JP6526407B2 - パン粉付けフライ食品用バッターミックス、バッター、及びパン粉付けフライ食品 - Google Patents

パン粉付けフライ食品用バッターミックス、バッター、及びパン粉付けフライ食品 Download PDF

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Description

本発明は、パン粉を付けて油ちょうするフライ食品に用いるバッターミックスに関し、特に、油ちょう後、販売時に常温にて長時間経過した場合、及び/又は加温什器において長時間保管された場合のフライ食品の食感の劣化を抑制することができ、且つフライ食品の外観が良好なバッターミックスに関する。
コロッケ類、カツ類等のパン粉付けフライ食品は、一般に、商業的にはバッターに具材を浸漬する、又はバッターを具材に塗布する等によりバッターを具材に付着させた後、パン粉を付けて油ちょうして製造される。そして、パン粉付けフライ食品は、油ちょう後、陳列、販売され、消費者に喫食されるまでに、時間が経過することが多い。特に、コンビニエンスストアー等で加温什器において加温された状態で陳列され、販売される場合は、乾燥や加熱、具材からの水分移行が起こることで経時的に衣部の歯切れが悪く、曳きが強くなったり、硬く口溶けが悪くなったりする等、食感の劣化が生じ、フライ食品の商品価値が低下することになる。
従来から、フライ食品の食感の改良や油ちょう直後の良好な食感を長時間維持するため、種々のバッター用の組成物(以下、バッターミックスという)が開発されている。たとえば、所定の膨潤度、溶解度を有する架橋澱粉を20重量%以上含有する揚げ物用衣材(特許文献1)、化工澱粉、デキストリン及び植物性たん白質を含むフライ食品用衣材(特許文献2)、分岐デキストリンを含有する揚げ物用バッター(特許文献3)、所定のDEのデキストリンを、固形分100重量部に対し50〜90重量部含有する揚げ物用バッター(特許文献4)等が開発されている。
特開平9−215478号公報 特開平9−206016号公報 特開2012−85579号公報 特開2008−136445号公報
しかしながら、本発明者らの検討によれば、特許文献1〜4に記載の衣材(バッター)を用いても、パン粉付けフライ食品が、特に上述のような加温什器において長時間保管された場合には、フライ食品の衣部の食感の劣化を十分に抑制することはできなかった。また、配合によっては、フライ食品に焦げが生じて外観が損なわれてしまう場合があり、更なる改良が求められている。
したがって、本発明の目的は、パン粉付けフライ食品が、油ちょう後、常温にて長時間経過した場合、及び加温什器において長時間保管された場合であっても、フライ食品の衣部の食感の劣化を抑制することができ、且つフライ食品の外観が良好なパン粉付けフライ食品用のバッターミックス、そのバッターミックスを用いたバッター、及びパン粉付けフライ食品を提供することにある。
上記目的は、パン粉付けフライ食品の製造に用いるバッターを調製するためのバッターミックスであって、前記バッターミックスの質量を基準として、実質的にエーテル化又はアセチル化されていない架橋澱粉を6080質量%、及びデキストリンを2030質量%含有し、且つ、前記架橋澱粉及びデキストリンの合計の含有量が、80〜99質量%でり、前記デキストリンのDEが5〜25であることを特徴とするバッターミックスによって達成される。
上記配合のバッターミックスから調製されたバッターを用いて製造されたパン粉付けフライ食品は、油ちょう後、常温にて長時間経過した場合、及び加温什器において長時間保管された場合であっても、衣部が硬くならず、歯切れ、口溶けが良好である。特に、加温什器にて長時間保管したフライ食品で顕著な効果が得られる。更に、フライ食品に焦げが生じ難い。
本発明のバッターミックスの好ましい態様は以下の通りである。
(1)前記架橋澱粉及び前記デキストリンの合計の含有量が、8595質量%である。
(2)前記架橋澱粉の含有量が、6575質量%である。
(3)さらに、小麦たん白を含有する。
)前記バッターミックスにおける小麦粉の含有量が、15質量%以下である。
(1)〜()により、製造されたフライ食品の長時間保管時の食感の劣化をさらに抑制すること、且つフライ食品に焦げが生じ難くすることができる。
また、本発明の目的は、本発明のバッターミックスを水と混合して調製したバッターによって達成される。さらに、本発明の目的は、本発明のバッターを具材に付着させた後、パン粉を付けて、直接もしくは冷凍・冷蔵保存後、油ちょうして製造されたパン粉付けフライ食品によって達成される。
本発明のパン粉付けフライ食品用バッターミックスを用いることにより、油ちょう後、常温で長時間経過した場合、及び加温什器において加温された状態で長時間保管した場合であっても、衣部が硬くならず、歯切れや口溶けが良好で、且つ良好な外観のパン粉付けフライ食品を製造することができる。
本発明のバッターミックスは、パン粉付けフライ食品の製造に用いるバッターを調製するためのバッターミックスである。そして、バッターミックスの質量を基準として、実質的にエーテル化又はアセチル化されていない架橋澱粉を6080質量%、及びデキストリンを2030質量%含有し、且つ、上記の架橋澱粉及びデキストリンの合計の含有量が、80〜99質量%でり、前記デキストリンのDEが5〜25であることを特徴とする。後述する実施例で示す通り、これらの配合のバッターミックスから調製されたバッターを用いて製造されたパン粉付けフライ食品は、常温にて長時間経過した場合、及び加温什器において長時間保管した場合であっても、フライの衣部が硬くならず、歯切れ、口溶けが良好であり、油ちょう後の食感の劣化が抑制されている。特に、加温什器にて長時間保管したフライ食品で顕著な効果が得られる。更に、フライ食品に焦げが生じ難い。一方、バッターミックスに、上記の架橋澱粉の代わりに、それ以外の加工澱粉が含有されている場合や、上記の架橋澱粉及びデキストリンが含有されていても、上記の架橋澱粉及びデキストリンの合計の含有量が、80質量%より少ない場合、並びに上記の架橋澱粉及び/又はデキストリンの含有量が、上記範囲を満たさない場合は、製造されたフライ食品を、特に加温什器において長時間保管した際に、フライ食品の衣部の歯切れ、口溶けが悪化して食感の劣化が生じたり、フライ食品に焦げが生じて外観が低下したりして、本発明の目的を達成できない。
本発明において、パン粉付けフライ食品は、バッターに野菜類、畜肉類、魚介類等を必要に応じて加工成形した具材を浸漬する、又はバッターを具材に塗布する等によりバッターを具材に付着させた後、パン粉(本発明において、クラッカー粉、コーンフレーク粉等のパン粉に類似するものを含む)を付け、直接もしくは冷凍・冷蔵保存後、油ちょうする一般的なフライ食品であり、特に制限はない。例えば、ポテトコロッケ、ミートコロッケ、クリームコロッケ、ライスコロッケ等のコロッケ類、牛肉・豚肉・鶏肉などの素材にパン粉をつけた牛カツ、とんかつ、チキンカツ、メンチカツ等のカツ類、素材を魚介類や野菜とした白身フライ、エビフライ、カキフライ、野菜フライ等が挙げられる。
本発明において、架橋澱粉の澱粉原料としては、特に制限はなく、たとえば、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、甘藷澱粉、サゴ澱粉、米澱粉等が挙げられる。架橋澱粉は、これらの澱粉原料を、従来公知の架橋剤、たとえば、トリメタリン酸塩、オキシ塩化リン、アジピン酸等を用いることにより、分子間、及び/又は分子内において官能基がブリッジ状に導入された澱粉である。そして、本発明において、架橋澱粉は、実質的にエーテル化又はアセチル化されていない架橋澱粉である。一般に、エーテル化は、澱粉にアルカリの存在下、プロピレンオキサイド等を作用させて、ヒドロキシプロピル基等を付加させたり、モノクロロ酢酸あるいはモノクロロ酢酸ナトリウムを作用させてカルボキシメチル基を付加させたりすることであり、アセチル化は、澱粉に無水酢酸、酢酸ビニル等を作用させてアセチル基を付加させることである。本発明において、「実質的にエーテル化又はアセチル化されていない」とは、これらの官能基が、付加されていないか、付加されていたとしても、その性質を発揮できるほどには付加されていないことを意味する(たとえば、上記官能基の置換度(グルコース残基当たりの置換基の数)が、好ましくは0.01未満、さらに好ましくは0.001未満、特に0である)。後述する実施例で示す通り、エーテル化された架橋澱粉及びアセチル化された架橋澱粉では本発明の目的は達成できない。これは、エーテル化又はアセチル化された澱粉は、一般に、水分の保持能力を向上させるが、このような性質が、本発明の効果を阻害するためと考えられる。本発明において、架橋澱粉は、架橋以外の化学的処理がされていないことが好ましい。ただし、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、焙焼、α化、酸処理、アルカリ処理、漂白処理などの弱い加水分解程度の簡単な化学的加工を含む物理的処理はされていても良い。本発明において、架橋澱粉は、トリメタリン酸塩、オキシ塩化リン等を用いてリン酸基がブリッジ状に導入されたリン酸架橋澱粉が特に好ましい。なお、本発明において、架橋澱粉としては、市販のリン酸架橋澱粉、アジピン酸架橋澱粉等を適宜使用することができる。
一般に、デキストリンは、上述の澱粉原料を酵素、酸等の処理により加水分解等して得られるα−グルコースの重合物である。本発明において、デキストリンはデキストロース当量(dextrose equivalent、以下DEと略す)が、5〜40程度のものをいう。DEは、還元糖をグルコースとして測定し、その全固形分に対する割合を示す値であり、以下の式(I):
DE=[直接還元糖(グルコースとして表示)/全固形分]×100 (I);
から求められる澱粉の加水分解の程度(分解度)を示す指標である。本発明において、デキストリンの種類には特に制限はなく、従来公知の一般的なデキストリン、分岐デキストリン等のいずれでも良い。本発明において、フライ食品の焦げが生じ難い点で、デキストリンのDEは、5〜35が好ましく、5〜30がさらに好ましく、特に10〜25が好ましい。デキストリンのDEが高いと、フライ食品が焦げやすくなり、外観が損なわれてしまうだけでなく、デキストリンの吸湿性が増すことから、バッターミックスの製造時やバッターの調製時の取扱いが困難となる場合がある。本発明において、デキストリンは、市販のデキストリンを適宜使用することができる。
本発明のバッターミックスは、上述の通り、上記の架橋澱粉及びデキストリンの合計の含有量が75質量%以上である。75質量%以上とは、75〜100質量%を意味するが、後述するように、バッターミックスに必要な他の材料を考慮すると、75〜99質量%が好ましい。上記の架橋澱粉及びデキストリンの合計の含有量は、本発明の効果がより高く得られる点で、80〜99質量%がより好ましく、85〜95質量%がさらに好ましい。
本発明のバッターミックスは、上述の通り、上記の架橋澱粉の含有量が50〜85質量%である。後述する実施例で示す通り、上記の架橋澱粉の含有量が50質量%より少ない場合は、デキストリンが所定の範囲で含有されていても、製造されたフライ食品の衣部の食感の劣化を抑制することができない。また、上記の架橋澱粉の含有量が85質量%を超える場合は、デキストリンを所定の範囲で含有できず、本発明の効果が得られない。上記の架橋澱粉の含有量は、製造されたフライ食品の衣部の食感の劣化をさらに抑制できる点で、60〜80質量%であることが好ましく、65〜75質量%であることがさらに好ましい。
本発明のバッターミックスは、上述の通り、デキストリンの含有量が、15〜40質量%である。後述する実施例で示す通り、デキストリンの含有量が15質量%より少ない場合は、上記の架橋澱粉が所定の範囲で含有されていても、製造されたフライ食品の衣部の食感の劣化を抑制することができない。また、デキストリンの含有量が40質量%を超える場合は、フライ食品に焦げが生じ、外観が損なわれ易くなる。デキストリンの含有量は、製造されるフライ食品の衣部の食感の劣化をさらに抑制でき、且つ、よりフライ食品の外観の低下が生じ難い点で、20〜30質量%であることが好ましい。
本発明のバッターミックスは、上記の架橋澱粉及びデキストリンに加えて、小麦たん白を含有することが好ましい。これにより、製造されるフライ食品の衣部の保型性が向上し、食感の劣化をさらに抑制でき、且つフライ食品の焦げによる外観の低下を更に抑制することができる。小麦たん白の含有量は、1〜10質量%が好ましく、1〜5質量%がさらに好ましい。
本発明のバッターミックスは、本発明の効果を損なわない限り、上述した各材料以外に、通常、パン粉付けフライ食品用バッターミックスに配合される材料を適宜含有していても良い。そのような材料としては、たとえば、小麦粉、コーンフラワー、米粉等の穀粉、上記の架橋澱粉の澱粉原料として記載した澱粉、グァーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、キサンタンガム等の増粘剤、グリセリン脂肪酸エステル、レシチン等の乳化剤、グルタミン酸ナトリウム、食塩等の調味料、香辛料等が挙げられる。本発明のバッターミックスにおいては、バッターを衣付けに適した粘度に調整するため、適宜増粘剤を含有させることができる。増粘剤としては、フライ食品の衣部の食感に影響し難い点で、グァーガムが好ましい。増粘剤の含有量としては、少ない方が好ましく、たとえば、3質量%以下が好ましく、1.5質量%以下が更に好ましい。
一般的なバッターミックスにおいては、小麦粉は主材として配合されることが多いが、本発明のバッターミックスにおいては、小麦粉の含有量は、最大でも25質量%である。小麦粉の含有量が多いと、製造されたフライ食品の衣部の食感が劣化し易くなるため、小麦粉の含有量は、15質量%以下が好ましく、特に10質量%以下が好ましい。本発明のバッターミックスに小麦粉を含有させる場合、小麦粉の種類には、特に制限はなく、一般的な薄力粉や、小麦粉を加熱処理した加熱小麦粉等が使用できる。
本発明のバッターミックスを用いて、パン粉付けフライ食品を製造するには、常法に従って、実施することができる。たとえば、本発明のバッターミックスを水と混合して調製したバッターに、野菜類、畜肉類、魚介類等を必要に応じて加工成形した具材を浸漬する、又はバッターを具材に塗布する等によりバッターを具材に付着させた後、パン粉を付けて、直接もしくは冷凍・冷蔵保存後、適当な温度(通常、160〜200℃)で油ちょうして製造することができる。水の量は特に制限はないが、少ない方が好ましく、バッターミックス100質量部に対し、100〜600質量部が好ましく、100〜200質量部がさらに好ましい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
1.パン粉付けフライ食品の調製
(1)バッターの調製
表1〜3に示した配合の各実施例及び比較例のバッターミックスを作製し、各バッターミックス100質量部に対し、150質量部の水を加え、ホイッパーで混合し、バッターを調製した。
(2)メンチカツの調製
表1及び2に示した各実施例及び比較例については、メンチカツを調製した。すなわち、牛・豚合挽き肉、オニオンソテー、生パン粉、全卵、食塩、砂糖、グルタミン酸ナトリウム、胡椒、ナツメグからメンチカツのパテを作製し、43g±2g/個、厚さ8mmの小判型に成形した。成形した具材を上記(1)で調製した各バッターに浸漬した後、パン粉を付け、170℃、5分間油ちょうした。
(3)ポテトコロッケの調製
表3に示した各実施例及び比較例については、ポテトコロッケを調製した。すなわち、ジャガイモ、ひき肉、オニオンソテー、食塩、液糖、胡椒、ナツメグからポテトコロッケのパテを作製し、43g±2g/個、厚さ8mmの小判型に成形した。成形した具材を上記(1)で調製した各バッターに浸漬した後、パン粉を付け、175℃、3分間油ちょうした。
2.パン粉付けフライ食品の評価
上記1.で調製した各フライ食品を、常温(25℃)、又は加温什器(70±5℃)にて保管し、4時間経過後、10名のパネラーにより、以下の評価基準で、フライ食品の衣部の歯切れ、及び口溶けについて官能評価を行った。また、フライ食品の外観については、油ちょう直後に目視にて評価した。評価結果を表1〜3に示す。なお、評価は、小数点以下を四捨五入して示した。
(i)外観(焦げ)
5:全く焦げがなく、好ましい外観である。
4:一部に揚げムラや、わずかな焦げがある。
3:局所的に黒い焦げがある。
2:黒い焦げが複数あり、目立つ。
1:全体的に黒い焦げが認められる。
(ii)歯切れ
5:非常に歯切れが良い。
4:歯切れが良い。
3:やや歯切れが良い。
2:歯切れが悪い。
1:歯切れが悪く、曳きが強い。
(iii)口溶け
5:非常に口溶けが良い。
4:口溶けが良い。
3:やや口溶けが良い。
2:衣が硬く、口溶けが悪い。
1:衣が非常に硬く、非常に口溶けが悪い。
Figure 0006526407
表1に示す通り、バッターミックスの質量を基準として、実質的にエーテル化又はアセチル化されていない架橋澱粉を6080質量%、及びデキストリンを2030質量%含有し、且つ、上記の架橋澱粉及びデキストリンの合計の含有量が、80〜99質量%でり、前記デキストリンのDEが5〜25である実施例1〜のバッターミックスを用いて調製されたメンチカツは、常温にて4時間経過、及び加温什器にて4時間保管した場合であっても、メンチカツの衣部が硬くならず、歯切れ、口溶けが良好であった。特に加温什器において長時間保管した際、顕著に好ましい食感を有していた。また、メンチカツの外観も良好であり、油ちょう時の焦げも生じ難かった。一方、上記の架橋澱粉及びデキストリンを含有していても、上記の架橋澱粉の含有量が少ない比較例1〜3、デキストリンの含有量が少ない比較例4は、特に加温什器において長時間保管した場合に、顕著に食感が悪かった。また、上記デキストリンの含有量が多い比較例2及び3は、顕著に黒い焦げが生じ、外観が損なわれていた。さらに、上記の架橋澱粉及びデキストリンの合計の含有量が、80質量%未満である比較例5も、長時間保管した際の食感が悪かった。また、上記の架橋澱粉の代わりに、エーテル化架橋澱粉を用いた比較例6、アセチル化澱粉を用いた比較例7、アセチル化架橋澱粉を用いた比較例8は、歯切れ、口溶けが悪く、食感が悪かった。
また、本発明のバッターミックスにおいて、デキストリンの含有量が20質量%の場合、上記の架橋澱粉の含有量が65質量%の実施例1及び上記の架橋澱粉の含有量が70質量%の実施例は、上記の架橋澱粉の含有量が55質量%の比較例14と比較して、加温什器にて4時間保管した場合、歯切れ、口溶けが良く、より好ましい食感を有していた。また、実施例1は、デキストリンの含有量が15質量%とやや少なく、上記の架橋澱粉の含有量が79質量%とやや多い比較例12と比較して、加温什器で保管した場合に、口溶けがやや良い食感を有する好ましいものであった。さらに、実施例1は、デキストリンの含有量が40質量%、上記の架橋澱粉の含有量が50質量%の比較例13と比較して、焦げが生じ難く、より外観が好ましいことが認められた。以上のことから、上記の架橋澱粉の含有量は、60〜80質量%が好ましく、デキストリンの含有量は、20〜30質量%が好ましいことが示唆された。さらに、小麦たん白質を含有している実施例1と、含有していない実施例とを比較すると、実施例1の方が加温什器で長時間保管した際にやや食感が良好であり、小麦たん白質を含有することが好ましいことが示唆された。また、小麦粉の含有量が9質量%の実施例1と、19質量%の比較例14とを比較すると、実施例1の方がやや食感が良好であり、小麦粉の含有量は、15質量%以下が好ましいことが示唆された。なお、デキストリンとしては、一般的なデキストリン(DE20±2)のデキストリン(1)を用いた実施例1、及び分岐デキストリンのデキストリン(2)を用いた実施例が、同等な評価であった。また、上記の架橋澱粉としては、架橋澱粉(1)を用いた実施例1、架橋澱粉(2)を用いた実施例、及び架橋澱粉(3)を用いた実施例が、同等な評価であることから、本発明においては、上記の架橋澱粉の種類は何れでも良いことが示唆された。
Figure 0006526407
表2においては、本発明のバッターミックスにおけるデキストリンの含有量及びDEの影響を示す。DEが20±2のデキストリン(1)の含有量がそれぞれ15、20及び30である比較例19実施例9及び10を比較すると、デキストリンの含有量が15質量%よりも、含有量が20〜30質量%の方が好ましい食感を有していた。さらに、DEが20±2のデキストリン(1)の含有量がそれぞれ20、30及び39である実施例及び比較例17を比較すると、デキストリンの含有量が少ないほど、焦げが生じ難い傾向が認められた。このようなデキストリン含有量の影響は、その他の実施例の比較(実施例及び比較例18、並びに比較例20及び実施例11)においても認められた。また、デキストリンの含有量が30質量%で、DEが20±2のデキストリン(1)を用いた実施例、DEが13±2のデキストリン(3)を用いた実施例、及びDEが30±2のデキストリン(4)を用いた比較例16を比較すると、ともに好ましい食感であったが、DEが低いほど焦げが生じ難い傾向が認められた。このようなデキストリンのDEの影響は、その他の実施例の比較(実施例及び比較例15)においても認められた。
表1及び2の結果から、上記の架橋澱粉を6080質量%、及びデキストリンを2030質量%含有し、且つ、上記の架橋澱粉及びデキストリンの合計の含有量が、80〜99質量%でり、前記デキストリンのDEが5〜25であるパン粉付けフライ食品用バッターミックスを用いることにより、油ちょう後、常温にて長時間経過した場合、及び加温什器において長時間保管された場合であっても、好ましい食感を有し、且つ油ちょう時に焦げが生じ難いメンチカツを製造できることが示された
Figure 0006526407
表3に示す通り、本発明のバッターミックス(実施例12及び13)を用いて調製されたポテトコロッケも、加温什器にて4時間保管した場合であっても、ポテトコロッケの衣部が硬くならず、歯切れ、口溶けが良好であり、好ましい食感を有していた。また、ポテトコロッケの外観も良好であり、油ちょう時の焦げも生じ難かった。一方、上記の架橋澱粉及びデキストリンを含有していても、上記の架橋澱粉の含有量が少なく、デキストリンの含有量が多い比較例9、上記の架橋澱粉の含有量が多く、デキストリンの含有量が少ない比較例10は、顕著に食感が悪く、デキストリンの含有量が多い比較例9は、顕著な黒い焦げの発生も認められた。また、上記の架橋澱粉の代わりにアセチル化澱粉を用いた比較例11は、食感が悪かった。
以上により、本発明のバッターミックスを用いて、製造されたパン粉付けフライ食品は、油ちょう後、常温にて長時間経過した場合、及び加温什器において長時間保管された場合であっても、衣部が硬くならず、歯切れ、口溶けが良好で、食感の劣化が抑制され、且つフライ食品の焦げが生じ難いことが示された。
なお、本発明は上記の実施の形態の構成及び実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々変形が可能である。
本発明パン粉付けフライ食品用バッターミックスを用いることにより、油ちょう後、常温にて長時間経過した場合、及び加温什器において加温された状態で長時間保管した場合であっても、衣部が硬くならず、歯切れや口溶けが良好で、且つ良好な外観のコロッケ類、カツ類等のパン粉付けフライ食品を提供できる。

Claims (7)

  1. パン粉付けフライ食品の製造に用いるバッターを調製するためのバッターミックスであって、
    前記バッターミックスの質量を基準として、実質的にエーテル化又はアセチル化されていない架橋澱粉を6080質量%、及びデキストリンを2030質量%含有し、且つ
    前記架橋澱粉及びデキストリンの合計の含有量が、80〜99質量%でり、
    前記デキストリンのDEが5〜25であることを特徴とするバッターミックス。
  2. 前記架橋澱粉及び前記デキストリンの合計の含有量が、8595質量%である請求項1に記載のバッターミックス。
  3. 前記架橋澱粉の含有量が、6575質量%である請求項1又は2に記載のバッターミックス。
  4. さらに、小麦たん白を含有する請求項1〜のいずれか1項に記載のバッターミックス。
  5. 前記バッターミックスにおける小麦粉の含有量が、15質量%以下である請求項1〜のいずれか1項に記載のバッターミックス。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のバッターミックスを水と混合して調製したバッター。
  7. 請求項に記載のバッターを具材に付着させた後、パン粉を付けて、直接もしくは冷凍・冷蔵保存後、油ちょうして製造されたパン粉付けフライ食品。
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