JP2006071503A - 時計用車および時計 - Google Patents

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Abstract


【課題】スリップトルクの安定したスリップ構造を備えた寸法精度の高い時計用車およびそれを備えた時計を提供すること。
【解決手段】 時計用車1は、歯車2と軸部材3とがバネ部4によって係合することによって構成されている。バネ部4は、歯車2の外周を基部にして内側に向かって長いアーチ状に3箇所形成され、歯車2の中心部分5に軸部材3が通る空間を形成している。バネ部4と軸部材3とは、バネ部4のバネ力により係合している。このようなバネ部4を有する歯車2は、フォトマスクに描かれた高精度なパターンを使用して、電鋳により精度良く製造される。したがって、バネ長の長いバネ力の安定したバネ部4を有する歯車2を製造でき、スリップ機構7でのスリップトルクを安定させることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、時計用車および時計に関する。
時計に用いられる例えば時刻修正のための修正輪列や、ぜんまいを巻上げるための巻上げ輪列では、所定の車にスリップ機構が設けられる場合がある。
スリップ機構としては、運針時は、車を構成する小型の歯車と軸部材とが、歯車の内側に設けられたバネ部のバネ力によって互いに係合していて、時刻修正時あるいは、ぜんまい巻上げ時などの竜頭操作により、歯車を一定以上のトルクで強制的に回転させると、バネ部と軸部材との間でスリップする機構がある。
また、別のスリップ機構として、時刻を1時間ステップで修正するための機構が知られている(例えば、特許文献1参照)。このスリップ機構は、小型の歯車からなるジャンパ歯車とジャンパ歯車の中心で回転するジャンパかなとを備え、運針時は、ジャンパ歯車の内側に設けられたバネ部がジャンパかなに係合していて、時刻修正時にバネ部がジャンパかなの歯車の歯の間をステップで飛び越して、ジャンパ歯車とジャンパかなとがスリップする機構である。
そして、これらのスリップ機構に用いられるバネ部を備えた小型歯車の製造方法としては、プレス加工や切削による歯割加工等複数の工程により製造する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特公平7−111463号公報(第2〜第4頁、図1) 特開2003−194964号公報(第3頁、図2)
しかし、特許文献2では、バネ部をプレス加工で形成しているため、ポンチやダイの強度面の制限でバネ部の形状が限定される。これにより、小さな歯車では十分なバネ長さが得られず、スリップトルクが安定しないという課題がある。
また、複数の工程で製造するため、誤差が蓄積する。バネ部の形状のばらつきによる寸法精度の悪さは、歯形とスリップ軸との偏心となり、指示位置ずれの原因となるとともにスリップトルクが安定しない原因にもなる。
本発明の目的は、スリップトルクの安定したスリップ機構を備えた寸法精度のよい時計用車およびそれを備えた時計を提供することにある。
本発明の時計用車は、バネ部が設けられた歯車と、この歯車の中心部分に係合し、かつ前記バネ部のバネ力により当該歯車が保持される軸部材と、前記バネ部のバネ力に抗して前記歯車と前記軸部材との間でスリップを生じさせるスリップ機構とを備え、前記歯車は、電鋳によって形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、バネ部は、直接電鋳によって製造されているので、プレス加工製造される従来と比較して、バネ部の寸法精度が向上する。したがって、このバネ部の設けられた歯車と軸部材とを組み合わせれば、スリップトルクの安定したスリップ機構の時計用車が得られる。
本発明では、電鋳材料にはNiとCoとが含まれていることが好ましい。
この発明では、歯車とバネ部とがNiとCoとを含むことにより硬度が増し、耐摩耗性が向上する。
本発明では、前記歯車には、前記電鋳に用いられる母型の表面が転写された母型面と、電鋳時のフォトリソグラフィ工程で使用されるフォトマスク側のフォト面とが設けられ、
前記歯車と前記軸部材との位置決めは、前記バネ部の側面のうち前記フォト面に近い側の部位と前記軸部材に設けられたテーパ形状の軸側係合部とで行なわれていることが好ましい。
この発明によれば、軸部材に設けられた係合部では、テーパの傾きがバネ部の側面の傾斜より大きく、フォトマスクのパターンが忠実に転写された側面部分を、そのテーパ部分に当接させて係合しているので、組立精度の高い時計用車が得られる。
本発明では、前記バネ部は複数形成され、前記各バネ部の係合部は曲面で形成され、この曲面の曲率半径は前記軸部材に設けられた軸側係合部の半径よりも大きいことが好ましい。
この発明によれば、バネ部の曲面の曲率半径が軸側係合部の半径よりも大きいことにより、軸側係合部はバネ部の曲面の一箇所で滑らかに係合することになるので、互いの係合部の磨耗も少なく、多少の磨耗が発生しても軸部材の位置がずれることなく、一箇所で安定して固定できる。したがって、よりスリップトルクの安定したスリップ機構を備えた時計用車を得ることができる。
本発明では、前記歯車は、前記軸部材との位置ずれを規制する案内部を備えていることが好ましい。
この発明によれば、歯車には案内部が設けられているので、軸部材が歯車の中心からずれる心配がない。したがって、軸部材を安定して位置決めでき、より組立精度の高い時計用車が得られ、スリップトルクも安定する。
本発明の時計は、前述の時計用車を備えていることを特徴とする。
この発明によれば、前述の組立精度の高い時計用車を時計に用いることにより、安定したスリップトルクのスリップ機構を備える時計が得られる。
本発明によれば、スリップトルクの安定したスリップ機構を備えた寸法精度の高い時計用車およびそれを備えた時計を得ることができるという効果がある。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1および図2は、この実施形態に係る時計用車1を示す平面図、および時計用車1の要部を示す拡大図である。図3は、時計用車1を構成する歯車2の製造方法を説明するための工程図である。
図1において、時計用車1は、歯車2のバネ部4に設けられた係合部6と軸部材3に設けられた軸側係合部50とが互いに係合することによって構成されている。バネ部4は、歯車2の外周を基部にして内側に向かってアーチ状に3箇所形成され、歯車2の中心部分5に軸部材3が通る空間を形成している。
ここで、一定以上のトルクが歯車2にかかると、歯車2と軸部材3とは互いにスリップする。このトルクの大きさは、バネ部4のバネ力によって決まる。バネ力は、バネ部4の材質と形状を変えることによって変化する。このように、時計用車1は、バネ部4のバネ力に抗して歯車2と軸部材3との間でスリップを生じさせるスリップ機構7を備えている。つまり、スリップ機構7は、歯車2側のバネ部4と、このバネ部4の係合部6に係合する軸部材3の軸側係合部50とで構成されている。
図2には、軸部材3と歯車2のバネ部4とが係合する部分の拡大図が示されている。
バネ部4の係合部6は、断面が円形の軸側係合部50と係合する部分であり、軸側係合部50に対して凹の曲面で形成されている。この曲面の曲率半径は、軸側係合部50の半径より大きく設定され、軸側係合部50は各係合部6の中の一箇所で係合している。したがって、軸側係合部50は、3つのバネ部4により、3箇所で係合されていることになる。
図3には、この実施形態の製造工程を説明するために、部分断面図が示してある。ここでは、2つの歯車2が形成される付近の断面図を概略的に示した。工程(A)から工程(C)までがフォトリソグラフィ工程である。
工程(A)では、電鋳の母型10の表面に、紫外線硬化型でネガタイプのレジスト11を塗布する。塗布するレジスト11の厚さは、歯車2の厚みより数十μm厚くする。ここで、形成する歯車2の厚みは、0.1mmとする。ただし、図3では、断面形状を理解し易くするために、レジスト11や歯車2の厚みを極端に大きく誇張して示した。
母型10には、ステンレスを使用する。母型10の表面15の形状は、電鋳によって歯車2の表面に転写される。以後、母型10の表面15の形状が転写される歯車2の表面を母型面40と呼ぶ。この実施形態では、母型面40の表面を鏡面とするので、母型10の表面があらかじめ鏡面処理されている。
次に、工程(B)でフォトマスク20を使用して紫外線によるレジスト11の焼き付けを行なう。この際、フォトマスク20のパターン2Pにより、歯車2の電鋳に供する部分が遮光され、この部分に対応したレジスト11の硬化が防止される。反対に、紫外線の透過領域24Nにより、歯車2の中心部分5が硬化する。また、透過領域27Nにより、歯車2回りの余白となる部分が硬化する。
工程(C)は現像工程であり、未硬化のレジスト部分を除去する。ここで、(C)には、電鋳後に中心部分5となる硬化したレジスト部分31N、および余白部分に対応したレジスト部分32Nを示してある。
未硬化部分が除去されると、レジスト部分31N,32Nの側面22は、母型10に対して垂直な面とはならず、傾く。具体的に側面22は、レジスト部分31N,32Nがフォトマスク20の表面側から母型10に向かって先細りとなるように傾き、その傾きは3°〜6°程度である。
工程(D)は電鋳工程である。電鋳に用いられる金属の電鋳材料32は、母型10のレジスト部分31N,32N以外の型部分に堆積する。また、電鋳材料32は、レジスト11の厚みよりも厚くなるまで堆積させる。
この実施形態では、電鋳材料32としては、Niが80%、Co20%の合金を用いている。電鋳材料32は、Ni単体あるいはその他の金属や合金を用いてもよい。
なお、形成された歯車2が適当な力で剥離できるように、電鋳工程の前に母型10の表面を予め動態化処理や不動態化処理で処理して、出来上がった歯車2と母型10との密着力を調整することができる。
工程(E)では、必要な歯車2の厚さまで研磨し、平面化を行う。以後、この研磨面をフォト面25と呼ぶ。ここで、フォト面25の表面は、母型10側の表面15と同様に鏡面に仕上げられる。
工程(F)において、中心部分5のレジスト部分31Nとその他不要なレジスト部分32Nを除去する。この状態では、適当な密着力により歯車2は、母型10に密着している。
ここで、歯車2の歯先の側面部分24も、中心部分5の側面23と同様に傾きを持っているが(図では、誇張して示されている)、この程度の傾きであれば、その他の番車との噛み合いには実用上影響がない。
最後に工程(G)で、歯車2を剥離する。母型10を変形等させることでも歯車2を剥離可能であるし、転写シートを上面から貼り付けて剥離することもできる。
図4には、この実施形態での時計用車1の歯車2と軸部材3との係合部分の断面図が示されている。
前述のフォトリソグラフィ工程によって得られた歯車2のバネ部4の側面23は、レジスト31Nの側面22にもとづいて形成されるため、側面22と同じ傾きを持つ。この場合、フォト面25側の側面部分42は、フォトマスク20に形成されたパターン2Pに近い位置であり、そのパターン2Pの形状をより正確に反映するので寸法精度がよい。したがって、側面部分42で位置合わせを行うと時計用車1の寸法精度も向上する。
本実施形態の歯車2の厚みが0.1mmの場合、フォト面25の中心部分5の穴径寸法の製造誤差は±2.5μm程度であり、母型面40では±5μm程度である。歯車2の厚みが増すほど母型面40の製造誤差は大きくなり、寸法精度も低下する。
軸部材3の軸側係合部50は、歯車2が圧入される圧入側の径が大きいテーパ形状に形成されている。ここで、テーパ形状の角度は、側面23の傾きより大きく、6°以上になるように形成されている。
以下に、歯車2と軸部材3との係合方法について述べる。
歯車2を軸部材3に係合する際には、バネ部4が弾性変形し、中心部分5が広がる。係合後は、弾性によりバネ部4が軸部材3を押して係合することになる。係合は、母型面40側から行なう。ここで、係合側の径が大きいテーパ形状で、母型面40の径が小さいので、テーパ形状の径の大きい部分の面取を行なっておくと、係合がやりやすい。側面23の傾きは、軸側係合部50の傾きより小さいので、母型面40側は軸側係合部50と接することがなく、係合後はフォト面25側の側面部分42と軸側係合部50で位置決めが行われることになる。
以上のようにして得られた時計用車1を組み込んで時計を得る。
このような実施形態によれば、以下の効果がある。
(1)バネ部4は、寸法精度の高いフォトマスク20のパターン2Pに基づいて、直接電鋳によって製造されているので、プレス加工により製造される従来と比較して、バネ部4の寸法精度を向上させることができる。したがって、このバネ部4の設けられた歯車2と軸部材3とを組み合わせれば、スリップトルクの安定したスリップ機構7の時計用車1を得ることができる。また、バネ部4間の形状のばらつきが小さくなり、各々のバネ部4の撓み量も同一にでき、軸部材3に対する歯車2の偏心を小さくできる。
(2)特に、バネ部4をポンチやダイを用いたプレス加工でなく、電鋳によって形成するので、バネ部4の基端部に形成される隅部分のR(アール)も小さくでき、このRが小さい分だけバネ部4を長くできてバネ力を安定させることができる。
(3)歯車2とバネ部4とがNiとCoとを含むことにより硬度を増すことができ、耐摩耗性を向上できる。したがって、繰り返し使用後の寸法精度を向上でき、経時的にも安定したスリップトルクを得ることができる。
(4)軸部材3の設けられた軸側係合部50では、テーパの傾きがバネ部4の側面23の傾斜より大きく、フォトマスク20のパターン2Pが忠実に転写された側面部分42を、そのテーパ部分に当接させて係合している。したがって、中心部分5の穴径の寸法のばらつきが少なく、バネ部4の撓み量のばらつきを小さくでき、スリップトルクを安定させることができる。
(5)バネ部4の曲面の曲率半径が軸側係合部50の半径よりも大きく、軸部材3とバネ部4の曲面の一箇所で滑らかに係合しているので、互いの係合部の磨耗も少なく、多少の磨耗が発生しても軸部材3の位置がずれることなく、一箇所で安定して固定できる。したがって、よりスリップトルクの安定したスリップ機構を備えた時計用車1を得ることができる。
(6)バネ部4が設けられた歯車2の製造に、金型やカッタを必要としないため、低コストで少量多品種生産ができる。
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態を図面にもとづいて説明する。
図5には、第2実施形態の歯車60の平面図が示されている。この実施形態も、第1実施形態と同様にスリップ機構7を備える。
歯車60は、等周間隔に配置された3つのバネ部61と3つの案内部62とを備えている。軸部材3と係合するバネ部61の先端の係合部63は、第1実施形態とは逆に軸部材3に対して凸の曲率を持つように形成され、一箇所で軸部材3と係合する。バネ部61は、バネ長さが長くなるように、扇型に三つのバネ部分611,612,613に分けて形成され、それらの連結で構成される。
案内部62は、歯車60の外周から軸部材3に略接する程度の近くまで形成され、軸部材3と歯車60の位置ずれ(偏心)を規制する。
第2実施形態の歯車60も第1実施形態と同様に、フォトリソグラフィ工程を含む電鋳によって製造され、軸部材3に対して同じように係合されている。
このような実施形態によれば、第1実施形態で得られた効果のほかに、以下のような効果がある。
(7)バネ部61は、外側から内側に向かって3段階のバネ部分611,612,613からなり、バネ長さが長くなるように形成されているため、撓みを大きくでき、バネ力をより安定させることができる。
(8)歯車60には案内部62が設けられているので、軸部材3が歯車60の中心からずれる心配がない。したがって、軸部材3を安定して位置決めでき、組立精度の高い時計用車が得られ、スリップトルクも安定する。
〔第3実施形態〕
以下、本発明の第3実施形態を図面にもとづいて説明する。
この実施形態は、時刻を1時間ステップで修正するためのスリップ機構7を備えたものである。
図6には、第3実施形態のジャンパ歯車70の平面図が示されている。
ジャンパ歯車70の中心には、軸部材3に設けられたジャンパかな75が略接するように回転可能にはめ込まれている。ジャンパかな75には、1時間おきの時刻修正が可能なように例えば24枚の歯が形成されている。バネ部71は、ジャンパ歯車70全体の略3/4の領域に渡ってジャンパかな75を囲むように、5段階のバネ部分711,712,713,714,715を持って形成されている。ジャンパかな75は、バネ部71の先端部72とで係合している。2点鎖線でバネ部71が撓む前の状態を示してあり、ジャンパかな75と係合することで実線のように撓んだ状態になる。そして、通常はバネ部71のバネ力によって先端部72がジャンパかな75の歯間に係合しているが、一定以上のトルクがかかると、バネ部71がさらに撓み、先端部72はジャンパかな75の歯を飛び越してジャンパ歯車70のみが回転し、このジャンパかな70と噛み合う図示しない筒車が回転して時針が1時間おきに時刻修正される。
第3実施形態のジャンパ歯車70も第1実施形態と同様に、フォトリソグラフィ工程と電鋳によって製造される。
このような実施形態によれば、以下のような効果がある。
(9)フォトリソグラフィ工程と電鋳によって、プレス加工では難しい形状のバネ部71を容易に加工ができるので、バネ部71の長さを長くでき、低応力のバネ部71を形成できる。したがって、バネ部71の耐久性を向上させることができる。
〔第4実施形態〕
以下、本発明の第4実施形態を図面にもとづいて説明する。この実施形態は、第3実施形態と同様に、時刻を1時間ステップで修正するためのスリップ機構7を備えたものである。
図7には、第4実施形態のジャンパ歯車80の平面図が示されている。
軸部材3に設けられたジャンパかな85は、第3実施形態と同様にジャンパ歯車80の中心にはめ込まれている。ジャンパ歯車80の片側には、弓型の肉抜き部84が形成され、その肉抜き部84の外周から弓型の弦方向と略平行に、ジャンパかな85と接する棒状の第1バネ部81が形成されている。この第1バネ部81のジャンパかな85とは反対側の片側には、第1バネ部81とは別に、もう一つの細長い棒状の第2バネ部83が並設されている。そして、これら二つのバネ部81,83の位置関係は、ジャンパかな85をはめ込んだ状態で、第1バネ部81が第2バネ部83に接しており、ジャンパかな85の歯を先端部82が飛び越える際には、バネ部81は第2バネ部83とともにさらに撓む。ジャンパかな85をはめ込む前のバネ部81,83の様子は2点鎖線で示してある。
第4実施形態のジャンパ歯車80も第1実施形態と同様に、フォトリソグラフィ工程を含む電鋳によって形成する。
このような実施形態によれば、以下のような効果がある。
(10)二つのバネ部81,83を並設することにより、各バネ部81,83の一つ一つは低応力で撓むことができ、耐久性を向上させることができる。また、フォトリソグラフィ工程を含む電鋳によって、プレス加工では難しい棒状のバネ部81,83の加工を容易にできる。
なお、本発明は前述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、電鋳材料である金属は、バネ部の形状や必要とする耐摩耗性に応じて選択することができ、Ni単体あるいはその他の金属や合金を用いてもよい。
また、前述の各実施形態では、バネ部を歯車と一体で形成していたが、バネ部を含む部品を、フォトリソグラフィ工程を含んだ電鋳により形成し、後から別に製造した歯車を接合して一体にしてもよい。
さらに、各実施形態のバネ部の数や形状、第2実施形態における案内部の数や形状は必要に応じて変えることができる。
また、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた各実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明の第1実施形態にかかる時計用車を示す平面図。 第1実施形態にかかる時計用車の要部を示す拡大図。 本発明の実施形態にかかる歯車の製造方法を示す工程図。 第1実施形態にかかる時計用車の係合部分の断面図。 本発明の第2実施形態にかかる歯車を示す平面図。 本発明の第3実施形態にかかる歯車を示す平面図。 本発明の第4実施形態にかかる歯車を示す平面図。
符号の説明
1…時計用車、2…歯車、3…軸部材、4…バネ部、5…中心部分、6…バネ部の係合部、7…スリップ機構、10…母型、20…フォトマスク、23…バネ部の側面、25…フォト面、32…電鋳材料、40…母型面、42…フォト面に近い側の部位の側面部分、50…軸側係合部、62…案内部。

Claims (6)

  1. バネ部が設けられた歯車と、
    この歯車の中心部分に係合し、かつ前記バネ部のバネ力により当該歯車が保持される軸部材と、
    前記バネ部のバネ力に抗して前記歯車と前記軸部材との間でスリップを生じさせるスリップ機構とを備え、
    前記歯車は、電鋳によって形成されていることを特徴とする時計用車。
  2. 請求項1に記載の時計用車において、
    電鋳材料にはNiとCoとが含まれていることを特徴とする時計用車。
  3. 請求項1または請求項2に記載の時計用車において、
    前記歯車には、前記電鋳に用いられる母型の表面が転写された母型面と、電鋳時のフォトリソグラフィ工程で使用されるフォトマスク側のフォト面とが設けられ、
    前記歯車と前記軸部材との位置決めは、前記バネ部の側面のうち前記フォト面に近い側の部位と前記軸部材に設けられたテーパ形状の軸側係合部とで行なわれていることを特徴とする時計用車。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の時計用車において、
    前記バネ部は複数形成され、
    前記各バネ部の係合部は曲面で形成され、
    この曲面の曲率半径は前記軸部材に設けられた軸側係合部の半径よりも大きいことを特徴とする時計用車。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の時計用車において、
    前記歯車は、前記軸部材との位置ずれを規制する案内部を備えていることを特徴とする時計用車。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の時計用車を備えていることを特徴とする時計。
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