JP2005095842A - 被溶接物の回転駆動方法とその回転駆動装置 - Google Patents
被溶接物の回転駆動方法とその回転駆動装置 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】ローラを回転させる駆動装置を別置き型とせず、被溶接物であるローラ回転軸に駆動装置を直接取り付けて当該ローラを駆動する。
【選択図】図3
Description
1.ローラーを適当な段階でミルの外に取り出し、別のローラーと交換する方法
2.ローラーをミルの外に取り出すことなく、ミルの中で摩耗面を肉盛り溶接し、オリジナルの形状に戻す(再生する)方法
小型のミルの場合には上記の1の方法は比較的簡単に且つ短期間で施工することが出来る。しかし、ミルが大型になればなる程ローラーを取り出すことは時間を要することとなり、コストが掛かると共にミル休止時間が長くなる。その結果装置の稼働率が低下する。この様な場合には2の方法は安価であるとともに、短時間で施工できることからミルの稼働率を高めることが可能になる。
竪型ミルのローラーは、一例として図1に示す様に、運転時に回転出来るように回転軸を有しており、また下部のテーブルライナーは主モーターと減速機により高速回転する構造になっている。通常の運転時にはローラーはテーブルライナーの回転トルクを被粉砕物を介して受け、その結果高速回転することになる。いっぽう、被粉砕物はローラーとテーブルライナーの間で圧縮粉砕・摩擦粉砕というメカニズムのもとに粉砕される。
上記の様に、竪型ミルのローラーをミル内で自動肉盛り再生する場合には、被溶接物であるローラーが溶接に適した速度(通常運転時の速度に比して極めて低速)で回転することが必要である。従来、このローラーを回転させるためには、公開特許公報(特開平4−284858および特開平4−327372)にも示されているように、ギヤーモータなどの回転駆動装置をローラーと別置きで固定させ、図2に示すような方法で、チェーン、ベルト、ギヤー、自在継手等を介して回転駆動力をローラー回転軸に伝達している。しかしながら、この様な従来技術によれば以下のような課題がある。
1.ギヤーモーターの減速比は通常1000程度以下に限られる。
2.大型竪型ミルの場合のローラーは8〜10トンと重量物であり、この駆動装置のモーター容量が大きくなる結果、駆動装置が大型化・重量物化しがちである。
3.その結果、別置きとなる駆動装置の設置に比較的大きなスペースが必要となる。併せて、トルク伝達方式に因るローラーの不安定な回転速度(ギヤーのバックラッシュ、ベルトチェーンの緩み等に因るものを含む)が発生し易く、また装置取付を厳密に行う必要がある。この様な作業を竪型ミル内の制約された空間の中で行う事は大変な作業となる。
4.小型のミルローラーをミル内で肉盛り溶接する場合には、上記の別置き式の駆動装置を取付けるスペースが無いことがしばしばある為に、物理的な理由でミル内での肉盛り施工を断念せざるを得ない。
5.別置き式の駆動装置はテーブルライナーあるいはミル中央部の床面に取付けられる為、このテーブルライナーあるいはミル中央部の床面が回転している状態では別置き式の駆動装置を使用することは出来ない。たとえば、テーブルライナーを肉盛り溶接により再生している時にはテーブルライナーは回転しており、テーブルライナーの再生と同時に別置き式の駆動装置を使用してローラーをミル内で肉盛り溶接することは出来ない。
1.別置き型の独立駆動系によりローラーを駆動する為にトルク伝達機構が必要となり、ギヤーのバックラッシュやチェーン・ベルトの緩み等により回転が不安定になる場合がある。
2.別置き型の独立駆動系の取付においては厳密な位置合わせが要求され、作業空間が制約されるミル内での取付作業は大変である。
3.別置き型の独立駆動系を採用する場合には、大型化・重量物化しやすい為にハンドリングが大変になる。あるいは取付スペースが限定される場合には、物理的な理由で取り付け不可能な場合がある。
4.別置き型の独立駆動系を採用する場合には、テーブルライナーとローラーを同時に肉盛り溶接することは不可能である。
1.回転駆動装置が被溶接物に同架した構造である為に、取付面積が最小限で済む。
2.減速機のギヤーにはバックラッシュが小さく、減速比を大きく(たとえば2000程度)とることが可能なスパイラルベベルギヤー、ハイポイドギヤーなどを使用する。
3.また、この様に減速比が大きい減速機を採用している為に、ギヤーモータは小型となる。
4.回転駆動装置が被溶接部のローラーに同架した構造であり、小型で且つ軽量化したものであるために、その取付は極めて簡単であり、また最小限の設置面積で済む。その結果、従来比較的大容量のモータを必要としていた大型ミルのローラーにも、また設置スペースが極めて限定される小型ミルのローラーにも本回転駆動装置が採用できる。
5.回転駆動装置がテーブルライナーあるいはミル中央部の床面に接触しない為に、テーブルライナーとローラーを同時に肉盛り溶接することが可能となる。
6.ローラーが極端に大きいことに因りトルク不足が発生する場合でも、この小型の回転駆動装置2台を一つのローラー回転軸に同架させることにより、このトルク不足を解決することが可能になる。
7.以上のような特徴により、ほとんどのローラーの回転駆動装置として採用することが可能となり、その結果ほとんどのミルローラーのミル内での肉盛り溶接が可能となり、メンテナンスコストが削減できる。
駆動装置がローラータイヤに同架しているために最小限の設置スペースで済む。また、駆動装置を固定する為にトルクアームなどを使用するが、極めて単純な形状のもので十分であり、ミル内の状況に応じて、様々なもので対応できる。
駆動装置の減速装置としてスパイラルベベルギアやハイポイドギアなどを用い、ギアのバックラッシュを少なくすることにより、駆動装置から出力される回転は滑らかなものとすることができ、その出力を直接ローラータイヤに伝達するため、ローラー回転軸の角度に関係なく設置できる。
このように本発明は、上述の課題がギヤーモータ駆動軸端からのローラー回転トルク伝達方式の変更(ギヤーモータによる直接駆動)および駆動装置の小型化・軽量化により解決可能であることを示している。すなわち、ギヤーモータ軸端から直接ローラー回転軸を駆動する方式とし、その為にハイポイドギヤー、ベベルギヤー等を採用することにより減速比を大とし、さらにギヤーのバックラッシュが小さくなることにより安定駆動が可能になる。また、直接駆動であることから、トルク伝達機構を排除し、簡単な構造とすることが出来る。上述の如くギヤーモータ駆動軸端より直接ローラ回転軸を駆動する為には駆動装置はローラーに同架した構造となる。
ギヤーモータ:3相×200V×50w×4極モータ
ギヤー比 :1/1,800
駆動軸端での最高回転速度:1rpm(60Hz)、0.83rpm(50Hz)
駆動軸端での最大トルク32kg−m(60Hz)、38kg−m(50Hz)
ロータリーアースの容量:1,000Amp
この様な考え方で具体的に考案した駆動装置(ロータリーアース含む)の取付状態の例を基本構想図として示した図3に、駆動装置本体の具体例を図4〜図6に示す。
図4はギヤーモータの駆動側軸端とローラー主軸を一体化した場合である。この場合の駆動装置の重量は12kg程度と極めて軽量となり、取付が簡単で所要スペースが少なく、さらに安定駆動が可能となる。図5はギヤーモータとローラーの間に一対の歯車を用いた例で、図6はチェーンまたはベルトによりギヤーモータのトルクをローラー主軸に伝達する場合の例をそれぞれ示す。トルク伝達に歯車、ベルトチェーン等を用いることにより、さらに減速比を大きくすることが可能になる。
この様な方法により、従来大変な作業であった大型竪型ミルのミル内でのローラー肉盛り溶接が容易になり、従来不可能であった小型ミルのミル内でのローラー肉盛り溶接、テーブルライナーとローラーの同時肉盛り溶接が可能になる。
これらの粉砕機は日本国内にきわめて数多く設置されており、今後もこの種の粉砕機の設置台数は増えるものと容易に予想される。この様に、今後も増えつづける竪型粉砕ミルは摩耗の状況に応じて肉盛り溶接により再生する必要があり、今後増え続ける再生の中でその効果を発揮することになる。
2 ローラー
3 テーブルライナー
4 テーブル
5 ジャーナルアッセンブリー
6 ギヤーモーター
7 スプロケット
8 トルクアーム
9 ロータリーアース
10 ユニバーサルジョイント
11 チェーン(またはベルト)
Claims (2)
- 竪型ミルの粉砕ローラー等(以下ローラーという)の肉盛り溶接において、被溶接物であるローラーを竪型ミル内より取外すことなく、回転軸に取付けられた状態でローラーを回転駆動する方法として、ローラー回転軸に駆動装置を直接取り付けて当該ローラーを駆動することを特徴とする被溶接部の回転駆動方法(以下被溶接部に同架した駆動方法という)
- 請求項1で述べた方法により回転駆動することを特徴とする被溶接物の回転駆動装置
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