JP2005079663A - 超電導半導体集積回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁束量子を情報担体とする単一磁束量子回路、交流電流で駆動される超電導増幅回路、および半導体回路で構成されたA/D変換器において、各回路の動作を同期させ、かつ単一磁束量子回路からのデータ信号を半導体回路へ伝送する。
【解決手段】超電導増幅回路の電源となる交流電流をマスタクロック信号として単一磁束量子回路と半導体回路へ入力し、各回路の動作をマスタクロック信号に同期させると同時に、単一磁束量子回路を、クロック信号逓倍回路および分配回路、記憶回路で構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、単一磁束量子回路を含む超電導回路、および、超電導回路と半導体回路を組み合わせた集積回路に関する。
単一磁束量子(Φ=h/2e=2.07×10−15Weber)を情報担体とする単一磁束量子(Single Flux Quantum:以下SFQと略す)回路は、数10ギガヘルツ(10Hz)以上の超高速動作と、ゲートあたりマイクロワット(μW)以下の低消費電力特性を特徴とする超電導回路である。非特許文献1(アイトリプリイィ、トランズアクション、アプライド、スーパーコンダクティビティ(IEEE Trans. on Appl. Supercond.)、1巻1号(1991年)1頁)に示される原理に基づいて、これまで種々の論理ゲートが開発され、これらを組み合わせた実用回路の開発が広く進められている。
SFQ回路の応用として、アナログ/デジタル(Analog/Digital:以下A/Dと略す)変換器がある。SFQ回路の特徴を活かすため、変換方式はオーバーサンプリング方式がとられる。この方式では、帯域より十分高い周波数、少数ビット精度で入力信号をサンプリングし(オーバーサンプリング)、次にそのサンプリングデータ信号を信号処理することで、必要な周波数帯域において高精度なデジタルデータ信号を得る。オーバーサンプリングを行うフロントエンド回路を数10GHzで動作可能なSFQ回路で構成し、信号処理を行うバックエンド回路を集積性に優れた半導体回路で構成することで、高性能なA/D変換器を実現することができる。
特開2002−374152号公報
特開2001−345488号公報 アイトリプリイィ、トランズアクション、アプライド、スーパーコンダクティビティ(IEEE Trans. on Appl. Supercond.)、1巻1号(1991年)1頁
A/D変換器に限らずSFQ回路を実用化する際、SFQ回路と半導体回路の同期動作が不可欠である。しかし同期動作実現にあたり課題となるのは、第一にSFQフロントエンド回路から半導体バックエンド回路への信号の伝送である。SFQ回路内では、情報担体であるSFQは電圧パルスとして伝播する。この電圧パルス(以下SFQパルスと表現する)のエネルギは非常に小さく、パルス幅は約3ps、最大電圧は約1mVである。一方、半導体回路の典型的な入力電圧レベルは、数GHzの信号周波数つまりパルス幅数100psにおいて、数mVから数10mVである。このため、直接SFQ回路から半導体回路にSFQパルスを伝送することは不可能である。そのため、一般的には電圧レベル反転回路を用いて、SFQパルスを電圧レベルの変化に変換する。電圧レベル反転回路は、SFQパルスを入力する毎にその出力が電圧状態と零電圧状態の間を遷移する機能を有する。
しかし、オーバーサンプリングを行うSFQ回路からのデータ信号の出力レート(データレート)は数10GHzと高いため、電圧レベル反転回路を用いても、その出力電圧のパルス幅は数10psにすぎず、半導体回路で扱うには、パルス幅が依然として狭い。したがってSFQ回路から半導体回路への信号伝送には、SFQ回路を含む超電導回路側において、データレートを低減する必要がある。
データレートの低減には、分配回路を用いる。分配回路はデータ信号を複数のチャネルに分配し、1チャネル当たりのデータレートを下げる。回路方式には、バイナリツリ型とシフトダンプ型の2種類がある。バイナリツリ型分配回路は、段階的にデータ信号を分配しデータレートを低減する。分配回路全体を同じ周波数で動作させる必要がないため、データ信号の高速分配に適している。しかし、分配データ信号の出力タイミングはチャネルごとに異なり、後段回路とのタイミング調節が困難となる。一方、シフトダンプ型分配回路は、一度にデータ信号を分配するため、出力タイミングは全チャネルで一致しており、後段回路との接続は容易である。しかし、分配回路全体を同じ周波数で動作させる必要があり、分配チャネル数が多い場合、データ信号の高速分配は困難である。分配回路は、データ信号の高速分配が可能で出力タイミングが揃っていることが望ましいが、両方式の特徴を持つ回路方式はこれまでなかった。
また、半導体回路へデータ信号を伝送するには、信号の増幅が必要である。超電導回路で数10mVの電圧信号を得るには、交流駆動型の超電導増幅回路を用いる必要がある。しかし、増幅回路に供給する交流バイアス電流がクロストークにより他のSFQ回路へ悪影響を及ぼし、SFQ回路が誤動作を起こす原因となっていた。
SFQ回路と半導体回路を同期動作させる場合の第2の課題は、SFQフロントエンド回路と半導体バックエンド回路へのクロック供給である。同期動作では、両回路に共通のクロック信号、つまりマスタクロック信号が必要となる。SFQ回路側でマスタクロックを生成する場合、クロック周波数をSFQ回路の動作周波数である数10GHzにすることは容易である。しかし、マスタクロック信号を分周して周波数を数GHzに落とす方法を用いても、半導体回路へ伝送することは不可能である。分周されたクロック信号と超電導増幅回路へ供給される交流バイアス電流との同期がとれないと超電導増幅回路はクロック信号を効率的に増幅することはできないからである。これまで、超電導増幅回路へ入力されるクロック信号と同期をとりながら、超電導増幅回路へ交流バイアス電流を供給する手段はなかった。
一方、半導体回路で数GHzのマスタクロック信号を生成して、SFQ回路内でマスタクロック信号の周波数を逓倍する方法が考えられる。この場合、公知の回路である梯子型クロック信号発生回路を用いマスタクロック信号の1周期の間に有限個のSFQパルスを発生させる方法を用いる。しかし、マスタクロックの周期と梯子型クロック信号発生回路のSFQパルス発生期間を等しくしないと、発生したクロック信号の周期が均一でなくなり、オーバーサンプリングにおける入力信号の変換精度に影響を及ぼす。これまで、この均一度を確認し、かつ制御する方法はなかった。
上記問題に対して、本発明では、まず、超電導フロントエンド回路と半導体バックエンド回路の動作を同期させるために、超電導増幅回路の駆動電源から出力される交流信号をマスタクロック信号として、SFQフロントエンド回路と半導体バックエンド回路に入力する。この結果、フロントエンド回路からの出力信号を超電導増幅回路へ入力し、超電導増幅回路の出力信号を半導体バックエンド回路へ入力する際、両回路は、超電導増幅回路の駆動電源を交流信号源とする共通のマスタクロック信号により、動作することになる。
SFQフロントエンド回路は、数GHzのマスタクロック信号に同期し、かつその周波数を逓倍して数10GHzの内部クロック信号を生成するクロック信号逓倍回路を有する。クロック信号の逓倍には、従来どおり有限個のSFQパルスを生成する梯子型クロック信号発生回路、または、無限個のSFQパルスを生成するリング発振回路を用いる。いずれの場合も、発生した内部クロック信号を分周して電圧レベル反転回路へ入力する構造を有する。
梯子型クロック信号発生回路を用いる場合、内部クロック信号の周期の均一性を確認するために、生成した内部クロック信号を分周回路と電圧レベル反転回路に通す。マスタクロック信号の周期と内部クロック信号のパルス間隔の比は、電圧レベル反転回路の出力波形のデューティ比に変換される。このデューティ比が50%になるように、梯子型クロック信号発生器のバイアス電流を制御する回路を付加することで、周期が均一な内部クロック信号の生成が可能となる。
梯子型クロック信号発生回路に代えてリング発振回路を用いる場合、周期が均一な内部クロック信号を生成することはできるが、内部クロック信号とマスタクロック信号を同期させる必要がある。このため生成した内部クロック信号を分周回路と電圧レベル反転回路に通し、その出力をマスタクロック信号と位相比較する。比較信号をリング発振回路のバイアス電流源にフィードバックしてバイアス電流値を制御する。
SFQフロントエンド回路は、クロック信号逓倍回路のほか、変調回路、分配回路および記憶回路より構成される。変調回路において、入力されたアナログ信号はクロック信号逓倍回路で生成した内部クロック信号に従いオーバーサンプリングされる。分配回路は、バイナリツリ型分配回路の出力をシフトダンプ型分配回路へ入力する形で構成される。2つの方式の異なる分配回路を接続することで、両方式の特徴を活かすことができる。変調回路から出力されたSFQデータ信号はまず、バイナリツリ型分配回路で高速分配され、その周波数は低減される。次に、シフトダンプ型分配回路は、SFQデータ信号をさらに分配すると同時に、出力のタイミングを揃え後段回路とのタイミング設計を容易にする。
分配回路からのデータ信号は、記憶回路で一旦保持された後、マスタクロック信号と同期して、超電導増幅回路に伝送される。
超電導増幅回路は、超電導増幅回路へ流れる交流電流のSFQ回路へ与える影響を低減するために、偶数個(2N、Nは自然数)個の増幅回路で構成され、N個の増幅回路には、マスタクロック信号である交流バイアス電流を、残りのN個の増幅回路には、交流バイアス電流とは反対の極性をもつ交流バイアス電流を供給する。この2種類の交流バイアス電流を流す配線を接近させて配置することにより、交流成分を打ち消すことが出来る。
本発明によれば、磁束量子を情報担体とする単一磁束量子回路、交流電流で駆動される超電導回路および半導体回路で構成したA/D変換器において、各回路の動作を同期させ、単一磁束量子回路からのデータ信号を半導体回路へ容易に伝送させることができる。
本願発明を以下の実施例により説明する。この実施例は本願発明を用いた一例であり、本願発明は本例により限定されない。
(実施例1)
実施例1では、はじめにA/D変換器全体の構成と動作を説明し、その後、各構成要素の詳細な構成と動作を説明する。
(A/D変換器の全体構成)
図1は実施例1におけるA/D変換器の全体構成を示す図である。この変換器はSFQフロントエンド回路101と超電導増幅回路102からなる超電導フロントエンド回路103と半導体バックエンド回路104で構成される。超電導フロントエンド回路103は、アナログ入力信号120をオーバーサンプリングし、そのデータ信号を半導体バックエンド回路104へ伝送可能な周波数および電圧レベルに変換する。半導体バックエンド回路104は超電導フロントエンド回路103からの電圧データ信号129を演算処理し、最終的なデジタルデータ信号130を生成する。
図2はA/D変換器の各回路における信号のタイムチャートを示す図である。図1に示すA/D変換器の動作を、図2を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、SFQパルスである信号の内、クロック信号は太い実線でその流れを示し、データ信号は太い点線でその流れを、図中に、示す。
交流電源110からの交流電流は、直流電圧源112によるオフセット電圧を加えられていて、可飽和回路111により、台形型の脈流電流に変換される。この脈流電流は超電導増幅回路102に対しては交流バイアス電流122として、またSFQフロントエンド回路101および半導体バックエンド回路104に対してはマスタクロック信号123として入力される。SFQフロントエンド回路101に入力されたマスタクロック信号123は、SFQ生成回路105におけるSFQトリガ信号124の発生タイミングを決める。マスタクロック信号123の電流レベルが図2に示す閾値を越えるとSFQ信号生成回路105はSFQパルス1個を生成する。このパルスはSFQトリガ信号124として、クロック信号逓倍回路106に入力される。クロック信号逓倍回路106は、SFQトリガ信号124に同期して、有限個のSFQパルス列を発生させる。このSFQパルス列をSFQ内部クロック信号125と呼ぶ。
変調回路107は、入力されたアナログ信号120をSFQ内部クロック信号125に同期してオーバーサンプリングし、SFQデータ信号126を出力する。入力信号120はその信号の大きさに応じてSFQ内部クロック信号125と同期した粗密波に変換され、SFQデータ信号126として出力される。SFQデータ信号126は、分配回路108で複数の出力チャネルにSFQデータ信号127,---,127として振り分けられる。分配されたSFQデータ信号127は、記憶回路109,---,109に、一旦、記憶される。マスタクロック信号123に同期したSFQトリガ信号124が記憶回路109,---,109に入力されることにより、それぞれに記憶されていたSFQデータ信号が、電流データ信号128,---,128に変換されて超電導増幅回路102,---,102へ伝送される。超電導増幅回路102,---,102では、交流バイアス電流122を供給されていて、記憶回路109,---,109の出力があったとき、交流バイアス電流122と同期して数10mVの電圧データ信号129,---,129を出力する。交流バイアス電流122はマスタクロック信号123と同一であるため、超電導増幅回路102,---,102の動作とSFQ回路101の出力である記憶回路109,---,109の動作は同期したものとなる。
図2に示したタイムチャートでは、クロック信号逓倍回路106でのSFQパルス発生数は8、分配回路108のチャネル数は8である。図2では、したがって、SFQ内部クロック信号125が各周期に、1−8の番号を付したように生成され、この1−8の番号を付されたSFQ内部クロック信号125が、変調回路107のオーバーサンプリングにより、アナログ信号120の大きさに対応して、最初の周期では、3,4,5および7番目のSFQパルスがSFQデータ信号126として出力される。次の周期では、1,3および7番目のSFQパルスがSFQデータ信号126として出力される。続く周期では、2−8番目のSFQパルスがSFQデータ信号126として出力されることを示す。分配回路108はこれを分配して出力するが、図2では、1チャネル目と3チャネル目についてSFQデータ信号127,127、電流データ信号128,128、および、電圧データ信号129,129を示した。
ここで、SFQデータ信号127,127、電流データ信号128,128、および、電圧データ信号129,129について、もう少し説明する。記憶回路109については、図11を参照して後述するが、2つのデータフリップフロップ回路がカスケード接続されたシフトレジスタで形成されている。SFQデータ信号127,127はそれぞれのチャネルの記憶回路109,109の前段のデータフリップフロップ回路に記憶された後、その後の周期で加えられるSFQトリガ信号124に同期して、後段のデータフリップフロップ回路に移され、この段階で、電流データ信号128,128を出力する。この出力は、その後の周期で加えられるSFQトリガ信号124に同期して消滅させられる。また、電流データ信号128,128が出力されると、超電導増幅回路102,102の動作によって電圧データ信号129,129が現れる。電圧データ信号129,129は、交流バイアス電流122が0になると消滅する。なお、電圧データ信号129,129が電流データ信号128,128より少し遅れた時点に現れているのは、超電導増幅回路102,---,102の交流バイアス電流122に対する閾値が、マスタクロック信号123に対する閾値より大きいものとされているからである。したがって、SFQデータ信号127について見ると、SFQデータ信号127が現れた段階では、これが記憶回路109の前段のデータフリップフロップ回路に記憶されるのみで、外部には何も現れない。その後、SFQトリガ信号124が現れると、SFQデータ信号127が記憶回路109の後段のデータフリップフロップ回路に移される。この結果、電流データ信号128が出力される。また、これに合わせて、電圧データ信号129も出力される。
超電導増幅回路102から出力される電圧データ信号129は、半導体バックエンド回路104で信号処理される。この信号処理(デシメーション)により、オーバーサンプリングデータを最終的なデジタルデータ信号130に変換する。半導体バックエンド回路104のクロック信号には、マスタクロック信号123が用いられる。このため、半導体バックエンド回路104の動作は超電導フロントエンド回路101の動作と同期させることができる。
このように、マスタクロック信号123をSFQフロントエンド回路101のSFQ生成回路105および半導体バックエンド回路104へ入力し、超電導増幅回路102には、マスタクロック信号123とおなじ交流バイアス電流122を加えることにより、各回路の動作を同期させて、A/D変換器全体を動作させることが可能となった。
(SFQ基本回路)
A/D変換器の動作を説明する前に、本発明で採用した基本的なSFQ回路の等価回路と機能について述べる。
図3(A)は、ジョセフソン伝送路(Josephson Transmission Line;以下JTLと略す)を示す等価回路図である。回路はジョセフソン接合11とバイアス電流源12およびインダクタ13からなる単位回路20が直列に接続されて構成される。なお、バイアス電流源12は表示を省略されることもあるので、ここでは、バイアス電流源12は等価回路に含まれない形で一点鎖線の表示をした。以下、他の等価回路についても、バイアス電流源12は等価回路に含まれない形で一点鎖線の表示をした。JTLはSFQパルスを伝送する働きを持ち、SFQ要素回路間でのSFQの伝送にはほとんどJTLが使われる。以下、説明する各種の回路において使用されているJTLは、SFQパルスを整形し、伝送する機能を果たし、各種の回路の機能には関与しない。しかし、JTLが持つSFQパルスの伝送機能は、SFQパルスのタイミングを調整するためには重要なものである。実施例の図面では、図面の大きさの制約もあるので、SFQパルスのタイミングを考慮したJTLの段数の表示となっていない。また、バイアス電流源12によるバイアス電流の大きさを変化させることでSFQパルスの伝播の遅延時間を変化させることができる。SFQパルスのタイミングに特に注意すべき時には、本文中で説明した。
図3(B)は、バイアス電流源12が抵抗14とバイアス直流電圧源15の直列回路と等価であり、図示に際しては、適宜、選択して使用されることを示す図である。
図3(C)は分岐回路(Splitter;以下SPと略す)を示す等価回路図である。分岐回路SPは、入力された1個のSFQパルスを2個に増やす回路であり、1個のSFQパルスを複数の要素回路に分配するのに用いられる。
図3(D)は合流回路(Confluence Buffer;以下CBと略す)を示す等価回路図である。合流回路CBは、2つの入力から伝送されたSFQパルスをそれぞれ同じ1つの出力へ伝送する回路であり、複数のSFQ信号を1つにまとめるのに用いられる。
図3(C)および(D)では、分岐回路SPおよび合流回路CBのみならず、その入出力端にJTLを配置した回路図で示す。
(クロック信号逓倍回路)
図4は、図1で示したA/D変換器のうち、SFQ信号生成回路105およびSFQクロック信号逓倍回路106の等価回路の構成を示す図である。SFQ信号逓倍回路106は、2ビット梯子型クロック信号発生回路201、分周回路206および幾つかのJTL、SP、CBで構成される。
図5は、図4の回路内の主要な信号のタイムチャートを示す図である。図5を参照しながら、図4の回路構成の詳細とその動作を説明する。
マスタクロック信号123をSFQ信号生成回路105に入力すると、これに同期してSFQトリガ信号124が発生する。図5における閾値はSFQ信号生成回路105がSFQトリガ信号124を生成する値である。SFQトリガ信号124はクロック信号逓倍回路106内の2ビット梯子型クロック信号発生回路201に入力される。
ビット梯子型クロック信号発生回路201はJTL、2個のSPと2個のCBで構成される。SFQトリガ信号124は、図4の上段を左側に進み、SPを通過する度に分岐されたSFQパルスを出力するので、2個のSFQパルスに分岐される。それぞれのSFQパルスは遅延時間(接続個数)の異なるJTLを伝播した後、図4の最も左側のSPで分岐されたSFQパルスが、今度は下段のCBおよびJTLを右側に進み、各CBで、上段のSPで分岐されたSFQパルスと合流する。結果として、図5に示すように2ビット梯子型クロック信号発生回路201からは2個のSFQパルスからなるSFQ内部クロック信号125(初期状態)が発生する。図5の例は、N=4の場合である。なお、上段を左側に進み、SPを通過する度に分岐されたSFQパルスの最後のパルスは最終段のJTLを通過した後接地されて消滅する。
周期TINのマスタクロック信号123から、均一な周期をもつSFQ内部クロック信号125に逓倍するには、時系列信号であるSFQパルス(図5では、1−16)のパルス間隔をTIN/2に設定しなければならない。この間隔は、2ビット梯子型クロック信号発生回路201を構成するJTLに供給するバイアス電流I124を、バイアス電流源12124を制御して調節することで実現できる。時系列信号のSFQパルスのパルス間隔とマスタクロック信号123の周期を比較するために、2ビット梯子型クロック信号発生回路201から出力されるSFQ内部クロック信号(時系列信号)125をSP203とCB204を介して、N−1個のトグル型フリップフロップ回路(T−FF)205で構成した2N−1分周回路206に導入した。一方、電圧レベル反転回路207を2N−1分周回路206の出力端に接続した。
電圧レベル反転回路207の出力である評価信号210は、2N−1分周回路206からSFQパルスが発生するごとに、一定の電圧状態と0電圧状態の間を遷移する。梯子型クロック信号発生回路201が発生するSFQパルス125は、2N−1分周回路206に導入されているから、2N−1個の1個目のSFQパルスから2N−1+1個目のSFQパルスが発生するまでの期間は、パルス時系列信号のパルス間隔の2N−1倍の時間を示し、1個から2+1個までの期間は、マスタクロック信号の周期TINを示す。よって、2N−1分周回路206の出力SFQパルスを電圧レベル反転回路207に加え、電圧レベル反転回路207の出力である評価信号210の電圧のデューティ比を測定することにより、SFQパルス125のパルス間隔とマスタクロック信号123の周期を比較することが可能となる。この周期の比較結果を利用して、バイアス電流源12124を制御してバイアス電流I124を変え、梯子型クロック信号発生回路201の出力するSFQ内部クロック信号(パルス時系列信号)125の周期を制御して、評価信号210の電圧のデューティ比が50%になるようにするが、この点については、後述するバイアス電流制御回路の中で説明する。
なお、2N−1分周回路206にはSFQ生成回路208およびCB204を介して、もう一つのマスタクロック信号217に応じたSFQパルスを入力できるようになっているが、このマスタクロック信号217については、次に説明するバイアス電流源12124の制御回路で述べる。
(バイアス電流制御回路)
図2で示すような、周期が均一なSFQ内部クロック信号125を生成するには評価出力210のデューティ比を50%にする必要がある。図6はSFQ内部クロック信号125のデューティ比が50%となるように、バイアス電流I124を自動的に調節する制御回路のブロック構成を示す図である。制御回路230は、ローパスフィルタ回路231、比較回路232、可変電圧源234、可変バイアス電流源236、シーケンサ回路244、数個の論理回路235,241,245、および、スイッチ回路233,242,243で構成させる。これらの要素回路はすべて半導体回路である。可変電圧源234はアップカウンタ回路237およびデジタル/アナログ変換回路(D/A変換回路)238から構成され、可変バイアス電流源236はダウンカウンタ回路239、D/A変換回路239およびバイアス抵抗240で構成される。ここで、可変バイアス電流源236は図4で説明したバイアス電流源12124に対応する。
制御回路230の動作は、比較回路232に入力する参照電圧211を設定する第1段階と、設定された参照電圧211と評価出力210を比較して、バイアス電流I124を設定する第2段階からなる。第1段階と第2段階の動作はスイッチ回路233、242、243およびシーケンサ回路244により切り替えられる。シーケンサ回路244は、装置をスタートさせる時に与えられる起動信号246により順次所定のタイミングで制御信号228および229を出力する。
第1段階では、シーケンサ回路244から出力される制御信号228の“1”に従い、スイッチ回路233は比較回路232の出力を可変電圧回路234側に伝える側に切り替えられる。同時に、制御信号228の“1”に従い、スイッチ回路242はクロック信号逓倍回路106へのバイアス電流I124を遮断する側に切り替えられ、スイッチ回路243はマスタクロック信号217をクロック信号逓倍回路106へ伝達する側に切り替えられる。一方、可変電圧源234を構成するアップカウンタ回路237の出力データ信号215の初期値は0に設定され、この値からD/A変換回路238の電圧つまり参照電圧211の初期値は0となる。一方、可変バイアス電流源236を構成するダウンカウンタ回路239の出力データ信号216の初期値は、収束予定値より30%高いバイアス電流I124をSFQクロック信号逓倍回路106に供給するように設定される。
クロック信号逓倍回路106へのバイアス電流I124は遮断されているため、クロック信号逓倍回路106内のJTLはSFQパルスの伝播機能を失い、クロック信号逓倍回路106からはSFQパルス125は発生しない。一方、クロック信号逓倍回路106に入力されたマスタクロック信号217は、図4に示すように、SFQ生成回路208、分周回路206を経て、電圧レベル反転回路207に加えられ、デューティ比50%の評価信号210として出力される。評価信号210は、まず、ローパスフィルタ回路231によって、直流電圧信号212だけが取り出され、評価信号210のデューティ比は直流電圧の大きさに変換される。さらに比較回路232により、直流電圧信号212は参照電圧211と比較される。比較回路232は、参照電圧211より直流電圧信号212の電圧が大きい場合デジタル信号213として“1”を出力し、それ以外は“0”を出力する。比較結果は、スイッチ回路233を経て可変電圧源234のアップカウンタ回路237および反転回路245に入力される。
アップカウンタ回路237は入力信号が“1”である間、出力データ215の数値を継続的に増加させる。これに伴い、D/A変換回路238の出力電圧(参照電圧211)は上昇する。参照電圧211が直流電圧信号212の電圧を超える瞬間、比較回路232の出力デジタル信号213は“0”となりアップカウンタ回路237の数値の増加は停止する。この時点で参照電圧211は一定となり、参照電圧211は評価信号210のデューティ比が50%の場合の直流電圧に設定される。比較回路232の出力デジタル信号213が“1”から“0”へ変化する際、反転回路245の出力信号226は“0”から“1”に変化する。この変化はシーケンサ回路244に対し、回路動作を第2段階へ移行させるためのトリガとなる。
第2段階では、シーケンサ回路244より出力される制御信号228は“1”から“0”に換わる。制御信号228の“0”により、スイッチ回路233は比較回路232の出力デジタル信号213を可変電流回路236側に伝える側に切り替えられる。また、スイッチ回路242は可変電流源236の出力するバイアス電流I124をクロック信号逓倍回路106へ伝達し、スイッチ回路243はマスタクロック信号217を遮断する。第2段階に移行した直後は、高いバイアス電流I124がSFQクロック信号逓倍回路106に供給されるため、生成されるSFQパルス125の間隔は収束予定値より短く、評価出力210のデューティ比の初期値は50%にはならない。この状態を、図5に評価出力210(初期状態)として示す。評価出力210のデューティ比の初期値が50%にならないケースは、電圧レベル反転回路207の初期状態によって状況が変わる。すなわち、図5に二つの状態を示すように、デューティ比が50%より小さい場合と、大きい場合とがある。
まず、評価信号210のデューティ比が50%より小さい場合、直流電圧信号212の初期値が第1段階で確定した参照電圧211より小さくなり、比較回路232からはデジタル信号213として“0”が出力される。このデジタル信号213はスイッチ回路233を経て、排他的否定論理和回路241とラッチ回路235に入力される。シーケンサ回路244は、反転回路245の出力信号226を受けてから、所定の時間後に、トリガ信号229をラッチ回路235へ出力する。ラッチ回路235の出力端子Qは、初期出力は“0”であり、トリガ信号229が入力されたとき、このときの入力端子Dの信号に応じた信号を出力する。
したがって、第2段階に移行した直後は、比較回路232のデジタル信号213が“0”であり、ラッチ回路235の出力端子Qの出力が“0”であるため、排他的否定論理和回路241は“1”を出力する。このため、カウンタ回路239にはデジタル信号227として“1”が入力され、出力データ信号216の数値を減少させ、結果としてバイアス電流I124が減少する。バイアス電流I124の減少により、梯子型クロック信号発生回路201内のJTLにおけるSFQパルスの伝播時間が増加する。このため、梯子型クロック信号発生回路201から出力されるSFQパルス125のパルス間隔が増加し、評価出力210のデューティ比は大きくなる。デューティ比が50%を超えると、直流電圧信号212は参照電圧211を超え、比較回路232はデジタル信号213として“1”を出力する。この結果、排他的否定論理和回路241の入力が“1”と“0”とになり、ダウンカウンタ回路239にデジタル信号227として“0”が入力される。こうしてダウンカウンタ回路239は出力データ信号216の数値減少を停止し、バイアス電流I124を決定する。この動作の過程で、ラッチ回路235にトリガ信号229が入力されるが、トリガ信号229が出されるタイミングを、評価出力210のデューティ比が大きくなっていく過程のデューティ比が50%になる前とすればよい。そうすれば、入力端子Dが“0”であるため、ラッチ回路235の出力Qは“0”を維持するので、バイアス電流I124を決定する動作には何ら支障は無い。
一方、評価信号210のデューティ比が50%より大きい場合、直流電圧信号212の初期値が第1段階で確定した参照電圧211より大きいから、比較回路232からはデジタル信号213として“1”が出力される。この場合、ラッチ回路235は初期出力が“0”であるから、排他的否定論理和回路241はデジタル信号227として“0”を出力する。そのため、この場合は、ダウンタウンタ回路239は、その出力信号216の数値を減じる動作をスタートしない。しかし、トリガ信号229が出されるとラッチ回路235は入力Dが“1”であるので、出力Qは“1”となる。その結果、排他的否定論理和回路241はデジタル信号227として“1”を出力して、バイアス電流I124を減少させる。バイアス電流I124の減少により、梯子型クロック信号発生回路201から出力されるSFQパルス125のパルス間隔が増加し、評価出力210のデューティ比は小さくなる。評価出力210のデューティ比が50%になると、比較回路232からはデジタル信号213として“0”が出力されることになり、排他的論理和回路241はデジタル信号217として“0”を出力する。この段階で、バイアス電流214を減少させる動作が停止してバイアス電流I124を確定する。
このように、評価出力210にもとづき、可変バイアス電流源236へのフィードバック制御を行うことで、評価信号210のデューティ比を50%に保ち、SFQ内部クロック信号125の周期を自動的に均一にすることが可能となった。
なお、制御回路230の動作の比較回路232に入力する参照電圧211を設定する第1段階では、デューティ比50%の評価信号210を得るために、マスタクロック信号217が使用される。このとき、マスタクロック信号217は、SFQ生成回路208、分周回路206を経て、電圧レベル反転回路207に加えられてデューティ比50%の評価信号210を生成するものであるから、マスタクロック信号217自体は周期が変動しないものであれば、どんな信号であっても良い。したがって、システム中で得られる周期が変動しないものとして、マスタクロック信号123を使用するのが便である。図4および図6では、説明の便宜上、マスタクロック信号217として説明したが、これは、マスタクロック信号123と表現しても良い。
(分配回路)
図7は、図1に示したA/D変換器のうち、分配回路108のブロック構成を示す図である。分配回路108は、クロック信号逓倍回路106から出力されるSFQクロック信号125および変調回路107でオーバーサンプリングによって得られたSFQデータ信号126を入力とする1:Mバイナリツリ型分配回路301、および、分配回路301の出力するSFQクロック信号314とSFQデータ信号315を入力とするM個のNビットシフトダンプ型分配回路320で構成される。本例はM=4、N=4の場合を示す。実施例の動作の説明に必要な時、参照符号に付した下付き文字により各回路および信号を区別するものとする。
バイナリツリ型分配回路301は、最小構成要素である1:2分配回路302をツリー状に接続して構成される。図8は1:2分配回路302の等価回路を示す図である。回路はT−FF回路205と1:2スイッチ回路322からなる。1:2分配回路302へ入力されたSFQクロック信号125は、T−FF回路205により2つのSFQクロック信号312、312として交互に分配される。分配されたSFQクロック信号は、1:2スイッチ回路322の出力方向を制御する。1:2スイッチ回路322に入力されたSFQデータ信号126は、2つのSFQクロック信号312、312に対応して、2つのSFQデータ信号313、313として分配される。図8に示す1:2分配回路302の等価回路は、特許文献1の図7に具体的に開示されているものを利用できる。
1段目の1:2分配回路302で分配されたSFQクロック信号312とSFQデータ信号313およびSFQクロック信号312とSFQデータ信号313を、それぞれ、対にして2段目の1:2分配回路302へ直接入力することができる。2つの2段目の1:2分配回路302から、4チャネルに分配されたSFQクロック信号314およびSFQデータ信号315が出力される。
分配されたSFQデータ信号315,---,315は、同じく分配されたSFQクロック信号314,---,314とともに、それぞれ対とされて、シフトダンプ型分配回路320,---,320に入力される。
図9はシフトダンプ型分配回路320の等価回路を示す図である。回路は4個の1:2スイッチ回路322,322,322および322をカスケード接続して構成したシフトダンプレジスタ回路321と、T−FF回路205で構成したクロックコントローラ回路323からなる。SFQクロック信号314の入力に伴い、シフトダンプレジスタ回路321はJTLを介してSFQシフトクロック信号331を加えられる。この信号に従いシフトダンプレジスタ回路321は入力されたSFQデータ信号315を順次シフトさせながら記憶する。すなわち、最初に到来するSFQデータ信号315を1:2スイッチ回路322のループインダクタに記憶させ、その後到来するSFQシフトクロック信号331に応じて、1:2スイッチ回路322のループインダクタに記憶されているSFQデータ信号を1:2スイッチ回路322のループインダクタに記憶させるとともに、次に到来するSFQデータ信号315を1:2スイッチ回路322のループインダクタに記憶させる。これは、記憶すべきSFQデータ信号315が無い場合でも、同じである。このようにして、到来するSFQデータ信号315は、次々とシフトされながら、記憶される。一方、クロックコントローラ回路323はSFQクロック信号314を計数するから、シフト数(SFQクロック信号314の到来数)が3に達し、次のクロック信号314が入力されると、クロックコントローラ回路323から、SFQリリースクロック信号332が出力される。SFQリリースクロック信号332に同期して、1:2スイッチ回路322,322,322および322のループインダクタに記憶されていた4つ全てのSFQデータ信号が、分配されたSFQデータ信号352として同時に出力される。ここで、SFQリリースクロック信号332は、SFQシフトクロック信号331に先行してシフトダンプレジスタ回路321に加えられるように、JTLの段数が選ばれる。分配回路108全体は、4つのシフトダンプ型分配回路320で構成されているため、最終的には16個の出力チャネルにSFQデータ信号352が分配される。
このシフトダンプ型分配回路320の第1の特徴は、バイナリツリ型分配回路301と同様、高速動作に適していることである。入力側のバイナリツリ型分配回路301でSFQデータ信号の高速分配を行い、シフトダンプ型分配回路320へSFQデータ信号を伝送する段階では周波数が4分の1となる。このため、シフトダンプ型分配回路320は、より低い周波数、小さいビット数で動作させることができる。第2の特徴は、シフトダンプ型分配回路320からの出力タイミングが揃っているため、分配回路と後段回路との同期動作に必要なタイミング設計の余裕度(タイミング尤度)が向上することである。
図10は、分配されたSFQデータ信号の出力タイミングを示す図である。入力SFQデータ信号につけた各数字は、分配SFQデータ信号との対応を表す。入力SFQデータ信号126は、図2に示したものと同じものとしたが、データ信号が時系列に扱われることが分かりやすいように、図2では存在しない分配SFQデータ信号126も、破線で示した。また、分配SFQデータ信号のチャネル番号は、図7に示した分配出力のチャネル番号に対応する。バイナリツリ型分配回路301からの分配データ信号“315,---,315”の出力タイミングはチャネル毎に異なっている。しかし、後段のシフトダンプ型分配回路320により、4データ分を記憶しデータが揃ったところでこれらのSFQデータ信号を一度に出力する。よって、最終的な分配SFQデータ信号は4データずつ4クロック周期(13クロック目から16クロック目)で出力されている。つまり、すべての分配SFQデータ信号が出力されてから次の分配SFQデータ信号が出力され始めるまでの時間は、クロック信号12周期分に相当する。分配回路108とその後段回路で同期動作を実現するには、分配データが出力されていない期間に後段回路が分配データの読み込み処理を行う必要がある。この期間は、バイナリツリ型分配回路のみで構成した場合と比較すると12倍の時間間隔となり、タイミング尤度が12倍に向上したことになる。
一般的に、タイミング尤度TLTをM、Nで表すと、(3)式となる。
Figure 2005079663
ただし、入力SFQクロック信号125の周期をTCLKとする。
ここで、データ信号の高速分配を実現するための、チャネル数M、Nの条件を考える。まず、バイナリツリ型分配回路301から分配されるデータ信号のレートは、後段に接続するシフトダンプ型分配回路320の最大動作周波数よりも小さくする必要があるため、バイナリツリ型分配回路301の出力チャネル数Mは、入力クロック信号の周波数をfCLK、シフトダンプ型分配回路320の最大動作周波数をfSDMAXとすると、(4)式を満たす必要がある。
Figure 2005079663
一方、最終的な分配データ信号において確保すべき後段回路との最小タイミング尤度をTLTMINとすると、シフトダンプ型分配回路320の出力チャネル数Nは、(3)、(4)式から(5)式の関係式が得られる。
Figure 2005079663
(記憶回路と超電導増幅回路)
図11は、SFQフロントエンド回路101の構成要素である記憶回路109と超電導増幅回路102の等価回路を示す図、図12は各回路の動作タイムチャートを示す図である。
記憶回路109は分配回路108から分配されたSFQデータ信号127を一旦保持し、その後段回路である超電導増幅回路102の動作に同期させて電流データ信号128を出力する。記憶回路109は、2つのデータフリップフロップ回路401,401をカスケード接続したシフトレジスタで構成される。記憶回路109はSFQデータ信号127およびSFQトリガ信号124が入力される。SFQトリガ信号124は、直列接続されたJTLを介して入力され、後段のデータフリップフロップ回路401に先に加えられた後、前段のデータフリップフロップ回路401に、遅れて、加えられる。入力されたSFQデータ信号127は、前段のデータフリップフロップ回路401のループインダクタ403に記憶され、周回電流411が流れる。続いて加えられるSFQトリガ信号124によって、前段のデータフリップフロップ回路401のループインダクタ403に記憶されていたSFQデータ信号127は後段のデータフリップフロップ回路401のループインダクタ403に移して記憶され、周回電流411が流れる。このとき、新たに入力されたSFQデータ信号127があれば、これは前段のデータフリップフロップ回路401のループインダクタ403に記憶され、新たに、周回電流411が流れる。加えられるSFQトリガ信号124によって、後段のデータフリップフロップ回路401のループインダクタ403に周回電流411として記憶されていたSFQデータ信号127は消滅するが、前段のデータフリップフロップ回路401のループインダクタ403にSFQデータ信号127が新たに記憶されていれば、これが、新しいSFQデータ信号127として、後段のデータフリップフロップ回路401のループインダクタ403に記憶され周回電流411として流れる。SFQデータ信号127が後段のデータフリップフロップ回路401のループインダクタ403に記憶されている期間は、周回電流411が流れ続ける。
図12は、図2に示したSFQデータ信号127に着目して記憶回路109の各信号に関するタイムチャートを示す。ここで、交流バイアス電流122、マスタクロック信号123、SFQデータ信号127およびSFQトリガ信号124は図2と同じである。上述したように、最初のSFQデータ信号127により前段のフリップフロップ回路401のループインダクタ403に周回電流411が流れる。その後に現れるSFQトリガ信号124によって、後段のフリップフロップ回路401のループインダクタ403に、移され周回電流411が流れる。このとき、前段のフリップフロップ回路401のループインダクタ403の周回電流411は消滅される。次に現れるSFQデータ信号127によって、前段のフリップフロップ回路401のループインダクタ403の周回電流411が、再び流れる。これが、その後に現れるSFQトリガ信号124によって、後段のフリップフロップ回路401のループインダクタ403に、移され周回電流411が流れる。
ここで、図示は省略したが、図2を参照して分かるように、SFQデータ信号127とSFQデータ信号127とは、発生時点が異なる。この結果、各チャネルではSFQデータ信号127によって生起される周回電流411の発生時点が異なる。しかし、これらが、その後に現れるSFQトリガ信号124によって、後段のフリップフロップ回路401のループインダクタ403に、移され周回電流411が流れるときは、この期間は、マスタクロック信号123の1周期分となる。したがって、周回電流信号411は、SFQデータ信号127が記憶回路109に到着する時間に依存せず(チャネルに係らず)マスタクロック信号123の1周期分継続する信号となる。
記憶回路109の構成は、その後段回路との接続を考えると非常に都合がよい。すなわち、分配回路108からのSFQデータ信号127の出力タイミングに無関係に、SFQデータ信号127の現れる後のマスタクロック信号123にのみ同期して周回電流411が得られるから、後段回路はマスタクロック信号123にのみ同期させれば良いからである。さらに、数psの電圧パルスであるSFQデータ信号127が、周回電流411というマスタクロック信号123と同じクロック周期、つまり幅数100ps程度の電流レベル信号に変換されるため、半導体回路への信号の伝送も容易となる。
周回電流411が流れる状態が、図2に示す電流データ信号128が現れている状態であり、図1で示した記憶回路109から超電導増幅回路102への電流データ信号128の伝送が行なわれる状態である。この周回電流411を超電導増幅回路102が検出することにより、図2に示す電圧データ信号129を得ることができ、図1で示した超電導増幅回路102から半導体バックエンド回路104へ電圧データ信号129の伝送が行なわれる状態である。
周回電流411を超電導増幅回路102が検出することについて、図11に戻って説明する。超電導増幅回路102は周回電流411を検出する超電導量子干渉素子(SQUID)420と、このSQUID420の電圧信号を増幅するスタック型増幅回路423から構成される。
記憶回路109のループインダクタ403は、SQUID420の磁場検出コイル421と磁気結合している。図11では、この磁気結合を太い点線で繋いで示した。SQUID420は、記憶回路109の周回電流411の有無を電圧信号430の有無に変換する。このときの感度は、バイアス電流源12433がバイアスコイル422に流すバイアス電流I433により決められる。スタック型増幅回路423がSQUID420に接続されていて、SQUID420の電圧信号430を増幅し10数mVの電圧を電圧データ信号129として出力する。SQUID420およびスタック型増幅回路423には交流駆動型回路を用いた。すなわち、これらの駆動源を交流バイアス電流122とする。交流駆動型回路は高い電圧出力を得ることができるからである。
記憶回路109のループインダクタ403に周回電流411が流れていない場合、SQUID420の磁場検出コイル421には磁場が加わらない。SQUIDに供給される交流バイアス電流122の大きさに関わらず、SQUIDの出力電圧は0である。記憶回路109のループインダクタ403に周回電流411が流れている場合には、周回電流411により発生した磁場がSQUID420のコイル421に鎖交する。この状態で、SQUID420へ供給されている交流バイアス電流122がある閾値(図12ではSFQ生成回路105の閾値と区別するため、閾値2と表記)を越えたとき、SQUID420の出力は電圧状態となる。この電圧データ信号430は後段のスタック型増幅回路423へ伝送される。スタック型増幅回路430は入力に電圧がかかり、かつスタック型増幅回路に供給されている交流バイアス電流122が閾値2を越えたとき、電圧データ信号129を出力する。この電圧は供給されている交流バイアス電流122の大きさに依存し、交流バイアス電流122のピーク時に10数mVとなる。SQUID420からの電圧データ信号430をスタック型増幅回路423が受け取りすぐに電圧データ信号129を出力させるために、SQUID420が電圧を出力し始めるタイミングとスタック型増幅回路423が電圧出力し始めるタイミングは等しくされる。SQUID側のタイミング調節は、直流バイアス電流I433を調節することで実現できる。SQUID420およびスタック型増幅回路423へ供給される交流バイアス電流122が0となったとき、SQUID420とスタック型増幅回路423の出力は零電圧状態に戻る。よって、超電導増幅回路から、電圧が出力されている期間は、SQUID420とスタック型増幅回路423が電圧を出力し始めるタイミングから、交流バイアス電流122が0になるまでである。
(実施例2)
図13は、実施例2として、クロック信号逓倍回路106にリング発振回路250を用いた場合の回路構成を示すブロック図である。リング発振回路250は、たとえば特許文献2の図5に具体例が提案されている。リング発振回路250に供給されるバイアス電流I124は、図4で説明した2ビット梯子型クロック信号発生回路201と同様に、バイアス抵抗を介してリング発振回路250に示す全てのバイアス電流源の接続点に接続されるが、ここでは、図を簡単にするため、矢印でバイアス電流I124が導入されることの表記で済ませた。一つのSFQ信号をSFQ生成回路105で発生させ、リング発振回路250に入力すると、リング状に配置されたJTLをSFQ信号が巡回して、任意の点のSPから無限個のSFQパルス列が発生する。このパルス列をSFQ内部クロック信号125として用いる。図13の構成は、図4に示した構成と類似しているが、図13の構成では、リング発振回路250で生成したSFQ内部クロック信号125をマスタクロック信号123と同期させるために、図4で必要としたマスタクロック信号217は不要である。
リング発振回路250で生成したSFQ内部クロック信号125をマスタクロック信号123と同期させるためには、マスタクロック信号123の周期をTIN、逓倍率を2とすると、SFQ内部クロック信号125のパルス間隔をTIN/2に調節する必要がある。この間隔は、JTLに供給するバイアス電流I124で調節することができる。SFQパルス125のパルス間隔とマスタクロック信号123の周期を比較するために、N−1個のT−FF205で構成した2N−1分周回路206と電圧レベル反転回路207をリング発振回路250に接続した。電圧レベル反転回路207の出力、評価信号210は、リング発振回路250で2N−1個のSFQパルスが発生するごとに、一定の電圧状態と零電圧状態の間を遷移する。よって、この評価信号210の電圧波形の周期を計測することで、パルス時系列のパルス間隔とマスタクロック信号123の周期を比較することが可能となった。
SFQ内部クロック信号125とマスタクロック信号123と同期させるには、評価信号210の周期をマスタクロック信号123の周期に一致させる必要がある。これを実現するようにバイアス電流I124を自動的に調節する制御回路255の構成を、図13の下段部に示す。制御回路255は半導体回路で構成され、フェイズロックドループに基づいた制御を行う。制御回路255に入力された評価信号210は、位相比較回路256でマスタクロック信号123と位相比較される。比較結果は、ループフィルタ回路257を通過し、信号増幅回路259とバイアス抵抗206で構成された可変バイアス電流源258に入力される。
実施例2では、フェイズロックドループの構成に必要な電圧制御発振回路を可変バイアス電流源258とリング発振回路250で構成することになる。評価信号210がマスタクロック信号123と同期していない場合、位相検出回路256がこれを検出し、可変バイアス変電流源258を制御する。このため、バイアス電流I124が変化しリング発振回路250の周波数を調節する。結果として、評価信号210とマスタクロック信号123の位相が一致するところで、バイアス電流値I124は収束する。このようにして、マスタクロック信号123に同期したSFQ内部クロック信号125を生成することができる。
実施例2は、SFQ内部クロック信号125を生成するクロック信号逓倍回路106が実施例1と異なるのみで、他の構成は実施例1と同じであり、図1の構成と同様に、A/D変換器を構成することができる。
(実施例3)
実施例1の図11で説明した、交流駆動型回路による記憶回路109および超電導増幅回路102は出力電圧を高くできる半面、回路に供給する交流バイアス電流が、クロストークによりSFQ回路の動作に悪影響を与えるという問題点があった。図14は、交流バイアス電流による交流駆動型回路のクロストークの問題を解決するように工夫された記憶回路109および超電導増幅回路102の構成を示す等価回路図である。図15は図14に示す回路の主要部のレイアウト一例を示す図である。また、図16は、図15の構成素子を説明する図である。
図14に示す回路を、図11と対照して分かるように、実施例3の記憶回路109および超電導増幅回路102は、図11に示した記憶回路109および超電導増幅回路102、および、記憶回路109および超電導増幅回路102を対にしてほぼ対象に配置したものである。また、超電導増幅回路102および102は、SQUID420およびスタック型増幅回路423、および、SQUID420およびスタック型増幅回路423を対にして構成した。それぞれの対のSQUID420およびスタック型増幅回路423に対し、図中に極性の表示を付して示したように、極性が反対の交流バイアス電流122および122を供給する。相互に極性が反対の交流バイアス電流122および122を供給するラインをお互いに接近させてレイアウトすることにより、クロストークの原因である交流成分をキャンセルすることができる。
図15に示すレイアウトの一例では、スタック型増幅回路423および423下段部に線対称に配置するとともに、2つの交流電流バイアス122、122が流れる2本のラインを対称かつお互いに接近させて配置した。これにより、クロストークの影響を低減する。
超電導増幅回路102において、SQUID420へは負の極性を持つ交流バイアス電流122が供給される。ここでバイアス電流に対するSQUID420の磁場検出特性は、原点対称であるため、極性が正の場合と実質的に同一の特性を持つ。SQUID420の電圧データ信号430の極性も同様に負になるが、極性が負の交流バイアス電流122で駆動されるスタック型増幅回路423との整合には問題ない。また、負の交流バイアス電流122で駆動されるスタック型増幅回路423からの電圧データ信号129の極性は負である。よって、同一の2つの超電導増幅回路102に正と負の交流バイアス電流122を供給した場合、この2つの超電導増幅回路102の動作は、実質的に、同じで出力電圧の極性のみが異なる。
超電導増幅回路102から半導体回路104に電圧データ信号129を伝送する場合、超電導増幅回路102の出力電圧は大きいことが望ましい。そこで、正と負の両交流バイアス電流を供給された2つの超電導増幅回路102から出力される電圧の極性が反対であることを利用して、出力電圧を2倍にすることができる。これを図14の回路を用いて説明する。2つの記憶回路109と109には、分岐回路(SP)203を通じて、同じSFQデータ信号127、127が入力される。このため、記憶回路109に接続された超電導増幅回路102および記憶回路109に接続された超電導増幅回路102からは、同じ電圧データ信号129と129が出力される。すなわち、超電導増幅回路102と102は、互いに異なる極性の交流バイアス電流122および122が供給されているため、出力電圧129と129の極性のみが反対となる。したがって、この二つの電圧の差をとって出力電圧とすれば、実効的な出力電圧は、1つの超電導増幅回路で得られる場合の2倍となる。
図15に示すレイアウトから容易に分かるように、対とされた回路を左右に線対称に配置することはできても、SFQクロック信号124を対称位置に導入することはできない。このことを考慮して、対とされた回路の動作のタイミングができるだけ一致するように、SFQパルスの遅延を考慮することになる。そのため、図14では、SFQクロックパルス124はSPで分岐されてSFQクロックパルス124、124として、記憶回路109と109に導入されるが、SFQクロック信号124の方がJTLを多段に設けられて入力される。また、これに対応するように、SFQデータ信号127も記憶回路109と109に導入されるに際して、SFQデータ信号127の方がJTLを多段に設けられて入力される。
なお、回路レイアウトを示す図15と等価回路を示す図14の対応の詳細は説明を省略するが、図15に示したレイアウト図の構成要素とこれに対応する等価回路を図16の(A)および(B)に示した。ここで、600はジョセフソン接合、601は下部電極、602は上部電極、603は接地、604は上部電極と下部電極間のコンタクト、605は抵抗である。この対応を基礎に図14と図15を対比すれば、両者の対応は容易に理解できる。
(実施例4)
図17は、図1に示したA/D変換器における超電導フロントエンド回路103と半導体バックエンド回路104の接続、および、半導体バックエンド回路104の構成を示すブロック図である。実施例4では、超電導フロントエンド回路103から出力される電圧データ信号129のチャネル数は8とした。図1に示した電圧データ信号129は、電圧データ信号12911,12912、12981,12982で例示したように、1チャネル当たりの2本の電圧データ信号で構成された差動信号である。よって、超電導フロントエンド回路103から半導体バックエンド回路104への電圧データ信号の伝送には、1チャネルあたり2本、8チャネルで16本の伝送線を用いた。
半導体バックエンド回路104に伝送された電圧データ信号129は、差動入力のセンスアンプ回路502で増幅され、分配回路504でさらに周波数を下げられた後、信号処理回路508へ入力される。信号処理回路508において、電圧データ信号129は処理回路508内部のデシメーションフィルタ(図示せず)およびデジタルローパスフィルタ(図示せず)を経て、高精度ビットのデジタルデータ信号130に変換される。
図18は、半導体バックエンド回路104内での電圧データ信号の流れについて説明する図である。電圧データ信号129は、2チャネル分、すなわち電圧データ信号129および129のそれぞれについて、差動電圧データの信号波形12911,12912および12921,12922を示した。ここでは、図2で説明したSFQデータ信号126と異なり、差動電圧データ信号12911,12912は、図2で説明したSFQトリガ信号124の1−8に対応するSFQデータ信号126が得られているものとして、これを、D11−D18で示した。また、差動電圧データ信号12921,12922は、図2で説明したSFQトリガ信号124の8および2に対応するSFQデータ信号126が得られているものとして、これを、D28およびD22で示した。
半導体バックエンド回路104に入力された差動電圧データ信号129は、まずセンスアンプ回路502にて数Vまで増幅される。各チャネル間の出力タイミングを揃え、マスタクロック信号123と同期させるために、増幅された信号はラッチ回路503に記憶される。ラッチ回路503には、クロック信号510をトリガ信号として入力する。クロック信号510は、超電導回路を駆動しているマスタクロック信号123をバッファゲートで構成したクロック波形整形回路505を通すことで生成される。ラッチ回路503からのデータ信号511はクロック信号510のタイミングで出力されるため、電圧データ信号129に対して1マスタクロック分遅れる。図18における差動電圧データ信号129からデータ信号511に向けて付された矢印は、これを意味する。
データ信号511は、半導体で構成された分配回路504によりさらに8分配される。このため、全チャネルでは分配チャネル数は64となる。分配回路504へのクロック信号は、ラッチ回路503で用いたクロック信号510と同じ信号である。この分配動作により、データ信号の周波数をさらに数GHzから数100MHzまで下げる。クロック信号510によって分配されたデータ信号は、クロック信号510の到来に応じて、順次各チャネルの出力が得られるので、チャネル間で出力タイミングのばらつきがある。そこで、このタイミングをそろえるために、分配された信号を、再び、ラッチ回路507に入力する。ラッチ回路507から出力するための、ラッチ回路507へのトリガ信号は、クロック信号510を分周回路506で8分周したクロック信号513である。データ信号が8チャネル全てのラッチ回路に記憶された後、クロック信号513の立ち上がりに応じて、ラッチ回路50711〜50788は同時にデータ信号51211から51288を出力し、信号処理回路508へ伝達する。このため、データ信号512はデータ信号511に対して、最大、8クロック遅れる。図18におけるデータ信号511からデータ信号512に向けて付された矢印は、この遅れを意味する。すなわち、データ信号511は電圧データ信号D11,---,D18に分離されて、51212,---,51218となる。また、データ信号511は電圧データ信号D28,D18は51222,51228となる。
信号処理回路508で演算処理されたデータ信号はデジタルデータ信号130として出力される。信号処理回路508を動作させるクロック信号は、ラッチ回路50711〜50788の出力に対応して動作させるために、クロック信号513を導入し、これを基礎として生成することとすれば良い。
実施例1におけるA/D変換器の全体構成を示す図。 A/D変換器の各回路における信号のタイムチャートを示す図。 (A)は、ジョセフソン伝送路JTLを示す等価回路図、(B)は、バイアス電流源12が抵抗14とバイアス電圧源15の直列回路と等価であることを示す図、(C)は分岐回路SPを示す等価回路図、(D)は合流回路CBを示す等価回路図。 図1で示したA/D変換器のSFQ信号生成回路105およびSFQクロック信号逓倍回路106の等価回路の構成を示す図。 図4の回路内の主要な信号のタイムチャートを示す図。 SFQ内部クロック信号125のデューティ比が50%となるように、バイアス電流I124を自動的に調節する制御回路のブロック構成を示す図。 図1に示したA/D変換器の分配回路108のブロック構成を示す図。 図1に示したA/D変換器の1:2分配回路302の等価回路を示す図。 図1に示したA/D変換器のシフトダンプ型分配回路320の等価回路を示す図。 図1に示したA/D変換器の分配されたSFQデータ信号の出力タイミングを示す図。 図1に示したA/D変換器のSFQフロントエンド回路101の構成要素である記憶回路109と超電導増幅回路102の等価回路を示す図。 図11の各回路の動作タイムチャートを示す図。 実施例2として、クロック信号逓倍回路106にリング発振回路250を用いた場合の回路構成を示すブロック図。 実施例3として、交流バイアス電流による交流駆動型回路のクロストークの問題を解決するように工夫された記憶回路109および超電導増幅回路102の構成を示す等価回路図。 図14に示す回路の主要部のレイアウト一例を示す図。 図15の構成素子を説明する図。 実施例4として、図14の極性のみが反対の二つの出力電圧129と129を利用したA/D変換器における超電導フロントエンド回路103と半導体バックエンド回路104の接続および半導体バックエンド回路104の構成を示すブロック図。 図17の各回路の動作タイムチャートを示す図。
符号の説明
101…SFQフロントエンド回路、102…超電導増幅回路、103…超電導フロントエンド回路、104…半導体バックエンド回路、105…SFQ生成回路、106…クロック信号逓倍回路、107…変調回路、108…分配回路、109…記憶回路、110…交流電源、111…可飽和回路、112…直流電圧源、120…アナログ信号、122…交流バイアス電流、123…マスタクロック信号、124…SFQトリガ信号、125…SFQ内部クロック信号、126…SFQデータ信号、127…SFQデータ信号、128…電流データ信号、129…電圧データ信号、130…デジタルデータ信号、201…梯子型クロック信号発生回路、203…分岐回路、204…合流回路、205…トグル型フリップフロップ、206…分周回路、207…電圧レベル反転回路、208…SFQ生成回路、210…評価信号、211…参照電圧、212…直流電圧信号、213…デジタル信号、I124…バイアス電流、215…アップカウンタ出力データ信号、216…ダウンカウンタ出力データ信号、227…ダウンカウンタ入力デジタル信号、228…制御信号、229…制御信号、230…バイアス電流制御回路、231…ローパスフィルタ回路、232…比較回路、233…スイッチ回路、234…可変電圧源、235…ラッチ回路、236…可変バイアス電流源、237…アップカウンタ回路、238…デジタル/アナログ変換回路、239…ダウンカウンタ回路、240…バイアス抵抗、241…排他的否定論理和回路、242…スイッチ回路、243…スイッチ回路、244…シーケンサ回路、245…反転回路、246…起動信号、250…リング発振回路、255…制御回路、256…位相比較回路、257…ループフィルタ回路、258…可変バイアス電流源、259…電圧増幅器、260…バイアス抵抗、301…バイナリツリ型分配回路、302…1:2分配回路、312…SFQクロック信号、313…SFQデータ信号、314…SFQクロック信号、315…SFQデータ信号、320…シフトダンプ型分配回路、321…シフトダンプレジスタ、322…1:2スイッチ回路、331…SFQシフトクロック信号、332…SFQリリースクロック信号、352…SFQデータ信号、401…データフリップフロップ回路、403…ループインダクタ、411…周回電流、420…SQUID、421…磁場検出コイル、422…バイアスコイル、423…スタック型増幅回路、430…電圧データ信号、I433…直流バイアス電流、502…センスアンプ、503,507…ラッチ回路、504…分配回路、505…クロック波形整形回路、506…分周回路、508…信号処理回路、510,513…クロック信号、511…データ信号、512…データ信号、600…ジョセフソン接合、601…下部電極、602…上部電極、603…接地、604…上部電極下部電極間コンタクト、605…抵抗。

Claims (11)

  1. 単一磁束量子アナログデジタル変換器フロントエンド回路、超電導増幅回路、および半導体回路を接続した集積回路と該集積回路を駆動する交流電源で構成する回路であって、
    前記単一磁束量子アナログデジタル変換器フロントエンド回路は、入力信号であるアナログ信号をオーバーサンプリングし、サンプリングデータをデジタル電流信号として出力する回路であり、該回路でのサンプリングおよびデジタル電流信号の出力が前記交流電源からの交流信号に同期するように前記交流電源に接続された単一磁束量子生成回路を具備し、かつ前記交流信号より高い周波数でサンプリングするようにクロック信号逓倍回路を具備し、
    前記超電導増幅回路は、前記単一磁束量子アナログデジタル変換器フロントエンド回路からの信号を前記交流電源からの交流信号により増幅するように前記交流電源と前記単一磁束量子アナログデジタル変換器フロントエンド回路に接続され、
    前記半導体回路は、前記交流電源からの交流信号に同期し前記超電導増幅回路からの信号をデジタル信号処理しデジタル信号を出力するように、前記超電導増幅回路と前記交流電源に接続され、
    たことを特徴とする超電導半導体集積回路。
  2. 前記単一磁束量子アナログデジタル変換器フロントエンド回路は、
    前記クロック信号逓倍回路から出力される単一磁束量子クロック信号によりアナログ入力信号を単一磁束量子データ信号に変換する変調回路と、
    該変調回路から出力される単一磁束量子データ信号を単一磁束量子クロック信号により複数のチャネルに分配する分配回路と、
    該分配回路から出力される単一磁束量子データ信号を入力信号とし、さらに前記単一磁束量子生成回路から出力される第2の単一磁束量子データ信号をトリガ信号とする記憶回路と、
    で構成され、前記記憶回路からのデータ電流信号を出力する請求項1記載の超電導半導体集積回路。
  3. 前記クロック信号逓倍回路は、一つの単一磁束量子信号に応じて有限個の単一磁束量子信号を発生する単一磁束量子クロック信号発生回路を備えるとともに、
    単一磁束量子クロック信号発生回路の生成する単一磁束量子クロック信号を分周する分周回路と、
    該分周回路により分周された単一磁束量子クロック信号を入力とする電圧レベル反転回路と、
    該電圧レベル反転回路の出力信号のデューティ比が50%になるために、前記単一磁束量子クロック信号発生回路の生成する単一磁束量子の周期を変更する制御手段を備える請求項2記載の超電導半導体集積回路。
  4. 前記クロック信号逓倍回路は、一つの単一磁束量子信号に応じて無限個の単一磁束量子信号を発生する単一磁束量子クロック信号発生回路を備えるとともに、
    単一磁束量子クロック信号発生回路の生成する単一磁束量子クロック信号を分周する分周回路と、
    該分周回路により分周された単一磁束量子クロック信号を入力とする電圧レベル反転回路と、
    該電圧レベル反転回路の位相と、前記交流電源からの交流信号の位相との差が0になるように、前記単一磁束量子クロック信号発生回路の生成する単一磁束量子の周期を変更する制御手段を備える請求項2記載の超電導半導体集積回路。
  5. 前記クロック信号逓倍回路において、前記単一磁束量子パルス列発生回路は、前記単一磁束量子生成回路から出力される単一磁束量子データ信号をトリガ信号としNを自然数としたとき2個の単一磁束量子クロック信号を一定の間隔で発生させる梯子型単一磁束量子クロック信号発生回路であり、前記分周回路は、N−1個のカスケード接続されたトグル型フリップフロップ回路で構成され、単一磁束量子クロック信号が2N−1個発生する毎に前記電圧レベル反転回路の出力が電圧状態と零電圧状態の間を遷移することで、単一磁束量子クロック信号の発生間隔を制御できる構造を有する請求項3記載の超電導半導体集積回路。
  6. 前記分配回路は、Mを2のべき数としたとき前記変調回路からの単一磁束量子データ信号を単一磁束量子クロック信号と共にM個の出力チャネルに分配するバイナリツリ型分配回路と、Nを自然数としたとき単一磁束量子データ信号をN個の出力チャネルに分配するシフトダンプ型分配回路からなり、前記バイナリツリ型分配回路の分配された各々の磁束量子データ信号と単一磁束量子クロック信号を、M個のシフトダンプ型分配回路へ入力接続する構成により、M×N個の出力チャネルへ分配する請求項2記載の超電導半導体集積回路。
  7. 前記分配回路において、単一磁束量子データ信号を高速に分配しかつ分配された単一磁束量子データ信号のタイミング尤度を保つために、前記バイナリツリ型分配回路の出力チャネル数M、シフトダンプ型分配回路の出力チャネル数Nが、入力クロック信号の周波数をfCLK、シフトダンプ型分配回路の最大動作周波数をfSDMAX、後段回路との最小タイミング尤度をTLTMINとした時、(1)式、(2)式で示される値で制限される請求項6記載の超電導半導体集積回路。
    Figure 2005079663
    Figure 2005079663
  8. 前記記憶回路は、前記トリガ信号の少なくとも1周期の間、入力信号である単一磁束量子データ信号を記憶するように、第1のデータフリップフロップ回路の入力端子を前記分配回路の出力端子と接続し、第1の前記データフリップフロップ回路の出力端子を第2のデータフリップフロップ回路の入力端子に接続し、第1、第2のデータフリップフロップ回路のトリガ入力端子に、前記単一磁束量子生成回路からのトリガ信号としての単一磁束量子データ信号を入力し、第2のデータフリップフロップ回路のループインダクタの電流の有無を単一磁束量子データ信号に対応する出力信号として出力する請求項2記載の超電導半導体集積回路。
  9. 前記記憶回路の前記ループインダクタの電流を増幅する前記超電導増幅回路は、前記記憶回路の前記ループインダクタと磁気的に結合した超電導量子干渉素子と、該超電導量子干渉素子から出力される電圧信号を増幅するスタック型増幅回路で構成され、該スタック型増幅回路と前記超電導干渉素子は、前記交流電源の交流信号によりバイアスされている請求項2記載の超電導半導体集積回路。
  10. 前記超電導増幅回路は、
    第1の超電導量子干渉素子と、該超電導量子干渉素子から出力される電圧信号を増幅する第1の前記スタック型増幅回路と、第2の超電導量子干渉素子と、該超電導量子干渉素子から出力される電圧信号を増幅する第2の前記スタック型増幅回路で構成され、
    前記第1の超電導量子干渉素子と、該超電導量子干渉素子から出力される電圧信号を増幅する第1の前記スタック型増幅回路と、前記第2の前記超電導量子干渉素子と前記第2のスタック型増幅器は、相互に逆位相の前記交流電源の交流電流によりバイアスされている請求項9記載の超電導半導体集積回路。
  11. 前記第1の前記記憶回路の入力端子と第2の前記記憶回路の入力端子と接続し第1、第2の記憶回路が前記分配回路からの同じ単一磁束量子データ信号を入力されるようにした上で、第1の記憶回路の前記ループインダクタと第1の前記超電導量子干渉素子を、また第2の前記記憶回路の前記ループインダクタンスと第2の前記超電導量子干渉素子を夫々、磁気的に結合した上で、第1の超電導量子干渉素子から出力される電圧信号を増幅する第1の前記スタック型増幅回路と、第2の超電導量子干渉素子から出力される電圧信号を増幅する第2の前記スタック型増幅回路で構成し、前記第1の超電導量子干渉素子と前記第1のスタック型増幅器と前記第2の前記超電導量子干渉素子と前記第2のスタック型増幅器は、相互に前記交流電源と逆位相の交流電源によりバイアスされている請求項10の超電導半導体集積回路。
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