計用部品14の電鋳による製造方法を説明する。なお、この第7の実施形態においては、第1乃至第6の実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図26は、本願発明の第7の実施形態に係る電鋳型80を用いて時計用部品14を作製する工程を説明する図であって、図26(a)は底部導電膜200の上面から1層目の電鋳物(金属)141を析出させる初期工程を示す断面図、図26(b)は底部導電膜200の上面から1層目の電鋳物(金属)141を析出させて電極451にまで届いた後、2層目の電鋳物(金属)142を析出させる状態を示す断面図、図26(c)は底部導電膜200の上面から2層目の電鋳物(金属)142を析出させて第2フォトレジスト層600aの上面にまで達した状態を示す断面図、図26(d)は電鋳型80から取り出した時計用部品140の断面図である。
まず、図26(a)に示すように、図5を用いて説明した電鋳方法によって露出した底部導電膜200の上面から1層目の電鋳物(金属)141を析出させる。このとき、電極451には電流が流れないため、電極451上には1層目の電鋳物141は、析出しない。
次に、図26(b)に示すように、不溶部301の厚さだけ1層目の電鋳物141を成長させ、更に電極451に触れるまで1層目の電鋳物141を成長させる。この際、不溶部301の厚さに1層目の電鋳物141が成長するまでは、電極451に電流が流れないため、電極451上には、1層目の電鋳物141は析出しない。しかしながら、電極451と1層目の電鋳物141とが、図11(b)に示すように接触すると、電極451にも電流が流れ始めるため、電極451上にも1層目の電鋳物141が析出し始める。ここで、電極451に1層目の電鋳物141が達した後、1層目と異なる電鋳液21と電極22を用いて2層目の電鋳物142を析出させる。電鋳物が十分な耐久性および耐摩耗性を確保するために2層目の電鋳時には析出する材料をNiCoやNiWのような硬い材料にすることが望ましい。
次に、図26(c)に示すように、所望の厚さまで電鋳物140を析出させる。所望の厚さまで電鋳物140を析出させた後、研磨工程によって電鋳物140の厚さを揃える。
なお、電鋳工程において、電鋳物140の厚さ制御が可能である場合、研磨工程を行わなくても良い。
次に、図26(d)に示すように、電鋳型80から電鋳物140を取り出して、電鋳
部品14を得る。電鋳物140の取り出しは、不溶部301および不溶部601を有機溶剤で溶かしたり、電鋳物140に基板100から分離するような力を加えて物理的に引きはがしてもよい。また、型を再利用しない場合は型を破壊して電鋳物140を取り出しても良い。
底部導電膜200、環状のフォトレジスト510および電極451が電鋳物140に付着している場合、ウエットエッチングや研磨などの方法を用いて除去する。なお、部品の機能上、底部導電膜200や環状のフォトレジスト510および電極451がついていても問題がない場合、底部導電膜200や環状のフォトレジスト510および電極451は、除去しなくても良い。また、底部導電膜200や環状のフォトレジスト510および電極451が部品の機能上必要である場合、底部導電膜200や環状のフォトレジスト510および電極451は除去しない。
(実施の形態8)
本発明に係る第8の実施形態について図27乃至図29に基づいて説明する。なお、この第8の実施形態においては、第1乃至第7の実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。図27は、本実施形態に係る電鋳型の例を示す図、図28及び図29は、本実施形態に係る電鋳型の製造方法の例を示す図である。
まず図27に基づき、本実施形態に係る電鋳型の例について説明する。図27(a)は、本実施形態に係る電鋳型の例の断面図であり、図27(b)は、図27(a)の電鋳型を上方から見た平面図である。この例で示す電鋳型は、軸孔を有し、軸方向に複数の材料で構成される一体の円筒状部品を電鋳するための電鋳型である。
図27(a)に示すように、電鋳型85は、基板100を備え、基板100の上側表面全面に導電体の金属膜である底部導電膜200が形成されている。また、底部導電膜200の基板100とは反対側の表面には、逆円錐台状の第1の中心部301aと、この第1の中心部301aの周囲を囲むように第1の外枠301bとからなる、第1フォトレジスト層301が形成されている。さらに、第1の外枠301bの底部導電膜200とは反対側の表面には、第1の外枠301bと同心の円形の穴が開いたアンカーメタル441があり、この穴径は第1の外枠301bの円筒状の内面51aの直径よりも大きい。アンカーメタル441の第1の外枠301bとは反対側の表面には、アンカーメタル441と同径の電極451がある。さらに、第1フォトレジスト層301の底部導電膜200とは反対側の表面には、第1の中心部301aと同心でその大径側の外径とほぼ同径の円筒状の第2の中心部601aと、電極451のアンカーメタル441の反対側の表面にある第2の中心部601aの周囲を囲む第2の外枠601bとからなる第2フォトレジスト層601が形成されている。第2の外枠601bの内面51bの直径は電極451の穴径よりも大きい。また、第1の中心部301aと第2の中心部601aとの境界部分には、第2の中心部の大径側の外径より外径が大きく内径が小さい環状の金属薄膜(吸収体)401が、図27(b)にも示すように同心状に配置されている。アンカーメタル441は、環状の金属薄膜(吸収体)401と同じ材料かつ同じ厚さである。
次に、上述した電鋳型85を作製する製造方法の例について図28及び図29を用いて詳細に説明する。
図28は本実施形態に係る電鋳型85の製造方法を工程順に説明する図である。ただし、図28は断面形状を理解しやすくするためにサイズを極端に大きく誇張して示した。
図28(a)は基板上への第1フォトレジスト層形成工程と第1フォトレジスト層露光工程を示す断面図である。この図に示すように、まず、まず基板100の上面に底部導電膜200を形成し、次に底部導電膜200の上面に第1フォトレジスト層300を形成した後、可溶部302を形成する部分の上方に第1マスクパターン701を位置あわせし、紫外光800を照射して露光を行い、不溶部301と可溶部302とを形成する。ここで第1フォトレジスト層300はネガ型フォトレジストを用いている。
図28(b)は第1フォトレジスト層300の上面に中間導電膜を形成する中間導電膜形成工程を示す断面図である。図8(a)で説明した工程の後、図28(b)に示すように、現像を行わずに、真空蒸着法により前記第1フォトレジスト層300を感光させない範囲の波長の光を発する温度範囲で金属材料を加熱蒸着させて、前記第1フォトレジスト層300の上面に、中間導電膜450を形成する。
金属材料としては、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、銀(Ag)、インジウム(In)、すず(Sn)、金(Au)等が用いられる。これら金属材料のうち、クロムやチタンは、上述した他の金属材料のアンカーメタルとして用いてもよい。この場合、クロムやチタンの上にはその他の導電性材料を成膜する。
中間導電膜450の厚さは、数nmから数μmであり、後述する電鋳工程において導通がとれる厚さであればよい。金属薄膜400は一部をアンカーメタル441、他の一部を環状の金属薄膜として用いる。金属薄膜400の厚さは、10nm以下であり、後述する第1フォトレジスト層および第2フォトレジスト層の露光工程において光が透過する厚さである必要がある。
図28(c)は前記中間導電膜450の上面にパターニング用レジスト501を形成するパターニング用レジスト形成工程を示す断面図である。また、図29(a)は図28(c)の平面図である。図28(c)および図29(a)に示すように、中間導電膜450の上面にパターニング用レジスト501を所定形状となるように形成する。
図28(d)は前記パターニング用レジスト501を介して前記金属薄膜400および中間導電膜450をパターニングするパターニング工程およびパターニング工程で残存した前記パターニング用レジスト501を除去するパターニング用レジスト除去工程およびパターニング用レジスト除去工程で露出した環状の中間導電膜452の除去時にパターニング用レジスト除去工程時に露出した電極451を保護するための保護用レジスト形成工程を示す断面図である。また、図29(b)に図28(d)の平面図を示す。
図28(d)および図29(b)に示すように、パターニング用レジストの形成後、これをエッチングマスクとして、金属薄膜400および中間導電膜450をパターニングしてアンカーメタル441(金属薄膜400)、電極451(中間導電膜450)、環状の中間導電膜452(中間導電膜450)、環状の金属薄膜401(金属薄膜400)を得る。その後、アンカーメタル441、電極451、環状の中間導電膜452、環状の金属薄膜401上のパターニング用レジスト501を除去する。その後、後述する環状の中間導電膜452除去工程においてアンカーメタル441および451を保護するための保護用レジスト502を形成する。金属薄膜400および中間導電膜450のパターニングにおいては、金属薄膜400および中間導電膜450の材料に応じたエッチャントを用いてエッチングを行う。また、パターニング用レジスト501の除去には、剥離液を用いる。剥離液は、アルカリ性、あるいは、酸性の水溶液を用いる。有機溶剤は、可溶部302を溶かしてしまうため用いない方が良い。
図28(e)は環状の中間導電膜452除去工程および保護用レジスト502の除去工程を示す断面図である。また、図29(c)は図28(e)の平面図である。図28(e)および図に示すように、前記パターニング工程で露出した環状の中間導電膜452をエッチングにより除去し、金属薄膜401を得る。その後、アンカーメタル441の側面、電極451の上面および側面の保護用レジスト502を除去する。
環状の中間導電膜452のエッチングにおいては中間導電膜450の材料に応じたエッチャントを用いてエッチングを行う。このとき、金属薄膜がエッチングされないようなエッチャントを使用する必要がある。また、保護用レジスト502の除去には、剥離液を用いる。剥離液は、アルカリ性、あるいは、酸性の水溶液を用いる。有機溶剤は、可溶部302を溶かしてしまうため用いない方が良い。
図28(f)は第2フォトレジスト層形成工程、および第2フォトレジスト層露光工程を示す断面図である。図28(f)に示すように、不溶部301の上面の一部と図28(e)の工程で露出した電極450と環状の金属薄膜401、および不溶部301の一部の上面に第2フォトレジスト層を形成する。その後、第2フォトレジスト層600の上方にマスクパターン702を位置あわせし、露光を行い不溶部601と可溶部602を形成する。
図28(g)は前記第1フォトレジスト層300及び前記第2フォトレジスト層600を現像して、それら第1フォトレジスト層300と第2フォトレジスト層600のそれぞれの可溶部302および602を除去する可溶部除去工程を示す断面図である。この図に示すように、前記第1フォトレジスト層300及び前記第2フォトレジスト層600に対して現像を行い可溶部302および602を除去する。
以上の工程によって、第1フォトレジスト層の貫通孔900の外径が第2フォトレジスト層の貫通孔1000の外径よりも小さな電鋳型85が得られる。
上記製造方法により製造された電鋳型85を用いて得られる本実施形態に係る時計用部品については構造および電鋳方法が第7の実施例と同様であるため省略する。
なお、第1乃至第8実施形態において、第1および第2のフォトレジストからなる2層構造の電鋳型においても、見た目が一層構造と同様であることもある。
また、第1乃至第8実施形態において、第1および第2のフォトレジストにはネガ型のフォトレジストを用いたが、ポジ型のフォトレジストを用いても同様な構造の電鋳型を得ることができる。例えば、第2実施形態で第1のフォトレジストとしてポジ型のフォトレジストを用いた場合を図30に示す。この場合の吸収体は、必ずしも環状である必要はなく、図30に示すように円形状であっても構わない。
本発明の第1実施形態に係る電鋳型の図である。 本発明の第1実施形態に係る時計用部品の電鋳型の製造方法を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る時計用部品の電鋳型の製造方法を示す平面図である。 本発明の第1実施形態に係る時計用部品の図である。 本発明の第1実施形態に係る時計用部品の電鋳型を用いて時計用部品を形成する際の電鋳方法を説明する断面図である。 本発明の第1実施形態に係る時計用部品を製造する工程を説明する図である。 本発明の第2実施形態に係る電鋳型の図である。 本発明の第2実施形態に係る時計用部品の電鋳型の製造方法を示す平面図である。 本発明の第2実施形態に係る時計用部品の電鋳型の製造方法を示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る電鋳型の図である。 本発明の第3実施形態に係る時計用部品の電鋳型の製造方法を示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る時計用部品の図である。 本発明の第3実施形態に係る時計用部品を製造する工程を説明する図である。 本発明の第4実施形態に係る電鋳型の図である。 本発明の第4実施形態に係る時計用部品の電鋳型の製造方法を示す断面図である。 本発明の第5実施形態に係る電鋳型の図である。 本発明の第5実施形態に係る時計用部品の電鋳型の製造方法を示す断面図である。 本発明の第5実施形態に係る時計用部品の電鋳型の製造方法を示す平面図である。 本発明の第5実施形態に係る時計用部品の図である。 本発明の第5実施形態に係る時計用部品を製造する工程を説明する図である。 本発明の第6実施形態に係る電鋳型の図である。 本発明の第6実施形態に係る時計用部品の電鋳型の製造方法を示す断面図である。 本発明の第7実施形態に係る電鋳型の図である。 本発明の第7実施形態に係る時計用部品の電鋳型の製造方法を示す断面図である。 本発明の第7実施形態に係る時計用部品の図である。 本発明の第7実施形態に係る時計用部品を製造する工程を説明する図である。 本発明の第8実施形態に係る電鋳型の図である。 本発明の第8実施形態に係る時計用部品の電鋳型の製造方法を示す断面図である。 本発明の第8実施形態に係る時計用部品の電鋳型の製造方法を示す平面図である。 ポジ型のフォトレジストで製造した電鋳型の図である。
符号の説明
11 時計用部品
11a 時計用部品の1層目
11b 時計用部品の2層目
11c 歯先円
11d 外周面
11e 2層目の軸孔
11f 1層目の軸孔
12 時計用部品
12a 時計用部品の1層目
12b 時計用部品の2層目
12c 歯先円
12d 外周面
12e 2層目の軸孔
12f 1層目の軸孔
13 時計用部品
13a 時計用部品の1層目
13b 時計用部品の2層目
13c 歯先円
13d 2層目の外周面
13e 2層目の軸孔
13f 1層目の軸孔
14 時計用部品
14a 時計用部品の1層目
14b 時計用部品の2層目
14c 歯先円
14d 2層目の外周面
14e 2層目の軸孔
14f 1層目の軸孔
20 電鋳漕
21 電鋳液
22 電極
50 電鋳型
51 電鋳型外枠の円筒状の内面
51a 第1の内面
51b 第2の内面
55 電鋳型
60 電鋳型
65 電鋳型
70 電鋳型
75 電鋳型
80 電鋳型
85 電鋳型
100 基板
110 電鋳物
111 電鋳物の1層目
112 電鋳物の2層目
120 電鋳物
121 電鋳物の1層目
122 電鋳物の2層目
130 電鋳物
131 電鋳物の1層目
132 電鋳物の2層目
140 電鋳物
141 電鋳物の1層目
142 電鋳物の2層目
200 底部導電膜
300 第1フォトレジスト層
301 不溶部
302 可溶部
400 金属薄膜
401 環状の金属薄膜
441 アンカーメタル
450 中間導電膜
451 電極
452 環状の中間導電膜
500 金属薄膜パターニング用レジスト
501 パターニング用レジスト
502 保護用レジスト
510 環状のフォトレジスト
600 第2フォトレジスト層
601 不溶部
602 可溶部
700 マスクパターン
701 第1マスクパターン
702 第2マスクパターン
800 紫外光
900 第1フォトレジスト層の貫通孔
1000 第2フォトレジスト層の貫通孔
1100 環状の金属薄膜の孔
1200 マスクパターンの孔

Claims (25)

  1. 軸孔を有し、軸方向に複数の材料で構成される一体の円筒状部品を電鋳するための電鋳型であって、
    導電体と、
    前記導電体の一方の表面に形成され、逆円錐台状の第1の中心部と、該第1の中心部を囲む円筒状の第1の内面が形成された第1の外枠とを有する第1のフォトレジスト層と、を備えることを特徴とする電鋳型。
  2. 前記第1のフォトレジスト層の前記導電体とは反対側の表面に形成され、前記第1の中心部と同心でその大径側の外径と小径側の外径が同径の逆円錐台状の第2の中心部と、該第2の中心部を囲む円筒状の第2の内面が形成された第2の外枠とを有する第2のフォトレジスト層をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の電鋳型。
  3. 前記第1のフォトレジスト層の前記導電体とは反対側の表面に形成され、前記第1の中心部と同心でその大径側の外径と同径の円筒状の第2の中心部と、該第2の中心部を囲む円筒状の第2の内面が形成された第2の外枠とを有する第2のフォトレジスト層をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の電鋳型。
  4. 軸孔を有し、軸方向に複数の材料で構成される一体の円筒状部品を電鋳するための電鋳型であって、
    導電体と、
    前記導電体の一方の表面に形成され、円錐台状の第1の中心部と、該第1の中心部を囲む円筒状の第1の内面が形成された第1の外枠とを有する第1のフォトレジスト層と、
    を備えることを特徴とする電鋳型。
  5. 前記第1のフォトレジスト層の前記導電体とは反対側の表面に形成され、前記第1の中心部と同心でその小径側の外径と大径側の外径が同径の円錐台状の第2の中心部と、該第2の中心部を囲む円筒状の第2の内面が形成された第2の外枠とを有する第2のフォトレジスト層をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の電鋳型。
  6. 軸孔を有し、軸方向に複数の材料で構成される一体の円筒状部品を電鋳するための電鋳型であって、
    導電体と、
    前記導電体の一方の表面に形成され、円筒状の第1の中心部と、該第1の中心部を囲む円筒状の第1の内面が形成された第1の外枠とを有する第1のフォトレジスト層と、
    前記第1のフォトレジスト層の前記導電体とは反対側の表面に形成され、前記第1の中心部と同心でその外径と大径側の外径が同径の円錐台状の第2の中心部と、該第2の中心部を囲む円筒状の第2の内面が形成された第2の外枠とを有する第2のフォトレジスト層と、
    を備えることを特徴とする電鋳型。
  7. 前記第1の中心部の前記導電体とは反対側の表面に同心に形成され、前記第1の中心部の前記反対側の表面における外径より外径が大きい吸収体をさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項4に記載の電鋳型。
  8. 前記第2の中心部の前記第1の中心部とは反対側の表面に同心に形成され、前記第2の中心部の前記反対側の表面における外径より外径が大きい吸収体をさらに備えることを特徴とする請求項2,5,6のいずれか1項に記載の電鋳型。
  9. 前記第1の中心部と前記第2の中心部との間に同心に形成され、前記第の中心部の外径より外径が大きい吸収体をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の電鋳型。
  10. 前記第1の外枠と前記第2の外枠との間に、円形の穴の開いた金属膜をさらに備え、前記第1の内面の直径よりも前記第2の内面の直径の方が大きく、かつ、前記金属膜の円形の穴の直径が前記第1の内面の直径と前記第2の内面の直径との中間の大きさであることを特徴とする請求項2,3,5,6,8,9のいずれか1項に記載の電鋳型。
  11. 前記吸収体は、紫外光が透過可能な厚さの金属薄膜であることを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載の電鋳型。
  12. 前記吸収体は、フォトレジストであることを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載の電鋳型。
  13. 前記第1のフォトレジスト層は、紫外光の波長領域における吸収係数が4000m-1であることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の電鋳型。
  14. 前記第2のフォトレジスト層は、紫外光の波長領域における吸収係数が4000m-1であることを特徴とする請求項2,3,5,6,8,9,10のいずれか1項に記載の電鋳型。
  15. 軸孔を有し、軸方向に複数の材料で構成される一体の円筒状部品を電鋳するための電鋳型の製造方法であって、
    導電体の一方の表面にネガ型の第1のフォトレジスト層を形成する第1フォトレジスト層形成工程と、
    前記第1のフォトレジスト層の上面に環状の吸収体を形成する環状吸収体形成工程と、
    前記環状の吸収体の外径より小さく内径より大きい内径を有するとともに、前記環状の吸収体の外径より大きい外径を有する環状マスクパターンを、前記第1のフォトレジスト層の上方に前記環状の吸収体と同心に配置する環状マスクパターン配置工程と、
    配置された前記環状マスクパターンを介して、前記第1のフォトレジスト層を、逆円錐台状の第1の中心部を含む不溶部と可溶部に区分するフォトレジスト層露光工程と、
    を有することを特徴とする電鋳型の製造方法。
  16. 軸孔を有し、軸方向に複数の材料で構成される一体の円筒状部品を電鋳するための電鋳型の製造方法であって、
    導電体の一方の表面にネガ型の第1のフォトレジスト層を形成する第1フォトレジスト層形成工程と、
    前記第1のフォトレジスト層の上面にネガ型の第2のフォトレジスト層を形成する第2フォトレジスト層形成工程と、
    前記第2のフォトレジスト層の上面に環状の吸収体を形成する環状吸収体形成工程と、
    前記環状の吸収体の外径より小さく内径より大きい内径を有するとともに、前記環状の吸収体の外径より大きい外径を有する環状マスクパターンを、前記第2のフォトレジスト層の上方に前記環状の吸収体と同心に配置する環状マスクパターン配置工程と、
    配置された前記環状マスクパターンを介して、前記第1のフォトレジスト層を、逆円錐台状の第1の中心部を含む不溶部と可溶部に区分するとともに、第2のフォトレジスト層を前記第1の中心部と同心でその大径側の外径と小径側の外径が同径の逆円錐台状の第2の中心部を含む不溶部と可溶部に区分するフォトレジスト層露光工程と、
    を有することを特徴とする電鋳型の製造方法。
  17. 軸孔を有し、軸方向に複数の材料で構成される一体の円筒状部品を電鋳するための電鋳型の製造方法であって、
    導電体の一方の表面にネガ型の第1のフォトレジスト層を形成する第1フォトレジスト層形成工程と、
    前記第1のフォトレジスト層の上面に環状の吸収体を形成する環状吸収体形成工程と、
    前記環状吸収体形成工程で形成された環状の吸収体と前記第1のフォトレジスト層の上面に、ネガ型の第2のフォトレジスト層を形成する第2フォトレジスト層形成工程と、
    前記環状の吸収体の外径より小さく内径より大きい内径を有するとともに、前記環状の吸収体の外径より大きい外径を有する環状マスクパターンを、前記第2のフォトレジスト層の上方に前記環状の吸収体と同心に配置する環状マスクパターン配置工程と、
    配置された前記環状マスクパターンを介して、前記第1のフォトレジスト層を、逆円錐台状の第1の中心部を含む不溶部と可溶部に区分するとともに、第2のフォトレジスト層を前記第1の中心部と同心でその大径側の外径と同径の円筒状の第2の中心部を含む不溶部と可溶部に区分するフォトレジスト層露光工程と、
    を有することを特徴とする電鋳型の製造方法。
  18. 前記吸収体は、紫外光が透過可能な厚さの金属薄膜であることを特徴とする請求項15乃至請求項17のいずれか1項に記載の電鋳型の製造方法。
  19. 前記吸収体は、フォトレジストであることを特徴とする請求項15乃至請求項17のいずれか1項に記載の電鋳型の製造方法。
  20. 前記第1のフォトレジスト層は、紫外光の波長領域における吸収係数が4000m-1であることを特徴とする請求項15乃至請求項19のいずれか1項に記載の電鋳型の製造方法。
  21. 前記第2のフォトレジスト層は、紫外光の波長領域における吸収係数が4000m-1であることを特徴とする請求項16または請求項17のいずれか1項に記載の電鋳型の製造方法。
  22. 請求項1から14のいずれか1項に記載の電鋳型により電鋳され、軸方向に複数の材料により一体で構成されるとともに貫通する軸孔を有する時計用部品であって、
    前記複数の材料は、互いに硬度が異なる金属材料であり、硬度の高い金属材料よりも硬度の低い金属材料の方が、前記軸孔の内径が小さいことを特徴とする時計用部品。
  23. 記時計用部品は、外周面が前記軸孔の中心軸と平行であることを特徴とする請求項22に記載の時計用部品。
  24. 前記硬度の高い金属材料は、NiCo及び/またはNiWを含有していることを特徴とする請求項22または請求項23に記載の時計用部品。
  25. 請求項22乃至請求項24のいずれか1項に記載の時計用部品を備えた時計。
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