JP2005067730A - 易開封型内容物入り複室容器の製造方法 - Google Patents

易開封型内容物入り複室容器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 容易に開封可能なシールにより仕切られ、充填物が封入された一つまたは複数の室を有する容器において、使用前は、容易には開封せずに密封性維持し、使用時は簡単な操作で容易に開封できる内容物入りの複室容器を容易に製造できる製造方法を提供する。
【解決手段】 凹部2を有するシート形成物A4を形成する工程、凹部2に内容物を充填する工程、シート形成物A4の凹部2側をシート形成物B5で覆う工程の順に行い、次に、二つのシート形成物4、5を、凹部2近傍において、容易に開封可能な凹部密封手段の一例である凹部シール6によりシールする工程、または、二つのシート形成物4、5を、前記凹部シール6の外側において、前記凹部シール6により密封された一つまたは複数の室を包括して取り囲む容易には開封できない難開封性密封手段の一例である周縁シール7によりシールする工程からなる易開封型内容物入り複室容器1の製造方法を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、予め混合しておくと経時的に変質してしまう薬液、溶解液、食品等の成分を、使用時まで隔離して保管しておき、使用時に容易に混合できる容器の製造方法に関する。
また、本発明は、予め混合しておくと経時的に変質してしまう薬液、溶解液、食品等の成分を、使用時まで隔離して保管しておき、使用時に容易に他の薬液、溶解液、食品等が充填された容器に注入して混合するための容器の製造方法に関する。
背景の技術
医療、化粧品、食品等の分野においては、予め混合しておくと経時的に変質してしまう薬液、溶解液、食品等の成分を、使用時まで複数の室に、隔離、密封して収容し、使用時に混合するシステムが多用されている。
近年、このようなシステ厶の一つとして、混合する成分を剥離可能なシールにより仕切られた複数の室を有する袋状容器のそれぞれの室に隔離、封入し、使用時に該剥離可能なシールを剥離して各室間を連通し、隔離封入された成分を混合するように構成した容器が提案されている。
このようなシステムによれば、予め混合しておくと経時的に変質してしまう成分を変質しない状態で利用でき、さらに、内容物を外気に晒すことなく混合することができるので、内容物の変質、異物または細菌の混入を防止でき、人命にかかわる医療においては、特に、重用されている。
例えば、高カロリー輸液においては、主にアミノ酸を溶解した溶液と主に糖および電解質を溶解した溶液を、容易に開封可能なシールにより隔てられた2つの室にそれぞれ封入し、使用時に、容易に開封可能なシールを剥離して開封し、両者を混合し、点滴するシステムが採用されている。
しかし、体に必要な成分の中には、糖、電解質、アミノ酸、脂肪乳剤の溶液のように容量の多い成分ばかりでなく、ビタミン類や微量金属類のように極少量であっても毎日必要とするものもある。これらの成分の中にも、混合して保管すると相互に作用しあって変質する恐れのある成分があり、相互に作用しあわない成分同士は混合するとしても、相互に作用し合う成分は隔離して保管することが好ましいことは言うまでもない。
従来より、高カロリー輸液療法を受けている患者には、ビタミン類や微量金属類も定期的に投与する必要があることが知られている。
このような成分の投与方法として、複数本のバイアル瓶またはプレフィールドシリンジに調整されたものを投与するか、隔離して封入された糖および電解質の溶液またはアミノ酸の溶液の中に予め分類して混合しておいたものを投与するか、糖および電解質の溶液またはアミノ酸の溶液の中に混合しきれない成分だけ別の硬質容器に封入し、これを袋状容器に一体化して設け、使用時に、前記硬質容器の一部を破壊して袋状容器と連通し、混合してから投与する等の方法がある。
ところが、別の容器に封入された何種類もの薬剤を使用時に袋状容器内に注入する方法では、薬液の取り違い、注入作業のミス、注入時の細菌汚染等が発生する危険があり、これを払拭するために煩雑な作業および煩雑な管理が必要にならざるを得ないという欠点を有している。
また、糖および電解質溶液またはアミノ酸の溶液の中に予め相互に反応しない成分を分類して混合する方法では、糖および電解質溶液またはアミノ酸の溶液の中に含まれる多数の成分との想定される全ての環境の元での相互作用がないことを長期に渡って確認する必要があり、そのために、多大な労力と時間が必要になるという欠点が有している。
また、隔離された多数の収容室を有する複室容器に多数の成分をそれぞれ隔離して収容した複室容器が提案されている(例えば、特開2002−160771、特開2002−191674参照)。
これらの提案は、小さい室の開封性と密封性とを両立することが困難なので、これを解決しようとするものである。
ところが、これらの提案の何れもが、小さい室の周囲の多くを剥離しないシールで囲む構造であることが共通しており、そのために、何れの提案も、開封性と密封性とを完全に両立するに至っていない。
さらに、これらの提案は、複室容器自体の製造は容易であるものの、複室容器を作ってから内容物を充填するので、小さい室が内容物を充填しにくいというもう一つの欠点も解決していない。
すなわち、シートの充填口を除く周囲をシールして形成した容器は、一般に、容量が大きければ膨らみやすく、容量が小さければ膨らみ難い傾向にあり、また、シートを形成する樹脂が柔らかければ膨らみやすく、固ければ膨らみにくい傾向にあるので、小さな室にするのが排出性および容器のコンパクト性から好ましいビタミン類または微量金属類を封入するための室は、一般に輸液用のバッグに使用されるシートの柔らかさでは、膨らみ難く、ひいては充填および充填後のシールに煩雑な操作を必要とするものであった。
さらに、一部のビタミン類のようなオートクレーブ滅菌やレトルト処理を行うと分解してしまう耐熱性のない成分を含む内容物を充填する場合、無菌充填が好ましいものの、これらの提案のものでは充填方法が難しいので工程が煩雑になり、無菌環境を整えることが困難であった。それでも、実現しようとすれば、多大な費用と労力を必要とするものであった。
特開2002−160771号公報(第2−4項、第1図) 特開2002−191674号公報(第2−3項、第1図)
そこで、本発明は、上記従来の問題点を解決しようとするものである。
すなわち、容易に開封可能なシールにより仕切られ、充填物が封入された一つまたは複数の室を有する混合用または混注用の容器において、使用前は、容易には開封せずに密封性維持し、使用時は簡単な操作で容易に開封できる内容物入りの複室容器の製造方法を提供することにある。
また、上記小さい室に内容物を容易に充填し密封できる容器の製造方法を提供することにある。
さらには、耐熱性がなくオートクレーブ滅菌ができない成分を含む内容物を充填する場合に、無菌充填が容易な容器の製造方法を提供することにある。
前記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、内容物が充填される一つまたは複数の凹部とその周囲に形成された平面とを有するシート形成物Aと、この形成物の凹部側を覆うように配されたもう一つのシート形成物Bと、凹部に充填された内容物とからなり、
それぞれの凹部近傍において、シート形成物Aとシート形成物Bを接着することによって、凹部空間を密封して一つまたは複数の室を形成する容易に開封可能な易開封性密封手段からなる凹部密封手段と、
凹部密封手段の外側において、シート形成物Aとシート形成物Bを接着することによって、前記凹部密封手段により密封された一つまたは複数の室を包括して取り囲みもう一つの室を形成する容易には開封できない難開封性密封手段または難開封性密封手段と易開封性密封手段からなる周縁密封手段とを有し、
シート形成物Aまたはシート形成物Bのいずれか一方または両方が柔軟性を有する複室容器において、
一つまたは複数の凹部を有するシート形成物Aを形成するI工程と、
凹部に内容物を充填するJ工程と、
シート形成物Aの凹部側をシート形成物Bで覆うK工程と、
それぞれの凹部近傍において、シート形成物Aとシート形成物Bを、容易に開封可能な易開封性密封手段からなる凹部密封手段で接着することによって、凹部空間を密封して一つまたは複数の室を形成するL工程と、
前記凹部密封手段の外側において、シート形成物Aとシート形成物Bを、容易には開封できない難開封性密封手段または難開封性密封手段と易開封性密封手段からなる周縁密封手段で接着することによって、前記凹部密封手段により密封された一つまたは複数の室を包括して取り囲むもう一つの室を形成するM工程とからなり、
少なくとも、I工程、J工程、K工程の順に行い、次いで、L工程またはM工程を行うことを特徴とする。
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、シート形成物Aを形成後、シート形成物Aに形成した一つまたは複数の凹部に、そのまま、内容物を充填することができ、充填後、前記一つまたは複数の凹部を覆って配したシート形成物Bの上から、例えば、イージーピールオープンのシール条件でシール型を凹部の周囲に押しつけるだけで、容易に開封可能な凹部密封手段で密封することが可能であり、充填時の煩雑な開口作業も必要なく、充填後も、密封時の内容液の溢れ出しを防止するための煩雑な作業も必要がなくなる。
さらに、シート形成物Bの上から、例えば、通常のシール条件でシール型をシート形成物Aとシート形成物Bの周縁に押しつけるだけで、容易には開封できない周縁密封手段で密封することが可能であり、複数の凹部を包括して取り囲む一つの容器を形成することができる。
なお、シート形成物Bのシート形成物Aの凹部に対面する場所に、凹凸を設けて、充填時、滅菌時、保管時等における凹部空間の内圧変化を吸収するようにしても良い。
ここで、凹部空間とは、シート形成物Aの凹部とシート形成物Bとがそれぞれの凹部において形成する空間をいう。
また、ここでいう凹部近傍とは、当該凹部の外側のみならず、当該凹部の周壁(内周面)の一部、例えば、内容物で満たされていない凹部の入り口付近の周壁をも含むことを意味している。
また、ここでいう易開封性密封手段とは、通常は密封されているが、使用者が開封する意志をもって開封する時、容易に開封できる密封手段であって、例えば、イージーピールオープン性を有するシール、または、シール際が薄肉に形成された破断し易いシール等が採用される。
なお、易開封性密封手段の一部に、開封時にピールオープンも破断もしないで接合したままの部分があったとしても、開封時に、密封された内容物が密封された空間から外部に移し替え可能に密封状態が破壊されるのであれば、ここでいう易開封性密封手段にあたる。
例えば、開封操作時に親容器から、凹部に内容物を溶解または希釈するに足る十分な液が容易に流入し、かつ、内容物を流入した液と共に容易に排出できるかぎり、または、ピールオープンも破断もしないで接合したままの部分が易開封性密封手段の全周の半分以下の場合、ここでいう易開封性密封手段あたる。
また、ここでいう難開封性密封手段とは、開封することを目的としない密封手段であり、通常のシール、例えば、通常の熱溶着がこれに当たる。
また、ここでいう連通可能な連結手段とは、機械的強度の繋がりだけでなく、容器内の流路等も繋がり、容器内の流体が容器間を移動できる状態を意味する。
また、ここでいう周縁密封手段とは、必ずしも、容器の周縁を全周に渡って密封している必要はなく、周縁の一部に他の機能を有する別の構成が設けられている場合には、その構成を除く周縁を密封する場合もこれに含まれる。
また、周縁密封手段は、必ずしも、難開封性密封手段のみで構成されるものではなく、例えば、周縁密封手段の一部を、将来、剥離開封するような場合には、その部分を易開封性密封手段で構成し、残りの部分を難開封性密封手段で構成することになる。
また、ここでいう周縁密封手段上に設けられとは、周縁密封手段の一部に他の機能を有する別の構成が設けられている状態をいう。すなわち、他の機能を有する別の構成が設けられていない場合は周縁密封手段であるべきところに、他の機能を周縁密封手段の一部と置き換えて設けることを意味するものである。
また、ここでいう凹部密封手段の外側とは、必ずしも、凹部密封手段から離れた外側を意味するものではなく、周縁密封手段の一部が凹部密封手段の一部と接したり重なったりしていても、全体として、凹部密封手段の外側にあればこれに含まれる。
なお、ここでは、シート形成物Aとシート形成物Bが別部材のように記載しているが、シート形成物Aとシート形成物Bが同一のシートの一部であっても良い。例えば、一枚のシートの右半分に凹部を設けてこれをシート形成物Aとし、残りの半分をシート形成物Bとして中央から折り畳むことによって、シート形成物Aの凹部側を覆えば、本発明の製造方法になることは明らかである。
この場合、折り目の部分を別の方法でシールしないとすれば、折り目自体が、ここでいう周縁密封手段となる。
また、ここでいう接着するとは、二つのシート形成物を、単に、くっついている状態にすることを意味し、そのくっつきの程度または強度について意味を持たないものとした。
そして、くっつきの程度または強度につては、後文で説明するようにした。
なお、シート形成物Aまたはシート形成物Bは、単層または多層の樹脂層から成り、ここで使用される樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル共重合体、アイオノマー、環状ポリオレフィン樹脂、各種の熱可塑性エラストマー等の樹脂およびこれらの樹脂の混合物から選ばれるが、特に、ポリオレフィン系樹脂または環状ポリオレフィン系樹脂が好ましい。ポリオレフィン系樹脂としては、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル共重合体、アイオノマー樹脂、ポリプロピレン樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマーおよびこれらの樹脂の混合物等が上げられる。また、環状ポリオレフィン系樹脂としては、COP樹脂、COC樹脂およびこれらの樹脂の混合物等が上げられる。
なお、これらの樹脂は、少なくとも、内容物の薬剤に、溶出物、薬剤成分の吸着、吸収等による影響等を与えない形態で使用される。特に、環状ポリオレフィン系樹脂は、各種の薬剤に対して、薬剤成分の吸着、吸収等による影響等を与えないので、薬液と接触する容器の内壁の素材として使用することが好ましい。
また、シート形成物Aとシート形成物Bの対面する双方の面に選定される樹脂としては、容易に開封可能なシールと、容易には開封できないシールの両方が可能な樹脂またはその組み合わせを選定するのが好ましい。
また、シート形成物Aは、射出成形、インフレーション成形、押し出し成形、ブロー成形、カレンダー成形、真空成形、圧空成形、ブロー成形等の成形方法、または、それらの組み合わせにより形成され、シート形成物Bは、射出成形、インフレーション成形、押し出し成形、ブロー成形、カレンダー成形等の成形方法により形成される。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、シートを形成する工程の後に凹部を形成する工程を行うことを特徴とする。
すなわち、請求項2に記載の発明によれば、シート形成物Aは、インフレーション成形、押し出し成形、カレンダー成形等の成形方法によりシートまたはフィルムを形成した後で、真空成形、圧空成形等の成形方法により凹部を形成すれば良いので、シート形成物A及びその原反、並びに、シート形成物B及びその原反を、それぞれ1本の帯状にして搬送できるので、搬送が容易になり、充填・製袋設備が単純化でき、ひいては、トラブルの少ない、安価な設備で易開封型内容物入り複室容器を製造できる。
なお、一般に、包装材料の搬送が容易な充填・製袋機は、無菌充填における無菌管理も容易になるので、無菌充填・包装機化することも容易であるが、本発明の易開封型内容物入り複室容器の製造方法によれば、シート形成物A及びその原反、並びに、シート形成物B及びその原反を、それぞれ1本の帯状にして搬送することが可能なため、原反の無菌化等の無菌化技術に既存の技術を大いに利用できるので、さらに、確実な無菌維持性と、良好な生産性と、良好な使い勝手を有する製造設備を製作することができる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の構成に加え、易開封型内容物入り複室容器が、前記周縁密封手段上に設けられ、親容器に直接または他の部材を介して連通可能に連結する連結手段を有し、この連結手段を形成する工程を有することを特徴とする。
すなわち、請求項3に記載の発明によって得られる易開封型内容物入り複室容器は、周縁密封手段上に、親容器に連通可能に連結する連結手段を有するので、この連通手段から親容器の流体を流入させて、本発明の易開封型内容物入り複室容器を膨らませることによって、簡単に凹部密封手段が開封できるので、各凹部の容積が小さくても、開封性が良い容器であり、容量の大きい親容器に微量成分を要時接続して混注する子バッグとして、また、親容器に連結して一体化し、複数の室をワンバッグ化したマルチバッグとして採用される。
ここでいう親容器とは、本発明の容器に充填された薬液等が混注される側の容器であり、例えば、一般の輸液バッグ、高カロリー輸液製剤入りのバッグ等、容量が大きい、例えば、100ml以上の容器を言う。
また、ここでいう混注とは親容器に注入して混合するこというが、混注する側の容器と混注される側の容器が、それぞれ独立していても、合体して一体化した形態であっても、最終的に少容量の内容物が親容器に注入され混合される場合もここでいう混注に含まれる。
また、ここでいう少容量とは、親容器との組み合わせによっても異なるが、例えば、親容器に充填された内容液の容量の十分の一以下、または、一つの凹部あたり10ml以下の容量のものをいう。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の構成に加え、前記連結手段が、別途形成された中空の流路を有するポートであって、ポートをシート形成物Aとシート形成物Bとの間に挟んでシールする工程を有することを特徴とする。
すなわち、請求項4に記載の発明によれば、K工程以降、M工程以前の工程において、ポートをシート形成物Aとシート形成物Bとの間に挟むことが容易なので、ポートをシート形成物Aとシート形成物Bとの間に挟んでシールすることにより、ポートを容器の端に容易に取り付けることができるので、内容物を排出し易い易開封型内容物入り複室容器を容易に製造することができる。
ここでいうポートとは、射出成形、押出し成形、真空成形等の成形方法により形成された、他の容器またはその流路に連通可能に連結するためのまたは体内に注入するための用具に連通可能に連結するためのアダプターを有する筒状の形成物である。
また、請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の構成に加え、前記連結手段の連通口が、M工程以降の工程において、周縁密封手段の一部を除去することにより形成されることを特徴とする。
すなわち、請求項5に記載の発明は、M工程以降の工程、例えば、親容器と連結して一体化する直前の工程で、周縁密封手段の一部を除去して開口端に置き換え、周縁密封手段上に親容器に直接連通可能に連結する連結手段の連通口を形成するものであり、これによって、易開封型内容物入り複室容器の内面は、親容器と連結して一体化される直前まで、易開封型内容物入り複室容器が置かれた外部環境に係わらず、その無菌性が確実に維持される。
また、請求項6に記載の発明は、請求項3に記載の構成に加え、前記連結手段の連通口が、M工程以降の工程または使用直前に、難開封性密封手段と易開封性密封手段からなる周縁密封手段のうちの易開封性密封手段を開封することにより形成されることを特徴とする。
すなわち、請求項6に記載の発明は、M工程以降の工程、例えば、親容器と連結して一体化する直前の工程で、難開封性密封手段と易開封性密封手段からなる周縁密封手段のうちの易開封性密封手段を開封して、周縁密封手段上に親容器に直接連通可能に連結する連結手段の連通口を形成するものであり、これによって、易開封型内容物入り複室容器の内面は、親容器と連結して一体化される直前まで、易開封型内容物入り複室容器が置かれた外部環境に係わらず、その無菌性が確実に維持される。
また、請求項6に記載のもう一つの発明は、難開封性密封手段と易開封性密封手段からなる周縁密封手段のうちの易開封性密封手段を開封することなしに、易開封性密封手段を、周縁密封手段上に設けられた親容器に直接連通可能に連結する連結手段の連通口として、親容器と連結して一体化し、使用時に、易開封性密封手段を開封することによって、周縁密封手段上に親容器に直接連通可能に連結する連結手段の連通口を形成するものであり、これによって、易開封型内容物入り複室容器の内面は、使用直前まで、易開封型内容物入り複室容器が置かれた外部環境に係わらず、その無菌性が確実に維持される。
なお、少なくとも、シート形成物Aに、凹部が容易には潰れない程度の剛性を持たせれば、凹部が押し潰されることによる凹部空間の内圧上昇が起こりにくくなり、凹部密封手段を開封する方向の力が加わりにくくなり、使用前に誤って開封してしまう危険性が減少するので、ひいては、凹部密封手段の開封するための力を極小さくなるように設定できる。
なお、ここで言うマルチバッグとは、3以上の複数の室を有する袋状の容器であって、通常、2以上の大容量の室と1以上の少容量の室からなる袋状の容器をいう。
また、易開封型内容物入り複室容器が連結されて一体化してなる親容器は、易開封型内容物入り複室容器と連結するための溶着代として、容器壁を易開封性密封手段の外側に突出して有し、この突出した容器壁の内側に、易開封型内容物入り複室容器の開口部近傍の容器壁の外側を溶着すれば、親容器に内容物が充填されていても、親容器が易開封性密封手段により密封されているので、親容器からの溢出を気にすることなく連結でき、使用時は、易開封性密封手段を開封することにより容易に親容器と易開封型内容物入り複室容器とを連通できる。
ここで、上記親容器としては、一般の輸液バッグおよび高カロリー輸液製剤入りのバッグ、例えば、アミノ酸と糖および電解質が一液に調整されて一つのバッグに保管されたもの、アミノ酸と糖および電解質それぞれが一つのバッグの2室に隔離して保管されたもの、脂肪乳剤と糖および電解質それぞれが一つのバッグの2室に隔離して保管されたもの等が上げられるが、これらのものに限られるものではなく、他のものを混合または混注して使用することを前提に、溶解液、稀釈液、培地等が充填されたバッグであれば、親容器になることができる。
また、本発明の易開封型内容物入り複室容器の製造方法により製造された易開封型内容物入り複室容器によれば、外気に触れることなく、すなわち、外気により細菌汚染されることなく、易開封型内容物入り複室容器の複数の成分を、相互に混合できるだけでなく、親容器に混注すると同時に混合することもできるので、易開封型内容物入り複室容器に充填される内容物としては、ビタミン剤、微量元素製剤、補正用電解質製剤、抗生物質等を含む無菌製剤、培養するための菌液等が上げられる。
親容器との連結後、連結部に紫外線を含む光線を照射することによって、連結時に連結部が汚染されたとしても、連結部を無菌化することができ、ひいては、混合時に内容液が細菌により汚染されることを防止できる。
ここで、紫外線を含む光線とは、低圧水銀ランプ等から発生する紫外線だけでなく、紫外線と多量の可視光線を含むキセノンランプから発生する光線等も含まれる。
また、照射方法としては、連続して照射する方法、冷却時間等を置いて間欠的に照射する方法等があるが何れの方法でも良い。
なお、連結部が無菌環境で無菌的に接続される場合には、上記のような紫外線を含む光線で滅菌または殺菌するには及ばない。
以上のとおり本発明によれば、予め混合しておくと変質または変成してしまう薬液または薬剤を、少量であっておも、容易に充填シールでき、コンパクトな容器に隔離して保管でき、使用時に、簡単な作業で、相互に混合できるだけでなく、容易に且つ確実に他の容器に移し替え混入ができ、混合時の変質も少なく、薬剤または薬液の容器内の残留も少ない易開封型内容物入り複室容器の製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、他の容器に予め連結しておくことによって、少量多種の薬剤を混合する場合に置いても、薬剤の取り違えミスを軽減する易開封型内容物入り複室容器の製造方法を提供することができる。
さらに、本発明によれば、内容物の充填時に煩雑な開封作業せずに容易に充填可能で、充填後の密封シール時においても、内容液の溢れ出しを防止するための煩雑な作業せずに容易に凹部密封手段で密封することが可能な易開封型内容物入り複室容器の製造方法を提供することができる。
さらに、本発明によれば、充填・製袋設備を単純化でき、トラブルの少ない、安価な製造設備で易開封型内容物入り複室容器を製造できる易開封型内容物入り複室容器の製造方法を提供することができる。
さらに、本発明によれば、無菌充填・包装設備が可能な易開封型内容物入り複室容器の製造方法を提供することができる。
本発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照しながら説明する。
図1および図2に示すが如く、本実施例の製造方法により製造される易開封型内容物入り複室容器1は、内容物が充填された三つの凹部2を有するシート形成物A4と、このシート形成物A4の凹部2側を覆って重ね合わされた別のシート形成物B5とが、それぞれの凹部2の周囲を易開封性密封手段の一例である容易に剥離可能な凹部シール6によりシールされ、さらに、その外側を三つの凹部2を包括して取り囲む周縁密封手段の一例である周縁シール7によりシールされている。また、周縁シール7上には、親容器に直接または他の部材を介して連通可能に連結する連結手段としてポート8が設けられている。
また、それぞれの凹部2はその周囲に平面3を有し、凹部2には、それぞれ水溶性ビタミン主体の製剤、脂溶性ビタミン主体の製剤、微量元素製剤が充填されている。
また、図3に示すが如く、易開封型内容物入り複室容器1は、使用時に、ポート8を、親容器、ここでは、高カロリー輸液製剤が充填された袋状容器10の専用のアダプター11に接続することによって、連通可能に連結される。
ここで、易開封型内容物入り複室容器1が連結される高カロリー輸液製剤が充填された袋状容器10は、容器内が易開封性密封手段の一例である容易に剥離可能なバーシール12により二つの部屋に隔離され、第一室13には糖と電解質からなる溶液が、また、第二室14にはアミノ酸製剤が充填され、使用時には、袋状容器10の第一室13を圧迫することにより、バーシール12を剥離して第一室13と第二室14を連通し、第一室13の糖と電解質溶液と、第二室14のアミノ酸製剤を混合できるように構成されている。また、点滴時にハンガーに吊り下げるため懸垂口16と、輸液セットを繋いで薬液を排出するための排出口15が設けられている。
易開封型内容物入り複室容器1を袋状容器10に連結した後、袋状容器10を圧迫して第一室13と第二室14を連通し、さらに、袋状容器10を圧迫することによって袋状容器10内の薬液を易開封型内容物入り複室容器1に逆流させて易開封型内容物入り複室容器1を膨らませることによって、容易に開封可能な凹部シール6を剥離開封して、袋状容器10内で混合された薬液と三つの凹部2に充填された内容物を混合することができる。
次いで、易開封型内容物入り複室容器1内で混合された混合液を、易開封型内容物入り複室容器1を圧迫するか、または、自由落下により、袋状容器10内に戻すことによって、易開封型内容物入り複室容器1の全ての内容物を袋状容器10内に混注することができる。
すなわち、本実施例の製造方法により製造される易開封型内容物入り複室容器1は、易開封型内容物入り複室容器1のそれぞれの凹部2に使用直前まで隔離保管した複数の内容物を、溶解液または薬液が充填された袋状容器10に、簡単な作業で、容易に且つ確実に、また、変質させることなく混注できる。
なお、ポート8は、通常、使用時までキャップ9により封止されているが、キャップ9を外しても充填され内容物がポート8から漏れ出ることがないので、混合ミスを軽減することができる。
また、凹部2に充填された複数の液を密封している凹部シール6は、連結した親容器の薬液を逆流させることによって開封させることができるので、凹部2に隔離して充填された薬液同士が、濃度が高いまま混合されることがないので、すなわち、親容器からの薬液によって希釈された後で混合されるので、混合時に凹部に隔離して充填された複数の薬液同士の混合による変質が軽減される。
すなわち、本実施例の製造方法により製造される易開封型内容物入り複室容器1は、易開封型内容物入り複室容器1のそれぞれの凹部2に使用直前まで隔離保管した複数の薬液を、溶解液または薬液が充填された他の容器に、簡単な作業で、容易に且つ確実に、また、薬液を変質させることなく混注できる。
図1および図2並びに図4ないし図6に示すが如く、本実施例の易開封型内容物入り複室容器1の製造方法は以下の通りである。
押し出し成形法により、外層が200μmのポリプロピレン樹脂層、内層が50μmの環状ポリオレフィン樹脂層からなる2層シートを成形後、同シートに開口部の内径が20mm、底部の内径が15mm、深さが10mmの三つの凹部2を真空成形法により形成し、シート形成物A4を作製する(本発明のI工程の一例)。次に、それぞれの凹部2に、水溶性ビタミン主体の製剤5ml、脂溶性ビタミン主体の製剤5ml、微量元素製剤内容物5mlを充填する(本発明のJ工程の一例)。
次に、押し出し成形法により、外層が180μmのポリプロピレン樹脂層、内層が20μmの環状ポリオレフィン樹脂層からなる2層シートとして形成されたシート形成物B5で、シート形成物A4の凹部2側を覆い(本発明のK工程の一例)、重なり合った二枚のシートの端面にポート8を熱溶着し、さらに、凹部2の周囲に容易に剥離開封可能なシール条件で熱板を押しつけてシールすることによって凹部シール6を設け(本発明のL工程の一例)、さらに、三つの凹部2を包括して取り囲むように周囲に容易には開封可能できないシール条件で熱板を押しつけてシールすることによって周縁シール7を設け(本発明のM工程の一例)、易開封型内容物入り複室容器1が完成される。なお、周縁シール7を行った後で、周縁シール7の外周に沿ってトリミングしてもよい。
ここで、完成された易開封型内容物入り複室容器1は、通常、オートクレーブ滅菌法により滅菌されるが、2層シートの段階でそれぞれの2層シートを過酸化水素水等で滅菌しながら無菌室に導入し、凹部の形成、充填、シール等を無菌室内で行えば、無菌充填ができる。
本実施例では、シート形成物A4の肉厚を厚くすることによって、特に、環状ポリオレフィン樹脂層を厚くすることによって、シート形成物A4の剛性を上げることにより、また、凹部2の形状を潰れにくい円錐台にすることによって、凹部2が通常の取り扱いでは容易には潰れないので、凹部シール6の剥離強度が小さくても隔離性の良い易開封型内容物入り複室容器1ができる。
ここで、凹部2の潰れにくい形状は、上記実施例の円錐台だけでなく、角錐台、球面、雨とい状等が上げられる。
図7および図8に示すが如く、本実施例の製造方法により製造される易開封型内容物入り複室容器1は、内容物が充填された三つの凹部2を有するシート形成物A4と、このシート形成物A4に凹部2を覆って重ね合わせた別のシート形成物B5とが、それぞれの凹部2の周囲を一つの繋がった易開封性密封手段の一例である容易に剥離可能な凹部シール6によりシールされ、さらに、その外側に三つの凹部2を包括して取り囲む周縁密封手段の一例である周縁シール7によりシールされている。また、周縁シール7上には、親容器に連通可能に連結する連結手段として、開口部17と、開口部17の周囲に設けられた親容器の内壁と熱溶着可能な外壁18を有している。また、本実施例の易開封型内容物入り複室容器1は、親容器と連結して一体化した時に全体をハンガーに吊り下げるための懸垂口21を有する。
それぞれの凹部2はその周囲に平面3を有し、凹部2には内側に水溶性ビタミン主体の製剤、脂溶性ビタミン主体の製剤、微量元素製剤が充填されている。
また、図9および図10に示すが如く、本実施例の易開封型内容物入り複室容器1は、予め製造工場において、親容器、例えば、高カロリー輸液製剤が充填された袋状容器10に連通可能に連結された形で製剤化される。
ここで、本実施例の易開封型内容物入り複室容器1が連通可能に連結される高カロリー輸液製剤が充填された袋状容器10は、容器内が易開封性密封手段の一例である容易に剥離可能なバーシール12により二つの部屋に隔離され、第一室13には糖と電解質からなる溶液が、また、第二室14にはアミノ酸製剤が充填され、使用時には、袋状容器10の第一室13を圧迫することにより、バーシール12を剥離して第一室13と第二室14を連通し、第一室13の糖と電解質溶液と、第二室14のアミノ酸製剤を混合できるように構成されている。また、点滴時に輸液セットを繋いで薬液を排出するための排出口15が設けられている。
さらに、袋状容器10は、本実施例の易開封型内容物入り複室容器1を連通可能に連結するための機構として、袋状容器10の周縁シールの一部に、易開封性密封手段の一例である容易に剥離可能な連通シール19と、その外側に突出した容器壁22とを備えている。
連結後一体化された易開封型内容物入り複室容器1と袋状容器10は、使用時に、袋状容器10を圧迫して、第一室13と第二室14とを連通し、さらに、連通シール19を剥離開封して、袋状容器10内の薬液を易開封型内容物入り複室容器1に逆流させて易開封型内容物入り複室容器1を膨らませることによって、容易に開封可能なシール6を剥離開封して、袋状容器10内に充填された薬液と三つの凹部2に充填された内容物を混合することができる。
次いで、易開封型内容物入り複室容器1内で混合された混合液を、易開封型内容物入り複室容器1を圧迫するか、または、混合液の自由落下により、袋状容器10内に戻すことによって、易開封型内容物入り複室容器1の全ての内容物を袋状容器10内に混注することができる。
すなわち、本実施例の易開封型内容物入り複室容器1によれば、易開封型内容物入り複室容器1のそれぞれの凹部2に使用直前まで隔離保管した複数の内容物を、溶解液または薬液が充填された他の容器に、簡単な作業で、容易に且つ確実に、また、変質させることなく混注できる。
また、本実施例は、予め工場において易開封型内容物入り複室容器1と袋状容器10の連結が済んでおり、医療現場で改めて連結する必要がないので、混合ミスを軽減することができることはもちろんのこと、薬剤の取り違えミスも解消できる。
図7および図8並びに図11および図12に示すが如く、本実施例の易開封型内容物入り複室容器1の製造方法は以下の通りである。
押し出し成形法により、外層が200μmのポリプロピレン樹脂層、内層が50μmの環状ポリオレフィン樹脂層の2層シートを成形後、開口部の寸法が縦10mm、横50mmで、アールが12mmの雨とい状の三つの凹部2を真空成形法により形成し、シート形成物A4を作製する(本発明のI工程の一例)。次に、それぞれの凹部2に、水溶性ビタミン主体の製剤5ml、脂溶性ビタミン主体の製剤5ml、微量元素製剤内容物5mlを充填する(本発明のJ工程の一例)。
次に、押し出し成形法により、外層が180μmのポリプロピレン樹脂層、内層が20μmの環状ポリオレフィン樹脂層の2層シートとして形成したシート形成物B5でシート形成物A4の凹部2側を覆い(本発明のK工程の一例)、凹部2の周囲に容易に剥離開封可能なシール条件で熱板を押しつけてシールし、凹部シール6を設け(本発明のL工程の一例)、さらに、三つの凹部2を包括して取り囲むように周囲に容易には開封可能できないシール条件で熱板を押しつけてシールすることによって周縁シール7を設け(本発明のM工程の一例)、易開封型内容物入り複室容器1が完成される。なお、周縁シール7後に周縁シール7の外周に沿ってトリミングしてもよい。
ここで、凹部シール6は、実施例1のように必ずしも3つシール面が独立している必要はなく、本実施例のようにシール面が繋がっていても構わない。
また、完成された易開封型内容物入り複室容器1は、通常、オートクレーブ滅菌法により滅菌されるが、2層シートの段階でそれぞれの2層シートを過酸化水素水等で滅菌しながら無菌室に導入し、凹部の形成、充填、シール等を無菌室内で行えば、無菌充填ができる。
図9および図10並びに図13および図14に示すが如く、本実施例の易開封型内容物入り複室容器1と袋状容器10との連結は以下のようにして行われる。
本実施例の易開封型内容物入り複室容器1が連結される袋状容器10を、製袋段階で、予め、周縁を難開封性密封手段の一例である外縁シール23と易開封性密封手段の一例である容易に剥離可能な連通シール19により溶着し、連通シール19の外側に、さらに、一対の突出した容器壁22を設けておき、内容液を充填して滅菌した後で、この一対の突出した容器壁22の間に、本実施例の易開封型内容物入り複室容器1の開口部17およびその近傍を挿入し、一対の突出した容器壁22の内壁と本実施例の易開封型内容物入り複室容器1の開口部17の近傍の熱溶着可能な外壁18を連結シール20で溶着すると共に、一対の突出した容器壁22の易開封型内容物入り複室容器1と重なり合っていない容器壁部分24を相互に溶着して密封する。
次に、200Wの高出力型の低圧水銀ランプにより、紫外線を連結部周辺に裏表から、また、ランプ表面と連結部間の距離を50mmにして、それぞれ10秒間づつ5回照射して連結部を殺菌し、連結が完成する。
この時、薬液または薬剤の変質を防止するために、袋状容器10および易開封型内容物入り複室容器1に充填されたそれぞれの薬液に紫外線が当たらないように、親容器の連通シール19より薬液側と易開封型内容物入り複室容器1の凹部シール6の内側をマスクしてから行う。
なお、図15に示すが如く、本実施例の易開封型内容物入り複室容器1の開口端を、予め、難開封性密封手段の一例の開口端シール25によりシールしておき、また、図16に示すが如く、親容器の突出した一対の容器壁の端部を、予め、難開封性密封手段の一例の容器壁端シール26によりシールしておき、連結時に、D−D’またはE−E’でカットするようにすれば、連結部の環境からの汚染を最小限に抑えることができる。
また、図17に示すが如く、本実施例の易開封型内容物入り複室容器1の開口端近傍でを、予め、易開封性密封手段の一例の開口端近傍シール27によりシールしておき、連結時または使用時に開封しても、連結部の環境からの汚染を最小限に抑えることができる。
なお、上述した実施例1および実施例2において、I工程、J工程、K工程、L工程およびM工程の各工程は夫々が一例であって実施例の記載に限定されるものではなく、適宜変更可能であることは勿論である。
また、シート形成物A4に形成される凹部の数、形状、形成位置などは任意であって適宜選択されるものであり、凹部は一つでも複数でもよく、さらに、凹部が複数の場合、すべての凹部に内容物が充填されている必要もない。
本発明は、薬液、溶解液、液性食品等が充填された容器に、予め混合しておくと経時的に変質してしまう混合用成分を、使用時に、注入して混合するための容器を使用する各種産業に利用できる。
実施例1の製造方法により製造される易開封型内容物入り複室容器1を示す斜視図である。 図1に示す易開封型内容物入り複室容器1のA−A’断面図である。 実施例1の易開封型内容物入り複室容器1を袋状容器10と連結した状態を示す正面図である。 実施例1のシート形成物A4を示す斜視図である。 実施例1において、シート形成物A4の凹部2側をシート形成物B5で覆った状態を示す斜視図である。 実施例1において、シート形成物A4とシート形成物B5にシールされたポート8と凹部シール6を設けた状態を示す斜視図である。 実施例2の製造方法により製造される開封型内容物入り複室容器1を示す斜視図である。 図7に示す易開封型内容物入り複室容器1のB−B’断面図である。 実施例2の易開封型内容物入り複室容器1を袋状容器10と連結した状態を示す正面図である。 図9に示す袋状容器10と連結した易開封型内容物入り複室容器1のC−C’断面図である。 実施例2のシート形成物A4を示す斜視図である。 実施例2において、シート形成物A4の凹部2側をシート形成物B5で覆い、凹部シール6を施した状態を示す斜視図である。 実施例2の易開封型内容物入り複室容器1を袋状容器10と連結する直前の状態を示す断面図である。 実施例2の易開封型内容物入り複室容器1を袋状容器10と連結する直後の状態を示す断面図である。 実施例2において、易開封型内容物入り複室容器1の連結前の形態の一例を示す正面図である。 実施例2において、易開封型内容物入り複室容器1を連結する袋状容器10の連結前の形態の一例を示す正面図である。 実施例2において、易開封型内容物入り複室容器1の連結前の形態の別の一例を示す正面図である。
符号の説明
1 易開封型内容物入り複室容器
2 凹部
3 平面
4 シート形成物A
5 シート形成物B
6 凹部シール
7 周縁シール
8 ポート
9 キャップ
10 袋状容器
11 アダプター
12 バーシール
13 第一室
14 第二室
15 排出口
16 懸垂口
17 開口部
18 熱溶着可能な外壁
19 連通シール
20 連結シール
21 懸垂口
22 突出した容器壁
23 外縁シール
24 重なり合っていない容器壁部分
25 開口端シール
26 容器壁端シール
27 開口端近傍シール

Claims (6)

  1. 内容物が充填される一つまたは複数の凹部とその周囲に形成された平面とを有するシート形成物Aと、この形成物の凹部側を覆うように配されたもう一つのシート形成物Bと、凹部に充填された内容物とからなり、
    それぞれの凹部近傍において、シート形成物Aとシート形成物Bを接着することによって、凹部空間を密封して一つまたは複数の室を形成する容易に開封可能な易開封性密封手段からなる凹部密封手段と、
    凹部密封手段の外側において、シート形成物Aとシート形成物Bを接着することによって、前記凹部密封手段により密封された一つまたは複数の室を包括して取り囲みもう一つの室を形成する容易には開封できない難開封性密封手段または難開封性密封手段と易開封性密封手段からなる周縁密封手段とを有し、
    シート形成物Aまたはシート形成物Bのいずれか一方または両方が柔軟性を有する複室容器において、
    一つまたは複数の凹部を有するシート形成物Aを形成するI工程と、
    凹部に内容物を充填するJ工程と、
    シート形成物Aの凹部側をシート形成物Bで覆うK工程と、
    それぞれの凹部近傍において、シート形成物Aとシート形成物Bを、容易に開封可能な易開封性密封手段からなる凹部密封手段で接着することによって、凹部空間を密封して一つまたは複数の室を形成するL工程と、
    前記凹部密封手段の外側において、シート形成物Aとシート形成物Bを、容易には開封できない難開封性密封手段または難開封性密封手段と易開封性密封手段からなる周縁密封手段で接着することによって、前記凹部密封手段により密封された一つまたは複数の室を包括して取り囲むもう一つの室を形成するM工程とからなり、
    少なくとも、I工程、J工程、K工程の順に行い、次いで、L工程またはM工程を行うことを特徴とする易開封型内容物入り複室容器の製造方法。
  2. 前記シート形成物Aを形成する前記I工程が、シートを形成する工程の後に凹部を形成する工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の易開封型内容物入り複室容器の製造方法。
  3. 易開封型内容物入り複室容器が、前記周縁密封手段上に設けられ、親容器に直接または他の部材を介して連通可能に連結する連結手段を有し、この連結手段を形成する工程を有することを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載の易開封型内容物入り複室容器の製造方法。
  4. 前記連結手段が、別途形成された中空の流路を有するポートであって、ポートをシート形成物Aとシート形成物Bとの間に挟んでシールする工程を有することを特徴とする請求項3に記載の易開封型内容物入り複室容器の製造方法。
  5. 前記連結手段の連通口が、M工程以降の工程において、周縁密封手段の一部を除去することにより形成されることを特徴とする請求項3に記載の易開封型内容物入り複室容器の製造方法。
  6. 前記連結手段の連通口が、M工程以降の工程または使用直前に、難開封性密封手段と易開封性密封手段からなる周縁密封手段のうちの易開封性密封手段を開封することにより形成されることを特徴とする請求項3に記載の易開封型内容物入り複室容器の製造方法。
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