JP2007151833A - 薬液収納容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内容液が合計で30mL以下である微量溶液を収納する複室容器であって、内容液が接する面を、環状ポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂で構成させ、前記容器の複室が弱シール部により区画されると共に、その少なくとも一室にビタミン類を収納することを特徴とする薬液収納容器であり、具体的には、弱シール部により3室に区画された複室容器であり、該3室は、ポートに接するI室、ならびにその上部に形成されるII室およびIII室から構成され、前記II室とIII室の間に、またはその側面にI室への充填通路を設けることにより3室が並列の状態で充填が可能となるように構成したこと。
【選択図】図1
Description
これまで、ビタミン類を含有する複室の薬液収納容器が提供されてはいたが、例えば、脂肪と一緒に含有する等の不便さがあったが、本発明においては、特にビタミン類のなかでもポリエチレンやポリプロピレン製の容器に収納した場合には、その含有量が経時的に著しく低下してしまうビタミンDを、含有率の低下をきたすことなく安定に長期間にわたり収納し得るものであり、その医療上の価値は多大なものである。
そのような環状ポリオレフィン系樹脂としては、種々のものを挙げることができるが、例えば、特許第3227709号公報に記載される熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマーが好ましく使用される。
図1は、本発明が提供する薬剤収納容器(100)の一実施例を、模式的に示した外観図であり、図2は、図1に示した本発明の薬剤収納容器(100)を左側から見た側面図である。
なお、図中15、25および35はそれぞれのI、IIおよびIII室への薬液を充填するための充填口であり、薬液の充填終了後においてはシール密閉された状態となっている。
なお、本発明の薬液収納容器の製造方法は、上記した方法に限定されず、種々の方法で実施することができることはいうまでもない。
そのような滅菌は、例えば、高圧蒸気滅菌法により実施することができる。かかる滅菌は、窒素置換された状態で実施することができ、滅菌後乾燥し、脱酸素剤、酸素検知剤と共に外包装に挿入し、窒素置換して密閉包装される。この密閉包装にあたっては、充填した薬液成分の変質を予防するために、脱酸素剤[例えば、エージレス(登録商標);三菱ガス化学社製]、酸素検知剤[例えば、エージレスアイ(登録商標);三菱ガス化学社製]と共に、酸素バリア機能を有する積層フィルムにより密閉包装するのが好ましい。なお、必要に応じて、不活性ガス(例えば、窒素ガス等)により充填包装することもできる。
さらには、アルミ箔等の金属箔、もしくはアルミ蒸着フィルム等の金属蒸着フィルム等の光線遮断機能を合わせもつ箔膜またはフィルム等を使用することも可能である。
すなわち、容器を、I室への充填通路(11)を中心として折り曲げ、深絞り成形されたII室(20)およびIII室(30)を互いに向かい合わせ、II室およびIII室を握りつぶすように容器自体に外圧を加えることによって、各室を区画する弱シール部が剥離される。その結果、各複室に含有されている薬液が混合し、その上で、I室に設けたポートを介して接続されている連通針により、他の輸液製剤(例えばグルコース含有液)と混合され、中心静脈投与用高カロリー輸液(IVH)が調製される。
[積層フィルムの製造]
薬液収納容器を製造するための熱可塑性プラスチックフィルムとして、接液面側に環状ポリオレフィン系樹脂として、特許第3227709号公報に記載される熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマーを、外層としてポリプロピレン系樹脂を用い、Tダイ法により積層フィルムを成形した。
次いで、深絞り部の作製を行った。深絞り形状として以下の金型を使用した。
II室およびIII室用として、
深さ:5mm;幅:23mm;全長60mm
底角部R:15
を有する金型を使用した。
I室への充填通路用金型として、
深さ:2mm;幅8mm;全長:100mm
底角部R:6
を有する金型を使用した。
二枚のシートを環状ポリオレフィン系樹脂がそれぞれ対向する内面となるように同時に繰り出し、下側に位置するシートを第一工程として、シート外面であるポリプロピレン系樹脂側から予備加熱を行い、第二工程にて深絞り成形用金型を使用して外側から吸気することで、前記II室、III室、I室への通路を深絞り成形して形成させた後、第三工程で二枚のシートをあわせるようにシール金型部に挟み込み、高周波シール/水冷冷却を同一工程にて行い強シール部を形成させる。このときの強シール部の強度は、T字剥離強度として15N/15mm以上であった。第四工程にて弱シール部を同様に高周波シール/水冷冷却を同一工程にて行い形成させる。このときの弱シール部の強度は、T字剥離強度として2N/15mmであった。第五工程に内容液排出用ポートをI室に挿入して、高周波シール/水冷冷却を同一工程にて行い、強シールを行い、ポート部を形成させる。このようにして形成させた複室容器は、最終工程にてトリミングを行い、最終形状に形成される。
上記で得た容器形状体の容器ボトム部をカットして、各I室、II室およびIII室に薬液を充填する充填部を作製した。
充填する薬液はそれぞれ以下のものを使用した。
I室充填薬液:ビタミンB1、B6、B2、およびニコチン酸アミド
II室充填薬液:ビタミンC、H、およびパンテノール
III室充填薬液:ビタミンA、E、K2、D3、B12、および葉酸
上記で作製した3室横並びの充填部より、上記の薬液3液を同時に充填した。充填は、窒素ガスと共に行い、充填後熱溶着により充填部を密閉シールし、充填部をカットして薬液を充填した収納容器を得た。
上記で得た薬液を収納した容器を、窒素置換した高圧蒸気滅菌法により滅菌し、乾燥したのち、脱酸素剤(エージレスZH−200;三菱ガス化学社製)および酸素検知剤(エージレスアイ;三菱ガス化学社製)と共に、酸素バリア性および遮光性能を確保するために、アルミ箔を積層した外包装に挿入し、窒素置換したのち、包装した。
なお、薬液の排出補助具として、外径16mmとしてポートと嵌合により一体化した形態を有する丸棒形状を一緒に外包装に入れた。
本発明が提供する収納容器において、I室、II室およびIII室に充填されている薬液をクローズドシステムで混合し、I室に設けたポートを介して接続されている連通針により、混合した薬液を排出する場合において、薬液の連通性(各室の開通性)、排出性は、弱シールの幅、その長さ、さらに各IIおよびIII室における深絞りの深さおよび幅に影響されるものといえる。
そこで、以下の試験用収納容器を作成し、各3室にそれぞれ2.2mL、合計6.6mLの水を充填し、混合時の連通性および排出性を評価した。
(1)弱シールの幅:5mmおよび3mmの2種類
(2)弱シールの長さ:15mmおよび7mmの2種類
(3)II室およびIII室における片面深絞り深さ:4、4.5および5mmの3種類
(4)II室およびIII室における深絞り幅:48、58および68mmの3種類
薬液を混合した後、容器を排出補助具により握り残液量で排出性を評価した。
掌の幅が78mmの女性1名および掌の幅が75mmの女性2名の合計3名により薬液の排出操作を行い(各サンプル3回)、薬液の残液量で排出性を評価し、0.61mL以上の薬液が残存する容器を不合格とした。
残液量は以下の式から求めた。
残液量=薬液排出後の容器重量−薬液充填前のから容器の重量(風袋)
各室の開通性の評価:
最初に各I、IIおよびIII室に充填されている薬液の混合の容易性(各室の連通性)について評価した。
薬液混合時の各室の連通性は、弱シール部の強度(弱シール部の幅と長さによる)のバラツキにあると推測された。試験の結果から以下の評価が得られた。
弱シール幅5mmと3mmでは、3mm幅の方が若干良好な結果を示した。また、弱シールの長さでは15mmの方が良好なものであった。
片面深絞り深さは4、4.5および5mmでは、5mmが最も良好なものであった。
各室の開通方法は、通常握り、逆手握り、テーブル上押圧を行ったが、開通の容易さの程度に個人差があり、その容易さは評価できなかった。但し、テーブル上押圧では各被験者とも確実に開通していた。
なお試験は掌の幅が75mmの女性2名により行い(各3回)、その結果を合わせて表中に示した。
総合的に判断すると、本発明が提供する薬液収納容器は、その混合性も良好なものであり、薬液の排出性も良好なものであることが理解される。
10 I室
11 充填通路
20 II室
30 III室
40,41,42 深絞り部
50 連通針
100 薬液収納容器
Claims (6)
- 内容液が合計で30mL以下である微量溶液を収納する複室容器であって、内容液が接する面を、環状ポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂で構成させ、前記容器の複室が弱シール部により区画されると共に、その少なくとも一室にビタミン類を収納することを特徴とする薬液収納容器。
- 弱シール部により3室に区画された複室容器であり、該3室は、ポートに接するI室、ならびにその上部に形成されるII室およびIII室から構成され、前記II室とIII室の間、またはその側面にI室への充填通路を設けることにより3室が並列の状態で充填が可能となるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の薬液収納容器。
- 前記I室への充填通路が、II室とIII室の間に位置していることを特徴とする請求項2に記載の薬液収納容器。
- 前記II室およびIII室が、深さ1〜10mmで深絞り成形されており、かつ、前記I室への充填通路が、深さ1〜5mmで深絞り成形されていることを特徴とする請求項1、2または3に記載の薬液収納容器。
- 内容液を排出する際に、容器を、I室への充填通路を中心として折り曲げ、深絞り成形されたII室およびIII室を互いに向かい合わせて内溶液を排出させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の薬液収納容器。
- 深絞り成形されたII室およびIII室の向かい合わせる折り曲げを、外径10〜30mmの円柱芯をII室およびIII室の間に位置しているI室への充填通路の中心部に沿う形で接触させて行うものである請求項5に記載の薬液収納容器。
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JP2013502951A (ja) * | 2009-08-27 | 2013-01-31 | サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング | 薬剤容器 |
JP2013504348A (ja) * | 2009-09-10 | 2013-02-07 | サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング | 薬剤容器 |
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2005
- 2005-12-06 JP JP2005351385A patent/JP5008864B2/ja active Active
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