JP2013530222A - フレーバーの送達のための多層フィルム - Google Patents

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Abstract

第1のフレーバーを含有する経口的に許容し得る担体と、長時間または遅延フレーバー放出のための多層フィルムとを含む、フレーバー放出が増強されたオーラルケア組成物。該多層フィルムは、第2のフレーバーを含有する少なくとも1つの中央層を含み、該中央層は、2つの外側表面層の間に位置し、各表面層は、放出調節剤を含み、第1のフレーバーと第2のフレーバーは、同じまたは異なる。
該フィルムは、口腔表面に付着するように適用され、該外側表面層は、粘膜付着性ポリマー、例えばカルボキシポリメチレン、ポリカルボフィル、またはポリビニルピロリドン、およびフィルム形成ポリマー、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含むことができる。適切な放出調節剤としては、HPMCおよびポリ酢酸ビニルが挙げられる。担体は、練り歯磨きまたは洗口液であり得る。

Description

本出願は、オーラルケア組成物に、さらに詳細には、経口的に許容し得る担体に封入された多層フィルム(ここでは多層フィルムは、経口用組成物の適用が終了した後にも延長または遅延方式で放出することができるフレーバーを含む)を含む組成物をいう。こうした組成物としては、例えば、歯磨き剤、洗口液、および/または含嗽液が挙げられる。
オーラルケア製品は通常、3種の主な構成材、すなわち、フレーバー、ビヒクル、および機能性の作用薬を含有する。フレーバーは、歯磨き剤と含嗽液との両方に欠くことができない構成材であり、オーラルケア製品の最も重要な特徴の一つである。フレーバーはまた、オーラルケア製品の成功において重要な役割を果たす。優れたフレーバーは、製品の受容性を向上させるだけでなく、消費者がその製品を再び購入する魅力ともなる。フレーバーは、舌での味覚という感覚、また鼻の嗅覚中枢における匂いという感覚だけでなく、脳が感知した時に消費者の知覚に影響を与えるような、製品の特性および性能と密接に関連付けられるようになる鍵となるシグナルも提供する。
組成物の美的アピールも重要であり、これは、消費者の許容性および使用量に対する重要な効果を有することができる。美的効果は、多くの製品の消費者許容性において重要な役割を果たすことが認識されている。こうした製品は、消費者の賛同を得てきているが、当技術分野では、こうした製品の美的効果ならびに美容的および治療的利益をさらに向上させることが求められている。実際、当技術分野で知られている多くのこうした組成物は、1つまたは複数の性状において欠点がある。
治療薬の経口投与のための水溶性のフィルムが、当技術分野で周知である。口臭消臭剤、例えばメントールを投与するためにこうしたフィルムを使用することも、当技術分野で知られている。口臭消臭剤および/または活性な医薬品を投与するための既知のフィルムは、一般に、ヒトの摂取に適した少なくとも1種の水溶性のポリマーと、一般的にポリアルコール、界面活性剤、および可塑剤から選択される、水溶性のポリマーの湿潤性を向上させる少なくとも1種の化合物からなる。例えば、その開示の全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,948,430号は、口腔に付着して、医薬的にまたは化粧品的に有効な成分を放出することができる単層フィルムを記載している。ここでは、該フィルムは、少なくとも1種の水溶性のポリマー、ポリアルコール、界面活性剤、および可塑剤からなる群から選択される少なくとも1種の構成物、化粧品的にまたは医薬的に有効な少なくとも1種の成分、ならびに着香料を含む。
その開示の全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,700,478号は、水溶性のポリマーおよび水溶性の可塑剤からなる水溶性の付着層と、水溶性のポリマー層とを含む、粘膜面の体腔内での物質の制御放出のための積層状装置を記載している。この特許は、物質の制御または持続放出のための、比較的ゆっくりと溶解する複数の層の積層を教示している。
その開示の全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第4,900,552号は、口腔内での活性成分の延長および持続送達に適した三層(trilaminate)フィルムを記載している。この三層は、水和可能な粘膜付着性の基部層、非付着性の貯蔵層、および基部層と貯蔵層との間に挟まれかつこれらと結合された不透水性の障壁を含む。この特許は、物質の延長または持続放出のための、ゆっくりと分解するフィルムを開示している。
その開示の全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,047,244号は、非晶質ヒュームドシリカならびに治療薬を含有する無水であるが水和可能な一体型ポリマー基材、およびポリマー基材に固定された水不溶性障壁層、および定義する非付着面を含む、治療用剤形を開示している。この特許は、素早く分解するフィルムを開示していないが、代わりに制御放出性の粘膜付着担体システムからの治療薬の利用可能性の向上を提供することが可能な組成物を意図している。
それぞれその開示の全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第6,669,929号および米国特許第7,132,113号は、オーラルケア組成物において有用なフィルム形成剤を開示している。この素早く分解するフィルムは、口内で溶解し、機能性の構成材、通常香料を放出する。
口腔内で溶解するフィルム中に香料、着色料、およびいくつかの活性な構成材を配合することが公知である。これらのフィルムは、口臭消臭条片、歯ホワイトニング条片としてそれ自体で、または、オーラルケア組成物全体に分散された単層フィルムのポリマーフレークとして使用される。
こうした製品には、消費者の賛同を得ているものもあるが、大抵のオーラルケア製品におけるフレーバーは、消費者にたった一つのシグナルしか送達しない。したがって、性能をさらに向上させる、また製品のアピールを高めるための複数のシグナルを提供することができる、当技術分野におけるオーラルケア製品の必要性が依然として存在する。
本発明は、フレーバー送達を増強、延長、または遅延させる、また、これらのオーラルケア製品を使用する消費者に追加的なフレーバーおよび他のシグナルを提供するために多層フィルム技術を用いるオーラルケア製品を提供する。経口的に許容し得る任意の担体に封入された多層フィルムを使用する結果、フレーバー送達が増強および延長され、追加的なフレーバーシグナルを提供し、複数の異なるフレーバーシグナルを遅延または制御方式で送達することができ、フレーバー放出プロフィールを変化させ、他の成分の組み込みから得られる他のシグナルを提供し、顧客が良い衛生状態を守ることを確実にするようなオーラルケア組成物が提供される。その使用方法も提供される。
一実施形態では、第1のフレーバーと、フレーバーの長時間または遅延放出のための多層フィルムとを含有する経口的に許容し得る担体を含む、フレーバー放出が増強されたオーラルケア組成物が提供される。該多層フィルムは、第2のフレーバーを含有する少なくとも1つの中央層を含み、該中央層は、2つの外側表面層の間に位置し、各表面層は、放出調節剤を含み、該第1のフレーバーと第2のフレーバーは、同じまたは異なる。多層フィルムは、適用後に口腔表面に保持され、侵食されるまで残存し、それによって、適用後に追加のフレーバーおよび他の活性剤が放出される。
別の実施形態では、本発明は、第1のフレーバーを含有する経口的に許容し得るビヒクルに封入された、フレーバーの長時間放出のための多層フィルムを含む、オーラルケア組成物を提供する。ここでは、該多層フィルムは、第2のフレーバーを含有する中央層を含み、該中央層は、2つの外側表面層の間に位置し、各外側表面層は、フィルム形成ポリマー、放出調節剤、および粘膜付着ポリマーを含む。多層フィルムは、適用後に口腔表面に保持され、侵食されるまで残存し、それによって、適用後に追加のフレーバーおよび他の活性剤が放出される。
さらに別の実施形態では、第1のフレーバーと、フレーバーの遅延放出のための多層フィルムとを含有する経口的に許容し得る担体を含むオーラルケア組成物が提供される。該フィルムは、
(a) 第1の外側表面層、
(b) 第2のフレーバーを含有する少なくとも1つの第1の中央層、および
(c) 第1の外側表面層と同じまたは異なり得る第2の外側表面層、
を含み、該中央層は、第1の外側表面層と第2の外側表面層との間に位置する。
ここでは、多層フィルムは、適用後に口腔表面上に保持され、侵食されるまで残存し、それによって、適用後に追加のフレーバーおよび他の活性剤が放出される。
本発明はまた、オーラルケア組成物からのフレーバー放出を増強する方法であって、第1のフレーバーと、フレーバーの長時間放出のための多層フィルム(該多層フィルムは、第2のフレーバーを含有する少なくとも1つの中央層を含み、該中央層は、2つの外側表面層の間に位置し、該第1のフレーバーと第2のフレーバーは、同じまたは異なり、各外側表面層は、放出調節剤を含む)とを含有する経口的に許容し得る担体を含むオーラルケア組成物を提供することと、該オーラルケア組成物を哺乳類の口腔に適用することとを含む方法を提供する。この方法は、口腔にオーラルケア組成物を適用する(それによって、該組成物は、適用後に口腔表面に保持され、時間とともに侵食され、それによって適用後に追加のフレーバーまたは活性剤を放出する)ことをさらに伴う。
別の実施形態では、本発明は、経口的に許容し得る担体に封入された、フレーバーの遅延放出のための多層フィルムを含むオーラルケア組成物を調製する方法であって、
(a) 第1のフレーバーを含有する経口的に許容し得る担体を提供することと、
(b) 第2のフレーバーを含有する少なくとも1つの中央層を含む多層フィルム(該中央層は、2つの外側表面層の間に位置し、該第1のフレーバーと第2のフレーバーは、同じまたは異なり、各外側表面層は、放出調節剤を含む)を添加することと、
(c) この混合物を均質化することと、
を含む方法を提供する。
ここでは、多層フィルムは、適用後に口腔表面上に保持され、侵食されるまで残存し、それによって、適用後に追加のフレーバーおよび他の活性剤が放出される。
本発明の好ましい実施形態を、後述の実施例に記述し、また、本明細書に添付のいくつかの図面に示す。
本発明の多層フレーバーチップを含有する練り歯磨きAのフレーバー放出プロフィールと、従来の練り歯磨きBによるフレーバー放出プロフィールを示す。
中央または中心層がフレーバーを含有し、2つの外側表面層はフレーバーを含有しない、3層フィルムを示す。
ABA配置の多層フィルムの人工皮膚表面上への結合に対するCarbopol 971Pの効果を示す。図3(a)においては、多層フィルムは、Carbopol 971Pを含有しない。 ABA配置の多層フィルムの人工皮膚表面上への結合に対するCarbopol 971Pの効果を示す。図3(b)においては、多層フィルムは、粘膜付着性のCarbopol 971Pを含有する。
構造ABCを有する3層フィルムを示す。ここでは各層は、異なる。図4(a)は、3層フィルム実施形態を示す。 構造ABCを有する3層フィルムを示す。ここでは各層は、異なる。図4(b)は、放出速度プロフィールを示す。
(発明の詳細な説明)
本発明は、ヒトまたは他の動物対象への投与のための、またはヒトまたは他の動物対象が使用するための経口用の組成物および方法を提供する。したがって、この発明で使用することとなる具体的な材料および組成物は、医薬的にまたは化粧品的に許容し得ることが好ましい。本明細書では、こうした「医薬的に許容し得る」または「化粧品的に許容し得る」構成材は、妥当なベネフィット/リスク比に見合い、必要以上の有害な副作用(毒性、収斂味、刺激性、およびアレルギー反応など)なしに、所望の治療的、感覚的、装飾的、または美容上の利益を提供するために、ヒトおよび/または動物が使用するのに適したものである。以下の定義および非限定的なガイドラインは、本明細書に述べるこの発明の説明を読解および解釈する際に考慮されるべきものである。
本明細書の参考文献の引用は、これらの参考文献が従来の技術であるまたは本明細書に開示する発明の特許性に対するいずれかの関連性を有するという了解とはならない。この明細書の説明部分に引用したすべての参考文献を、その全体を参照により本明細書に組み込む。
説明および具体例は、本発明の実施形態を示すが、例示目的に過ぎず、本発明の範囲を限定することは意図しない。記述した特徴を有する複数の実施形態の列挙は、追加的特徴を有する他の実施形態、または記述した特徴の異なる組み合わせを組み込んだ他の実施形態を除外することを意図しない。具体例は、この発明の組成物および方法をどのように作製、使用、および実行するのかという例示目的で提供され、行われたことを復唱するために(すなわち過去時制を使用して)明確に記述されていない限り、この発明の所与の実施形態が実施されているか実施されていないかを示すものではない。公知の器具、方法、および組成物のある利点および欠点の、本明細書の説明は、本発明を包含的または除外的に制限することを意図しない。実際、本発明のある実施形態は、本明細書に述べる問題点を被ることなく、1つまたは複数の既知の組成物、方法、または器具を含む。
本明細書では、単語「好ましい」および「好ましくは」は、ある状況下で、ある利益をもたらす本発明の実施形態をいう。しかし、同じまたは他の条件下で、他の実施形態も好ましい可能性がある。さらに、1つまたは複数の好ましい実施形態の列挙は、他の実施形態が有用でないことを意味するものではなく、本発明の範囲から他の実施形態を除外することを意図しない。
本明細書では、用語「約」は、この発明の組成物または方法のパラメータに関する値に適用される場合、値の計算または測定が、組成物または方法の化学的または物理的性状に対する実質的な影響を有さない、多少のわずかな不正確性を許容することを示す。もし、何らかの理由で、「約」によって提供される不正確性が、その通常の意味で当技術分野で理解できるものでなければ、「約」は、本明細書では、値の5%までの変動可能性を示す。
種々の実施形態のオーラルケア組成物は、好ましくは、歯磨き剤の形態である。この説明全体を通して使用される用語「歯磨き剤」は、ペースト、ゲル、トローチ、ガム、または液体調合物を表す。歯磨き剤は、深いストライプの、表面がストライプ状の、多層の、ペーストを取り囲むゲルを含む、またはこれらの任意の組み合わせなどの、いかなる所望の形でもあり得る。オーラルケア組成物に含有されるフィルムは、複数の小さな条片または1つの連続した条片を含めた、いかなる所望の形状または構造でもあり得る。
この説明全体を通して使用される表現「担体」または「水性の担体」は、本明細書で使用するためのいかなる安全かつ有効な材料も表す。こうした材料としては、例えば、増粘剤、湿潤剤、イオン性活性成分、緩衝薬、抗歯石剤、研磨性の磨き材料、過酸化物源、アルカリ金属炭酸水素塩、界面活性剤、二酸化チタン、着色剤、フレーバーシステム、甘味剤、抗菌剤、生薬(herbal agent)、減感剤、脱ステイン剤、およびそれらの混合物が挙げられる。
本発明は、経口的に許容し得る担体に封入された多層フィルムを含むオーラルケア組成物を提供する。ここでは、該多層フィルムは、少なくとも1つのフレーバー含有中央層と、フィルム形成ポリマーと多層フィルムからのフレーバーの遅延または延長放出のための放出調節剤とを含有する少なくとも1つの外側表面層とを含む。本明細書では、「オーラルケア組成物」は、その意図される使用にオーラルケア、口腔衛生、または口腔外観が含まれ得る、あるいは、その意図される方法が口腔への投与を含み得る組成物をいう。本発明の実施形態は、多層フィルムを含む。
本明細書で述べる場合、「フィルム」は、実質的にラメラ状の構造を有する材料である。「ラメラ」構造は、第1または第2寸法(例えばxまたはy寸法)が、第3寸法(例えばz方向)における構造の厚さよりも実質的に大きいサイズを有する、あるいは有することが可能である。ラメラ構造としては、本明細書で有用なものの中では、実質的に平面状、層状、または薄板状(lamelliform)であるものが挙げられる。一実施形態では、ラメラ構造は、実質的に平面状であり、x方向とy方向の両方が、z方向よりも実質的に大きいサイズを有する。他の実施形態では、ラメラ構造は、非平面状である。一実施形態では、この発明のフィルムは、実質的に平らな表面に見える実質的に連続した表面を含むが、いくつかの実施形態では、フィルムを変形させることができる。こうした実施形態では、フィルムは、滑らかなカーブした表面を有する形状を含めた、いくつかの形状のいずれかをとることができる。断片は、所望のサイズのものであり得、等辺または不等辺の外周のものであり得る。
この発明の実施形態は、中央または中心層からのフレーバーの遅延または長時間放出のための多層フィルムを含む。多層フィルムの外側表面層中に放出調節剤および粘膜付着剤を含有する多層フィルムを利用することによって、オーラルケア組成物が、長時間または遅延方式でフレーバーを放出することができ、より強烈でより長時間持続するフレーバーの噴出がもたらされることが予想外に発見された。口腔中の表面(これには、歯茎、頬、舌、歯、および/または口腔の粘膜が含まれ得る)へのフィルムの結合によって、洗口液または含嗽液を用いるブラッシングまたはうがいの後、延長された期間にわたって、多層フィルムがそれのフレーバーを放出することが可能になる。すなわち、フィルムは、洗口液または含嗽液を用いるブラッシングまたはうがい後も、口腔表面上に保持され、時間とともに侵食され、それによって、フィルム中に含有されるフレーバーおよび他の活性剤の持続および延長放出がもたらされる。さらに、フィルムにおける異なる層の存在が、より大きな表面積を提供するので、消費者の味蕾および味覚中枢への高濃度のフレーバーの送達を確実にすると考えられる。
本明細書では、用語「長時間」、「持続」、「延長」、または「遅延」放出は、互換的に使用することができ、フィルムなどの送達システムからのフレーバーおよび他の活性剤の長期間にわたる放出を説明する。
一実施形態では、多層フィルムは、第1のフレーバーを含有する少なくとも1つの中央層と、中央層の周囲に位置する2つの外側表面層とを含有する。各フィルム層は、少なくとも1種のフィルム形成ポリマー、デンプンフィルム形成剤、甘味料、湿潤剤、および界面活性剤を含有する。中央層は、フレーバーをさらに含む。中央または中心層からのフレーバーの遅延または延長放出を提供するために、外側表面層はまた、放出調節剤を含む。いくつかの好ましい実施形態では、外側表面層は、2種以上のフィルム形成ポリマーを含むことができる。別の実施形態では、本発明の多層フィルムは、各々がフレーバーを含有することができる複数の中央層を含有する。
本発明の多層フィルムを調製するために使用されるフィルム形成剤の非限定的な例としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルプロピルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースなどの、ヒドロキシアルキルセルロースが挙げられる。セルロースポリマーは、低粘度のヒドロプロピルメチルセルロースポリマー(HPMC)であることが好ましい。フィルム形成剤としてHPMCが使用される場合、HPMCの粘度は、ウベローデ管粘度計を使用して20℃でHPMCの2重量%水溶液として測定される場合に、約1〜約40ミリパスカル秒(mPa.s)の範囲内であることが好ましい。HPMCの粘度は、20℃で約3〜約20mPa.sであることが好ましい。
HPMCは、Dow Chemical Companyから、Methocel E5 LVという商品名で市販品として入手できる。Methocel E5 LVは、29.1%メトキシル基および9%ヒドロキシプロキシル(hydroxyproxyl)基置換を有する、USPグレードの低粘度のHPMCである。これは、白色またはオフホワイトの自由流動性の乾燥粉末である。これは、ウベローデ管粘度計を用いて測定される場合に、2重量%の水溶液の場合、20℃で5.1mPa.sの粘度を有する。
外側表面層はまた、他の種類のHPMCなどの追加のフィルム形成剤も含むことができる。別の実施形態では、外側表面層は、40〜60cpsの粘度を有するMethocel(商標) E50 LVなどのHPMC E50を含む。これらのセルロースは、HPMC ESよりも高い粘度を有し、その結果、本発明の多層フィルムの中央層からのフレーバーの持続放出のさらなる速度制御を提供するために使用することができる。
ヒドロキシアルキルメチルセルロースは、重量で25〜75%、好ましくは多層フィルムの40〜55重量%の範囲の量で、多層フィルムの層に配合される。
他の実施形態では、多層フィルムの外側表面層はまた、粘膜付着剤も含む。本明細書では、用語「粘膜付着剤」は、親水性指定によって水溶性または水膨張性であり得、かつ粘膜表面に対して付着性である、天然または合成の親水性ポリマーをいう。好ましくは、こうした付着剤は、粘膜と接触することを介して溶解または吸収させることができるフレーバーまたは他の活性な物質の貯蔵庫として機能するだけでなく、多層フィルムの中央層から放出されるフレーバーを、粘膜組織および/または歯に付着させる。
本明細書に記述する種々の実施形態において有用な粘膜付着性ポリマーとしては、限定はされないが、Carbopol(登録商標)CP940NF、CP971NF、CP974PNFとして市販品として入手できるカルボキシポリメチレン、Plasdone K-90 USPとして市販品として入手できるポリビニルピロリドン(「PVP」)、およびNoveon AA-1 USP(PC)として市販品として入手できるポリカルボフィルが挙げられる。Carbopol(登録商標)およびポリカルボフィルは、The Lubrizol Corporation、Wickliffe、Ohioから市販品として入手できるポリマーであり、一般に、ポリアルケニルエーテルまたはジビニルグリコールで架橋された様々な比のポリアクリル酸からなる。粘膜付着を増強するための他の適切な材料としては、シリカおよび酸化亜鉛が挙げられる。
Carbopol(登録商標)940ポリマーは、組成物に高い粘度を与えることができる、生体付着性でありまた非常に効率のよいレオロジーモディファイヤーとして公知である、架橋されたポリアクリラートポリマーである。ポリカルボフィルは、生体付着剤として有用であり、また制御放出製剤を設計する際の、ジビニルグリコールで架橋されたアクリル酸のポリマーである。
粘膜付着性ポリマーは、0.5%〜40%の量で、より好ましくは1%〜20%の量で、最も好ましくは2%〜10%の量で、本発明のフィルムマトリックス中に存在することが好ましい。
放出調節剤は、本発明の多層フィルムからのフレーバーの送達を延長または遅延させるために利用される作用薬をいう。放出調節剤としては、好ましくは水に分散可能かつ膨張性であるが、しばしば非水溶性または水に溶けにくいポリマーが挙げられる。フレーバーの送達を延長または遅延させる放出調節ポリマーの非限定的な例としては、ポリ酢酸ビニルおよびヒドロキシエチルセルロースが挙げられる。放出調節剤としてはまた、酸化亜鉛およびシリカ(特に、これらの材料の一方または両方が中央のフレーバー含有層(1つまたは複数)に配合される場合)が挙げられる。
本発明の結果として、経口的に許容し得る担体と、長時間または延長方式でフレーバーを放出し、かつ一定流の唾液によって口腔から除去可能である粘膜付着性の水侵食性の多層フィルムとを含むオーラルケア調合物が提供される。本明細書では、「水侵食性の」は、水または唾液に完全には溶解しないが、一般的に口中に存在する剪断条件下で水または唾液にさらされると分解し、完全にバラバラになることとなる材料または物質を意味する。
多層フィルムを、以下でより詳細に説明するつもりであるが、こうしたフィルムからのフレーバーの放出速度は、口腔の流体環境でこれらのフィルムが溶解または分散する速度によって、また、フレーバーが多層フィルム内から放出される拡散速度によって決定される。多層フィルムからのフレーバーの放出速度は、多層フィルム中の放出調節剤および/またはフィルム形成剤の量を調節することによって、所望通りの分ないし時間の範囲を提供するように調整することができる。例えば、ポリ酢酸ビニルの量を増大させることによって、フィルム膨潤を低下させ、それに対して口腔粘膜および歯に対するフィルムの保持時間を増大させ、それによって、本発明の多層フィルムの中心層からのフレーバーの放出を遅延させることができる。
ある好ましい実施形態では、この発明のフィルム中に存在する放出調節剤は、0.1%〜30%まで、より好ましくは0.5%〜20%まで、最も好ましくは5%〜20%まで変動する。さらに、ポリマーベースの量は、5%〜80%まで、より好ましくは25%〜75%まで、最も好ましくは40%〜50%まで変動することが好ましい。
本発明の多層フィルムの中央層に存在するフレーバーの含有量を調節することを、臭い制御活性剤の放出を制御、延長、または遅延させるために用いることができる。好ましくは、本発明の多層フィルム中に存在するフレーバーの量は、1%〜40%まで、より好ましくは2%〜30%まで、最も好ましくは5%〜25%まで変動する。
冷水膨張性の、物理的に改変されたアルファ化デンプンは、本発明のヒドロキシアルキルメチルセルロース多層フィルムの堅さを増大させるための質感モディファイヤーとして特に有用である。こうしたデンプン製品の調製では、粒状デンプンを、水、場合により有機溶媒の存在下で、ゼラチン化温度よりも10℃以上は高くない温度で調理する。次いで、得られたデンプンを乾燥させる。
アルファ化コーンスターチは、市販品として入手できる。好ましいスターチは、Cerestar CompanyからCerestar Polar Tex-Instant 12640という商品名で入手できる。このCerestarデンプンは、アルファ化され、安定化され、架橋された蝋様のトウモロコシデンプンである。これは、冷水中で容易に分散可能かつ膨張性である。これは、乾燥形では、平均フレークサイズが180マイクロメートル未満であり、85%のフレークが75マイクロメートルよりも小さい、白色の自由流動性の粉末である。これは、44lbs/フィート3のかさ密度を有する。
Cerestarデンプンは、優れた低温保管および凍結融解安定性を有する。これは、水和速度が速く、調理を行わなくともきわめて高い粘度に到達することができる。これは、調理済みデンプンと同様の、滑らかなクリーム状の質感を有する。これはまた、優れたペースト透明性と刺激のないフレーバーを有する。
アルファ化デンプンは、約0〜約50重量%、好ましくは約10〜約20重量%の範囲の量で、本発明のフィルムマトリックス中に存在することができる。
本発明の多層フィルムの層内には、天然甘味料と人工甘味料を含めた甘味料も組み込むことができる。適切な甘味料としては、水溶性の甘味剤、例えば単糖類、二糖類、および多糖類(キシロース、リボース、グルコース(デキストロース)、マンノース、グラトース(glatose)、フルクトース(レブロース)、スクロース(蔗糖)、マルトースなど)など、水溶性の人工甘味料、例えば可溶性のサッカリン塩、すなわち、サッカリンナトリウムまたはカルシウム塩、チクロ塩、ジペプチド系の甘味料、例えばL-アスパラギン酸から誘導される甘味料(L-アスパルチル-L-フェニルアライン(phenylalaine)メチルエステル(アスパルテーム)など)が挙げられる。この発明の態様では、Dスクラレース(sucralase)甘味料が好ましい。
一般に、ある特定のフィルムマトリックス組成物に所望されるレベルの甘さを提供するのに有効な量の甘味料が利用され、選択される甘味料によって変化することとなる。この量は、通常は、組成物の0.01重量%〜2重量%となる。しかし、いくつかの実施形態では、特に使用期間の初期の甘さの持続的な知覚を確実にするために、練り歯磨きに追加の甘味料を直接加えることができる。
ある実施形態では、界面活性剤を添加することによって、多層フィルムの湿潤性を増大させることが望ましい可能性がある。経口的に許容し得るいかなる界面活性剤(そのうちの多くは陰イオン性、非イオン性、または両性である)も使用することができる。適切な陰イオン性界面活性剤としては、限定はされないが、C8〜20アルキル硫酸塩の水溶性の塩、C8〜20脂肪酸のスルホン化モノグリセリド、サルコシン酸塩、タウリン酸塩などが挙げられる。これらのクラスおよび他のクラスの実例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ココヤシモノグリセリドスルホン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルイソエチオン酸ナトリウム、ラウレスカルボン酸ナトリウム、およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが挙げられる。適切な非イオン性界面活性剤としては、限定はされないが、ポロキサマー、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、脂肪アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、三級アミンオキシド、三級ホスフィンオキシド、ジアルキルスルホキシドなどが挙げられる。適切な両性界面活性剤としては、限定はされないが、陰イオン性の基を有するC8〜20脂肪族二級および三級アミンの誘導体、例えばカルボン酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、またはホスホン酸塩などが挙げられる。適切な例は、ココアミドプロピル(cocoamidopropyl)ベタインである。
食用の非イオン性界面活性剤が好ましい。使用することができる食用の非イオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、およびポリオキシエチレンヒマシ油誘導体が挙げられる。使用することができる市販品として入手できる適切な非イオン性界面活性剤の例は、ポリソルベート80である。これは、約20モルのエチレンオキシドが縮合した、主にモノエステルからなる、ソルビトールと無水ソルビトールのオレイン酸エステルの混合物である。ポリソルベート80は、ICIによってTween(登録商標)80として販売されている。界面活性剤が、本発明の多層フィルムにとって、最も好ましい。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのHLB値は、10超であるべきだが、20を超えるべきではない。界面活性剤を含ませることは、多くの場合において、非常に有益であることが証明されている。1種または複数の界面活性剤が、組成物の0.01重量%〜10重量%、例えば0.05重量%〜5重量%または0.1重量%〜2重量%の総量で、任意選択で存在する。
本発明の多層フィルムの中央または中心層は、少なくとも1種の着香剤を含むことが好ましい。本発明の多層フィルムに組み込まれる天然および人工フレーバーなどの着香剤は、従来の技術で公知である。これらの着香料は、合成フレーバーオイルおよび着香性の芳香物質、および/またはオイル、オレオレジン、および植物、葉、花、果実などから得られる抽出物、ならびにこれらの組み合わせから選択することができる。代表的なフレーバーオイルとしては、スペアミント油、ケイ皮油、ハッカ油、チョウジ油、ベイ油、タイム油、ニオイヒバ油、ニクズクの油、セージの油、苦扁桃の油が挙げられる。これらの着香剤は、個々に、または混合して使用することができる。通常使用されるフレーバーとしては、個々に用いられるか混合して用いられるかにかかわらず、ハッカなどのミント、人工バニラ、ケイ皮誘導体、および種々の果実フレーバーが挙げられる。一般に、National Academy of SciencesによるChemicals Used in Food Processing、publication 1274、63〜258ページに記載されているものなどの、いかなる着香性または食用添加物も使用することができる。一般に、着香剤は、約1〜約60重量%、好ましくは約5%〜約40重量%、より好ましくは約15〜約25重量%の範囲の量で、本発明のフィルムに配合される。
歯磨きまたはうがい中のフレーバーの放出プロフィールは、外側表面層の厚さおよび/または組成を調節することによって制御することができる。外側表面層の厚さは、0.2ミル〜4ミルまで変動し得る。
理論には拘泥されないが、本実施形態の多層フィルムフレーバーチップは、唾液や水と接触すると、各層、特に外側表面層が、水侵食性であるので、ゆっくりと分解し始めると考えられている。さらに、水または唾液にさらされると、多層フィルムの外側層の粘膜付着性は活性化することになり、それによって、口内の軟組織および/または硬組織への迅速な粘着が引き起こされる。フィルムは、いったん口腔表面に付着すると、フレーバーおよび活性剤のさらなる放出のための有効な貯蔵庫を提供する。多層フィルムは、時間とともにゆっくりと分解し続け、いったんそのすぐ外側の層が分解すると、各層の内容物を順次放出する。歯磨き剤または口内洗浄液に多層フィルムフレーバーチップを配合する結果として、消費者は、フレーバー送達が増強されたオーラルケア組成物を使用することができる。練り歯磨きまたは口内洗浄液のフレーバーが弱くなると、多層フィルムチップの中心層からフレーバーが放出されるにつれて、多層フィルムフレーバーチップから放出されるフレーバーは増大し、消費者は、従来の歯磨き剤からのフレーバーが減少していた後も長時間フレーバー感覚の増大を経験する。
一実施形態では、練り歯磨きのフレーバーは、これに本発明の多層フィルムフレーバーチップ(ここでは、チップのフレーバーは練り歯磨きのフレーバーと同じである)を添加することによって、増強される。
本発明の多層フィルムに含有されるフレーバーの種類を変えることによって、追加的なフレーバーシグナルを送達することができる。練り歯磨きのフレーバーと、多層フィルムに含有されるフレーバーとが同じである場合、歯磨き中のフレーバーの強度は増大する。
別の実施形態では、AB、ABA、またはABC構造を有する多層フィルムを、経口的に許容し得る担体に組み込むことによって、フレーバーの知覚を、時間とともに変化させることができる。ABABまたはABCABCなどの他の多層フィルム構造も利用可能である。これらのフィルム構造では、Aは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびそれらのコポリマーの混合物からなる群から選択されるフィルム形成ポリマーを好ましくは含む外側表面層を表す。外側表面層Aは、コーンスターチ、Dスクラレース(sucralase)などの甘味料、プロピレングリコールなどの湿潤剤、およびTween 80などの界面活性剤を含むことが好ましいであろう。表面層Aは、中央層からのフレーバー放出を遅延または加速することが可能な他の成分も含むことができる。こうした成分としては、それだけには限らないが、ポリ酢酸ビニルまたはヒドロキシエチルセルロースなどの放出調節ポリマーが挙げられる。外側表面層の厚さは、変動し得るので、中央層からのフレーバー放出にも影響を与える。外側表面層が薄いまたは約0.2ミルである場合、中央層からのフレーバー放出は速められる。逆に、外側表面層の厚さが増大される場合、中央層からのフレーバー放出は遅延される。好ましくは、外側表面層の厚さは、約0.55ミルである。中央または中心層Bは、外側表面層Aと同じ構成材を含むことができるが、層Bは、経口的に許容し得る担体のフレーバーと同じまたは異なり得るフレーバーも含有する。中央層Bはまた、増強されたフレーバーシグナルを補完するための追加の感覚シグナルを提供することができる他の成分も含むことができる。構造がABAである場合、下で図1に関して論じる通りのパターンとなり、異なる時点でフレーバー放出が起こる。多層フィルム構造がABCである場合、下で図4(a)および4(b)に関して論じる通り、フレーバー知覚はまた、時間とともに変化する。
一実施形態では、本発明の多層フィルムフレーバーチップを配合した練り歯磨きまたは口内洗浄液からの第2のフレーバーシグナルの放出時間を制御するために、外側表面層の組成の変更を使用することができる。例えば、ポリ酢酸ビニル、ヒドロキシルエチルセルロースなどの放出調節ポリマーを、中央層からのフレーバーの放出を所望の量の時間遅延させるのに有効な量で、外側表面層に添加することによって、中央層からのフレーバー放出を遅延させることができる。例えば、約5重量%〜約30重量%のポリ酢酸ビニルを添加することによって、フレーバー放出を、ブラッシング後から5〜30分遅延させ、それによって、フレーバー放出の長時間または連続的な噴出を提供することができる。
別の実施形態では、多層フィルムフレーバーチップを配合した練り歯磨きからの第2のフレーバーシグナルの時間を制御するために、外側表面層の厚さの変更を使用することができる。例えば、外側表面層の厚さは、0.2ミル〜4ミルまで変動し得る。
さらに別の実施形態では、本発明は、多層フレーバーチップの第1のフレーバーシグナルの強度とは異なる強度を有する第2のフレーバーシグナルを供給することができる練り歯磨きを提供する。これは、多層フレーバーチップの中央または中心フィルム層に利用するスラリー組成物中のフレーバーの濃度を変えることによって実現することができる。例えば、中央または中心フレーバー坦持層中のフレーバーレベルは、中央または中心層組成物の5重量%〜40重量%まで変動し得る。
種々の実施形態では、練り歯磨きベースのフレーバーとは異なるフレーバーを含む多層フレーバーチップを調製することによって、第1のシグナルとは異なる第2のフレーバーシグナルを送達することができる練り歯磨きを得ることができる。種々の実施形態では、フレーバーシグナルに加えて他のシグナルを送達するために、多層フィルムチップを調製することができ、ここでは、中心層のフレーバーに、涼感シグナル、辛み感覚シグナル、甘み感覚シグナル、および温感シグナル、またはこれらの混合物からなる群から選択される1種または複数の作用薬が追加される。
涼感シグナルを提供する涼感剤の例としては、限定はされないが、メントール、WS-3(商標)、WS-5(商標)、WS-23(商標)、およびL-乳酸メンチルが挙げられる。辛み感覚シグナルを提供する辛み感覚剤の例としては、限定はされないが、スピラントールおよびカプシアシン(capsiacin)が挙げられる。甘み感覚を提供する甘み感覚剤の例としては、限定はされないが、サッカリン、スクラロース、アスパルテーム、ネオテーム、およびアセスルファム-Kが挙げられる。温感を提供する温感剤の例としては、限定はされないが、ケイ皮アルデヒド、カプサイシン、ゼオライト、およびオレオレジンカプシカムが挙げられる。
多層フィルム厚のサイズは、1.0ミル〜10ミル、好ましくは1.5ミル〜4ミルの範囲である。次いで、本発明の乾燥させたフィルムを、切断または穿孔して、0.01〜0.50インチ、好ましくは0.08〜0.25インチの粒度を有する成形フレークにすることができる。
フレークまたはチップに成形する前に、食品グレードのセラックまたはエチルセルロースなどの保護バリアーコートをフィルムに適用することによって、乾燥させた多層フィルムから形成された形状に、さらなる安定性を提供することができる。
フィルムが装飾効果のために使用されることとなる場合、いったん形成したフィルムを穿孔して、ハート、星、ダイヤ、または円などの様々な魅力的な成形フレークにする。本発明のベース歯磨き剤に、0.05〜2.0重量%、好ましくは0.2〜0.75重量%の濃度でフィルムフレークを配合することができる。
フィルムを調製する方法
本発明の多層フィルムは、従来の押出し、水性の鋳込成形(aqueous casting)および溶液流延プロセスなどの当技術分野で公知の方法を使用して調製することができる。一実施形態では、3層フィルムが提供される。3層フィルムは、各層についてそれぞれのスラリーから鋳込成形し、続いて乾燥させることによって、層A、B、Aを次々に形成させることによって形成することができる。例えば、第1の層を、フィルム形成ポリマーを含むスラリー組成物から5ミル層として鋳込成形し、次いで95℃の温度のオーブン内で15分間乾燥させることができる。次いで、第2の層を、フィルム形成ポリマーとフレーバーとを含むスラリー組成物から第1の層の上に15ミル層として鋳込成形し、次いで95℃の温度のオーブン内で15分間乾燥させることができる。最後に、第3の層を、フィルム形成ポリマーを含むスラリー組成物から第2の層の上に5ミル層として鋳込成形し、次いで95℃の温度のオーブン内で15分間乾燥させることができる。2層、3層、および多層フィルムを製造するための他の手段は、当業者に周知であり、水性の鋳込成形、溶液流延、押出しなどが挙げられる。フィルムは、上で説明した通りに連続的に作製する、または、構成材スラリーから直接的に多層の薄層スラリーとして形成することができる。次いで、薄層スラリーを、同様に乾燥させることになる。方法の組み合わせも可能である。例えば、層の押出しに続いて、別の層の溶液流延を行うことができる。この説明の目的は、フィルムが作製される方法を限定することではない。多層フィルムを調製した後、これを切断して、練り歯磨きまたは洗口液ベースに含ませるためのチップなどの、異なる形状または形態の、より小さな断片にすることができる。
別の実施形態では、本発明は、外側表面層が、水侵食性であり、かつフィルム形成ポリマーを含むのに対し、中央層が、フレーバーと第2のフィルム形成ポリマー(これは、中央層のフィルム形成ポリマーと同じまたは異なり得る)とを配合するような3層フィルムを提供する。
さらに別の実施態様では、本発明は、オーラルケア組成物からのフレーバー放出を増強するための方法であって、第1のフレーバーと、フレーバー放出の遅延のための多層フィルム(該多層フィルムは、第2のフレーバーを含有する少なくとも1つの中央層を含み、該中央層は、2つの外側表面層の間に配置され、該第1のフレーバーと第2のフレーバーは、同じまたは異なり、各外側表面層は、放出調節剤を含む)とを含有する経口的に許容し得る担体を含むオーラルケア組成物を提供することと、該オーラルケア組成物を哺乳類の口腔に適用することとを含む方法を提供する。練り歯磨きまたは洗口液担体に含有される第1のフレーバーは、唾液中に存在するフレーバーレベルによって測定される場合、オーラルケア組成物の使用開始から0分〜5分放出される。多層フィルムに含有される第2のフレーバーは、唾液中に存在するフレーバーレベルによって測定される場合、オーラルケア組成物の使用開始から0分〜45分、または10分〜20分放出される。本明細書で述べる場合、「ピークフレーバー」は、本発明のオーラルケア組成物からのフレーバーの最大放出をいい、これは、哺乳類の唾液中に存在するフレーバーレベルによって測定される場合、担体の第1のフレーバーが、その最高値の約0.5まで減少し、多層フィルムから放出される第2のフレーバーが、その最高値に到達した後に生じる。本発明のオーラルケア組成物のピークフレーバーは、オーラルケア組成物の使用が終了してから2分〜60分、好ましくは5分〜30分、最も好ましくは5分〜20分後に、最大フレーバー強度に到達することができる。ある好ましい実施形態では、練り歯磨きまたは洗口液ベースの第1のフレーバー全体が消費された後10分〜15分以内にピークフレーバーに到達する。
本発明の多層フィルムによって提供される利益全体をまた、図1に示す。図1は、ブラッシング中に採取される唾液中のフレーバーレベルによって測定される、練り歯磨きAおよび練り歯磨きBの典型的な放出プロフィールを示す。練り歯磨きAは、それ自体のフレーバーだけでなく、図2に示した通りの構造ABA(外側表面層Aは同じ組成であり、中心層Bは、フレーバーを含有する唯一の層である)を有する3層フィルムから調製された3層フィルムフレーバーチップも含有する。練り歯磨きBは、いかなるフレーバーチップも含有せず、従来の練り歯磨きのフレーバー含有量である。図1に示される通り、最初は、練り歯磨きAのフレーバー放出プロフィールは、従来の練り歯磨きBの放出プロフィールとなった。しかし、練り歯磨きベースのフレーバーが消費された後、3層フレーバーチップが溶け始めるので、中央層からのフレーバーが放出され、消費者は、フレーバーの突然の強烈な噴出を経験する。下により詳細に述べる通り、フレーバーの噴出の強度は、本発明の多層フィルムチップの中央層中のフレーバーの量と共に変化する。
図2は、外側表面層が同じ組成である構造ABAを有する3層フィルムを示す。図3(a)および(b)は、ABA配置の多層フィルムの唾液被覆口腔粘膜のモデルへの結合に対するCarbopol 971Pの効果を示す。図3(a)においては、多層フィルムは、Carbopol 971Pを含有しない。図3(b)においては、多層フィルムは、粘膜付着性のCarbopol 971Pを含有する。図3(b)からは、粘膜付着剤を含有する多層フィルムが、唾液被覆表面への増大された付着性を示すことがわかる。
図4(a)は、構造ABCを有する3層フィルムを示す。ここでは、口腔表面に隣接する表面層Aは、付着剤およびフレーバー#3を含み、中間層Bは、フレーバー#2を含有し、口腔表面から離れて位置する表面層Cは、時間遅延層である。図4(b)は、ブラッシング後に認識される種々のフレーバーの放出プロフィールを示す。表面層Aに使用される付着性材料は、口腔表面に付着する能力を備えたフィルムを提供する。ブラッシング後一定期間にわたって、表面層Cは分解し、その後、中間層Bからフレーバー#2が放出される。いったん中間層Bが分解してフレーバー#2を放出すると、表面層Aは分解し始めてフレーバー#3を放出する。当業者によって理解される通り、フレーバー#2およびフレーバー#3は、冷却剤(cooling agent)と置き換えることができ、両方が、異なる冷却剤であってもよいし、両方が、異なる濃度の同じフレーバーであってもよい。
種々の実施形態では、オーラルケア組成物は、担体に封入された複数のラメラ状の多層フィルム断片を含む。一実施形態では、該組成物は多層フィルムを含み、ここでは該フィルムはフィルム材料のラメラ状の断片を含む。一実施形態では、該組成物は、その中に複数のラメラ状の断片が分布された担体を含み、ここでは該断片は、多層フィルムを含み、その中心層は、フレーバーを含有する。こうした断片は、半固体または固体不連続部分、断片、粒子、フレーク、あるいはこれらの組み合わせを含めた様々な形状または形態のうちのいずれかであり得る。種々の実施形態では、多層フィルムは、複数の第1の断片と複数の第2の断片とを含み、ここでは複数の第1の断片は、複数の第2の断片とは組成または外観が異なる。組成または外観のこうした違いは、断片の組成(例えば、異なるフィルム構成材、異なる機能性材料、異なる配合着色料)、異なる外観(例えば、形状、色、質感、屈折率、反射率)のいかなる実施態様、またはこれらの組み合わせでもあり得る。
種々の実施形態では、断片は、担体との知覚可能な差異を示す。知覚可能な差異は、視覚的差異、触覚的差異、味覚的差異、または嗅覚的差異などの感覚的な差異であり得る。ある種の形態では、視覚的差異は、色覚的差異、あるいは屈折率または反射率の違いであり得る。いくつかの形態では、色覚的差異は、該組成物の異なる構成材を含む1種または複数の着色料によって付与することができる。種々の実施形態では、本発明は、担体中に複数のフィルム断片を含み、前記断片が視覚的に識別可能である組成物を提供する。本明細書で述べる場合、「視覚的に識別可能である」は、断片に、その断片が封入される担体とは異なる物質的外観(好ましくは肉眼に対する)を与える、断片の1つまたは複数の特性をいう。こうした特性としては、色、不透明性、屈折率、反射率、サイズ、形状、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
種々の実施形態では、断片は、ランダムではない形状を有する。一実施形態では、「ランダムではない」形状は、それによって断片に特定の形状が与えられるような、成形、切断、または他の形成プロセスという製造プロセスに起因する形状である。こうした実施形態では、ランダムではない形状は、材料の単純な沈殿または粉砕に起因する形状とは区別される。一実施形態では、「ランダムではない」形状は、該組成物が、同じ形状を実質的に有する複数の断片を含むような「反復」である。こうした反復形状は、様々な形態のいずれかをとることができ、様々な美的または機能的基準に基づいて選択することができる。ある実施形態では、フィルム断片の形状は、認識可能な形状であり得る。ある実施形態では、多層フィルム断片は、ランダムではない形状を含むことができる。こうした形状としては、三角形、四角形(正方形、長方形、菱形など)、五角形、六角形、長円形、および円形など、多角形および楕円形状などの単純な幾何学的形状が挙げられる。一実施形態では、反復形状は、正方形である。他の実施形態では、反復形状としては、星、ハート、宝石、花、木、クローバー、アルファベットの文字、数字、動物、人、および顔などの、図形または生物もしくは無生物対象を代表する形状が挙げられる。種々の実施形態では、組成物は、単一の反復形状を含む。他の実施形態では、組成物は、複数の反復形状を有する複数の断片を含む。一実施形態では、本発明の組成物は、第1の反復形状を有する複数の第1の多層フィルム断片と、第2の反復形状を有する複数の第2の多層フィルム断片とを含み、ここでは第1の反復形状は、第2の反復形状とは異なる。
種々の実施形態では、断片のサイズは重要ではなく、見た目の外観に影響を与える製造上の利便性、組成物の質感に影響を与える表面積、およびそれらの組み合わせを含めた様々な基準のいずれかに基づいて決定することができる。いくつかの実施形態では、多層フィルム断片は、最長寸法の長さが最高で約1インチ(25.4mm)であり得る。本明細書で述べる場合、「長寸法」は、断片の「厚さ」または最短寸法(すなわちz寸法)と実質的に垂直な寸法における、長さまたは幅(すなわち、断片が平面形状であるまたは平面形状であるように変形された場合のxおよびy寸法)における断片の寸法である。複数の断片を含む種々の実施形態では、断片は、サイズのランダムなばらつき、製造上の公差、およびをふるい分けまたは同様の手段を介する断片の意図的な分粒または混合を含めた様々な要因に起因するサイズの範囲で存在することができることが理解されよう。本明細書で述べる場合、サイズは、所与の複数の断片における断片の平均サイズをいう。
種々の実施形態では、断片は、長寸法が0.2mm〜15mmである。種々の実施形態では、断片の長寸法は、0.2mm〜約10mm、0.5mm〜10mm、0.8mm〜8mm、0.9mm〜5mm、1.0mm〜5mm、または1.5mm〜2.5mmである。いくつかの実施形態では、断片の長寸法は、少なくとも3mmであり、6mm〜13mmであり得る。ある実施形態では、複数のフィルム断片は、最長寸法が600ミクロン超である。ある実施形態では、複数のフィルム断片は、最長寸法が約1ミリメートル超である。
種々の実施形態では、本発明の断片は、約1ミル(インチの1000分の1、25.4ミクロン)〜3ミル(76.2ミクロン)の厚さを有する。種々の実施形態では、断片は、4ミル未満または100ミクロン未満、および0.1ミル(2.54ミクロン)〜最大約10ミル(254ミクロン)、0.5ミル(12.7ミクロン)〜最大5ミル(127ミクロン)、1.4ミル(35.6ミクロン)〜約2.0ミル(50.8ミクロン)の厚さを有する。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、少なくとも約5:1の縦横比を有する断片を含む。本明細書で述べる場合、断片の「縦横比」は、対象物を取り囲むことができる最も小さい仮想球の直径の、対象物が完全に内側にありかつ対象物の表面に接することができる最も大きい仮想球の直径に対する比である。例えば、球体の縦横比は1:1であり、別の例では、長さが2インチ(50.8mm)、直径が1/4インチ(6.35mm)である円柱の縦横比は、8:1よりもやや大きく、さらに別の例では、厚さが1ミル(25.4ミクロン)、長さが1インチ(25.4mm)、幅が1インチ(25.4mm)である本発明の多層フィルム断片は、約1414:1の縦横比を有する。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、少なくとも10:1の縦横比を有する断片を含む。種々の実施形態では、該断片は、5:1〜10,000:1、5:1〜500:1、10:1〜1,000:1、10:1〜100:1、20:1〜100:1、または25:1〜35:1の縦横比を有する。
種々の実施形態では、多層フィルムは、多層フィルム、組成物、またはその両方に色を与える配合着色料を含む。種々の実施形態では、フィルム断片は、担体と対照をなし、白色、黒色、または担体バックグラウンドに対して視認できるもしくは対照をなす任意の色のものである。配合着色料としては、本明細書で有用なものの中では、例えば、金属酸化物「レーキ」などの非毒性の水溶性の染料または顔料が挙げられる。ある実施形態では、例えば、米国での使用においてFDAによって認可されたFD&CまたはD&C顔料および染料などのように、着色料は、食品または薬物への配合について、規制機関によって認可されている。着色料としては、本明細書で有用なものの中では、FD&C Red No.3(テトラヨードフルオレセインのナトリウム塩)、Food Red 17、6-ヒドロキシ-5-{(2-メトキシ-5-メチル-4-スルホフェニル)アゾ}-2-ナフタレンスルホン酸の二ナトリウム塩、Food Yellow 13、キノフタロン(quinophtalone)または2-(2-キノリル)インダンジオンのモノおよびジスルホン酸の混合物のナトリウム塩、FD&C Yellow No.5(4-p-スルホフェニルアゾ-1-p-スルホフェニル-5-ヒドロキシピラゾール-3カルボン酸のナトリウム塩)、FD&C Yellow No.6(p-スルホフェニルアゾ-B-ナフトール-6-モノスルホナートのナトリウム塩)、FD&C Green No.3(4-{[4-(N-エチル-p-スルホベンジルアミノ)-フェニル]-(4-ヒドロキシ-2-スルホニウムフェニル)-メチレン}-[1-(N-エチル-N-p-スルホベンジル)-Δ-3,5-シクロヘキサジエンイミン]の二ナトリウム塩)、FD&C Blue No.1(ジベンジルジエチル-ジアミノトリフェニルカルビノールトリスルホン酸硬セッコウ(anhydrite)の二ナトリウム塩)、FD&C Blue No.2(インジゴチンのジスルホン酸のナトリウム塩)、ならびに種々の割合のこれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、着色料は、二酸化チタン、酸化クロムグリーン、フタロシアニングリーン、ウルトラマリンブルー、酸化鉄、または非水溶性染料レーキなどの非水溶性無機顔料を含む。いくつかの実施形態では、染料レーキとしては、FD&C Green #1レーキ、FD&C Blue #2レーキ、D&C Red #30レーキ、またはFD&C # Yellow 15レーキなどの、FD&C染料のカルシウムまたはアルミニウム塩が挙げられる。ある実施形態では、例えばFD&C Blue #1などの水溶性の染料は、例えばポリエチレンなど、例えばポリエチレンビーズとして売られているもの(例えば、Micropowders社によって販売されているMicroblue Spectrabeads)などの水不溶性のポリマー中に含有される。ある実施形態では、多層フィルムは、D&C Red #30などの染料を含む。ある実施形態では、白色着色料、例えば二酸化チタン(TiO2)、二酸化チタン被覆雲母(例えばTimiron)、鉱物、または粘土が使用される。ある実施形態では、着色料は、非にじみ性の染料である。種々の実施形態では、多層フィルムは、多層フィルムの重量約0.5重量%〜20重量%、多層フィルムの1重量%〜15重量%、またはフィルムの3重量%〜12重量%のレベルで着色料を含む。一実施形態では、本発明の組成物は、第1の色を含む第1の複数の多層フィルム断片と、第2の色を含む第2の複数の多層フィルム断片とを含む。好ましくは、第2の色は、第1の色とは異なる。
本発明の多層フィルムは、種々の実施形態では、組成物の使用中に分解する。他の実施形態では、多層フィルムは、組成物の使用中に分解しない。いくつかの実施形態では、多層フィルムは、フレーバーなどの材料を担体に放出する。本明細書で述べる場合、「分解する」は、元々のフィルムよりもサイズが低下したフィルムまたはフィルム断片を生じるような多層フィルムまたは断片材料の物理的崩壊をいう。こうした崩壊は、力学的、化学的、または物理化学的手段を介するものであり得る。分解は、例えば、使用中の剪断、粉砕、または高温への暴露によって起こる可能性がある。本発明の種々の歯磨き剤実施形態では、こうした分解は、組成物を使用する対象の歯上での組成物のブラッシングによって起こる。一実施形態では、フィルムが分解して、機能性のフレーバー材料(本明細書で後に記述する通り)を放出する。いくつかの実施形態では、フィルム断片が分解して視覚的に認識できない小さな断片になることができる。いくつかの実施形態では、フィルム断片が分解して、集合的にコロイドまたはゲルを形成する。
種々の実施形態では、本発明の多層フィルムは、香料に加えて、限定はされないが、
A. イオノンなどのマスキング芳香、
B. コウボク抽出物、マグノロール、ホーノキオール、トリクロサン、塩化セチルピリジニウム(CPC)、クロルヘキシジンなどの静菌または抗菌剤、
C. ビスマス、亜鉛、スズ、銅などの金属塩、
などの他の機能的な活性剤を含むことができる。
種々の他の実施形態では、多層フィルムは、香料に加えて、限定はされないが、他の治療的活性剤を含むことができる。本明細書で述べる場合、治療的活性剤は、生理的障害または状態の予防または処置に有用である材料である。こうした障害または状態としては、口腔(歯および歯肉を含めて)、皮膚、毛髪、および目のものが挙げられる。具体的な治療的活性剤は、組成物の所望の有用性に従って決定されることが好ましい。一実施形態では、フレーバーの放出が、治療的活性剤が口内で有効に働くのに十分な時間を有する価値あるシグナルを使用者に提供する。こうした活性剤としては、以下が挙げられる。
A. 抗菌剤、例えばトリクロサン、塩化セチルピリジニウム、臭化ドミフェン、第四級アンモニウム塩、サンギナリン、フルオライド、アレキシジン、オクトニジン(octonidine)、EDTA、精油(チモール、サリチル酸メチル、ユーカリプトール、メントールなど)など、
B. 非ステロイド性抗炎症薬物、例えばアスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ジフルニサル、フェノプロフェンカルシウム、ナプロキセン、トルメチンナトリウム、インドメタシンなど、
C. 鎮咳薬、例えばベンゾナテート、エジシル酸カラミフェン、メントール、臭化水素酸デキストロメトルファン、塩酸クロフェジアノールなど、
D. 鬱血除去薬、例えば塩酸プソイドエフェドリン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、硫酸プソイドエフェドリンなど、
E. 抗ヒスタミン、例えばマレイン酸ブロムフェニルアミン、マレイン酸クロルフェニラミン、マレイン酸カルビノキサミン、フマル酸クレマスチン、d-マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェニルピラリン、マレイン酸アザタジン、クエン酸ジフェンヒドラミン、コハク酸ドキシラミン、塩酸プロメタジン、マレイン酸ピリラミン、クエン酸トリペレナミン、塩酸トリプロリジン、アクリバスチン、ロラタジン、ブロムフェニルアミン、デキスブロムフェニルアミンなど、
F. 去痰薬、例えばグアイフェネシン、イペカック、ヨウ化カリウム、抱水テルピンなど、
G. 止瀉薬、例えばロペラミド、など、
H. H2-アンタゴニスト、例えばファモチジン、ラニチジンなど、
I. プロトンポンプ阻害薬、例えばオメプラゾール、ランソプラゾールなど、
J. 一般的な非選択性のCNS抑制薬、例えば脂肪族アルコール、バルビツール酸塩など、
K. 一般的な非選択性のCNS興奮薬、例えば、カフェイン、ニコチン、ストリキニーネ、ピクロトキシン、ペンチレンテトラゾールなど、
L. CNS機能を選択的に改変する薬物、例えば、フェニルヒダントイン、フェノバルビタール、プリミドン、カルバマゼピン、エトスクシミド、メトスクシミド、フェンスクシミド、トリメタジオン、ジアゼパム、ベンゾジアゼピン、フェナセミド、フェネツリッド、アセタゾラミド、スルチアム、ブロム剤など、
M. 抗パーキンソン病薬、例えば、レボドーパ、アマンタジンなど、
N. 麻薬性鎮痛薬、例えば、モルヒネ、ヘロイン、ヒドロモルホン、メトポン、オキシモルホン、レボルファノール、コデイン、ヒドロコドン、キシコドン(xycodone)、ナロルフィン、ナロキソン、ナルトレキソンなど、
O. 鎮痛解熱薬、例えば、サリチル酸塩、フェニルブタゾン、インドメタシン、フェナセチンなど、
P. 精神薬理学的薬物、例えば、クロルプロマジン、メトトリメプラジン、ハロペリドール、クロザピン、レセルピン、イミプラミン、トラニルシプロミン、フェネルジン、リチウムなど。
本発明のフィルムに使用することができる医薬品の量は、医薬品の有効量を提供するのに必要な用量に応じて変わり得る。
種々の実施形態では、本発明で有用な治療薬としては、齲歯予防薬、歯石制御剤、抗プラーク剤、歯周用活性剤、口臭消臭剤、悪臭制御剤、ホワイトニング剤、抗菌剤、ステロイド、抗炎症剤、ビタミン、タンパク質、調整剤、保湿剤、発汗抑制性活性剤、消臭性活性剤、麻酔剤、およびこれらの混合物が挙げられる。
あるオーラルケア実施形態では、多層フィルムまたはオーラルケア組成物は、オーラルケア的障害または状態の予防または治療に有用であるオーラルケア活性剤を含むことができる。オーラルケア活性剤としては、本明細書で有用なものの中では、研磨剤、齲歯予防薬、歯石制御剤、抗プラーク剤、歯周用活性剤、口臭消臭剤、悪臭制御剤、歯減感剤、唾液刺激剤、ホワイトニング剤、およびこれらの組み合わせが挙げられる。本明細書で有用なものの中での活性な材料は、Leungらの米国特許第6,596,298号に記載されている。
歯石制御剤としては、本明細書で有用なものの中では、Na4P2O7、K4P2O7、Na2K2P2O7、Na2H2P2O7、およびK2H2P2O7などの二アルカリまたは四アルカリ金属ピロリン酸塩、ヘキサメタリン酸ナトリウムなどの長鎖ポリリン酸塩、およびトリメタリン酸ナトリウムなどの環状リン酸が挙げられる。いくつかの形態では、ポリリン酸塩は、White,Jr.の米国特許第6,241,974号に開示されているものなどのβ相ピロリン酸カルシウムである。いくつかの実施形態では、フィルムは、フィルムの約15〜20重量%のレベルで、抗歯石剤を含む。
本明細書で有用な臭い緩和剤としては、硫黄沈殿剤が挙げられる。こうした硫黄沈殿剤しては、銅塩または亜鉛塩などの金属塩が挙げられる。こうした塩としては、グルコン酸銅、クエン酸亜鉛、およびグルコン酸亜鉛が挙げられる。これらの亜鉛塩は、フィルムに含まれる亜鉛化合物と組み合わせてまたはこれに加えて使用することができる。種々の実施形態では、フィルムは、フィルムの0.01〜30重量%、フィルムの2%〜2.5重量%、またはフィルムの10%〜20重量%のレベルで硫黄沈殿剤を含む。
ある実施形態では、フィルムおよび/または経口用の組成物は、唾液刺激剤(「多液性(succulent)」)を含むことができる。こうした薬剤としては、Kleinbergらの米国特許第4,820,506号に開示されているものが挙げられる。いくつかの形態では、唾液刺激剤は、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、アスコルビン酸、アジピン酸、フマル酸、および酒石酸などの食用酸を含むことができる。種々の実施形態では、フィルムは、フィルムの0.01〜12重量%、フィルムの1%〜10重量%、またはフィルムの2.5%〜6重量%のレベルで唾液刺激剤を含む。いくつかの実施形態では、口内乾燥症の改善において唾液刺激剤を使用することができる。
あるオーラルケア実施形態では、多層フィルムは、抗菌剤、例えば、マグノリア抽出物、トリクロサン、ブドウ種子抽出物、チモール、サリチル酸メチル、ユーカリプトール、メントール、ホップ酸、塩化セチルピリジニウム(CPC/ZnおよびCPC+酵素を含めて)、およびウスニン酸、抗炎症剤、例えば、口臭消臭剤(例えばグルコン酸亜鉛、クエン酸亜鉛、亜塩素酸塩亜鉛、およびアルファイオノン)、歯減感剤、例えば、硝酸カリウム、減感ポリマー、および減感ミネラル、抗炎症剤、例えば、マグノリア抽出物、ウルソル酸、アロエおよびクランベリー抽出物、ビタミン、例えば、パンテオン(pantheon)、パルミチン酸レチニル、葉酸、酢酸トコフェロール、およびビタミンA、ハーブまたはハーブ抽出物、例えば、ローズマリー、オレガノ、カミツレ、セイヨウハッカ、サルビア、またはミルラ、タンパク質、例えば乳タンパク質、および酵素、例えば、過酸化物生成酵素、アミラーゼ、プラーク破壊剤、例えば、パパイン、グルコアミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、および「次世代」酵素、ホワイトニング剤、例えば、過酸化水素、過酸化尿素、およびリン酸塩、医薬、例えば、アスピリン(アセチルサリチル酸)、カフェイン、およびベンゾカイン、プロバイオティクス、研磨剤、例えばシリカ(高清浄シリカを含めて)、齲歯予防薬、例えば、第一スズ塩(例えばフッ化スズ)またはアミノフッ化物、一酸化窒素合成酵素阻害剤、例えばグアニジノエチルジスルフィド、カルシウム、抗付着成分、例えばポリビニルホスホン酸、保存剤、例えばSolbrol(登録商標)(Bayer Chemicals社)、シリコーン、クロロフィル化合物、βカロチンなどの抗白斑症剤、ビタミンEなどの抗酸化剤、およびこれらの組み合わせなどの他の活性な材料を含む。いくつかの実施形態では、フィルムは、フィルムの0.01〜30重量%、フィルムの2%〜25重量%、またはフィルムの10%〜20重量%の濃度で、こうした活性な材料を含む。
ある実施形態では、多層フィルムおよび/またはオーラルケア組成物は、保存剤を含む。保存剤は、多層フィルムの0.001重量%〜5重量%、好ましくは0.01重量%〜1重量%の量で添加することができる。保存剤の非限定的な例としては、安息香酸ナトリウムおよびソルビン酸カリウムが挙げられる。
本発明の組成物は、その中に多層フィルムまたは断片が封入される担体を含む。本明細書で述べる場合、「担体」は、多層フィルムが封入され得、かつ、該組成物が投与または適用されるヒトまたは動物対象への投与または適用に適した、任意の材料または組成物である。本明細書で述べる場合、「封入された」は、多層フィルムの担体への埋め込みまたは懸濁をいう。複数の断片を含む種々の実施形態では、こうした断片は、担体への断片の埋め込み、懸濁、分散、または他の分布によって封入することができる。種々の実施形態では、断片は、担体全体を通して実質的に均一に分配される。他の実施形態では、断片は、担体中に均一には分布されない。ある実施形態では、複数の多層フィルム断片の分配は、担体内で実質的に等方性である。担体中に分散または懸濁された複数のフィルム断片を含む歯磨き剤組成物は、Colgate-Palmolive Company、New York、N.Y.から、Max Fresh(登録商標)またはMax White(登録商標)という商品名で、市販品として入手できる。
これらの実施形態の組成物は、一方の相が担体を含み、第2の相が前述のフィルムまたは断片を含むような、二相を含むものとして記載することができる。用語「相」は、本明細書では、物質および材料化学で理解される通りの物質的な相、すなわち、その性質および組成が均一である材料の部分を表す。しかし、相は、本明細書では、不連続であり得る、すなわち、相は、複数の分離した構成材を含むことができる。例えば、同一の組成の複数のポリマーフィルム断片は、単一の相を含むとみなされる。いくつかの実施形態では、多層フィルム断片を、第1の相を含む材料内に完全に埋め込む、あるいは、第1の相の表面に完全にまたは部分的に露出させることができる。例えば、組成物が、ゲルと多層フィルム断片との両方を含む歯磨き剤である場合、フィルム断片を、ゲルによって完全に取り囲む、あるいは、ゲルの表面に部分的にまたは完全に露出させることができる。ある実施形態では、組成物は、2相よりも多い相を含む。こうした多相組成物としては、本明細書に記述する通りのフィルム断片に加えて、各々が組成物に相を与える2つの担体を含むものが挙げられる。他の多相組成物としては、単一の担体と2つ以上の複数の断片(複数の断片は、異なる組成を有する)とを含むものが挙げられる。
種々の実施形態では、担体は、液体、半固体、または固体である。「液体」は、低粘度または高粘度の液体であり得る。液体は、周囲条件下で流動がわずかであるような液体であり得る。例えば、手洗いセッケンの普通の塊などのセッケンは、本明細書では、液体と考えることができる。液体は、揺変性の液体であり得る。「半固体」は、本明細書では、ゲル、コロイド、またはゴムであり得る。本明細書では、半固体および液体は、粘度に基づいて区別される流体である。半固体が、高粘度の流体であるのに対して、液体は、より低い粘度を有する。これらの2種類の流体の間には、決定的な境界線は存在しない。半固体は、ある実施形態では、数千mPa・s程度の粘度を有する。担体としては、本明細書で有用なものの中では、液体、ペースト、軟膏、およびゲルが挙げられ、これらは、透明、半透明、または不透明であり得る。
ある実施形態では、本発明の組成物は、口腔への投与に適したオーラルケア組成物である。こうした組成物としては、歯磨き剤、洗口液、口内洗浄液、歯科用ゲル、トローチ、ビーズ、ガム、経口用条片(strip)、ミント、液体歯磨き、スプレー、塗布用ゲル、リップバーム、ホワイトニング条片、口臭予防条片(breath strip)、チューインガム(oral chew)、およびこれらの組み合わせが挙げられる。本明細書に開示するオーラルケア組成物は、例えば、空隙予防、ホワイトニング、プラークの予防または減少、歯肉炎の予防または減少、歯石制御、敏感性の予防または低下、または息の悪臭の予防または低下、およびステイン予防のために使用することができる。
担体の具体的な組成は、組成物の意図される用途に、好ましくは依存する。種々の実施形態では、担体は、水性であり、5%〜95%の水または10%〜70%の水を含む。他の実施形態では、担体は、実質的に非水性である。歯磨き剤担体においては、含水量は、5%〜70%、10%〜50%、または20%〜40%であり得る。存在する場合、水は、フィルムを分解させることとなり、乾燥フィルムは、自由水を含まない(ここでは、水の量は、実質的に0%である)、または無視できることが特に好ましい。
担体は、乳化剤、増粘剤、充填剤、および保存剤を含めた様々な材料のいずれかを含むことができる。いくつかの実施形態では、担体は、上に記述したものなどの機能性または活性な材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、担体は、フィルムと同じ機能性材料を含む。
一実施形態では、担体は、歯磨き剤としての使用に適している。いくつかの実施形態では、担体は、湿潤剤、例えばグリセリン、ソルビトール、またはアルキレングリコール、例えばポリエチレングリコールまたはプロピレングリコールを含む。いくつかの形態では、担体は、組成物の10%〜80重量%、または20%〜60重量%のレベルで、湿潤剤を含む。本明細書で有用なものの中での担体組成物は、Garlick,Jr.らの米国特許第5,695,746号およびMei-King Ngらの第4,839,157号に開示されている。
種々の歯磨き剤実施形態では、担体は、増粘剤、ゲル化剤、またはこれらの組み合わせを含む。本明細書で有用な増粘剤またはゲル化剤としては、無機、天然、または合成の増粘剤またはゲル化剤が挙げられる。いくつかの形態では、担体は、組成物の0.10%〜15重量%、または0.4%〜10重量%の総レベルで、増粘剤およびゲル化剤を含む。本明細書で有用な増粘剤およびゲル化剤の例としては、無機の増粘シリカ、例えば:非晶質シリカ(例えばZeodent(登録商標)165(Huber Corporation))、トチャカ、イオタカラジーナン、トラガカントゴム、またはポリビニルピロリドンが挙げられる。ある実施形態では、担体は、シリカ、焼成アルミナ、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム、またはピロリン酸カルシウムなどの研磨剤を含む。種々の実施形態では、担体は、視覚的に透明な組成物である。
視覚的に透明な担体を含む種々の歯磨き剤実施形態では、組成物は、少なくとも1種の研磨剤を含む。研磨剤としては、本明細書で有用なものの中では、コロイドシリカ、例えば、Zeodent(登録商標)115(Huber Corporation)、およびアルカリ金属アルミノケイ酸塩複合体(すなわちアルミナを含むシリカ)が挙げられる。いくつかの形態では、研磨剤は、水および/または湿潤剤と合わせたゲル化剤の屈折率に近い屈折率を有することができる。種々の実施形態では、担体は、組成物の5%〜70重量%のレベルで、研磨剤を含む。
ある歯磨き剤では、担体は、界面活性剤または界面活性剤の混合物を含む。界面活性剤としては、本明細書で有用なものの中では、少なくとも1種の高級脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸塩の水溶性塩、例えば、水素化ココヤシ油脂肪酸のモノ硫酸化モノグリセリドのナトリウム塩、コカミドプロピルベタイン、ラウリル硫酸ナトリウムなどの高級アルキル硫酸、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩、高級アルキルスルホ酢酸塩、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、スルホン酸1,2-ジヒドロキシプロパンの高級脂肪酸エステル、および低級脂肪族アミノカルボン酸の実質的に飽和した高級脂肪族アシルアミド、例えば、脂肪酸、アルキル、またはアシルラジカル中に12〜16個の炭素を有するもの、ならびにこれらの混合物が挙げられる。アミドは、例えば、N-ラウロイルサルコシン、ならびにN-ラウロイル、N-ミリストイルまたはN-パルミトイルサルコシンのナトリウム、カリウム、およびエタノールアミン塩であり得る。種々の実施形態では、担体は、組成物の0.3%〜5重量%、または組成物の0.5%〜3重量%のレベルで、界面活性剤を含む。
本発明はまた、歯磨き剤担体を作製する方法を提供する。一実施形態では、水と少なくとも1種の湿潤剤を、従来の攪拌機で、均一なゲル相が形成されるまで分散させる。第1の均一なゲル相に、研磨剤を加える。第1の均一なゲル相と研磨剤を、第2の均一なゲル相が形成されるまで混合する。この第2の均一なゲル相に、増粘剤、香料、および界面活性剤を加える。これらの成分を、約20〜100mmHgの真空中で、高速で混合する。
本発明の組成物は、保管の通常の条件下で安定であることが好ましい。本明細書で述べる場合、「安定な」は、一つの、好ましくはすべての組成的性状(組成物の外観、フレーバー、レオロジー、および化学組成など)に対する有意な有害作用がないことをいう。好ましくは、本発明組成物における安定性としては、組成物中のフィルム(もしあれば、断片を含む)の組成的および物理的安定性が挙げられる。種々の実施形態では、フィルムを含む組成物は、周囲温度での保管時に少なくとも約2年間安定である。しかし、いくつかの実施形態では、別の点では安定なフィルムは、(上で論じた通りの)使用中に、例えば歯磨き剤組成物を使用する歯磨きの間に分解することができることを理解されたい。
ある実施形態では、組成物は、本明細書で記述する通りのフィルム断片に加えて、各々が組成物に相を与える2つ以上の担体を含むことができる。こうした組成物は、色にじみに対して安定であり得る。例えば、組成物は、フィルム断片と、Wongらの米国特許第6,315,986号に開示されているものなどのストライプ状の歯磨き剤とを含むことができる。ある実施形態では、フィルム断片は、美的アピールを目的として、ストライプ(1つまたは複数)とは別の色(1つまたは複数)のものであり得る。
歯磨き剤組成物は、通常、歯磨き剤が、ある期間にわたって分配容器に保管され、その後、そこから使用者によって確実に分配できるようになるように、必要とされる流体力学的性質を有する歯磨き剤を提供する増粘剤を含む。歯磨き剤は、好ましくは、分配のためだけではなく、歯磨き中の口内での許容し得る粘稠性を示すために、妥当な粘度を有するべきである。典型的な増粘剤としては、修飾されたセルロース、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)および他の多糖またはゴム成分が挙げられる。
多糖増粘剤は、キサンタンガムとヒドロキシエチルセルロースのうちの少なくとも1種を含むことができる。多糖増粘剤は、一般的に、キサンタンガムとヒドロキシエチルセルロースのうちの少なくとも1種からなる。好ましくは、多糖増粘剤は、組成物の重量に基づくと0.1〜1.5重量%、好ましくは組成物の0.5〜1重量%の量で存在するキサンタンガムからなる。しかし、微量の追加の増粘剤、例えば、カラギーナン、トラガカントゴム、デンプン、ポリビニルピロリジオン(polyvinylpyrollidione)、ヒドロキシエチプロピル(hydroxyethypropyl)セルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム(CMCナトリウム)、およびコロイドシリカも存在することができる。一実施形態では、増粘剤の濃度は、組成物の重量に基づいて0.1重量%〜5重量%の範囲である。別の実施形態では、増粘剤の濃度は、組成物の重量に基づいて0.5重量%〜2重量%の範囲である。
本発明はまた、担体に封入された多層フィルムを含む組成物を作製するためのプロセスも提供する。種々の実施形態では、本発明のフィルムマトリックスの複数の断片が、担体と組み合わせられる。いくつかの形態では、担体と複数の多層フィルム断片とを混合することができる。いくつかの形態では、混合は、ゆっくりと撹拌することを含む。ある好ましい実施形態では、その中に本発明の多層フィルムの複数のラメラ状の断片が分布された担体を含む組成物を作製するためのプロセスは、
(a) 経口的に許容し得る担体を提供すること、
(b) 経口的に許容し得る担体に多層フレーバーフィルムのラメラ状の断片を添加して混合物を形成すること、および
(c) 混合物を均質化すること
を含む。
用語「均質化」は、本明細書では、断片の担体への実質的に均一な分布を達成するような、断片と担体との混合をいう。しかし、得られる組成物が、依然として2相の組成特性を保持することに注意するべきである。均質化は、様々な従来のホモジナイザーのいずれかを使用して実現することができる。
別の方法では、該フィルムが、経口的に許容し得る担体の構成材に(例えば、歯磨き剤用の湿潤剤に)添加される。次いで、担体の残部を作製し、次いで、フィルムの混合物を担体に加えることができる。
本明細書に記述するある実施形態はまた、ヒトまたは動物対象へのフレーバー放出のための多層フィルムを含む経口用組成物を投与する方法を提供する。本明細書で述べる場合、「投与すること」は、それによって組成物が対象に適用または投与されるようないかなる方法もいう。種々の実施形態では、投与は局所的であり、ここでは組成物は、対象の外表面に、例えば口腔の表面(例えば、歯、歯肉、および舌)に適用される。投与の具体的な経路および方法は、当然、組成物の意図される使用に応じて変わることとなる。
種々の実施形態では、本発明は、増強されたフレーバーを含有する経口用組成物を、その必要のあるヒトまたは動物対象に投与するための方法であって、担体に封入された増強されたフレーバー放出のための多層フィルムを含む組成物を、該対象に局所的に適用することを含む方法を提供する。この実施形態によれば、多層フィルムは、適用後に口腔の表面(例えば、歯の表面または粘膜)上に保持され、最初の適用後、フィルムに含有されたフレーバーおよび/または活性剤の放出を提供する。一実施形態では、この方法は、多層フィルムを含む経口用組成物を局所的に投与した後に多層フィルムを崩壊させることをさらに含む。こうした崩壊は、化学的および/または力学的手段を含めた様々な方法のいずれかによって実現することができる。化学的手段としては、水または投与の部位に存在する材料(例えば、オーラルケア用途では唾液)との接触による多層フィルムの分解が挙げられる。物理的手段としては、使用中の組成物への物理的エネルギーの適用(例えば歯磨き剤適用における歯磨き)によって生じるかき混ぜ、粉砕、および剪断力が挙げられる。
種々の実施形態では、本発明は、オーラルケア状況を処置するための方法を提供する。本明細書で述べる場合、「オーラルケア状況」は、歯、口腔粘膜、歯肉、および舌の障害または状態を含めた、口腔への組成物の投与によって予防または処置することができるいかなる障害または状態でもある。こうした状況としては、齲食、歯肉炎、歯周炎、ならびに黄変および悪臭などの美容的状況が挙げられる。
本明細書に記述する実施形態は、以下の非限定的な実施例を参照することによってさらに理解することができる。
本明細書に記述する実施例および他の実施形態は、例示的であり、この発明の組成物および方法を記述する際の制限要素であることを意図しない。具体的実施形態、材料、組成物、および方法の等価な変更、改変、および変形を、実質的に同様の結果を伴って、本発明の範囲内で行うことができる。
この実施例は、2つの外側表面層の間に位置する中央層を含有する、フレーバーを含有する3層フィルムを示す。各フィルム層は、フィルム形成ポリマーとしてのHPMC E5と、下の表1に示す通りの中央層にさらに存在する他の賦形剤とを含有する。外側表面層はまた、持続放出を増大させるために使用されるHPMC E50と、多層フィルムの歯または口腔の粘膜への付着を増大させる粘膜付着剤Carbopol 971Pも含む。中央または中心層はまた、フレーバーも含む。
Figure 2013530222
層1を5ミルで鋳込成形し、次いで95℃オーブン内で15分間乾燥させた。層1の上に層2を15ミルで鋳込成形し、次いで同様に乾燥させた。層3を5ミルで鋳込成形し、この最終組成物を95℃でさらに15分間乾燥させた。乾燥させたフィルムの厚さは、約2.75ミルであり、中央フレーバー層については1.65ミル、2つの表面層については0.55ミルであった。このフィルムを、IKA-WERKE (MF 10 basic)を使用することによって砕いて断片にした。例えば練り歯磨きおよび洗口液などの製品を作るために、12メッシュと20メッシュの間のサイズのチップを収集した。
柔らかい基層表面上へのフィルムの結合を定量化するために、in-vitro手法を開発した。この手順を、以下にまとめて示す。
1. 95%ソルビトールと4% PEG-12を含有する湿潤剤混合物を調製した。
2. 上で得られた1%試験フィルムを、この混合物に加えた。
3. 清澄化した唾液中で37℃で1時間インキュベートすることによって、基層(Vitro-skin(登録商標))を調製した。
4. 唾液でコートされたこの基層を、ペトリ皿に移した。
5. ブラッシング中の唾液流の増大の影響を模倣するために、湿潤剤/フィルム混合物を、水で希釈し(1:1〜1:2)、基層表面上に直ちに注いだ。
6. ペトリ皿を、50rev/分で5分間振とうさせた。
7. 基層を脱イオン水で2回すすいだ。
8. 基層表面上に付着したフィルムを、その結合性について評価した。
図3に示す通りのin-vitro結合実験(1:1希釈)結果は、粘膜付着性成分Carbopol 971Pを含有する層が、唾液でコートされた人工皮膚表面への結合を有意に向上させたことを示す。
この実施例は、結合性が増大した多層フィルムを示す。多層フィルムは、Carbopol 971Pがゼラチンと置き換えられること以外は、上の実施例1にある通りに調製する。得られた多層フィルムは、歯表面および口腔の粘膜への付着性の増大を明らかに示している。
この実施例は、この発明の多層フィルムから、フレーバー放出がどのように遅延されるかを示す。多層フィルムは、下の表2に示す通りに層のうちの1つにポリ酢酸ビニル(「PVA」)が添加されること以外は、上の実施例1または2にある通りに調製する。
Figure 2013530222
上で述べたin vitro方法に従うと、この2層フィルムは、2面のうちの片側のみ(1層のみ)が優先的に、驚くことに80〜90%以上の高選択性で結合することが判明した。
この実施例の遅延放出を例示するために、in vivoで簡単な試験を実施した。上の表2Aに記述したフィルムを、層1の厚さ3.5ミルおよび層2の厚さ1.75ミルで調製した。この評価には、練り歯磨きおよび洗口液の感覚的側面を評価するために訓練した14人の被験者が参加した。各被験者は、最初に、軟組織への使用中に沈着するであろう量と同等の重量のフィルムを付着し、次いで直ちにColgate(登録商標)MaxFresh(登録商標)を用いて2分間ブラッシングをした。各パラメータを、15が最も強烈である15点満点として評価した。表2Bが示す通り、フィルムと練り歯磨きとが組み合わせられた場合、フレーバーのかなりの放出が存在し、フィルムからのピーク放出は、15分時点であった。冷却についても、同様の効果が認められた。
Figure 2013530222
この実施例は、この発明の多層フィルムから、フレーバー放出がどのように遅延されるかを示す。多層フィルムは、下の表3に示す通り、表面層1および3にポリ酢酸ビニル(「PVA」)を添加すること以外は、上の実施例1または2にある通りに調製する。
Figure 2013530222

表3に示したPVAの量は、実施例1の多層フィルムの膨潤速度を低下させ、かつ溶解時間を2分未満〜10分ないし15分まで増大させるのに十分である。
この実施例は、練り歯磨きの配合組成を例示する。練り歯磨きAは、実施例1にある通りに調製された3層フレーバーチップを含有していた。練り歯磨きBは、下の表4に示す通り、いずれのフレーバーチップも含有していなかった。
Figure 2013530222
3層フレーバーチップを含有する練り歯磨きAのフレーバー放出プロフィールは、図1のパターンとなった。図1は、3層フレーバーチップを含んでいた練り歯磨きAと、含んでいなかった練り歯磨きBとの違いを示す。練り歯磨きAが、練り歯磨きBよりも高いフレーバー強度プロフィールを有することが容易にわかる。さらに、練り歯磨きAの多層チップから放出されるフレーバーによって発生するフレーバーシグナルは、練り歯磨きのフレーバーが減少してから一定期間後にブラッシング中に発生する、より強烈な第2のフレーバーシグナルを提供した。
実施例3に関しては、3層フィルムフレーバーチップを含有する練り歯磨きAは、図1のフレーバー放出プロフィールとなった。図1に示される通り、最初は、唾液中のフレーバーレベルによって測定される通りの練り歯磨きAのフレーバー放出プロフィールは、従来の練り歯磨きBと同じ放出プロフィールとなり、1重量%のフレーバーしか含有していなかった。一定期間後、例えば約30秒後、練り歯磨きAからのフレーバーが消費されると、3層フィルムフレーバーチップからのフレーバーが放出され、さらなる一定期間後、例えば約60秒後、消費者は、3層フィルムフレーバーチップからの6重量%のフレーバーの放出によって、ブラッシング行為を通して終始持続する、フレーバーの噴出を経験する。練り歯磨きAに含有される3層フレーバーチップから放出されるフレーバーの噴出は、最初のフレーバー放出後も継続するので、ブラッシング行為を通して終始フレーバー送達を増強させる。
この実施例は、洗口液の配合組成を例示する。実施例4にある通りに調製された3層フレーバーチップを、洗口液Aに加える。洗口液Bは、下の表5に示す通り、いずれのフレーバーチップも含有していなかった。
Figure 2013530222
3層フレーバーチップを含有する洗口液Aのフレーバー放出プロフィールは、図1のパターンとなった。洗口液Aは、フレーバーシグナルのさらなる遅延を提供するのに対して、洗口液Bは提供しない。
この実施例は、練り歯磨きAの第2のフレーバーシグナルの時間をどのように制御するかを示す。多層フィルムは、層2の厚さを4ミル、すなわち、フレーバーの使用後放出を20分という所望の時間に制御するのに有効な量に増大させること以外は、上の実施例3にある通りに調製する。
この実施例は、第2のフレーバーシグナルのフレーバー強度が制御された練り歯磨きAをどのように調製するかを示す。この実施例では、中心層内のフレーバーの量を約15%まで変化させること以外は、実施例1の手順に従って、3層フィルムからのフレーバーチップを調製する。中心層のフレーバー含有率が高いほど、練り歯磨きAの第2のフレーバーシグナルのフレーバー強度は強くなる。
この実施例は、ベース練り歯磨きのフレーバーシグナルとは異なる第2のフレーバーシグナルをどのように提供するかを示す。実施例1の手順に従って、3層フィルムからのフレーバーチップを調製する。次いで、このフレーバーチップを、練り歯磨きAのフレーバーが3層フレーバーチップのフレーバーと異なること以外は実施例5の練り歯磨きAの組成を有する練り歯磨きに加える。消費者は、この実施例に従って調製した練り歯磨きを用いてブラッシングを行うと、ベース練り歯磨きの第1のフレーバーシグナルとは異なり、かつより強烈である、第2のフレーバーシグナルを経験する。第2のフレーバーシグナルは、図1に示す通りのパターンとなる、3層フィルムチップからのフレーバーの放出によって引き起こされる。
この実施例は、フレーバーの噴出に加えて涼感シグナルを提供することができる練り歯磨きをどのように調製するかを示す。3層フィルムからのチップは、中央層のフレーバーにWS-3などの涼感剤が追加されること以外は実施例1にある通りに調製する。次いで、WS-3を含有するこのフレーバーチップを、実施例5の練り歯磨きAの組成を有する練り歯磨きに加える。消費者は、ブラッシングを行うと、練り歯磨きAのフレーバーおよびその中に含有される3層チップ内に存在するフレーバーに加えて、涼感を感じる。
この実施例は、フレーバーの噴出に加えて辛み感覚シグナルを提供することができる練り歯磨きをどのように調製するかを示す。3層フィルムからのチップは、中央層のフレーバーにスピラントールなどの辛み感覚剤が追加されること以外は実施例1にある通りに調製する。次いで、スピラントールを含有するこのフレーバーチップを、実施例5の練り歯磨きAの組成を有する練り歯磨きに加える。消費者は、ブラッシングを行うと、練り歯磨きAのフレーバーおよびその中に含有される3層チップ内に存在するフレーバーに加えて、辛み感覚を感じる。
この実施例は、フレーバーの噴出に加えて甘み感覚シグナルを有する練り歯磨きをどのように調製するかを示す。3層フィルムからのチップは、中央層のフレーバーにスクラロースなどの甘み感覚剤が追加されること以外は実施例1にある通りに調製する。次いで、甘み感覚剤も含有するこのフレーバーチップを、実施例5の練り歯磨きAの組成を有する練り歯磨きに加える。消費者は、ブラッシングを行うと、練り歯磨きAのフレーバーおよびその中に含有される3層チップ内に存在するフレーバーに加えて、甘み感覚を感じる。
この実施例は、フレーバーの噴出に加えて温感シグナルを有する練り歯磨きをどのように調製するかを示す。3層フィルムからのチップは、中央層のフレーバーに水活性化ゼオライトなどの温感剤が追加されること以外は実施例3にある通りに調製する。次いで、温感剤も含有するこのフレーバーチップを、実施例5の練り歯磨きAの組成を有する練り歯磨きに加える。ブラッシングの10分後、遅延層は溶解し、ゼオライトは唾液由来の水にさらされ、その結果、使用者は、フィルム層から放出されるフレーバーに加えて、温感を感じる。

Claims (27)

  1. 第1のフレーバーを含む経口的に許容し得る担体と、
    長時間または遅延フレーバー放出のための多層フィルム(該多層フィルムは、第2のフレーバーを含有する中央層を含み、該中央層は、2つの外側表面層の間に位置し、各外側表面層は、放出調節剤を含む)と、
    を含み、前記多層フィルムが、口腔表面に付着するように適用される、フレーバー放出が増強されたオーラルケア組成物。
  2. 前記第2のフレーバーが、前記多層フィルムから、前記多層フィルムが口腔表面に付着した後、前記第2のフレーバーを口腔に送達するのに有効な速度で放出される、請求項1の組成物。
  3. 前記多層フィルムが、活性な材料をさらに含む、請求項1の組成物。
  4. 外側表面層が、同一の材料を含む、請求項1の組成物。
  5. 放出調節剤が、ポリ酢酸ビニル、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびヒドロキシエチルセルロースから選択される、請求項1の組成物。
  6. 放出調節剤が、多層フィルムの約5重量%〜約30重量%の量で存在する、請求項1の組成物。
  7. 前記外側表面層および前記中央層が、フィルム形成ポリマーを含む、請求項1の組成物。
  8. フィルム形成ポリマーが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびこれらの2つ以上の組み合わせから選択される、請求項7の組成物。
  9. フィルム形成ポリマーが、多層フィルムの約25重量%〜約75重量%の量で存在する、請求項8の組成物。
  10. 外側表面層が、粘膜付着性ポリマーをさらに含む、請求項7の組成物。
  11. 粘膜付着性ポリマーが、カルボキシポリメチレン、ポリカルボフィル、およびポリビニルピロリドンからなる群から選択される、請求項10の組成物。
  12. 粘膜付着性ポリマーが、各外側表面層の約1重量%〜約20重量%の量で存在する、請求項8の組成物。
  13. 経口的に許容し得る担体が、練り歯磨きまたは洗口液である、請求項1の組成物。
  14. 各外側表面層が、約0.2ミル〜約4ミルの厚さを有する、請求項1の組成物。
  15. 第2のフレーバーが、中央層の約5重量%〜約25重量%を占める、請求項1の組成物。
  16. 中央層が、涼感剤、辛み感覚剤、甘みシグナル剤、温感剤、およびそれらの混合物からなる群から選択される1種または複数の作用薬をさらに含む、請求項1の組成物。
  17. 涼感剤が、メントール、N-エチル-p-メンタン-3-カルボキサミド、エチル-3-(p-メンタン-3-カルボキサミド)酢酸塩、2-イソプロピル-N,2,3-トリメチルブチルアミド、およびL-乳酸メンチルからなる群から選択される、請求項16の組成物。
  18. 辛み感覚剤が、スピラントール、カプサイシン、およびオレオレジンカプシカムからなる群から選択される、請求項16の組成物。
  19. 甘みシグナル剤が、サッカリンナトリウム、スクラロース、およびアスパルテームからなる群から選択される、請求項16の組成物。
  20. 温感剤が、ケイ皮アルデヒド、ゼオライト、およびカプサイシンからなる群から選択される、請求項16の組成物。
  21. 第1のフレーバーを含有する経口的に許容し得るビヒクルに封入された多層フィルムを含むオーラルケア組成物であって、該多層フィルムが、第2のフレーバーを含有する中央層を含み、該中央層が、2つの外側表面層の間に位置し、各外側表面層が、フィルム形成ポリマー、放出調節剤、および粘膜付着性ポリマーを含み、該多層フィルムが、適用後に口腔表面に保持され、侵食されるまで残存し、それによって、適用後に追加のフレーバーおよび他の活性剤を放出する、オーラルケア組成物。
  22. 前記第1のフレーバーが、前記組成物が口腔表面と最初に接触してから約1秒〜約2分後に前記第1のフレーバーを口腔に送達するのに有効な速度で、前記経口的に許容し得る担体から放出される、請求項1の組成物。
  23. 前記第2のフレーバーが、前記組成物が口腔表面と最初に接触してから約1分〜約60分後に前記第2のフレーバーを口腔に送達するのに有効な速度で、前記中央層から放出される、請求項1の組成物。
  24. 前記第1のフレーバーが、前記経口的に許容し得る担体から放出され、前記第2のフレーバーが、前記組成物の前記口腔表面との接触が完了してから約2分〜約60分後に最大フレーバー強度を提供するのに有効な速度で、前記中央層から放出される、請求項1の組成物。
  25. 前記第1のフレーバーが、前記経口的に許容し得る担体から放出され、前記第2のフレーバーが、前記組成物の口腔表面との接触が完了してから約5分〜約30分後に最大フレーバー強度を提供するのに有効な速度で、前記中央層から放出される、請求項1の組成物。
  26. 前記第1のフレーバーが、前記経口的に許容し得る担体から放出され、前記第2のフレーバーが、前記組成物の口腔表面との接触が完了してから約12分〜約20分後に最大フレーバー強度を提供するのに有効な速度で、前記中央層から放出される、請求項1の組成物。
  27. 前記第1のフレーバーが、前記経口的に許容し得る担体から放出され、前記第2のフレーバーが、前記組成物の口腔表面との接触が完了してから約10分後に最大フレーバー強度を提供するのに有効な速度で、前記中央層から放出される、請求項1の組成物。
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