JP2018205196A - 機械部品、時計、機械部品の製造方法 - Google Patents

機械部品、時計、機械部品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】回転部材と軸部材とを確実に固定して軸部材に対する回転部材の傾きや抜けを抑止でき、競争力のあるコストで生産できる機械部品、その機械部品を用いた時計、及び機械部品の製造方法を提供する。【解決手段】機械部品としてのがんぎ車35は、軸部材102と、軸部材102を保持する保持部115を有する回転部材としてのがんぎ歯車部101とを備え、軸部材102は、保持部115と嵌合する凹部127を有し、凹部127の保持部115と接する部分に、軸部材102の軸方向に対して傾斜したテーパー部126が設けられていることを特徴とする。【選択図】図4

Description

本発明は、機械部品、時計、機械部品の製造方法に関する。
機械式時計には、歯車等に代表される数多くの機械部品が搭載されている。歯車等の機械部品は、外周に複数の歯部が形成された回転部材の中心に設けられた貫通孔(保持部)に、軸部材が挿入され固定(保持)されてなる。従来、機械部品は金属材料を機械加工することにより形成されているが、近年では、時計用の機械部品の材料としてシリコンを含む基材が用いられるようになっている。シリコンを基材とする機械部品は、金属を基材とする機械部品と比べて軽いことから、機械部品の慣性力を小さくすることができるので、エネルギーの伝達効率の向上が見込まれる。また、シリコンはフォトリソグラフィーやエッチング技術を用いて形成する形状の自由度が高いため、シリコンを基材とすることで機械部品の加工精度を向上できるという利点もある。
特許文献1に、シリコンを基材とする回転部材(三番歯車)を有する機械部品(三番車)が開示されている。シリコンは金属と比べて脆性破壊し易いため、回転部材の貫通孔に軸部材(三番かな)を嵌合させる際に回転部材に加わる応力が大きいと、回転部材が破損する場合がある。そこで、特許文献1に記載の機械部品では、回転部材と軸部材とが嵌合することで生じる応力を緩和するため、回転部材の貫通孔の内周面に金属からなる応力緩和層を設け、軸部材の外周面と接触させる構造としている。
特開2012−167808号公報
しかしながら、特許文献1に記載の機械部品では、シリコンを基材として形成した回転部材の表面全体に金属膜を成膜した後、回転部材の貫通孔の内周面以外の部分の金属膜をフォトリソグラフィーやエッチング技術を用いて除去することにより、応力緩和層が形成される。そのため、回転部材を形成する工程に加えて、金属膜を成膜する工程と金属膜の一部を除去する工程とを必要とするので、機械部品の製造工数が増大して生産コストの上昇を招くおそれがある。
また、軸部材は切削加工や研削加工などの機械加工で形成されるため、回転部材の貫通孔と嵌合する部分、すなわち応力緩和層と接する部分の外径の大きさや軸方向における長さがばらつく場合がある。これに対して、応力緩和層は金属膜であるため、軸部材を機械加工する際のばらつきが大きいと、そのばらつきを吸収することが困難となる。例えば、軸部材の外径が小さいと、回転部材と軸部材とが嵌合する際の応力が不足して、回転部材から軸部材が抜けてしまう。一方、軸部材の外径が大きいと、回転部材と軸部材とが嵌合する際の応力を応力緩和層で緩和し切れず回転部材が破損してしまう。したがって、軸部材を機械加工する際のばらつきが生じると、機械部品の製造歩留まりの低下を招くおそれがある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る機械部品は、軸部材と、前記軸部材を保持する保持部を有する回転部材と、を備え、前記軸部材は、前記保持部と嵌合する凹部を有し、前記凹部の前記保持部と接する部分に、前記軸部材の軸方向に対して傾斜した第1テーパー部が設けられていることを特徴とする。
本適用例の機械部品の構成によれば、軸部材は回転部材の保持部と嵌合する凹部を有し、凹部の保持部と接する部分に第1テーパー部が設けられている。凹部に第1テーパー部が設けられていない場合、凹部の軸方向における長さが保持部の厚さに対して小さいと保持部が凹部に入らなくなり、凹部の軸方向における長さが保持部の厚さに対して大きいと保持部と凹部との嵌合にがたつきが生じてしまう。本適用例では、凹部に軸方向に対して傾斜した第1テーパー部が設けられているので、凹部の軸方向における長さがばらついた場合でも、保持部が第1テーパー部のいずれかの位置に接して凹部に嵌合する。そのため、回転部材に応力緩和層等を設けることなく、保持部を凹部に確実に嵌合させて、回転部材と軸部材とを固定することができる。これにより、機械部品の製造工数の増大と、機械部品の製造歩留まりの低下とが抑えられる。
[適用例2]上記適用例に係る機械部品であって、前記第1テーパー部は、前記凹部における一端側から他端側に近付くにしたがって径が小さくなるように形成されていることが好ましい。
本適用例の機械部品の構成によれば、第1テーパー部が凹部における一端側から他端側に近付くにしたがって径が小さくなるように形成されているので、第1テーパー部の断面形状は、軸方向に対して他端側を向く傾斜面となっている。これにより、凹部に嵌合する保持部に対して、第1テーパー部から他端側に向かう応力が加えられるので、回転部材からの軸部材の抜けが抑えられる。
[適用例3]上記適用例に係る機械部品であって、前記軸部材は、前記凹部に対して前記他端とは反対側に、前記凹部から遠ざかるにしたがって径が小さくなるように形成された第2テーパー部を有し、前記第1テーパー部の前記軸方向に対する傾斜角度は、前記第2テーパー部の前記軸方向に対する傾斜角度よりも大きいことが好ましい。
本適用例の機械部品の構成によれば、軸部材は、凹部に対して他端とは反対側に、凹部から遠ざかるにしたがって径が小さくなるように、すなわち、凹部に近付くにしたがって径が大きくなるように形成された第2テーパー部を有する。そのため、回転部材に軸部材を第2テーパー部の側から挿入すると、回転部材の保持部は、第2テーパー部において凹部に近付くにしたがって外側へ押し広げられる。このとき、軸方向に対する第2テーパー部の傾斜角度が第1テーパー部の傾斜角度よりも小さいため、回転部材に軸部材を挿通する方向において保持部に加えられる応力が徐々に増加するので、回転部材に軸部材を容易に挿入することができる。一方、一旦保持部が凹部に嵌合すると、軸方向に対する第1テーパー部の傾斜角度が第2テーパー部の傾斜角度よりも大きいため、回転部材から軸部材が抜ける方向において保持部に加えられる応力が急激に増加するので、回転部材からの軸部材の抜けが抑えられる。
[適用例4]上記適用例に係る機械部品であって、前記凹部と前記第2テーパー部との境界部における前記軸部材の外径は、前記保持部が前記第1テーパー部に接する部分における前記軸部材の外径よりも大きいことが好ましい。
本適用例の機械部品の構成によれば、第1テーパー部を有する凹部と第2テーパー部との境界部における軸部材の外径が、保持部が第1テーパー部に接する部分における外径よりも大きい。そのため、凹部に嵌合した保持部が第2テーパー部側へ戻りにくくなるので、回転部材からの軸部材の抜けが抑えられる。
[適用例5]上記適用例に係る機械部品であって、前記軸部材は、前記凹部の前記他端側に前記保持部と接する突出部を有することが好ましい。
本適用例の機械部品の構成によれば、回転部材の保持部は、凹部に設けられた第1テーパー部に接するとともに、凹部の他端側に設けられた突出部にも接する。したがって、保持部に対して、第1テーパー部から突出部に向かう応力が加えられるので、回転部材からの軸部材の抜けを効果的に抑止できる。
[適用例6]上記適用例に係る機械部品であって、前記回転部材は、複数の歯部を有するリム部を有し、前記保持部は、前記リム部から前記軸部材に向かう方向に延在する第1保持部と、前記第1保持部と交差する方向に延在する第1部分と前記第1部分から前記軸部材に向かう方向に延在する第2部分とを有する第2保持部と、を有し、前記第2部分が前記第1テーパー部と接することが好ましい。
本適用例の機械部品の構成によれば、リム部から軸部材に向かう方向に延在する第1保持部に対して、第1保持部と交差する方向に延在する第1部分が撓むことで、第2部分がその延在方向である軸部材に向かう方向、及び軸部材から外側に向かう方向に変形することが可能となる。これにより、軸部材の凹部における外径がばらついた場合でも、回転部材の保持部に加えられる応力を緩和できるので、回転部材の破損を抑えることができる。また、第1部分が撓んで第2部分が変形することによって生じる応力により、回転部材の中心に軸部材を配置して保持することができる。
[適用例7]上記適用例に係る機械部品であって、前記第2保持部は、複数の前記第1部分を有することが好ましい。
本適用例の機械部品の構成によれば、第1保持部と第2部分とを接続する複数の第1部分は、第1保持部及び第2保持部(第1部分及び第2部分)で構成される平面内においてリム部から軸部材に向かう方向に撓みやすい。このような第1部分を複数有することにより、軸部材の凹部における外径がばらついた場合でも、回転部材の中心に軸部材を保持するための十分な応力を得ることが可能となる。一方、複数の第1部分は、第1保持部及び第2保持部(第1部分及び第2部分)で構成される平面と交差する軸方向(軸部材の長手方向)には撓みにくい。したがって、第2部分は、軸部材に向かう方向、及び軸部材から外側に向かう方向には変形し易いが、軸方向には変形しにくいので、回転部材と軸部材とを確実に固定でき、軸部材に対する回転部材の傾きや抜けを抑止することができる。
[適用例8]本適用例に係る時計は、上記に記載の機械部品を備えたことを特徴とする。
本適用例の時計の構成によれば、上記適用例のいずれかに記載の機械部品を備えているので、品質とコスト競争力とに優れた精度の高い時計を提供することができる。
[適用例9]本適用例に係る機械部品の製造方法は、回転部材に軸部材を保持する保持部を形成する第1工程と、前記軸部材に、前記保持部と嵌合する凹部を形成する第2工程と、前記回転部材に前記軸部材を挿通して、前記保持部を前記凹部と嵌合させる第3工程と、を備え、前記第2工程では、前記凹部における一端側から他端側に近付くにしたがって径が小さくなるように第1テーパー部を形成し、前記第1工程で形成した前記保持部の内径は、前記第3工程で前記凹部に嵌合した前記保持部が前記第1テーパー部に接する部分における前記軸部材の外径よりも小さいことを特徴とする。
本適用例の機械部品の製造方法によれば、第2工程で軸部材の凹部に第1テーパー部を形成するので、凹部の軸方向における長さがばらついた場合でも、第3工程で回転部材に軸部材を挿通すると、保持部が第1テーパー部のいずれかの位置に接して凹部に嵌合する。そのため、回転部材に応力緩和層等を設けることなく、保持部を凹部に確実に嵌合させて、回転部材と軸部材とを固定することができる。これにより、機械部品の製造工数の増大と、機械部品の製造歩留まりの低下とが抑えられる。
また、第1工程で形成した保持部の内径は、第3工程で凹部に嵌合した保持部が第1テーパー部に接する部分における軸部材の外径よりも小さいので、保持部が凹部に嵌合すると、第1テーパー部から保持部に対して径方向の外側に広げる応力が加えられる。そして、第1テーパー部の断面形状が、軸方向に対して他端側を向く傾斜面となっているので、凹部に嵌合する保持部に対して、第1テーパー部から他端側に向かう応力が加えられる。これにより、回転部材からの軸部材の抜けが抑えられる。
[適用例10]上記適用例に係る機械部品の製造方法であって、前記第2工程で、前記凹部に対して前記他端とは反対側に、前記凹部から遠ざかるにしたがって径が小さくなるように第2テーパー部を形成し、前記凹部と前記第2テーパー部との境界部における前記軸部材の外径は、前記第3工程で前記凹部と嵌合した前記保持部が前記第1テーパー部に接する部分における前記軸部材の外径よりも大きいことが好ましい。
本適用例の機械部品の製造方法によれば、軸部材は、第1テーパー部を有する凹部に対して他端とは反対側に、凹部に近付くにしたがって径が大きくなるように形成された第2テーパー部を有する。そのため、回転部材に軸部材を第2テーパー部の側から挿入すると、保持部が第2テーパー部において凹部に近付くにしたがって外側へ押し広げられるので、回転部材に軸部材を容易に挿入することができる。また、凹部と第2テーパー部との境界部における軸部材の外径は、凹部と嵌合した保持部が第1テーパー部に接する部分における軸部材の外径よりも大きい。そのため、第2テーパー部から境界部を乗り越えて第1テーパー部を有する凹部に嵌合した保持部は、第2テーパー部側へ戻りにくくなる。これにより、回転部材からの軸部材の抜けが抑えられる。
本実施形態に係る機械式時計のムーブメントの表側の平面図。 本実施形態に係る脱進機構の平面図。 本実施形態に係る機械部品としてのがんぎ車を表面側から見た斜視図。 図2のA−A’線に沿うがんぎ車の断面図。 図4のC部を拡大した部分断面図。 本実施形態に係る回転部材としてのがんぎ歯車部の平面図。 本実施形態に係る軸部材の斜視図。 図2のB−B’線に沿う軸部材の断面図。 がんぎ歯車部と軸部材との嵌合を説明する部分断面図。 本実施形態に係るがんぎ車の製造方法を示すフローチャート。 がんぎ歯車部に軸部材を挿通する工程を説明する概略断面図。 がんぎ歯車部に軸部材を挿通する工程を説明する概略断面図。 がんぎ歯車部に軸部材を挿通する工程を説明する概略断面図。 がんぎ歯車部に軸部材を挿通する工程を説明する概略断面図。 がんぎ歯車部に軸部材を挿通する工程を説明する概略断面図。 がんぎ歯車部に軸部材を挿通する工程を説明する概略断面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、本発明の時計の一例として、機械式時計を取り上げる。そして、本発明の機械部品の一例として、機械式時計のムーブメントにおける時計部品を構成する歯車の1つであるがんぎ車を例にあげて説明する。以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材について実際とは異なる尺度で示している場合がある。
[機械式時計]
はじめに、本実施形態に係る時計としての機械式時計1について説明する。図1は、本実施形態に係る機械式時計のムーブメントの表側の平面図である。図1に示すように、本実施形態に係る機械式時計1は、ムーブメント10と、ムーブメント10を収納する図示しないケーシングと、により構成されている。
図1における紙面の手前側を表側といい、奥側を裏側という。ムーブメント10は、基板を構成する地板11を有している。地板11の裏側には、図示しない文字板が配されている。なお、ムーブメント10の表側に組み込まれる輪列を表輪列と称し、ムーブメント10の裏側に組み込まれる輪列を裏輪列と称する。
地板11には、巻真案内穴11aが形成されており、巻真案内穴11aに巻真12が回転自在に組み込まれている。巻真12は、おしどり13、かんぬき14、かんぬきばね15、及び裏押さえ16を有する切換装置により、その軸方向の位置が決められている。また、巻真12の案内軸部には、きち車17が回転自在に設けられている。
このような構成のもと、巻真12が、回転軸方向に沿ってムーブメント10の内側に一番近い方の第1の巻真位置(0段目)にある状態で巻真12を回転させると、図示しないつづみ車の回転を介してきち車17が回転する。そして、きち車17が回転することにより、きち車17と噛合う丸穴車20が回転する。そして、丸穴車20が回転することにより、丸穴車20と噛合う角穴車21が回転する。さらに、角穴車21が回転することにより、香箱車22に収容された図示しないぜんまい(動力源)を巻き上げる。
ムーブメント10の表輪列は、上述した香箱車(機械部品)22の他に、所謂番車と呼ばれる二番車(機械部品)25、三番車(機械部品)26、及び四番車(機械部品)27により構成されており、香箱車22の回転力を伝達する機能を果している。また、ムーブメント10の表側には、表輪列の回転を制御するための脱進機構30及び調速機構31が配置されている。
二番車25は、香箱車22に噛合う歯車である。三番車26は、二番車25に噛合う歯車である。四番車27は、三番車26に噛合う歯車である。脱進機構30は、上述した表輪列の回転を制御する機構であって、四番車27と噛み合うがんぎ車(機械部品)35と、がんぎ車35を脱進させて規則正しく回転させるアンクル(機械部品)36と、を備えている。調速機構31は、上述した脱進機構30を調速する機構であって、てんぷ(機械部品)40を具備している。
[がんぎ車]
次に、本実施形態に係る脱進機構30が備えるがんぎ車35について、より詳細に説明する。図2は、本実施形態に係る脱進機構の平面図である。図3は、本実施形態に係る機械部品としてのがんぎ車を表面側から見た斜視図である。図4は、図2のA−A’線に沿うがんぎ車の断面図である。図5は、図4のC部を拡大した部分断面図である。図6は、本実施形態に係る回転部材としてのがんぎ歯車部の平面図である。図7は、本実施形態に係る軸部材の斜視図である。図8は、図2のB−B’線に沿う軸部材の断面図である。図9は、がんぎ歯車部と軸部材との嵌合を説明する部分断面図である。
図2及び図3に示すように、脱進機構30が備えるがんぎ車35は、回転部材としてのがんぎ歯車部101と、がんぎ歯車部101に同軸(軸線O1)上に固定された軸部材(回転軸)102と、を備えている。
以下の説明では、がんぎ歯車部101及び軸部材102の軸線O1に沿う長手方向を単に軸方向という。がんぎ歯車部101の表面101a及び裏面101bは、軸線O1(軸部材102の中心を軸方向に沿って通る線)と直交している。がんぎ歯車部101の表面101a及び裏面101bに平行な面内で軸線O1を通る方向を径方向という。がんぎ歯車部101及び軸部材102の軸線O1回りに周回する方向を周方向という。
がんぎ歯車部101は、表面101a、及び、裏面101b(図3参照)が平坦面とされるとともに、全面に亘って均一な厚みとされた板状のものである。がんぎ歯車部101は、単結晶シリコン等、結晶方位を有する材料、または金属等の材料からなる。
がんぎ歯車部101は、複数の歯部112を有するリム部111と、軸部材102を保持する保持部115と、を有する。リム部111は、がんぎ歯車部101の外縁の環状部分である。歯部112は、リム部111の外周から外側に向けて突設されており、特殊な鉤型状に形成されている。複数の歯部112の先端に、後述するアンクル36の爪石144a,144bが接触するようになっている。
保持部115は、リム部111に対して軸部材102側に配置されている。本実施形態では、がんぎ歯車部101は7つの保持部115を有している。保持部115は、環状のリム部111の周方向における7箇所に、360°/7の等ピッチで配置されている。なお、保持部115の数は、3つから7つの範囲でもよいし7つ以上でもよく、特に限定されない。
保持部115は、リム部111から延在する第1保持部113と、第1保持部113から分岐して設けられた第2保持部114と、を有する。第1保持部113、第2保持部114(第1部分114a、第2部分114b)、及びリム部111は、同一の材料で一体に形成されている。
がんぎ歯車部101の中央部の保持部115(第1保持部113及び第2保持部114)で囲まれた領域に、軸部材102が挿通されている。換言すれば、保持部115(第1保持部113及び第2保持部114)により、がんぎ歯車部101の中央部に軸部材102を挿通させる貫通孔が構成されている。
第1保持部113は、リム部111から軸部材102に向かう方向に延在する。第1保持部113は、軸部材102の溝125に嵌合することで、軸部材102に対するがんぎ歯車部101の回転を抑止する機能を有する。第1保持部113の先端は、第2保持部114の第2部分114bの先端よりも軸部材102の中心側に位置している(図6参照)。
第2保持部114は、第1部分114aと第2部分114bとを有している。第2保持部114は、軸部材102をがんぎ歯車部101の中心に固定するとともに、軸部材102に対するがんぎ歯車部101の傾きや抜けを抑止する機能を有する。
第1部分114aは、第1保持部113に接続され、第1保持部113から分岐して形成されており、第1保持部113の延在方向と交差する方向に延在する。第2保持部114は、複数の第1部分114aを有する。複数の第1部分114aは、互いに略平行に配置されている。第2部分114bは、複数の第1部分114aに接続され、軸部材102に向かう方向に延在する。複数の第1部分114aは、第2部分114bに対して、第2部分114bの延在方向に加えられる応力を緩和する機能を有する。
第2部分114bは、軸部材102の凹部127に嵌合している(図4及び図5参照)。第2部分114bの先端と接する内接円を、内接円114cとする(図6参照)。第2部分114bが凹部127に嵌合していない状態(がんぎ歯車部101に軸部材102が挿通されていない状態)、すなわち、第2保持部114に応力が加えられていない状態における内接円114cの径をD1とする。内接円114cの径D1を、第2保持部114の内径ともいう。第1保持部113は、内接円114cよりも内側まで延在している。
がんぎ歯車部101を軸部材102から見ると、第1保持部113と第2部分114bとはそれぞれ放射状に径方向の外側に向かって延在する。がんぎ歯車部101の表面101aに平行な面内において、第1保持部113の延在方向と第2部分114bの延在方向とは、それぞれ径方向に沿った方向であるが、互いに平行ではない。第1部分114aの延在方向は、がんぎ歯車部101の表面101aに平行な面内において、第1保持部113の延在方向及び第2部分114bの延在方向と交差する方向である。
第1保持部113と第2部分114bとの間に梁状に形成された複数の第1部分114aは、複数の第1部分114aで構成される面(がんぎ歯車部101の表面101a及び裏面101b)内において、その延在方向には撓みにくいが、その延在方向と交差する方向には撓みやすい。また、複数の第1部分114aで構成される面と交差する軸方向には撓みにくい。
複数の第1部分114aが撓んで第2部分114bの延在方向の外側に変形すると、第2保持部114の内径、すなわち、第2部分114bの先端と接する内接円114c(図6参照)の径が径D1よりも大きくなる。そのため、軸部材102をがんぎ歯車部101に挿通する際には、軸部材102の外径に対応して複数の第1部分114aが撓み、軸部材102に対して第2部分114bの延在方向に変形することにより、容易に第2部分114bを凹部127に嵌合させることができる。複数の第1部分114aが撓んで変形できる内接円114cの最大径をD1maxとする。
また、がんぎ車35に外力が加えられた際には、第2部分114bの延在方向に変形し易いので、がんぎ歯車部101の中心に軸部材102を保持することができる。また、複数の第1部分114aが撓むことで、がんぎ車35に加えられた外力を緩和できるので、がんぎ歯車部101の破損を抑えることができる。一方、軸方向、すなわち軸部材102ががんぎ歯車部101から抜ける方向には変形しにくいので、がんぎ歯車部101と軸部材102とを確実に固定でき、軸部材102に対するがんぎ歯車部101の傾きや抜けを抑止することができる。
がんぎ車35(がんぎ歯車部101)の複数の歯部112は、アンクル36に噛合するようになっている。アンクル36は、3つのアンクルビーム143によってT字状に形成されたアンクル体142dと、軸であるアンクル真142fと、を備えている。アンクル体142dは、アンクル真142fによって回動可能に構成されている。なお、アンクル真142fは、その両端が地板11(図1参照)及び図示しないアンクル受に対してそれぞれ回動可能に支持されている。
3つのアンクルビーム143のうち、2つのアンクルビーム143の先端には爪石144a,144bが設けられ、残り1つのアンクルビーム143の先端にはアンクルハコ145が取り付けられている。爪石144a,144bは、四角柱状に形成されたルビーであり、接着材等によりアンクルビーム143に接着固定されている。
このように構成されたアンクル36がアンクル真142fを中心に回動した際に、爪石144a或いは爪石144bが、がんぎ車35の歯部112の先端に接触するようになっている。また、この際、アンクルハコ145が取り付けられたアンクルビーム143が、図示しないドテピンに接触するようになっており、これによってアンクル36は、同方向にそれ以上回動しないようになっている。その結果、がんぎ車35の回転も一時的に停止するようになっている。
図2に示すように、軸部材102の軸方向から見た平面視において、軸部材102は、がんぎ歯車部101の中央部に配置されている。図3及び図4に示すように、軸部材102は、がんぎ歯車部101の保持部115で囲まれた貫通孔内に、裏面101b側から挿通されている。軸部材102は、保持部115と嵌合する凹部127(図4参照)を有する。軸部材102の凹部127にがんぎ歯車部101の保持部115(第2保持部114の第2部分114b)が嵌合しており、これにより、軸部材102ががんぎ歯車部101に固定されている。
軸部材102は、剛性や耐熱性に優れ切削加工や研削加工などの加工性も高い炭素鋼からなる。軸部材102の材料は、タンタル(Ta)またはタングステン(W)であってもよい。軸部材102は、ほぞ部121a,121bと、突出部としてのがんぎかな部122と、凹部127と、第1テーパー部としてのテーパー部126と、第2テーパー部としてのガイド部123とを有している。
ほぞ部121a,121bは、軸部材102における軸方向の両端部に位置している。ほぞ部121a,121bのうち、がんぎ歯車部101の裏面101b側に位置するほぞ部121aは、図示しない輪列受に回転可能に支持され、がんぎ歯車部101の表面101a側に位置するほぞ部121bは、地板11に回転可能に支持されている。
がんぎかな部122は、がんぎ歯車部101の裏面101b側に配置されている。がんぎかな部122は、凹部127に対してほぞ部121a側に軸部材102の軸方向に沿って形成されている。がんぎかな部122のうち、がんぎ歯車部101側の部分が突出部としての機能を有し、ほぞ部121a側の部分が歯車部としての機能を有する。がんぎかな部122のほぞ部121a側の部分が四番車27(図1参照)の歯車部に噛合されることで、四番車27の回転力が軸部材102に伝達され、がんぎ車35が回転するようになっている。
がんぎかな部122は、複数の歯124を有している。複数の歯124は、軸部材102の軸方向に沿って延在し、径方向の外側に突出するように形成されている。複数の歯124のほぞ部121b側の端部は、がんぎ歯車部101の保持部115(第2部分114b)の裏面101bに接している。周方向における複数の歯124同士の間には、軸方向に沿って溝125が形成されている。溝125は、がんぎかな部122から凹部127を経てガイド部123まで軸方向に沿って延在している(図7参照)。
本実施形態では、がんぎかな部122は7つの歯124を有している。歯124は、がんぎかな部122の周方向における7箇所に、360°/7の等ピッチで配置されている。したがって、溝125も、がんぎかな部122の周方向における7箇所に360°/7の等ピッチで配置されている。なお、歯124及び溝125の数は、本実施形態では7つであるが、3つから7つの範囲でもよいし7つ以上でもよく、特に限定されない。
第2テーパー部としてのガイド部123は、がんぎ歯車部101の表面101a側に配置されている。ガイド部123は、凹部127に対して、がんぎかな部122とは反対側のほぞ部121b側に形成されている。ガイド部123は、ほぞ部121a,121bよりも大径に形成されている。ガイド部123は、がんぎ歯車部101に軸部材102を挿通する際に、保持部115の第2部分114bを案内する機能を有する。
ガイド部123は、凹部127からほぞ部121b側へ遠ざかるにしたがって径が小さくなるように形成されている。換言すれば、ガイド部123は、がんぎ歯車部101に挿入されるほぞ部121b側から、がんぎ歯車部101の保持部115と嵌合する凹部127に近付くにしたがって径が大きくなるように形成されている。ガイド部123は、周方向において溝125により分断されている。したがって、ガイド部123は、軸部材102のほぞ部121b側の周方向における7箇所に、360°/7の等ピッチで配置されている。また、ガイド部123と歯124とは、軸部材102の周方向における同じ位置に設けられている。
図4及び図5に示すがんぎ車35の断面は、図2のA−A’線に沿う断面である。すなわち、図4及び図5の左側が軸部材102のガイド部123とがんぎかな部122の歯124とを通る断面であり、右側が軸部材102の溝125を通る断面である。
図4及び図5に示すように、溝125は、がんぎかな部122からガイド部123に亘って、軸方向に沿って直線状に設けられている。溝125は、径方向においてがんぎかな部122の歯124、凹部127、及びガイド部123よりも内側に窪むように形成されている(図7参照)。溝125は、第1保持部113と嵌合することで、軸部材102に対するがんぎ歯車部101の回転を抑止する機能を有する。
図5に示すように、第1保持部113は、軸方向(図5の上下方向)において、凹部127が配置された位置で溝125に嵌合する。溝125に第1保持部113が嵌合した状態では、第1保持部113と溝125との間に間隙Gが存在するよう設計されている。この状態においては、軸部材102と第1保持部113との間に応力は発生しない。ただし、がんぎ車35を組み込んだ機械式時計1(ムーブメント10)が動作している状態等で、がんぎ車35に外力が加えられたときには、第1保持部113は軸部材102と接触してもよい。
図7に示すように、溝125は凹部127から窪むように設けられているので、周方向における溝125と凹部127との間には段差が形成されている。そして、溝125において、第1保持部113の先端は凹部127よりも軸部材102の中心側に位置している(図4参照)。そのため、がんぎ車35の回転方向である周方向に外力が加えられても、溝125に第1保持部113が嵌合した状態が保持される。これにより、軸部材102に対するがんぎ歯車部101の回転を抑止することができる。
また、溝125がガイド部123からがんぎかな部122に亘って設けられているので、軸部材102をがんぎ歯車部101にほぞ部121b側から挿通させる際に、周方向における第1保持部113の位置と溝125の位置とを合わせれば、第1保持部113が溝125に嵌合した状態で、軸部材102を挿通させることができる(図4参照)。
凹部127は、軸方向におけるガイド部123とがんぎかな部122との間に設けられている。換言すれば、軸部材102は、凹部127の一端側(ほぞ部121b側)にガイド部123を有し、凹部127の他端側(ほぞ部121a側)にがんぎかな部122(歯124)を有している。凹部127は、軸部材102の軸線O1(図4参照)回りに周回するように設けられている。
図8に示すがんぎ車35の断面は、図2のB−B’線に沿う断面であり、左右対称となっている。すなわち、図8の左側及び右側がともに軸部材102のガイド部123とがんぎかな部122の歯124とを通る断面である。
図8に示すように、凹部127は、径方向においてがんぎかな部122の歯124及びガイド部123よりも内側(軸部材102の中心側)に窪むように形成されている。凹部127は、保持部115の第2部分114bと嵌合することで、がんぎ歯車部101に対する軸部材102の抜けを抑止する機能を有する。
凹部127には、第1テーパー部としてのテーパー部126が設けられている。テーパー部126は、凹部127における一端側(ほぞ部121b側)に配置されている。テーパー部126は、第2部分114bと接している。換言すれば、テーパー部126は、凹部127の保持部115(第2部分114b)と接する部分に設けられている。なお、第2部分114bは、テーパー部126と接して凹部127と嵌合しているため、凹部127の底部には接していない。
テーパー部126は、軸方向におけるガイド部123側からがんぎかな部122に近付くにしたがって径が小さくなるように形成されている。したがって、ほぞ部121bから凹部127の他端側(ほぞ部121a側)に至るまでの軸部材102の外径は、ガイド部123においてほぞ部121b側からテーパー部126との境界部128に向かうにしたがって大きくなり、境界部128に到達した後、テーパー部126においてがんぎかな部122に近付くにしたがって小さくなる。
なお、境界部128は、軸部材102においてテーパー部126とガイド部123との間に位置する部分である。例えば、軸部材102におけるテーパー部126からガイド部123に亘る部分の断面形状がテーパー部126とガイド部123とを斜辺とする三角形状である場合はその三角形の頂点を境界部128とし、断面形状がテーパー部126とガイド部123とを斜辺とする台形状である場合はその台形の上底を境界部128とする。
凹部127に軸方向に対して傾斜したテーパー部126が設けられているので、凹部127の軸方向における長さがばらついた場合でも、保持部115(第2部分114b)がテーパー部126のいずれかの位置に接して凹部127に嵌合する。すなわち、テーパー部126により凹部127の軸方向における長さのばらつきを吸収できる。そのため、がんぎ歯車部101に応力緩和層等を設けることなく、保持部115を凹部127に確実に嵌合させて、がんぎ歯車部101と軸部材102とを固定することができる。
ここで、ガイド部123のほぞ部121b側の端部における軸部材102の外径D2は、がんぎ歯車部101に軸部材102が挿通されていない状態における第2保持部114の内径、すなわち、第2部分114bの内接円114cの径D1(図6参照)以下であることが好ましい。軸部材102の外径D2が第2部分114bの内接円114cの径D1以下であると、軸部材102をがんぎ歯車部101にほぞ部121b側から挿通させる際に、軸部材102を容易に第2部分114bの内接円114cに挿入できる。
保持部115が凹部127に嵌合した状態において第2部分114bがテーパー部126に接する部分における軸部材102の外径D4は、軸部材102が挿通されていない状態における第2部分114bの内接円114cの径D1よりも大きい。また、境界部128における軸部材102の外径D3は、第2部分114bの内接円114cの径D1よりも大きい。そして、境界部128における軸部材102の外径D3は、保持部115が凹部127に嵌合した状態において第2部分114bがテーパー部126に接する部分における軸部材102の外径D4よりも大きい。
そのため、保持部115が凹部127に嵌合した状態から、第2部分114bが軸部材102に対して相対的にガイド部123側へずれる方向、すなわち、がんぎ歯車部101から軸部材102が抜ける方向に移動しようとすると、境界部128に向かうにしたがって第2部分114bに加えられる応力が増大する。これにより、がんぎ歯車部101からの軸部材102の抜けが抑えられる。
ただし、境界部128における軸部材102の外径D3は、複数の第1部分114a(図6参照)が撓んで第2部分114bの延在方向の外側に変形できる内接円114cの最大径D1max以下であることとする。境界部128における軸部材102の外径D3が内接円114cの最大径D1maxを超えると、第2部分114bがガイド部123から境界部128を乗り越えて凹部127に嵌合できなくなる。
さらに、がんぎかな部122の歯124の外接円の径D5は、境界部128における軸部材102の外径D3よりも大きく、内接円114cの最大径D1maxよりも大きい。これにより、複数の第1部分114aが撓んで第2部分114bが最大限に径方向の外側に移動しても、第2部分114bががんぎかな部122の歯124を乗り越えることはない。すなわち、がんぎかな部122の歯124により、軸方向における保持部115のほぞ部121a(図4参照)側の位置が規制される。
図9は、図8の左側の部分を拡大した部分断面図である。図9に、軸部材102が挿通されていない状態における第2部分114bの先端の位置を2点鎖線で示す。換言すれば、第2部分114bの内接円114cの径がD1のときの第2部分114bの先端の位置を2点鎖線で示す。また、保持部115が凹部127に嵌合した状態における第2部分114bの先端の位置を実線で示す。保持部115が凹部127に嵌合した状態では、第2部分114bの内接円114cの径は軸部材102の外径D4と同じとなる。なお、第2部分114bの角部を丸めたり、或いはテーパー形状としたりした場合は、第2部分114bの内接円114cの径は軸部材102の外径D4よりも小さくなる。
図9に示すように、軸部材102が挿通されて保持部115が凹部127に嵌合した状態では、軸部材102が挿通されていない状態と比べて、第2部分114bが径方向の外側に押し広げられている。これにより、第2部分114bに径方向の外側に向かう応力が加えられるので、保持部115が凹部127に嵌合した状態を保持できる。
保持部115が凹部127に嵌合した状態における第2部分114bの先端の位置と境界部128との径方向における距離をD6とする。距離D6は、境界部128における軸部材102の外径D3と第2部分114bがテーパー部126と接する部分における軸部材102の外径D4との差の半分、すなわち、D6=(D3−D4)/2である。距離D6は、10μm程度であることが好ましい。距離D6が小さいと、第2部分114bを径方向の外側へ広げるような外力が加えられた場合に、第2部分114bが境界部128を越えてガイド部123側へずれてしまうおそれがある。
テーパー部126の断面形状は、軸部材102の径方向の外側、かつ、軸方向のがんぎかな部122側を向く傾斜面となっている。一方、ガイド部123の断面形状は、軸部材102の径方向の外側、かつ、軸方向のほぞ部121b側を向く傾斜面となっている。テーパー部126の軸方向に対する傾斜角度をθ1とし、ガイド部123の軸方向に対する傾斜角度をθ2とする。テーパー部126の軸方向に対する傾斜角度θ1は、ガイド部123の軸方向に対する傾斜角度θ2よりも大きい。
テーパー部126の軸方向に対する傾斜角度θ1がガイド部123の軸方向に対する傾斜角度θ2よりも大きいので、保持部115がテーパー部126からガイド部123に向かう方向、すなわち、がんぎ歯車部101から軸部材102が抜ける方向において第2部分114bに加えられる応力が急激に増加する。これにより、がんぎ歯車部101からの軸部材102の抜けが抑えられる。
一方、ガイド部123の軸方向に対する傾斜角度θ2がテーパー部126の軸方向に対する傾斜角度θ1よりも小さいので、軸部材102をがんぎ歯車部101にほぞ部121b側から挿通させる際に、ガイド部123において第2部分114bに加えられる応力が徐々に増加する。これにより、第2部分114bが徐々に径方向の外側へ押し広げられるので、容易に軸部材102をがんぎ歯車部101に挿通させることができる。
また、テーパー部126の軸方向に対する傾斜角度θ1は、45°程度であることが好ましい。テーパー部126の傾斜角度θ1が45°程度であると、テーパー部126から保持部115(第2部分114b)に対して、径方向の外側に向かう応力と、軸方向のがんぎかな部122(歯124)側に向かう応力とがバランスよく加えられる。
上述したように、第2部分114bに径方向の外側に向かう応力が加えられることにより、保持部115が凹部127に嵌合した状態を保持できる。そして、第2部分114bに軸方向のがんぎかな部122側に向かう応力が加えられることにより、第2部分114bががんぎかな部122の歯124に押し付けられる。これにより、がんぎ歯車部101からの軸部材102の抜けを効果的に抑止できる。そして、第2部分114bががんぎかな部122の歯124に押し付けられることにより、軸部材102に対してがんぎ歯車部101を、表面101a及び裏面101bが軸線O1と直交するように保持できる。
テーパー部126の傾斜角度θ1が小さいと、テーパー部126から第2部分114bに対して加えられるがんぎかな部122側に向かう応力が小さくなるため、がんぎ歯車部101からの軸部材102の抜けを抑止する効果が低減する。テーパー部126の傾斜角度θ1が大きいと、テーパー部126の軸方向における長さが小さくなるため、テーパー部126により吸収可能なばらつきの幅が小さくなる。
[がんぎ車の製造方法]
次に、本実施形態に係る機械部品としてのがんぎ車35の製造方法について説明する。図10は、本実施形態に係るがんぎ車の製造方法を示すフローチャートである。図10に示すように、本実施形態に係る機械部品としてのがんぎ車35の製造方法は、回転部材としての歯車部(がんぎ歯車部101)を形成する工程(第1工程)と、軸部材102を形成する工程(第2工程)と、がんぎ歯車部101に軸部材102を挿通してがんぎ車35を形成する工程(第3工程)と、を含む。
第1工程としてのがんぎ歯車部101を形成する工程は、がんぎ歯車部101に保持部115を形成する工程であり、ステップS01〜ステップS06を含む。まず、シリコンを含むウェハー状の基材を準備する(ステップS01)。次いで、例えばスピンコート法やスプレーコート法等により、基材の表面にフォトレジストを塗布する(ステップS02)。ステップS02で塗布するフォトレジストは、ネガ型、及びポジ型のいずれの材料も採用することができる。
次いで、基材の表面に塗布したフォトレジストに対してフォトリソグラフィー技術により、露光をした後(ステップS03)、現像を行う(ステップS04)。これにより、図6に示すがんぎ歯車部101の平面視外形に対応するマスク(エッチングマスク)となるフォトレジストパターンが形成される。
次いで、ステップS03及びステップS04で形成したフォトレジストパターンをマスクとして、基材に、例えばディープ・リアクティブ・イオンエッチング(Deep Reactive Ion Etching:DRIE)等の異方性エッチングを施す(ステップS05)。これにより、フォトレジストパターンを介して、基材が表面側から略垂直方向に深掘りされ、図6に示すような、複数の歯部112を有するリム部111と、第1保持部113及び第2保持部114を有する保持部115とを有するがんぎ歯車部101の外形形状が得られる。
次いで、フォトレジスト(フォトレジストパターン)を除去する(図10のステップS06)。ステップS06では、例えば、フォトレジストを溶解・剥離可能な発煙硝酸や有機溶剤等でのウェットエッチング、あるいは、酸素プラズマアッシング等により、フォトレジストを除去できる。これにより、がんぎ歯車部101を形成する工程は終了する。
なお、ステップS05で基材に異方性エッチングを施すときに、基材の裏面をエッチングから保護するマスクを形成するようにしてもよい。基材の裏面にマスクを形成することにより、ステップS05において基材が裏面側からエッチングされないので、歯部112や保持部115の側面(軸方向に沿った面)の形状が変化しないようにして、図4に示すようながんぎ歯車部101の断面形状を得ることができる。
このように、がんぎ歯車部101の基材をシリコンとすることで、がんぎ歯車部101の第1保持部113、第2保持部114、及びリム部111等の各部を、同一の基材から同じエッチング工程により形成することができ、1枚の基材からがんぎ歯車部101を複数取りできるので、がんぎ歯車部101の生産性を向上させるとともに生産コストを低減することができる。また、フォトリソグラフィーやエッチング技術を用いて形成するので、各部の形状を所望の形状に形成でき、かつ、その加工精度を向上できる。
第2工程としての軸部材102を形成する工程は、軸部材102に凹部127とがんぎかな部122とを形成する工程であり、図10に示すステップS11とステップS12とを含む。軸部材102を形成する工程は、ステップS01〜ステップS06のがんぎ歯車部101を形成する工程とは別に行われる。
まず、軸部材102となる部材を準備する(ステップS11)。軸部材102は、軸体として十分な剛性を有しているとともに、耐熱性を有していることが望ましい。炭素鋼は、上述した剛性や耐熱性に優れた材料であることに加えて、切削加工や研削加工などの加工性も高い材料であるため、軸部材102の材料として特に好適である。なお、軸部材102の材料としてタンタル(Ta)またはタングステン(W)を用いてもよい。
次いで、軸部材102となる部材に対して、切削加工や研削加工などの機械加工を行う(ステップS12)。例えば、テーパー部126を有する凹部127は、軸方向におけるガイド部123とがんぎかな部122との間を周方向に1周、軸部材102の表面から内側(軸部材102の中心側)に切削加工することにより形成される。テーパー部126は、凹部127のガイド部123側からがんぎかな部122に近付くにしたがって径が小さくなるように形成される。同様に、ガイド部123は、凹部127からほぞ部121b側へ遠ざかるにしたがって径が小さくなるように形成される。これにより、図7に示すような、ほぞ部121a,121bと、がんぎかな部122と、ガイド部123と、凹部127と、テーパー部126と、溝125とを有する軸部材102が得られる。
第3工程(ステップS21)は、がんぎ歯車部101に軸部材102を挿通して、保持部115を凹部127と嵌合させる工程である。ステップS21では、ステップS01〜ステップS06で形成されたがんぎ歯車部101に、ステップS11及びステップS12で形成された軸部材102を挿通することにより、がんぎ車35が形成される。
ステップS21においてがんぎ歯車部101に軸部材102を挿通する手順を、図11〜図16を参照して説明する。図11〜図16は、がんぎ歯車部に軸部材を挿通する工程を説明する概略断面図である。図11〜図16は、図4の要部を拡大した部分断面図に相当する。なお、図11〜図16では、軸部材102に対してがんぎ歯車部101を押し込む場合の例を示しているが、がんぎ歯車部101に対して軸部材102を挿入して押し込むこととしてもよい。
まず、図11に示すように、軸部材102のほぞ部121b側にがんぎ歯車部101を配置する。より具体的には、軸部材102に対してがんぎ歯車部101を、ほぞ部121bが保持部115(第1保持部113及び第2保持部114の第2部分114b)により構成される貫通孔内を通ってがんぎ歯車部101から突出するように配置する。このとき、軸部材102の周方向において、第1保持部113と溝125とが同じ位置となり、第2部分114bとガイド部123とが同じ位置となるように、軸部材102とがんぎ歯車部101とを配置する(図2参照)。
次いで、図12に示すように、軸部材102に対してがんぎ歯車部101を、第2保持部114の第2部分114bがガイド部123と接触するまで軸方向に沿って押し込む。その際、ガイド部123のほぞ部121b側の端部における軸部材102の外径D2(図8参照)が、がんぎ歯車部101に軸部材102が挿通されていない状態における第2部分114bの内接円114cの径D1(図6参照)以下であると、第2部分114bの内接円114c内にガイド部123のほぞ部121b側の端部が容易に挿入される。
一方、第1保持部113と溝125との間には間隙Gが存在する(図5参照)ため、軸部材102に対してがんぎ歯車部101を押し込むと、第1保持部113は溝125に容易に嵌合する。
次いで、図13に示すように、軸部材102に対してがんぎ歯車部101をさらに押し込む。そうすると、ガイド部123がほぞ部121b側から凹部127(テーパー部126)に近付くにしたがって軸部材102の径が大きくなるように形成されているので、第2部分114bは径方向の外側へ徐々に押し広げられる。
そして、図14に示すように、第2部分114bがガイド部123と凹部127(テーパー部126)との境界部128に差し掛かると、第2部分114bが径方向の外側へ最も押し広げられた状態となる。このとき、軸部材102から第2部分114bに加えられる径方向の外側への応力は最大となる。なお、境界部128における軸部材102の外径D3(図8参照)は、第2部分114bの内接円114cの最大径D1max以下であるので、第2部分114bは境界部128を乗り越えることができる。
次いで、図15に示すように、第2部分114bが境界部128を乗り越えると、第2部分114bは、凹部127におけるガイド部123側に配置されたテーパー部126と接触する。第2部分114bは、境界部128を通過する際の径方向の外側へ最も押し広げられた状態から径方向の内側に戻ろうとする。その際、テーパー部126がガイド部123からがんぎかな部122の歯124(以下では、単に歯124と表記する)に近付くにしたがって軸部材102の径が小さくなるように形成されているので、第2部分114bが径方向の内側へ戻るに伴って、第2部分114bが歯124側へ移動する。
この結果、図16に示すように、第2部分114bが、歯124に接した状態で凹部127に嵌合する。ステップS01〜ステップS06で形成したがんぎ歯車部101の第2部分114bの内接円114cの径D1(図6参照)が、ステップS21で凹部127に嵌合した状態において第2部分114bがテーパー部126に接する部分における軸部材102の外径D4(図8参照)よりも小さいので、凹部127に嵌合した状態においても、第2部分114bに径方向の外側に向かう応力が加えられる。
また、テーパー部126から、周方向に複数配置された各第2部分114bに対して軸方向の歯124側に向かう応力が加えられることにより、保持部115が歯124に押し付けられる。これにより、軸部材102に対してがんぎ歯車部101を、表面101a及び裏面101bが軸線O1と直交するように保持できる(図4参照)。
歯124の外接円の径D5(図8参照)は、境界部128における軸部材102の外径D3よりも大きく、内接円114cの最大径D1maxよりも大きい。したがって、歯124により、軸方向における第2部分114bのほぞ部121a(図4参照)側の位置が規制される。
また、境界部128における軸部材102の外径D3が、保持部115が凹部127に嵌合した状態において第2部分114bがテーパー部126に接する部分における軸部材102の外径D4よりも大きい。そして、テーパー部126から、第2部分114bに対して軸方向の歯124側に向かう応力が加えられる。そのため、保持部115のほぞ部121b側への移動が抑制される。これにより、軸部材102に対するがんぎ歯車部101の抜け、換言すれば、がんぎ歯車部101からの軸部材102の抜けを抑止することができる。
一方、第1保持部113は、図12〜図16に示す軸部材102に対してがんぎ歯車部101を押し込む過程において、溝125との間に間隙Gを有して溝125に嵌合した状態が維持される。そして、周方向における溝125と凹部127との間に段差が形成されているので、軸部材102に対するがんぎ歯車部101の回転を抑止することができる。
ところで、凹部127にテーパー部126が設けられていない場合、凹部127の軸方向における長さが第2部分114bの厚さに対して小さいと第2部分114bが凹部127に入らなくなり、凹部127の軸方向における長さが第2部分114bの厚さに対して大きいと第2部分114bと凹部127との嵌合にがたつきが生じてしまう。また、凹部127にテーパー部126が設けられていない場合、凹部127における軸部材102の外径がばらつくと、第2部分114bが凹部127に嵌合する応力が不足したり過剰となったりするおそれがある。
本実施形態では、凹部127にテーパー部126が設けられているので、凹部127の軸方向における長さがばらついた場合でも、第2部分114bがテーパー部126のいずれかの位置に接して凹部127に嵌合する。そのため、がんぎ歯車部101に応力緩和層等を設けることなく、保持部115を凹部127に確実に嵌合させて、がんぎ歯車部101と軸部材102とを固定することができる。これにより、がんぎ車35の製造工数の増大と、がんぎ車35の製造歩留まりの低下とが抑えられる。
以上述べた工程を経ることによって、機械部品としてのがんぎ車35の一連の製造工程が終了する。
上記実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。変形例としては、例えば、以下のようなものが考えられる。
(変形例1)
上記実施形態では、テーパー部126が凹部127におけるガイド部123側に設けられた構成であったが、本発明はこれに限定されない。凹部127の底部全体がテーパー部126で構成されていてもよい。このような構成であっても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
(変形例2)
上記実施形態では、がんぎ歯車部101が有する保持部115(第1保持部113、第2保持部114)の数が、がんぎかな部122の歯124の数と同じ(上記実施形態では7つ)構成であったが、本発明はこれに限定されない。保持部115の数ががんぎかな部122の歯124の数(すなわち、溝125の数)よりも少ない構成であっても、上記実施形態と同様の効果が得られる。ただし、この場合は、軸部材102の周方向において、第2部分114bがガイド部123に対向し、第1保持部113が溝125に嵌合できる位置に配置されているものとする。
(変形例3)
本発明に係るがんぎ車の製造方法において、ステップS21でがんぎ歯車部101に軸部材102を挿通した後で、がんぎ歯車部101の表面に、二酸化ケイ素(SiO2)からなるシリコン酸化膜を形成する酸化処理を行うこととしてもよい。がんぎ歯車部101に酸化処理を行うと、シリコンを含む材料からなるがんぎ歯車部101の表面に形成されるシリコン酸化膜により、がんぎ歯車部101の機械的強度が向上する。酸化処理を行う場合は、例えば1000℃以上の高温で行う熱酸化処理を行うことが好ましい。
(変形例4)
上記実施形態では、機械部品の一例としてがんぎ車35を例にあげて説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明の機械部品の構成及びその製造方法は、香箱車22、二番車25、三番車26、四番車27、アンクル36、てんぷ40等の他の機械部品にも適用することができる。また、本発明の機械部品の構成及びその製造方法は、軸部材が突出部(上記実施形態のがんぎ車35ではがんぎかな部122)を有してない機械部品にも適用することができる。
1…機械式時計(時計)、35…がんぎ車(機械部品)、101…がんぎ歯車部(回転部材)、102…軸部材、111…リム部、113…第1保持部、114…第2保持部、114a…第1部分、114b…第2部分、115…保持部、122…がんぎかな部(突出部)、123…ガイド部(第2テーパー部)、124…歯(突出部)、126…テーパー部(第1テーパー部)、127…凹部。

Claims (10)

  1. 軸部材と、
    前記軸部材を保持する保持部を有する回転部材と、を備え、
    前記軸部材は、前記保持部と嵌合する凹部を有し、
    前記凹部の前記保持部と接する部分に、前記軸部材の軸方向に対して傾斜した第1テーパー部が設けられていることを特徴とする機械部品。
  2. 前記第1テーパー部は、前記凹部における一端側から他端側に近付くにしたがって径が小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の機械部品。
  3. 前記軸部材は、前記凹部に対して前記他端とは反対側に、前記凹部から遠ざかるにしたがって径が小さくなるように形成された第2テーパー部を有し、
    前記第1テーパー部の前記軸方向に対する傾斜角度は、前記第2テーパー部の前記軸方向に対する傾斜角度よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の機械部品。
  4. 前記凹部と前記第2テーパー部との境界部における前記軸部材の外径は、前記保持部が前記第1テーパー部に接する部分における前記軸部材の外径よりも大きいことを特徴とする請求項3に記載の機械部品。
  5. 前記軸部材は、前記凹部の前記他端側に前記保持部と接する突出部を有することを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の機械部品。
  6. 前記回転部材は、複数の歯部を有するリム部を有し、
    前記保持部は、前記リム部から前記軸部材に向かう方向に延在する第1保持部と、前記第1保持部と交差する方向に延在する第1部分と前記第1部分から前記軸部材に向かう方向に延在する第2部分とを有する第2保持部と、を有し、
    前記第2部分が前記第1テーパー部と接することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の機械部品。
  7. 前記第2保持部は、複数の前記第1部分を有することを特徴とする請求項6に記載の機械部品。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の機械部品を備えたことを特徴とする時計。
  9. 回転部材に軸部材を保持する保持部を形成する第1工程と、
    前記軸部材に、前記保持部と嵌合する凹部を形成する第2工程と、
    前記回転部材に前記軸部材を挿通して、前記保持部を前記凹部と嵌合させる第3工程と、を備え、
    前記第2工程では、前記凹部における一端側から他端側に近付くにしたがって径が小さくなるように第1テーパー部を形成し、
    前記第1工程で形成した前記保持部の内径は、前記第3工程で前記凹部に嵌合した前記保持部が前記第1テーパー部に接する部分における前記軸部材の外径よりも小さいことを特徴とする機械部品の製造方法。
  10. 前記第2工程で、前記凹部に対して前記他端とは反対側に、前記凹部から遠ざかるにしたがって径が小さくなるように第2テーパー部を形成し、
    前記凹部と前記第2テーパー部との境界部における前記軸部材の外径は、前記第3工程で前記凹部と嵌合した前記保持部が前記第1テーパー部に接する部分における前記軸部材の外径よりも大きいことを特徴とする請求項9に記載の機械部品の製造方法。
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