JP2005097721A - 両面メッキ装置および両面メッキ方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の両面メッキ装置は、板状基材33の両面に同時にメッキ膜を形成する装置であって、メッキ液31を貯留するメッキ槽22と、板状基材33をその両面をメッキ液に接触させた状態で保持し、かつ板状基材33とともにメッキ槽22内に貯留されるメッキ液31を2つの領域に分離するメッキ用治具23とを備えてなることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
この(第1の)方法について、図9及び図10を基に説明する。
まず、図9(a)に示すように、例えば、75mm×75mm×0.5mmの大きさのアルミナ基板1を用意し、スパッタリング法、蒸着法等により、このアルミナ基板1の両面にメッキ用下地層2、3を形成する。
メッキ用下地層2としては、例えば、0.05μmのクロム(Cr)層2aと0.3μmの銅(Cu)層2bを順次積層した多層膜が用いられる。
メッキ用下地層3も同様に、例えば、0.05μmのクロム(Cr)層3aと0.3μmの銅(Cu)層3bを順次積層した多層膜が用いられる。
次いで、通常のメッキ法を用いてメッキ用下地層3上に銅(Cu)層6を形成する(図9(c))。このCu層6の厚みは、例えば、30μmである。
次いで、アセトンあるいは市販のレジスト除去剤を用いて電極作製用パターン5を除去する(図9(d))。
以上により、アルミナ基板1の一方の面に所定のパターンのメッキ用下地層3及びCu層6が形成される。
次いで、図9(f)に示すように、反対側のメッキ用下地層2上にレジスト11を塗布し、このレジスト11をフォトリソグラフィによりパターニングし、モジュールをパッケージに固定するための金属層作製用パターン12を形成する(図10(g))。
次いで、アセトンあるいは市販のレジスト除去剤を用いて金属層作製用パターン12を除去する(図10(i))。
次いで、イオンミリング等によりメッキ用下地層2の露出部分を除去する(図10(j))。
以上により、アルミナ基板1の一方の面に、所定のパターンを有しかつ30μmの厚みのCu層6が、他方の面に所定のパターンを有しかつ6μmの厚みのCu層13が、それぞれ形成される(図10(k))。
この(第2の)方法は、ステンレススチール等の金属基板の両面に、比較的低い電流密度で第1のメッキ層を形成し、次いで、これらの第1のメッキ層上に、比較的高い電流密度で第2のメッキ層を形成する方法で、これら第1及び第2のメッキ層を順次形成することにより、厚みが3〜12μmに制御されたCu箔層が得られる。
また、従来の第2の方法は、金属基板の両面に同時にほぼ同じ厚みのメッキ層を形成するものであるから、両面に同時に厚みの異なるメッキ層を形成することができないという問題点があった。
すなわち、本発明の両面メッキ装置は、板状基材の両面に同時にメッキ膜を形成する装置であって、メッキ液を貯留するメッキ槽と、前記板状基材をその両面を前記メッキ液に接触させた状態で保持し、かつ該板状基材とともに前記メッキ槽内に貯留されるメッキ液を2つの領域に分離するメッキ用治具とを備えてなることを特徴とする。
前記メッキ槽の内壁には、前記メッキ用治具の一部を嵌め込むための溝が形成されていることを特徴とする。
前記板状基材のそれぞれの面に対向する電極を前記2つの領域各々に配置し、各電極と前記板状基材との間に、電流を通電するための電源をそれぞれ設けてなることを特徴とする。
前記電源には、前記1対の電極と前記板状基材との間それぞれに流れる電流の大きさを個別に制御する制御部を備えてなることを特徴とする。
これにより、前記板状基材の両面それぞれに形成されるメッキ膜の厚みを自在に制御することが可能になる。
図1は本発明の実施例1の両面メッキ装置を示す斜視図、図2は同平面図である。
この両面メッキ装置21は、メッキ槽22と、メッキ用治具23と、電極板24、25と、電源26、27とにより構成されている。
メッキ槽22は、メッキ液31を貯留するもので、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等の樹脂により構成され、この槽の互いに対向する内壁22a、22aの略中央部それぞれには、メッキ用治具23の側部(一部)を嵌め込むための溝32が上下方向に延在する様に形成されている。
この板状基材33は、開口部35に嵌め込まれた状態で、その周縁部の所定箇所にプレート36が当接され、このプレート36はネジ37により治具本体34に固定されている。
まず、図4(a)に示すように、例えば、75mm×75mm×0.5mmの大きさのアルミナ基板41を用意し、スパッタリング法、蒸着法等により、このアルミナ基板41の両面にメッキ用下地層42、43を形成する。
メッキ用下地層43も同様に、例えば、0.05μmのクロム(Cr)層43a上に0.3μmの銅(Cu)層43bを積層した多層膜が用いられる。
これらのメッキ用下地層42、43は、上記の積層構造の他、例えば、0.05μmのチタン(Ti)層上に0.3μmの銅(Cu)層を積層した構造、あるいは、0.05μmのクロム(Cr)層上に0.5μmのパーマロイ(ニッケル・鉄合金)層を積層した構造等も用いられる。
次いで、メッキ用下地層43上に、例えば、厚みが35μmのレジスト44を塗布する。
次いで、図4(c)に示すように、反対側のメッキ用下地層42上に、例えば、厚みが10μmのレジスト51を塗布する。次いで、図4(d)に示すように、このレジスト51をフォトリソグラフィによりパターニングし、モジュールをパッケージに固定するための、例えば、厚みが10μmの金属層作製用パターン52を形成する。
ここでは、説明を容易にするために、便宜上、メッキ用下地層43及び電極作製用パターン45が形成された側の面をA面、メッキ用下地層42及び金属層作製用パターン52が形成された側の面をB面とする。
まず、図3に示すように、この被メッキ物53をメッキ用治具23の開口部35に嵌め込み、プレート36及びネジ37により治具本体34に固定する。
次いで、図2に示すように、このメッキ用治具23の側部を、メッキ液31が貯留されたメッキ槽22の溝32、32に嵌め込む。この被メッキ物53が固定されたメッキ用治具23により、メッキ槽22内に貯留されるメッキ液31は、2つの領域31a、31bに分離される。ここでは、被メッキ物53のA面が領域31a側に、B面が領域31b側に、それぞれ位置するように、メッキ用治具23をメッキ槽22に嵌め込む。
メッキ液:硫酸銅結晶 90g/L
硫酸 150g/L
塩素イオン 50mg/L(塩酸使用)
添加剤 適量
温度 室温
攪拌 エアバブリング
メッキ時間: 40分
メッキ電流:A面側 11A
B面側 2.5A
次いで、図5(f)に示すように、アセトンあるいは市販のレジスト除去剤を用いて電極作製用パターン45及び金属層作製用パターン52を除去する。
以上により、アルミナ基板41の一方の面に、所定のパターンを有しかつ30μmの厚みのCu層55が、他方の面に所定のパターンを有しかつ6μmの厚みのCu層56が、それぞれ同時に形成される。
なお、メッキ条件を変えてメッキ層の厚みの比が20:1より大きいものを作製してみたが、メッキ層の厚みの比が20:1より大きくなると、応力がアンバランスになり、アルミナ基板41が大きく反ってしまい、モジュールの組み立てを行うことができなかった。
図6は本発明の実施例2の両面メッキ装置の要部を示す断面図である。
この両面メッキ装置61は、メッキ用治具23の側部をゴム板、ゴム糸等の弾性体62を介してメッキ槽22の溝32に嵌め込む点が実施例1の両面メッキ装置21と異なった点であり、この点以外の構成要素については、実施例1の両面メッキ装置21と全く同様である。
この両面メッキ装置61においても、実施例1の両面メッキ装置21と全く同様の効果を奏することができる。
図7は本発明の実施例3の両面メッキ装置の要部を示す断面図である。
この両面メッキ装置71は、ステンレススチール等の金属からなる板状の治具本体72の一部、例えば、溝32との接触部をポリ塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂等の絶縁体73により構成したもので、この点以外の構成要素については、実施例1の両面メッキ装置21と全く同様である。
この両面メッキ装置71においても、実施例1の両面メッキ装置21と全く同様の効果を奏することができる。
しかも、治具本体72の一部を絶縁体73により構成したので、メッキ用治具のメッキ槽への着脱が容易となり、特に、メッキ層形成後の脱離が容易である。
図8は本発明の実施例4のメッキ用治具を示す平面図である。
このメッキ用治具81は、ステンレススチール等からなる板状の治具本体34に、板状基材31の周縁部を密着状態で固定するための段差を有する開口部35を複数(図8では、4つ)形成したもので、この点以外の構成要素については、実施例1のメッキ用治具23と全く同様である。
このメッキ用治具81においても、実施例1のメッキ用治具23と全く同様の効果を奏することができる。
しかも、治具本体34に開口部35を複数形成したので、1ロット毎の処理個数を増やすことができ、製造コストを低減することができる。
Claims (8)
- 板状基材の両面に同時にメッキ膜を形成する装置であって、
メッキ液を貯留するメッキ槽と、
前記板状基材をその両面を前記メッキ液に接触させた状態で保持し、かつ該板状基材とともに前記メッキ槽内に貯留されるメッキ液を2つの領域に分離するメッキ用治具とを備えてなることを特徴とする両面メッキ装置。 - 前記メッキ用治具は、板状の治具本体に、前記板状基材の周縁部を密着状態で固定する開口部が1つ以上形成されてなることを特徴とする請求項1記載の両面メッキ装置。
- 前記メッキ槽の内壁には、前記メッキ用治具の一部を嵌め込むための溝が形成されてなることを特徴とする請求項1または2記載の両面メッキ装置。
- 前記板状基材のそれぞれの面に対向する電極を前記2つの領域各々に配置し、
各電極と前記板状基材との間に、電流を通電するための電源をそれぞれ設けてなることを特徴とする請求項1、2または3記載の両面メッキ装置。 - 前記板状基材のそれぞれの面に対向する電極を前記2つの領域各々に配置し、
これらの電極と前記板状基材との間に、電流を通電するための電源を設けてなることを特徴とする請求項1、2または3記載の両面メッキ装置。 - 前記電源には、前記1対の電極と前記板状基材との間それぞれに流れる電流の大きさを個別に制御する制御部を備えてなることを特徴とする請求項5記載の両面メッキ装置。
- 板状基材の両面に同時にメッキ膜を形成する方法であって、
メッキ液が貯留されたメッキ槽と、
前記板状基材をその両面を前記メッキ液に接触させた状態で保持し、かつ該板状基材とともに前記メッキ槽内に貯留されるメッキ液を2つの領域に分離するメッキ用治具とを用意し、
前記メッキ用治具に前記板状基材を保持し、
次いで、このメッキ用治具を前記メッキ液に浸漬して、前記板状基材の両面を前記メッキ液に接触させるとともに前記メッキ液を2つの領域に分離し、
次いで、これらの領域それぞれに電流を通電して前記板状基材の両面それぞれにメッキ膜を形成することを特徴とする両面メッキ方法。 - 前記2つの領域それぞれに流れる電流の大きさを個別に制御し、前記板状基材の両面それぞれに形成されるメッキ膜の厚みを制御することを特徴とする請求項7記載の両面メッキ方法。
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