JPH0717340U - ミルのテーブル及びローラの肉盛装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案は、自動で最適な肉盛量を得ると共に作
業能率の向上を図る。 【構成】テーブル１の磨耗量に対応してテーブル１を回
転させる寸動モータ７と、ローラ２の磨耗量に対応して
ローラ２を回転させる回転機構と、上記テーブル及びロ
ーラの磨耗量に対応して肉盛量を設定できる自動溶接機
６とから構成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ミルのテーブル及びローラの肉盛装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、図２に示すように、ミルの磨耗したテーブル１１及びローラ１２は半自 動溶接機又は手溶接機１３を用いて肉盛り溶接を行なっていた。 この際、テーブル１１については、ローラ１２、１２の間で肉盛溶接を行った 後、備付けの寸動モータでテーブル１１を回転させ、未肉盛部がローラ間になる ように調整した後、肉盛溶接を行っていた。 また、ローラ１２は、肉盛溶接→ローラ人力回転→肉盛溶接を繰り返して肉盛 溶接を行っていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の半自動溶接又は手溶接方法は、上記のような構成になっているので、 １）テーブルはローラとローラとの間しか一度に肉盛できず、溶接作業を中断 した後、未肉盛部がローラとローラとの間になるように備付けの寸動モータでテ ーブルを回転した後、肉盛溶接を行う作業を繰り返していた。

【０００４】 ２）ローラは肉盛材が流れ落ちないように、ローラの頂部で適当量肉盛溶接し 、溶接作業を中断した後、ローラの未溶接部が頂部になるよう、ローラを人力で 回転させた後、肉盛溶接を繰り返していた。

【０００５】 この為、 １）テーブルは肉盛量が、肉盛部と肉盛部との継ぎ目で、不均一となる。 ２）ローラも、上記と同じに、肉盛量が不均一になり、また肉盛面が多角形と なる。

【０００６】 加えて、溶接場所が狭い為、１度に１か所のテーブル又は１ケのローラしか肉 盛できず、作業性が悪いなどの問題点があった。 これらは、ミル運転時の振動発生及び肉盛部の欠損の原因にもなっていた。

【０００７】 この考案は、上記のような問題点を解決する為になされたもので、磨耗量に対 応して肉盛量を設定できる、複数の自動溶接機を用いることにより、作業能率の 向上を図ることのできる肉盛装置を提供することを課題とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案のミルのテーブルの肉盛装置は、テーブルの磨耗量に対応してテーブル を回転させる寸動モータと、ローラの磨耗量に対応してローラを回転させる回転 機構と、上記テーブル及びローラの磨耗量に対応して肉盛量を設定できる自動溶 接機とから構成されている。

【０００９】 そして、複数の自動溶接機を用いるようになっている。 また、ローラの回転機構は、その回転部分に取付けられたスプロケットホイー ルを、無断変速機付きモータにより、チエーンを介して回転する構成になってい る。

【００１０】

【作用】

上記の構成により、肉盛溶接はテーブル及びローラのそれぞれの回転量と肉盛 量がとぎれること無くできることにより、 １）テーブルは磨耗量に合せた最適な肉盛量が確保され、かつ溶接面が均一と なる。

【００１１】 ２）ローラについても、磨耗量に合せた最適な肉盛量が確保され、かつ溶接面 が円形で均一となる。 また、ミルの内部に入って肉盛溶接作業をする必要が無くなったため、同時に 複数の溶接作業が可能となる。

【００１２】 以上のことにより、ミル運転時の振動が軽減され、操業の安定化及び稼働率の 向上と、振動による機器損傷が少なくなる。 加えて、肉盛溶接部の欠損の排除により同上の効果が期待できる。 また、溶接作業が自動化されることで、作業能率の大幅な向上が図れる。

【００１３】

【実施例】

図１は本考案の装置構成の一例を示す説明図である。 図１示すミルは、テーブル１の上に４個のローラ２を等間隔で設けて構成され ている。

【００１４】 そして、テーブル１は付属する寸動モータ７により回転されるようになってい る。一方、ローラ２は、無段変速機付きモータ５により回転されるようになって いる。この場合、ローラ２の回転部分にスプロケットホイール３が取付けられ、 ローラ２はチェーン４を介してモータ５により回転されるようになっている。

【００１５】 そして、この例では、自動溶接機６が２式設けられている。 １）テーブルの肉盛 寸動モータ７を運転しながら、自動溶接機６を作動させ、テーブル１の磨耗量 に合せた肉盛量を調節する。この作業が完了したら、自動溶接機６と寸動モータ ７を連動運転し、肉盛溶接を行う。

【００１６】 ２）ローラの肉盛 自動溶接機６をローラ２の頂部にセットする。自動溶接機６を作動させ、ロー ラ２の磨耗量に合せた肉盛量を調節する。同時に無段変速機付きモータ５の回転 量も調節する。この調整が完了したら、自動溶接機６とモータ５を連動運転し、 肉盛溶接を行う。

【００１７】

【考案の効果】 この考案によれば、自動溶接機による肉盛量とテーブル及びローラの回転量と を連動させるように構成したので、肉盛量がとぎれること無く、又それぞれの磨 耗量に合せた最適な肉盛量が得られるため、以下の効果が得られた。

【００１８】 １）ミル運転時の振動が減少した。 ２）肉盛溶接部の欠損が無くなった。 加えて、複数の溶接機を用いることにより、作業効率の向上が図れる効果があ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の装置構成の一例を示す説明図。

【図２】従来の肉盛溶接の説明図。

【符号の説明】

１…テーブル，２…ローラ，３…スプロケットホイー
ル、４…チェーン、５…無段変速機付きモータ、６…自
動溶接機、７…寸動モータ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 松尾 琢三 東京都千代田区丸の内二丁目３番２号 鋼 管鉱業株式会社内 (72)考案者 堤 一夫 東京都千代田区丸の内二丁目３番２号 鋼 管鉱業株式会社内

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 テーブルの磨耗量に対応してテーブルを
   回転させる寸動モータと、ローラの磨耗量に対応してロ
   ーラを回転させる回転機構と、上記テーブル及びローラ
   の磨耗量に対応して肉盛量を設定できる自動溶接機とか
   らなるミルのテーブル及びローラの肉盛装置。
2. 【請求項２】 複数の自動溶接機を用いる請求項１に記
   載の肉盛装置。
3. 【請求項３】 ローラの回転機構は、その回転部分に取
   付けられたスプロケットホイールを、無断変速機付きモ
   ータにより、チエーンを介して回転する構成になってい
   る請求項１に記載の肉盛装置。