JP2005060876A - 繊維糸状物処理用のストレート油剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】適度な平滑性、帯電防止性および膠着防止性を繊維糸状物に対して付与することができ、保存安定性に優れた繊維糸状物処理用のストレート油剤を提供すること。
【解決手段】(A)ジオルガノポリシロキサンおよび鉱物油から選択された少なくとも1種からなるベースオイルと;(B)下記一般式(1)で示されるポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン交互ブロック共重合体とを含有する。
〔一般式(1)中、−(SiR1 2 O)a SiR1 2 −で表されるオルガノポリシロキサンブロックの平均分子量は10,500以上であり、オルガノポリシロキサンブロックは、この交互ブロック共重合体の50〜99質量%を構成し、式:−(C2 H4 O)b1(C3 H6 O)b2−で表されるポリオキシアルキレンブロックの平均分子量は130〜10,000であり、この交互ブロック共重合体の平均分子量は50,000以上である。〕
【化1】
【選択図】 なし
【解決手段】(A)ジオルガノポリシロキサンおよび鉱物油から選択された少なくとも1種からなるベースオイルと;(B)下記一般式(1)で示されるポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン交互ブロック共重合体とを含有する。
〔一般式(1)中、−(SiR1 2 O)a SiR1 2 −で表されるオルガノポリシロキサンブロックの平均分子量は10,500以上であり、オルガノポリシロキサンブロックは、この交互ブロック共重合体の50〜99質量%を構成し、式:−(C2 H4 O)b1(C3 H6 O)b2−で表されるポリオキシアルキレンブロックの平均分子量は130〜10,000であり、この交互ブロック共重合体の平均分子量は50,000以上である。〕
【化1】
【選択図】 なし
Description
本発明は、繊維糸状物処理用のストレート油剤に関し、さらに詳しくは、繊維糸状物に対して、適度な平滑性(潤滑性)、帯電防止性、膠着防止性、綾崩れ防止性および耐熱性を付与することができ、保存安定性に優れた繊維糸状物処理用のストレート油剤に関する。
スパンデックス(ポリウレタン弾性糸)やミシン糸などの繊維糸状物に対して平滑性や帯電防止性などを付与するための処理剤として、シリコーンオイルや鉱物油などの油剤を主成分とし、溶媒や水などを実質的に含まないストレート油剤が使用されている。
例えば、下記特許文献1には、ポリウレタン繊維(糸)に対して平滑性や膠着防止性を付与するための油剤として、鉱物油および/または直鎖状ポリオルガノシロキサン、並びに直鎖状変性シリコーン(ポリオキシアルキレン−ジメチルポリシロキサン交互ブロック共重合体)を含有するものが紹介されている。
しかしながら、特許文献1に記載の油剤により処理されたポリウレタン繊維は、所期の平滑性および膠着防止性を有するものではなく、また、帯電防止性にも劣るものである。更に、特許文献1に記載の油剤は、保温安定性に劣り、低温および高温下に放置すると、濁りや分離が生じやすい。
下記特許文献2には、ポリウレタン弾性繊維(糸)に膠着防止性などを付与するための油剤として、ジオルガノポリシロキサンおよび/または鉱物油、並びに主鎖から分岐したポリオキシアルキレン基を有する変性シリコーンを含有するものが紹介されている。
しかしながら、特許文献2に記載の油剤により処理されたポリウレタン弾性繊維は、所期の膠着防止性を有するものではなく、また、平滑性および帯電防止性に劣るものである。更に、特許文献2に記載の油剤は、保温安定性に劣り、低温および高温下に放置すると、濁りや分離が生じやすい。
下記特許文献3には、ポリシロキサンブロックによって両末端が封鎖された直鎖状変性シリコーン(ポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン交互ブロック共重合体)をオルガノポリシロキサンを主成分とするベースオイルに添加してなる合成繊維処理用油剤が、本発明者らにより紹介されている。この油剤によれば、良好な帯電防止性を合成繊維に付与することができ、また、この油剤は、保存安定性も良好である。
しかしながら、特許文献3に記載の油剤により処理された合成繊維は、十分な膠着防止性や平滑性を有するものではない。
特開平6−41873号公報
特開平9−296377号公報
特開2001−214375号公報
本発明は以上のような事情に基いてなされたものである。本発明の目的は、適度な平滑性、帯電防止性および膠着防止性を繊維糸状物に対して付与することができ、しかも保存安定性に優れた繊維糸状物処理用のストレート油剤を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、特定の構造を有し、オルガノポリシロキサンブロックの平均分子量および全体の平均分子量が一定以上であるポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン交互ブロック共重合体を、ベースオイルに配合することにより、適度な平滑性、帯電防止性および膠着防止性のすべてを繊維糸状物に対して付与することができ、低温乃至高温のいずれの環境下においても保存安定性に優れた組成物(ストレート油剤)が得られることを見出し、かかる知見に基いて本発明を完成するに至った。
本発明の繊維糸状物処理用のストレート油剤は、(A)ジオルガノポリシロキサンおよび鉱物油から選択された少なくとも1種からなるベースオイル(以下、「ベースオイル(A)」ともいう。)と;(B)下記一般式(1)で示されるポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン交互ブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(B)」ともいう。)とを含有することを特徴とする。
〔式中、R1 は、互いに独立して、脂肪族不飽和を含まない1価の炭化水素基、水酸基またはアルコキシ基を表し、Y1 は、2価の有機基を表し、R2 は、互いに独立して、水素原子、水酸基、置換または無置換の1価の炭化水素基、アルコキシ基、あるいは式:−Y1 −O−(C2 H4 O)b1(C3 H6 O)b2−Y2 (Y2 は、水素原子または置換もしくは無置換の1価の炭化水素基を示す。)で表される基であり、aは、1以上の整数、b1は、1以上の整数、b2は、0または1以上の整数、cは、1以上の整数である。式:−(SiR1 2 O)a SiR1 2 −で表されるオルガノポリシロキサンブロックの平均分子量は10,500以上であり、オルガノポリシロキサンブロックは、このブロック共重合体(B)の50〜99質量%を構成し、式:−(C2 H4 O)b1(C3 H6 O)b2−で表されるポリオキシアルキレンブロックの平均分子量は130〜10,000であり、このブロック共重合体(B)の平均分子量は50,000以上である。〕
本発明のストレート油剤においては、ベースオイル(A)100質量部に対して、ブロック共重合体(B)を0.1〜20質量部の割合で含有することが好ましい。
本発明のストレート油剤においては、ベースオイル(A)100質量部に対して、ブロック共重合体(B)を0.1〜20質量部の割合で含有することが好ましい。
また、ベースオイル(A)が、粘度3〜100mm2 /s(25℃)のジメチルポリシロキサンからなることが好ましい。
(1)本発明のストレート油剤によれば、繊維糸状物に対して、適度な平滑性(潤滑性)、帯電防止性および膠着防止性を付与することができる。
(2)本発明のストレート油剤によれば、繊維糸状物に対して、耐熱性を付与することができる。
(3)本発明のストレート油剤によれば、繊維糸状物に対して、綾崩れ防止性を付与することができる。
(4)本発明のストレート油剤は、低温乃至高温の何れの環境下においても保存安定性に優れている。
(2)本発明のストレート油剤によれば、繊維糸状物に対して、耐熱性を付与することができる。
(3)本発明のストレート油剤によれば、繊維糸状物に対して、綾崩れ防止性を付与することができる。
(4)本発明のストレート油剤は、低温乃至高温の何れの環境下においても保存安定性に優れている。
本発明のストレート油剤の必須成分であるベースオイル(A)は、ジオルガノポリシロキサンおよび鉱物油から選択された少なくとも1種からなる。
ベースオイル(A)を構成する「ジオルガノポリシロキサン」としては、例えば、直鎖状のジメチルポリシロキサン、そのメチル基の一部がメチル基以外のアルキル基、フェニル基、トリメチルシロキシ基などで置換されたもの、分岐鎖を持つものなどを挙げることができ、これらのうち、ジメチルポリシロキサンが好ましい。
ベースオイル(A)として使用するジメチルポリシロキサン(置換または非置換のジメチルポリシロキサン)の粘度(25℃)は、3〜100mm2 /sであることが好ましく、更に好ましくは5〜50mm2 /s、特に好ましくは6〜30mm2 /sとされる。この粘度(25℃)が3mm2 /s未満であるジメチルポリシロキサンは、揮発性が高く、繊維糸状物に付着させることが困難となる傾向がある。一方、この粘度(25℃)が100mm2 /sを超えるジメチルポリシロキサンを使用すると、ストレート油剤としての粘度の制御が困難なる傾向がある。
ベースオイル(A)を構成する「鉱物油」としては、特に限定されるものではなく、従来公知のストレート油剤の主成分を構成するものをすべて使用することができ、流動パラフィンなどを例示することができる。ベースオイル(A)として使用する鉱物油の粘度(25℃)は、ジメチルポリシロキサンの粘度の限定理由と同じ理由から、3〜100mm2 /sであることが好ましく、更に好ましくは5〜50mm2 /sとされる。
ベースオイル(A)には、ジオルガノポリシロキサンおよび/または鉱物油を使用することができるが、繊維糸状物に対する耐熱性や平滑性の付与効果を更に向上させる観点から、ジオルガノポリシロキサンを単独で使用することが好ましい。
本発明のストレート油剤は、特定の構造を有するブロック共重合体(B)を含有する点に特徴がある。ここに、ブロック共重合体(B)を示す上記一般式(1)中、R1 は互いに独立して、脂肪族不飽和を含まない1価の炭化水素基、水酸基またはアルコキシ基である。
脂肪族不飽和を含まない1価の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基、フェニル基、フェネチル基などを挙げることができ、メチル基およびフェニル基が好ましい。
R1 で表されるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、イソプロペニロキシ基、メトキシエトキシ基、フェニルオキシ基、アセトキシ基、シクロヘキシルオキシ基およびドデカニルオキシ基のような、炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基を挙げることができ、メトキシ基およびエトキシ基が好ましい。
上記一般式(1)において、Y1 で表される2価の有機基は、炭素−ケイ素結合によって、オルガノポリシロキサンブロックを構成するケイ素原子に結合し、酸素原子を介して、ポリオキシアルキレンブロック〔ポリ(オキシエチレン)(オキシプロピレン)ブロック〕と結合している。
Y1 で表される有機基の具体例としては、―R16―、―R16―CO−、―R16―NHCO−、―R16―NHCONHR17―NHCO−および―R16―OOCNH―R17―NHCO−〔式中、R16は、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などのアルキレン基、R17は、アルキレン基、−C6 H4 −、−C6 H4 −C6 H4 −、−C6 H4 −CH2 −C6 H4 −、−C6 H4 −CH(CH3 )−C6 H4 −などのアリーレン基を示す。〕である。
Y1 で表される好適な有機基としては、−CH2 CH2 −、−CH2 CH2 CH2 −、−CH2 CH(CH3 )CH2 −、−(CH2 )4 −、−(CH2 )2 CO−、−(CH2 )3 NHCO−、−(CH2 )3 NHCONHC6 H4 CO−または−(CH2 )3 OOCNHC6 H4 NHCO−などを挙げることができる。これらのうち、−CH2 CH2 −、−CH2 CH2 CH2 −、−CH2 CH(CH3 )CH2 −などのアルキレン基が好ましく、−CH2 CH(CH3 )CH2 −が最も好ましい。
上記一般式(1)において、R2 は、互いに独立して、水素原子、水酸基、置換または無置換の1価の炭化水素基、アルコキシ基、あるいは式:−Y1 −O−(C2 H4 O)b1(C3 H6 O)b2−Y2 (Y2 は、水素原子または置換もしくは無置換の1価の炭化水素基を示し、Y1 は、上記の定義のとおりである。)で表される基である。
R2 で表される置換または無置換の1価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、アミノプロピル基、グリシドキシプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基およびドデシル基のような、炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基およびオクテニル基のような、炭素数2〜8、好ましくは炭素数2〜6のアルケニル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基およびシクロヘキシル基のような、炭素数3〜8、好ましくは5〜7のシクロアルキル基;トリフルオロプロピル基、パーフルオロオクチルエチル基、クロロプロピル基およびペンタクロロオクチル基のような炭素数1〜8、好ましくは1〜6のハロゲン化アルキル基;アセチル基、プロピオニル基、ペンタノイル基およびオクタノイル基のような炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜7の脂肪族アシル基;ベンゾイル基およびベンジルカルボニル基のような炭素数7〜15、好ましくは炭素数7〜11の芳香族アシル基;フェニル基、トリル基、キシリル基およびナフチル基のような炭素数6〜14、好ましくは炭素数6〜10のアリール基;並びにベンジル基およびフェネチル基のような炭素数7〜15、好ましくは7〜11のアラルキル基などを挙げることができる。これらのうち、メチル基およびフェニル基が好ましい。
式:−Y1 −O−(C2 H4 O)b1(C3 H6 O)b2−Y2 で表される基(R2 を構成する基)において、Y2 は、水素原子または置換もしくは無置換の1価の炭化水素基を示す。Y2 で表される置換または無置換の1価の炭化水素基としては、上記のR2 で表されるものとして例示した基と同様の基を挙げることができる。
Y2 で表される好適な基としては、−CH=CH2 、−CH2 CH=CH2 、−CH2 C(CH3 )=CH2 、−(CH2 )2 −CH=CH2 などのアルケニル基、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基およびアセチル基を挙げることができる。
上記一般式(1)において、aは、1以上の整数であり、好ましくは140〜1350の整数、更に好ましくは160〜400の整数である。
b1は、1以上の整数であり、好ましくは3〜220の整数、更に好ましくは7〜60の整数である。
b2は、0または1以上の整数であり、好ましくは0〜170の整数、更に好ましくは0〜50の整数である。
cは、1以上の整数であり、好ましくは5〜50の整数、更に好ましくは10〜50の整数である。
式:−(SiR1 2 O)a SiR1 2 −で表されるオルガノポリシロキサンブロックの平均分子量は、通常10,500以上とされ、好ましくは10,500〜100,000、さらに好ましくは12,000〜30,000とされる。
オルガノポリシロキサンブロックの平均分子量が10,500未満のブロック共重合体は、ベースオイル(A)との相溶性が低いため、そのようなブロック共重合体を含有するストレート油剤によっては、繊維糸状物に対して適度な平滑性や膠着防止性を十分に付与することができない(例えば、下記の比較例1,3,4,6参照)。
ブロック共重合体(B)におけるオルガノポリシロキサンブロック(全量)の構成割合としては、通常50〜99質量%とされ、好ましくは70〜99質量%、さらに好ましくは90〜99質量%とされる。
オルガノポリシロキサンブロック構成割合が50質量%未満のブロック共重合体を含有するストレート油剤によっては、繊維糸状物に対して、適度な平滑性や耐熱性を十分に付与することができず、また、そのようなストレート油剤は、保存安定性にも劣る。一方、この構成割合が99質量%を超えるブロック共重合体を含有するストレート油剤によっては、繊維糸状物に対して、帯電防止性および膠着防止性を十分に付与することができない。
式:−(C2 H4 O)b1(C3 H6 O)b2−で表されるポリオキシアルキレンブロックの平均分子量は、通常130〜10,000とされ、好ましくは310〜5,000、更に好ましくは440〜3,000とされる。
ポリオキシアルキレンブロックの平均分子量が130未満のブロック共重合体を含有するストレート油剤によっては、繊維糸状物に対して、帯電防止性および膠着防止性を十分に付与することができない。一方、この平均分子量が10,000を超えるブロック共重合体を含有するストレート油剤によっては、繊維糸状物に対して、適度な平滑性や耐熱性を十分に付与することができず、また、そのようなストレート油剤は、保存安定性にも劣る。
ブロック共重合体(B)を構成するポリオキシアルキレンブロックにおいて、オキシエチレン基(−C2 H4 O−)およびオキシプロピレン基(−C3 H6 O−)は、ランダムに結合されていてもよいし、ブロック状に結合されていてもよい。
好適なポリオキシアルキレンブロックを示す上記式において、繰り返し数(b1/b2)としては、(3〜220/0〜170)であることが好ましく、更に好ましくは(7〜60/0〜50)、特に好ましくは(10〜35/0〜35)とされる。
ブロック共重合体(B)の平均分子量は、通常50,000以上とされ、好ましくは100,000〜2,000,000、さらに好ましくは150,000〜1,000,000とされる。
平均分子量が50,000未満のブロック共重合体を含有するストレート油剤によっては、繊維糸状物に対して、適度な平滑性や膠着防止性を十分に付与することができない(例えば、下記の比較例1,3,4,6参照)。
本発明のストレート油剤におけるブロック共重合体(B)の含有割合としては、ベースオイル(A)100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、さらに好ましくは0.3〜10質量部とされる。
ブロック共重合体(B)の含有割合が過小である場合には、本発明の目的を十分に達成することができない。一方、この含有割合が過大である場合には、当該ブロック共重合体(B)の溶解性が低下し、油剤としての安定性が損なわれる。
本発明のストレート油剤には、その効果を損なわない範囲内において、各種の任意成分が含有されていてもよい。かかる任意成分としては、膠着防止剤、相溶化剤(均一化剤)、帯電防止剤、燃焼抑制剤、着色剤、滑剤、撥水剤、柔軟剤、風合改良剤、耐性プレスレジン、酸化防止剤などの慣用の添加剤を挙げることができる。
任意成分として使用可能な「膠着防止剤」としては、例えば鉱物性固体微粒子、金属石鹸、ポリエチレンワックスなどの常温固体ワックス類、変性シリコーンオイルおよびシリコーンレジンが挙げられる。鉱物性固体微粒子としては、タルク、シリカおよびコロイダルアルミナが例示される。金属石鹸としては、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどが一般的に使用され、これらのうち、ステアリン酸マグネシウムは、膠着防止および平滑性の付与効果に特に優れるため好ましい。変性シリコーンオイル類としては、アルキル変性シロキサンレジン、アミノ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン類、ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイルなどが例示される。膠着防止剤の含有量としては、油剤としての安定性、スカム、膠着防止性の付与などの関係から、ベースオイル(A)100質量部に対して5質量部以下であることが好ましい。
任意成分である「相溶化剤(均一化剤)」は、ベースオイル(A)の種類、ブロック共重合体(B)の種類および配合量、他の任意成分の種類および配合量などに応じて使用される。かかる相溶化剤としては、ヘキサデシルアルコール、オクタデシルアルコールなどのアルコール類;ジオクチルセバケート、ジラウリルフタレート、イソオクチルステアレート、イソプロピルミリステートなどのエステル類が挙げられる。相溶化剤の含有量としては、ストレート油剤全量の20質量%未満であることが好ましく、更に好ましくは5質量%未満とされる。
本発明のストレート油剤により処理される繊維糸状物の素材(繊維)としては、羊毛、絹、麻、木綿、アンゴラ、モヘアのような天然繊維;レーヨン、ベンベルグのような再生繊維;アセテートのような半合成繊維;ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ビニロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン弾性繊維(スパンデックス)のような合成繊維を挙げることができる。
本発明のストレート油剤は、ポリウレタン弾性繊維からなる繊維糸状物の処理剤として特に好適である。そのような用途に使用する場合において、後加工工程における他の性能、例えば、編み針などでのスカムの防止、トリコットでの経筋防止などを補助するために他の変性シリコーンを併用してもよい。このような変性シリコーンの例としては、アミノ変性シリコーン、変性シリコーンレジンなどが挙げられる。
本発明のストレート油剤は、合成繊維の紡糸工程においては、紡糸された繊維糸状物が巻き取られるまでの任意の位置で、ローラ給油法やノズル給油法により、当該繊維糸状物に対して付着させることができ、ポリウレタン弾性繊維の紡糸工程にあっては、紡糸口から吐出された繊維糸状物が巻き取られるまでの間に、当該繊維糸状物をオイリングローラに接触させる方法、定量的に油剤を吐出するノズルを使用して当該繊維糸状物に付着させる方法などが好適に用いられる。また、本発明のストレート油剤で繊維糸状物を処理する他の方法として、本発明のストレート油剤を収容する処理浴中に繊維糸状物を浸漬した後、過剰量の油剤をローラで絞る方法、繊維糸状物を走行させてピックアップローラに接触させる方法、スプレーを使用して繊維糸状物に付着させる方法などを挙げることができる。
本発明のストレート油剤の付着量としては、繊維糸状物100質量部に対して、通常0.05〜10質量部とされ、好ましくは0.5〜6質量部とされる。本発明のストレート油剤により処理されたポリウレタン繊維からなる繊維糸状物は、紡糸直後であっても適度な平滑性(繊維/繊維間および繊維/金属間の平滑性)を有し、かつ、経時後でも良好な膠着防止性を有している。さらに、チーズ使用時は、綾崩れなども生じないので安定な操業性を得ることができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
以下の実施例で使用するブロック共重合体(B)として、下記のブロック共重合体(B−1)乃至(B−4)を用意した。
〔ブロック共重合体(B−1)〕
上記一般式(1)で示されるブロック共重合体。
〔但し、一般式(1)中、R1 は、メチル基;
Y1 は、式:−CH2 CH(CH3 )CH2 −で表される基;
R2 は、式:−CH2 CH(CH3 )CH2 −O−(C2 H4 O)14−CH2 C(CH3 )=CH2 で表される基;
aは199;
b1は14;
b2は0;
cは13;
オルガノポリシロキサンブロックの平均分子量は14,900であり、オルガノポリシロキサンブロックは、このブロック共重合体(B−1)の95.7質量%を構成し;
ポリオキシアルキレンブロックの平均分子量は610であり;
このブロック共重合体(B−1)の平均分子量は218,000である。〕
〔ブロック共重合体(B−2)〕
上記一般式(1)で示されるブロック共重合体。
〔但し、一般式(1)中、R1 は、メチル基;
Y1 は、式:−CH2 CH(CH3 )CH2 −で表される基;
R2 は、式:−CH2 CH(CH3 )CH2 −O−(C2 H4 O)23(C3 H6 O)6 −CH2 C(CH3 )=CH2 で表される基;
aは160;
b1は23;
b2は6;
cは7;
オルガノポリシロキサンブロックの平均分子量は12,000であり、オルガノポリシロキサンブロックは、このブロック共重合体(B−2)の88.7質量%を構成し;
ポリオキシアルキレンブロックの平均分子量は1,360であり;
このブロック共重合体(B−2)の平均分子量は109,000である。〕
〔ブロック共重合体(B−3)〕
上記一般式(1)で示されるブロック共重合体。
〔但し、一般式(1)中、R1 は、メチル基;
Y1 は、式:−CH2 CH(CH3 )CH2 −で表される基;
R2 は、式:−CH2 CH(CH3 )CH2 −O−(C2 H4 O)20(C3 H6 O)35−CH2 C(CH3 )=CH2 で表される基;
aは141;
b1は20;
b2は35;
cは24;
オルガノポリシロキサンブロックの平均分子量は10,600であり、オルガノポリシロキサンブロックは、このブロック共重合体(B−3)の77.8質量%を構成し;
ポリオキシアルキレンブロックの平均分子量は2,900であり;
このブロック共重合体(B−3)の平均分子量は343,000である。〕
〔ブロック共重合体(B−4)〕
上記一般式(1)で示されるブロック共重合体。
〔但し、一般式(1)中、R1 は、メチル基;
Y1 は、式:−CH2 CH(CH3 )CH2 −で表される基;
R2 は、式:−CH2 CH(CH3 )CH2 −O−(C2 H4 O)46(C3 H6 O)15−CH2 C(CH3 )=CH2 で表される基;
aは385;
b1は46;
b2は15;
cは29;
オルガノポリシロキサンブロックの平均分子量は28,500であり、オルガノポリシロキサンブロックは、このブロック共重合体(B−4)の90.7質量%を構成し;
ポリオキシアルキレンブロックの平均分子量は2,900であり;
このブロック共重合体(B−4)の平均分子量は949,000である。〕
ブロック共重合体(B)に代えて以下の比較例で使用する変性シリコーンとして、下記の変性シリコーン(b−1)乃至(b−3)を用意した。
〔変性シリコーン(b−1)〕
下記化学式(1)で示される直鎖状変性シリコーン(ポリオキシアルキレン−ジメチルポリシロキサン交互ブロック共重合体)。
〔ブロック共重合体(B−1)〕
上記一般式(1)で示されるブロック共重合体。
〔但し、一般式(1)中、R1 は、メチル基;
Y1 は、式:−CH2 CH(CH3 )CH2 −で表される基;
R2 は、式:−CH2 CH(CH3 )CH2 −O−(C2 H4 O)14−CH2 C(CH3 )=CH2 で表される基;
aは199;
b1は14;
b2は0;
cは13;
オルガノポリシロキサンブロックの平均分子量は14,900であり、オルガノポリシロキサンブロックは、このブロック共重合体(B−1)の95.7質量%を構成し;
ポリオキシアルキレンブロックの平均分子量は610であり;
このブロック共重合体(B−1)の平均分子量は218,000である。〕
〔ブロック共重合体(B−2)〕
上記一般式(1)で示されるブロック共重合体。
〔但し、一般式(1)中、R1 は、メチル基;
Y1 は、式:−CH2 CH(CH3 )CH2 −で表される基;
R2 は、式:−CH2 CH(CH3 )CH2 −O−(C2 H4 O)23(C3 H6 O)6 −CH2 C(CH3 )=CH2 で表される基;
aは160;
b1は23;
b2は6;
cは7;
オルガノポリシロキサンブロックの平均分子量は12,000であり、オルガノポリシロキサンブロックは、このブロック共重合体(B−2)の88.7質量%を構成し;
ポリオキシアルキレンブロックの平均分子量は1,360であり;
このブロック共重合体(B−2)の平均分子量は109,000である。〕
〔ブロック共重合体(B−3)〕
上記一般式(1)で示されるブロック共重合体。
〔但し、一般式(1)中、R1 は、メチル基;
Y1 は、式:−CH2 CH(CH3 )CH2 −で表される基;
R2 は、式:−CH2 CH(CH3 )CH2 −O−(C2 H4 O)20(C3 H6 O)35−CH2 C(CH3 )=CH2 で表される基;
aは141;
b1は20;
b2は35;
cは24;
オルガノポリシロキサンブロックの平均分子量は10,600であり、オルガノポリシロキサンブロックは、このブロック共重合体(B−3)の77.8質量%を構成し;
ポリオキシアルキレンブロックの平均分子量は2,900であり;
このブロック共重合体(B−3)の平均分子量は343,000である。〕
〔ブロック共重合体(B−4)〕
上記一般式(1)で示されるブロック共重合体。
〔但し、一般式(1)中、R1 は、メチル基;
Y1 は、式:−CH2 CH(CH3 )CH2 −で表される基;
R2 は、式:−CH2 CH(CH3 )CH2 −O−(C2 H4 O)46(C3 H6 O)15−CH2 C(CH3 )=CH2 で表される基;
aは385;
b1は46;
b2は15;
cは29;
オルガノポリシロキサンブロックの平均分子量は28,500であり、オルガノポリシロキサンブロックは、このブロック共重合体(B−4)の90.7質量%を構成し;
ポリオキシアルキレンブロックの平均分子量は2,900であり;
このブロック共重合体(B−4)の平均分子量は949,000である。〕
ブロック共重合体(B)に代えて以下の比較例で使用する変性シリコーンとして、下記の変性シリコーン(b−1)乃至(b−3)を用意した。
〔変性シリコーン(b−1)〕
下記化学式(1)で示される直鎖状変性シリコーン(ポリオキシアルキレン−ジメチルポリシロキサン交互ブロック共重合体)。
変性シリコーン(b−1)において、オルガノポリシロキサンブロックの平均分子量は1,538(10,500未満)であり、このオルガノポリシロキサンブロックは、変性シリコーン(b−1)の53.4質量%を構成し;ポリオキシアルキレンブロックの平均分子量は1,020であり;変性シリコーン(b−1)の平均分子量は17,266(50,000未満)である。
〔変性シリコーン(b−2)〕
下記化学式(2)で示される、主鎖から分岐したポリオキシアルキレン基を有する変性シリコーン。
〔変性シリコーン(b−2)〕
下記化学式(2)で示される、主鎖から分岐したポリオキシアルキレン基を有する変性シリコーン。
変性シリコーン(b−2)の粘度(30℃)は、2,000mm2 /sであり、変性シリコーン(b−2)の平均分子量は16,770である。
〔変性シリコーン(b−3)〕
下記化学式(3)で示される、ポリシロキサンブロックにより両末端が封鎖された直鎖状変性シリコーン(ポリオキシアルキレン−ジメチルポリシロキサン交互ブロック共重合体)。
〔変性シリコーン(b−3)〕
下記化学式(3)で示される、ポリシロキサンブロックにより両末端が封鎖された直鎖状変性シリコーン(ポリオキシアルキレン−ジメチルポリシロキサン交互ブロック共重合体)。
変性シリコーン(b−3)において、オルガノポリシロキサンブロックの平均分子量は3,092(10,500未満)であり、このオルガノポリシロキサンブロックは、変性シリコーン(b−3)の85.9質量%を構成し;ポリオキシアルキレンブロックの平均分子量は616であり;変性シリコーン(b−3)の平均分子量は10,794(50,000未満)である。
<実施例1〜5および比較例1〜6>
下記表1に示す配合処方(配合量の単位は「質量部」である)に従って、各成分を常法により混合することにより、本発明のストレート油剤および比較用のストレート油剤を調製した。
<実施例1〜5および比較例1〜6>
下記表1に示す配合処方(配合量の単位は「質量部」である)に従って、各成分を常法により混合することにより、本発明のストレート油剤および比較用のストレート油剤を調製した。
*1)ジメチルポリシロキサン:粘度(25℃)=10mm2 /s
*2)鉱物油:粘度(30℃)=13mm2 /s
上記の実施例1〜5および比較例1〜6により得られたストレート油剤の各々を使用して繊維糸状物を処理し、処理された繊維糸状物の各々について、平滑性(潤滑性)、帯電防止性および膠着防止性を評価した。
〔平滑性〕
(i)繊維糸状物の処理:
市販のポリウレタン弾性糸(14de)を、n−ヘキサンを溶剤とする超音波洗浄法で連続脱脂することによりノーオイル糸を作製した。次いで、ローラ給油法により、このノーオイル糸に対して約5質量%となる割合でストレート油剤の各々を付着させた。
(ii)平滑性の評価:
上記の処理が施されたポリウレタン弾性糸の各々を摩擦体(繊維/艶消Cr/セラミックス)に直角に掛け、当該弾性糸の一端に荷重(TI=7g)を吊るすとともにその他端をUゲージに固定し、このUゲージを30mm/分の速度で走行させて、当該弾性糸と摩擦体との間に生じた摩擦力(μs)およびスティック・スリップ(R)を測定した。測定結果を下記の表2に示す。なお、「繊維/繊維間」の摩擦力およびスティック・スリップを測定する際に使用した摩擦体(繊維)は、評価されるべきポリウレタン弾性糸と同一の処理(同じ実施例または比較例による処理)が施されたものである。
*2)鉱物油:粘度(30℃)=13mm2 /s
上記の実施例1〜5および比較例1〜6により得られたストレート油剤の各々を使用して繊維糸状物を処理し、処理された繊維糸状物の各々について、平滑性(潤滑性)、帯電防止性および膠着防止性を評価した。
〔平滑性〕
(i)繊維糸状物の処理:
市販のポリウレタン弾性糸(14de)を、n−ヘキサンを溶剤とする超音波洗浄法で連続脱脂することによりノーオイル糸を作製した。次いで、ローラ給油法により、このノーオイル糸に対して約5質量%となる割合でストレート油剤の各々を付着させた。
(ii)平滑性の評価:
上記の処理が施されたポリウレタン弾性糸の各々を摩擦体(繊維/艶消Cr/セラミックス)に直角に掛け、当該弾性糸の一端に荷重(TI=7g)を吊るすとともにその他端をUゲージに固定し、このUゲージを30mm/分の速度で走行させて、当該弾性糸と摩擦体との間に生じた摩擦力(μs)およびスティック・スリップ(R)を測定した。測定結果を下記の表2に示す。なお、「繊維/繊維間」の摩擦力およびスティック・スリップを測定する際に使用した摩擦体(繊維)は、評価されるべきポリウレタン弾性糸と同一の処理(同じ実施例または比較例による処理)が施されたものである。
〔帯電防止性〕
(i)繊維糸状物の処理:
浸漬給油法により、ポリエステルステープル(1.5d,38mm)に対して0.15質量%となる割合でストレート油剤の各々を付着させ、次いで、温度20℃、相対湿度40%または80%の条件で一昼夜エージングして平衡水分量にした。
(ii)帯電防止性の評価:
小型フラットカードを使用して、下記の条件でカード試験を行った。試験結果を下記の表3に示す。
(カード試験条件)
・試験環境条件:温度20℃,相対湿度40%。
(i)繊維糸状物の処理:
浸漬給油法により、ポリエステルステープル(1.5d,38mm)に対して0.15質量%となる割合でストレート油剤の各々を付着させ、次いで、温度20℃、相対湿度40%または80%の条件で一昼夜エージングして平衡水分量にした。
(ii)帯電防止性の評価:
小型フラットカードを使用して、下記の条件でカード試験を行った。試験結果を下記の表3に示す。
(カード試験条件)
・試験環境条件:温度20℃,相対湿度40%。
・紡出速度:7m/分
・綿量30gを紡出し、ウエッブの発生帯電量(発生帯電圧)、通過時間、シリンダー巻きつき幅を測定した。ここに、「発生帯電量(発生帯電圧)」は、集電式電位差測定器を用いて測定し、「シリンダー巻きつき幅」は、綿量30gを紡出したときのシリンダーへの巻きつき幅を測定した。
・綿量30gを紡出し、ウエッブの発生帯電量(発生帯電圧)、通過時間、シリンダー巻きつき幅を測定した。ここに、「発生帯電量(発生帯電圧)」は、集電式電位差測定器を用いて測定し、「シリンダー巻きつき幅」は、綿量30gを紡出したときのシリンダーへの巻きつき幅を測定した。
〔膠着防止性〕
(i)繊維糸状物の処理:
市販のポリウレタン弾性糸(140de)を、n−ヘキサンを溶剤とする超音波洗浄法で連続脱脂することによりノーオイル糸を作製した。次いで、ローラ給油法により、このノーオイル糸に対して約5質量%となる割合でストレート油剤の各々を付着させた。
(ii)膠着防止性の評価:
上記の処理が施された直後のポリウレタン弾性糸、および処理後60℃で7日間放置したポリウレタン弾性糸のそれぞれについて、下記の方法によって解舒速度比を測定することにより膠着防止性の代用評価を行った。結果を下記表4に示す。
(解舒速度比の測定)
図1に示すような解舒速度比測定機の解舒側に紡糸チーズ1をセットし、巻取り側に紙管2をセットする。巻取り速度を一定の速度(V)に維持した状態で、ローラ3およびローラ4を同時に起動させる。この状態では糸5に対する張力は殆どかからないため、糸5はチーズ1上で膠着して離れにくくなり、解舒点は図1に示す符号6の位置にある。解舒速度を変えることによって、チーズ1からの糸5の解舒点が変わるので、この解舒点が、チーズ1とローラ3との接点7と一致するような解舒速度(v)に設定する。解舒速度比は、式:解舒速度比(%)=〔(V−v)/v〕×100により求めることができ、解舒速度比の値が小さいほど、解舒性(膠着防止性)がよいといえる。
(i)繊維糸状物の処理:
市販のポリウレタン弾性糸(140de)を、n−ヘキサンを溶剤とする超音波洗浄法で連続脱脂することによりノーオイル糸を作製した。次いで、ローラ給油法により、このノーオイル糸に対して約5質量%となる割合でストレート油剤の各々を付着させた。
(ii)膠着防止性の評価:
上記の処理が施された直後のポリウレタン弾性糸、および処理後60℃で7日間放置したポリウレタン弾性糸のそれぞれについて、下記の方法によって解舒速度比を測定することにより膠着防止性の代用評価を行った。結果を下記表4に示す。
(解舒速度比の測定)
図1に示すような解舒速度比測定機の解舒側に紡糸チーズ1をセットし、巻取り側に紙管2をセットする。巻取り速度を一定の速度(V)に維持した状態で、ローラ3およびローラ4を同時に起動させる。この状態では糸5に対する張力は殆どかからないため、糸5はチーズ1上で膠着して離れにくくなり、解舒点は図1に示す符号6の位置にある。解舒速度を変えることによって、チーズ1からの糸5の解舒点が変わるので、この解舒点が、チーズ1とローラ3との接点7と一致するような解舒速度(v)に設定する。解舒速度比は、式:解舒速度比(%)=〔(V−v)/v〕×100により求めることができ、解舒速度比の値が小さいほど、解舒性(膠着防止性)がよいといえる。
上記の実施例1〜5および比較例1〜6により得られたストレート油剤の各々について、調製直後の状態を目視により観察し、下記の基準に基づいて評価した。また、これらのストレート油剤の各々を、下記表5に示す低温環境(−5℃)および高温環境(60℃)に7日間放置した後、同様の観察を行って油剤としての保存安定性を評価した。さらに、実施例1〜5および比較例1〜6により得られたストレート油剤の各々を135℃の環境下に1時間放置することにより、油剤としての耐熱性を評価した。ここに、耐熱性に優れた油剤によれば、繊維糸状物に対して良好な耐熱性を付与することができるといえる。以上の結果を下記表5に示す。
〔油剤の状態の評価基準〕
「○」:透明
「△」:少し濁りあり
「×」:強い濁りあり
「××」:内容物が分離している
〔油剤の状態の評価基準〕
「○」:透明
「△」:少し濁りあり
「×」:強い濁りあり
「××」:内容物が分離している
本発明のストレート油剤は、天然繊維、再生繊維、半合成繊維または合成繊維からなる繊維糸状物の処理剤として好適であり、特に、ポリウレタン弾性繊維からなる繊維糸状物の処理剤として好適である。本発明のストレート油剤により処理された繊維糸状物には、適度な平滑性、帯電防止性および膠着防止性が付与され、当該繊維糸状物は、種々の繊維産業に利用することができる。
1 紡糸チーズ
2 紙管
3 ローラ
4 ローラ
5 糸
6 解舒点
7 チーズとローラとの接点
2 紙管
3 ローラ
4 ローラ
5 糸
6 解舒点
7 チーズとローラとの接点
Claims (3)
- (A)ジオルガノポリシロキサンおよび鉱物油から選択された少なくとも1種からなるベースオイルと;
(B)下記一般式(1)で示されるポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン交互ブロック共重合体とを含有する繊維糸状物処理用のストレート油剤。
Y1 は、2価の有機基を表し、
R2 は、互いに独立して、水素原子、水酸基、置換または無置換の1価の炭化水素基、アルコキシ基、あるいは式:−Y1 −O−(C2 H4 O)b1(C3 H6 O)b2−Y2 (Y2 は、水素原子または置換もしくは無置換の1価の炭化水素基を示す。)で表される基であり、
aは、1以上の整数、
b1は、1以上の整数、
b2は、0または1以上の整数、
cは、1以上の整数である。
式:−(SiR1 2 O)a SiR1 2 −で表されるオルガノポリシロキサンブロックの平均分子量は10,500以上であり、
オルガノポリシロキサンブロックは、このブロック共重合体の50〜99質量%を構成し、
式:−(C2 H4 O)b1(C3 H6 O)b2−で表されるポリオキシアルキレンブロックの平均分子量は130〜10,000であり、
このブロック共重合体の平均分子量は50,000以上である。〕 - 前記ベースオイル100質量部に対して、前記ポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン交互ブロック共重合体を0.1〜20質量部の割合で含有する請求項1に記載のストレート油剤。
- 前記ベースオイルが、粘度3〜100mm2 /s(25℃)のジメチルポリシロキサンからなる請求項1または請求項2に記載のストレート油剤。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003291694A JP2005060876A (ja) | 2003-08-11 | 2003-08-11 | 繊維糸状物処理用のストレート油剤 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012102456A (ja) * | 2012-02-15 | 2012-05-31 | Gunze Ltd | 羽毛入り繊維製品用ミシン糸 |
CN102864638A (zh) * | 2009-11-30 | 2013-01-09 | 郡是株式会社 | 内填羽毛纤维制品用缝纫线 |
KR20170132306A (ko) | 2015-04-14 | 2017-12-01 | 다우 코닝 도레이 캄파니 리미티드 | 폴리에테르-폴리실록산 블록 공중합체 조성물, 이를 포함하는 계면활성제, 정포제, 폴리우레탄 발포체 형성 조성물, 화장료 및 이의 제조 방법 |
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-
2003
- 2003-08-11 JP JP2003291694A patent/JP2005060876A/ja active Pending
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CN102864638B (zh) * | 2009-11-30 | 2014-10-22 | 郡是株式会社 | 内填羽毛纤维制品用缝纫线 |
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KR20170132306A (ko) | 2015-04-14 | 2017-12-01 | 다우 코닝 도레이 캄파니 리미티드 | 폴리에테르-폴리실록산 블록 공중합체 조성물, 이를 포함하는 계면활성제, 정포제, 폴리우레탄 발포체 형성 조성물, 화장료 및 이의 제조 방법 |
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