JP2004529657A

JP2004529657A - 調理済食品用の急速に分解するフレイバー付きフィルム

Info

Publication number: JP2004529657A
Application number: JP2003504770A
Authority: JP
Inventors: ホースト，ジー．ゼアビ，; ファディアアル−ザリル，
Original assignee: ホースト，ジー．ゼアビ，; ファディアアル−ザリル，
Priority date: 2001-06-19
Filing date: 2002-06-19
Publication date: 2004-09-30
Also published as: CA2449862A1; WO2002102173A3; WO2002102173A2; US7132113B2; CN1527725A; US20030053962A1; AU2002320112A1; EP1416967A2; EP1416967A4; US20030044511A1; US6660292B2; KR20040026666A

Abstract

食品（ハンバーガー、チキン、およびピザのような調理済食品を含む）上で急速かつ完全に分解する改善された急速分解フレイバー付きフィルムは、ヒドロキシプロピルセルロース、化工デンプンおよびフレイバー成分を含む。従来公知のフレイバー付きフィルムは通常調理済食品上では完全には溶解しないのに対して、本発明のフレイバー付きフィルムは、１分未満そしてしばしば３０秒未満で、調理済食品上で完全に分解する。本発明のフレイバー付きフィルムは、所望のレベルで食品に対して均一かつ再現可能にフレイバーを付けることができるために有利に使用され得る。

Description

【技術分野】
【０００１】
発明の分野
本発明は、一般的に食品添加物分野、特に食品に使用するための、フレイバー付きフィルム（flavored films）に関する。
【背景技術】
【０００２】
発明の背景
食品にフレイバーを付けるための慣用的な方法としては、直接食品上に、粉末化フレイバリング成分（例えば、スパイス）または液体フレイバリング成分（例えば、フレイバーオイル）をふりかける方法が挙げられる。この方法は、特にファーストサービス外食産業において使用される場合に、いくつかの欠点を有する。１つの欠点は、食品の表面上にフレイバリング成分を均一に分散させることが困難であることである。液体または粉末化フレイバリング成分を食品（例えば、ハンバーガーパティ（patty）またはカットされた食肉）上にふりかけた場合、食品の１つの領域に過度にフレイバーが付く一方、別の領域にはフレイバーが不十分にしか付かないことは、珍しいことではない。
【０００３】
食品上に粉末化または液体フレイバリング成分をふりかけることに伴う別の欠点は、フレイバリングの量が食品ごとに異なり得ることである。特にファーストサービス外食産業において、消費者は特別、製品の均一性を期待するようになっているので、上記のことは望ましくないことである。消費者は、特定のメニュー商品が、全国的または地域的なレストランチェーン内の全てのレストランで、毎回、同じ味を備えていることを期待している。このような味の一貫性は、食品調理者に食品上にフレイバリング成分をふりかかさせることによっては達成され得ず、食品調理者自身の直感、経験および技能によってのみ導かれる。
【０００４】
食品上にフレイバー成分をふりかけることに伴う別の欠点は、特に、一つの食品に均一にフレイバーを分散させること、および／または、各食品に一貫した量のフレイバリングを与えることに注意を払おうとする場合には、非常に時間がかかってしまうことである。
【０００５】
フレイバリング成分はまた、チョーキングガン（chalking gun）と類似した器具、またはヘラ、ナイフまたは同様の道具を使用して食品に塗布できるようにペースト状に調製されている。これによって、食品調理者は、フレイバー成分が食品表面上に均等に分配されたかどうかをより容易に知ることが可能となる。しかし、フレイバー付けされたペーストの使用は、所定量のフレイバー成分が食品に添加されていることを保証するものではなく、従って、製品の均一性は確保されない。更に、ペーストの塗布は、粉末化または液体フレイバー成分を食品上にふりかける場合と同等またはそれ以上の時間がかかると思われる。
【０００６】
クィックサービスレストラン（Quick-service restaurants）（ＱＳＲs）は、自らの製品のフレイバーを特注生産することによって、ブランド識別を達成することを望んでいる。通常、消費者は、食品素材（例えば、ハンバーガーパティ、鶏肉）のみの味によって、異なるレストランまたはレストランチェーンに由来する製品を見分けることはできない。従って、独自のフレイバー成分を食品素材（food substrate）に添加または補充することによって、独自のブランド識別フレイバーを食品に付与することが好ましい。しかし、一貫した基準で各食品素材に適切なレベルで補足フレイバリングを与えるためには、過度の注意が必要とされる。特にＱＳＲsでのピーク需要時間の間に、食品が調理されなければならないという急速性に起因して、慣用的なフレイバリング技術を使用して、所望の独自のブランド識別フレイバーを与えることが必要とされる食品素材に、正確な量の補足フレイバリングを供給することは、非常に困難である。従って、特にＱＳＲビジネスにおいては、調理済食品素材に、正確に所定量の補足フレイバーを容易にかつ安価に供給し得るフレイバリング装置および方法が必要である。
【０００７】
米国特許出願第09/306,262は、所望のフレイバーを付与するために、食品上に配置され得るフレイバー付きのポリマーフィルムについて説明している。このフレイバー付きフィルムは、好ましくは食品の形状およびサイズと一致した予め成形された形状およびサイズで提供されるため、食品表面上に所定量のフレイバリング成分を均一に分散させることを確実にする。また、この予め測定され、予め形成されたフレイバリングフィルムは、利便よく、当該フレイバリングフィルムを食品に容易かつ速やかに供与することを助ける、解離コーティングを有する担体の上に備えられてもよい。
【０００８】
公知のフレイバー付きフィルムは、１またはそれ以上の水溶性ポリマー、１またはそれ以上の水不溶性・水膨張性ポリマー、１またはそれ以上の界面活性剤、および天然もしくは人工フレイバーを含む。食品表面上に配置されると、そのフレイバー付きフィルムは所定速度で分解し、それによってフレイバー成分を食品に放出する。しかし、食品が生または冷凍でなく、調理されている（precooked）場合は、そのフィルムは急速には分解しないかもしれない。ファーストサービスレストランにおいて通常使用される調理方法（例えば、あぶり焼き、二枚貝調理など）の条件下で、食品の表面は、調理または焼き工程の完了後、部分的に焦げている場合がある。これは、食品へのフィルムの親和性を変化させ、そしてフィルムは、生で未調理の食品の場合と同様に、容易には調理済食品の表面に適合しない。
【０００９】
調理過程の間の食品の温度に依存して、水分は蒸発して、食品表面は乾燥する。食品表面の水分不足は、フレイバー付きフィルムの初期水和に悪影響を与える。従って、フィルムの水和に利用可能である食品素材表面の残存水分および調理過程の間に食肉が焦げた程度に依存して、フィルムの水和および引き続いて生じるフィルムの分解は、遅くなるかまたは不完全にもなり得、この場合はフィルムの溶解していないかまたは分解していない残渣が、食品上に残存する。フレイバー付きフィルムの不完全な分解は、消費者が不快感を感じる食感を食品にもたらすため、非常に望ましくない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
従って、特に調理済食品上において、より急速に分解するフレイバー付きフィルムが必要である。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
発明の要旨
本発明者らは、従来公知のフレイバー付きフィルムにおいて使用されるポリマーを、ヒドロキシプロピルセルロースおよび化工デンプンに置き換えることによって、従来公知のフレイバー付きフィルムよりも急速に分解するフレイバー付きフィルムを得ることができることを見いだした。より詳細には、本発明のフレイバー付きフィルムは、調理済食品（例えば、チキン、ピザまたはハンバーガー）上に配置されると１分未満で、そしてしばしば３０秒未満で完全に分解する。それに対して、一般的にポリビニルピロリドン（ポビドン）およびヒドロキシプロピルメチルセルロースから構成される従来公知のフレイバー付きフィルムは、上記と同じ調理済食品上に配置されてもしばしば完全には分解しない。
【００１２】
本発明は、所定量の、１またはそれ以上のフレイバリング成分を含有するフレイバー付きフィルムを提供する。当該製品は、調理済食品素材に、正確で所定量の補足的なフレイバー成分を容易かつ安価に供給することを促すものであり、それによって得られる食品は、潜在的にブランド識別させる所定の味を一貫して有する。
【００１３】
本発明の、これらおよび他の特徴、利点および主題は、以下の説明および特許請求の範囲を参照することによって、当業者に更に理解および認識されるだろう。
【００１４】
好ましい実施形態の説明
本発明は、食品素材（例えば、ハンバーガーパティ、チキンピース、またはピザ）上へ配置されると、熱および水分の影響下で分解し、それによって当該食品素材にフレイバーを放出する、急速に分解するフレイバー付きフィルムに関する。こうしたことは、食品素材が未調理のチキンピース、ピザまたはハンバーガーである場合は、公知のフレイバー付きフィルムによって達成されていた。しかし、素材が、生または冷凍の食品ではなく調理された（precooked）ハンバーガーである場合、フィルムは完全には分解しない。むしろ、フィルムの残渣が食品素材上に残存する。
【００１５】
驚くべきことに、ポリビニルアルコールおよび／またはヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリビニルピロリドンを、ヒドロキシプロピルセルロースおよび化工デンプンの組み合わせで置き換えることによって、デンプンは水への溶解性に乏しいか又は少なくとも完全には溶解しないにもかかわらず、調理済食品上に配置されるとフィルムの溶解性が改善されることが見出された。特に調理済食品上での本発明のフレイバー付きフィルムの改善された急速な分解性は、少なくとも部分的に、分解剤（disintegrant）としてのデンプンの優れた特性に起因していると考えられる。また、ポリビニルピロリドンとヒドロキシプロピルメチルセルロースとの組み合わせと比較して、ヒドロキシプロピルセルロースの改善された水溶解動力学が、フィルムの急速な分解性を改善していると予想される。
【００１６】
本発明の１つの局面によれば、調理済食品（例えば、ハンバーガー、チキン、ピザなど）にフレイバーを付けるために有用な、改善された、急速に分解するフレイバー付きフィルムは、ヒドロキシプロピルセルロースと化工デンプンとの混合物、フィルム形成剤、及びフレイバー成分からなるポリマーベースを含有する。
【００１７】
ヒドロキシプロピルセルロースは、ヒドロキシプロピル置換基を有するセルロースエーテルである。ヒドロキシプロピルセルロースはまた、非イオン性、水溶性、フィルム形成ポリマーである。フィルム中のポリマーベースの濃度は、特定の用途に必要とされるフレイバーオイルまたはフレイバーエマルジョンの量を保持し得るものであれば十分である。コーティング溶液中の固形分の総濃度は、５〜５０％の範囲である。コーティング溶液の粘度は、固形分濃度に従って増加する。
【００１８】
好都合なことに、ヒドロキシプロピルセルロースは、種々の分子量のものが市販されており、これらと水および他の成分とブレンドすることで所望の粘度のものを得ることができる。こうした粘度の調整は、水を蒸発させて所望のフレイバー付きフィルムを形成する前の、溶液の処理やその取り扱いの助けとなる。本発明のフレイバー付きフィルムの製造に使用することのできる市販のヒドロキシプロピルセルロース材料の例としては、Ｋｌｕｃｅｌ（登録商標）ＥＦおよびＫｌｕｃｅｌ（登録商標）ＧＦが挙げられ、これらは、ＡｑｕａｌｏｎＣｏｍｐａｎｙｏｆＨｅｒｃｕｌｅｓＩｎｃｏｒｐｏｒａｔｅｄによって販売されている。Ｋｌｕｃｅｌ（登録商標）ＥＦヒドロキシプロピルセルロースは、約８０，０００の重量平均分子量を有し、そしてＫｌｕｃｅｌ（登録商標）ＧＦは、約３００，０００の重量平均分子量を有する。
【００１９】
化工デンプンとしては、デンプン（例えば、コーンスターチ、ポテトスターチ、タピオカスターチ）から、アセチル化、ハロゲン化、加水分解（例えば、酸で）、または酵素作用によって、誘導されるいくつかの水溶性ポリマーが挙げられる。一般的に、酸化、エトキシオレート化（ethoxyolated）、カチオン性、親油性およびパール（pearl）スターチを含むがこれらに限定されることなく、任意のタイプの水溶性化工デンプンが使用できる。マルトデキストリンは、加水分解によって得られる化工デンプンの好ましい種類である。本発明のフレイバー付きフィルムの製造に使用され得る市販のマルトデキストリンとしては、ＧｒａｉｎＰｒｏｃｅｓｓｉｎｇＣｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ製の、Ｍａｌｔｒｉｎ（登録商標）Ｍ１００、Ｍａｌｔｒｉｎ（登録商標）Ｍ１８０、Ｍａｌｔｒｉｎ（登録商標）ＱＤＭ５５０、およびＭａｌｔｒｉｎ（登録商標）ＱＤＭ６００が挙げられる。本発明の急速に分解可能なフレイバー付きフィルムの製造に有利に使用され得る別の市販の化工デンプンは、Ｐｕｒｅ−Ｃｏｔｅ（登録商標）Ｂ７９２加工コーンスターチであり、これもまたＧｒａｉｎＰｒｏｃｅｓｓｉｎｇＣｏｒｐｏｒａｔｉｏｎから入手できる。
【００２０】
無水物を基準として、本発明のフレイバー付きフィルムは、通常、重量基準で、約２０％〜約７０％のヒドロキシプロピルセルロース、約５％〜約７％の化工デンプン、および約６０％までのフレイバー成分を含有する。当該フレイバー付きフィルムは、界面活性剤、湿潤化剤（wetting agents）、他のフィルム形成ポリマーおよび他の成分を含む、上記以外の成分を含有し得る。
【００２１】
調理済食品（例えば、ハンバーガーパティ、チキン、ピザなど）上に配置された際の、フィルムの分解時間は、フィルムの湿潤性および湾曲（tortuosity）を増加させることによって更に短縮され得るということがわかった。フィルムの湿潤性は、フィルム組成へ界面活性剤を添加することによって増加され得る。界面活性剤は、フィルムにおける水分の接触角を減少させる。使用され得る可食性の非イオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、およびポリオキシエチレンヒマシ油誘導体が挙げられる。使用され得る好適な市販の界面活性剤の例は、ポリソルベート８０である。これは、主として約２０モルのエチレンオキシドと縮合されたモノエステルからなる、ソルビトールのオレイン酸エステルとソルビトール無水物のオレイン酸エステルとの混合物である。ポリソルベート８０は、ＩＣＩＳｕｒｆａｃｔａｎｔｓよりＴｗｅｅｎ（登録商標）８０として販売されている。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのＨＬＢ値は、１０よりも大きいが、２０を超えない。界面活性剤の配合が非常に有益であることが確認された。多くの場合において、化工デンプン、ヒドロキシプロピルセルロースおよび界面活性剤を含むフレイバー付きフィルムは、調理されたハンバーガーの肉上において１５秒未満で分解する。
【００２２】
デンプンは初期湾曲レベル（initial tortuosity level）をフィルムに与えるが、さらにフレイバー付きフィルムの湾曲は、水溶性成分（例えば、ソルビトール）、ゲル形成剤（gel-former）（例えば、二酸化珪素）、または水と混和性の液体（例えば、プロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコールソルビタンオレエート）などを添加することによって、所望のレベルまで更に増加および調節することができる。
【００２３】
フレイバー付きフィルムの引っ張り強度は、フィルム形成ポリマー、またはこのようなフィルム形成ポリマーの混合物を添加することによって、改善することができる。好適なフィルム形成剤としては、例えば水素結合によって、ポリマーマトリックスの三次元網目構造の密着（coherence）を改善する、種々の天然または合成ポリマーが挙げられる。ポリマーベース溶液と相溶性であるために、フィルム形成剤は、水に溶解性または水膨張性でなければならない。水に溶解性または水膨張性である好適なフィルム形成剤の例としては、ポリビニルアルコール、例えばグアーガム、キサンタンガム、アラビアガム、セルロースガム、アカシアガム、トラガカント、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、ポリカルボフィル、といった天然および合成ゴム、メチルメタクリレートコポリマーのようなアクリレートベースの水分散性樹脂、または他の好適な水溶性もしくは水膨張性ポリマーが挙げられる。
【００２４】
これらのフィルム形成剤の水溶性は通常乏しいので、フィルム形成剤の濃度は、急速分解特性（調理済食品との接触時）と良好な引っ張り強度（フレイバー付きフィルムが、破れることなくキャリア担体から容易にはずせるように付与される）とで良好なバランスが得られるように最適化される。
【００２５】
ポリマーベース中のデンプンを、例えばセルロースガムまたはゼラチンといったフィルム形成剤と完全に置き換えて、より良好なフィルム特性を得ようとする試みは、不成功であった。得られたフィルム特性は乏しく、このことはフィルム中のデンプンの存在が、要求されるフィルム特性を達成するために必要とされることを示している。
【００２６】
【表１】

【００２７】
ＰＢ１で得られるフィルムは柔らかすぎ、またＰＢ２から得られるフィルムは脆弱すぎた。
【００２８】
本発明のフレイバー付きフィルムにおいて使用されるフレイバー成分としては、種々の天然および／または人工フレイバー成分を挙げることができる。例としては、グリルフレイバー、ガーリックフレイバー、ピザフレイバー、天然もしくは人工のフルーツフレイバー、または食品に一般的に使用される他の人工もしくは天然のフレイバーもしくはスパイスが挙げられる。天然のスモークフレイバーおよび天然グリルフレイバーは、商業的に入手することができる（例えば、ＲｅｄＡｒｒｏｗＰｒｏｄｕｃｔｓＣｏｍｐａｎｙＬＬＣから）。
【００２９】
フレイバー成分に加えて、褐色化剤（browning agent）のような他の食品品質改良剤を、フレイバー付きフィルムに添加してもよい。商業的に入手できる褐色化剤は、ＲｅｄＡｒｒｏｗＰｒｏｄｕｃｔｓＣｏｍｐａｎｙＬＬＣによって販売されている（例えば、Ｍａｉｌｌｏｓｅ^TM褐色化剤）。
【００３０】
本発明のフレイバー付きフィルムは、ヒドロキシプロピルセルロース、化工デンプン、フレイバリングおよび他の成分を水に混合して溶液を作製し、これを適切なキャリア担体の上にコートし、そして乾燥させてフレイバー付きフィルムを形成することによって製造することができる。キャリア担体は、乾燥時にフィルムが良好に剥がれることを保証する解離特性を有さなければならない。好適なキャリア担体としては、シリコーン処理化またはポリエチレン含浸化クラフト紙、シリコーン処理化したポリエチレン−テレフタレートフィルムやポリエチレンフィルムなどが挙げられる。
【００３１】
本発明のフレイバー付きフィルムは、食品がまだ熱いままで、調理済食品（例えば、ハンバーガーパティ、チキンパティまたはピザ）上に直接フィルムを置くことによって使用される。フィルムは、調理の間または調理の完了直後のいずれかに食品上に配置され得る。フィルムのより容易な取り扱いのために、そして特には、水分やレストランのキッチンにおいて見られ得る汚染からより良好に保護するために、フィルムは閉鎖されたディスペンサー内に収容されて、そこから必要の際に１つずつ取り出される。本発明のフレイバー付きフィルムは、顕著な残渣を残すことなく、通常１分未満で分解し、そして好ましくは３０秒未満で、そしていくつかの実施形態においては１５秒未満で分解する。従って、本発明は、経済的に、食品に対して急速で均一でかつ一貫したフレイバリングを容易にするものである。
【００３２】
本発明の特定の実施形態は、以下の実施例を参照して、より詳細に記載される。
【実施例】
【００３３】
実施例
ポリマーベース溶液：
新規の組成に従うポリマーベース溶液の代表的な例および、それを調製するための方法は、以下の通りである：
組成：
【００３４】
【表２】

【００３５】
調製：３５０ｍｌ水を６０℃に加熱し、そして徐々にプレミックス１を添加する。透明な溶液が形成されるまで、高剪断ミキサーを使用して混合する。室温に冷却する（１）。３００ｍｌ水に、透明な溶液が形成されるまで、撹拌（高剪断ミキサー）しながら徐々にプレミックス２を添加する（２）。（１）および（２）を合わせる。
【００３６】
最終コーティング溶液：
【００３７】
【表３】

【００３８】
調製：
界面活性剤を、表に従う量で、該ポリマーベース溶液へ添加する。混合後、該フレイバーエマルジョンを、スタラーバーを使用して撹拌しながら、徐々に添加する。
【００３９】
コーティング：
実験室条件下で、最終コーティング溶液を、メイヤーロッド（Meyer rod）またはナイフ−オーバー−ロールコーター（knife-over-roll coater）のような適切なコーティング装置を使用して、適切な担体上にコーティングする。製造条件下で、コーティングを、ナイフ−オーバー−ロール、グラビア（gravure）、リバース−ロール（reverse-roll）、スロット−ダイ（slot-die）、または他の適切なコーティング装置を使用して行う。フィルムを、温風を使用して乾燥させる。赤外線放熱器を使用しての前乾燥することが好ましい。
【００４０】
コンバーティング（Converting）：
乾燥オーブンから取り出した後、乾燥フィルムに切り込みを入れそして巻き戻す。更なる処理の必要性があれば、付着を防止するために、巻き戻し前に、フィルムにコーンスターチまたは他の好適な吸着剤を薄膜状に振りかける。
【００４１】
以下の表に示す組成を有する溶液を調製した。溶液を、適切なキャリア担体上にコートし、そして乾燥してフィルムを形成した。その後、フィルムを調理されたハンバーガー上に配置し、そして分解時間を記録した。また、フィルムの引っ張り強度および粘着性（cohesiveness）を、１〜１０のスケールで評価した。１の評価は、フィルムが引っ張られると直ぐに裂けるというように、乏しい引っ張り強度および乏しい粘着性を示し、そして１０の評価は、強い張力下でさえフィルムが破れないというように、良好な引っ張り強度および良好な粘着性を示す。
【００４２】
【表４】

【００４３】
【表５】

【００４４】
【表６】

【００４５】
本発明のフレイバー付きフィルムは、通常、６０秒未満で分解し、大抵のフィルムは約３０秒またはそれ未満で分解し、そして多くのフィルムは約１５秒で分解した。
【００４６】
上記の説明は、好ましい実施形態のみのものを考慮している。本発明の修飾が、当業者および本発明を作製または使用するものに予想されるだろう。従って、上述の実施形態は、例示的目的のためのみでありそして本発明の範囲を限定するようには意図されず、本発明の範囲は、等価の政策を含む特許法の原則に従って理解されるように、以下の特許請求の範囲によって規定される。

Claims

ヒドロキシプロピルセルロース；
化工デンプン；および
フレイバー成分、
を含む、調理済食品上に配置されると急速に分解するフレイバー付きフィルム。
前記化工デンプンがマルトデキストリンである、請求項１に記載のフレイバー付きフィルム。
無水物の重量を基準として、約２０％〜約７０％のヒドロキシプロピルセルロース、約５％〜約７％の化工デンプン、および約６０％までのフレイバー成分を含む、請求項１に記載のフレイバー付きフィルム。
更に界面活性剤を含む、請求項３に記載のフレイバー付きフィルム。
前記界面活性剤がポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである、請求項４に記載のフレイバー付きフィルム。
前記界面活性剤がポリソルベート８０である、請求項５に記載のフレイバー付きフィルム。
前記界面活性剤が約１０〜約２０のＨＬＢを有するものである、請求項４に記載のフレイバー付きフィルム。
更にフィルム形成ポリマーを含む、請求項１に記載のフレイバー付きフィルム。
前記フィルム形成ポリマーが、グアーガム、キサンタンガム、アラビアガム、セルロースガム、アカシアガム、トラガカント、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、ポリカルボフィル、メチルメタクリレートコポリマーまたは他のアクリレートベースの水分散性樹脂、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、およびカルボキシメチルセルロースナトリウムからなる群から選択されるものである、請求項８に記載のフレイバー付きフィルム。
調理済食品；および
ヒドロキシプロピルセルロース、化工デンプンおよびフレイバー成分を含む、分解フィルム、
を含む、フレイバー付けされた食品。
前記フィルムが更にフィルム形成ポリマーを含むものである、請求項１０に記載のフレイバー付けされた食品。
前記フィルム形成ポリマーが、グアーガム、キサンタンガム、アラビアガム、セルロースガム、アカシアガム、トラガカント、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、ポリカルボフィル、メチルメタクリレートコポリマーまたは他のアクリレートベースの水分散性樹脂、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、およびカルボキシメチルセルロースナトリウムからなる群から選択されるものである、請求項１１に記載のフレイバー付けされた食品。
ヒドロキシプロピルセルロース、化工デンプンおよびフレイバー成分を含有するフィルムを、食品上に配置することを含む、食品にフレイバーを付ける方法。
前記フィルムが更にフィルム形成ポリマーを含むものである、請求項１３に記載の方法。
前記フィルム形成ポリマーが、グアーガム、キサンタンガム、アラビアガム、セルロースガム、アカシアガム、トラガカント、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、ポリカルボフィル、メチルメタクリレートコポリマーまたは他のアクリレートベースの水分散性樹脂、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、およびカルボキシメチルセルロースナトリウムからなる群から選択されるものである、請求項１４に記載の方法。
キャリア担体；および
該キャリア担体上に支持されたフレイバー付きフィルム［該フレイバー付きフィルムは、ヒドロキシプロピルセルロース、化工デンプンおよびフレイバー成分を含む］、
を含む、フレイバリング製品。
前記フィルムが更にフィルム形成ポリマーを含むものである、請求項１６に記載のフレイバリング製品。
前記フィルム形成ポリマーが、グアーガム、キサンタンガム、アラビアガム、セルロースガム、アカシアガム、トラガカント、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、ポリカルボフィル、メチルメタクリレートコポリマーまたは他のアクリレートベースの水分散性樹脂、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、およびカルボキシメチルセルロースナトリウムからなる群から選択されるものである、請求項１７に記載のフレイバリング製品。
前記キャリア担体が、シリコーン処理化クラフト紙、ポリエチレン含浸化クラフト紙、シリコーン処理化ポリエチレン−テレフタレートフィルム、およびシリコーン処理化ポリエチレンフィルムからなる群から選択される、請求項１６に記載のフレイバリング製品。
ヒドロキシプロピルセルロースと化工デンプンとの混合物を含む、ポリマーブレンド；
フィルム形成剤；および
フレイバー成分、
を含む、調理済食品上に配置されると急速に分解するフレイバー付きフィルム。
前記フィルム形成剤が、グアーガム、キサンタンガム、アラビアガム、セルロースガム、アカシアガム、トラガカント、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、ポリカルボフィル、メチルメタクリレートコポリマーまたは他のアクリレートベースの水分散性樹脂、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、およびカルボキシメチルセルロースナトリウムからなる群から選択されるものである、請求項２０に記載のフレイバー付きフィルム。